説明

有機液体吸収剤及びオイルゲルの製造方法

【課題】有機液体吸収組成物ならびにオイルゲルの製造方法を提供すること。
【解決手段】オリゴ糖類の水溶液を凍結乾燥させることにより得た凍結乾燥オリゴ糖類を含有することを特徴とする、有機液体吸収組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機液体吸収剤及びこれを用いたオイルゲルの製造方法に関する。より詳細には、油組成物等を含む有機液体を吸収し、これを固化或いはゲル化することが可能な有機液体吸収剤、ならびに運搬、廃棄、保存に便利で、かつ機能性食品等の食用にも用いることが可能なオイルゲルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁油、機械油、熱媒体、潤滑油等に代表される油組成物は、基材となる油分の他、添加剤や不純物が含まれた混合系となっており、廃棄が困難である場合がある。油組成物だけでなく広く産業界で用いられている有機溶剤は、種々の成分を溶解しやすいため、例えばハロゲン化芳香族化合物(ダイオキシン、ポリクロロビフェニル類等)等の毒性成分が含まれていることもあり、容易に運搬できない場合もある。また、環境の影響を受けやすい(例えば酸化しやすい等)油組成物ならびに有機液体は、保管が困難である場合もある。
【0003】
一方、各種植物油及び動物油に代表される食用油は、主に家庭で使用され、使用後は廃棄する必要があるが、その多くは排水溝にそのまま流され、水質を汚染する原因となっている。使用済み食用油をゲル化して廃棄させるための製品(例えば、水素添加ひまし油や、12−ヒドロキシステアリン酸等)が市販されているが、食用油が高温のうちに該製品を添加混合しなければならないなど、使用に不便な点が多く、日常的に簡便に使用されるに至っていない。また、油吸収性のスポンジ等網状構造物に油を吸収させることを目的とする製品が市販されているが、吸収可能な油の量に限りがあり、また吸収した油が漏れ出てくるなどの不都合があるため、こちらも日常的に使用されるには至っていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような現状に鑑み、本発明者らは、室温付近の温度で容易に油組成物を含む有機液体を吸収し、これを固化或いはゲル化する方法を鋭意検討したところ、凍結乾燥させたオリゴ糖類に、有機液体を吸収し、これを固化或いはゲル化する作用があることを発見し、本発明を完成するに至った。本発明の態様は以下の通りである:
1.オリゴ糖類の水溶液を凍結乾燥させることにより得た凍結乾燥オリゴ糖類を含有することを特徴とする、有機液体吸収組成物。
2.オリゴ糖類が、2〜20の単糖から構成されるオリゴ糖から選択される、上記1に記載の有機液体吸収組成物。
3.オリゴ糖類を形成する単糖が、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、フコース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、グルクロン酸、ガラクツロン酸、シアル酸、及びこれらの混合物から選択される、上記1または2に記載の有機液体吸収組成物。
4.オリゴ糖類が、環状オリゴ糖類である、上記1〜3のいずれかに記載の有機液体吸収組成物。
5.上記1〜4のいずれかに記載の有機液体吸収組成物と有機液体とから形成されたオイルゲル。
6.有機液体が、有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料、香料及びインキ及びこれらの混合物を含む、上記5に記載のオイルゲル。
7. オリゴ糖類を凍結乾燥させて得たオリゴ糖類集合体を含有する有機液体吸収組成物と、有機液体とを混合することを特徴とする、オイルゲルの製造方法。
8.オリゴ糖類が、2〜20個の単糖が結合したオリゴ糖である、上記7に記載の製造方法。
9.オリゴ糖類を形成する単糖が、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、フコース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、グルクロン酸、ガラクツロン酸、シアル酸、及びこれらの混合物から選択される、上記7または8に記載の製造方法。
10.有機液体が、有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料、香料及びインキ及びこれらの混合物を含む、上記7〜9のいずれかに記載の製造方法。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明を詳細に説明する。本発明の一の態様は、オリゴ糖類の水溶液を凍結乾燥させて得たオリゴ糖類集合体を含有することを特徴とする、有機液体をゲル化することが可能な、有機液体吸収組成物である。ここでオリゴ糖類とは、2以上の単糖類がグリコシド結合した化合物のことをいい、本発明では、特に2〜20個、好ましくは2〜10個の単糖類が結合した化合物をいう。本発明で用いるオリゴ糖類は、鎖状構造であってもよく、環状構造をとった環状オリゴ糖類であってもよい。環状オリゴ糖類の例として、シクロデキストリン類が挙げられる。シクロデキストリンとは数分子のD−グルコースが α(1→4) グルコシド結合によって結合し、環状構造をとった環状オリゴ糖の一種であり、結合するD−グルコースの数に応じてα−(6個)、β−(7個)及びγ−シクロデキストリン(8個)が存在する。シクロデキストリンは環状構造の外側にヒドロキシ基を有しているため水溶性が高いが、空孔内部には疎水性分子を包接することが可能になっている。シクロデキストリンは、以下の式:
【0006】
【化1】

(ここでmは6、7または8である。)で表される。
【0007】
本発明で使用するオリゴ糖類を構成する単糖の例としては、例えばグルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、フコース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、グルクロン酸、ガラクツロン酸、シアル酸、及びこれらの混合物が挙げられる。オリゴ糖類を構成する単糖類は、一種または複数であってよく、複数種の単糖類が結合すると、ヘテロオリゴ糖類が形成される。
本発明は、オリゴ糖類の水溶液を凍結乾燥させることにより得たオリゴ糖類集合体が、有機液体を吸収してこれをゲル化させ、オイルゲルを形成できることを発見したことに基づく。オリゴ糖類の水溶液の凍結乾燥は、当業者に周知の常法により行うことができる。
【0008】
ここで本明細書において有機液体とは、一般的な有機溶剤の他、例えば絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤などのように、1以上の他の成分が溶解した混合物である油組成物であっても良い。すなわち、有機液体は一般に種々の成分を溶解可能な良溶媒であるので、各種有機物や無機物、及び溶剤などの複数の成分が溶解した組成物の形で存在することが多い。例えば、使用後の有機溶剤には種々の成分が溶解しうるが、本明細書においては、純粋の有機溶剤を含め、混合物の形態の各種有機溶剤をも総称して「有機液体」と呼ぶものとする。すなわち、塗料やインキのような、各種有機溶剤または油成分と顔料等との混合物も本発明における有機液体である。また、化学反応終了後の反応液等も本発明における有機液体である。なお、本明細書における「有機液体」であるかどうかの目安として、水に対する溶解度(20℃)が7.8重量%以下であることが挙げられる。あるいは溶解度パラメータが7.0〜14.4であることも別の指標となりうる。溶解度パラメータについては「高分子データハンドブック(基礎編)」高分子学会編を参照されたい。
【0009】
上述の通り、本発明者らはオリゴ糖類を凍結乾燥させて得たオリゴ糖類集合体と有機液体とを混合すると、有機液体がゲル化し、オルガノゲルを形成することを発見した。ここで本発明で形成される「オイルゲル」とは、上記の有機液体が、見た目上固形の状態となったオルガノゲルを指す。すなわち、オルガノゲルは周囲温度雰囲気下において一定の固体の形状を有している。オルガノゲルを入れた容器を横にする或いは逆さにしても、当該オルガノゲルの形状は変化せず、たとえ変化したとしてもごくわずかである。オルガノゲルは通常は弾性を有しているが、場合によっては、弾性を有しない、いわゆる堅い固体の状態のこともあり得る。本明細書における「オイルゲル」または「オルガノゲル」であるかどうかの目安として、水に対する溶解度(20℃)が7.8重量%以下である有機液体をゲル化したものであることが挙げられる。あるいは有機液体の溶解度パラメータが7.0〜14.4であることも別の指標となりうる。
オリゴ糖類集合体と有機液体とを混合すると有機液体がゲル化する仕組みについては明らかではない。しかし本発明者らは、オリゴ糖類の水溶液を凍結乾燥させることにより、オリゴ糖類が特定の形態(例えば、一列に並ぶ等)に集合して疎水性の孔を多数もつ多孔性構造体が形成され、その疎水性部位に有機液体が包接され、結果としてオリゴ糖類集合体と有機液体とが網状構造体あるいは擬似的な網状構造体を形成してゲル化するのではないかと考えている。ゲル化は常温付近で進行し、従来の食用油ゲル化剤のように油組成物を高温にする必要がない。またスポンジ等に油組成物を吸収させた場合のように、一度吸収された油が漏れ出てくるなどの不都合が起こりにくく、安定なゲル形態を維持することができる。従来液状のまま保管していた絶縁油を本発明に従うオイルゲルの形態で保管することにより、油の流出等のおそれなく、安全に保管することが可能である。
【0010】
さらに本発明においてゲル化機能を有するオリゴ糖類集合体として、食用であり人体に安全なものを用いれば、家庭における食用油ゲル化剤として使用し、万一それが口に入るようなことがあっても、人体に悪影響を及ぼすおそれが非常に少ない。
【0011】
このように安全なオリゴ糖類集合体を使用することにより、本発明のオイルゲルには非常に有用な用途が存在する。例えば、人体に有益な成分であるが常温で酸化しやすい等、使用に際して不都合のある成分をオリゴ糖類集合体でゲル化し、これを機能性食品として摂取することができる。あるいは、魚油、肝油等の油脂類をオリゴ糖類集合体でゲル化したものを、サプリメントとして摂取することも可能である。例として、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等の不飽和脂肪酸類、油脂類、ビタミン誘導体、カロテノイド類等を、この目的で使用することができる。さらに、食用たり得る安全なオリゴ糖類集合体を利用して、テルペン化合物、エッセンシャルオイル、アロマオイル等に代表される香油或いは香料をゲル化すると、芳香剤やインテリアとして利用することも可能である。したがってこのような目的で本発明のオイルゲルを用いる場合は、不飽和脂肪酸類、油脂類、ビタミン誘導体、カロテノイド類、香料等の脂溶性成分も本発明の「油組成物」と呼ぶべきである。
【0012】
さらに、食用油を本発明のオイルゲルとすれば、酸化等の環境による劣化を防ぐことができるので保存に便利であり、使用に際して必要量を切り出し、固形のまま加熱すれば通常の食用油として使用することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の有機液体吸収組成物を製造する方法を説明する。
オリゴ糖類として、市販の二糖類〜七糖類等のオリゴ糖類ならびに市販のα−、β−及びγ−シクロデキストリンを使用することができる。あるいは常法により所望のオリゴ糖類を製造することができる。これらのオリゴ糖類の水溶液を常法により凍結乾燥させて、オリゴ糖類集合体を形成させることができる。例えば、α−シクロデキストリンの凍結乾燥による集合体は以下のように製造することができる: サンプル管に入れたα−シクロデキストリンを超純水に溶かし、液体窒素で凍結させた後、減圧下で2日間凍結乾燥させると、α−シクロデキストリン集合体が得られる。
【0014】
得られたオリゴ糖類集合体と有機液体とを、0.01:1〜1:1(重量比)の割合で混合すると、数秒間〜数分間で有機液体がゲル化し、本発明のオイルゲルとなる。有機液体としては、上述の通り有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料、香料及びインキ及びこれらの混合物等が挙げられる。ゲル化した有機液体は、室温で安定な固体形状であり、有機液体成分が漏れ出てくるなどの不都合がない。また液体よりも安定性が高く、保存に便利である。ゲル化剤として働くオリゴ糖類集合体として例えば食用であり人体に大きな害を及ぼさないシクロデキストリン集合体を使用し、本発明のオイルゲルを食用油(サラダオイル、天ぷら油、オリーブオイル、ごま油、グレープシードオイル等)で調製すれば、保存安定性の高い固形食用油が得られ、使用に際して必要量を切り出す等の用い方が可能である。さらに不飽和脂肪酸類や高機能性油脂、ビタミン誘導体、カロテノイド類、テルペン化合物、エッセンシャルオイル、アロマオイル等を用いて本発明のオイルゲルを調製すると、各種機能性食品あるいはサプリメントとしての利用あるいはインテリア製品、芳香剤としての利用が可能である。
【実施例】
【0015】
[合成例1]凍結乾燥法によるマルトトリオース集合体の調製
20 mlのサンプル菅に入れたマルトトリオース(東京化成(株))(20 mg)を超純水(2.0 ml)に溶かし、液体窒素で凍結させ、減圧下で2日間凍結乾燥させた。20 mgのマルトトリオース集合体が得られた。
[合成例2]凍結乾燥によるマルトヘキサオース集合体の調製
オリゴ糖類としてマルトヘキサオース(東京化成(株))(20 mg)を使用したこと以外は、合成例1と同様の操作を行った。20 mgのマルトヘキサオース集合体が得られた。
[合成例3]凍結乾燥法によるマルトへプタオース集合体の調製
オリゴ糖類としてマルトヘプタオース(東京化成(株))(20 mg)を使用したこと以外は、合成例1と同様の操作を行った。20 mgのマルトへプタオース集合体が得られた。
[合成例4]凍結乾燥法によるラクトース集合体の調製
オリゴ糖類として二糖類であるラクトース(東京化成(株))(20 mg)を使用した以外は、合成例1と同様の操作を行った。20 mgのラクトース集合体が得られた。
[合成例5]凍結乾燥法によるスクロース集合体の形成
糖類として二糖類であるスクロース(和光純薬(株))(20 mg)を用いたこと以外は、合成例1と同様の操作を行った。20 mgのスクロース集合体が得られた。
[合成例6]凍結乾燥法によるセロビオース集合体の形成
糖類として二糖類であるセロビオース(会社:東京化成(株))(20 mg)を用いたこと以外は、合成例1と同様の操作を行った。20 mgのセロビオース集合体が得られた。
[実施例1]ベンゼンゲルの製造
合成例1で調製したマルトトリオース集合体(2.5mg)、合成例2で調製したマルトヘキサオース集合体(2.5mg)、合成例3で調製したマルトへプタオース集合体(2.5mg)、ならびに合成例4で調製したラクトース集合体(2.5mg)を用いて、ベンゼンをゲル化することができるかどうか試験した。各オリゴ糖類集合体をそれぞれ1mLのサンプル管に入れ、各々のサンプル管にベンゼン(和光純薬(株))を加えた。いずれのサンプル管でもベンゼンのゲル化を確認することができた。表1には各オリゴ糖類集合体のベンゼンに対する最小ゲル化濃度を示す。
【0016】
【表1】

【0017】
本発明のオリゴ糖類集合体は自重の20倍以上のベンゼンをゲル化することができることがわかった。
[実施例2]大豆油ゲルの製造
合成例1で調製したマルトトリオース集合体(2.5mg)、合成例2で調製したマルトヘキサオース集合体(2.5mg)、合成例3で調製したマルトへプタオース集合体(2.5mg)、ならびに合成例4で調製したラクトース集合体(2.5mg)を用いて、大豆油をゲル化することができるかどうか試験した。各オリゴ糖類集合体をそれぞれ1mLのサンプル管に入れ、各々のサンプル管に大豆油(和光純薬(株))を加えた。いずれのサンプル管でも大豆油のゲル化を確認することができた。表1には各オリゴ糖類集合体の大豆油に対する最小ゲル化濃度を示す。本発明のオリゴ糖類集合体は自重の20倍以上の大豆油をゲル化することができることがわかった。
[実施例3]二糖類集合体によるゲル化能
合成例5及び6で形成した二糖類集合体を用いてベンゼン及び大豆油をゲル化することが可能であるか、実施例1及び2に従い試験した。これら二糖類集合体は、ゲル化能力はやや低いものの、ベンゼン及び大豆油をゲル化することができた。有機液体に対する最小ゲル化濃度を表1に記載する。
[合成例7]凍結乾燥法によるシクロデキストリン集合体の形成
糖類として、α−シクロデキストリン(α−CD)(東京化成(株))(20mg)、β−シクロデキストリン(β−CD)(東京化成(株))(20mg)、及びγ−シクロデキストリン(γ−CD)(東京化成(株))(20mg)をそれぞれ使用したこと以外は合成例1と同様の操作を行った。凍結乾燥させる前のα−CD、ならびにγ−CDと、凍結乾燥後のα−CDならびにγ−CDの走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。
[実施例4]シクロデキストリン集合体によるオルガノゲルの製造
合成例7で形成した各シクロデキストリン集合体を用いて、ヘキサン(和光純薬(株))、ベンゼン(和光純薬(株))、ジクロロメタン(和光純薬(株))、及び大豆油(和光純薬(株))をゲル化することができるかどうか試験した。各シクロデキストリン集合体5mgを1mLのサンプル管にいれ、ヘキサンを加えた。ベンゼン、ジクロロメタン、大豆油についても同様にゲル化能を確認した。
【0018】
各シクロデキストリン集合体の各有機液体に対する最小ゲル化濃度を表2に示す。
【0019】
【表2】

【0020】
表2によると、凍結乾燥β−CDは、ベンゼンならびに大豆油に対して自重の約30倍のゲル化能力があることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の有機液体吸収組成物は、有機液体をゲル化し、安定なオルガノゲルを形成することができる。得られたオルガノゲルは、取り扱い便利な固形状であり、油組成物や有機溶剤を含む有機液体の運搬、保存、廃棄などの側面において有用であるほか、有機液体を含む機能性食品またはサプリメントとしての利用も期待される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】凍結乾燥マルトトリオース(5 mg)と大豆油(160 μL)との混合により製造したオルガノゲルの写真である。
【図2】α−シクロデキストリンとγ−シクロデキストリンの凍結乾燥前及び後の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリゴ糖類の水溶液を凍結乾燥させることにより得た凍結乾燥オリゴ糖類を含有することを特徴とする、有機液体吸収組成物。
【請求項2】
オリゴ糖類が、2〜20の単糖から構成されるオリゴ糖から選択される、請求項1に記載の有機液体吸収組成物。
【請求項3】
オリゴ糖類を形成する単糖が、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、フコース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、グルクロン酸、ガラクツロン酸、シアル酸、及びこれらの混合物から選択される、請求項1または2に記載の有機液体吸収組成物。
【請求項4】
オリゴ糖類が、環状オリゴ糖類である、請求項1〜3のいずれかに記載の有機液体吸収組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の有機液体吸収組成物と有機液体とから形成されたオイルゲル。
【請求項6】
有機液体が、有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料、香料及びインキ及びこれらの混合物を含む、請求項5に記載のオイルゲル。
【請求項7】
オリゴ糖類の水溶液を凍結乾燥させて得たオリゴ糖類集合体を含有する有機液体吸収組成物と、有機液体とを混合することを特徴とする、オイルゲルの製造方法。
【請求項8】
オリゴ糖類が、2〜20個の単糖が結合したオリゴ糖である、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
オリゴ糖類を形成する単糖が、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、フコース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、グルクロン酸、ガラクツロン酸、シアル酸、及びこれらの混合物から選択される、請求項7または8に記載の製造方法。
【請求項10】
有機液体が、有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料、香料及びインキ及びこれらの混合物を含む、請求項7〜9のいずれかに記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−59338(P2010−59338A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227757(P2008−227757)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000135265)株式会社ネオス (95)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【出願人】(000000228)江崎グリコ株式会社 (187)