説明

機器種別判別装置および機器種別判別システム

【課題】 マイコンのADポートを増加させることなくADポートで判別できる数を越える数の種別を判別すること。
【解決手段】
AVアンプにオプション機器が接続されると、マイコンのADポートに入力される入力電圧がオプション機器の種別に応じて変化する。AVアンプは、入力電圧の電圧値に対応付けて、オプション機器の種別を管理している。入力電圧の電圧値が所定電圧値でない場合には、電圧値に対応付けて管理されている種別を接続されたオプション機器の種別と判別する。電圧値が所定電圧値である場合には、オプション機器から種別に関する情報を取得することにより、接続されたオプション機器の種別を判別する。電圧値が所定電圧値となる種別を複数設けることによって、ADポートを増加させることなくADポートで判別できる数を越える数の機器種別を判別することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の電子機器に接続されている第2の電子機器の種別を判別する機器種別判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプ(第1の電子機器)には、ソース機器であるBDプレーヤ、及び、シンク機器であるディスプレイ装置が接続される。AVアンプは、BDプレーヤから受信した音声信号を増幅してスピーカーから音声を再生し、BDプレーヤから受信した映像信号をディスプレイ装置に送信する。AVアンプは、コネクタを有しており、コネクタには複数種別のオプション機器(第2の電子機器)を接続することができる。オプション機器は、例えば、携帯型オーディオプレーヤ(DAP)用の充電装置(クレードル)、及び、デジタルラジオチューナ(HDラジオチューナ、DABチューナ)等である。AVアンプは、コネクタに接続されたオプション機器の種別を判別することにより、接続されたオプション機器に対応する処理を実行する。
【0003】
接続されるオプション機器の種別を判別する方法として、以下の方法が提案されている(下記特許文献1)。AVアンプに設けられた抵抗素子の抵抗値と、オプション機器に設けられた抵抗素子の抵抗値とによって所定電圧を分圧し、分圧した電圧がマイコンのADポートに入力される。マイコンは、ADポートに入力された電圧をAD変換して、そのAD値に基づいて接続されたオプション機器の種別を判別する。この方法では、ADポートの分解能が例えば8段階である場合には、1つのADポートによって8つのオプション機器の種別しか判別することができない。従って、9種別以上のオプション機器をAVアンプが判別可能にするためには、マイコンにADポートを2つ以上設ける必要があり、コストが増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−97298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、マイコンのADポートを増加させることなく、ADポートの分解能を越える数の機器種別を判別することができる機器種別判別装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態による機器種別判別装置は、第1の電子機器に接続されている複数種別の第2の電子機器の種別を判別する機器種別判別装置であって、接続される前記第2の電子機器の種別に応じて、入力電圧の電圧値が変化する入力端子を有する制御手段と、前記入力電圧の電圧値に対応付けて前記第2の電子機器の種別を管理し、かつ、少なくとも1つの所定電圧値に対応付けて前記第2の電子機器から所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得する旨を管理する種別管理手段とを備え、前記制御手段が、前記入力電圧の電圧値と前記種別管理手段の管理内容とに基づいて、前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値以外である場合、前記種別管理手段に前記入力電圧の電圧値に対応付けて管理されている種別を前記第2の電子機器の種別と判別し、かつ、前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値である場合、前記第2の電子機器から所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得する。
【0007】
第1の電子機器に第2の電子機器が接続されると、制御手段の入力端子に入力される入力電圧が第2の電子機器の種別に応じて変化する。種別管理手段は、入力電圧の電圧値に対応付けて、第2の電子機器の種別を管理している。入力電圧の電圧値が所定電圧値でない場合には、制御手段は、種別管理手段に当該電圧値に対応付けて管理されている種別を接続された第2の電子機器の種別と判別する。一方、入力電圧の電圧値が所定電圧値である場合には、制御手段は、接続された第2の電子機器から当該第2の電子機器の種別に関する情報を取得することにより、接続された第2の電子機器の種別を判別する。従って、入力電圧の電圧値が所定電圧値となる第2の電子機器の種別を複数設けることによって、制御手段の入力端子の数を増加させることなく、制御手段の入力端子が判別できる電圧値の数を越える数の機器種別を判別することができる。
【0008】
本発明の好ましい実施形態による機器種別判別システムは、第1の電子機器と、前記第1の電子機器に接続される複数種別の第2の電子機器とを備え、前記第1の電子機器が、接続される前記第2の電子機器の種別に応じて、入力電圧の電圧値が変化する入力端子を有する制御手段と、前記入力電圧の電圧値に対応付けて前記第2の電子機器の種別を管理し、かつ、少なくとも1つの所定電圧値に対応付けて前記第2の電子機器から所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得する旨を管理する種別管理手段とを備え、前記制御手段が、前記入力電圧の電圧値と前記種別管理手段の管理内容とに基づいて、前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値以外である場合、前記種別管理手段に前記入力電圧の電圧値に対応付けて管理されている種別を前記第2の電子機器の種別と判別し、かつ、前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値である場合、前記第2の電子機器から所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得し、前記第2の電子機器が、前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値である場合、前記制御手段に、前記第2の電子機器の種別を送信する種別送信手段を備える。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値となる前記第2の電子機器の種別が複数存在する。
【0010】
本発明の別の好ましい実施形態による機器種別判別装置は、第1の電子機器に接続されている複数種別の第2の電子機器の種別を判別する機器種別判別装置であって、接続される前記第2の電子機器の種別に応じて、入力電圧の電圧値が変化する入力端子を有する制御手段と、第1所定電圧値に対応付けて前記第2の電子機器から第1の所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得する旨、及び、第2所定電圧値に対応付けて前記第2の電子機器から第2の所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得する旨を管理する種別管理手段とを備え、前記制御手段が、前記入力電圧の電圧値と前記種別管理手段の管理内容とに基づいて、前記入力電圧の電圧値が前記第1所定電圧値である場合、前記第2の電子機器から前記第1の所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得し、前記入力電圧の電圧値が前記第2所定電圧値である場合、前記第2の電子機器から前記第2の所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得する。
【発明の効果】
【0011】
制御手段の入力端子の数を増加させることなく、制御手段の入力端子が判別できる電圧値の数を越える数の機器種別を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】AVアンプ1及びオプション機器100Aを示す図である。
【図1B】AVアンプ1及びオプション機器100Bを示す図である。
【図1C】AVアンプ1及びオプション機器100Cを示す図である。
【図2】機器種別テーブルを示す図である。
【図3】マイコン2の処理を示すフローチャートである。
【図4】機器種別テーブルを示す図である。
【図5】機器種別テーブルを示す図である。
【図6】マイコン2の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施形態による機器種別判別装置が適用されたAVアンプ1を説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1A〜図1Cは、AVアンプ(第1の電子機器)1と、複数種別のオプション機器(第2の電子機器)100A〜100Cとを示すブロック図である。
【0014】
各図1において、AVアンプ1は、マイコン(制御手段)2と、コネクタ3と、アンプ4と、抵抗素子R1とを備える。コネクタ3は、複数種別のオプション機器100A〜100Cのコネクタと接続可能である。アンプ4は、オプション機器100A〜100Cからコネクタを介して入力される音声信号を増幅して、外部に接続されたスピーカー300から音声を再生する。
【0015】
図1Aは、AVアンプ1がオプション機器100Aと接続された状態を示す。図1Bは、AVアンプ1がオプション機器100Bと接続された状態を示す。図1Cは、AVアンプ1がオプション機器100Cと接続された状態を示す。オプション機器100Aは、マイコン102Aと、コネクタ103Aと、抵抗素子R2とを備える。オプション機器100Bは、マイコン102Bと、コネクタ103Bと、抵抗素子R3とを備える。オプション機器100Cは、マイコン102Cと、コネクタ103Cと、抵抗素子R3とを備える。オプション機器100Aは、例えば、携帯型オーディオプレーヤ(DAP)用の充電器(クレードル)であり、オプション機器100Bは、HDラジオチューナであり、オプション機器100Cは、DABチューナである。なお、各オプション機器100A〜100Cにおける本発明とは関係のない構成(チューナ回路等)について割愛する。コネクタ103A〜103Cは、いずれも、AVアンプ1のコネクタ3に接続可能である。
【0016】
本例では、AVアンプ1は、後述するADポート2aにおいて判別可能な電圧値の数を超える数の種別の第2の電子機器を判別可能である。例えば、図示しないが、AVアンプ1は、オプション機器100A〜100Cの他に、オプション機器100D,100E,100F,100G,100H,100Iの6種別のオプション機器を判別可能である。すなわち、マイコン2は、ADポート2aの分解能が8段階であるにもかかわらず、9種別のオプション機器100A〜100Iを判別可能である。オプション機器100A,100D〜100Iはそれぞれ異なる抵抗値の抵抗素子を有しており、これらがAVアンプ1に接続されたとき、ADポート2aにはそれぞれ異なる電圧値(所定電圧値以外)の電圧が入力される。オプション機器100Bと100Cとは同じ抵抗値の抵抗素子を有しており、これらがAVアンプ1に接続されたとき、ADポート2aには同じ電圧値(所定電圧値)の電圧が入力される。
【0017】
AVアンプ1のマイコン2は、ADポート2aを有し、オプション機器が接続されることによってADポートに入力される入力電圧をAD(アナログ−デジタル)変換し、そのAD値に基づいて、コネクタ3に接続されたオプション機器の種別を判別する。ADポート2aは、特に限定されないが、8段階の分解能を有しおり、8つのAD値を判別することができる。
【0018】
マイコン2は、内蔵又は接続されたメモリに図2に示す機器種別テーブルを格納している。機器種別テーブルは、ADポート2aに入力される入力電圧のAD値(電圧値)に対応付けて、オプション機器の種別を管理するテーブルである。図2では、AD値2〜AD値8に対してオプション機器100A、100D〜100Iの7つの種別が管理されている。AD値1(所定電圧値)は、マイコン2がオプション機器と所定の通信手段(本例では、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信)によって、オプション機器から種別の情報を取得して、種別を判別することを表している。
【0019】
ADポート2aは、抵抗素子R1を介して所定電圧Vaが供給され、かつ、コネクタ3に接続されている。図1Aに示すように、オプション機器100Aが接続されている状態では、ADポート2aは、抵抗素子R1を介して所定電圧Vaに接続され、かつ、コネクタ3、オプション機器100Aのコネクタ103A及び抵抗素子R2を介して接地電位に接続された状態になる。従って、ADポート2aには、抵抗素子R1及びR2によって所定電圧Vaを分圧した電圧値(Va×R2/(R1+R2))の電圧がAD値2として入力される。マイコン2は、機器種別テーブルを参照することにより、AD値2に対応付けて管理されている種別(オプション機器100A)が接続されたオプション機器の種別であると判別する。
【0020】
図1Bに示すように、オプション機器100Bが接続されている状態では、ADポート2aは、抵抗素子R1を介して所定電圧Vaに接続され、かつ、コネクタ3、オプション機器100Bのコネクタ103B及び抵抗素子R3を介して接地電位に接続された状態になる。従って、ADポート2aには、抵抗素子R1及びR3によって所定電圧Vaを分圧した電圧値(Va×R3/(R1+R3))の電圧がAD値1として入力される。マイコン2は、機器種別テーブルを参照することにより、AD値1に対応するオプション機器の種別は、オプション機器とのUART通信によってオプション機器から取得することを判別する。
【0021】
図1Cに示すように、オプション機器100Cが接続されている状態では、ADポート2aは、抵抗素子R1を介して所定電圧Vaに接続され、かつ、コネクタ3、オプション機器100Cのコネクタ103C及び抵抗素子R3を介して接地電位に接続される。従って、ADポート2aには、抵抗素子R1及びR3によって所定電圧Vaを分圧した電圧値(Va×R3/(R1+R3))の電圧がAD値1として入力される。マイコン1は、機器種別テーブルを参照することにより、AD値1に対応するオプション機器の種別は、オプション機器とのUART通信によってオプション機器から取得することを判別する。
【0022】
オプション機器100B及び100Cが有する抵抗素子の抵抗値は共にR3になっており、AVアンプ1にオプション機器100B又は100Cが接続された場合には、ADポート2aにAD値1の電圧が入力されるので、マイコン2は、UART通信によってオプション機器から種別を取得し、種別を判別する。また、図示しないが、AVアンプ1にオプション機器100D〜100Iが接続された場合には、ADポート2aに入力される電圧のAD値がAD値3〜AD値8になるので、機器種別テーブルを参照して、種別がオプション機器100D〜100Iであることが判別される。
【0023】
マイコン2は、2本のUARTライン(送信側および受信側)を介してコネクタ3に接続されている。同様に、オプション機器100A〜100Cのマイコン102A〜102Cは、2本のUARTライン(送信側および受信側)を介してコネクタ103A〜103Cにそれぞれ接続されている。従って、AVアンプ1にオプション機器100A〜100Cが接続されたとき、2本のUARTラインを介して、AVアンプ1のマイコン2がオプション機器100A〜100Cのマイコン102A〜102Cに接続される。
【0024】
図3は、AVアンプ1のマイコン2の機器種別判別処理を示すフローチャートである。マイコン2は、オプション機器100がAVアンプ1に接続されたか否かを監視している(S1)。例えば、オプション機器の接続有無は、マイコン2に接続検出ポートを設け、オプション機器100が接続された際に、オプション機器100からの信号が接続検出ポートに入力されることによって判断されるとよい。
【0025】
オプション機器100が接続されたとき(S1でYES)、マイコン2は、ADポート2aに入力される電圧をAD変換し、AD値を取得する(S2)。マイコン2は、機器種別テーブルを参照して、取得したAD値に対応する機器種別を特定する(S3)。例えば、AD値2である場合には、接続されたオプション機器の種別がオプション機器100Aであることが特定され、AD値3である場合には、接続されたオプション機器の種別がオプション機器100Dであることが特定される。
【0026】
マイコン2は、オプション機器とのUART通信によって、オプション機器の種別を判別する必要があるか否かを判断する(S4)。すなわち、S2で取得したAD値がAD値1であるか否かを判断する。AD値がAD値1でない場合(S4でNO)、機器種別テーブルの管理内容のみによって種別を判別できているので、S6に進み、判別した種別に応じた処理を実行した上で、オプション機器100とUARTによる通信を開始する(S6)。
【0027】
AD値がAD値1である場合(S4でYES)、マイコン2は、オプション機器100B又は100Cのマイコン102B又は102Cに、UARTラインを介して機器種別要求コマンドを送信する(S5)。この要求に応答して、オプション機器100B又は100Cのマイコン102B又は102Cは、マイコンに内蔵又は接続されているメモリに予め登録されている自身の機器種別の情報を、UARTラインを介して、マイコン2に送信する。特に限定されないが、例えば、UART通信によって送信される8ビットのデータのうち、ある1ビットにオプション機器102Bであるか否かの情報(102Bである場合1、そうでない場合0)、他の1ビットにオプション機器102Cであるか否かの情報(102Cである場合1、そうでない場合0)を含めるとよい。
【0028】
マイコン2は、オプション機器100B又は100Cのマイコンから機器種別の情報を受信することによって、接続されたオプション機器の種別を特定する(S5)。その後、マイコン2は、判別した機器種別に応じた処理を実行した上で、オプション機器100とUARTによる通信を開始する(S6)。
【0029】
以上のように、本実施形態によると、ADポート2aに入力される電圧のAD値に基づいて機器種別を判別すると共に、AD値が所定電圧値(AD値1)である場合には、UART通信によってオプション機器から機器種別の情報を取得しているので、ADポート2aによって判別できる電圧値の数よりも多い数の機器種別を判別することができる。例えば、上記実施例においては、UART通信によって送受信される8ビットのデータの1ビット毎に、種別の情報を含める場合には、AD値によって7種別、UARTによって8種別、合計15の種別を判別できるようになる。
【0030】
なお、機器種別テーブルを参照してAD値から種別を判別する方が、UART通信によって種別の情報を取得するよりも種別を判別し終えるまでの時間を短縮できる。従って、特に限定されないが、一般的にユーザによってよく利用されると考えられるオプション機器の種別をAD値によって判別可能に設定しておき、あまり利用されないと考えられるオプション機器の種別をUART通信によって種別を取得するように設定しておくとよい。
【0031】
また、オプション機器からの機器種別の情報の取得に、UART通信だけでなく、I2C通信等の他の通式方式を利用することもできる。例えば、図4に示すように、AD値が他の所定電圧値(AD値8)である場合に、I2C通信によって機器種別の情報をオプション機器から取得するようにしてもよい。
【0032】
また、図5に示すように、機器種別テーブルにはAD値に対応付けてオプション機器の種別が登録されておらず、AD値に対応付けて所定の通信手段によってオプション機器から種別の情報を取得して、種別を判別することのみが管理されていてもよい。詳細には、AD値1の場合には、UART通信によってオプション機器から種別の情報を取得して種別を判別することが管理され、AD値2の場合には、I2C通信によってオプション機器から種別の情報を取得して種別を判別することが管理されている。
【0033】
図6は、図5の機器種別テーブルを使用する場合のマイコン2の処理を示すフローチャートである。マイコン2は、オプション機器が接続されたとき(S11でYES)、ADポート2aに入力される電圧をAD変換し、AD値を取得する(S12)。マイコン2は、図5の機器種別テーブルを参照し、取得したAD値に対応する所定の通信方式を特定する。AD値がAD値1である場合、マイコン2は、UART通信によってオプション機器から種別の情報を取得して種別を判別する必要があると判断する(S13でYES)。従って、マイコン2は、UART通信によってオプション機器から種別の情報を取得して種別を判別する(S14)。一方、AD値がAD値2である場合、マイコン2は、I2C通信によってオプション機器から種別の情報を取得して種別を判別する必要があると判断する(S13でNO)。従って、マイコン2は、I2C通信によってオプション機器から種別の情報を取得して種別を判別する(S15)。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。機器種別テーブルに登録されるAD値に一定範囲の誤差を許容することにより、入力電圧に若干の誤差が有る場合にも、正式な種別を判別することができる。機器種別判別装置の上記動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、AVアンプ等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0036】
1 AVアンプ
2 マイコン
3 コネクタ
100A〜100C オプション機器
102A〜102C マイコン
103A〜103C コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電子機器に接続されている複数種別の第2の電子機器の種別を判別する機器種別判別装置であって、
接続される前記第2の電子機器の種別に応じて、入力電圧の電圧値が変化する入力端子を有する制御手段と、
前記入力電圧の電圧値に対応付けて前記第2の電子機器の種別を管理し、かつ、少なくとも1つの所定電圧値に対応付けて前記第2の電子機器から所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得する旨を管理する種別管理手段とを備え、
前記制御手段が、前記入力電圧の電圧値と前記種別管理手段の管理内容とに基づいて、前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値以外である場合、前記種別管理手段に前記入力電圧の電圧値に対応付けて管理されている種別を前記第2の電子機器の種別と判別し、かつ、前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値である場合、前記第2の電子機器から所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得する、機器種別判別装置。
【請求項2】
第1の電子機器に接続されている複数種別の第2の電子機器の種別を判別する機器種別判別プログラムであって、
接続される前記第2の電子機器の種別に応じて入力電圧の電圧値が変化する入力端子を有する制御手段において、前記入力電圧の電圧値が所定電圧値であるか否かを判断するステップと、
前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値以外である場合、種別管理手段に前記入力電圧の電圧値に対応付けて管理されている種別を前記第2の電子機器の種別と判別するステップと、
前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値である場合、前記第2の電子機器から所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得するステップとをコンピュータに実行させる、機器種別判別プログラム。
【請求項3】
第1の電子機器と、前記第1の電子機器に接続される複数種別の第2の電子機器とを備え、
前記第1の電子機器が、接続される前記第2の電子機器の種別に応じて、入力電圧の電圧値が変化する入力端子を有する制御手段と、
前記入力電圧の電圧値に対応付けて前記第2の電子機器の種別を管理し、かつ、少なくとも1つの所定電圧値に対応付けて前記第2の電子機器から所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得する旨を管理する種別管理手段とを備え、
前記制御手段が、前記入力電圧の電圧値と前記種別管理手段の管理内容とに基づいて、前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値以外である場合、前記種別管理手段に前記入力電圧の電圧値に対応付けて管理されている種別を前記第2の電子機器の種別と判別し、かつ、前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値である場合、前記第2の電子機器から所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得し、
前記第2の電子機器が、前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値である場合、前記制御手段に、前記第2の電子機器の種別を送信する種別送信手段を備える、機器種別判別システム。
【請求項4】
前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値となる前記第2の電子機器の種別が複数存在する、請求項3に記載の機器種別判別システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の機器種別判別システムに適用される前記第2の電子機器であって、前記制御手段に、前記入力電圧の電圧値が前記所定電圧値である場合、前記第2の電子機器の種別を送信する種別送信手段を備える、第2の電子機器。
【請求項6】
第1の電子機器に接続されている複数種別の第2の電子機器の種別を判別する機器種別判別装置であって、
接続される前記第2の電子機器の種別に応じて、入力電圧の電圧値が変化する入力端子を有する制御手段と、
第1所定電圧値に対応付けて前記第2の電子機器から第1の所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得する旨、及び、第2所定電圧値に対応付けて前記第2の電子機器から第2の所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得する旨を管理する種別管理手段とを備え、
前記制御手段が、前記入力電圧の電圧値と前記種別管理手段の管理内容とに基づいて、前記入力電圧の電圧値が前記第1所定電圧値である場合、前記第2の電子機器から前記第1の所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得し、前記入力電圧の電圧値が前記第2所定電圧値である場合、前記第2の電子機器から前記第2の所定の通信手段によって前記第2の電子機器の種別を取得する、機器種別判別装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−211782(P2010−211782A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188186(P2009−188186)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】