説明

横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構

【課題】横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構の提供。
【解決手段】本横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構は、横編み機が機台と、該機台上に設置された針床、該針床上方に設置されたスライドレール、該スライドレールにスライド自在に組み合わされた給糸装置、及び糸送り機構を包含し、該補助糸ガイド機構は、該機台に設置され且つ回転軸に接続されたモータ、及び該回転軸に設置された複数の糸ガイド輪を包含し、該モータが該回転軸を駆動し、並びにこれら糸ガイド輪を駆動して回転行程を発生させ、糸を、これら糸ガイド輪のガイドにより該糸送り機構に導入して該給糸装置に送り、並びに該針床により編成させ、これにより糸ガイドの安定性を増し、編成品の品質をアップする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構に係り、特に、横編み機の糸ガイド補助に応用される直接駆動式補助糸ガイド機構に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、横編み機の主要な作用は、編成品の製造にあり、特に衣類の編成に使用される。これにより、その実用性と人々の日常生活との間には、切り離せない密接な関係がある。
【0003】
一般に横編み機の構造は、機台上に針床が設置され、並びに該針床の上方にスライドレールと該スライドレールにスライド自在に組み合わされる給糸装置が設けられている。且つ機台の両側に補助糸ガイド機構と糸送り機構が設けられ、糸は、順に、該機台上方の糸フレーム、機台側辺の補助糸ガイド機構、及び糸送り機構を経て、該給糸装置に送られ、該給糸装置がスライドレール上で往復スライドする時、該針床上で編成が行われる。
【0004】
前述の補助糸ガイド機構は、主に、糸が糸フレームで折り曲げられる時に発生する摩擦力を打ち消し、糸の伝送を順調とするのに用いられる。補助糸ガイド機構はモータ、ベルト、プーリ、回転軸、糸ガイド輪で構成され、モータが動作する時に、ベルトとプーリを介して回転軸を駆動し回転軸上の糸ガイド輪を回転させ、これにより、糸ガイド補助の機能を達成する。
【0005】
ただし、上述の補助糸ガイド機構は長期の使用により、ベルトが疲労或いは摩損しやすく、糸ガイド輪を有効に駆動し回転させられなくなり、糸ガイドの安定性が不良となり、且つ補助糸ガイド機構の部品が多すぎ、組立に不便で手間がかかり、部品の修理や交換を容易に行えないため、改善の必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主要な目的は、伝統的な補助糸ガイド機構の糸ガイドの安定性が不良である欠点と、部品過多で組立が容易でない問題を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構は、横編み機が機台と、該機台上に設置された針床、該針床上方に設置されたスライドレール、該スライドレールにスライド自在に組み合わされた給糸装置、及び糸送り機構を包含し、糸は該補助糸ガイド機構を経て該給糸装置に案内され、並びに該針床により編成される。そのうち、該補助糸ガイド機構は、該機台に設置され且つ回転軸に接続されたモータ、及び該回転軸に設置された複数の糸ガイド輪を包含し、該モータが動作する時、該回転軸が該モータにより駆動され、これら糸ガイド輪と一体に回転行程を発生し、これにより、糸を該糸送り機構へと案内して該給糸装置に送る。
【0008】
本発明の具体的実施態様において、該回転軸は、該モータ内部より伸出する駆動軸、これら糸ガイド輪に通される連動軸、及び両端がそれぞれ該駆動軸と該連動軸に嵌合される嵌合部品を包含し、該嵌合部品を通して該駆動軸が該連動軸を駆動し回転させる。
【0009】
該補助糸ガイド機構は、該機台に設置された該モータを固定するモータ固定座を包含し、該モータ固定座は、該機台に接続された連接板、及び、該連接板に取付けられた該モータを固定する取付けフレームを包含し、且つ該取付けフレームは、該連接板に接続された面板と、該面板の両端より垂直に延伸された第1側板及び第2側板を包含し、該第1側板と該第2側板に、それぞれ、該回転軸を通すための開口が設けられ、且つ該モータがそのうち一つの側板に接続される。さらに、該取付けフレームは該回転軸外側を囲み並びに該面板に固定された内遮蔽板を具え、且つ該取付けフレームはさらに、該第1側板と該第2側板に接続された外遮蔽板を包含する。
【0010】
このほか、該補助糸ガイド機構はさらに、該モータ固定座に接続された糸ガイド板を包含し、該糸ガイド板は、糸を通す複数の貫通孔を具え、且つ該回転軸の末端に軸受と該軸受と該糸ガイド板に接続された支持フレームが設けられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の補助糸ガイド機構は、独立駆動されるモータを具え、該モータに回転軸が接続され、並びに該回転軸に複数の糸ガイド輪が設けられ、該モータが動作する時に、該回転軸により直接これら糸ガイド輪が駆動されて回転し、これにより部品の数が減らされ、生産と組立に便利であり、駆動方式はより直接的で安定している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の全体の立体外観図である。
【図2】本発明の局部外観図である。
【図3】本発明の補助糸ガイド機構の分解図である。
【図4】本発明の糸ガイド表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の技術内容、構造特徴、達成する目的を詳細に説明するため、以下に実施例を挙げ並びに図面を組み合わせて説明する。
【0014】
図1を参照されたい。本発明は一種の横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構を提供する。該横編み機は、機台(10)、該機台(10)上に設けられた針床(11)、該針床(11)上方に設けられたスライドレール(12)、該スライドレール(12)にスライド自在に設けられた給糸装置(13)、及び糸送り機構(14)を包含し、糸は該補助糸ガイド機構(20)を経て該給糸装置(13)に案内され、並びに該針床(11)により編成される。
【0015】
図2及び図3も合わせて参照されたい。該補助糸ガイド機構(20)は、モータ(21)を包含する。該モータ(21)の一端には回転軸(22)が接続され、並びに該回転軸(22)上に複数の糸ガイド輪(23)が設けられている。そのうち、該回転軸(22)は該モータ(21)内部より伸出する駆動軸(221)、これら糸ガイド輪(23)を通る連動軸(223)、及び両端が該駆動軸(221)と該連動軸(223)に嵌合された嵌合部品(222)を包含する。
【0016】
これにより、該モータ(21)が動作する時、該駆動軸(221)は該嵌合部品(222)と該連動軸(223)を介してこれら糸ガイド輪(23)を駆動し回転行程を発生させる。
【0017】
このほか、該補助糸ガイド機構(20)はさらに、該機台(10)に設置されて該モータ(21)を固定するモータ固定座(30)を包含する。該モータ固定座(30)は、該機台(10)に接続された連接板(31)と、該連接板(31)に取付けられて該モータ(21)を固定する取付けフレーム(32)を包含する。
【0018】
本発明の実施態様中、該取付けフレーム(32)は、該連接板(31)に接続された面板(321)、該面板(321)両端より垂直に延伸された第1側板(322)と第2側板(324)を具え、且つ該モータ(21)はそのうち一つの側板に接続される。図示される該モータ(21)は該第1側板(322)に接続され、該第1側板(322)、第2側板(324)に、それぞれ該回転軸(22)を通すための開口(323、325)が設けられる。
【0019】
このほか、該取付けフレーム(32)の、第1側板(322)と第2側板(324)の間に、該面板(321)上に取付けられる内遮蔽板(33)があり、該内遮蔽板(33)はU形を呈し並びに該回転軸(22)の嵌合部品(222)の外側を囲み、且つ該取付けフレーム(32)はさらに、該第1側板(322)と該第2側板(324)に接続された外遮蔽板(34)を包含し、これにより、異物が該嵌合部品(222)の脱落を形成して該モータ(21)がこれら糸ガイド輪(23)を駆動できなくなる問題を形成するのを防止する。
【0020】
該補助糸ガイド機構(20)はさらに糸ガイド板(35)を包含し、該糸ガイド板(35)は該モータ固定座(30)の第2側板(324)に固定され、且つ該糸ガイド板(35)は糸を通すための複数の貫通孔(351)を包含し、該回転軸(22)の末端に軸受(24)と該軸受(24)と該糸ガイド板(35)に接続された支持フレーム(25)が設けられ、こうして本発明の主要構造が形成されている。
【0021】
図4を参照されたい。横編み機が動作する時、シリンダ(40)の糸は、該機台(10)上方の糸フレーム(15)を通過し、さらに、該機台(10)の外側に向けて引っ張られ、並びに該補助糸ガイド機構(20)の糸ガイド輪(23)に掛けられ、且つ下方の糸送り機構(14)を通して該給糸装置(13)に送られる。糸が該糸フレーム(15)を通り折り曲げられることで発生する摩擦力は、編成作業の安定度と品質を低下させるが、本発明によると該補助糸ガイド機構(20)により緩衝が形成され、並びに摩擦力が打ち消され、編成作業の順調度がアップする。
【0022】
総合すると、本発明の開示する補助糸ガイド機構(20)は、独立駆動されるモータ(21)を具え、該モータ(21)に回転軸(22)が接続され、並びに該回転軸(22)に複数の糸ガイド輪(23)が設けられ、該モータ(21)が動作する時に、該回転軸(22)により直接これら糸ガイド輪(23)が駆動されて回転し、これにより部品の数が減らされ、生産と組立に便利であり、駆動方式はより直接的で安定している。
【0023】
以上述べたことは、本発明の実施例にすぎず、本発明の実施の範囲を限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲に基づきなし得る同等の変化と修飾は、いずれも本発明の権利のカバーする範囲内に属するものとする。
【符号の説明】
【0024】
10 機台
11 針床
12 スライドレール
13 給糸装置
14 糸送り機構
20 補助糸ガイド機構
21 モータ
22 回転軸
23 糸ガイド輪
221 駆動軸
222 嵌合部品
223 連動軸
30 モータ固定座
31 連接板
32 取付けフレーム
321 面板
322 第1側板
324 第2側板
323、325 開口
33 内遮蔽板
34 外遮蔽板
35 糸ガイド板
351 貫通孔
24 軸受
25 支持フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構において、該横編み機は、機台(10)、該機台(10)上に設けられた針床(11)、該針床(11)上方に設けられたスライドレール(12)、該スライドレール(12)にスライド自在に設けられた給糸装置(13)、及び糸送り機構(14)を包含し、糸は該補助糸ガイド機構(20)を通り該給糸装置(13)に案内され、並びに該針床(11)により編成され、該補助糸ガイド機構(20)は、
モータ(21)であって、該モータ(21)は該機台(10)に設置され且つ該モータ(21)より回転軸(22)が延伸され、該回転軸(22)が該モータ(21)に駆動され回転行程を発生する、上記モータと、
複数の糸ガイド輪(23)であって、該回転軸(22)に設置され並びに該回転軸(22)に駆動して回転し、且つ回転行程中に糸を引張り並びに該給糸装置(13)中に導入する、上記複数の糸ガイド輪(23)と、
を包含することを特徴とする、横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構。
【請求項2】
請求項1記載の横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構において、該回転軸(22)は該モータ(21)内部より伸出する駆動軸(221)、これら糸ガイド輪(23)を通る連動軸(223)、及び両端が該駆動軸(221)と該連動軸(223)に嵌合された嵌合部品(222)を包含することを特徴とする、横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構。
【請求項3】
請求項1記載の横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構において、該補助糸ガイド機構(20)は、該機台(10)に設置されて該モータ(21)を固定するモータ固定座(30)を包含することを特徴とする、横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構。
【請求項4】
請求項3記載の横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構において、該モータ固定座(30)は、該機台(10)に接続された連接板(31)と、該連接板(31)に取付けられた該モータ(21)を固定する取付けフレーム(32)を包含することを特徴とする、横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構。
【請求項5】
請求項4記載の横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構において、該取付けフレーム(32)は、該連接板(31)に接続された面板(321)、該面板(321)両端より垂直に延伸された第1側板(322)と第2側板(324)を具え、該第1側板(322)、第2側板(324)に、それぞれ該回転軸(22)を通すための開口(323、325)が設けられ、該モータ(21)は該第1側板(322)と該第2側板(324)のいずれか一方に接続されることを特徴とする、横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構。
【請求項6】
請求項5記載の横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構において、該取付けフレーム(32)に、該回転軸(22)の外側を囲み並びに該面板(321)に固定された内遮蔽板(33)が設けられたことを特徴とする、横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構。
【請求項7】
請求項5記載の横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構において、該取付けフレーム(32)は、該第1側板(322)と該第2側板(324)に接続された外遮蔽板(34)をさらに包含することを特徴とする、横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構。
【請求項8】
請求項3記載の横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構において、該補助糸ガイド機構(20)は、該モータ固定座(30)に接続された糸ガイド板(35)を包含し、該糸ガイド板(35)は糸を通すための複数の貫通孔(351)を具えたことを特徴とする、横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構。
【請求項9】
請求項8記載の横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構において、該回転軸(22)の末端に軸受(24)と、該軸受(24)と該糸ガイド板(35)に接続された支持フレーム(25)が設けられたことを特徴とする、横編み機の直接駆動式補助糸ガイド機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−40424(P2013−40424A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179006(P2011−179006)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(393010101)佰龍機械廠股▲ふん▼有限公司 (33)
【Fターム(参考)】