横編機のニードルベッド
【課題】横編機のニードルベッドの提供。
【解決手段】横編機のニードルベッドは、それぞれを歯口隙間の両側に配置し、相互に平行する複数の仕切板と、仕切板の間に配置する複数の編針およびシンカーと、シンカーの配列方向に対して平行移動するシンカー制御装置とを含む。シンカー制御装置には、移動方向によって切替ストロークをおこす切替装置と、切替装置の切替ストロークに連動し、シンカーを歯口隙間方向に押して回転させる少なくとも一つの制御山角とを含む。仕切板上には、編針の垂直移動を制限する少なくとも一つの圧針板を設け、圧針板に相対するシンカー制御装置の切替装置には、圧針板と磁性によって引き寄せあう磁性吸着部を備え、仕切板間には、シンカーの水平偏移を制限する仕切片を備える。
【解決手段】横編機のニードルベッドは、それぞれを歯口隙間の両側に配置し、相互に平行する複数の仕切板と、仕切板の間に配置する複数の編針およびシンカーと、シンカーの配列方向に対して平行移動するシンカー制御装置とを含む。シンカー制御装置には、移動方向によって切替ストロークをおこす切替装置と、切替装置の切替ストロークに連動し、シンカーを歯口隙間方向に押して回転させる少なくとも一つの制御山角とを含む。仕切板上には、編針の垂直移動を制限する少なくとも一つの圧針板を設け、圧針板に相対するシンカー制御装置の切替装置には、圧針板と磁性によって引き寄せあう磁性吸着部を備え、仕切板間には、シンカーの水平偏移を制限する仕切片を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、横編機に関し、特に横編機のニードルベッドに係る。
【背景技術】
【０００２】
横編機では、編針によって導きだされてループを作る過程、即ち、作られたループを編針から離し、編針にループを引きかけた後、針先からループを落として新しいループを作りだす過程を制御するために、編針の間にシンカーを配置している。シンカーは、編針に相対する一方側に突出した外縁部を備え、シンカーを回転動作させる時、突出した外縁部が編針によって引っ掛けられた糸を圧してループを作ることにより、ニット製品表面に柄を編成する。
【０００３】
従来の横編機は、シンカーの回転を安定させるために、特許文献１および特許文献２には、ニードルベッド上に別にシンカー固定台を設けている。シンカー固定台は、連接台をニードルベッド上に固定し、各シンカーに対するシンカー固定台には凹部を設け、これによってシンカーが偏移しないように作動方式を制限する。また、特許文献３に開示されたシンカー固定台には、シンカーの回転作動をコントロールする制御装置をさらに備えている。一般的に、シンカー制御装置は、二つの隣り合って配列された第一カムと第二カムを含む。第一カムと第二カムはそれぞれ、連動機構によって、シンカー固定台に対して水平移動する基本台上に支持され、連動機構上には、シンカー固定台と磁性によって吸引し合う少なくとも一つのマグネットを設ける。シンカー制御装置がシンカー固定台に対して水平移動する時、移動方向にもとづいて、第一カムと第二カムが第一カムおよび第二カム中にあるシンカーを圧して支える力を働かせるかどうかを決定し、さらに、その回転角度を変化させて、異なる大きさのループを形成する。
【０００４】
実際の作動において、シンカー制御装置がシンカー固定台に対して安定した水平移動をおこなうことができるかによって、シンカーが正確な回転ストロークをおこなうことができるかが決まる。シンカー固定台の表面が粗雑で、シンカー制御装置の移動のスムーズ性に影響を及ぼすなら、シンカーの回転制御にはミスが生じる。よって、一般のシンカー固定台は、一体成形の鋼素材とし、その長さはほぼニードルベッドに相当する。シンカー制御装置に相対するシンカー固定台の一方側表面は、極力フラット状態であることが要求され、製造では精密さが求められるため、価格も非常に高価なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】欧州特許第ＥＰ１５２２６１８号明細書
【特許文献２】欧州特許第ＥＰ１５２２６１７号明細書
【特許文献３】米国特許第ＵＳ５，４７５，９９０号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の主要な目的は、従来の横編機においてシンカー固定台を備えることによって製造コストを上昇させる問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上述目的を実現するために、本発明の提供する横編機のニードルベッドは、それぞれを歯口隙間の両側に配置し、相互に平行する複数の仕切板と、仕切板の間に配置する複数の編針とシンカーと、シンカーの配列方向に対して平行移動するシンカー制御装置とを含む。シンカー制御装置には、移動方向によって切替ストロークをおこす切替装置と、切替装置の切替ストロークに連動し、シンカーを歯口隙間方向に押して回転させる少なくとも一つの制御山角とを含む。仕切板上には、編針の垂直移動を制限する少なくとも一つの圧針板を設け、圧針板に相対するシンカー制御装置の切替装置には、圧針板と磁性によって引き寄せあう磁性吸着部を備える。仕切板間には、シンカーの水平偏移を制限する仕切片を備える。
【０００８】
実施例において、仕切板には圧針板を収容する鳩尾溝を備える。
【０００９】
実施例において、仕切片と編針は、仕切板とシンカーの間に垂直配列する。
【００１０】
実施例において、編針とシンカーの間には、給糸片を設ける。
【００１１】
実施例において、シンカーには固定部を備え、固定部は、シンカーの配列方向に平行となる回転軸を設ける。
【００１２】
実施例において、仕切板上には二つの開孔を備え、それぞれに第一定位糸と第二定位糸を挿設する。
【００１３】
実施例において、仕切板には、第一定位糸を挿設する穿孔と、第二定位糸を挿設する定位凹部を設け、穿孔は長円孔とし、定位凹部には湾曲部を含む。
【００１４】
実施例において、給糸片には、第一定位線を挿設する穿孔と、第二定位糸を挿設する定位凹部を設け、穿孔は長円孔とし、定位凹部には湾曲部を含む。
【００１５】
実施例において、給糸片には、編針を設置するための積載部を備える。
【発明の効果】
【００１６】
仕切板上の圧針板と仕切板との間に配置した仕切片が、従来技術において、シンカーの回転ストロークを安定させ、シンカー制御装置を切り替えるために用いたシンカー固定台に取って代わるものとなる。
シンカー固定台の取り付けが不要となる故、横編機の生産コストを効果的に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明を応用した横編機の構造を示す断面図である。
【図２】本発明の横編機のニードルベッドに関する実施例の一部断面図である。
【図３】本発明の横編機のニードルベッドに関する実施例の一部構造を示す外観図である。
【図４】本発明の横編機のニードルベッドに関する実施例の一部分解図である。
【図５】本発明の横編機のニードルベッドに関する実施例の一部拡大分解図である。
【図６】本発明の横編機のニードルベッドに関する実施例の構造を示す前面図である。
【図７】本発明の横編機のニードルベッドに関する実施例の構造を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
本発明の技術内容、構造特徴、達成する目的を詳細に説明するため、以下に実施例を挙げ並びに図面を組み合わせて説明する。
【００１９】
図１に、本発明を応用した横編機の構造断面図を示す。図のとおり、横編機１０に応用した本発明において、横編機１０は、歯口隙間１１の両側にそれぞれ配置する二つのニードルベッド２０を含み、ニードルベッド２０は山形をなして向き合って設置される。ニードルベッド２０上には、ニードルベッド２０に相対し横方向の往復移動をおこなう台車３０を設ける。ニードルベッド２０に対する台車３０のそれぞれには、シンカー制御装置３１を備える。
【００２０】
図２、図３、図４には、本発明の一部構造を示す外観図、一部断面図、一部分解図を示す。各ニードルベッド２０上には平行する複数の溝部２１を設け、溝部２１中にはそれぞれ仕切板２２を配置し、二つの仕切板２２の間には針溝２３を形成する。各針溝２３中には編針２４と、シンカー２５と、仕切片２６と、給糸片２７を備える。編針２４は、針溝２３方向に沿って進退可動状態で針溝２３内に配置され、編針２４が歯口隙間１１方向に沿って移動する時、編糸を引き掛ける。シンカー２５には、押下圧突出部２５１と、制御突出部２５２と、固定部２５３とを含む。シンカー２５は、固定部２５３によって回転軸４１に枢設し、回転軸４１は、シンカー２５の配列方向に平行となるようニードルベッド２０上の凹部２０１内に配置する。台車３０に設置されるシンカー制御装置３１には、切替装置３１１と、切替装置３１１に連動する少なくとも一つの制御山角３１２とを含む。シンカー２５の制御突出部２５２は制御山角３１２内に配置し、制御山角３１２が切替装置３１１の駆動を受けて歯口隙間１１方向に移動する時、シンカー２５を押して回転させる。
【００２１】
仕切板２２上には、編針２４の垂直移動を制限する少なくとも一つの圧針板２８を設けるため、編針２４の位置を針溝２３内に制限する。圧針板２８は、複数の部分によって構成される。圧針板２８を仕切板２２上に固定するために、仕切板２２には圧針板２８を収容する鳩尾溝２２１を備える。本発明において、圧針板２８に相対するシンカー制御装置３１の切替装置３１１には、圧針板２８と磁性によって引き寄せあう磁性吸着部３１３を備える。切替装置３１１の磁性吸着部３１３と圧針板２８は、常態において磁性によって引き寄せあい、シンカー制御装置３１は、台車３０の従動によってニードルベッド２０に対して横方向の運動をおこす。切替装置３１１は、シンカー制御装置３１の走行方向の違いによって、制御山角３１２がシンカー２５を押してそれを歯口隙間１１方向に回転させるかどうかを決定する。
【００２２】
二つの仕切板２２の間に形成する針溝２３には、図４、図６、図７に示すとおり、編針２４と、シンカー２５と、仕切片２６と、給糸片２７とを設ける。給糸片２７には、編針２４を配置する積載部２２２を含む。シンカー２５は、仕切板２２と編針２４間に設置し、シンカー２５と編針２４の間には、給糸片２７を設ける。本発明において、シンカー２５と給糸片２７の高さは編針２４を超えるため、シンカー２５が針溝２３内で回転する時、水平方向の偏移を防ぐ。給糸片２７と仕切板２２の間には、仕切片２６をさらに設け、仕切片２６と編針２４の厚さは同様とし、尚且つ、互いを垂直に配列する。よって、シンカー２５の上部構造は、単に仕切片２６と仕切板２２の間を移動するだけとなり、シンカー２５の回転ストロークを安定させる。
【００２３】
仕切板２２のいずれにも、対応する二つの開孔２２３を備え、それぞれに第一定位糸４２と第二定位糸４３を挿設する。これは図４および図５に示すとおりであり、各仕切板２２は、互いにニードルベッド２０上に貫着固定される。横編機１０での編成時、各針溝２３内の仕切片２６と給糸片２７の位置を維持させて編針２４とシンカー２５の作動を安定させるために、仕切片２６と給糸片２７にはそれぞれ、第一定位糸４２を挿設する穿孔２６１および穿孔２７１と、第二定位糸４３を挿設する定位凹部２６２と定位凹部２７２を設ける。仕切片２６と給糸片２７の定位凹部２６２と定位凹部２７２のいずれにも、第二定位糸４３を収容する湾曲部２６３と湾曲部２７３を備える。また、仕切片２６或いは給糸片２７の製造時に、穿孔２６１、穿孔２７１に公差が生じることによって、仕切片２６或いは給糸片２７を組み立てる過程において第一定位糸４２を各仕切片２６或いは給糸片２７の穿孔２６１、穿孔２７１にスムーズに貫通させられない問題を防ぐため、本発明では、穿孔２６１と穿孔２７１は公差を許容する長円孔とし、長円孔の公差許容方向は針溝２３に対して垂直方向あるいは水平方向とする。
【００２４】
上述をまとめると、本発明の横編機のニードルベッドは、仕切板２２上の圧針板２８と仕切板２２との間に配置した仕切片２６が、従来のシンカーの回転ストロークを安定させ、シンカー制御装置を切り替えるために用いたシンカー固定台に取って代わるものとなり、シンカー固定台と仕切板２２を連結するための連結台の取り付けが不要となる故、大幅に横編機の生産コストを削減する。
【００２５】
以上述べたことは、本発明の実施例にすぎず、本発明の実施の範囲を限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲に基づきなし得る同等の変化と修飾は、いずれも本発明の権利のカバーする範囲内に属するものとする。
【符号の説明】
【００２６】
１０ 横編機
１１ 歯口隙間
２０ ニードルベッド
２０１ 凹部
２１ 溝部
２２ 仕切板
２２１ 鳩尾溝
２２２ 積載部
２２３ 開孔
２３ 針溝
２４ 編針
２５ シンカー
２５１ 押下圧突出部
２５２ 制御突出部
２５３ 固定部
２６ 仕切片
２６１ 穿孔
２６２ 定位凹部
２６３ 湾曲部
２７ 給糸片
２７１ 穿孔
２７２ 定位凹部
２７３ 湾曲部
２８ 圧針板(pressor)
３０ 台車
３１ シンカー制御装置
３１１ 切替装置
３１２ 制御山角
３１３ 磁性吸着部
４１ 回転軸
４２ 第一定位糸
４３ 第二定位糸
【技術分野】
【０００１】
本発明は、横編機に関し、特に横編機のニードルベッドに係る。
【背景技術】
【０００２】
横編機では、編針によって導きだされてループを作る過程、即ち、作られたループを編針から離し、編針にループを引きかけた後、針先からループを落として新しいループを作りだす過程を制御するために、編針の間にシンカーを配置している。シンカーは、編針に相対する一方側に突出した外縁部を備え、シンカーを回転動作させる時、突出した外縁部が編針によって引っ掛けられた糸を圧してループを作ることにより、ニット製品表面に柄を編成する。
【０００３】
従来の横編機は、シンカーの回転を安定させるために、特許文献１および特許文献２には、ニードルベッド上に別にシンカー固定台を設けている。シンカー固定台は、連接台をニードルベッド上に固定し、各シンカーに対するシンカー固定台には凹部を設け、これによってシンカーが偏移しないように作動方式を制限する。また、特許文献３に開示されたシンカー固定台には、シンカーの回転作動をコントロールする制御装置をさらに備えている。一般的に、シンカー制御装置は、二つの隣り合って配列された第一カムと第二カムを含む。第一カムと第二カムはそれぞれ、連動機構によって、シンカー固定台に対して水平移動する基本台上に支持され、連動機構上には、シンカー固定台と磁性によって吸引し合う少なくとも一つのマグネットを設ける。シンカー制御装置がシンカー固定台に対して水平移動する時、移動方向にもとづいて、第一カムと第二カムが第一カムおよび第二カム中にあるシンカーを圧して支える力を働かせるかどうかを決定し、さらに、その回転角度を変化させて、異なる大きさのループを形成する。
【０００４】
実際の作動において、シンカー制御装置がシンカー固定台に対して安定した水平移動をおこなうことができるかによって、シンカーが正確な回転ストロークをおこなうことができるかが決まる。シンカー固定台の表面が粗雑で、シンカー制御装置の移動のスムーズ性に影響を及ぼすなら、シンカーの回転制御にはミスが生じる。よって、一般のシンカー固定台は、一体成形の鋼素材とし、その長さはほぼニードルベッドに相当する。シンカー制御装置に相対するシンカー固定台の一方側表面は、極力フラット状態であることが要求され、製造では精密さが求められるため、価格も非常に高価なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】欧州特許第ＥＰ１５２２６１８号明細書
【特許文献２】欧州特許第ＥＰ１５２２６１７号明細書
【特許文献３】米国特許第ＵＳ５，４７５，９９０号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の主要な目的は、従来の横編機においてシンカー固定台を備えることによって製造コストを上昇させる問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上述目的を実現するために、本発明の提供する横編機のニードルベッドは、それぞれを歯口隙間の両側に配置し、相互に平行する複数の仕切板と、仕切板の間に配置する複数の編針とシンカーと、シンカーの配列方向に対して平行移動するシンカー制御装置とを含む。シンカー制御装置には、移動方向によって切替ストロークをおこす切替装置と、切替装置の切替ストロークに連動し、シンカーを歯口隙間方向に押して回転させる少なくとも一つの制御山角とを含む。仕切板上には、編針の垂直移動を制限する少なくとも一つの圧針板を設け、圧針板に相対するシンカー制御装置の切替装置には、圧針板と磁性によって引き寄せあう磁性吸着部を備える。仕切板間には、シンカーの水平偏移を制限する仕切片を備える。
【０００８】
実施例において、仕切板には圧針板を収容する鳩尾溝を備える。
【０００９】
実施例において、仕切片と編針は、仕切板とシンカーの間に垂直配列する。
【００１０】
実施例において、編針とシンカーの間には、給糸片を設ける。
【００１１】
実施例において、シンカーには固定部を備え、固定部は、シンカーの配列方向に平行となる回転軸を設ける。
【００１２】
実施例において、仕切板上には二つの開孔を備え、それぞれに第一定位糸と第二定位糸を挿設する。
【００１３】
実施例において、仕切板には、第一定位糸を挿設する穿孔と、第二定位糸を挿設する定位凹部を設け、穿孔は長円孔とし、定位凹部には湾曲部を含む。
【００１４】
実施例において、給糸片には、第一定位線を挿設する穿孔と、第二定位糸を挿設する定位凹部を設け、穿孔は長円孔とし、定位凹部には湾曲部を含む。
【００１５】
実施例において、給糸片には、編針を設置するための積載部を備える。
【発明の効果】
【００１６】
仕切板上の圧針板と仕切板との間に配置した仕切片が、従来技術において、シンカーの回転ストロークを安定させ、シンカー制御装置を切り替えるために用いたシンカー固定台に取って代わるものとなる。
シンカー固定台の取り付けが不要となる故、横編機の生産コストを効果的に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明を応用した横編機の構造を示す断面図である。
【図２】本発明の横編機のニードルベッドに関する実施例の一部断面図である。
【図３】本発明の横編機のニードルベッドに関する実施例の一部構造を示す外観図である。
【図４】本発明の横編機のニードルベッドに関する実施例の一部分解図である。
【図５】本発明の横編機のニードルベッドに関する実施例の一部拡大分解図である。
【図６】本発明の横編機のニードルベッドに関する実施例の構造を示す前面図である。
【図７】本発明の横編機のニードルベッドに関する実施例の構造を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
本発明の技術内容、構造特徴、達成する目的を詳細に説明するため、以下に実施例を挙げ並びに図面を組み合わせて説明する。
【００１９】
図１に、本発明を応用した横編機の構造断面図を示す。図のとおり、横編機１０に応用した本発明において、横編機１０は、歯口隙間１１の両側にそれぞれ配置する二つのニードルベッド２０を含み、ニードルベッド２０は山形をなして向き合って設置される。ニードルベッド２０上には、ニードルベッド２０に相対し横方向の往復移動をおこなう台車３０を設ける。ニードルベッド２０に対する台車３０のそれぞれには、シンカー制御装置３１を備える。
【００２０】
図２、図３、図４には、本発明の一部構造を示す外観図、一部断面図、一部分解図を示す。各ニードルベッド２０上には平行する複数の溝部２１を設け、溝部２１中にはそれぞれ仕切板２２を配置し、二つの仕切板２２の間には針溝２３を形成する。各針溝２３中には編針２４と、シンカー２５と、仕切片２６と、給糸片２７を備える。編針２４は、針溝２３方向に沿って進退可動状態で針溝２３内に配置され、編針２４が歯口隙間１１方向に沿って移動する時、編糸を引き掛ける。シンカー２５には、押下圧突出部２５１と、制御突出部２５２と、固定部２５３とを含む。シンカー２５は、固定部２５３によって回転軸４１に枢設し、回転軸４１は、シンカー２５の配列方向に平行となるようニードルベッド２０上の凹部２０１内に配置する。台車３０に設置されるシンカー制御装置３１には、切替装置３１１と、切替装置３１１に連動する少なくとも一つの制御山角３１２とを含む。シンカー２５の制御突出部２５２は制御山角３１２内に配置し、制御山角３１２が切替装置３１１の駆動を受けて歯口隙間１１方向に移動する時、シンカー２５を押して回転させる。
【００２１】
仕切板２２上には、編針２４の垂直移動を制限する少なくとも一つの圧針板２８を設けるため、編針２４の位置を針溝２３内に制限する。圧針板２８は、複数の部分によって構成される。圧針板２８を仕切板２２上に固定するために、仕切板２２には圧針板２８を収容する鳩尾溝２２１を備える。本発明において、圧針板２８に相対するシンカー制御装置３１の切替装置３１１には、圧針板２８と磁性によって引き寄せあう磁性吸着部３１３を備える。切替装置３１１の磁性吸着部３１３と圧針板２８は、常態において磁性によって引き寄せあい、シンカー制御装置３１は、台車３０の従動によってニードルベッド２０に対して横方向の運動をおこす。切替装置３１１は、シンカー制御装置３１の走行方向の違いによって、制御山角３１２がシンカー２５を押してそれを歯口隙間１１方向に回転させるかどうかを決定する。
【００２２】
二つの仕切板２２の間に形成する針溝２３には、図４、図６、図７に示すとおり、編針２４と、シンカー２５と、仕切片２６と、給糸片２７とを設ける。給糸片２７には、編針２４を配置する積載部２２２を含む。シンカー２５は、仕切板２２と編針２４間に設置し、シンカー２５と編針２４の間には、給糸片２７を設ける。本発明において、シンカー２５と給糸片２７の高さは編針２４を超えるため、シンカー２５が針溝２３内で回転する時、水平方向の偏移を防ぐ。給糸片２７と仕切板２２の間には、仕切片２６をさらに設け、仕切片２６と編針２４の厚さは同様とし、尚且つ、互いを垂直に配列する。よって、シンカー２５の上部構造は、単に仕切片２６と仕切板２２の間を移動するだけとなり、シンカー２５の回転ストロークを安定させる。
【００２３】
仕切板２２のいずれにも、対応する二つの開孔２２３を備え、それぞれに第一定位糸４２と第二定位糸４３を挿設する。これは図４および図５に示すとおりであり、各仕切板２２は、互いにニードルベッド２０上に貫着固定される。横編機１０での編成時、各針溝２３内の仕切片２６と給糸片２７の位置を維持させて編針２４とシンカー２５の作動を安定させるために、仕切片２６と給糸片２７にはそれぞれ、第一定位糸４２を挿設する穿孔２６１および穿孔２７１と、第二定位糸４３を挿設する定位凹部２６２と定位凹部２７２を設ける。仕切片２６と給糸片２７の定位凹部２６２と定位凹部２７２のいずれにも、第二定位糸４３を収容する湾曲部２６３と湾曲部２７３を備える。また、仕切片２６或いは給糸片２７の製造時に、穿孔２６１、穿孔２７１に公差が生じることによって、仕切片２６或いは給糸片２７を組み立てる過程において第一定位糸４２を各仕切片２６或いは給糸片２７の穿孔２６１、穿孔２７１にスムーズに貫通させられない問題を防ぐため、本発明では、穿孔２６１と穿孔２７１は公差を許容する長円孔とし、長円孔の公差許容方向は針溝２３に対して垂直方向あるいは水平方向とする。
【００２４】
上述をまとめると、本発明の横編機のニードルベッドは、仕切板２２上の圧針板２８と仕切板２２との間に配置した仕切片２６が、従来のシンカーの回転ストロークを安定させ、シンカー制御装置を切り替えるために用いたシンカー固定台に取って代わるものとなり、シンカー固定台と仕切板２２を連結するための連結台の取り付けが不要となる故、大幅に横編機の生産コストを削減する。
【００２５】
以上述べたことは、本発明の実施例にすぎず、本発明の実施の範囲を限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲に基づきなし得る同等の変化と修飾は、いずれも本発明の権利のカバーする範囲内に属するものとする。
【符号の説明】
【００２６】
１０ 横編機
１１ 歯口隙間
２０ ニードルベッド
２０１ 凹部
２１ 溝部
２２ 仕切板
２２１ 鳩尾溝
２２２ 積載部
２２３ 開孔
２３ 針溝
２４ 編針
２５ シンカー
２５１ 押下圧突出部
２５２ 制御突出部
２５３ 固定部
２６ 仕切片
２６１ 穿孔
２６２ 定位凹部
２６３ 湾曲部
２７ 給糸片
２７１ 穿孔
２７２ 定位凹部
２７３ 湾曲部
２８ 圧針板(pressor)
３０ 台車
３１ シンカー制御装置
３１１ 切替装置
３１２ 制御山角
３１３ 磁性吸着部
４１ 回転軸
４２ 第一定位糸
４３ 第二定位糸
【特許請求の範囲】
【請求項１】
それぞれを歯口隙間の両側に配置する横編機のニードルベッドは、
相互に平行する複数の仕切板と、
仕切板の間に配置する複数の編針およびシンカーと、
シンカーの配列方向に対して平行移動するシンカー制御装置とを含み、
シンカー制御装置には、移動方向によって切替ストロークをおこす切替装置と、切替装置の切替ストロークに連動し、シンカーを歯口隙間方向に押して回転させる少なくとも一つの制御山角とを含み、
仕切板上には、編針の垂直移動を制限する少なくとも一つの圧針板を設け、圧針板に相対するシンカー制御装置の切替装置には、圧針板と磁性によって引き寄せあう磁性吸着部を備え、仕切板間には、シンカーの水平偏移を制限する仕切片を備えることを特徴とする横編機のニードルベッド。
【請求項２】
前記仕切板には、圧針板を収容する鳩尾溝を備えることを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項３】
前記圧針板は、複数の部分によって構成されることを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項４】
前記仕切片と前記編針は、仕切板とシンカーの間に垂直配列することを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項５】
前記編針編針とシンカーの間には、給糸片を設けることを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項６】
前記シンカーには固定部を備え、固定部は、シンカーの配列方向に平行となる回転軸を設けることを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項７】
前記仕切板上には二つの開孔を備え、それぞれに第一定位糸と第二定位糸を挿設することを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項８】
前記仕切板には、第一定位糸を挿設する穿孔と、第二定位糸を挿設する定位凹部を設けることを特徴とする請求項７に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項９】
前記穿孔は長円孔とすることを特徴とする請求項８に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１０】
前記定位凹部には湾曲部を含むことを特徴とする請求項８に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１１】
前記編針とシンカーの間には、給糸片を設けることを特徴とする請求項７に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１２】
前記給糸片には、第一定位線を挿設する穿孔と、第二定位糸を挿設する定位凹部を設けることを特徴とする請求項１１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１３】
前記穿孔は長円孔とすることを特徴とする請求項１２に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１４】
前記定位凹部には湾曲部を含むことを特徴とする請求項１２に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１５】
前記給糸片には、編針を配置するための積載部を設けることを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１】
それぞれを歯口隙間の両側に配置する横編機のニードルベッドは、
相互に平行する複数の仕切板と、
仕切板の間に配置する複数の編針およびシンカーと、
シンカーの配列方向に対して平行移動するシンカー制御装置とを含み、
シンカー制御装置には、移動方向によって切替ストロークをおこす切替装置と、切替装置の切替ストロークに連動し、シンカーを歯口隙間方向に押して回転させる少なくとも一つの制御山角とを含み、
仕切板上には、編針の垂直移動を制限する少なくとも一つの圧針板を設け、圧針板に相対するシンカー制御装置の切替装置には、圧針板と磁性によって引き寄せあう磁性吸着部を備え、仕切板間には、シンカーの水平偏移を制限する仕切片を備えることを特徴とする横編機のニードルベッド。
【請求項２】
前記仕切板には、圧針板を収容する鳩尾溝を備えることを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項３】
前記圧針板は、複数の部分によって構成されることを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項４】
前記仕切片と前記編針は、仕切板とシンカーの間に垂直配列することを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項５】
前記編針編針とシンカーの間には、給糸片を設けることを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項６】
前記シンカーには固定部を備え、固定部は、シンカーの配列方向に平行となる回転軸を設けることを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項７】
前記仕切板上には二つの開孔を備え、それぞれに第一定位糸と第二定位糸を挿設することを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項８】
前記仕切板には、第一定位糸を挿設する穿孔と、第二定位糸を挿設する定位凹部を設けることを特徴とする請求項７に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項９】
前記穿孔は長円孔とすることを特徴とする請求項８に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１０】
前記定位凹部には湾曲部を含むことを特徴とする請求項８に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１１】
前記編針とシンカーの間には、給糸片を設けることを特徴とする請求項７に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１２】
前記給糸片には、第一定位線を挿設する穿孔と、第二定位糸を挿設する定位凹部を設けることを特徴とする請求項１１に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１３】
前記穿孔は長円孔とすることを特徴とする請求項１２に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１４】
前記定位凹部には湾曲部を含むことを特徴とする請求項１２に記載の横編機のニードルベッド。
【請求項１５】
前記給糸片には、編針を配置するための積載部を設けることを特徴とする請求項１に記載の横編機のニードルベッド。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１３−６７９１２（Ｐ２０１３−６７９１２Ａ）
【公開日】平成２５年４月１８日（２０１３．４．１８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２０７４５７（Ｐ２０１１−２０７４５７）
【出願日】平成２３年９月２２日（２０１１．９．２２）
【出願人】（３９３０１０１０１）佰龍機械廠股▲ふん▼有限公司 (33)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年４月１８日（２０１３．４．１８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年９月２２日（２０１１．９．２２）
【出願人】（３９３０１０１０１）佰龍機械廠股▲ふん▼有限公司 (33)
【Ｆターム（参考）】
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