機器設定・支援システム、サーバ及びプログラム
【課題】 ネットワークの接続機器が、その構成を複雑とすることなく環境設定(その支援を含む)を容易に実行できる機器設定・支援システムを提供する。
【解決手段】 機器設定・支援システムは、自己が管轄する単位ネットワーク(単位NW)への機器接続を検出する機器検出手段と、機器設定・支援サーバとを備える。このサーバは、過去に環境設定がなされた接続機器情報を格納している第1手段と、接続機器毎に、環境設定を行う条件と実行する環境設定の内容とを格納している第2手段と、単位NWの接続が検出された機器情報に基づき、その接続機器に関する過去の環境設定情報を把握した後、接続機器が満たす条件が存在するか確認し、充足条件に対応する環境設定内容を得て環境設定を行う第3手段とを有する。
【解決手段】 機器設定・支援システムは、自己が管轄する単位ネットワーク(単位NW)への機器接続を検出する機器検出手段と、機器設定・支援サーバとを備える。このサーバは、過去に環境設定がなされた接続機器情報を格納している第1手段と、接続機器毎に、環境設定を行う条件と実行する環境設定の内容とを格納している第2手段と、単位NWの接続が検出された機器情報に基づき、その接続機器に関する過去の環境設定情報を把握した後、接続機器が満たす条件が存在するか確認し、充足条件に対応する環境設定内容を得て環境設定を行う第3手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機器設定・支援システム、サーバ及びプログラムに関し、例えば、社内ネットワークに接続された機器が、他の機器やアプリケーション(例えばクラウド上に存在するアプリケーションも含む)を実際に利用できる状態に設定したりインストールしたり、それらを支援したりする場合に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
現在においては、ネットワークを介して様々なIT機器やアプリケーションを利用する機会が多くなっている。多くのIT機器やアプリケーションでは、実際に使用できる状態にするために種々の環境設定が必要になる。例えば、パソコンが、プリンタを利用する場合には、プリンタの機種に応じたプリンタドライバ(以下、単にドライバと呼ぶこともある)をインストールしたり、プリンタへ印刷データを送信できるようにするためにネットワーク上の位置を示すアドレス(例えばIPアドレス)を設定したりすることなどが必要である。
【0003】
しかしながら、インストールや設定作業自体は簡単であっても、誰もが適切なインストールや設定(以下、これらをまとめて環境設定と呼ぶ)を行えるとは限らない。例えば、Windows(登録商標)は、接続可能なネットワーク上のプリンタを検索し、リスト表示するが、ユーザは、使用するプリンタの機種等を把握し、そのリスト表示されたプリンタ群の中から選定する必要がある。従って、使用するプリンタの機種等を調べ、そのプリンタに対応したプリンタドライバを選定することは、知識のないユーザにとってみれば容易なことではない。また、マニュアルにも、プリンタドライバの設定手順が記載されているが、知識のないユーザにとってみれば、マニュアルの記載手順通りに操作を行うことは容易なことではない。
【0004】
このような環境設定作業は、パソコンの初期導入時に限らず頻繁に発生する。最近では、出張時や会議室への移動時等にノート型のパソコン等を用いて、自分の席以外で業務を行うことが少なくない。ノート型パソコンを使用すれば、移動先にて自分のパソコンを使用することができる。そして、移動先に設置されたLAN接続のIT機器を使用するためには、初期設定時と同様に移動先のネットワーク環境に応じたIT機器の環境設定作業が必要になる。
【0005】
このような移動するごとに環境設定するという煩雑さを解決する方法として、特許文献1に開示された方法がある。特許文献1に記載の装置では、ネットワークに接続されているプリンタを検出するプリンタ検出部、プリンタのIPアドレスやドライバの情報を格納するプリンタデータベース、ドライバのインストールを起動するインストール部を情報処理装置(例えばパソコン)内に備え、ネットワークに新たに接続された情報処理装置が同一ネットワークに接続されているプリンタを自動検出し、ドライバのインストールや、IPアドレス等の登録を自動で行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−131827
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の記載技術では、プリンタ検出部、プリンタデータベース、インストール部が個別の情報処理装置(例えば、パソコン)内にあるため、ネットワークに接続されたそれぞれの情報処理装置がプリンタ検出処理などを行わなければならない。通常、オフィスには多数の情報処理装置が存在するので、情報処理装置のそれぞれがプリンタ検出処理を起動させるのは非効率的であり、ネットワークに負荷をかける可能性がある。また、全ての情報処理装置に、特許文献1に記載の構成要素を導入する必要があり、情報処理装置の数が多くなれば、どの情報処理装置に導入したか否かの管理が難しく、網羅性を担保することは非常に困難である。さらに、設定のための情報が各情報処理装置に保持されてしまうので、どの情報処理装置に何がインストールされているかといった情報の一元管理ができない(例えば、ドライバのバージョンアップなどの際に誰に連絡して良いのかわからない)。
【0008】
また、新たにプリンタがネットワークに接続された場合、特許文献1の記載技術では、プリンタ検出部が一定期間ごとにネットワーク内のプリンタを検索し、新規に接続されたプリンタがあればドライバをインストールするようにしている。しかし、プリンタ検出処理の起動サイクルの設定によっては新しいプリンタが検出されるまでに長期間のタイムラグが生じてしまう。
【0009】
さらに、特許文献1の記載技術はプリンタを対象としている。しかし、通常、オフィスで利用する機器やアプリケーションは多岐に渡り、プリンタと同様にドライバのインストールや設定を行う必要がある。これらのネットワークに接続された機器やアプリケーションについてのインストールや設定を、特許文献1の記載技術と同様な構成を行う場合には、情報処理装置に予め搭載しておかなければ構成要素が非常に多くなり、情報処理装置の構成(例えばソフトウェア構成)が複雑になってしまう。
【0010】
そのため、ネットワークに接続された機器が、当該機器の構成を複雑とすることなく、他の機器やアプリケーションを実際に利用できる状態に設定したりインストールしたりそれらを支援したりする環境設定を容易に行える仕組みが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の本発明は、1又は複数の単位ネットワークのうち、いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対し、設定支援を適宜含む環境設定を行う機器設定・支援システムであって、(1)自己が管轄する単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器を検出する、上記単位ネットワークごとに設けられた機器検出手段と、(2)いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対して環境設定を行う機器設定・支援サーバとを備え、上記機器設定・支援サーバは、(2−1)過去に環境設定がなされたネットワーク接続機器の情報を格納している機器情報記憶手段と、(2−2)ネットワーク接続機器毎に、ある環境設定項目の環境設定を行う条件と、実行する環境設定の具体的情報とを格納している設定管理情報記憶手段と、(2−3)いずれかの上記機器検出手段から、接続が検出された上記ネットワーク接続機器の機器情報が与えられたとき、そのネットワーク接続機器に関する過去の環境設定情報を、上記機器情報記憶手段を参照して把握し、上記設定管理情報記憶手段に格納されている条件のうち、接続が検出された上記ネットワーク接続機器に関して満たす条件が存在するか否かを判別し、満たす条件がある場合に、その条件に対応する環境設定の具体的情報を得て、環境設定を実行する設定・支援制御実行手段とを有することを特徴とする。
【0012】
第2の本発明は、1又は複数の単位ネットワークのうち、いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対し、設定支援を適宜含む環境設定を行う機器設定・支援サーバであって、(1)過去に環境設定がなされたネットワーク接続機器の情報を格納している機器情報記憶手段と、(2)ネットワーク接続機器毎に、ある環境設定項目の環境設定を行う条件と、実行する環境設定の具体的情報とを格納している設定管理情報記憶手段と、(3)単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器を検出する単位ネットワークごとに設けられた機器検出手段のいずれかから、接続が検出された上記ネットワーク接続機器の機器情報が与えられたとき、そのネットワーク接続機器に関する過去の環境設定情報を、上記機器情報記憶手段を参照して把握し、上記設定管理情報記憶手段に格納されている条件のうち、接続が検出された上記ネットワーク接続機器に関して満たす条件が存在するか否かを判別し、満たす条件がある場合に、その条件に対応する環境設定の具体的情報を得て、環境設定を実行する設定・支援制御実行手段とを有することを特徴とする。
【0013】
第3の本発明は、1又は複数の単位ネットワークのうち、いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対し、設定支援を適宜含む環境設定を行う機器設定・支援サーバに搭載されたコンピュータを、(1)過去に環境設定がなされたネットワーク接続機器の情報を格納している機器情報記憶手段と、(2)ネットワーク接続機器毎に、ある環境設定項目の環境設定を行う条件と、実行する環境設定の具体的情報とを格納している設定管理情報記憶手段と、(3)単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器を検出する単位ネットワークごとに設けられた機器検出手段のいずれかから、接続が検出された上記ネットワーク接続機器の機器情報が与えられたとき、そのネットワーク接続機器に関する過去の環境設定情報を、上記機器情報記憶手段を参照して把握し、上記設定管理情報記憶手段に格納されている条件のうち、接続が検出された上記ネットワーク接続機器に関して満たす条件が存在するか否かを判別し、満たす条件がある場合に、その条件に対応する環境設定の具体的情報を得て、環境設定を実行する設定・支援制御実行手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ネットワーク接続機器が、当該機器の構成を複雑とすることなく、環境設定を容易に行える機器設定・支援システム、サーバ及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態の機器設定・支援システムを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の機器設定・支援システムにおける機器情報データベースの構成例を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態の機器設定・支援システムにおける設定管理情報データベースの構成例を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態の機器設定・支援システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の機器設定・支援システムによってLAN要素機器に表示された設定・支援画面の一例を示す説明図である。
【図6】第2の実施形態の機器設定・支援システムを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態の機器設定・支援システムにおける認証情報データベースの構成例を示す説明図である。
【図8】第2の実施形態の機器設定・支援システムにおける設定管理情報データベースの構成例を示す説明図である。
【図9】第2の実施形態の機器設定・支援システムの動作を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態の機器設定・支援システムにおける認証情報データベースの構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による機器設定・支援システム、サーバ及びプログラムの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の機器設定・支援システムを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【0018】
このネットワークシステム1は、インターネット2を介して、LAN3及びクラウドセンタ4が接続されて構成されている。
【0019】
LAN3は、ある会社のある事業所(本社、支社、工場など)内に設置されたものであり、部署、フロア、建物などを単位として構成された1又は複数(図1では2つの例を示している)のセグメント10−1、10−2に分かれている。各セグメント10−1、10−2は、ルータ15を経由してインターネット2側に接続されている。
【0020】
セグメント10−1は、1又は複数のLAN要素機器11−11〜11−13、…と、機器検出装置12−1、スイッチ13−1とを有する。セグメント10−2も、セグメント10−1と同様な内部構成を有する。
【0021】
各LAN要素機器11は、セグメント内ネットワーク14に収容されており、同一セグメント内のスイッチ13、ルータ15、インターネット2を介して、クラウドセンタ4と接続し得るものである。なお、セグメント内ネットワーク14は、有線ネットワーク、無線ネットワークに限定されず、有線ネットワークと無線ネットワークとが融合されているものであっても良く、また、アクセスポイントなどの中継装置を複数有するものであっても良い。
【0022】
LAN要素機器11としては、据え置き型パソコン、ノート型パソコン、スマートフォン、タブレット端末、プリンタ(複合機を含む;但し、複合機をプリンタとは別の機器として処理するようにしても良い)、IP電話機、IP−PBX、イメージスキャナ、電力監視用センサなどが該当する。セグメント内のスイッチ12も、LAN要素機器11の一種である。LAN要素機器11は、2つの観点から種類分けすることができる。第1は、環境設定を要する機器(設定機器)か否かという観点であり、第2は、他のLAN要素機器に、自LAN要素機器11の情報を環境設定させることを要する機器(被設定機器)か否かという観点である。例えば、パソコンは、同一セグメント内の複合機、プリンタ、IP−PBX、イメージスキャナなどを当該パソコンが使用可能なように設定したり、当該LAN3の所属会社のメールサーバやWeb提供サーバ(図示せず)にアクセスするためのアプリケーションやアドレス情報などをインストールしたりすることが要する設定機器である。また例えば、プリンタは、パソコン、スマートフォン、タブレット端末などが印刷時に当該プリンタを利用できるように当該プリンタのドライバなどを設定する被設定機器である。1つのLAN要素機器11が、設定機器及び被設定機器となっていることもある。
【0023】
各機器検出装置12は、同一セグメントのセグメント内ネットワーク14に収容されており、そのセグメント内ネットワーク14に接続されたLAN要素機器11を検知し、機器情報を検出するものである。機器検出装置12で検出される機器情報は、機器の種類(機器名;具体的には、パソコン(なお、据え置き型とノート型とを別の機器として取り扱うようにしても良い)、スマートフォン、プリンタなどの別)、機種名(具体的な機種の名称)、IPアドレス、MACアドレス、その他、機器固有の属性情報等(例えば、プリンタであればカラー印刷機能の有無等)である。この機器検出装置12は、LAN要素機器11を接続した際、該当機器11からの通信を遮断したり、条件や解除許可情報の受信により通信遮断を解除したりする機能を備えていても良い。このような機器検出装置の例として、特開2011−35535に開示された通信遮断装置がある。
【0024】
各スイッチ13は、同一セグメントのセグメント内ネットワーク14に接続されているLAN要素機器11若しくは機器検出装置12と、クラウドセンタ4との間で授受されるIPパケットなどを交換処理するものである。
【0025】
図1では、1つのセグメント10には、機器検出装置12とスイッチ13とが1つずつ設けられているものを示したが、セグメント内ネットワーク14の構成によっては、機器検出装置12及びスイッチ13の少なくとも一方は複数も受けられていても良い。
【0026】
クラウドセンタ4は、LAN3から見て1つのセンタに見えるものであれば良く、例えば、物理的には複数の拠点に分かれて構成要素が配置されていても良い。なお、センタ(クラウドセンタ4に相当)自体、LAN3に設けられていても良い。また、センタ内の複数のサーバのうち、一部のサーバがLAN3に設けられていても良い。
【0027】
第1の実施形態の機器設定・支援システムは、LAN3における機器検出装置12とクラウドセンタ4とを中心に構成されているものである。
【0028】
クラウドセンタ4は、機能的には、機器情報管理サーバ5及び設定情報管理サーバ6を有する。機器情報管理サーバ5及び設定情報管理サーバ6はそれぞれ、例えば、入出力装置、CPU、HDD等の記憶装置、通信ユニットなどを備える情報処理装置である。例えば、機器情報管理サーバ5及び設定情報管理サーバ6は、物理的には、同一のサーバに構築されたものであっても良く、異なるサーバに構築されたものであっても良い。図1では、機器情報管理サーバ5及び設定情報管理サーバ6が、インターネットや広域ネットワークを介してクラウド上に接続された場合を示しているが、機器情報管理サーバ5及び設定情報管理サーバ6の配置方法は、これに限定されるものではない。機器情報管理サーバ5及び設定情報管理サーバ6はそれぞれ、CPUと、CPUが実行するプログラムとを中心として構成されているが、機能的には、図1に示す内部構成を有する。
【0029】
機器情報管理サーバ5は、機器検出装置12により検知されたLAN要素機器11の情報を取得し、LAN要素機器11ごとに、ドライバインストールや初期設定や設定情報の提示や動作確認の要求など、機器を利用するために必要な各種情報の設定、支援を行うものである。機器情報管理サーバ5は、機能的には、機器情報取得部21、設定情報確認部22及び設定・支援部23を有する。設定情報管理サーバ6は、LAN要素機器11の情報や、LAN要素機器11ごとにインストール、設定などが必要な項目などの情報を管理し、機器情報管理サーバ5からの要求に基づき、これらの情報を提供するものである。設定情報管理サーバ6は、データベースアクセス部31、機器情報データベース32、設定管理情報データベース33及びダウンロード情報データベース34を有する。
【0030】
ダウンロード情報データベース34は、データベースの構成の図示は省略しているが、設定操作のガイダンス情報やアプリケーションなど、設定させる機器にダウンロードさせる情報などを格納しているものである。
【0031】
機器情報データベース32は、全てのLAN要素機器11の情報を管理しているものである。図2は、機器情報データベース32の構成例を示す説明図である。機器情報データベース32には、少なくとも機器名、機種名、MACアドレス、セグメントの情報が格納される。機器情報データベース32には、必要に応じて、それ以外の情報が格納されていても構わない。図2の例では、IPアドレスや、LAN要素機器がどのような状態にあるかを示すステイタス情報(接続中/接続設定済/接続申請中/接続拒否など)が格納されている。ステイタスとセグメントの情報は対となって、複数対が記述されていても良い。これに代え、1つのLAN要素機器11について、セグメントの相違に応じて、複数の行(レコード)を記述するようにしても良い。図2の1行目は、機種名が「LPOKI1」、MACアドレスが「11:11:11:11:11:11」のプリンタは、IPアドレスとして「1:1:1:2」が割り当てられ、セグメント10−1(その識別情報を「NW1」としている)に「接続中」であることを示している。
【0032】
図2は、プリンタに関する機器情報を示しているが、パソコン(PC)等の他のLAN要素機器についても、各行の情報は基本的には同様である。但し、機器の種類(機器名)によって、各フィールド(欄)に書き込む情報を多少変化させるようにしても良い。例えば、パソコンについては、機種名のフィールドに、機種名に代えて、若しくは、機種名に加えてOSの種類やバージョンを記述するようにしても良い。また例えば、ステイタスのフィールドには、収容されているセグメントの変更が可能なものか否かの情報をも記述するようにしても良い(例えば、ノート型パソコンについては変更可能、据え置き型パソコンは変更不可能に記述する)。
【0033】
設定管理情報データベース33は、LAN要素機器11ごとに必要な各種設定の内容などを規定した情報を格納しているものである。図3は、設定管理情報データベース33の構成例を示す説明図である。設定管理情報データベース33は、条件部331と設定・支援実行情報部332とを有する。条件部331は、LAN1に接続されたLAN要素機器11に対して、設定・支援を行う条件を規定している。図3の例では、条件は、機器名、機種名(上述したOSのバージョンのような、同種の機器を機種以外で分類する情報を適用しても良い)、セグメントの組み合わせで規定する。設定・支援実行情報部332には、どのような設定を実行するか、若しくは、どのような設定支援を実行するか、若しくは、どのような動作確認を実行するかなどの情報が記述されている。図3の例では、設定・支援実行情報部332は、設定対象機器名、設定対象機種名、設定項目、設定・支援情報場所情報のフィールドを有する。設定・支援情報場所は、設定操作のガイダンス情報や設定させるアプリケーションを格納している場所の情報(例えば、URLや、ダウンロード情報データベース34における格納エリア若しくは格納されているファイル名など)や、動作確認でアクセスする場所の情報(例えば、URLなど)を記述しているものである。
【0034】
図3の1行目は、パソコン(PC)がLAN3に接続された場合を示している。1行目は、パソコン(PC)がLAN3に接続された場合には、そのパソコンの機種名や接続されたセグメントに関係なく(条件での「空欄」は条件の要素になっていないことを表している)、接続されたパソコン(設定対象機器名及び設定対象機種名が共に接続された機器と同じ機器名が記述されている場合は、接続された機器自体が設定対象となっていることを表している)に対する、部門サーバへのインターネット接続の確認に係る情報(確認時のアクセス先情報)が、設定・支援情報場所に記載のURLのWebページであることを通知することを表している。
【0035】
図3の2行目も、パソコン(PC)がLAN3に接続された場合を示している。2行目は、パソコン(PC)がLAN3に接続された場合には、そのパソコンの機種名や接続されたセグメントに関係なく、接続されたパソコンに対する、Outlook(登録商標)のメール設定に係る情報(ガイダンス情報)が、設定・支援情報場所に記載のURLのWebページに記述されていることを通知することを表している。
【0036】
図3の3行目も、パソコン(PC)がLAN3に接続された場合を示している。3行目は、パソコン(PC)が、識別情報が「NW1」のセグメント10−1に接続された場合には、そのパソコンの機種名に関係なく、機種名が「LPOKI1」のプリンタについてプリンタ設定を行う必要があり、その設定が必要なプリンタのドライバが「PRDR1」(ファイル名)であり、そのドライバ「PRDR1」をパソコンにインストール(ダウンロード)することを表している。
【0037】
設定・支援情報場所に、URLなどのネットワーク上の場所特定情報が記述されている場合は、その場所を接続機器に提示することを意味し、設定・支援情報場所に、ファイル名が記述されている場合は、ダウンロード情報データベース34から該当するファイル情報を取り出してダウンロードすることを意味している。
【0038】
例えば、パソコンにプリンタドライバをインストールしても、そのプリンタのネットワーク上のアドレスをパソコンが取得できなければ該当するプリンタにアクセスすることができない。そのため、設定対象機器名及び設定対象機種名の情報をキーとして、機器情報データベース32からIPアドレスやMACアドレスを取り出し、ドライバと共にアドレス情報も送信するようにすれば良い。
【0039】
あるLAN要素機器11があるセグメント10に接続された際に、設定や設定支援が行われる項目は1つに限られない。図3に示している範囲で言えば、パソコン(PC)が「NW1」のセグメント10−1に接続された場合には、部門サーバへのインターネット接続の確認支援、Outlookのメール設定の設定支援、機種名「LPOKI1」のプリンタ用のドライバのインストール、機種名「LPOKI2」のプリンタ用のドライバのインストールが実行され、一方、パソコン(PC)が「NW2」のセグメント10−2に接続された場合には、部門サーバへのインターネット接続の確認支援、Outlookのメール設定の設定支援、機種名「LPOKI3」のプリンタ用のドライバのインストールが実行される。
【0040】
設定・支援実行情報部332の構成は、図3のものに限定されないことは勿論である。例えば、詳細設定内容というフィールドを設けるようにしても良い。例えば、プリンタドライバをダウンロード(インストール)する際に、ドライバの中の設定が必要な項目(例えば、モノクロ印刷又はカラー印刷)に設定する内容を、詳細設定内容のフィールドに記述しておくようにしても良い。
【0041】
データベースアクセス部31は、機器情報管理サーバ5の要求に応じて、機器情報データベース32、設定管理情報データベース33又はダウンロード情報データベース34をアクセスし、要求された情報を返信するものである。
【0042】
機器情報管理サーバ5の機器情報取得部21は、機器検出装置12により検知されたLAN要素機器11の情報を、機器情報データベース32をも参照しながら取得するものである。
【0043】
設定情報確認部22は、セグメント10に接続されたLAN要素機器11に、設定若しくは設定支援する情報を(設定支援には上述したような動作確認も含まれる)、設定管理情報データベース33を参照して確認するものである。
【0044】
設定・支援部23は、ダウンロード情報データベース34からガイダンス情報やアプリケーション(例えばプリンタドライバ)を取り出してLAN要素機器11にダウンロードしたり、ガイダンス情報やアプリケーションが存在する場所(例えばWebページ)や動作確認時のアクセス先などの場所情報をLAN要素機器11に提供したりするものである。設定・支援部23は、ダウンロードする際には、各種設定を行うため若しくは情報を提示するための設定・支援画面を構築したり、アプリケーションをそのままLAN要素機器11がインストールできるような処理を実行したりするものである。
【0045】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の機器設定・支援システムの動作を説明する。図4は、第1の実施形態の機器設定・支援システムの動作を示すフローチャートである。
【0046】
LAN要素機器11−xy(xは1又は2)が、機器検出装置12−xの監視下にあるセグメント10−xのセグメント内ネットワーク14−xに接続されると、機器検出装置12−xは、LAN要素機器11−xyが新たに接続されたことを検知し、機器名、機種名、MACアドレス、LAN要素機器11−xyが接続されたセグメントの情報などでなる機器情報を機器情報管理サーバ5に送信する。これにより、図4に示す処理が開始される。
【0047】
機器情報管理サーバ5の機器情報取得部21は、機器検出装置12から送られた機器情報を取得し、設定情報管理サーバ6に問合せを行い、検出されたLAN要素機器11−xyの情報が機器情報データベース32に登録されていることを確認する(ステップS101)。
【0048】
設定情報確認部22は、検出されたLAN要素機器11−xyの情報を設定情報管理サーバ6に問い合わせることにより、機器情報データベース32を参照して当該LAN要素機器11−xyのステイタス及びセグメント情報を確認し、新規の接続か否かを判別する(ステップS102)。既に検出されたセグメント10−xに接続された実績のあるLAN要素機器11−xyであったり(そのセグメントに対応するステイタスが接続設定済)、接続申請中あるいは接続拒否されているLAN要素機器11−xyであったりする場合には、図4に示す一連の処理を終了する。
【0049】
これに対して、接続が検出されたLAN要素機器11−xyが、セグメント10−xに初めて接続された機器である場合(機器情報データベース32にそのセグメントとステイタスとの対情報が存在しない場合)には、設定情報確認部22は、設定情報管理サーバ6に問い合わせることにより、LAN要素機器11−xyに環境設定が必要か否かを判別する(ステップS103)。設定情報確認部22は、接続が検出されたLAN要素機器11−xyに係るセグメント情報及び機器情報に基づいて、設定管理情報データベース33の条件部331の条件に合致する設定項目あるか否かに基づいて、LAN要素機器11−xyに環境設定が必要か否かを判別する。
【0050】
接続が検出されたLAN要素機器11−xyが今まで全てのセグメントに接続されたことがないものである場合には、環境設定が必要と判別される。セグメント10−xへの接続が検出されたLAN要素機器11−xyが、過去において、他のセグメント10−zに接続されていた場合には、セグメントに依存しない設定項目については環境設定が不要と判別され、セグメントに依存しない設定項目については環境設定が必要と判別される。例えば、あるパソコンがセグメント10−2(NW2)に過去において接続されて環境設定がなされ、今回、セグメント10−1(NW1)に初めて接続させた場合であって、設定管理情報データベース33が図3に示すような構成であったとする。過去にセグメント10−2(NW2)に接続された際には、セグメントに依存しないインターネット接続設定(1行目)と、メール設定(2行目)と、接続セグメント10−2に依存したプリンタ設定(5行目)とが実行されている。従って、今回のセグメント10−1への新規接続では、インターネット接続設定及びメール設定は不要であり、新規接続のセグメント10−1に依存した2種類のプリンタ設定(3行目及び4行目)だけを行う必要がある。
【0051】
設定情報確認部22がLAN要素機器11−xyに対する環境設定が必要であると判別すると、設定・支援部23は、環境設定の必要性の判別の際に必要と判定された設定管理情報データベース33の設定項目の情報などに基づき、Webブラウザ等で、ユーザが直接インストールや設定や情報の取出しや動作確認を指示できるような設定・支援画面を作成して、接続が検出されたLAN要素機器11−xyに与えて表示させる(ステップS105)。設定・支援部23は、例えば、設定・支援画面の情報として機器名ごとのテンプレート画面を内部記憶しており、設定管理情報データベース33や機器情報データベース32から得た情報を、テンプレート画面の所定領域に書き込むことで、LAN要素機器11−xyに表示させる設定・支援画面を形成させる。
【0052】
図5は、接続が検出されたLAN要素機器11−xyがパソコンの場合においてLAN要素機器11−xyに表示された設定・支援画面の一例を示す説明図である。
【0053】
図5において、タイトル「PC設定ガイド」や、「イベント:新規接続」や、「以上で作業は終了になります。」以降の文章は、テンプレート画面に予め含まれている情報である。「接続機器:Windows」における「Windouws」は、機器情報データベース32から得た情報である。「セグメントグループ:本社」の「本社」は、今回接続されたセグメント10−xに対応付けられた文字列であり、対応テーブルを、設定・支援部23が内蔵している。「インターネット接続の確認」は、設定管理情報データベース33の設定項目から得た情報であり、部門サーバに関するURLは図3の1行目から得た情報であり、当社ホームページに関するURLは図3には具体的に記載されていない行から得た情報である。「メール設定」は、設定管理情報データベース33の設定項目から得た情報であり、Outlookに関するURLは図3の2行目から得た情報である。「プリンタ設定」は、設定管理情報データベース33の設定項目から得た情報であり、機種名「LPOKI3」は図3の5行目の設定対象機器名から得た情報であり、「インストール」アイコンは、図3の5行目の設定・支援情報場所にファイル名が記載されていることで付与されたものである。
【0054】
図5では、「インターネット接続の確認」、「メール設定」、「プリンタ設定」に係る情報を1画面で表示するものを示したが、それぞれ別画面とし、「前画面」や「次画面」アイコンを表示させて、画面を切替えられるようにしても良い。
【0055】
また、図5では、新規の環境設定に係る設定項目だけを含む設定・支援画面を示したが、過去に設定済みで今回設定が不要な設定項目についても、設定済みであることを明らかにして、設定・支援画面に含めるようにしても良い。
【0056】
ユーザが、表示された設定・支援画面を確認し、インストール、設定が必要であれば、画面の指示に従って、インストール若しくは設定を指示し、このような指示を確認した設定・支援部23は、インストール若しくは設定作業を実行する(ステップS106、S107)。例えば、図5の「インストール」アイコンがユーザによってクリックされた場合には、設定・支援部23は、ダウンロード情報データベース34から、ファイル名が「LPOKI3」のプリンタドライバの情報を取り出し、必要に応じて詳細設定(例えば、カラー印刷設定)を行った後、LAN要素機器11−xyに送信してインストールさせる。なお、インストール、設定の是非についてユーザに問い合わせることなく、設定・支援部23が、インストール、設定を自動的に実行させるようにしても良い。
【0057】
あるいは、取得したインストールの手順や設定すべき内容を、図5のような設定ガイドの画面に、あるいは、設定ガイドと並列に別画面に表示するようにし、インストールや設定については、ユーザに手動で行わせるようにしても良い。そのためには、設定支援実行情報格納部の設定支援情報格納部で指定されたURLやファイルの内容を直接、あるいは、テンプレートで展開して画面に設定項目ごとに表示したりすれば良い。
【0058】
最後に、データベースアクセス部31は、機器情報取得部21から与えられた機器情報などに基づいて、機器情報データベース32を更新して、図4に示す一連の処理を終了する(ステップS108)。新たなセグメント10−xに接続されたLAN要素機器11−xyが、全てのセグメントを通して初めて接続された場合には、機器情報データベース32にその機器の情報を追加し、ステイタス情報を「接続中」にする。新たなセグメント10−xに接続されたLAN要素機器11−xyが、他のセグメントに接続されたことがある場合には、機器情報データベース32のその機器の情報における、ステイタス情報及びセグメントの対を追加し(若しくは行自体を追加し)、「接続中」と今回のセグメントの識別情報とを書込み、過去に接続されていた他のセグメントに係るステイタス情報を「接続設定済」に変更する。
【0059】
なお、機器情報データベース32に、設定済みの設定項目を記載する欄を設けておき、この欄に、今回、環境設定した設定項目の情報を書込みようにしても良い。
【0060】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、ユーザがネットワーク環境や機器について十分な知識がなくても、あるセグメントに接続されたLAN要素機器に対して、そのLAN要素機器が該セグメントを介して接続する周辺機器やアプリケーションを利用するために必要なドライバ類や情報をインストールしたり、初期設定を行ったり、操作ガイダンスを提示したりなどの環境設定処理(支援処理を含む)を実行することができる。
【0061】
また、そのLAN要素機器に係る条件(機種名(OSのバージョンであっても良い)や接続セグメント)によって設定する項目を切り替えることができるので、ユーザが意識しなくても、LAN要素機器を利用する環境に合わせた環境設定を行うことができる。例えば、パソコンが、セグメント10−1のエリアにあるときには、セグメント10−1のエリアにあるプリンタ「LPOKI1」及び「LPOKI2」のドライバをインストールすると共にそのプリンタのIPアドレスを設定し、一方、同じパソコンがセグメント10−2のエリアに移動させてネットワークに接続すれば、セグメント10−2のエリアにあるプリンタ「LPOKI3」のドライバをインストールすると共にそのプリンタのIPアドレスを設定する。
【0062】
さらに、第1の実施形態によれば、機器情報及び各種設定管理情報をクラウドセンタ4上(LAN3の外側)に配置することにより、LAN3内の全てのLAN要素機器に対して、同一の基準で周辺機器やアプリケーションの環境設定を行うことができる。また、複数のセグメント間を移動しながら使用される同一機器の情報をまとめて管理することができ、環境設定処理の効率化を図ることができる。
【0063】
第1の実施形態では、セグメントにLAN要素機器が接続されたことを機器検出装置が検知したことをきっかけに環境設定処理が実行されるので、LAN3に接続された全てのLAN要素機器に対して、もれなく、ネットワーク環境、機器の種類や状態に応じた環境設定処理を実行することができる。
【0064】
さらに、セグメントごとに機器情報を管理しているので、LAN3内のいずれかのセグメントに過去に接続され、そのセグメントに属することを条件とした環境設定処理を実施したLAN要素機器であっても、別のセグメントに初めて接続される際には、新しいセグメントに属することを条件とした環境設定処理を実行することができる。その際、先のセグメントの接続の際に実行されたたセグメントに依存しない環境設定処理の情報は引き続き有効であるので、新しく接続されたセグメントについては、そのセグメントに依存する環境設定処理を実行すれば良い。
【0065】
(B)第2の実施形態
次に、本発明による機器設定・支援システム、サーバ及びプログラムの第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。第2の実施形態は、クラウドセンタ上に認証サーバを設置し、機器情報管理サーバからの問合せに応じて認証処理を行うようにしたものである。
【0066】
(B−1)第2の実施形態の構成
図6は、第2の実施形態の機器設定・支援システムを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図であり、第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0067】
第2の実施形態におけるネットワークシステム1Aは、第1の実施形態のネットワークシステムに加えて、クラウドセンタ4Aが認証サーバ7を有する点が、第1の実施形態から大きく異なっている点である。なお、認証サーバ7を設けたことに関連し、機器情報管理サーバ5Aや設定情報管理サーバ6Aも、第1の実施形態のものから多少異なっている。
【0068】
認証サーバ7は、セグメント10に接続されたことを機器検出装置12によって検知されたLAN要素機器11、及び、そのLAN要素機器11のユーザが正規のものであるか否かを判別したり、どのような権限を持つかといった情報を提供したりするものである。認証サーバ7は、認証部41と認証情報データベース42とを備えている。
【0069】
認証情報データベース42は、予めユーザのID(若しくはLAN要素機器11のID)やパスワード、その他任意の情報を登録したものである。認証部41は、IDとパスワードの組などによる機器情報管理サーバ5Aからの問合せ情報を受けて認証処理を行うものである。
【0070】
図7は、認証情報データベース42の構成例を示す説明図である。認証情報データベース42は、利用者IDとパスワードの組み合わせのように認証を行うための情報を格納した認証情報格納部421と、IDと関連付けられたユーザごとの情報を格納するユーザ情報格納部422を備える。図7の例では、ユーザ情報格納部422は、所属情報と職位情報とからなっている。なお、所属情報には現在の所属になった開始日時の情報が含まれており、職位情報には現在の職位になった開始日時の情報が含まれている。このような所属情報及び職位情報は、環境設定を行う設定項目であるかを定める条件の一部となり得るものである。
【0071】
第2の実施形態の機器情報管理サーバ5Aは、機器情報取得部21、設定情報確認部22及び設定・支援部23に加え、認証情報確認部24を有する。
【0072】
認証情報確認部24は、機器検出装置13によってセグメント10への接続が検出されたLAN要素機器11若しくはその機器のユーザの認証に必要な情報の入力を求め、正規のユーザ若しくはLAN要素機器11であるかを認証サーバ7に問い合わせ、認証を実行させるものである。
【0073】
第2の実施形態の設定情報管理サーバ6Aは、設定管理情報データベース33Aの条件部331Aの構成が、第1の実施形態から異なっている。図8は、第2の実施形態の設定管理情報データベース33Aの構成例を示す説明図である。図8に示すように、第2の実施形態の場合、条件部331Aは、機器名、機種名及びセグメントに加え、所属及び職位も条件となり得るようになっている。
【0074】
L1行は、顧客情報管理システムという社内システムについての環境設定は、職位は問わないが営業部の者だけが実行し得ることを表している。また、L2行は、人事情報管理システムという社内システムについての環境設定は、部門は問わないが部長以上の職位の者だけが実行し得ることを表している。図8では省略しているが、同一の設定項目に対して複数の行を設定し、異なる条件を記述するようにしても良い。例えば、プリンタドライバに関し、部長以上の職位の者はカラー印刷及びモノクロ印刷が可能なように環境設定し、課長以下の職位の者はモノクロ印刷だけが可能なように環境設定するように、2つの行を設けるようにしても良い。
【0075】
第2の実施形態の場合、設定情報管理サーバ6Aの機器情報データベース32の「セグメント欄」には、図示は省略するが、そのセグメントに関する環境設定がなされた日時情報とそのときの所属や職位を記述しておく。これは、過去にセグメントに接続していても、部長に昇進した以降ではそのセグメントへの接続が初めてである場合を把握したり、営業部へ所属が変更した以降ではそのセグメントへの接続が初めてである場合を把握したりすることができるようにしたものである。
【0076】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態の機器設定・支援システムの動作を説明する。図9は、第2の実施形態の機器設定・支援システムの動作を示すフローチャートであり、第1の実施形態に係る図5との同一、対応ステップには同一符号を付して示している。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0077】
第2の実施形態では、機器情報管理サーバ5Aの機器情報取得部21が、機器検出装置12から送られた機器情報を取得し、設定情報管理サーバ6Aに問合せを行い、検出されたLAN要素機器11−xyの情報が機器情報データベース32に登録されていることを確認すると(ステップS101)、認証処理が行われ(ステップS151〜S155)、ユーザの入力した認証情報が認証情報データベース42の情報と一致すれば、第1の実施形態と同様の環境設定処理に進み、一致しなければ、接続が拒否される点が、第1の実施形態とは異なっている。
【0078】
機器検出装置12によってセグメント10上にLAN要素機器11の接続が検出され、機器情報取得部21が検出されたLAN要素機器11−xyの情報が機器情報データベース32に登録されていることを確認すると(ステップS101)、認証情報確認部24は、検出されたLAN要素機器12に対して、認証情報(ID及びパスワード)の入力を要求する(ステップS151)。
【0079】
ID及びパスワードが入力されると、認証情報確認部24は、認証サーバ7に、入力されたID及びパスワードが正規のものか否かの確認(認証)を要求する(ステップS152)。認証サーバ7の認証部41は、機器情報管理サーバ5より与えられたID及びパスワードの組と、予め認証情報データベース42に登録されているID及びパスワードの組とを照合し、一致した組情報があるか否かを機器情報管理サーバ5に返信する(ステップS153)。
【0080】
ID及びパスワードが一致する行が認証情報データベース42にあると、認証情報確認部24は、返信された認証情報に関連付けられたユーザ情報を認証情報データベース42のユーザ情報格納部422より取得する。これに対して、ID及びパスワードが一致する行が認証情報データベース42に存在しなければ、認証情報確認部24は、正規のユーザ(若しくはLAN要素機器)ではないと判断し、LAN要素機器11のLAN3への接続を拒否し(無効とし)、図9に示す一連の処理を終了する(ステップS155)。
【0081】
これ以降の処理は概ね第1の実施形態と同様であるが、多少異なっている点もあるので、これ以降の処理も相違点を中心に簡単に説明する。
【0082】
ステップS102の新規の接続か否かの判別では、認証情報データベース42から得たユーザ情報も利用されて判別される。例えば、過去に同一セグメントに接続され、環境設定がなされていても、そのときと、所属情報若しくは職位情報が変更されている場合には、当該セグメントへの接続を新規の接続として扱う。また、ステップS104における環境設定の必要性の有無判別では、ユーザの所属や職位も利用されて判断される。
【0083】
例えば、接続が検出されたLAN要素機器11がパソコン(PC)で、認証されたIDが001の場合には、ユーザの所属が「営業部」であって(図7参照)、設定管理情報データベース33のL1行(図8参照)の条件部331にマッチするので、接続されたパソコンに対して顧客情報管理システムに係る環境設定が実行されることになる。
【0084】
また例えば、接続が検出されたLAN要素機器11がパソコン(PC)で、認証されたIDが002の場合には、ユーザの職位が「部長」であって(図7参照)、設定管理情報データベース33のL2行(図8参照)の条件部331にマッチするので、接続されたパソコンに対して人事情報管理システムに係る環境設定が実行されることになる。
【0085】
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態で言及した効果に加え、以下の効果を奏することができる。
【0086】
第2の実施形態によれば、LAN要素機器の接続時に認証処理を行うことにより、不正なユーザによる接続や不正なLAN要素機器の接続を無効とすることができ、不要な環境設定を未然に防止することができる。
【0087】
また、認証処理時に取得した情報を用いて、ユーザやLAN要素機器ごとに必要な設定項目を定めるようにしたので、認証されたユーザやLAN要素機器に必要な環境設定を実行することができる。例えば、ユーザ属性(所属や職位など)に応じて必要な業務アプリケーションを選択してダウンロードしたり、セグメントへの接続時や操作時の権限を変化させたりすることが可能になる。
【0088】
(C)第3の実施形態
次に、本発明による機器設定・支援システム、サーバ及びプログラムの第3の実施形態を、図面を参照しながら説明する。第3の実施形態は、環境設定が実行されるLAN要素機器とは異なるLAN要素機器に、設定用のガイダンス情報などを提示させるようにしたものである。
【0089】
第3の実施形態の機器設定・支援システムを含むネットワークシステム1Bの構成は、第2の実施形態とほぼ同様であり、図6で表すことができる。但し、認証情報データベース42Bの構成が、第2の実施形態のものと異なっており、また、設定・支援部23の処理も、第2の実施形態のものから多少異なっている。
【0090】
図10は、第3の実施形態における認証情報データベース42Bの構成例を示す説明図である。認証情報データベース42Bは、認証情報格納部421及びユーザ情報格納部422に加え、提示機器情報格納部423を有する。提示機器情報格納部423は、セグメントと機器特定情報(例えば、MACアドレスを利用する)との組を、セグメントの数だけ有する。現在対象となっているユーザが、そのセグメントにいる場合に利用頻度が高い情報処理装置に該当するLAN要素機器の機器特定情報がセグメントと組をなしている。なお、1つのセグメントに複数の機器特定情報を対応付け、最初の方に記述されているものほど優先度を高くなっていることとしても良い。
【0091】
第3の実施形態の設定・支援部23Bは、環境設定の設定項目が、セグメント10に接続されたLAN要素機器11自体に対するインストールや設定自体の場合には(図9のステップ107参照)、接続されたLAN要素機器11自体に対して環境設定動作を行い、環境設定の設定項目が、セグメント10に接続されたLAN要素機器11のインストールや設定のためのガイダンス情報などの情報提示の場合には(図9のステップ109)、今回接続されたセグメントと認証されたユーザ情報とから定まる提示機器情報を認証情報データベース42Bから取り出し、提示機器情報が示している同一セグメント内の別のLAN要素機器に、情報を提示する設定・支援画面を送信する。
【0092】
第3の実施形態によれば、上述した第2の実施形態で言及した効果に加え、以下の効果を奏することができる。
【0093】
環境設定のための操作用のガイダンス情報が設定対象のLAN要素機器に表示された場合には、ガイダンス情報画面と設定用画面とを頻繁に切り替えながらユーザは環境設定を実行することになる。この第3の実施形態によれば、環境設定のためのガイダンス情報画面が、設定対象のLAN要素機器とは異なるLAN要素機器に表示されるため、設定対象のLAN要素機器には設定用画面を常時表示させた状態で、他のLAN要素機器に表示されたガイダンス情報画面から設定手順を取得して環境設定を実行でき、環境設定を効率的に実行することができるようになる。例えば、タブレット端末に対する環境設定を、パソコンに表示された設定手順に従って実行することができる。
【0094】
(D)他の実施形態
上記各実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
【0095】
上記各実施形態では、環境設定を実行する際の条件が、機器名、機種名(OS(バージョンによっても異なる)の相違を含む)、セグメント、所属、職位等で定まるものを示したが、条件を規定するパラメータはこれらに限定されるものではない。例えば、LAN要素機器のスペック(例えば、パソコンであればCPU動作速度)を、条件を規定するパラメータとして用いるようにしても良い。
【0096】
上記各実施形態では、機器情報管理サーバ5、設定情報管理サーバ6、認証サーバ7が専用的に構築されているイメージで説明したが、汎用的なサーバに、機器情報管理サーバ用プログラム、設定情報管理サーバ用プログラム、認証サーバ用プログラムをインストールして、機器情報管理サーバ5、設定情報管理サーバ6、認証サーバ7を実現するようにしても良い。上述のプログラムを汎用的サーバにインストールする方法は、記録媒体からのインストールであっても良く、他の装置からのダウンロードによるインストールであっても良い。
【0097】
設定・支援部(23、23B)が実行する環境設定(支援を含む)は、一般的なインストールや設定に限らず、利用申請システムへの申請処理や、資産管理システムへの登録処理など、LAN要素機器を、セグメントに接続することによって発生する各種処理を含むものであっても良い。特許請求の範囲では、このような広範囲の設定や設定支援などを「環境設定」と呼んでいる。
【0098】
上記各実施形態で説明したデータベースの構成例はあくまでも例であり、他の欄(フィールド)を有していても良い。例えば、認証情報データベース42に、機器情報を格納し、LAN要素機器とユーザとを関係付けるようにしても良く、認証日時などを格納し、後で確認できるようにしても良い。また、上述した1つのデータベースを、リンクしている複数のデータベースに分けて用いるようにしても良い。
【0099】
上記LAN3を区分する単位がセグメントという1段階であるものを示したが、区分を階層化するようにしても良い。例えば、セグメントを複数のサブセグメントに分割し、セグメントだけでなく、サブセグメントを単位として条件を指定できるようにしても良い(例えば、機器検出装置はサブセグメント単位に配置する)。例えば、同一セグメントに1つのスキャナと複数のプリンタがあり、パソコンが設定対象となった場合には、スキャナについてはサブセグメントに依存せずに環境設定を行い、プリンタについては接続されたサブセグメントによって環境設定を行うプリンタを定めるようにしても良い。
【0100】
上記第2又は第3の実施形態では、機器設定・支援システム用に設けられた認証サーバが認証を行うものを示したが、ネットワークシステムやLANが既に有する認証サーバなどの認証構成を、機器設定・支援システムにおける認証で利用するようにしても良い。
【符号の説明】
【0101】
1、1A、1B…ネットワークシステム、3…LAN、4、4A…クラウドセンタ、5、5A…機器情報管理サーバ、6、6A…設定情報管理サーバ、7、7B…認証サーバ、10−1、10−2…セグメント(ネットワークセグメント)、11−11〜11−13、11−21〜11−23…LAN要素機器、12−1、12−2…機器検出装置、13−1、13−2…スイッチ、21…機器情報取得部、22…設定情報確認部、23…設定・支援部、24…認証情報確認部、31…データベースアクセス部、32…機器情報データベース、33、33A…設定管理情報データベース、34…ダウンロード情報データベース、41…認証部、42…認証情報データベース。
【技術分野】
【0001】
本発明は機器設定・支援システム、サーバ及びプログラムに関し、例えば、社内ネットワークに接続された機器が、他の機器やアプリケーション(例えばクラウド上に存在するアプリケーションも含む)を実際に利用できる状態に設定したりインストールしたり、それらを支援したりする場合に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
現在においては、ネットワークを介して様々なIT機器やアプリケーションを利用する機会が多くなっている。多くのIT機器やアプリケーションでは、実際に使用できる状態にするために種々の環境設定が必要になる。例えば、パソコンが、プリンタを利用する場合には、プリンタの機種に応じたプリンタドライバ(以下、単にドライバと呼ぶこともある)をインストールしたり、プリンタへ印刷データを送信できるようにするためにネットワーク上の位置を示すアドレス(例えばIPアドレス)を設定したりすることなどが必要である。
【0003】
しかしながら、インストールや設定作業自体は簡単であっても、誰もが適切なインストールや設定(以下、これらをまとめて環境設定と呼ぶ)を行えるとは限らない。例えば、Windows(登録商標)は、接続可能なネットワーク上のプリンタを検索し、リスト表示するが、ユーザは、使用するプリンタの機種等を把握し、そのリスト表示されたプリンタ群の中から選定する必要がある。従って、使用するプリンタの機種等を調べ、そのプリンタに対応したプリンタドライバを選定することは、知識のないユーザにとってみれば容易なことではない。また、マニュアルにも、プリンタドライバの設定手順が記載されているが、知識のないユーザにとってみれば、マニュアルの記載手順通りに操作を行うことは容易なことではない。
【0004】
このような環境設定作業は、パソコンの初期導入時に限らず頻繁に発生する。最近では、出張時や会議室への移動時等にノート型のパソコン等を用いて、自分の席以外で業務を行うことが少なくない。ノート型パソコンを使用すれば、移動先にて自分のパソコンを使用することができる。そして、移動先に設置されたLAN接続のIT機器を使用するためには、初期設定時と同様に移動先のネットワーク環境に応じたIT機器の環境設定作業が必要になる。
【0005】
このような移動するごとに環境設定するという煩雑さを解決する方法として、特許文献1に開示された方法がある。特許文献1に記載の装置では、ネットワークに接続されているプリンタを検出するプリンタ検出部、プリンタのIPアドレスやドライバの情報を格納するプリンタデータベース、ドライバのインストールを起動するインストール部を情報処理装置(例えばパソコン)内に備え、ネットワークに新たに接続された情報処理装置が同一ネットワークに接続されているプリンタを自動検出し、ドライバのインストールや、IPアドレス等の登録を自動で行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−131827
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の記載技術では、プリンタ検出部、プリンタデータベース、インストール部が個別の情報処理装置(例えば、パソコン)内にあるため、ネットワークに接続されたそれぞれの情報処理装置がプリンタ検出処理などを行わなければならない。通常、オフィスには多数の情報処理装置が存在するので、情報処理装置のそれぞれがプリンタ検出処理を起動させるのは非効率的であり、ネットワークに負荷をかける可能性がある。また、全ての情報処理装置に、特許文献1に記載の構成要素を導入する必要があり、情報処理装置の数が多くなれば、どの情報処理装置に導入したか否かの管理が難しく、網羅性を担保することは非常に困難である。さらに、設定のための情報が各情報処理装置に保持されてしまうので、どの情報処理装置に何がインストールされているかといった情報の一元管理ができない(例えば、ドライバのバージョンアップなどの際に誰に連絡して良いのかわからない)。
【0008】
また、新たにプリンタがネットワークに接続された場合、特許文献1の記載技術では、プリンタ検出部が一定期間ごとにネットワーク内のプリンタを検索し、新規に接続されたプリンタがあればドライバをインストールするようにしている。しかし、プリンタ検出処理の起動サイクルの設定によっては新しいプリンタが検出されるまでに長期間のタイムラグが生じてしまう。
【0009】
さらに、特許文献1の記載技術はプリンタを対象としている。しかし、通常、オフィスで利用する機器やアプリケーションは多岐に渡り、プリンタと同様にドライバのインストールや設定を行う必要がある。これらのネットワークに接続された機器やアプリケーションについてのインストールや設定を、特許文献1の記載技術と同様な構成を行う場合には、情報処理装置に予め搭載しておかなければ構成要素が非常に多くなり、情報処理装置の構成(例えばソフトウェア構成)が複雑になってしまう。
【0010】
そのため、ネットワークに接続された機器が、当該機器の構成を複雑とすることなく、他の機器やアプリケーションを実際に利用できる状態に設定したりインストールしたりそれらを支援したりする環境設定を容易に行える仕組みが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の本発明は、1又は複数の単位ネットワークのうち、いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対し、設定支援を適宜含む環境設定を行う機器設定・支援システムであって、(1)自己が管轄する単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器を検出する、上記単位ネットワークごとに設けられた機器検出手段と、(2)いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対して環境設定を行う機器設定・支援サーバとを備え、上記機器設定・支援サーバは、(2−1)過去に環境設定がなされたネットワーク接続機器の情報を格納している機器情報記憶手段と、(2−2)ネットワーク接続機器毎に、ある環境設定項目の環境設定を行う条件と、実行する環境設定の具体的情報とを格納している設定管理情報記憶手段と、(2−3)いずれかの上記機器検出手段から、接続が検出された上記ネットワーク接続機器の機器情報が与えられたとき、そのネットワーク接続機器に関する過去の環境設定情報を、上記機器情報記憶手段を参照して把握し、上記設定管理情報記憶手段に格納されている条件のうち、接続が検出された上記ネットワーク接続機器に関して満たす条件が存在するか否かを判別し、満たす条件がある場合に、その条件に対応する環境設定の具体的情報を得て、環境設定を実行する設定・支援制御実行手段とを有することを特徴とする。
【0012】
第2の本発明は、1又は複数の単位ネットワークのうち、いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対し、設定支援を適宜含む環境設定を行う機器設定・支援サーバであって、(1)過去に環境設定がなされたネットワーク接続機器の情報を格納している機器情報記憶手段と、(2)ネットワーク接続機器毎に、ある環境設定項目の環境設定を行う条件と、実行する環境設定の具体的情報とを格納している設定管理情報記憶手段と、(3)単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器を検出する単位ネットワークごとに設けられた機器検出手段のいずれかから、接続が検出された上記ネットワーク接続機器の機器情報が与えられたとき、そのネットワーク接続機器に関する過去の環境設定情報を、上記機器情報記憶手段を参照して把握し、上記設定管理情報記憶手段に格納されている条件のうち、接続が検出された上記ネットワーク接続機器に関して満たす条件が存在するか否かを判別し、満たす条件がある場合に、その条件に対応する環境設定の具体的情報を得て、環境設定を実行する設定・支援制御実行手段とを有することを特徴とする。
【0013】
第3の本発明は、1又は複数の単位ネットワークのうち、いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対し、設定支援を適宜含む環境設定を行う機器設定・支援サーバに搭載されたコンピュータを、(1)過去に環境設定がなされたネットワーク接続機器の情報を格納している機器情報記憶手段と、(2)ネットワーク接続機器毎に、ある環境設定項目の環境設定を行う条件と、実行する環境設定の具体的情報とを格納している設定管理情報記憶手段と、(3)単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器を検出する単位ネットワークごとに設けられた機器検出手段のいずれかから、接続が検出された上記ネットワーク接続機器の機器情報が与えられたとき、そのネットワーク接続機器に関する過去の環境設定情報を、上記機器情報記憶手段を参照して把握し、上記設定管理情報記憶手段に格納されている条件のうち、接続が検出された上記ネットワーク接続機器に関して満たす条件が存在するか否かを判別し、満たす条件がある場合に、その条件に対応する環境設定の具体的情報を得て、環境設定を実行する設定・支援制御実行手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ネットワーク接続機器が、当該機器の構成を複雑とすることなく、環境設定を容易に行える機器設定・支援システム、サーバ及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態の機器設定・支援システムを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の機器設定・支援システムにおける機器情報データベースの構成例を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態の機器設定・支援システムにおける設定管理情報データベースの構成例を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態の機器設定・支援システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の機器設定・支援システムによってLAN要素機器に表示された設定・支援画面の一例を示す説明図である。
【図6】第2の実施形態の機器設定・支援システムを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態の機器設定・支援システムにおける認証情報データベースの構成例を示す説明図である。
【図8】第2の実施形態の機器設定・支援システムにおける設定管理情報データベースの構成例を示す説明図である。
【図9】第2の実施形態の機器設定・支援システムの動作を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態の機器設定・支援システムにおける認証情報データベースの構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による機器設定・支援システム、サーバ及びプログラムの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の機器設定・支援システムを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【0018】
このネットワークシステム1は、インターネット2を介して、LAN3及びクラウドセンタ4が接続されて構成されている。
【0019】
LAN3は、ある会社のある事業所(本社、支社、工場など)内に設置されたものであり、部署、フロア、建物などを単位として構成された1又は複数(図1では2つの例を示している)のセグメント10−1、10−2に分かれている。各セグメント10−1、10−2は、ルータ15を経由してインターネット2側に接続されている。
【0020】
セグメント10−1は、1又は複数のLAN要素機器11−11〜11−13、…と、機器検出装置12−1、スイッチ13−1とを有する。セグメント10−2も、セグメント10−1と同様な内部構成を有する。
【0021】
各LAN要素機器11は、セグメント内ネットワーク14に収容されており、同一セグメント内のスイッチ13、ルータ15、インターネット2を介して、クラウドセンタ4と接続し得るものである。なお、セグメント内ネットワーク14は、有線ネットワーク、無線ネットワークに限定されず、有線ネットワークと無線ネットワークとが融合されているものであっても良く、また、アクセスポイントなどの中継装置を複数有するものであっても良い。
【0022】
LAN要素機器11としては、据え置き型パソコン、ノート型パソコン、スマートフォン、タブレット端末、プリンタ(複合機を含む;但し、複合機をプリンタとは別の機器として処理するようにしても良い)、IP電話機、IP−PBX、イメージスキャナ、電力監視用センサなどが該当する。セグメント内のスイッチ12も、LAN要素機器11の一種である。LAN要素機器11は、2つの観点から種類分けすることができる。第1は、環境設定を要する機器(設定機器)か否かという観点であり、第2は、他のLAN要素機器に、自LAN要素機器11の情報を環境設定させることを要する機器(被設定機器)か否かという観点である。例えば、パソコンは、同一セグメント内の複合機、プリンタ、IP−PBX、イメージスキャナなどを当該パソコンが使用可能なように設定したり、当該LAN3の所属会社のメールサーバやWeb提供サーバ(図示せず)にアクセスするためのアプリケーションやアドレス情報などをインストールしたりすることが要する設定機器である。また例えば、プリンタは、パソコン、スマートフォン、タブレット端末などが印刷時に当該プリンタを利用できるように当該プリンタのドライバなどを設定する被設定機器である。1つのLAN要素機器11が、設定機器及び被設定機器となっていることもある。
【0023】
各機器検出装置12は、同一セグメントのセグメント内ネットワーク14に収容されており、そのセグメント内ネットワーク14に接続されたLAN要素機器11を検知し、機器情報を検出するものである。機器検出装置12で検出される機器情報は、機器の種類(機器名;具体的には、パソコン(なお、据え置き型とノート型とを別の機器として取り扱うようにしても良い)、スマートフォン、プリンタなどの別)、機種名(具体的な機種の名称)、IPアドレス、MACアドレス、その他、機器固有の属性情報等(例えば、プリンタであればカラー印刷機能の有無等)である。この機器検出装置12は、LAN要素機器11を接続した際、該当機器11からの通信を遮断したり、条件や解除許可情報の受信により通信遮断を解除したりする機能を備えていても良い。このような機器検出装置の例として、特開2011−35535に開示された通信遮断装置がある。
【0024】
各スイッチ13は、同一セグメントのセグメント内ネットワーク14に接続されているLAN要素機器11若しくは機器検出装置12と、クラウドセンタ4との間で授受されるIPパケットなどを交換処理するものである。
【0025】
図1では、1つのセグメント10には、機器検出装置12とスイッチ13とが1つずつ設けられているものを示したが、セグメント内ネットワーク14の構成によっては、機器検出装置12及びスイッチ13の少なくとも一方は複数も受けられていても良い。
【0026】
クラウドセンタ4は、LAN3から見て1つのセンタに見えるものであれば良く、例えば、物理的には複数の拠点に分かれて構成要素が配置されていても良い。なお、センタ(クラウドセンタ4に相当)自体、LAN3に設けられていても良い。また、センタ内の複数のサーバのうち、一部のサーバがLAN3に設けられていても良い。
【0027】
第1の実施形態の機器設定・支援システムは、LAN3における機器検出装置12とクラウドセンタ4とを中心に構成されているものである。
【0028】
クラウドセンタ4は、機能的には、機器情報管理サーバ5及び設定情報管理サーバ6を有する。機器情報管理サーバ5及び設定情報管理サーバ6はそれぞれ、例えば、入出力装置、CPU、HDD等の記憶装置、通信ユニットなどを備える情報処理装置である。例えば、機器情報管理サーバ5及び設定情報管理サーバ6は、物理的には、同一のサーバに構築されたものであっても良く、異なるサーバに構築されたものであっても良い。図1では、機器情報管理サーバ5及び設定情報管理サーバ6が、インターネットや広域ネットワークを介してクラウド上に接続された場合を示しているが、機器情報管理サーバ5及び設定情報管理サーバ6の配置方法は、これに限定されるものではない。機器情報管理サーバ5及び設定情報管理サーバ6はそれぞれ、CPUと、CPUが実行するプログラムとを中心として構成されているが、機能的には、図1に示す内部構成を有する。
【0029】
機器情報管理サーバ5は、機器検出装置12により検知されたLAN要素機器11の情報を取得し、LAN要素機器11ごとに、ドライバインストールや初期設定や設定情報の提示や動作確認の要求など、機器を利用するために必要な各種情報の設定、支援を行うものである。機器情報管理サーバ5は、機能的には、機器情報取得部21、設定情報確認部22及び設定・支援部23を有する。設定情報管理サーバ6は、LAN要素機器11の情報や、LAN要素機器11ごとにインストール、設定などが必要な項目などの情報を管理し、機器情報管理サーバ5からの要求に基づき、これらの情報を提供するものである。設定情報管理サーバ6は、データベースアクセス部31、機器情報データベース32、設定管理情報データベース33及びダウンロード情報データベース34を有する。
【0030】
ダウンロード情報データベース34は、データベースの構成の図示は省略しているが、設定操作のガイダンス情報やアプリケーションなど、設定させる機器にダウンロードさせる情報などを格納しているものである。
【0031】
機器情報データベース32は、全てのLAN要素機器11の情報を管理しているものである。図2は、機器情報データベース32の構成例を示す説明図である。機器情報データベース32には、少なくとも機器名、機種名、MACアドレス、セグメントの情報が格納される。機器情報データベース32には、必要に応じて、それ以外の情報が格納されていても構わない。図2の例では、IPアドレスや、LAN要素機器がどのような状態にあるかを示すステイタス情報(接続中/接続設定済/接続申請中/接続拒否など)が格納されている。ステイタスとセグメントの情報は対となって、複数対が記述されていても良い。これに代え、1つのLAN要素機器11について、セグメントの相違に応じて、複数の行(レコード)を記述するようにしても良い。図2の1行目は、機種名が「LPOKI1」、MACアドレスが「11:11:11:11:11:11」のプリンタは、IPアドレスとして「1:1:1:2」が割り当てられ、セグメント10−1(その識別情報を「NW1」としている)に「接続中」であることを示している。
【0032】
図2は、プリンタに関する機器情報を示しているが、パソコン(PC)等の他のLAN要素機器についても、各行の情報は基本的には同様である。但し、機器の種類(機器名)によって、各フィールド(欄)に書き込む情報を多少変化させるようにしても良い。例えば、パソコンについては、機種名のフィールドに、機種名に代えて、若しくは、機種名に加えてOSの種類やバージョンを記述するようにしても良い。また例えば、ステイタスのフィールドには、収容されているセグメントの変更が可能なものか否かの情報をも記述するようにしても良い(例えば、ノート型パソコンについては変更可能、据え置き型パソコンは変更不可能に記述する)。
【0033】
設定管理情報データベース33は、LAN要素機器11ごとに必要な各種設定の内容などを規定した情報を格納しているものである。図3は、設定管理情報データベース33の構成例を示す説明図である。設定管理情報データベース33は、条件部331と設定・支援実行情報部332とを有する。条件部331は、LAN1に接続されたLAN要素機器11に対して、設定・支援を行う条件を規定している。図3の例では、条件は、機器名、機種名(上述したOSのバージョンのような、同種の機器を機種以外で分類する情報を適用しても良い)、セグメントの組み合わせで規定する。設定・支援実行情報部332には、どのような設定を実行するか、若しくは、どのような設定支援を実行するか、若しくは、どのような動作確認を実行するかなどの情報が記述されている。図3の例では、設定・支援実行情報部332は、設定対象機器名、設定対象機種名、設定項目、設定・支援情報場所情報のフィールドを有する。設定・支援情報場所は、設定操作のガイダンス情報や設定させるアプリケーションを格納している場所の情報(例えば、URLや、ダウンロード情報データベース34における格納エリア若しくは格納されているファイル名など)や、動作確認でアクセスする場所の情報(例えば、URLなど)を記述しているものである。
【0034】
図3の1行目は、パソコン(PC)がLAN3に接続された場合を示している。1行目は、パソコン(PC)がLAN3に接続された場合には、そのパソコンの機種名や接続されたセグメントに関係なく(条件での「空欄」は条件の要素になっていないことを表している)、接続されたパソコン(設定対象機器名及び設定対象機種名が共に接続された機器と同じ機器名が記述されている場合は、接続された機器自体が設定対象となっていることを表している)に対する、部門サーバへのインターネット接続の確認に係る情報(確認時のアクセス先情報)が、設定・支援情報場所に記載のURLのWebページであることを通知することを表している。
【0035】
図3の2行目も、パソコン(PC)がLAN3に接続された場合を示している。2行目は、パソコン(PC)がLAN3に接続された場合には、そのパソコンの機種名や接続されたセグメントに関係なく、接続されたパソコンに対する、Outlook(登録商標)のメール設定に係る情報(ガイダンス情報)が、設定・支援情報場所に記載のURLのWebページに記述されていることを通知することを表している。
【0036】
図3の3行目も、パソコン(PC)がLAN3に接続された場合を示している。3行目は、パソコン(PC)が、識別情報が「NW1」のセグメント10−1に接続された場合には、そのパソコンの機種名に関係なく、機種名が「LPOKI1」のプリンタについてプリンタ設定を行う必要があり、その設定が必要なプリンタのドライバが「PRDR1」(ファイル名)であり、そのドライバ「PRDR1」をパソコンにインストール(ダウンロード)することを表している。
【0037】
設定・支援情報場所に、URLなどのネットワーク上の場所特定情報が記述されている場合は、その場所を接続機器に提示することを意味し、設定・支援情報場所に、ファイル名が記述されている場合は、ダウンロード情報データベース34から該当するファイル情報を取り出してダウンロードすることを意味している。
【0038】
例えば、パソコンにプリンタドライバをインストールしても、そのプリンタのネットワーク上のアドレスをパソコンが取得できなければ該当するプリンタにアクセスすることができない。そのため、設定対象機器名及び設定対象機種名の情報をキーとして、機器情報データベース32からIPアドレスやMACアドレスを取り出し、ドライバと共にアドレス情報も送信するようにすれば良い。
【0039】
あるLAN要素機器11があるセグメント10に接続された際に、設定や設定支援が行われる項目は1つに限られない。図3に示している範囲で言えば、パソコン(PC)が「NW1」のセグメント10−1に接続された場合には、部門サーバへのインターネット接続の確認支援、Outlookのメール設定の設定支援、機種名「LPOKI1」のプリンタ用のドライバのインストール、機種名「LPOKI2」のプリンタ用のドライバのインストールが実行され、一方、パソコン(PC)が「NW2」のセグメント10−2に接続された場合には、部門サーバへのインターネット接続の確認支援、Outlookのメール設定の設定支援、機種名「LPOKI3」のプリンタ用のドライバのインストールが実行される。
【0040】
設定・支援実行情報部332の構成は、図3のものに限定されないことは勿論である。例えば、詳細設定内容というフィールドを設けるようにしても良い。例えば、プリンタドライバをダウンロード(インストール)する際に、ドライバの中の設定が必要な項目(例えば、モノクロ印刷又はカラー印刷)に設定する内容を、詳細設定内容のフィールドに記述しておくようにしても良い。
【0041】
データベースアクセス部31は、機器情報管理サーバ5の要求に応じて、機器情報データベース32、設定管理情報データベース33又はダウンロード情報データベース34をアクセスし、要求された情報を返信するものである。
【0042】
機器情報管理サーバ5の機器情報取得部21は、機器検出装置12により検知されたLAN要素機器11の情報を、機器情報データベース32をも参照しながら取得するものである。
【0043】
設定情報確認部22は、セグメント10に接続されたLAN要素機器11に、設定若しくは設定支援する情報を(設定支援には上述したような動作確認も含まれる)、設定管理情報データベース33を参照して確認するものである。
【0044】
設定・支援部23は、ダウンロード情報データベース34からガイダンス情報やアプリケーション(例えばプリンタドライバ)を取り出してLAN要素機器11にダウンロードしたり、ガイダンス情報やアプリケーションが存在する場所(例えばWebページ)や動作確認時のアクセス先などの場所情報をLAN要素機器11に提供したりするものである。設定・支援部23は、ダウンロードする際には、各種設定を行うため若しくは情報を提示するための設定・支援画面を構築したり、アプリケーションをそのままLAN要素機器11がインストールできるような処理を実行したりするものである。
【0045】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の機器設定・支援システムの動作を説明する。図4は、第1の実施形態の機器設定・支援システムの動作を示すフローチャートである。
【0046】
LAN要素機器11−xy(xは1又は2)が、機器検出装置12−xの監視下にあるセグメント10−xのセグメント内ネットワーク14−xに接続されると、機器検出装置12−xは、LAN要素機器11−xyが新たに接続されたことを検知し、機器名、機種名、MACアドレス、LAN要素機器11−xyが接続されたセグメントの情報などでなる機器情報を機器情報管理サーバ5に送信する。これにより、図4に示す処理が開始される。
【0047】
機器情報管理サーバ5の機器情報取得部21は、機器検出装置12から送られた機器情報を取得し、設定情報管理サーバ6に問合せを行い、検出されたLAN要素機器11−xyの情報が機器情報データベース32に登録されていることを確認する(ステップS101)。
【0048】
設定情報確認部22は、検出されたLAN要素機器11−xyの情報を設定情報管理サーバ6に問い合わせることにより、機器情報データベース32を参照して当該LAN要素機器11−xyのステイタス及びセグメント情報を確認し、新規の接続か否かを判別する(ステップS102)。既に検出されたセグメント10−xに接続された実績のあるLAN要素機器11−xyであったり(そのセグメントに対応するステイタスが接続設定済)、接続申請中あるいは接続拒否されているLAN要素機器11−xyであったりする場合には、図4に示す一連の処理を終了する。
【0049】
これに対して、接続が検出されたLAN要素機器11−xyが、セグメント10−xに初めて接続された機器である場合(機器情報データベース32にそのセグメントとステイタスとの対情報が存在しない場合)には、設定情報確認部22は、設定情報管理サーバ6に問い合わせることにより、LAN要素機器11−xyに環境設定が必要か否かを判別する(ステップS103)。設定情報確認部22は、接続が検出されたLAN要素機器11−xyに係るセグメント情報及び機器情報に基づいて、設定管理情報データベース33の条件部331の条件に合致する設定項目あるか否かに基づいて、LAN要素機器11−xyに環境設定が必要か否かを判別する。
【0050】
接続が検出されたLAN要素機器11−xyが今まで全てのセグメントに接続されたことがないものである場合には、環境設定が必要と判別される。セグメント10−xへの接続が検出されたLAN要素機器11−xyが、過去において、他のセグメント10−zに接続されていた場合には、セグメントに依存しない設定項目については環境設定が不要と判別され、セグメントに依存しない設定項目については環境設定が必要と判別される。例えば、あるパソコンがセグメント10−2(NW2)に過去において接続されて環境設定がなされ、今回、セグメント10−1(NW1)に初めて接続させた場合であって、設定管理情報データベース33が図3に示すような構成であったとする。過去にセグメント10−2(NW2)に接続された際には、セグメントに依存しないインターネット接続設定(1行目)と、メール設定(2行目)と、接続セグメント10−2に依存したプリンタ設定(5行目)とが実行されている。従って、今回のセグメント10−1への新規接続では、インターネット接続設定及びメール設定は不要であり、新規接続のセグメント10−1に依存した2種類のプリンタ設定(3行目及び4行目)だけを行う必要がある。
【0051】
設定情報確認部22がLAN要素機器11−xyに対する環境設定が必要であると判別すると、設定・支援部23は、環境設定の必要性の判別の際に必要と判定された設定管理情報データベース33の設定項目の情報などに基づき、Webブラウザ等で、ユーザが直接インストールや設定や情報の取出しや動作確認を指示できるような設定・支援画面を作成して、接続が検出されたLAN要素機器11−xyに与えて表示させる(ステップS105)。設定・支援部23は、例えば、設定・支援画面の情報として機器名ごとのテンプレート画面を内部記憶しており、設定管理情報データベース33や機器情報データベース32から得た情報を、テンプレート画面の所定領域に書き込むことで、LAN要素機器11−xyに表示させる設定・支援画面を形成させる。
【0052】
図5は、接続が検出されたLAN要素機器11−xyがパソコンの場合においてLAN要素機器11−xyに表示された設定・支援画面の一例を示す説明図である。
【0053】
図5において、タイトル「PC設定ガイド」や、「イベント:新規接続」や、「以上で作業は終了になります。」以降の文章は、テンプレート画面に予め含まれている情報である。「接続機器:Windows」における「Windouws」は、機器情報データベース32から得た情報である。「セグメントグループ:本社」の「本社」は、今回接続されたセグメント10−xに対応付けられた文字列であり、対応テーブルを、設定・支援部23が内蔵している。「インターネット接続の確認」は、設定管理情報データベース33の設定項目から得た情報であり、部門サーバに関するURLは図3の1行目から得た情報であり、当社ホームページに関するURLは図3には具体的に記載されていない行から得た情報である。「メール設定」は、設定管理情報データベース33の設定項目から得た情報であり、Outlookに関するURLは図3の2行目から得た情報である。「プリンタ設定」は、設定管理情報データベース33の設定項目から得た情報であり、機種名「LPOKI3」は図3の5行目の設定対象機器名から得た情報であり、「インストール」アイコンは、図3の5行目の設定・支援情報場所にファイル名が記載されていることで付与されたものである。
【0054】
図5では、「インターネット接続の確認」、「メール設定」、「プリンタ設定」に係る情報を1画面で表示するものを示したが、それぞれ別画面とし、「前画面」や「次画面」アイコンを表示させて、画面を切替えられるようにしても良い。
【0055】
また、図5では、新規の環境設定に係る設定項目だけを含む設定・支援画面を示したが、過去に設定済みで今回設定が不要な設定項目についても、設定済みであることを明らかにして、設定・支援画面に含めるようにしても良い。
【0056】
ユーザが、表示された設定・支援画面を確認し、インストール、設定が必要であれば、画面の指示に従って、インストール若しくは設定を指示し、このような指示を確認した設定・支援部23は、インストール若しくは設定作業を実行する(ステップS106、S107)。例えば、図5の「インストール」アイコンがユーザによってクリックされた場合には、設定・支援部23は、ダウンロード情報データベース34から、ファイル名が「LPOKI3」のプリンタドライバの情報を取り出し、必要に応じて詳細設定(例えば、カラー印刷設定)を行った後、LAN要素機器11−xyに送信してインストールさせる。なお、インストール、設定の是非についてユーザに問い合わせることなく、設定・支援部23が、インストール、設定を自動的に実行させるようにしても良い。
【0057】
あるいは、取得したインストールの手順や設定すべき内容を、図5のような設定ガイドの画面に、あるいは、設定ガイドと並列に別画面に表示するようにし、インストールや設定については、ユーザに手動で行わせるようにしても良い。そのためには、設定支援実行情報格納部の設定支援情報格納部で指定されたURLやファイルの内容を直接、あるいは、テンプレートで展開して画面に設定項目ごとに表示したりすれば良い。
【0058】
最後に、データベースアクセス部31は、機器情報取得部21から与えられた機器情報などに基づいて、機器情報データベース32を更新して、図4に示す一連の処理を終了する(ステップS108)。新たなセグメント10−xに接続されたLAN要素機器11−xyが、全てのセグメントを通して初めて接続された場合には、機器情報データベース32にその機器の情報を追加し、ステイタス情報を「接続中」にする。新たなセグメント10−xに接続されたLAN要素機器11−xyが、他のセグメントに接続されたことがある場合には、機器情報データベース32のその機器の情報における、ステイタス情報及びセグメントの対を追加し(若しくは行自体を追加し)、「接続中」と今回のセグメントの識別情報とを書込み、過去に接続されていた他のセグメントに係るステイタス情報を「接続設定済」に変更する。
【0059】
なお、機器情報データベース32に、設定済みの設定項目を記載する欄を設けておき、この欄に、今回、環境設定した設定項目の情報を書込みようにしても良い。
【0060】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、ユーザがネットワーク環境や機器について十分な知識がなくても、あるセグメントに接続されたLAN要素機器に対して、そのLAN要素機器が該セグメントを介して接続する周辺機器やアプリケーションを利用するために必要なドライバ類や情報をインストールしたり、初期設定を行ったり、操作ガイダンスを提示したりなどの環境設定処理(支援処理を含む)を実行することができる。
【0061】
また、そのLAN要素機器に係る条件(機種名(OSのバージョンであっても良い)や接続セグメント)によって設定する項目を切り替えることができるので、ユーザが意識しなくても、LAN要素機器を利用する環境に合わせた環境設定を行うことができる。例えば、パソコンが、セグメント10−1のエリアにあるときには、セグメント10−1のエリアにあるプリンタ「LPOKI1」及び「LPOKI2」のドライバをインストールすると共にそのプリンタのIPアドレスを設定し、一方、同じパソコンがセグメント10−2のエリアに移動させてネットワークに接続すれば、セグメント10−2のエリアにあるプリンタ「LPOKI3」のドライバをインストールすると共にそのプリンタのIPアドレスを設定する。
【0062】
さらに、第1の実施形態によれば、機器情報及び各種設定管理情報をクラウドセンタ4上(LAN3の外側)に配置することにより、LAN3内の全てのLAN要素機器に対して、同一の基準で周辺機器やアプリケーションの環境設定を行うことができる。また、複数のセグメント間を移動しながら使用される同一機器の情報をまとめて管理することができ、環境設定処理の効率化を図ることができる。
【0063】
第1の実施形態では、セグメントにLAN要素機器が接続されたことを機器検出装置が検知したことをきっかけに環境設定処理が実行されるので、LAN3に接続された全てのLAN要素機器に対して、もれなく、ネットワーク環境、機器の種類や状態に応じた環境設定処理を実行することができる。
【0064】
さらに、セグメントごとに機器情報を管理しているので、LAN3内のいずれかのセグメントに過去に接続され、そのセグメントに属することを条件とした環境設定処理を実施したLAN要素機器であっても、別のセグメントに初めて接続される際には、新しいセグメントに属することを条件とした環境設定処理を実行することができる。その際、先のセグメントの接続の際に実行されたたセグメントに依存しない環境設定処理の情報は引き続き有効であるので、新しく接続されたセグメントについては、そのセグメントに依存する環境設定処理を実行すれば良い。
【0065】
(B)第2の実施形態
次に、本発明による機器設定・支援システム、サーバ及びプログラムの第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。第2の実施形態は、クラウドセンタ上に認証サーバを設置し、機器情報管理サーバからの問合せに応じて認証処理を行うようにしたものである。
【0066】
(B−1)第2の実施形態の構成
図6は、第2の実施形態の機器設定・支援システムを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図であり、第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0067】
第2の実施形態におけるネットワークシステム1Aは、第1の実施形態のネットワークシステムに加えて、クラウドセンタ4Aが認証サーバ7を有する点が、第1の実施形態から大きく異なっている点である。なお、認証サーバ7を設けたことに関連し、機器情報管理サーバ5Aや設定情報管理サーバ6Aも、第1の実施形態のものから多少異なっている。
【0068】
認証サーバ7は、セグメント10に接続されたことを機器検出装置12によって検知されたLAN要素機器11、及び、そのLAN要素機器11のユーザが正規のものであるか否かを判別したり、どのような権限を持つかといった情報を提供したりするものである。認証サーバ7は、認証部41と認証情報データベース42とを備えている。
【0069】
認証情報データベース42は、予めユーザのID(若しくはLAN要素機器11のID)やパスワード、その他任意の情報を登録したものである。認証部41は、IDとパスワードの組などによる機器情報管理サーバ5Aからの問合せ情報を受けて認証処理を行うものである。
【0070】
図7は、認証情報データベース42の構成例を示す説明図である。認証情報データベース42は、利用者IDとパスワードの組み合わせのように認証を行うための情報を格納した認証情報格納部421と、IDと関連付けられたユーザごとの情報を格納するユーザ情報格納部422を備える。図7の例では、ユーザ情報格納部422は、所属情報と職位情報とからなっている。なお、所属情報には現在の所属になった開始日時の情報が含まれており、職位情報には現在の職位になった開始日時の情報が含まれている。このような所属情報及び職位情報は、環境設定を行う設定項目であるかを定める条件の一部となり得るものである。
【0071】
第2の実施形態の機器情報管理サーバ5Aは、機器情報取得部21、設定情報確認部22及び設定・支援部23に加え、認証情報確認部24を有する。
【0072】
認証情報確認部24は、機器検出装置13によってセグメント10への接続が検出されたLAN要素機器11若しくはその機器のユーザの認証に必要な情報の入力を求め、正規のユーザ若しくはLAN要素機器11であるかを認証サーバ7に問い合わせ、認証を実行させるものである。
【0073】
第2の実施形態の設定情報管理サーバ6Aは、設定管理情報データベース33Aの条件部331Aの構成が、第1の実施形態から異なっている。図8は、第2の実施形態の設定管理情報データベース33Aの構成例を示す説明図である。図8に示すように、第2の実施形態の場合、条件部331Aは、機器名、機種名及びセグメントに加え、所属及び職位も条件となり得るようになっている。
【0074】
L1行は、顧客情報管理システムという社内システムについての環境設定は、職位は問わないが営業部の者だけが実行し得ることを表している。また、L2行は、人事情報管理システムという社内システムについての環境設定は、部門は問わないが部長以上の職位の者だけが実行し得ることを表している。図8では省略しているが、同一の設定項目に対して複数の行を設定し、異なる条件を記述するようにしても良い。例えば、プリンタドライバに関し、部長以上の職位の者はカラー印刷及びモノクロ印刷が可能なように環境設定し、課長以下の職位の者はモノクロ印刷だけが可能なように環境設定するように、2つの行を設けるようにしても良い。
【0075】
第2の実施形態の場合、設定情報管理サーバ6Aの機器情報データベース32の「セグメント欄」には、図示は省略するが、そのセグメントに関する環境設定がなされた日時情報とそのときの所属や職位を記述しておく。これは、過去にセグメントに接続していても、部長に昇進した以降ではそのセグメントへの接続が初めてである場合を把握したり、営業部へ所属が変更した以降ではそのセグメントへの接続が初めてである場合を把握したりすることができるようにしたものである。
【0076】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態の機器設定・支援システムの動作を説明する。図9は、第2の実施形態の機器設定・支援システムの動作を示すフローチャートであり、第1の実施形態に係る図5との同一、対応ステップには同一符号を付して示している。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0077】
第2の実施形態では、機器情報管理サーバ5Aの機器情報取得部21が、機器検出装置12から送られた機器情報を取得し、設定情報管理サーバ6Aに問合せを行い、検出されたLAN要素機器11−xyの情報が機器情報データベース32に登録されていることを確認すると(ステップS101)、認証処理が行われ(ステップS151〜S155)、ユーザの入力した認証情報が認証情報データベース42の情報と一致すれば、第1の実施形態と同様の環境設定処理に進み、一致しなければ、接続が拒否される点が、第1の実施形態とは異なっている。
【0078】
機器検出装置12によってセグメント10上にLAN要素機器11の接続が検出され、機器情報取得部21が検出されたLAN要素機器11−xyの情報が機器情報データベース32に登録されていることを確認すると(ステップS101)、認証情報確認部24は、検出されたLAN要素機器12に対して、認証情報(ID及びパスワード)の入力を要求する(ステップS151)。
【0079】
ID及びパスワードが入力されると、認証情報確認部24は、認証サーバ7に、入力されたID及びパスワードが正規のものか否かの確認(認証)を要求する(ステップS152)。認証サーバ7の認証部41は、機器情報管理サーバ5より与えられたID及びパスワードの組と、予め認証情報データベース42に登録されているID及びパスワードの組とを照合し、一致した組情報があるか否かを機器情報管理サーバ5に返信する(ステップS153)。
【0080】
ID及びパスワードが一致する行が認証情報データベース42にあると、認証情報確認部24は、返信された認証情報に関連付けられたユーザ情報を認証情報データベース42のユーザ情報格納部422より取得する。これに対して、ID及びパスワードが一致する行が認証情報データベース42に存在しなければ、認証情報確認部24は、正規のユーザ(若しくはLAN要素機器)ではないと判断し、LAN要素機器11のLAN3への接続を拒否し(無効とし)、図9に示す一連の処理を終了する(ステップS155)。
【0081】
これ以降の処理は概ね第1の実施形態と同様であるが、多少異なっている点もあるので、これ以降の処理も相違点を中心に簡単に説明する。
【0082】
ステップS102の新規の接続か否かの判別では、認証情報データベース42から得たユーザ情報も利用されて判別される。例えば、過去に同一セグメントに接続され、環境設定がなされていても、そのときと、所属情報若しくは職位情報が変更されている場合には、当該セグメントへの接続を新規の接続として扱う。また、ステップS104における環境設定の必要性の有無判別では、ユーザの所属や職位も利用されて判断される。
【0083】
例えば、接続が検出されたLAN要素機器11がパソコン(PC)で、認証されたIDが001の場合には、ユーザの所属が「営業部」であって(図7参照)、設定管理情報データベース33のL1行(図8参照)の条件部331にマッチするので、接続されたパソコンに対して顧客情報管理システムに係る環境設定が実行されることになる。
【0084】
また例えば、接続が検出されたLAN要素機器11がパソコン(PC)で、認証されたIDが002の場合には、ユーザの職位が「部長」であって(図7参照)、設定管理情報データベース33のL2行(図8参照)の条件部331にマッチするので、接続されたパソコンに対して人事情報管理システムに係る環境設定が実行されることになる。
【0085】
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態で言及した効果に加え、以下の効果を奏することができる。
【0086】
第2の実施形態によれば、LAN要素機器の接続時に認証処理を行うことにより、不正なユーザによる接続や不正なLAN要素機器の接続を無効とすることができ、不要な環境設定を未然に防止することができる。
【0087】
また、認証処理時に取得した情報を用いて、ユーザやLAN要素機器ごとに必要な設定項目を定めるようにしたので、認証されたユーザやLAN要素機器に必要な環境設定を実行することができる。例えば、ユーザ属性(所属や職位など)に応じて必要な業務アプリケーションを選択してダウンロードしたり、セグメントへの接続時や操作時の権限を変化させたりすることが可能になる。
【0088】
(C)第3の実施形態
次に、本発明による機器設定・支援システム、サーバ及びプログラムの第3の実施形態を、図面を参照しながら説明する。第3の実施形態は、環境設定が実行されるLAN要素機器とは異なるLAN要素機器に、設定用のガイダンス情報などを提示させるようにしたものである。
【0089】
第3の実施形態の機器設定・支援システムを含むネットワークシステム1Bの構成は、第2の実施形態とほぼ同様であり、図6で表すことができる。但し、認証情報データベース42Bの構成が、第2の実施形態のものと異なっており、また、設定・支援部23の処理も、第2の実施形態のものから多少異なっている。
【0090】
図10は、第3の実施形態における認証情報データベース42Bの構成例を示す説明図である。認証情報データベース42Bは、認証情報格納部421及びユーザ情報格納部422に加え、提示機器情報格納部423を有する。提示機器情報格納部423は、セグメントと機器特定情報(例えば、MACアドレスを利用する)との組を、セグメントの数だけ有する。現在対象となっているユーザが、そのセグメントにいる場合に利用頻度が高い情報処理装置に該当するLAN要素機器の機器特定情報がセグメントと組をなしている。なお、1つのセグメントに複数の機器特定情報を対応付け、最初の方に記述されているものほど優先度を高くなっていることとしても良い。
【0091】
第3の実施形態の設定・支援部23Bは、環境設定の設定項目が、セグメント10に接続されたLAN要素機器11自体に対するインストールや設定自体の場合には(図9のステップ107参照)、接続されたLAN要素機器11自体に対して環境設定動作を行い、環境設定の設定項目が、セグメント10に接続されたLAN要素機器11のインストールや設定のためのガイダンス情報などの情報提示の場合には(図9のステップ109)、今回接続されたセグメントと認証されたユーザ情報とから定まる提示機器情報を認証情報データベース42Bから取り出し、提示機器情報が示している同一セグメント内の別のLAN要素機器に、情報を提示する設定・支援画面を送信する。
【0092】
第3の実施形態によれば、上述した第2の実施形態で言及した効果に加え、以下の効果を奏することができる。
【0093】
環境設定のための操作用のガイダンス情報が設定対象のLAN要素機器に表示された場合には、ガイダンス情報画面と設定用画面とを頻繁に切り替えながらユーザは環境設定を実行することになる。この第3の実施形態によれば、環境設定のためのガイダンス情報画面が、設定対象のLAN要素機器とは異なるLAN要素機器に表示されるため、設定対象のLAN要素機器には設定用画面を常時表示させた状態で、他のLAN要素機器に表示されたガイダンス情報画面から設定手順を取得して環境設定を実行でき、環境設定を効率的に実行することができるようになる。例えば、タブレット端末に対する環境設定を、パソコンに表示された設定手順に従って実行することができる。
【0094】
(D)他の実施形態
上記各実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
【0095】
上記各実施形態では、環境設定を実行する際の条件が、機器名、機種名(OS(バージョンによっても異なる)の相違を含む)、セグメント、所属、職位等で定まるものを示したが、条件を規定するパラメータはこれらに限定されるものではない。例えば、LAN要素機器のスペック(例えば、パソコンであればCPU動作速度)を、条件を規定するパラメータとして用いるようにしても良い。
【0096】
上記各実施形態では、機器情報管理サーバ5、設定情報管理サーバ6、認証サーバ7が専用的に構築されているイメージで説明したが、汎用的なサーバに、機器情報管理サーバ用プログラム、設定情報管理サーバ用プログラム、認証サーバ用プログラムをインストールして、機器情報管理サーバ5、設定情報管理サーバ6、認証サーバ7を実現するようにしても良い。上述のプログラムを汎用的サーバにインストールする方法は、記録媒体からのインストールであっても良く、他の装置からのダウンロードによるインストールであっても良い。
【0097】
設定・支援部(23、23B)が実行する環境設定(支援を含む)は、一般的なインストールや設定に限らず、利用申請システムへの申請処理や、資産管理システムへの登録処理など、LAN要素機器を、セグメントに接続することによって発生する各種処理を含むものであっても良い。特許請求の範囲では、このような広範囲の設定や設定支援などを「環境設定」と呼んでいる。
【0098】
上記各実施形態で説明したデータベースの構成例はあくまでも例であり、他の欄(フィールド)を有していても良い。例えば、認証情報データベース42に、機器情報を格納し、LAN要素機器とユーザとを関係付けるようにしても良く、認証日時などを格納し、後で確認できるようにしても良い。また、上述した1つのデータベースを、リンクしている複数のデータベースに分けて用いるようにしても良い。
【0099】
上記LAN3を区分する単位がセグメントという1段階であるものを示したが、区分を階層化するようにしても良い。例えば、セグメントを複数のサブセグメントに分割し、セグメントだけでなく、サブセグメントを単位として条件を指定できるようにしても良い(例えば、機器検出装置はサブセグメント単位に配置する)。例えば、同一セグメントに1つのスキャナと複数のプリンタがあり、パソコンが設定対象となった場合には、スキャナについてはサブセグメントに依存せずに環境設定を行い、プリンタについては接続されたサブセグメントによって環境設定を行うプリンタを定めるようにしても良い。
【0100】
上記第2又は第3の実施形態では、機器設定・支援システム用に設けられた認証サーバが認証を行うものを示したが、ネットワークシステムやLANが既に有する認証サーバなどの認証構成を、機器設定・支援システムにおける認証で利用するようにしても良い。
【符号の説明】
【0101】
1、1A、1B…ネットワークシステム、3…LAN、4、4A…クラウドセンタ、5、5A…機器情報管理サーバ、6、6A…設定情報管理サーバ、7、7B…認証サーバ、10−1、10−2…セグメント(ネットワークセグメント)、11−11〜11−13、11−21〜11−23…LAN要素機器、12−1、12−2…機器検出装置、13−1、13−2…スイッチ、21…機器情報取得部、22…設定情報確認部、23…設定・支援部、24…認証情報確認部、31…データベースアクセス部、32…機器情報データベース、33、33A…設定管理情報データベース、34…ダウンロード情報データベース、41…認証部、42…認証情報データベース。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の単位ネットワークのうち、いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対し、設定支援を適宜含む環境設定を行う機器設定・支援システムであって、
自己が管轄する単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器を検出する、上記単位ネットワークごとに設けられた機器検出手段と、
いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対して環境設定を行う機器設定・支援サーバとを備え、
上記機器設定・支援サーバは、
過去に環境設定がなされたネットワーク接続機器の情報を格納している機器情報記憶手段と、
ネットワーク接続機器毎に、ある環境設定項目の環境設定を行う条件と、実行する環境設定の具体的情報とを格納している設定管理情報記憶手段と、
いずれかの上記機器検出手段から、接続が検出された上記ネットワーク接続機器の機器情報が与えられたとき、そのネットワーク接続機器に関する過去の環境設定情報を、上記機器情報記憶手段を参照して把握し、上記設定管理情報記憶手段に格納されている条件のうち、接続が検出された上記ネットワーク接続機器に関して満たす条件が存在するか否かを判別し、満たす条件がある場合に、その条件に対応する環境設定の具体的情報を得て、環境設定を実行する設定・支援制御実行手段とを有する
ことを特徴とする機器設定・支援システム。
【請求項2】
ネットワーク接続機器の接続が検出された単位ネットワークが、どの単位ネットワークであるかが、ある環境設定項目の環境設定を行う条件を規定する1つのパラメータとして適用されていることを特徴とする請求項1に記載の機器設定・支援システム。
【請求項3】
上記機器設定・支援サーバは、
認証用の情報を格納している認証情報記憶手段と、
いずれかの上記機器検出手段から、接続が検出された上記ネットワーク接続機器から認証用の情報を取り込み、上記認証情報記憶手段に格納されている情報との照合で認証を行う認証手段とをさらに有し、
上記設定・支援制御実行手段は、上記認証手段の認証結果がOKのときに機能するものである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の機器設定・支援システム。
【請求項4】
上記機器設定・支援サーバの少なくとも一部をクラウド上に配置し、クラウド上に配置された部分が、上記各単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器との情報授受を、インターネットを介して行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機器設定・支援システム。
【請求項5】
1又は複数の単位ネットワークのうち、いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対し、設定支援を適宜含む環境設定を行う機器設定・支援サーバであって、
過去に環境設定がなされたネットワーク接続機器の情報を格納している機器情報記憶手段と、
ネットワーク接続機器毎に、ある環境設定項目の環境設定を行う条件と、実行する環境設定の具体的情報とを格納している設定管理情報記憶手段と、
単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器を検出する単位ネットワークごとに設けられた機器検出手段のいずれかから、接続が検出された上記ネットワーク接続機器の機器情報が与えられたとき、そのネットワーク接続機器に関する過去の環境設定情報を、上記機器情報記憶手段を参照して把握し、上記設定管理情報記憶手段に格納されている条件のうち、接続が検出された上記ネットワーク接続機器に関して満たす条件が存在するか否かを判別し、満たす条件がある場合に、その条件に対応する環境設定の具体的情報を得て、環境設定を実行する設定・支援制御実行手段と
を有することを特徴とする機器設定・支援サーバ。
【請求項6】
1又は複数の単位ネットワークのうち、いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対し、設定支援を適宜含む環境設定を行う機器設定・支援サーバに搭載されたコンピュータを、
過去に環境設定がなされたネットワーク接続機器の情報を格納している機器情報記憶手段と、
ネットワーク接続機器毎に、ある環境設定項目の環境設定を行う条件と、実行する環境設定の具体的情報とを格納している設定管理情報記憶手段と、
単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器を検出する単位ネットワークごとに設けられた機器検出手段のいずれかから、接続が検出された上記ネットワーク接続機器の機器情報が与えられたとき、そのネットワーク接続機器に関する過去の環境設定情報を、上記機器情報記憶手段を参照して把握し、上記設定管理情報記憶手段に格納されている条件のうち、接続が検出された上記ネットワーク接続機器に関して満たす条件が存在するか否かを判別し、満たす条件がある場合に、その条件に対応する環境設定の具体的情報を得て、環境設定を実行する設定・支援制御実行手段と
して機能させることを特徴とする機器設定・支援プログラム。
【請求項1】
1又は複数の単位ネットワークのうち、いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対し、設定支援を適宜含む環境設定を行う機器設定・支援システムであって、
自己が管轄する単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器を検出する、上記単位ネットワークごとに設けられた機器検出手段と、
いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対して環境設定を行う機器設定・支援サーバとを備え、
上記機器設定・支援サーバは、
過去に環境設定がなされたネットワーク接続機器の情報を格納している機器情報記憶手段と、
ネットワーク接続機器毎に、ある環境設定項目の環境設定を行う条件と、実行する環境設定の具体的情報とを格納している設定管理情報記憶手段と、
いずれかの上記機器検出手段から、接続が検出された上記ネットワーク接続機器の機器情報が与えられたとき、そのネットワーク接続機器に関する過去の環境設定情報を、上記機器情報記憶手段を参照して把握し、上記設定管理情報記憶手段に格納されている条件のうち、接続が検出された上記ネットワーク接続機器に関して満たす条件が存在するか否かを判別し、満たす条件がある場合に、その条件に対応する環境設定の具体的情報を得て、環境設定を実行する設定・支援制御実行手段とを有する
ことを特徴とする機器設定・支援システム。
【請求項2】
ネットワーク接続機器の接続が検出された単位ネットワークが、どの単位ネットワークであるかが、ある環境設定項目の環境設定を行う条件を規定する1つのパラメータとして適用されていることを特徴とする請求項1に記載の機器設定・支援システム。
【請求項3】
上記機器設定・支援サーバは、
認証用の情報を格納している認証情報記憶手段と、
いずれかの上記機器検出手段から、接続が検出された上記ネットワーク接続機器から認証用の情報を取り込み、上記認証情報記憶手段に格納されている情報との照合で認証を行う認証手段とをさらに有し、
上記設定・支援制御実行手段は、上記認証手段の認証結果がOKのときに機能するものである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の機器設定・支援システム。
【請求項4】
上記機器設定・支援サーバの少なくとも一部をクラウド上に配置し、クラウド上に配置された部分が、上記各単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器との情報授受を、インターネットを介して行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機器設定・支援システム。
【請求項5】
1又は複数の単位ネットワークのうち、いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対し、設定支援を適宜含む環境設定を行う機器設定・支援サーバであって、
過去に環境設定がなされたネットワーク接続機器の情報を格納している機器情報記憶手段と、
ネットワーク接続機器毎に、ある環境設定項目の環境設定を行う条件と、実行する環境設定の具体的情報とを格納している設定管理情報記憶手段と、
単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器を検出する単位ネットワークごとに設けられた機器検出手段のいずれかから、接続が検出された上記ネットワーク接続機器の機器情報が与えられたとき、そのネットワーク接続機器に関する過去の環境設定情報を、上記機器情報記憶手段を参照して把握し、上記設定管理情報記憶手段に格納されている条件のうち、接続が検出された上記ネットワーク接続機器に関して満たす条件が存在するか否かを判別し、満たす条件がある場合に、その条件に対応する環境設定の具体的情報を得て、環境設定を実行する設定・支援制御実行手段と
を有することを特徴とする機器設定・支援サーバ。
【請求項6】
1又は複数の単位ネットワークのうち、いずれかの上記単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器に対し、設定支援を適宜含む環境設定を行う機器設定・支援サーバに搭載されたコンピュータを、
過去に環境設定がなされたネットワーク接続機器の情報を格納している機器情報記憶手段と、
ネットワーク接続機器毎に、ある環境設定項目の環境設定を行う条件と、実行する環境設定の具体的情報とを格納している設定管理情報記憶手段と、
単位ネットワークに接続されたネットワーク接続機器を検出する単位ネットワークごとに設けられた機器検出手段のいずれかから、接続が検出された上記ネットワーク接続機器の機器情報が与えられたとき、そのネットワーク接続機器に関する過去の環境設定情報を、上記機器情報記憶手段を参照して把握し、上記設定管理情報記憶手段に格納されている条件のうち、接続が検出された上記ネットワーク接続機器に関して満たす条件が存在するか否かを判別し、満たす条件がある場合に、その条件に対応する環境設定の具体的情報を得て、環境設定を実行する設定・支援制御実行手段と
して機能させることを特徴とする機器設定・支援プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−105205(P2013−105205A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246750(P2011−246750)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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