説明

機器へサービスを提供する場合の機器認証方法

【課題】様々な機器から多数のサービスを利用する場合において、利用者の機器情報登録処理や、サービスやメーカにおける機種情報やスペック情報の管理負荷を軽減する。
【解決手段】機器を自宅内や会社内に設置したタイミング等で、機器IDをゲートウェイ(GW)へ登録する。機器ID管理サーバはGWと連携して様々な機器IDを管理する。サービス提供者側装置は、機器からのサービス提供要求に対して、機器ID管理サーバから機器IDを取得し、取得した機器IDを元に機種管理サーバから当該機器のスペックを取得し、スペックに応じたサービスを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網を介して、機器を識別または認証し、サービスを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツ配信サービス等の様々な情報サービスが、インターネット等の通信網を介して提供されており、これらのサービスはパソコンだけでなく、テレビやゲーム機等の様々な機器から利用されている。将来的には、より幅広い分野のサービス、例えば電子申請・届出サービスや金融機関のネットバンキング、遠隔医療サービス等の様々なサービスが、様々な機器から利用できるようになると想定される。
【0003】
これら様々な機器によりサービスを利用する場合、当該機器の利用者は、当該機器を個々に識別するための情報(例えば製品シリアル番号等。以下「機器ID」という)や、当該機器の機種情報(例えば製品型番等)をサービス提供者側に登録する。サービス提供者側は、登録された機器IDを用いて当該機器の識別または認証を実施したり、登録された機種情報を用いて当該機器の仕様(以下「スペック」という)を把握し、スペックに合ったサービスを提供することが可能となる。
【0004】
特許文献1においては、利用者の認証及び機器の認証を実施するために、ユーザ情報と機器IDを対応付けてサーバに登録することが記載されており、ユーザがこれらの登録処理を各サービスに対して実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−043271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のように、各サービス提供者側に対してユーザが登録処理を行う場合、将来多種多様なサービスができた場合に機種登録処理が利用者にとって負担となる恐れがある。利用者は、利用する機器のスペックに応じたサービスを受けるために、サービス毎に機器の機種情報を登録する必要があり、サービスが多数になった場合にはこの処理が負担となる恐れがある。
【0007】
また、サービス提供者側では、各サービスにおいて複数メーカの複数機器の機種情報とそれに対応するスペックの情報を管理する必要がある。機器を製造するメーカは、新機種を製造する度に多数のサービスに対して、新機種の機種情報とスペックの情報を連絡する必要があり、メーカやサービスの運用が煩雑となってしまう恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、様々な機器から様々なサービスを利用する場合において、利用者側が実施する機種情報の登録処理の負荷を軽減したり、サービス提供者側における、機種情報とスペック情報の管理業務を軽減したり、機器を製造するなどの機器提供者側であるメーカにおける、機種情報を複数サービス提供者側へ連絡する業務、を軽減したりする技術を提供する。
【0009】
具体的には、本明細書は、自宅内や会社内の機器を管理するゲートウェイ装置(以下「GW」という)と、GWと連携して様々な機器を管理する機器ID管理サーバと、各メーカにおいて自社の機器IDや機種情報、それらに対応づくスペックを管理する機種管理サーバと、を配した機器認証システムを開示する。
【0010】
本明細書が開示する機器認証システムでは、サービス提供者側装置が機器のスペックに合ったサービスを提供するために、機器IDの登録ステップと、サービス利用ステップを実施する。
【0011】
まず、機器IDの登録ステップについて説明する。利用者は自身の機器を自宅等に設置したタイミング等で、当該機器の個々に付与されている機器IDを自宅等のGWに登録する。GWの機器管理テーブルには、当該機器のIPアドレスに対応付けて、機器IDが登録される。IPアドレスは、GWが機器IDの登録要求を受け取った際に、取得する。
【0012】
一度登録されると、次回以降は、登録されているIPアドレスと機器IDを参照するので、登録処理は、IPアドレスが登録されていない場所で最初に利用する際に、一度実施すればよい。
【0013】
GWに新たな機器IDが登録された場合、GWは機器ID管理サーバへ、当該機器IDと当該機器のIPアドレスを登録する。機器ID管理サーバには、一つの機器IDについて、一つ以上のIPアドレスが登録されることになる。なお機器IDは、当該機器のスペックを管理するメーカを識別するための情報を含むものとする。
【0014】
次に、サービス利用ステップについて説明する。利用者は自身の機器を用いて、サービス提供者側装置へのアクセス要求を実施する。もしくは、機器が、設定された内容に従って、サービス提供者側装置へのアクセス要求を実施してもよい。サービス提供者側装置は、当該要求元の機器のIPアドレスを引数として、機器ID管理サーバに対して、当該機器の機器IDを問い合わせる。機器管理サーバは、機器IDリポジトリを検索し、問い合わせされたIPアドレスに対応付く機器IDを取得し、取得した機器IDをサービス提供者側装置へ応答する。サービス提供者側装置は、当該機器IDから当該機器のメーカなど、スペックの管理者を識別し、当該管理者の機種管理サーバに対して、当該機器のスペックを問い合わせる。機種管理サーバは、問い合わせされた機器IDから、機種を判別し、当該機器のスペック情報を応答する。サービス提供者側装置は、取得したスペックに基づき、対応するサービスを機器に提供する。
【0015】
なお、サービス提供者側装置は、サービス提供に際して、利用者の認証を実施しても良い。利用者はあらかじめ認証サーバ(以下「IDP」という)にユーザ登録し、IDとパスワード等を取得しておく。利用者は自身の機器においてサービス提供者側装置へのアクセス要求を実施した後で、IDPにリダイレクトされ、IDとパスワードを入力する。認証に成功した場合、IDPからサービス提供者側装置に対して認証結果を送付することにより、サービス提供者側装置は利用者の認証を実施し、その後サービス利用ステップを実施しても良い。
【0016】
上記態様によれば、サービスの数が膨大になった場合においても、利用者は、IPアドレスが登録されていない場所で初めて機器を利用する際に、一度、機器IDの登録を実施すればよい。このため、ユーザによる機器登録処理における負荷が軽減され、利便性を向上することができる。
【0017】
またサービス提供者側装置は、機種とそれに対応するスペックの情報を管理する必要がなく、各メーカの機種管理サーバのアクセス先を管理すればよい。このため、サービス提供者側装置におけるスペック情報の管理業務が軽減され、運用性を向上することができる。
【0018】
さらに、機器を製造するメーカは、新たに機器を製造した場合、多数のサービス提供者側装置に登録する必要がなく、各メーカが管理する機種管理サーバにのみ登録すればよい。このため、メーカにおけるスペック情報の管理業務が軽減され、運用性を向上することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザにとっては、機器登録処理における負荷が軽減され、利便性が向上する。また、サービス提供者や、機器の提供者にとっては、スペック情報の管理業務が軽減され、運用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】各実施形態における機器認証システムの構成を例示する。
【図2】機器11の構成を例示する。
【図3】GW12の構成を例示する。
【図4】機器ID管理サーバ13の構成を例示する。
【図5】サービス提供者側装置14の構成を例示する。
【図6】機種管理サーバ15の構成を例示する。
【図7】図2〜6に示す機器、GW、機器ID管理サーバ、サービス、機種管理サーバの各々のハードウェア構成を例示する。
【図8】実施形態1における機器ID登録ステップの手順を例示する。
【図9】実施形態1においてGWが管理する機器ID管理テーブル34の構成を例示する。
【図10】実施形態1において機器ID管理サーバ13が管理する機器IDリポジトリ44の構成を例示する。
【図11】実施形態1における実施例サービス利用ステップの手順を例示する。
【図12】実施形態2における機器ID登録ステップの手順を例示する。
【図13】実施形態2においてGWが管理する機器ID管理テーブル34の構成を例示する。
【図14】実施形態2における実施例サービス利用ステップの手順を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の第一の実施形態について、図1〜図9を用いて説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の第一の実施形態である機器認証システムの構成を示す図である。
【0023】
本実施形態の機器認証システムは、利用者が利用するパソコンやテレビ等の機器111〜機器11L(「機器11」と総称する)と、自宅内や会社内の機器を管理するGW121〜GW12M(「GW12」と総称する)と、GW12と連携して様々な機器を管理する機器ID管理サーバ13と、機器11を通じて利用者へサービスを提供するサービス提供者側装置141〜サービス提供者側装置14O(「サービス提供者側装置14」と総称する)と、各メーカにおいて自社の機器IDや機種情報、それらに対応づくスペックを管理する機種管理サーバ151〜機種管理サーバ15P(「機種管理サーバ15」と総称する)と、それぞれを接続するインターネット等のネットワーク16と、を含んで構成される。
【0024】
次に図1の機器認証システムを構成する各装置について説明する。
【0025】
まず、図2を用いて、機器11を説明する。
【0026】
機器11は、処理部20aと記憶部20bと、機器11の利用者からの指示の受付等を行う入出力部20cと、ネットワーク16を介して他装置と通信を行うための通信部20dと、を有する。
【0027】
処理部20aは、GW12に対して当該機器11の機器IDの登録処理を行う機器ID登録部21と、サービス提供者側装置にアクセスしてサービスの提供を受けるための処理を行うサービス利用部22と、機器11の各部を統括的に制御する制御部23と、を有する。
【0028】
記憶部20bは、当該機器11の機器IDを保持する機器ID保持部24と、当該機器11のIPアドレス等通信に必要な設定を保持するIPアドレス等保持部25と、を有する。
【0029】
次に、図3を用いてGW12を説明する。
【0030】
GW12は、処理部30aと記憶部30bと、GW12の管理者からの指示の受付等を行う入出力部30cと、ネットワーク16を介して他装置と通信を行うための通信部30dと、を有する。
【0031】
処理部30aは、機器11からの要求に応じて当該機器11の機器IDを当該GWへ登録処理を行う機器ID管理部31と、機器ID管理サーバ13との機器IDの管理処理を行う対機器ID管理サーバ通信処理部32と、GW12の各部を統括的に制御する制御部33と、を有する。
【0032】
記憶部30bは、当該GW12が管理する機器IDのリストを保持する機器ID管理テーブル34と、当該GW12のIPアドレス等通信に必要な設定を保持するIPアドレス等保持部35と、を有する。
【0033】
次に、図4を用いて機器ID管理サーバ13を説明する。
【0034】
機器ID管理サーバ13は、処理部40aと記憶部40bと、機器ID管理サーバ13の管理者からの指示の受付等を行う入出力部40cと、ネットワーク16を介して他装置と通信を行うための通信部40dと、を有する。
【0035】
処理部40aは、GW12と連携して機器IDの管理を行う機器ID管理部41と、サービスからの問い合わせに応じて機器IDの取得、応答処理を行う機器ID応答部42と、機器ID管理サーバ13の各部を統括的に制御する制御部43と、を有する。
【0036】
記憶部40bは、当該機器ID管理サーバ13が管理する機器IDのリストを保持する機器IDリポジトリ44を有する。
【0037】
次に、図5を用いてサービス提供者側装置14を説明する。
【0038】
サービス提供者側装置14は、処理部50aと記憶部50bと、サービス提供者側装置14の管理者からの指示の受付等を行う入出力部50cと、ネットワーク16を介して他装置と通信を行うための通信部50dと、を有する。
【0039】
処理部50aは、アクセス元機器の機器IDやスペックの取得を行う機器認証部51と、機器に対してサービス提供を行うサービス提供部52と、サービス提供者側装置14の各部を統括的に制御する制御部53と、を有する。
【0040】
記憶部50bは、各メーカの機種管理サーバのアクセス先を保持する機種管理サーバアクセス先保持部54を有する。
【0041】
次に、図6を用いて機種管理サーバ15を説明する。
【0042】
機種管理サーバ15は、処理部60aと記憶部60bと、機種管理サーバ15の管理者からの指示の受付等を行う入出力部60cと、ネットワーク16を介して他装置と通信を行うための通信部60dと、を有する。
【0043】
処理部60aは、サービスからのスペック問い合わせ処理を行うスペック管理部61と、機種管理サーバ15の各部を統括的に制御する制御部62と、を有する。
【0044】
記憶部60bは、各メーカの機器IDや機種情報に対応付けて、当該機器のスペックを管理するスペック保持部63を有する。
【0045】
なお、図2〜図6に示す機器11、GW12、機器ID管理サーバ13、サービス提供者側装置14、機種管理サーバ15の各々は、例えば、図7に示すような、CPU71と、メモリ72と、ハードディスク等の外部記憶装置73と、CD−ROM等の可搬性を有する記憶媒体79から情報を読み取る読み取り装置74と、ネットワーク16を介して他装置と通信を行うための通信装置75と、キーボードやマウス等の入力装置76と、モニタやプリンタ等の出力装置77と、これらの各装置間のデータ送受を行うバスなどの内部通信線78とを備えた、一般的な電子計算機70上に構築できる。
【0046】
そして、CPU71が外部記憶装置73からメモリ72上にロードされた所定のプログラムを実行することにより、上述の各処理部を実現できる。すなわち、通信部20c、30c、40c、50c、60c、は、CPU71が通信装置75を利用することにより、入出力部20c、30c、40c、50c、50cは、CPU71が入力装置76や出力装置77や読み取り装置74を利用することにより、そして、記憶部20b、30b、40b、50b、50bは、CPU71がメモリ72や外部記憶装置73を利用することにより実現される。また、処理部20a、30a、40a、50a、60aは、CPU71のプロセスとして実現される。
【0047】
上記所定のプログラムは、予め外部記憶装置73に格納されていても良いし、上記電子計算機が利用可能な記憶媒体79に格納されており、読み取り装置74を介して、必要に応じて読み出され、あるいは、上記電子計算機が利用可能な通信媒体であるネットワーク16またはネットワーク16上を伝搬する搬送波もしくはディジタル信号を利用する通信装置75と接続された他の装置から、必要に応じてダウンロードされて、外部記憶装置73に導入されるものであってもよい。
【0048】
次に、上記構成の機器認証システムの動作を説明する。
【0049】
本実施形態の機器認証システムの動作は、機器ID登録ステップと、サービス利用ステップとに分かれる。
【0050】
まず、機器ID登録ステップの動作について説明する。
【0051】
図7は、本実施形態の機器ID登録動作について説明するためのフロー図である。
【0052】
機器11の機器ID登録部21は、利用者からの指示を受け付けたタイミングや、自宅等に設置されたタイミングで、GW12に対して当該機器IDを含む機器IDの登録要求を送付する(ステップS1001)。一度登録されると、次回以降は、登録されているIPアドレスと機器IDを参照するので、登録処理は、IPアドレスが登録されていない場所で初めて利用する際に一度実施すればよい。
【0053】
機器11から機器ID登録要求を受けたGW12の機器ID管理部31は、GW12の機器ID管理テーブル34に、当該機器の機器IDとIPアドレスを対応付けて登録する(ステップS1002)。なお、機器ID管理テーブル34に既に同じ機器IDが登録されている場合には、既に登録されている旨を機器11へ応答する。機器ID管理テーブル34の具体的な内容を、図8に示す。当該機器のIPアドレス81に対応付けて、当該機器の機器ID82が登録される。IPアドレス81は、上述の機器ID登録要求の送信元IPアドレスから取得する。
【0054】
GW12の機器ID管理部31は、機器ID管理サーバ13に対して、新たに登録した機器11の機器ID登録要求を送付する(ステップS1003)。当該機器ID登録要求には、当該機器11の機器IDと、それに対応する当該機器11のIPアドレスが含まれる。
【0055】
機器ID管理サーバ13の機器ID管理部41は、機器ID登録要求を受信したら、当該機器ID登録要求に含まれる当該機器IDとIPアドレスを対応づけて、機器IDリポジトリ44へ登録する(ステップS1004)。機器IDリポジトリの具体的な内容を、図10に示す。機器IDリポジトリ44には、当該機器の機器ID91に対応付けて、当該機器のIPアドレス92を登録する。
【0056】
機器ID管理サーバは、機器IDの登録結果をGW12へ送付する(ステップS1005)。GW12は当該機器IDの登録結果を機器11へ送付する(ステップS1006)。
【0057】
機器11を複数の場所で使用する場合には、図8の処理をそれぞれの場所で行う。機器IDリポジトリ44には、当該機器の機器ID91に対応付けて、当該機器のIPアドレス92を複数登録することができる。ステップS1004でIPアドレスを登録する際に、既に当該機器と同じ機器IDが登録されている場合には、その行に当該機器のIPアドレスを追加することにより、複数の場所における当該機器のIPアドレスを機器IDリポジトリ44へ登録する。
【0058】
次に、サービス利用ステップについて説明する。
【0059】
図11は、本実施形態のサービス利用動作について説明するためのフロー図である。
【0060】
機器11のサービス利用部22は、利用者からの指示を受け付けたタイミング等で、サービスを利用するためにサービス提供者側装置14へアクセスする(ステップS2001)。
【0061】
サービス提供者側装置14の機器認証部51は、機器11からのアクセス要求から、当該機器11のIPアドレスを取得する(ステップS2002)。そして、当該IPアドレスを引数として、機器ID管理サーバ13に対して当該機器11の機器IDの取得要求を送付する(ステップS2003)。
【0062】
機器ID管理サーバ13の機器ID応答部42は、機器IDリポジトリ44から要求に含まれるIPアドレスを元に対応する機器IDを検索する(ステップS2004)。その結果機器IDを検出したら、サービス提供者側装置14へ応答する(ステップS2005)。
【0063】
サービス提供者側装置14の機器認証部分51は、機器ID管理サーバ13から機器IDを取得したら、当該機器IDに含まれるメーカ情報を取得し、対応するメーカの機種管理サーバ15のアクセス先を、機種管理サーバアクセス先保持部54から取得する(ステップS2006)。そして、当該機種管理サーバ15に対して、当該機器IDに関するスペック取得要求を送付する(ステップS2007)。当該スペック取得要求には、機器IDが含まれる。
【0064】
スペック取得要求を受け取った機種管理サーバ15のスペック管理部61は、スペック保持部63から、機器IDに対応する機種情報を検索し、さらに、検出した機種情報からスペックを取得する(ステップS2008、S2009)。そして、取得したスペックをサービス提供者側装置14へ応答する。
【0065】
当該機器11のスペックを受信したサービス提供者側装置14のサービス提供部52は、スペックに応じたサービスを機器11へ応答する(ステップS2011)。
【0066】
上記サービス利用ステップは、利用者がサービスを利用するたびに繰り返し実施される。
【0067】
本実施例においては、GW12を介して、機器ID管理サーバ13へ登録するので、GW12に登録しておけば、各機器(もしくはそのユーザ)が機器ID管理サーバ13のアクセス先を把握する必要が無い。
【0068】
以上、本発明の第1実施形態について説明した。
【0069】
次に、本発明の第二の実施形態について、図12〜図14を用いて説明する。
【0070】
本実施形態2と実施形態1の違いは、GW12において、機器11のIPアドレスを変換するかどうかという点である。実施形態1においては、機器11のIPアドレスをGW12において変換しないのに対して、本実施形態2においてはGW12において機器11のIPアドレスを変換することを想定する。例えば、実施形態1は、IPv6のネットワークを利用している場合が含まれ、実施形態2は、IPv4のネットワークを利用している場合が含まれる。
【0071】
本実施形態における、機器ID登録ステップと、サービス利用ステップの動作を説明する。
【0072】
まず、図12を用いて、本実施形態における機器ID登録ステップの動作について説明する。
【0073】
GW12に接続された機器11の機器ID登録部21は、利用者からの指示を受け付けたタイミングなどで、GW12に対して当該機器IDの登録要求を送付する(ステップS3001)。一度登録されると、次回以降は、登録されているIPアドレスと機器IDを参照するので、登録処理は、IPアドレスが登録されていない場所で初めて利用する際に一度実施すればよい。
【0074】
機器11から機器ID登録要求を受けたGW12の機器ID管理部31は、GW12の機器ID管理テーブル34に、当該機器の機器IDとIPアドレスを対応付けて登録する(ステップS3002)。なお、機器ID管理テーブル34に既に同じ機器IDが登録されている場合には、GW12の機器ID管理部31は、既に登録されている旨を機器11へ応答する。
【0075】
機器ID管理テーブル34の具体的な内容を、図13に示す。当該テーブルでは、当該機器11のIPアドレスとして、自宅等のプライベートネットワーク内における変換前アドレス(プライベートIPアドレスという)A1と、インターネット等の、GWより外部のネットワークにおける変換後アドレス(グローバルIPアドレスという)A2とが、対応付けられて管理され、さらに、これらに対応付けて、当該機器11の機器IDA3が登録される。なお、変換前アドレスA1や変換後アドレスA2は、それぞれIPアドレスA4、A6と、ポート番号A5、A7から構成され、このうち変更後アドレスA2のIPアドレスA6は、当該GW12のIPアドレスと一致する。これらの、変換前アドレスA1から変換後アドレスA2の生成は、GW12の機器ID管理部31が行う。
【0076】
GW12の機器ID管理部31は、当該機器IDの登録の終了を示す登録結果を機器11へ送付する(ステップS3003)。変換後のアドレスA2を報せる必要は無い。
【0077】
また、本実施例では、サービス利用ステップにおいて、機器ID管理サーバがGW12へ問い合わせるので、機器ID登録ステップでは、機器ID管理サーバ13へは登録する必要が無い。
【0078】
次に、サービス利用ステップについて説明する。
【0079】
図14は、本実施形態のサービス利用動作について説明するためのフロー図である。
【0080】
機器11のサービス利用部22は、利用者からの指示を受け付けたタイミング等で、サービスを利用するために、GW12を介して、サービス提供者側装置14へアクセスする(ステップS4001)。
【0081】
具体的には、GW12は、機器ID管理テーブル34を参照して、機器11からのサービス要求に含まれる機器IDに対応する変換後アドレスA2を取得し、上記サービス要求に含めて、サービス提供者側装置14に送信する。
【0082】
サービス提供者側装置14の機器認証部51は、機器11からのアクセス要求から、当該機器11の変換後アドレスA2を取得する(ステップS4002)。そして、当該変換後アドレスA2を引数として、機器ID管理サーバ13に対して当該機器11の機器IDの取得要求を送付する(ステップS4003)。
【0083】
機器ID管理サーバ13の機器ID応答部42は、取得要求に含まれる当該機器11の変更後アドレスA2のうちIPアドレスA6を、当該機器11を管理するGW12のIPアドレスとして取得する(ステップS4004)。
【0084】
機器ID管理サーバ13の機器ID応答部42は、ステップS4004で取得したIPアドレスを持つGW12に対して、機器ID取得要求を送付する(ステップ4005)。本要求には、ステップS4003で受信した機器ID取得要求に含まれる、当該機器11の変換後アドレスA2が含まれる。
【0085】
GW12の対機器ID管理サーバ通信処理部32は、機器ID管理サーバ13からの機器ID取得要求を受取ったら、当該要求に含まれる当該機器11の変換後アドレスA2(より具体的には、ポート番号A7)をキーにして、機器ID変換テーブル34を検索し、対応する機器ID A3を検出する(ステップS4006)。そして、当該検出した機器ID A3を機器ID管理サーバ13へ応答する(ステップS4007)。
【0086】
機器ID管理サーバ13は、GW12から受信した機器ID A3をサービス提供者側装置14へ応答する(ステップS4007)。
【0087】
サービス提供者側装置14の機器認証部51は、機器ID管理サーバ13から機器ID A3を取得したら、当該機器IDに含まれるメーカ情報を取得し、対応するメーカの機種管理サーバ15のアクセス先を、機種管理サーバアクセス先保持部54から取得する(ステップS4009)。そして、当該機種管理サーバ15に対して、当該機器IDに関するスペック取得要求を送付する(ステップS4010)。当該スペック取得要求には、機器ID A3が含まれる。
【0088】
スペック取得要求を受け取った機種管理サーバ15のスペック管理部61は、スペック保持部63を検索し、機器ID A3に対応する機種情報を取得し、さらに、取得した機種情報からスペックを取得する(ステップS4011、S4012)。そして、取得したスペックをサービス提供者側装置14へ応答する(ステップS4013)。
【0089】
当該機器11のスペックを受信したサービス提供者側装置14のサービス提供部52は、スペックに応じたサービスを機器11へ応答する(ステップS4014)。
【0090】
上記サービス利用ステップは、利用者がサービスを利用するたびに繰り返し実施される。
【0091】
実施例1では、GW12においてIPアドレスの変換を行わない(グローバルアドレスを使う)ので、機器IDがGW12に登録された都度、そのIDとIPアドレスを機器ID管理サーバ13へ登録する。これに対して本実施例2では、GW12がIPアドレスの変換を行う、つまり複数のプライベートアドレスを一つのGW12のIPアドレスを用いたグローバルアドレスに変換する。GW12の一つのIPアドレスを用いつつ、各プライベートアドレスを区別するために、GW12のポート番号を利用する。ポートは、機器11が新たにセッションを開始する都度割り当てられ、あるプライベートアドレスに対して常に同じポートが割り当てられるわけではない。このため、機器ID登録サーバ13には登録せずに、その都度GW12へ問い合わせる。
【0092】
以上、本発明の第2実施形態について説明した。
【0093】
上記各実施例によれば、サービスの数が膨大になった場合においても、利用者は、IPアドレスが登録されていない場所で初めて機器を利用する際に、一度、機器IDの登録を実施すればよい。このため、ユーザによる機器登録処理における負荷が軽減され、利便性を向上することができる。
【0094】
またサービス提供者側装置は、機種とそれに対応するスペックの情報を管理する必要がなく、少なくとも、各メーカの機種管理サーバのアクセス先を管理すればよい。このため、サービス提供者側装置におけるスペック情報の管理業務が軽減され、運用性を向上することができる。
【0095】
さらに、機器を製造するメーカは、新たに機器を製造した場合、多数のサービス提供者側装置に登録する必要がなく、少なくとも、各メーカが管理する機種管理サーバに登録すればよい。このため、メーカにおけるスペック情報の管理業務が軽減され、運用性を向上することができる。
【符号の説明】
【0096】
11:機器、12:GW、13:機器ID管理サーバ、14:サービス提供者側装置、15:機種管理サーバ、16:ネットワーク、20a、30a、40a、50a、60a:処理部、20b、30b、40b、50b、60b:記憶部、20c、30c、40c、50c、60c:入出力部、20d、30d、40d、50d、60d:通信部、21:機器ID登録部、22:サービス利用部、23、33、43、53、62:制御部、24:機器ID保持部、25:IPアドレス等保持部、31:機器ID管理部、32:対機器ID管理サーバ通信処理部、34:機器ID管理テーブル、35:IPアドレス等保持部、41:機器ID管理部、42:機器ID応答部、44:機器IDリポジトリ、51:機器認証部、52:サービス提供部、54:機種管理サーバアクセス先保持部、61:スペック管理部、63:スペック保持部、70:電子計算機、71:CPU、72:メモリ、73:外部記憶装置、74:読み取り装置、75:通信装置、76:入力装置、77:出力装置、78:内部通信線、79:可搬性を有する記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器ID管理サーバと、機種管理サーバと、を備える機器認証システムにおいて、サービス提供者側装置が、機器へサービスを提供する場合の機器認証方法であって、
当該機器の機器IDを、登録する機器ID登録ステップと、
サービス提供を要求された前記サービス提供者側装置が、サービス提供に必要な当該機器のスペックを、前記機種管理サーバから取得するスペック取得ステップと、を有し、
前記機器ID登録ステップは、当該機器に接続されたゲートウェイ装置に、前記機器の機器IDとIPアドレスとを対応付けて登録するステップを備え、
前記スペック取得ステップは、
前記サービス提供者側装置が、前記機器のIPアドレスを取得し、取得した前記IPアドレスに基づき、前記機器ID管理サーバに前記当該機器の機器IDを要求して取得するステップと、
前記サービス提供者側装置が、取得した前記機器IDに基づき、機器のスペック情報を管理する前記機種管理サーバから前記機器のスペックを取得するステップと、を備える
ことを特徴とする機器認証方法。
【請求項2】
請求項1に記載の機器認証方法であって、
前記機器ID登録ステップは、
前記ゲートウェイ装置が、前記機器から当該機器の機器IDの登録要求を受信すると、当該ゲートウェイ装置が備える機器管理テーブルに、前記機器IDと、前記機器のIPアドレスと、を対応付けて登録するステップと、
前記機器ID管理サーバに対して、当該機器IDの登録要求と、前記機器のIPアドレスと、を送信するステップと、
前記機器ID管理サーバは、機器IDリポジトリに、受信した前記機器の機器IDと、前記IPアドレスと、を対応付けて登録するステップと、を備える
ことを特徴とする機器認証方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の機器認証方法であって、
前記スペック取得ステップは、
前記サービス提供者側装置が、取得した前記機器の機器IDから、当該機器のスペックを管理する機種管理サーバのアクセス先を取得するステップと、
アクセス先を取得した前記機種管理サーバに対して、取得した前記機器IDに対応するスペックの取得要求を行い、前記機器のスペックを取得するステップと、を備える
ことを特徴とする機器認証方法。
【請求項4】
請求項1に記載の機器認証方法であって、
前記機器ID登録ステップは、
前記ゲートウェイ装置が、前記機器から当該機器の機器IDの登録要求を受信すると、当該ゲートウェイ装置が備える機器管理テーブルに、前記機器のプライベートIPアドレスと、グローバルIPアドレスと、前記機器IDと、を対応付けて登録するステップを備える
ことを特徴とする機器認証方法。
【請求項5】
請求項4に記載の機器認証方法であって、
前記スペック取得ステップは、
前記サービス提供者側装置が、前記機器ID管理サーバに、前記機器の機器IDの取得を要求するステップと、
前記機器ID管理サーバが、前記機器ID取得要求から、前記ゲートウェイ装置のアドレスを取得し、当該ゲートウェイ装置に、前記機器の機器ID取得を要求して、取得し、前記サービス提供者側装置に、取得した前記機器の機器IDを送信するステップと、
前記サービス提供者側装置が、取得した前記機器の機器IDから、当該機器のスペックを管理する機種管理サーバのアクセス先を取得し、アクセス先を取得した前記機種管理サーバに対して、取得した前記機器IDに対応するスペックの取得要求を行い、前記機器のスペックを取得するステップと、を備える
ことを特徴とする機器認証方法。
【請求項6】
請求項5に記載の機器認証方法であって、
前記サービス提供者側装置が、前記機器ID管理サーバに送信する前記機器IDの取得要求は、前記機器のグローバルIPアドレスを含み、
前記グローバルIPアドレスは、前記ゲートウェイ装置のIPアドレスを含み、
前記機器ID管理サーバは、前記ゲートウェイ装置のIPアドレスをあて先として、前記機器の機器ID取得要求を送信する
ことを特徴とする機器認証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−96155(P2011−96155A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251595(P2009−251595)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】