説明

椅子

【課題】ランバーサポート本体を、定位置に確実に停止させるとともに、操作部材と係合凹部との接触部の摩耗を抑え、ランバーサポート本体を節度感をもって安定よく上下動させうるようにしたランバーサポートを備える椅子を提供する。
【解決手段】椅子を、左右両側部に、左右方向に貫通する上下方向に長いガイド孔52を有し、このガイド孔52より内方において、複数の係合凹部57を上下方向に並べて設けた背フレームと、背フレームの外側方より操作しうるとともに、内側部が背フレームの両側部より内方に突出するようにして、背フレームのガイド孔52に、上下方向に摺動可能として嵌合され、かつ、先端部に複数の係合凹部57と選択的に弾性係合しうる係合片45aを設けた左右1対の操作部材43と、両側部に、操作部材43の内側端部に連係された後向片42bを有するランバーサポート本体とを備えるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背凭れにランバーサポートを、上下方向に移動可能に取付けてなる椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
背凭れにランバーサポートを、上下方向に移動可能に取付けてなる椅子の中には、ランバーサポートの上下位置を、節度感をもって段階的に調節しうるようにしたものがある(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国実用新案出願公開第20 2010 008 894号明細書
【特許文献2】米国特許第6,099,076号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のランバーサポートにおいては、ランバーサポート本体と一体成形された操作部材は、背フレームの側枠に形成したスリット状の開口部により、上下方向にガイドされ、かつ操作部材と対向する開口部の内面に、ランバーサポートの上下位置を、節度感をもって段階的に調節するための係合凹部を設けてあるので、操作部材をガイド部により上下方向に案内しながら、係合凹部とも選択的に係合することとなる。従って、操作部材がランバーサポート本体と連動して弾性変形すると、操作部材と係合凹部との係合力が大きくなったり、操作部材が係合凹部と偏当りするなどして、操作部材と係合凹部との接触部が摩耗し、ランバーサポート本体が左右方向にぐらついたり、節度感をもって上下動させることができなくなる恐れがある。
【0005】
また、操作部材をランバーサポート本体に一体成形すると、ランバーサポート本体が後向きに弾性変形した際、それによる曲げ荷重が操作部材に直接作用して、これが撓んだり捩れたりし、ランバーサポート本体が、定位置から上下方向にずれてしまう恐れがある。
さらに、操作部材をランバーサポート本体と一体成形すると、操作部材を操作して、ランバーサポート本体の上下位置を段階的に調節する際に発生する振動が、ランバーサポート本体に伝達されて不快感を生む。
【0006】
特許文献2に記載のランバーサポートにおいては、ランバーサポート本体の上下位置を段階的に調節する係合凹部は、背凭れの左右方向の中央部に設けられ、左右両側部の操作部材より大きく離間しているので、ランバーサポート本体が後向きに弾性変形しても、それによる曲げ荷重が操作部材に加わる恐れは小さい。
しかし、ランバーサポート本体の後面に設けた係合部が、係合凹部に前方より選択的に係合するようになっているので、ランバーサポート本体が前後方向に弾性変形すると、係合凹部より係合部が浮き上がり、ランバーサポート本体を節度感をもって上下動させることができなくなる恐れがある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、操作部材を案内するガイド孔を有するガイド部と、操作部材における係合凹部との係合部とを分離し、操作部材をガイド部により安定よく支持して案内することにより、操作部材の係合部を係合凹部に確実に係合させ、ランバーサポート本体を、定位置に確実に停止させるとともに、操作部材と係合凹部との接触部の摩耗を抑え、ランバーサポート本体を節度感をもって安定よく上下動させうるようにし、さらに、操作部材にランバーサポート本体の曲げ荷重が加わったり、上下位置を段階的に調節する際の振動が、ランバーサポート本体に伝達されることのないようにしたランバーサポートを備える椅子を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、上記課題は、次の各項のようにして解決される。
(1)背フレームに、着座者の腰部を支持するランバーサポートを設けた椅子を、 左右両側部に、左右方向に貫通する上下方向に長いガイド孔を有し、かつこのガイド孔より内方において、複数の係合凹部を上下方向に並べて設けた背フレームと、前記背フレームの外側方より操作しうるとともに、内側部が前記背フレームの両側部より内方に突出するようにして、前記背フレームのガイド孔に、上下方向に摺動可能として嵌合され、かつ、先端部に前記複数の係合凹部と選択的に弾性係合しうる係合片を設けた左右1対の操作部材と、両側部に、前記操作部材の内側端部に連係された取付部を有するランバーサポート本体とを備えるものとする。
【0009】
このような構成とすると、操作部材は、背フレームにおける両側部のガイド孔により案内されて、上下方向に安定よく移動するので、操作部材の先端部の係合片を、ガイド孔より離間する内方において、係合凹部に選択的に確実に係合させることができ、従って、ランバーサポート本体を、節度感をもって安定よく上下動させることができる。
【0010】
(2)上記(1)項において、操作部材の内側端部に、ランバーサポート本体の取付部を、 前後方向に相対移動可能かつ上下方向に相対移動不能に連係する。
【0011】
このような構成とすると、ランバーサポート本体が前後方向に弾性変形しても、その曲げ荷重が、操作部材に直接作用する恐れが小さくなるので、操作部材が撓むなどして、その取付部と係合凹部との係合力が小さくなったり、それらの互いの接触部を偏摩耗させたりすることはなく、ランバーサポート本体を定位置に確実に停止させうるとともに、節度感をもって、より安定よく上下動させることができる。
【0012】
(3)上記(1)または(2)項において、操作部材の内側部を、前後方向に弾性変形可能なほぼ垂直の板状をなすものとし、その内端部に係合片を突設する。
【0013】
このような構成とすると、操作部材の内側部が前後方向に弾性変形しやすく、かつ係合片が係合凹部に弾性的に係合するようになるので、係合片と係合凹部との上下幅を大として、互いの係合力を大きくすることができる。従って、ランバーサポート本体を定位置に確実に停止させうるとともに、節度感が増す。
【0014】
(4)上記(3)項において、背フレームにおけるガイド孔よりも内方の側部に、ランバーサポート本体の取付部の一部が嵌合可能な前方に開口する上下方向の凹溝を設け、この凹溝内の奥面に、上下方向を向くとともに、前端に上下複数の係合凹部を有する突条片を、板状とした操作部材の内側部とほぼ直交するように前向きに突設する。
【0015】
このような構成とすると、板状とした操作部材の内側部が、突条片の係合凹溝に、真正面から直角に係合するようになるので、前項に記載の効果がより高まる。
【0016】
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、取付部は後向片を備え、この後向片を、操作部材の内側部に設けた前後方向に開口する連係孔に、前後方向に相対移動可能として前方より嵌合する。
【0017】
このような構成とすると、ランバーサポート本体の取付部と操作部材との連係作業を、背フレームの前方より、より簡単に行うことができる。
また、ランバーサポート本体が前後方向に弾性変形しても、その動きが、後向片を介して操作部材に伝達されることが殆どないので、操作部材に曲げ荷重が作用してこれが撓むなどの恐れはなく、従って、上記(2)項に記載の効果が確実に発揮される。
さらに、操作部材を操作して、ランバーサポート本体の上下位置を段階的に調節する際に発生する振動が、ランバーサポート本体に伝達されにくくなるので、不快感が緩和される。
【0018】
(6)上記(5)項において、連係孔の左右寸法を、後向片の左右寸法より大とすることにより、前記連係孔内において前記後向片が左右方向に移動しうるようにする。
【0019】
このような構成とすると、ランバーサポート本体が前後方向に弾性変形し、それに伴って後向片が左右方向に移動した際でも、後向片は、左右寸法を大とした連係孔内を左右方向に移動するので、ランバーサポート本体の動きが、後向片を介して操作部材に伝達される恐れは、さらに小さくなる。
【0020】
(7)上記(5)または(6)項において、背フレームを枠状とし、その前面に、張材を、ランバーサポート本体を前方より覆うようにして張設する。
【0021】
このような構成とすると、張材により、ランバーサポート本体が前方に移動するのが規制されるので、ランバーサポート本体の取付部と操作部材との連係部が外れるのが防止される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ランバーサポート本体を、節度感をもって安定よく上下動させうるようにしたランバーサポートを備える椅子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の椅子の一実施例を示す正面図である。
【図2】同じく、側面図である。
【図3】背フレームと、それに装着したランバーサポートの斜視図である。
【図4】同じく、正面図である。
【図5】同じく、側面図である。
【図6】背フレームと、それに装着されるランバーサポート本体と、背凭れ支持体の分解斜視図である。
【図7】ランバーサポート本体と、背凭れ支持フレーム及びそれに装着されるカバー部材と操作部材との分解正面図である。
【図8】ランバーサポート本体の側端部と、カバー部材と、操作部材との拡大分解斜視図である。
【図9】カバー部材の上向片と、それに装着される操作部材との装着前の拡大斜視図である。
【図10】同じく、装着後の拡大斜視図である。
【図11】図4のXI−XI線拡大横断端面図である。
【図12】同じく、XII−XII線拡大横断端面図である。
【図13】図5のXII−XII線拡大縦断正面図である。
【図14】係合凹部と連係部材との係合部の拡大斜視図である。
【図15】側枠杆と、それに装着されるガイド部材の拡大斜視図である。
【図16】図4のXVI−XVI線拡大縦断側面図である。
【図17】同じく、XVII−XVII線拡大横断端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のランバーサポートを備える椅子の正面図、図2は、同じく側面図である。
この椅子は、先端部にキャスタ1を備える放射状をなす5本の脚杆2を有する脚体3と、脚体3の中央に立設され、内部にガススプリング(図示略)が収容された伸縮式の脚柱4と、脚柱4の上端に後端部が固着された前上方を向く支基5と、支基5により支持された座6と、前端部が左右方向を向く軸7をもって支基5に枢着された背凭れ支持体8と、この背凭れ支持体8の後上部に支持された背凭れ9と、背凭れ9の上下方向の中間部に設けられたランバーサポート10とを備えている。
【0025】
支基5は、上面の開口部がカバーにより閉塞された前後方向に長い平面視ほぼ長方形の箱状をなし、その内部には、背凭れ支持体8を介して、背凭れを常時前方に向かって付勢する付勢手段と、この付勢手段の付勢力を調節する調節手段(いずれも図示略)とが収容されている。なお、このような付勢手段や調節手段は、本発明に直接関係しないので、それらの具体的な構成および詳細な説明は省略する。
【0026】
背凭れ支持体8は、横フレーム11aと、その両側端部に連設された左右1対の起立フレーム11b、11bとからなる正面視ほぼ上向きコ字状の背凭れ支持フレーム11と、この背凭れ支持フレーム11の横フレーム11aに後端部が固着された前後方向を向く左右1対の背凭れ支持杆12、12とからなり、それらは、例えばアルミニウムまたはその合金により形成されている(図3、図4、図7においては、背凭れ支持体は図示略)。
横フレーム11aは、左右方向の中央部が平面視において後方に突出するように円弧状に緩やかに湾曲するとともに、両側部は、正面視において斜め上方に傾斜している。左右の起立フレーム11bは、後記する背フレーム17の側枠杆19の下部と同方向を向くように、斜め前上方に傾斜させてある。
【0027】
左右の背凭れ支持杆12は、前下方に傾斜するとともに、中央部が下向きに緩やかに湾曲している。
左右の背凭れ支持杆12の前端部は、支基5の両側部に、上記軸7により上下方向に回動可能に枢着されている。
【0028】
左右の背凭れ支持杆12の後端部は、背凭れ支持フレーム11の横フレーム11aに、次のようにして固着されている。
まず、横フレーム11aの左右両側部に形成された前方に開口する左右1対の嵌合孔13、13(図4、図7参照)に、左右の背凭れ支持杆12の後端部をがたなく嵌合する。
ついで、横フレーム11aにおける左右の嵌合孔13と対応する位置の上面に設けた2個ずつの取付孔14、14に、上方よりボルト15、15を挿入し、両ボルト15の下端部を、背凭れ支持杆12の後端部に設けた上下方向の左右2個のめねじ孔16、16に螺合して締め付ける。これにより、背凭れ支持フレーム11の横フレーム11aに、左右の背凭れ支持杆12の後端部が強固に固定された背凭れ支持体8が形成される。
【0029】
背凭れ9は、正面形がほぼ方形枠状の硬質合成樹脂よりなる背フレーム17と、この背フレーム17の表面、すなわち前面に張設した張材18とを備えている(図3〜図6においては張材は図示略)。
【0030】
図3〜図6に示すように、背フレーム17は、上下方向の中央よりやや下方の部分が側面視において前方に突出するように、緩やかな円弧状に湾曲する左右1対の側枠杆19、19と、その上端部同士を連結するとともに、左右方向の中央部が平面視において後方に突出するように、緩やかな円弧状に湾曲する上枠杆20と、両側枠杆19、19の下端部同士をほぼ直線状に連結する下枠杆21と、下枠杆21の前面と両側端部とに、ボルト28とナット30をもって取り付けられる張材18の張設部材22、23とを備えている。左右の側枠杆19の湾曲部Cよりも下方の部分は、上記背凭れ支持フレーム11の起立フレーム11bと同じ向きに傾斜している。
【0031】
図3及び図4に示すように、左右の側枠杆19、19と下枠杆21の前面には、前方に開口する凹溝24が、長手方向に沿って形成されている。両側枠杆19の凹溝24の溝幅は、上下方向の中央部から下方が、下方に向かって漸次大とされ(図4参照)、また、凹溝24は、側枠杆19の湾曲部C付近の内部において上下に離間する横向きのリブ25、25により仕切られている。
【0032】
両側枠杆19における凹溝24を挟んで対向する内側片19aと外側片19bの前後寸法は、外側片19bの前縁が、内側片19aの前縁よりも前方に突出するように、外側片19bの前後寸法を、内側片19aのそれよりも大としてある(図17参照)。
【0033】
図6に示すように、左右の側枠杆19、19における湾曲部Cより下部の外側面には、上述した背凭れ支持フレーム11の左右の起立フレーム11bが嵌合される、下方と外側方に開口する嵌合凹部26が形成されている。
【0034】
背凭れ支持フレーム11に背フレーム17を取付けるには、まず、横フレーム11aの左右の起立フレーム11b、11bに、左右の側枠杆19、19に設けた嵌合凹部26を、上方より嵌合するとともに、背フレーム17の下枠杆21の下面を横フレーム11aの上面に当接させて、背凭れ支持フレーム11により背フレーム17を仮支持する。
【0035】
ついで、左右の起立フレーム11bと左右の側枠杆19の嵌合凹部26の奥面に設けた左右方向の上下1対の取付孔27、27に挿入したボルト28、28を、左右の側枠杆19の凹溝24内の下部において、内側片19aの内面に設けた上下のナット保持部29、29に回り止めして嵌合された四角ナット30、30に螺合して締め付け、両側枠杆19の下部を左右の起立フレーム11bに固定する(図13参照)。
【0036】
ついで、横フレーム11aの左右方向の中央部に設けた上下方向の左右1対の取付孔31、31に下方より挿入したボルト32、32を、下枠杆21の凹溝25内においてリブにより回り止めした四角ナット30、30に螺合して締付け、下枠杆21と横フレーム11aとを固定する。これにより、背フレーム17は、その下部を背凭れ支持フレーム11に嵌合した状態で、背凭れ支持フレーム11に強固に固定される。
【0037】
背凭れ支持フレーム11に背フレーム17を固定したのち、左右の起立フレーム11b、11bの外側面に、カバー部材33、33を嵌着する。
図6〜図8に示すように、カバー部材33は、上端部を除いた部分の左右方向の厚さをやや大とした縦長板状の上向片34と、その下端に、背凭れ支持フレーム11の両側部下面の傾斜面に沿うように連設された、斜め内下向きに傾斜する内向片35とを備え、上向片34と内向片35との連設部付近の内側面には係止片36が、内向きに突設されている。なお、上向片34と、これが装着される上述の起立フレーム11bは、後記する操作部材43、およびこの操作部材43を介して、後記するランバーサポート本体41における下部の左右の取付部42を上下方向に移動可能に支持して案内するためのガイド部を兼ねている。
【0038】
上向片34の上端には、内上向きの係止爪34aが、内向片35の内端には、下向きの係止爪35aが、係止片36には、後向きの係止爪36aが、それぞれ突設されている。
背凭れ支持フレーム11における左右の起立フレーム11bと横フレーム11aの上端部の外側面には、カバー部材33と補形をなすとともに、上半部が内外に貫通する上下方向の凹部37が形成されている。
【0039】
カバー部材33を取付けるには、背凭れ支持フレーム11に形成した上記の凹部37に、カバー部材33を嵌合し、上向片34の上端の係止爪34aを、図13に示すように、側枠杆19bにおける嵌合凹部26の上縁の下向片38の内面に係止するとともに、図11に示すように、起立フレーム11bの基部付近に設けた左右方向の通孔39に係止片36を嵌合して、その先端の係止爪36aを、通孔39の奥部の係止段部40に弾性係合させ、さらに、内向片35の下向きの係止爪35aを、凹部37の下端に設けた図示しない係止段部に係合させる。
これにより、カバー部材33は、背凭れ支持フレーム11の外側面に形成した凹部37に、背フレーム17を固定した上下のボルト28の頭部を覆うようにして取り付けられ、また、必要に応じて取り外すこともできる。
【0040】
ランバーサポート10は、図3、図4、図7および図8に示すように、前後方向に適度に弾性変形可能な合成樹脂製のランバーサポート本体41と、その左右両側縁の上部と、両側縁と下縁とが交差する左右の両角部とに、ランバーサポート本体41の対角線上に位置するように外向き突設された、上下および左右方向に離間する4個の取付部42と、下部の左右の取付部42に連係される後記の左右1対の操作部材43とを備え、左右の側枠杆19の湾曲部Cの近傍に上下方向に移動可能として装着されている。各取付部42は、外側方を向く短寸の外向片42aと、その先端に連設された後向片42bとからなっている。なお、上部の左右1対の取付部42は、ランバーサポート本体41の上端より若干下方に連設されている。
【0041】
ランバーサポート本体41は、平面視において、左右方向の中央部が後方に突出するように緩やかに円弧状に湾曲するとともに、中央部の下縁を上方に突出するように緩やかに円弧状に湾曲させることにより、上下寸法を、左右両端から中央部に向かうにしたがって漸次小となるようにし、さらに縦断面形が、上下方向の中央部が前方に突出するように円弧状に湾曲する、左右幅が背フレーム19における両側枠杆19bの対向面間の寸法とほぼ等しい正面視概ね横長の長方形をなしている。
【0042】
側枠杆19の下部に装着したカバー部材33における下部ガイド部を兼ねる上向片34には、ランバーサポート本体41を上下方向に移動させるための操作部材43、43が、次のようにして装着されている。なお、カバー部材33および操作部材43は、左右対称で同じ装着形態であるので、以下の説明は、右方のみについて行う。
【0043】
図7〜図9に拡大して示すように、左右の操作部材43は、合成樹脂よりなる把持部44と、金属板よりなるランバーサポート本体41との連係部材45とからなっている。把持部44の内側面には、前後の厚さの小さな内向突片44aが一体的に成形され、この内向突片44aには、連係部材45の外側部が嵌合可能な内側方に開口する縦長スリット状の嵌合孔46が形成されている。
【0044】
内向突片44aの外半部と前半部の下部は、厚肉とされ、この内外の厚肉部47、47同士が対向する部分の内向突片44aの前後両面には、上下方向を向くスリット状の凹溝48、48が形成されている(図12参照)。
【0045】
連係部材45は、内向突片44aよりも左右寸法の長い、前後(板厚)方向に若干弾性変形可能な垂直板状をなし、先端(内側端)には、側枠杆19の下部前面に設けた後記する係合凹部57と係合可能な上下寸法の小さな係合片45aが突設され、またこの係合片45aと近接する連係部材45の先端部には、上記ランバーサポート本体41における下部の取付部42の後向片42bが摺動可能に嵌合される前後方向に開口する方形の連係孔49が形成されている。なお、連係孔49の左右幅は、後向片42bが左右方向にのみ移動しうるように、後向片42bの左右寸法より大とされ、ランバーサポート本体41が後方に撓んでも、その動きが後向片42bを介して操作部材43に伝達されないようにしてある。
【0046】
内向突片44aの嵌合孔46に連係部材45の外側部を嵌合すると、内向突片44aのやや先端寄りの前後両面に形成された、嵌合孔46と連通する係止孔50の前面側のものに、連係部材45の左右方向の中央部前面に突設した高さの低い突起51が係合することにより、連係部材45は、内向突片44aの嵌合孔46から離脱するのが防止されるようになっている。
【0047】
図6、図8、図9および図12に示すように、カバー部材33の上向片34と、上述した起立フレーム11bとには、把持部44の内向突片44aが上下方向に移動可能として嵌合される上下方向のガイド孔52、52が、背フレーム17の側枠杆19の内・外周面方向、すなわち左右方向に貫通するようにして対向状に形成され、上向片34側のガイド孔52の下端部を除いた内方の開口縁には、上下方向を向く内向突条53、53が、前後対向状に突設されている。なお、上向片34は、側枠杆19の斜め前上方に傾斜する下部に装着されるため、上記ガイド孔52も斜め前上方を向くように傾斜している。
上記上向片34と起立フレーム11bとに形成したガイド孔52は、操作部材43、およびそれに連係されるランバーサポート本体41の下部の取付部42を案内するガイド部の一部を構成するものであるが、上向片34や起立フレーム11bを省略した際には、上記のようなガイド孔52を、側枠杆19の厚肉とした外側片19bに設けてもよい。
【0048】
両内向突条53の対向面間の寸法は、内向突片44aにおける厚肉部47、47を除いた部分の薄肉部54の厚さとほぼ等しく、かつ両内向突条53には、内向突片44aの前後両面の凹溝48が摺動可能に嵌合されるようになっている。
【0049】
上向片34に操作部材43を装着するには、図9、図10、図12および図13に示すように、上向片34と背凭れ支持フレーム11の起立フレーム1bとに設けたガイド孔52の下端部に、把持部44の内向突片44aを、把持部44の内側面が上向片34の外側面と当接または近接するまで、外側方より嵌合する。この嵌合時において、連係部材45の連係孔49を含む先端部は、側枠杆19の嵌合凹部26内の奥面に形成された斜め前上方を向く長孔55を貫通して、側枠杆19の凹溝24内に位置するようになっている(図13参照)。
【0050】
ついで、操作部材43を上方に移動させ、内向突片44aの前後両面の凹溝48、48を、前後の内向突条53、53に嵌合させる。これにより、操作部材43は、ガイド孔52より抜け止めされるとともに、左右方向に移動するのが規制され、この状態で、内向突条53とガイド孔52により案内されて上下方向に移動することができる。なお、ガイド孔52より操作部材43が抜け外れないように、ランバーサポート本体41が下限に位置しているときには、それに連係された操作部材43が、内向突条53の下端より下方のガイド孔52内に移動しないようにしてある。この際のランバーサポート10の下限位置は、側枠杆19に装着される後記するガイド部材58により決められる。
【0051】
図12〜図14に示すように、ランバーサポート本体41と左右の操作部材43(左右対称につき、右方のみ図示する)とは、操作部材43の連係部材45の連係孔49に、ランバーサポート本体41における下部の左右の取付部42の後向片42bを、前方より着脱可能に嵌合することにより、互いに前後方向に相対移動可能に連係されている。従って、左右の操作部材43を上下方向に操作すると、それと連動して、ランバーサポート本体41が上下動するとともに、ランバーサポート本体41が前後方向に撓んでも、その荷重が操作部材43に直接作用することがない。
【0052】
図4、図13および図14に示すように、左右の側枠杆19における下部の凹溝24内、すなわち、側枠杆19に装着した上向片34と対向する部分の凹溝24の奥面には、上下方向を向く板状の突条片56が、操作部材43の連係部材45とほぼ直交するように前向きに突設され、この突条片56の前端には、前方と両側方に開口する側面視前向き凹状の上下複数の係合凹部57が、上下方向に一定間隔おきに形成されている。この上下複数の係合凹部57に、操作部材43の連係部材45の先端に突設した係合片45aが選択的に係合することにより、ランバーサポート10の上下位置を段階的に、かつ節度感をもって調節することができる。
【0053】
この際、連係部材45を、上下方向にほぼ垂直の板状としてあるので、それが、厚さ方向、すなわち前後方向に弾性変形しやすくなり、従って、係合片45aと係合凹部57との上下幅を比較的大として、それらの係合力を大きくしても、軽い操作力で、係合片45aを係合凹部57に選択的に係合させることができる。なお、ランバーサポート10が上下方向にがたつかないように、係合片45aと係合凹部57との上下幅をほぼ等しくするのが好ましい。
【0054】
左右の側枠杆19、19における湾曲部Cよりもやや上方の凹溝24内には、ランバーサポート本体41の上部側の左右1対の取付部42、42を上下方向に移動可能に支持するガイド部材58、58が、次のようにして装着されている。
【0055】
図15〜図17に拡大して示すように、左右のガイド部材58(左右対称につき、図15、図16については、左方のもののみ図示する)は、凹溝24の幅寸法に沿うように、左右寸法を漸次上方に向かって狭幅とした内向片58aと、その外側縁に突設された後向片58bと、内向片58aと後向片58bとの下端に連設された底片58cとを備え、横断平面形は内向きL字状をなしている。後向片58bは、側枠杆19の外側片19bの湾曲した内面と面接触しうるように、円弧状に湾曲している。また、後向片58bの下端部には、上述した背フレーム17を背凭れ支持フレーム11に固定するボルト28と干渉しないように、切欠部59が設けられている。
【0056】
内向片58aと後向片58bとの上端に連設された厚肉部60の後面には、内方と後方に開口するコ字状断面の係合溝61が形成されている。
また、後向片58bにおける外側面の前端部には、上下1対の係合突起62、62が、外向きに突設されている。
【0057】
ガイド部材58を側枠杆19に装着するには、側枠杆19の凹溝24に、ガイド部材58を、その底片58cの下面が凹溝24内のリブ25の上面に当接するようにして、前方より嵌合し、まず、上部の係合溝61を、側枠杆19の内側片19aの外側面に突設した突起64に係合して、上下方向に位置決めしたのち、上下1対の係合突起62、62を、側枠杆19の外側片19bの前端部内面に形成された上下1対の凹部63、63に係合させる。これにより、ガイド部材58は、凹溝24内に、前方に外れないようにして装着され、また必要により、前方に取り外すことができる。なお、ガイド部材58の前面が、背フレーム17に張設される張材18の後面に接触するようにすれば、ガイド部材58の前後方向のがたつきを確実に防止することができる。
【0058】
このガイド部材58の装着位置は、その底片58cの上面に、ランバーサポート本体41の上部側の取付部42における後向片42bが当接することにより、ランバーサポート10が下限位置で停止するとともに、操作部材43も、カバー部材33の上向片34のガイド孔52から離脱しない下限位置で停止するように設定されている。
【0059】
図17に示すように、ガイド部材58の内向片58aの後面と、側枠杆19の内側片19aの前端との対向面間には、ランバーサポート本体41の上部側の取付部42の外向片42aの厚さより若干小さな隙間Sが形成されるようにしてある。従って、左右のガイド部材58、58の後方の凹溝24内に、ランバーサポート本体41の上部側の左右1対の取付部42、42を位置させることにより、ランバーサポート本体41の上部の左右両側部が、左右1対のガイド部材58と内側片19aとにより案内されて、上下方向に移動することができる。
【0060】
ランバーサポート10の組付け手順としては、背フレーム17に張材18を張設する前に、まず左右の操作部材43を、左右の側枠杆19の下部に、上述した要領で取付ける。
【0061】
ついで、ランバーサポート本体41における下部両側部の取付部42の後向片42bを、左右の操作部材43における連係部材45の連係孔49に、前方より摺動可能として嵌合する(図12〜図14参照)とともに、上部両側部の左右の取付部42の後向片42bを、側枠杆19の凹溝24に前方より挿入する(図17参照)。この際、図12に示すように、ランバーサポート本体41の側端部の後面は、側枠杆19の前面と、所要の隙間を介して対向し、ランバーサポート本体41が後方に撓むと、その側端部の後面が側枠杆19の前面と当接する。なお、ランバーサポート本体41が前後方向に撓んでも、後向片42bは連係孔49内を前後方向に摺動するのみであるので、連係部材45を含む操作部材43全体に、ランバーサポート本体41からの曲げ荷重が加わる恐れは小さい。
【0062】
ついで、上述したように、カバー部材33の上向片34のガイド孔52から操作部材43が離脱しない位置まで、操作部材43と共にランバーサポート本体41を上方に移動させた状態で、左右のガイド部材58を、側枠杆19の凹溝24に、上述の要領で装着する(図17参照)。
【0063】
ついで、ランバーサポート本体41を、その上部の取付部42の後向片42bが、ガイド部材58の底片58cの上面と当接する下限位置まで下方に移動させれば、ランバーサポート10の組付けが完了し、ランバーサポート10は、ランバーサポート本体41の両側縁の上下両端部に設けた4個の取付部42により、左右の側枠杆19により4点で支持される。ランバーサポート10を組付けた後は、上述したように、操作部材43が、上向片34のガイド孔52から離脱することはない。また上部の取付部42の外向片42aが、ガイド部材58の内向片58aの後面に当接または近接するので、上部の取付部42がガイド部材58より前方に外れることもない。
なお、張材18を背フレーム17に張設した後でも、張材18を前方に撓ませることにより、ランバーサポート本体41およびガイド部材58を背フレーム17の後側から装着することも可能である。
【0064】
左右の操作部材43の把持部44を上下方向にスライドさせると、連係部材45に連係された下部両側部の取付部42、およびそれと一体をなすランバーサポート本体41が上下方向に連動することにより、ランバーサポート10の上下位置を調節することができる。この際、連係部材45の先端の係合片45aが、左右の側枠杆19における下部の凹溝24内に設けた突条片56の上下複数の係合凹部57と選択的に係合することにより、ランバーサポート10の上下位置を段階的に、かつ節度感をもって調節することができる。
【0065】
以上説明したように、図示の実施形態においては、ランバーサポート本体41の左右幅を、左右の側枠杆19の対向面間の寸法とほぼ等しくし、かつランバーサポート本体41の両側縁に突設した4個の取付部42を、実質的に左右の側枠杆19により支持しているので、ランバーサポート本体41全体が後方に弾性変形しうるとともに、腰部の後面を支持する有効支持面積が大となり、腰部全体を快適に支持することができる。
【0066】
また、上下左右の4個の取付部42は、ランバーサポート本体41と近接するように、その両側縁の上下の端部から外向きに突設されているので、ランバーサポート本体41が後方に撓んでも、各取付部42や下部の操作部材43に捩り荷重が加わる恐れは小さく、かつランバーサポート本体41は、その対角線上に位置する4個の取付部42を介して、背フレーム17の左右の側枠杆19により、4点で安定よく支持されているので、ランバーサポート本体41を、左右方向のぐらつきを防止して円滑に上下動させることができる。
【0067】
さらに、ランバーサポート本体41の形状を、正面視において、中央部の下端を上方に突出するように緩やかに円弧状に湾曲させ、その上下寸法を、左右両端から中央部に向かうにしたがって漸次小となるようにしてあるので、ランバーサポート本体41の座者の腰部(腰椎)が強く当たる左右方向の中央部が、後方に撓みやすくなり、腰部を違和感なく快適に支持することができる。
【0068】
下部の左右の取付部42は、ランバーサポート本体41の円弧状に湾曲させた下縁と両側縁とが交差する角部に突設され、ランバーサポート本体41の中央部の下縁よりも下方に位置しているので、両取付部42に連係された左右の操作部材43も、座者の手が届きやすいランバーサポート本体41の下方寄りとなり、操作部材43の操作性が向上する。
【0069】
ランバーサポート本体41の下部の左右の取付部42およびそれに連係された操作部材43は、左右の側枠杆19における湾曲部Cよりも下方の斜め前上方を向く部分により、斜め前上方に移動可能に支持され、また、上部の左右の取付部42は、左右の側枠杆19における湾曲部Cのやや上方の斜め後上方を向く部分に取付けたガイド部材58により、斜め後上方に移動可能に支持されているので、ランバーサポート本体41の下部と上部の移動軌跡を異ならせることができる。すなわち、ランバーサポート本体41を下限位置から上方に移動させる際において、ランバーサポート本体41の下部は、下方から斜め前上方に向かって移動する軌跡となり、同じく上部は、下方から斜め後上方に向かって移動する軌跡となる。
【0070】
その結果、ランバーサポート本体41の上下位置を調節する際、これを、左右の側枠杆19の湾曲部Cに沿う移動軌跡をもって移動させることができるので、ランバーサポート本体41に座者の腰部の後面が偏当りすることがなく、腰部を違和感なく快適に支持することができる。
【0071】
また、側枠杆19に対するランバーサポート本体41の上下の支持位置が、側枠杆19の湾曲部Cの下部と上部にあり、その上下部において、ランバーサポート本体41の上下左右の取付部42は異なる軌跡上をほぼ直線的に移動するので、ランバーサポート10の上下の位置調節を、側枠杆19の湾曲部Cに妨げられることなく、円滑に行うことができる。
【0072】
ランバーサポート本体41を背フレーム17に取付けるに当たっては、左右の側枠杆19に先に操作部材43を装着したのち、この操作部材43の連係部材45の前後方向に開口する連係孔49に、下部の左右の取付部42における後向片42aを、前方より嵌合するとともに、上部の左右の取付部42の後向片42bを、側枠杆19の凹溝24に前方より嵌合し、凹溝24にガイド部材58を装着して、上部の取付部42の抜止めをするだけでよいので、背フレーム17へのランバーサポート本体41の取付作業、およびランバーサポート本体41の取付部42と操作部材43との連係作業を、背フレーム17の前方より、ランバーサポート本体41を正姿勢とした状態のまま容易に行することができ、かつランバーサポート本体41の脱着も容易である。
【0073】
ランバーサポート本体41の下部の取付部42と操作部材43とを別体として、ランバーサポート本体41における下部の取付部42の後向片42aを、操作部材43の連係部材45の連係孔49に、前後および左右方向に移動可能に嵌合するとともに、ランバーサポート本体41の上下位置を段階的に調節するための係合凹部57を、操作部材43を案内するガイド部である上向片34および起立フレーム11bより離間する内方の部位、すなわち側枠杆19の凹溝24内に突設した突条片56の前面に設けてあるので、ランバーサポート本体41が前後方向に弾性変形しても、その動きが、後向片42bを介して操作部材43や係合凹部57に直接伝達されることがない。
【0074】
従って連係部材45を含む操作部材43全体に、ランバーサポート本体41からの曲げ荷重が加わる恐れは小さく、連係部材45が厚さ方向に撓んで、その係合片45aと係合凹部57との係止力が小さくなったり、互いの接触部を偏摩耗させたりすることはなく、ランバーサポート本体41を定位置に確実に停止させうるとともに、節度感をもって安定よく上下動させることができる。
【0075】
なお、上記実施形態では、操作部材43を抜け止めするのに、操作部材43の内向突片44aに設けた凹溝48を、上向片34のガイド孔52に設けた内向突条53に嵌合しているが、操作部材43の連係孔49に連係した取付部42の後向片42bを、前後方向へのみ移動可能に嵌合すれば、ランバーサポート本体41の後向片42bにより、操作部材43を抜け止めすることが可能である。
【0076】
また、上記実施形態では、操作部材43に設けた前後方向に開口する連係孔49に、ランバーサポート本体41の取付部42の後向片42bを嵌合して、ランバーサポート本体41の取付部42と操作部材43とを連係しているが、これとは反対に、例えば操作部材43の内側部の連係部材を、内向きのロッド(円形断面とは限らない)等とするとともに、ランバーサポート本体41の取付部42の後向片42bに、後方に開口する凹部を設け、この凹部を、ロッドの内側部に前方より嵌合すれば、上記と同様に、操作部材43を先に側枠杆19に装着しておいてから、そのロッドに、ランバーサポート本体41の後向片42bを、前方より容易に嵌合させて連係することができる。なお、この際には、凹部よりも内方のロッドの先端部に、操作部材が外側方に移動して、側枠杆19から抜け外れるのを防止する抜止め用のワッシャを嵌着するのがよい。
【0077】
さらに、上記実施形態では、カバー部材33の上向片34およびそれが装着される背凭れ支持フレーム11の起立フレーム11bをガイド部として、操作部材43およびそれに連係されたランバーサポート本体41の下部の取付部42を、上下方向に移動可能に支持して案内するようにしているが、カバー部材33や背凭れ支持フレーム11を省略した際には、側枠杆19における厚肉とされた外側片19bを、ガイド孔を有するガイド部としてもよい。
【0078】
上記実施形態では、ランバーサポート本体41を支持する取付部42を4個設け、下部の左右の取付部42に操作部材43を連係しているが、例えばランバーサポート本体41の両側部の上下方向の中央部にのみ、若干上下寸法を大とした取付部42を設け、この取付部42の後向片42bを、上記と同様に操作部材43に連係してもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 キャスタ
2 脚杆
3 脚体
4 脚柱
5 支基
6 座
7 軸
8 背凭れ支持体
9 背凭れ
10 ランバーサポート
11 背凭れ支持フレーム
11a横フレーム
11b起立フレーム(ガイド部)
12 背凭れ支持杆
13 嵌合孔
14 取付孔
15 ボルト
16 めねじ孔
17 背フレーム
18 張材
19 側枠杆
19a内側片
19b外側片
20 上枠杆
21 下枠杆
22 張設部材
23 張設部材
24 凹溝
25 リブ
26 嵌合凹部
27 取付孔
28 ボルト
29 ナット保持部
30 四角ナット
31 取付孔
32 ボルト
33 カバー部材
34 上向片(ガイド部)
34a係止爪
35 内向片
35a係止爪
36 係止片
36a係止爪
37 凹部
38 下向片
39 通孔
40 係止段部
41 ランバーサポート本体
42 取付部
42a外向片
42b後向片
43 操作部材
44 把持部
44a内向突片
45 連係部材
45a係合片(取付部)
46 嵌合孔
47 厚肉部
48 凹溝
49 連係孔
50 係止孔
51 突起
52 ガイド孔
53 内向突条
54 薄肉部
55 長孔
56 突条片
57 係合凹部
58 ガイド部材
58a内向片
58b後向片
58c底片
59 切欠部
60 厚肉部
61 係合溝
62 係合突起
63 凹部
64 突起
C 湾曲部
S 隙間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
背フレームに、着座者の腰部を支持するランバーサポートを設けた椅子において、
左右両側部に、左右方向に貫通する上下方向に長いガイド孔を有し、かつこのガイド孔より内方において、複数の係合凹部を上下方向に並べて設けた背フレームと、
前記背フレームの外側方より操作しうるとともに、内側部が前記背フレームの両側部より内方に突出するようにして、前記背フレームのガイド孔に、上下方向に摺動可能として嵌合され、かつ、先端部に前記複数の係合凹部と選択的に弾性係合しうる係合片を設けた左右1対の操作部材と、
両側部に、前記操作部材の内側端部に連係された取付部を有するランバーサポート本体とを備えることを特徴とする椅子。
【請求項2】
操作部材の内側端部に、ランバーサポート本体の取付部を、 前後方向に相対移動可能かつ上下方向に相対移動不能に連係してなる請求項1記載の椅子。
【請求項3】
操作部材の内側部を、前後方向に弾性変形可能なほぼ垂直の板状をなすものとし、その内側端に係合片を突設してなる請求項1または2記載の椅子。
【請求項4】
背フレームにおけるガイド部よりも内方の側部に、ランバーサポート本体の取付部の一部が嵌合可能な前方に開口する上下方向の凹溝を設け、この凹溝内の奥面に、上下方向を向くとともに、前端に上下複数の係合凹部を有する突条片を、板状とした操作部材の内側部とほぼ直交するように前向きに突設してなる請求項3記載の椅子。
【請求項5】
取付部は後向片を備え、この後向片を、操作部材の内側部に設けた前後方向に開口する連係孔に、前後方向に相対移動可能として前方より嵌合してなる請求項1〜4のいずれかに記載の椅子。
【請求項6】
連係孔の左右寸法を、後向片の左右寸法より大とすることにより、前記連係孔内において前記後向片が左右方向に移動しうるようにしてなる請求項5記載の椅子。
【請求項7】
背フレームを枠状とし、その前面に、張材を、ランバーサポート本体を前方より覆うようにして張設してなる請求項5または6記載の椅子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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