説明

樹木の根元覆い装置

【課題】 軽量で取扱い性がよく、安価で美観性に優れた樹木の根元覆い装置を提供する。
【解決手段】 金属製分割座板2に、下方から挿通される固定螺子15の頭部を対向する口縁で係止し得る複数の長孔状係止開口部5を設ける一方、合成木材からなる軽量化粧パネル3の裏面で前記長孔状係止開口部5に対応する位置に螺子孔14を設け、長孔状係止開口部5の下方から挿通されて前記螺子孔14に螺合される複数の固定螺子15により、軽量化粧パネル3を金属製分割座板2に固定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、街路樹等の樹木の根元に配設される樹木の根元覆い装置に関する。
【背景技術】
【0002】
市街地等の舗装された歩道に植えられる樹木の根元には、人や車両による踏圧から樹木の根を保護するために、根元覆い装置が配設される。
【0003】
かかる根元覆い装置は、上下方向に貫通する多数の抜き孔を備えた鋳造製のものが一般的に使用されており、全体が周方向に分割されて、樹木の根元を囲繞した状態で相互に連結して一体化することが可能なようになっている。
【0004】
而るに、このような鋳造製の根元覆い装置は、相当の重量があるため、搬送や施工時における取扱い性が悪く、また、鋳造品であるため意匠性に欠けるという問題点があった。
【0005】
一方、樹木の根元覆い装置として、連結フレームにより内周フレームと外周フレームを連結してなる金属フレームと、複数の硬質木材板とを備え、該硬質木材板を金属フレーム上に隙間なく密着させて固定したもの(特許文献1参照)や、リブによって区画された開口を有する鋳造製等の枠体と、該開口に被せて固定される鋳造製或いは合成樹脂製等の覆板と、前記枠体および覆板を互いに係合させる弾性変形可能な固定具とを備え、該固定具を介して前記覆板を前記枠体に対して着脱自在としたもの(特許文献2参照)が提案されている。前者は、金属フレームや硬質木材板を分解して搬送できるので、施工現場への搬入や施工時における取扱い性がよく、また、設置状態で目視される表面部分が木材板であるため、鋳造製に比して意匠性に優れたものとなっている。後者は、鋳造製等の枠体の開口に被せて固定される覆板を合成樹脂製とすることで軽量化が可能であり、上記と同様に枠体や覆板を分解して搬送できるので、施工現場への搬入や施工時における取扱い性がよく、また、表面模様を形成した覆板の組合せ配列によって意匠性を向上させ得るようになっている。
【特許文献1】特許第2684007号公報
【特許文献2】特許第3012468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した硬質木材板を金属フレーム上に固定したものにあっては、硬質木材板の表面側にざぐり孔を備えた挿通孔を形成し、該挿通孔に上方から挿通した螺子によって硬質木材板を金属フレームに対して固定するようにしており、さらに、その固定後には、ざぐり孔に埋木を嵌入して該ざぐり孔を塞ぐようにしている。このため、ざぐり孔を備えた挿通孔の形成加工及び該ざぐり孔への埋木の嵌入作業に手間が掛かる上、埋木を嵌入した状態のざぐり孔が硬質木材板の表面に露出しているので、意匠性に優れた木材板を使用しているにも拘わらず、その美観性が損なわれてしまうという問題点があった。一方、枠体の開口に覆板を被せて着脱自在に固定するようにしたものにあっては、覆板を枠体に対して着脱自在とするために、枠体および覆板を互いに係合させる弾性変形可能な固定具を必要とし、このため、該固定具を介しての係合固定操作が面倒で、部品点数も多くなってコスト高となるという問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点を解消し得る樹木の根元覆い装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、周方向に分割されて、樹木の根元を囲繞した状態で相互に連結して一体化される金属製分割座板と、各金属製分割座板の上部に被着される軽量化粧パネルとを備えてなる樹木の根元覆い装置であって、前記金属製分割座板に、下方から挿通される固定螺子の頭部を対向する口縁で係止し得る複数の長孔状係止開口部を設ける一方、軽量化粧パネルの裏面で前記長孔状係止開口部に対応する位置に螺子孔を設けてなり、長孔状係止開口部の下方から挿通されて前記螺子孔に螺合される複数の固定螺子により、軽量化粧パネルを金属製分割座板に固定するようにしたことを特徴とする樹木の根元覆い装置である。
【0009】
かかる構成にあって、金属製分割座板が、鋳鉄製であり、軽量化粧パネルが、所定の厚みを有し、かつ厚みを横断する相互に平行な複数の補強リブを所定間隔で備えた中空平板状の合成木材であるものとする構成が提案される。
【0010】
ここで、合成木材は、木粉,ポリプロピレン等の合成樹脂,有機強化剤を混合、溶融し、所望する合成木材の断面形状相当のスリットを備えたダイから中空板材として押出し成形したものが好適に用いられ得る。このような合成木材は、厚みを横断する相互に平行な複数の補強リブが幅方向に所定間隔で形成されており、かつ該補強リブが長手方向に連続したものとなっている。
【0011】
また、所定の厚みを有し、かつ厚みを横断する相互に平行な複数の補強リブを所定間隔で備えた中空平板状の合成木材からなる軽量化粧パネルの裏面で、前記補強リブのある位置に、外周面に雄螺子部を備え、かつ内周面に雌螺子部を備えてなる鬼目ナットを、その外周面の雄螺子部を介してねじ込んで埋設することにより、軽量化粧パネルの裏面側に開口する複数の螺子孔を設ける一方、金属製分割座板の長孔状係止開口部を、前記螺子孔が設けられる補強リブに沿って形成し、長孔状係止開口部の下方から挿通されて螺子孔に螺合される複数の固定螺子により、軽量化粧パネルを金属製分割座板に固定する構成が提案される。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上述したように、周方向に分割されて、樹木の根元を囲繞した状態で相互に連結して一体化される金属製分割座板と、各金属製分割座板の上部に被着される軽量化粧パネルとを備えてなる樹木の根元覆い装置であって、前記金属製分割座板に、下方から挿通される固定螺子の頭部を対向する口縁で係止し得る複数の長孔状係止開口部を設ける一方、軽量化粧パネルの裏面で前記長孔状係止開口部に対応する位置に螺子孔を設けてなり、長孔状係止開口部の下方から挿通されて前記螺子孔に螺合される複数の固定螺子により、軽量化粧パネルを金属製分割座板に固定するようにしたことを特徴とする樹木の根元覆い装置であるから、施工に際しては、金属製分割座板の上部に軽量化粧パネルを宛がって、該軽量化粧パネルの裏面に設けられている各螺子孔を金属製分割座板の複数の長孔状係止開口部に夫々一致させた状態で、複数の固定螺子を長孔状係止開口部の下方から挿通して、軽量化粧パネルの螺子孔に夫々螺合させることにより、長孔状係止開口部の対向する口縁に各固定螺子の頭部が係止され、該固定螺子による緊締作用を介して、軽量化粧パネルを金属製分割座板に固定することができる。ここで、固定螺子は、軽量化粧パネルの裏面側で該軽量化粧パネルを固定するものであるため、軽量化粧パネルの表面側に該固定螺子が露出することがなく、これによって、その美観性が損なわれることがない。また、各固定螺子を長孔状係止開口部の下方から挿通して、軽量化粧パネルの裏面に設けられている螺子孔に夫々螺合させるだけで、軽量化粧パネルを固定することができるため、その固定操作を極めて簡単に行うことができる。これにより、従来のように、固定後において、ざぐり孔に埋木を嵌入して該ざぐり孔を塞ぐ作業や、弾性変形可能な特殊な固定具を用いての面倒な係合固定操作が不要であり、部品点数も多くならないので、コスト高を招来することもない。さらに、金属製分割座板と軽量化粧パネルは、分解して搬送できるので、施工現場への搬入や施工時において優れた取扱い性を得ることができる。
【0013】
また、金属製分割座板を鋳鉄製とし、軽量化粧パネルを、所定の厚みを有し、かつ厚みを横断する相互に平行な複数の補強リブを所定間隔で備えた中空平板状の合成木材とする構成にあっては、鋳鉄製の金属製分割座板によって所定の堅牢性を得ることができるとともに、金属製分割座板に設けられる複数の長孔状係止開口部を鋳造時に容易に同時形成することができ、また、該長孔状係止開口部によって金属製分割座板を軽量化することができる。一方、軽量化粧パネルに中空平板状の合成木材を用いることにより、軽量化粧パネルを、所定の強度を有する軽量なものとすることができ、さらに合成木材が有する天然木と略同様の素材感によって、従来の鋳造製や合成樹脂製のものに比して意匠性を向上させることができる。また、合成木材は天然木に比して極めて安価であるため、製造コストを低減し得る利点もある。また、金属製分割座板と軽量化粧パネルが軽量化されることにより、上記のように金属製分割座板と軽量化粧パネルを分解して搬送できることと相俟って、施工現場への搬入や施工時における取扱い性をさらに優れたものとすることができる。
【0014】
また、所定の厚みを有し、かつ厚みを横断する相互に平行な複数の補強リブを所定間隔で備えた中空平板状の合成木材からなる軽量化粧パネルの裏面で、前記補強リブのある位置に、外周面に雄螺子部を備え、かつ内周面に雌螺子部を備えてなる鬼目ナットを、その外周面の雄螺子部を介してねじ込んで埋設することにより、軽量化粧パネルの裏面側に開口する複数の螺子孔を設ける一方、金属製分割座板の長孔状係止開口部を、前記螺子孔が設けられる補強リブに沿って形成し、長孔状係止開口部の下方から挿通されて螺子孔に螺合される複数の固定螺子により、軽量化粧パネルを金属製分割座板に固定する構成にあって、軽量化粧パネルの裏面で、厚みを横断する補強リブのある所定位置に、鬼目ナットを夫々ねじ込んで埋設することにより、各鬼目ナットを中空平板状の合成木材からなる軽量化粧パネルに強固に保持させることができるとともに、各鬼目ナットの雌螺子部によって軽量化粧パネルの裏面側に開口する複数の螺子孔を簡単に設けることができる。また、螺子孔が設けられる補強リブに沿って金属製分割座板の長孔状係止開口部を設けることにより、前記螺子孔に補強リブ方向の位置ずれが生じていても、該位置ずれに容易に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明にかかる樹木の根元覆い装置の一実施例を、図1〜図7に基づいて説明する。樹木の根元覆い装置1は、図1に示すように、樹木Tの根元を囲繞するものであって、周方向に分割された四個の金属製分割座板2(図2参照)と、各金属製分割座板2の上部に被着される複数の軽量化粧パネル3とを備えている。この四個の金属製分割座板2は、後述する連結ボルト8,8と連結金具9(図4参照)とを用いて相互に連結することにより一体化され、その一体化状態で中央部に樹木Tを挿通し得る開口部4が生じるようになっている。
【0016】
各金属製分割座板2は鋳造によって製作されたものであり、図2,図3に示すように、略L形の平面形状を呈し、周方向に沿う相互に平行な複数の長孔状係止開口部5と該長孔状係止開口部5より広幅の複数の矩形状開口部6が鋳造時に同時形成されている。ここで、各長孔状係止開口部5は、後述する固定螺子15(図7参照)の軸部の直径より若干広く、かつ頭部の直径より狭い開口幅に設けられており、下方から挿通される固定螺子15の頭部を対向する口縁で係止し得るようになっている。また、各金属製分割座板2は、その上部に被着される軽量化粧パネル3を含めた全体の厚みの半分以下の厚みに設定されており(図7参照)、この厚みと前記長孔状係止開口部5及び矩形状開口部6とにより、金属製分割座板2の軽量化が図られている。
【0017】
各金属製分割座板2の内周側の側端近傍部には、周方向に沿う長孔状のボルト挿通孔7が夫々形成されており、図4(イ),(ロ)に示すように、隣り合う金属製分割座板2,2のボルト挿通孔7,7に上方から挿通した連結ボルト8,8を下面側に宛がわれる断面L形の連結金具9の螺子孔10,10に螺合させることにより、隣り合う金属製分割座板2,2を相互に連結し得るようになっている。
【0018】
一方、複数の軽量化粧パネル3は、図5(イ)に示すように、所定の厚みを有し、かつ厚みを横断する相互に平行な複数の補強リブ11を所定間隔で備えた中空平板状の合成木材からなる。該合成木材には、木粉(55重量%程度),ポリプロピレン等の合成樹脂(45重量%程度),有機強化剤(0.5重量%程度)を混合、溶融し、所望する合成木材の断面形状相当のスリットを備えたダイから中空板材として押出し成形したものが用いられている。このような合成木材は、厚みを横断する相互に平行な複数の補強リブ11が幅方向に所定間隔で形成されており、かつ該補強リブ11が長手方向に連続したものとなっている。また、該合成木材からなる軽量化粧パネル3の一面には、使用時に上面となる面に、長手方向に連続する凹凸12が押出し成形によって形成されており、該凹凸12によって滑り止め作用が得られるようになっている。
【0019】
前記合成木材からなる軽量化粧パネル3は、長尺な合成木材を所定の長さに切断し、かつその一端を45°の角度で切断した傾斜端として、その傾斜端を介してL形に組み合わせることにより、図6に示すように、金属製分割座板2の上部を覆い得るようにしている。ここで、図6には、4枚の軽量化粧パネル3を用いた例が示されているが、軽量化粧パネル3の数はこれに限定されるものではなく、図示した合成木材の略2倍の幅を有する合成木材を用いて軽量化粧パネル3を2枚としたり、或いは図示したものより狭幅の合成木材を用いて6枚以上の軽量化粧パネル3で構成することも可能である。
【0020】
前記各軽量化粧パネル3の裏面には、図5(ロ)に示すように、前記補強リブ11のある位置に鬼目ナット13が埋設されている。該鬼目ナット13は、外周面に雄螺子部を備え、かつ内周面に雌螺子部を備えてなるものであり、予めドリルを用いて形成した下孔16内に外周面の雄螺子部を介してねじ込んで埋設することにより、該鬼目ナット13の雌螺子部によって、軽量化粧パネル3の裏面側に開口する複数の螺子孔14が設けられている。ここで、各螺子孔14は、上述した金属製分割座板2の各長孔状係止開口部5に対応する位置に設けられており、金属製分割座板2の鋳造時に各長孔状係止開口部5を、螺子孔14が設けられる各補強リブ11に沿って形成することにより、各螺子孔14を各長孔状係止開口部5に一致させるようにしている。
【0021】
そして、図7に示すように、各長孔状係止開口部5の下方から挿通されて前記各螺子孔14に螺合される複数の固定螺子15により、各軽量化粧パネル3を金属製分割座板2の上部に固定するようにしている。
【0022】
また、各金属製分割座板2の内周側上面には、図6,図7に示すように、鋳造によって形成された略L形の平面形状を呈する目地部材17が配設される。該目地部材17は、前記各軽量化粧パネル3と同じ厚みに形成されており、裏面には金属製分割座板2の内周側に位置する長孔状係止開口部5に対応する位置に複数の螺子孔18が設けられている。そして、前記長孔状係止開口部5に下方から挿通されて各螺子孔18に螺合される複数の固定螺子15により、目地部材17を金属製分割座板2の内周側上面に固定するようにしている。尚、該目地部材17は必ずしも必要ではなく、除去することも可能であるが、該目地部材17を配設することにより意匠性が向上する。
【0023】
かかる構成にあって、施工に際しては、金属製分割座板2の上部に軽量化粧パネル3を宛がって、該軽量化粧パネル3の裏面に設けられている各螺子孔14を金属製分割座板2の複数の長孔状係止開口部5に夫々一致させた状態で、複数の固定螺子15を長孔状係止開口部5の下方から挿通して、軽量化粧パネル3の螺子孔14に夫々螺合させることにより、図7に示すように、長孔状係止開口部5の対向する口縁に各固定螺子15の頭部が係止され、該固定螺子15による緊締作用を介して、軽量化粧パネル3を金属製分割座板2に固定することができる。ここで、固定螺子15は、軽量化粧パネル3の裏面側で該軽量化粧パネル3を固定するものであるため、軽量化粧パネル3の表面側に該固定螺子15が露出することがなく、これによって、その美観性が損なわれることがない。また、各固定螺子15を長孔状係止開口部5の下方から挿通して、軽量化粧パネル3の裏面に設けられている螺子孔14に夫々螺合させるだけで、軽量化粧パネル3を固定することができるため、その固定操作を極めて簡単に行うことができる。これにより、従来のように、固定後において、ざぐり孔に埋木を嵌入して該ざぐり孔を塞ぐ作業や、弾性変形可能な特殊な固定具を用いての面倒な係合固定操作が不要であり、部品点数も多くならないので、コスト高を招来することもない。さらに、金属製分割座板2と軽量化粧パネル3は、分解して搬送できるので、施工現場への搬入や施工時において優れた取扱い性を得ることができる。
【0024】
また、金属製分割座板2を鋳鉄製とし、軽量化粧パネル3を、所定の厚みを有し、かつ厚みを横断する相互に平行な複数の補強リブ11を所定間隔で備えた中空平板状の合成木材としたことにより、鋳鉄製の金属製分割座板2によって所定の堅牢性を得ることができるとともに、金属製分割座板2に設けられる複数の長孔状係止開口部5を鋳造時に容易に同時形成することができ、また、該長孔状係止開口部5によって金属製分割座板2を軽量化することができる。一方、軽量化粧パネル3に中空平板状の合成木材を用いることにより、軽量化粧パネル3を、所定の強度を有する軽量なものとすることができ、さらに合成木材が有する天然木と略同様の素材感によって、従来の鋳造製や合成樹脂製のものに比して意匠性を向上させることができる。また、合成木材は天然木に比して極めて安価であるため、製造コストを低減し得る利点もある。また、金属製分割座板2と軽量化粧パネル3が軽量化されることにより、上記のように金属製分割座板2と軽量化粧パネル3を分解して搬送できることと相俟って、施工現場への搬入や施工時における取扱い性をさらに優れたものとすることができる。
【0025】
また、軽量化粧パネル3の裏面で、厚みを横断する補強リブ11のある所定位置に、鬼目ナット13を夫々ねじ込んで埋設することにより、各鬼目ナット13を中空平板状の合成木材からなる軽量化粧パネル3に強固に保持させることができるとともに、各鬼目ナット13の雌螺子部によって軽量化粧パネル3の裏面側に開口する複数の螺子孔14を簡単に設けることができる。また、螺子孔14が設けられる補強リブ11に沿って金属製分割座板2の長孔状係止開口部5を形成することにより、前記螺子孔14に補強リブ11方向の位置ずれが生じている場合でも、該位置ずれに容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明にかかる樹木の根元覆い装置1の平面図である。
【図2】同上の根元覆い装置1を構成する金属製分割座板2の平面図である。
【図3】図2におけるA−A拡大断面図である。
【図4】(イ)は隣り合う金属製分割座板2,2を連結ボルト8,8と連結金具9とによって連結した状態を示す部分拡大平面図、(ロ)はその側断面図である。
【図5】(イ)は軽量化粧パネル3の側断面図、(ロ)は鬼目ナット13を埋設した状態の側断面図である。
【図6】金属製分割座板2の上部に軽量化粧パネル3が被着された状態を示す平面図である。
【図7】図6におけるB−B拡大断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 根元覆い装置
2 金属製分割座板
3 軽量化粧パネル
5 長孔状係止開口部
11 補強リブ
13 鬼目ナット
14 螺子孔
15 固定螺子
T 樹木

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に分割されて、樹木の根元を囲繞した状態で相互に連結して一体化される金属製分割座板と、各金属製分割座板の上部に被着される軽量化粧パネルとを備えてなる樹木の根元覆い装置であって、
前記金属製分割座板に、下方から挿通される固定螺子の頭部を対向する口縁で係止し得る複数の長孔状係止開口部を設ける一方、軽量化粧パネルの裏面で前記長孔状係止開口部に対応する位置に螺子孔を設けてなり、長孔状係止開口部の下方から挿通されて前記螺子孔に螺合される複数の固定螺子により、軽量化粧パネルを金属製分割座板に固定するようにしたことを特徴とする樹木の根元覆い装置。
【請求項2】
金属製分割座板が、鋳鉄製であり、軽量化粧パネルが、所定の厚みを有し、かつ厚みを横断する相互に平行な複数の補強リブを所定間隔で備えた中空平板状の合成木材であることを特徴とする請求項1記載の樹木の根元覆い装置。
【請求項3】
所定の厚みを有し、かつ厚みを横断する相互に平行な複数の補強リブを所定間隔で備えた中空平板状の合成木材からなる軽量化粧パネルの裏面で、前記補強リブのある位置に、外周面に雄螺子部を備え、かつ内周面に雌螺子部を備えてなる鬼目ナットを、その外周面の雄螺子部を介してねじ込んで埋設することにより、軽量化粧パネルの裏面側に開口する複数の螺子孔を設ける一方、金属製分割座板の長孔状係止開口部を、前記螺子孔が設けられる補強リブに沿って形成し、長孔状係止開口部の下方から挿通されて螺子孔に螺合される複数の固定螺子により、軽量化粧パネルが金属製分割座板に固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の樹木の根元覆い装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−320272(P2006−320272A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−147741(P2005−147741)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(592094243)カネソウ株式会社 (73)
【Fターム(参考)】