説明

有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物

【課題】本発明の目的は、自動食器洗浄機、特に非連続式の自動食器洗浄機中で、濯ぎ不良や、リン酸スケールや炭酸スケールを生成せず、洗浄時にグラス等の被洗浄物に腐食等のダメージを与えない、優れた洗浄性能を有する、有リン自動食器洗浄機用洗浄剤を提供することにある。
【解決手段】本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤は、(A)成分として、アルカリ剤20〜60質量%、(B)成分として、縮合リン酸塩1〜30質量%、及び(C)成分として、Ca(II)に対する安定度定数が、5.0以上、かつPb(II)に対する安定度定数が17.0未満のキレート剤(但し縮合リン酸塩は除く)を1〜10質量%を含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動食器用洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは、リンを含有する自動食器洗浄剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホテル、外食産業、給食センター等の厨房では、食器、容器、調理器具等の洗浄の機械化または自動化、省力化、労働環境の整備、衛生管理の充実等の目的から、自動食器洗浄機が急速に普及している。この自動食器洗浄機に使用される洗浄剤としては、従来から多種多様なタイプがある。なかでも、リンを含有する自動食器洗浄機用洗浄剤(有リン自動食器洗浄機用洗浄剤)は、洗浄力や再汚染防止力、被洗物へのスケール防止能等において無リン洗浄剤よりもすぐれ、かつ安価であるため、業務用自動食器洗浄機用洗浄剤として、広く使用されている。例えば、特許文献1には、トリポリリン酸カリウム3〜40重量%(質量%)、トリポリリン酸ナトリウム0〜17重量%(質量%)、SiO/KOのモル比0.5〜1のケイ酸カリウム1〜20重量%(質量%)、水酸化カリウム0〜20重量%(質量%)、次亜塩素酸アルカリ塩(有効塩素含有量として)0.2〜3重量%(質量%)と水とからなり、且つ水以外の成分が50重量%(質量%)以下としたことを特徴とする液体洗浄剤組成が開示されている。
【0003】
しかしながら、近年、自動食器洗浄機による洗浄においても、節約化、効率化の傾向があり、濯ぎ水量の削減や、多量の被洗物のラッキング等により、洗浄機内表面が濯ぎ不良となり、洗浄剤が残留、濃縮・乾燥することで、洗浄機内表面に極度に水溶性の低いリン酸スケールが形成し、蓄積するという問題が生じることが明らかになった。特に、洗浄と洗浄の間に時間的インターバルのある非連続式の洗浄機、いわゆるアンダーカウンタータイプの洗浄機やドアタイプの洗浄機においては、濯ぎ不良で洗浄機内表面に洗浄剤が残留し、次の洗浄を行なう前に濃縮・乾燥が起こり易くなり、大きな問題となっている。特に高アルカリの、有リン洗浄剤の場合、短期間で洗浄機内部にリン酸スケールが生成すること、水硬度の高い地域では顕著にリン酸スケールが生成することがわかっている。
【0004】
また、自動食器洗浄機中には、上述のような有リン洗浄剤由来のリン酸スケール以外にも、水道水由来の炭酸スケール等が生成する問題がある。この炭酸スケールの問題を解決した洗浄剤として、特定の構造単位を有する化合物を用いた例が報告されている。例えば、特許文献2には、アルカリ剤(A)、有機リン系キレート剤(B)及び高分子水溶性分散剤(C)を含有し、(A)/(B)重量(質量)比が(A)/(B)=1/1〜10/1、(B)/(C)重量(質量)比が(B)/(C)=1/1〜10/1であることを特徴とする食器洗浄機用洗浄組成物が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開昭62−50399号公報 特許請求の範囲
【特許文献2】特開平10−226800号公報 特許請求の範囲
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示されている食器洗浄機用洗浄組成物は、非連続式の洗浄機を意識したものではなく、リン酸スケールの防止効果や洗浄性能等も実際には満足のいくものではなかった。
また、リン酸スケール及び炭酸スケールを防ぐためにキレート剤を使用した場合、添加したキレート剤やアルカリ剤による強アルカリ性によって、洗浄時にグラス(特にクリスタルグラス)等を腐食してしまう問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、自動食器洗浄機、特に非連続式の自動食器洗浄機中で、濯ぎ不良や、リン酸スケールや炭酸スケールを生成せず、洗浄時にグラス等の被洗浄物に腐食等のダメージを与えない、優れた洗浄性能を有する、有リン自動食器洗浄機用洗浄剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、キレート剤の安定度定数に着目することにより、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)成分として、アルカリ剤20〜60質量%、
(B)成分として、縮合リン酸塩1〜30質量%、及び
(C)成分として、Ca(II)に対する安定度定数が、5.0以上、かつPb(II)に対する安定度定数が17.0未満のキレート剤(但し縮合リン酸塩は除く)を1〜10質量%を含有することを特徴とする有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を提供するものである。
【0009】
また、本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(C)成分のキレート剤が、ニトリロ三酢酸及びそのアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸及びそのアルカリ金属塩からなる群から選択される1種または2種以上であることをと特徴とする。
更に、本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(D)成分として、ノニオン界面活性剤、0.1〜20質量%を含有することを特徴とする。
また、本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物が、非連続式の自動食器洗浄機用であることを特徴とする。
更に、本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、非連続式の自動食器洗浄機が、業務用自動食器洗浄機であることを特徴とする。
また、本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、自動食器洗浄機の1ラック当たりの濯ぎ水量が4L(リットル)以下である洗浄に使用されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果は、自動食器洗浄機、特に、非連続式の自動食器洗浄機中で、濯ぎ不良や、リン酸スケール、炭酸スケールを生成せず、洗浄時にグラス等の被洗浄物に腐食等のダメージを与えない、優れた洗浄性能を有する、有リン自動食器洗浄機用洗浄剤を得たことにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、必須の構成成分として、(A)成分のアルカリ剤を20〜60重量%、(B)成分の縮合リン酸塩を1〜30重量%、(C)成分の、Ca(II)に対する安定度定数が、5.0以上、かつPb(II)に対する安定度定数が17.0未満のキレート剤(但し縮合リン酸塩は除く)を1〜10重量%含有してなることを特徴とするものである。
【0012】
次に、本発明の(A)成分について説明する。
本発明の(A)成分はアルカリ剤である。アルカリ剤としては、通常自動食器洗浄機用洗浄剤に使用されるアルカリ剤であればよいが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、等が挙げられ、洗浄力の点から、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが好ましい。これらアルカリ剤は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
(A)成分のアルカリ剤の含有量は、本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物中、20〜60質量%であるが、洗浄力、及び他の洗浄成分とのバランスや経済性の点から好ましくは20〜50質量%、より好ましくは25〜45質量%である。20質量%より少ないと洗浄性の点で好ましくなく、60質量%を超えると他の洗浄成分とのバランスや経済性の点で好ましくない。
【0014】
次に、本発明の(B)成分について説明する。
本発明の(B)成分の縮合リン酸塩は、通常自動食器洗浄機用洗浄剤に使用されるものであればよいが、例えば、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カリウム等が挙げられ、洗浄性能、イオン封鎖性能の点から、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが好ましく、特に、トリポリリン酸ナトリウムが好ましい。これら縮合リン酸塩は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
(B)成分の縮合リン酸塩の含有量は、本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物中、1〜30質量%であるが、洗浄性能、イオン封鎖性能の点から好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜25質量%である。1質量%より少ないと洗浄性能、イオン封鎖性能の点で好ましくなく、30質量%を超えると他の洗浄成分とのバランスや経済性の点で好ましくない。
【0016】
次に、(C)成分について説明する。
本発明の(C)成分は、Ca(II)に対する安定度定数が、5.0以上、かつPb(II)に対する安定度定数が17.0未満のキレート剤(但し縮合リン酸塩は除く)である。
【0017】
ここで、本明細書に記載する「安定度定数(生成定数ともいう)」とは、錯体の安定度を示す尺度であり、水和金属イオン(本発明の場合、二価のCaイオンと二価のPbイオン)と配位子(本発明の場合、キレート剤)とから錯体(キレート化合物)が生成するときの平衡定数として示される。
配位子(キレート剤)をL、金属イオンをM、錯体をMLとしたとき、その安定度定数βは以下の式で表される:
=[ML]/[M][L]
β=logK
【0018】
本発明の(C)成分であるキレート剤は、Ca(II)に対する安定度定数が5.0以上であり、かつPb(II)に対する安定度定数が17.0未満であるが、Ca(II)に対する安定度定数(キレート能)が高いキレート剤は、グラス(クリスタルグラス)等の成分であるPbに対するキレート能も高いため、クリスタルグラスなどの高級食器を洗浄すると腐食する問題が生じてしまい、逆に、Pbに対するキレート能が小さくてもCaに対するキレート能が小さくては、有リン洗浄剤の場合、濯ぎ不良や濃縮時にリン酸スケールなどが生成する問題が生じてしまうという知見を見出したことにより、この値を見出したものである。特に、濯ぎ不良や、リン酸スケールの生成を防ぐために、Ca(II)に対する安定度定数は6.0以上が好ましく、Pb(II)に対する安定度定数は16.0以下が好ましい。
【0019】
本発明で使用できる(C)成分のキレート剤の具体例をあげると、ニトリロ三酢酸およびそのアルカリ金属塩[Ca(II)の安定度定数=6.4、Pb(II)の安定度定数=11.4]、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸[Ca(II)の安定度定数=8.5、Pb(II)の安定度定数=15.5]およびそのアルカリ金属塩等があげられ、特に、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウムが好ましい。これらキレート剤は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本発明の(C)成分のキレート剤において、縮合リン酸塩は除外される。
【0020】
(C)成分の含有量は、本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物中、1〜20重量%であり、リン酸スケール防止とクリスタルグラスへの腐食の点から1〜15重量%が好ましく、5〜10重量%がより好ましい。1重量%より少ないとリン酸スケール防止能の点で好ましくなく、20重量%を超えるとクリスタルグラスへの腐食防止能の点で好ましくない。
【0021】
本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤は、さらに(D)成分として、ノニオン界面活性剤を0.1〜20質量%含有することが好ましい。
ノニオン界面活性剤の例としては、一般的に知られているものが使用できる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、プルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、リバーステトロニック型ブロックポリマー、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ミスチリン酸ジエタノールアミド、ミスチリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルグルコシド類、アミンオキサイド類、等があげられ、特に、洗浄性との点から、プルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、リバーステトロニック型ブロックポリマーが好ましい。これらノニオン界面活性剤は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
(D)成分の含有量は、0.1〜20質量%が好ましいが、洗浄性と他の成分とのバランスや経済性の点から、0.5〜5質量%がより好ましい。
【0023】
なお、本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物リン成分は上記(B)成分由来のものであるが、もちろん(B)成分の縮合リン酸塩以外のリンを含む物質を含有していてもよい。
【0024】
また、本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤には、上記(A)〜(D)成分以外に、さらに任意成分として、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸スルホン酸共重合体、等の水溶性高分子、硫酸ナトリウム(芒硝)、硫酸カリウム等の無機塩、セルラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、等の酵素、過炭酸塩、過ホウ酸塩、スルホン化フタロシアニン塩、過酸化水素等の漂白剤、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、低級アルキルエトキシレート、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の可溶化剤、硫酸アンモニウム、尿素、塩酸グアジニン、炭酸グアジニン、スルファミン酸グアジニン、二酸化チオ尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、等の塩素捕捉剤、色素、香料、水等を配合することができる。
【0025】
本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤は、リン酸スケールや炭酸スケールの生成が抑制されているため、特に、洗浄と洗浄の間に時間的インターバルのある非連続式の自動食器洗浄機において、好ましく使用することができる。さらに業務用の自動食器洗浄機に好ましく使用することができる。
【0026】
また、本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤は、リン酸スケールの生成が抑制されているため、濯ぎ水の量が少ない洗浄条件・洗浄機に好ましく使用され、特に、1ラック当たりの濯ぎ水量が4L以下である洗浄条件・洗浄機に好ましく使用され、より好ましくは1ラック当たりの濯ぎ水量が3.5L以下である洗浄条件・洗浄機に使用される。
【実施例】
【0027】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中の「部」及び「%」は特に記載が無い限り質量基準である。
実施例
表1に記載した配合割合で本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を調製した。得られた有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物用いて、下記の条件で洗浄試験を行い、下記の評価基準で洗浄性、リン酸スケール防止効果、炭酸スケール防止効果、グラス腐食防止効果について評価した。結果を表1に示す。同様に表1に記載した配合の比較品で試験を行なった。
【0028】
<洗浄条件>
洗浄機名:業務用食器洗浄機SANYO DW−DR62(非連続式)
濯ぎ水量:3.5L/ラック
洗浄:60℃・45秒 濯ぎ:80℃・8秒 インターバル:60秒
洗浄剤濃度:0.1%(対タンク内水量)
【0029】
<洗浄性>
評価方法:
2gのラードが付着した半径10cmの皿5枚を洗浄し、乾燥後以下の基準で目視判定した。
評価基準:
◎ 汚れが完全に除去された。
○ 汚れがほとんど除去された。
△ 汚れの除去が不十分であった。
× 汚れがほとんど除去されなかった。
【0030】
<リン酸スケール防止効果>
評価方法:
洗浄ラックにグラスをフルラッキングし、洗浄、濯ぎ、インターバルの工程を100サイクル繰り返し行った後、洗浄機内のスケールの生成を以下の基準で目視判定した。
評価基準:
◎ スケール付着がなかった。
○ スケール付着がほとんどなかった。
△ スケール付着があった。
× スケール付着が著しかった。
【0031】
<炭酸スケール防止効果>
評価方法:
洗浄ラックにグラスをフルラッキングし、洗浄、濯ぎ、インターバルの工程を100サイクル繰り返し行った後、グラスに付着したスケールの生成を以下の基準で目視判定した。
評価基準:
◎ スケール付着がなかった。
○ スケール付着がほとんどなかった。
△ スケール付着があった。
× スケール付着が著しかった。
【0032】
<グラス腐食防止効果>
評価方法:
洗浄ラックにクリスタルグラスをフルラッキングし、洗浄、濯ぎ、インターバルの工程を100サイクル繰り返し行った後、クリスタルグラスの腐食を以下の基準で目視判定した。
評価基準:
◎ 腐食がなかった。
○ 腐食がほとんどなかった。
△ 腐食があった。
× 腐食が著しかった。
【0033】
【表1】

【0034】
表1中
*1:NTA=ニトリロ三酢酸ナトリウム塩[Ca(II)の安定度定数=6.4、Pb(II)の安定度定数=11.4]
*2:HEDTA=ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム塩[Ca(II)の安定度定数=8.5、Pb(II)の安定度定数=15.5]
*3:EDTA=エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩[Ca(II)の安定度定数=10.9、Pb(II)の安定度定数=18.3]
*4:HIDA=ヒドロキシエチルイミノ二酢酸ナトリウム塩[Ca(II)の安定度定数=4.6、Pb(II)の安定度定数=9.4]
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤は、リン酸スケールや炭酸スケールの生成が抑制されているため、特に、洗浄と洗浄の間に時間的インターバルのある非連続式の自動食器洗浄機において、好ましく使用することができる。さらに業務用の自動食器洗浄機に好ましく使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分として、アルカリ剤20〜60質量%、
(B)成分として、縮合リン酸塩1〜30質量%、及び
(C)成分として、Ca(II)に対する安定度定数が、5.0以上、かつPb(II)に対する安定度定数が17.0未満のキレート剤(但し縮合リン酸塩は除く)を1〜20質量%を含有することを特徴とする有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
【請求項2】
(C)成分のキレート剤が、ニトリロ三酢酸及びそのアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸及びそのアルカリ金属塩からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1記載の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
【請求項3】
さらに、(D)成分として、ノニオン界面活性剤、0.1〜20質量%を含有する、請求項1または2記載の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
【請求項4】
有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物が、非連続式の自動食器洗浄機用である、請求項1ないし3のいずれか1項記載の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
【請求項5】
非連続式の自動食器洗浄機が、業務用自動食器洗浄機である、請求項4記載の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
【請求項6】
自動食器洗浄機の1ラック当たりの濯ぎ水量が4L以下である洗浄に使用される、請求項1ないし5いずれか1項記載の有リン自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2006−70204(P2006−70204A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−257151(P2004−257151)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000000387)旭電化工業株式会社 (987)
【出願人】(593085808)株式会社アデカクリーンエイド (25)
【Fターム(参考)】