説明

機械的循環補助システムのための一体型電源を持つ携帯用コントローラ

機械的循環補助システム用の携帯用外部装置が、第一電源及び第二電源例えばバッテリと、埋込み血液ポンプの冗長的無中断作動のための制御電子部品とを備える。制御・電源モジュールは、患者の利便性及び快適性のための装着できる様々な構成に対応するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的循環補助システムのための一体型電源を持つ携帯用コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
概して、心不全は、多数の人々に影響を及ぼす主要な公共的健康問題である。心臓移植は、これまで心不全を治療するための最も効果的な治療の1つであった。しかし、移植は、長期的免疫抑制治療による合併症、同種移植冠状動脈疾患並びに限られた数のドナー器官によって限定される可能性がある。
機械的循環補助(MCS)システムは、完全人工心臓(TAH)も補助人工心臓(VAD)も、心不全患者のための心臓移植の役割を増大する又はこれに取って代わるために、研究されてきた。VADとしては、左心室補助装置(LVAD)、右心室補助装置(RVAD)又は両室補助装置(bi−VAD)が考えられる。概して、VADは、心不全患者に心臓移植までのつなぎとして又は心臓移植からの回復のため並びに心臓移植の長期的代替治療を含めて治療を与えるために採用される。
【0003】
TAH及びVADは、供給源から血液を受け取って血液を患者体内の1つ又はそれ以上の目的部位へ送り出すために患者に接続された血液ポンプ装置である。例えば、LVADは、患者の心房又は心室から血液を受け取って、血液を大動脈へ送り込む。一方、RVADは、心房又は心室から血液を受け取って、これを肺動脈へ送り込む。概して、MCSは、例えば、1本又はそれ以上の経皮ケーブルによって例えば血液ポンプを含む内部要素に接続された制御電子部品及び電源など外部要素を含む。MCSを受け入れた後に患者が通常の活動を再開する時、患者が装着するMCS装置の設計及び形態は、患者の安全性及び快適さの重要な側面となる。
【発明の概要】
【0004】
概して、本明細書において説明する技法は、コントローラと一体的な電源からの電力供給を受ける埋込み可能ポンプを制御するコントローラを含む機械的循環補助システムのための携帯用外部装置に関する。1つの実施例において、機械的循環補助(MCS)システム用の携帯用外部装置は、複数の電源と1つの電力管理モジュールとを含む。電源の少なくとも1つは、埋込み可能ポンプへ電力供給するように構成される。電力管理モジュールは、電源の1つ又はそれ以上の特性又は携帯用外部装置又は埋込み可能ポンプの作動特性の少なくとも1つに基づいて、電源の1つ又はそれ以上を起動するように構成される。
【0005】
別の実施例において、機械的循環補助システムは、埋込み可能ポンプと、携帯用外部装置とを含む。携帯用外部装置は、複数の電源(少なくともその1つは、埋込み可能ポンプへ電力供給するように構成される)と、電源の1つ又はそれ以上の特性又は携帯用外部装置又は埋込み可能ポンプの作動特性の少なくとも1つに基づいて電源の1つ又はそれ以上を起動するように構成された電力管理モジュールと、を含む。
【0006】
1つ又はそれ以上の実施例の詳細を、添付図面及び下の説明に示す。本開示による実施例のその他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面及び請求項から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】携帯用外部制御・電源モジュールを含む左心室補助装置(LVAD)の実施例を示す概念図である。
【図2A】図1の制御・電源モジュールの実施例を示す立面図である。
【図2B】図1の制御・電源モジュールの実施例を示す立面図である。
【図2C】図1の制御・電源モジュールの実施例を示す立面図である。
【図2D】図1の制御・電源モジュールの実施例を示す平面図である。
【図2E】図1の制御・電源モジュールの実施例を示す平面図である。
【図3】図2A〜2Eの制御・電源モジュールの実施例の分解図である。
【図4A】図2A〜3の制御・電源モジュールの実施例のバッテリ解除ラッチの斜視図である。
【図4B】図2A〜3の制御・電源モジュールの実施例のバッテリ解除ラッチの斜視図である。
【図4C】本開示による制御・電源モジュールと一緒に採用できる別のバッテリ解除ラッチ機構を示す。
【図4D】本開示による制御・電源モジュールと一緒に採用できる別のバッテリ解除ラッチ機構を示す。
【図4E】本開示による制御・電源モジュールと一緒に採用できる別のバッテリ解除ラッチ機構を示す。
【図4F】本開示による制御・電源モジュールと一緒に採用できる別のバッテリ解除ラッチ機構を示す。
【図4G】本開示による制御・電源モジュールと一緒に採用できる別のバッテリ解除ラッチ機構を示す。
【図4H】本開示による制御・電源モジュールと一緒に採用できる別のバッテリ解除ラッチ機構を示す。
【図5】本開示による制御・電源モジュールの実施例を示す機能ブロック図である。
【図6】図5の制御・電源モジュールの電源の状態を使用者に連絡する際のプロセスを表す状態図である。
【図7A】図5の制御・電源モジュールのユーザーインターフェイスの実施例の要素と関連付けられた機能を示す。
【図7B】図5の制御・電源モジュールのユーザーインターフェイスの実施例の要素と関連付けられた機能を示す。
【図8】図5の制御・電源モジュールのユーザーインターフェイスの実施例の要素と関連付けられた機能を示す。
【図9A】図5の制御・電源モジュールのユーザーインターフェイスの実施例の要素と関連付けられた機能を示す。
【図9B】図5の制御・電源モジュールのユーザーインターフェイスの実施例の要素と関連付けられた機能を示す。
【図9C】図5の制御・電源モジュールのユーザーインターフェイスの実施例の要素と関連付けられた機能を示す。
【図10A】図5の制御・電源モジュールのユーザーインターフェイスの実施例の要素と関連付けられた機能を示す。
【図10B】図5の制御・電源モジュールのユーザーインターフェイスの実施例の要素と関連付けられた機能を示す。
【図11】図5の制御・電源モジュールのパワージャンクションの実施例の回路網を示す回路図である。
【図12】図5の制御・電源モジュールの充電器142の実施例の回路網を示す回路図である。
【図13A】本開示による制御・電源モジュールと一緒に採用できる別のバッテリ解除ラッチ機構を示す。
【図13B】本開示による制御・電源モジュールと一緒に採用できる別のバッテリ解除ラッチ機構を示す。
【図14A】本開示による制御・電源モジュールと一緒に採用できる別のバッテリ解除ラッチ機構を示す。
【図14B】本開示による制御・電源モジュールと一緒に採用できる別のバッテリ解除ラッチ機構を示す。
【図14C】本開示による制御・電源モジュールと一緒に採用できる別のバッテリ解除ラッチ機構を示す。
【図14D】本開示による制御・電源モジュールと一緒に採用できる別のバッテリ解除ラッチ機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、切開16を介してケーブル18及び延長ケーブル19によって埋込みポンプ14に経皮的に接続された携帯用制御・電源モジュール12を含む左心室補助装置(LVAD)10の実施例を示す概念図である。制御・電源モジュール12は、ハウジング22と、内蔵バッテリ(図3及び5)と、着脱式バッテリ24(図1)とを含む。また、制御・電源モジュール12は、コネクタ26及びユーザーインターフェイス50を含む。ユーザーインターフェイス50は、ディスプレイ画面52及び入力ボタン54並びに図2Bを参照して下に説明するその他の多数の要素を含む。
【0009】
下記の実施例においてより詳細に説明するように、制御・電源モジュール12は、埋込みポンプ12を制御するためのコントローラを含む、機械的循環補助システムのための携帯用外部装置である。埋込みポンプは、コントローラと一体的な電源によって電力供給される。制御・電源モジュールの実施例の電源は、制御・電源モジュールのハウジング22に着脱式に接続された着脱式バッテリ24と、ハウジング内に配置された内蔵予備バッテリ(図3及び5)とを含む。制御・電源モジュール12は、例えば図1において患者20の腰に巻かれたベルトに装着するなど、患者20が装着できる様々な形態に対応するサイズに作られる。
【0010】
ケーブル18は、制御・電源モジュール12とポンプを接続して、外部モジュールと埋込みポンプとの間で電力及びその他の信号を通信する。図1の実施例において、延長ケーブル19は、コネクタ26を介してケーブル18を制御・電源モジュール12に接続する。延長ケーブル19は、様々な長さに製作でき、これを用いて、患者20の身体に制御・電源モジュール12を装着する際の融通性を改良できる。1つの実施例において、ケーブルが多様な長さを持てるように、延長ケーブル19自体が伸縮性である。例えば、延長ケーブル19は、コイル状であり、コイル状延長ケーブルを伸ばして巻きを解くことによって、多様な長さをとる。別の例において、制御・電源モジュール12は、1つの機構を持ち、これから延長ケーブル19の巻きを伸ばしかつこれへ巻き戻して、延長ケーブルに多様な長さを持たせることができる。
【0011】
また、制御・電源モジュール12は、ポンプ14、着脱式バッテリ24、内蔵バッテリ(図3及び5)及びユーザーインターフェイス50を含めてLVAD10の各種の要素の作動を制御するように構成された制御電子部品(図1に図示せず)を含む。上述のように、ユーザーインターフェイス50は、ディスプレイ画面52と入力ボタン54とを含む。ディスプレイ画面52は、液晶ディスプレイ(LCD)、ドットマトリックスディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、タッチスクリーン、又は使用者へ情報を送りかつ(又は)使用者から情報を受け取ることができるその他の装置を含めて、多様なタイプのディスプレイを含むことができる。ディスプレイ52は、1つ又はそれ以上の色でテキスト及び図形情報を提供するように構成できる。例えば、ディスプレイ52は、制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリの充電状態を表示し、かつアラームに応答して措置を講じるための指示を含むアラームを使用者へ提示するように構成できる。制御・電源モジュール12の1つの実施例において、入力ボタン54は、使用者が実際にボタン又は制御・電源モジュールのその他の部分に触れることなく使用者からの入力を表示するように構成された非接触式容量性センサである。
【0012】
LVAD10のポンプ14は、図1の実施例に示すように、患者の腹腔を含めて患者20の体内に外科的に埋め込める。他の例においては、ポンプ14は、患者20体内の他の部位に埋め込める。ポンプ14は、引入れカニューレ(inlet cannula)32及び送出カニューレ(outlet cannula)34によって患者20の心臓30に接続される。図1のLVADの実施例において、引入れカニューレ32は、心臓30の左心室36(LV)からポンプ14へ血液を送る。送出カニューレ34は、ポンプ14から患者20の大動脈38へ血液を送る。ポンプ14は、生体適合性材料から又は生体適合性材料で形成された剛性ハウジング又は体液による腐食及び劣化に耐えるコーティングを含む。適切な生体適合性材料の例は、チタン及び生物学的不活性ポリマーを含む。ポンプ14は、ポンプの中へ血液を引き込みかつポンプから血液を放出できる様々なタイプの容積式機構を含むことができる。例えば、ポンプ14は、遠心インペラ、蠕動ポンプ、電磁気ピストン、軸流タービンポンプ、磁気軸受けロータリーポンプ、空圧排水ポンプ又はLVAD10など埋込み装置に使用するのに適するその他の容積式機構の1つを含むことができる。
【0013】
図1の実施例において、補助人工心臓10は、患者20の心臓30の左心室36(LV)を補助するものとして図示される。しかし、他の例において、開示する技法は、例えば、右心室補助装置(RVAD)において右心室40を補助し、両室補助装置(BiVAD)において両心室を補助するように構成できる他のタイプの機械的循環補助(MCS)システムに採用できる。従って、概略的に、血液の供給源例えばLVを補助対象心室として説明し、制御・電源モジュールによって送られる与圧血液の目的地点を動脈として指示できる。
【0014】
再び図1を参照すると、引入れカニューレ32及び送出カニューレ34の各々は、それぞれ左心室36及び大動脈38まで延びる可撓性チューブから形成できる。引入れカニューレ32及び送出カニューレ34は、血流を確立し維持するように、例えば縫合によってそれぞれ左心室36及び大動脈38の組織に付着できる。カニューレは、縫合リング42、44を含めてこの付着技法に適する構造体を含むことができる。上記のLVAD、RVAD又はBiVAD形態のいずれにおいても、引入れカニューレ32は、補助対象心室(1つ又は2つ)に吻合されるのに対して、送出カニューレ34は対応する補助対象の動脈に吻合される。補助動脈は、左心室補助の場合には典型的には大動脈38であり、右心室補助の場合には、典型的には肺動脈46である。
【0015】
図2A〜Eは、図1の制御・電源モジュール12の実施形態例を示す平面図及び立面図である。図2Aは、制御・電源モジュール12の実施例の前面図である。図2B及び2Cは、それぞれ、制御・電源モジュール12の左立面図及び右立面図である。図2D及び2Eは、それぞれ、制御・電源モジュール12の上面図及び底面図である。制御・電源モジュール12は、ハウジング22と、ユーザーインターフェイス50と、ポンプケーブルポート60と、外部電源ポート62と、バッテリ解除ボタン64及び66と、着脱式バッテリベイドア68を含む。ユーザーインターフェイス50は、ディスプレイ画面52と入力ボタン54、並びに図2Bに示す消音ボタン70と状態指示子72及び74とを含む。
【0016】
制御・電源モジュール12は、コントローラと一体的な電源によって電力供給される埋込みポンプ12を制御するためのコントローラを含み、図1に示すように患者の腰の周りに巻きつけたベルトに装着するなど、患者20のために多様な装着可能な形態に対応するサイズに作られる。1つの実施例において、制御・電源モジュール12及び特にハウジング22は、患者20の融通性及び利便性を容易にするサイズにモジュールを維持するための明確なサイズ及び重量目標に合わせて製作される。例えば、制御・電源モジュール12のハウジング22は、約100ミリ〜約140ミリメートルの長さL、約60ミリ〜約90ミリメートルの幅W及び約20ミリ〜約40ミリメートルの奥行きDで製作できる。制御・電源モジュール12は、また、装置の全体体積に基づいてサイズを定めることができる。例えば、制御・電源モジュール12のハウジング22は、約120立方センチ〜約504立方センチメートルの体積を持つように製作できる。1つの実施例において、明確なサイズの目標値に加えて又はその代わりに、制御・電源モジュール12は、目標重量を持つことができる。例えば、制御・電源モジュールは、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ(図2A〜Eには図示せず)を含めて、約0.4キロ〜約0.8キログラムの重量を持つように製作できる。
【0017】
制御・電源モジュール12のサイズ及び重量は、少なくとも部分的に、ハウジング22、ディスプレイ52、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ並びに装置のハウジング内に配置された制御電子部品を含めて装置を構成する要素に依存する。1つの例において、制御・電源モジュール12の電子部品は、例えば、1つ又はそれ以上のプロセッサ、メモリ、遠隔計測器、充電回路網、スピーカ及び電力管理回路網を含むことができる。いずれの場合にも、例えばディスプレイ52、状態指示子72及び74及び装置の内部電子部品を含めて制御・電源モジュールの内部要素のサイズ及び重量は、要素へ電力供給するために必要なエネルギーに比例する可能性がある。従って、制御・電源モジュール12の電子部品の所要エネルギーを減少することは、バッテリ寿命を延長するのに役立つだけでなく、装置のサイズ及び重量も減少できる。
【0018】
ポンプ及びコントローラの電子部品の電力消費に関する上記の検証を考慮して、1つの実施例において、制御・電源モジュール12は、制御・電源モジュールの電子部品によって消費される電力対埋込みポンプ14(図1)によって消費される電力の比率が目標値にほぼ等しいように構成できる。比較として、先行技術のいくつかの外部VADコントローラの場合、コントローラの電子部品によって消費される電力対コントローラに接続されたポンプによって消費される電力の比率は約1/2である。制御・電源モジュール12の1つの実施例において、制御・電源モジュールの電子部品が消費する電力対埋込みポンプ14(図1)によって消費される電力の比率は約4/20に等しい。制御・電源モジュール12の別の実施例において、制御電源モジュールの電子部品によって消費される電力対埋込みポンプ14(図1)によって消費される電力の比率は、約1/100に等しい。比較として、先行技術のいくつかの外部VADコントローラ(本開示による実施例よりかなり大きい可能性がある)の場合、コントローラの電子部品によって消費される電力対コントローラに接続されたポンプによって消費される電力の比率は、約1/2程度である。
【0019】
別の実施例において、制御・電源モジュール12は、制御・電源モジュールの電子部品によって消費される電力が目標値に等しいように構成できる。例えば、制御・電源モジュール12の電子部品は、約0.25〜約1.25ワットの電力を消費するように構成できる。
【0020】
図2A〜2Eの制御・電源モジュール12の実施例は、ディスプレイ画面52と入力ボタン54と消音ボタン70と状態指示子72及び74とを含むユーザーインターフェイス50を含む。ディスプレイ画面52は、多様なタイプのディスプレイを含むことができ、1つ又はそれ以上の色でテキスト及び図形情報を提示するように構成できる。1つの実施例において、入力ボタン54は、使用者が実際にボタン又は制御・電源モジュールの他の部分に触れることなく使用者からの入力を表示するように構成された非接触式容量性センサである。1つの実施例において、入力ボタン54は非接触性センサを含むが、ボタンは、ハウジング22の凹部76に配置され、ディスプレイ52上で情報を検索する又はディスプレイ上で情報を見るためにボタンを使用する使用者に触覚的フィードバックを与えるか、又は制御・電源モジュール12と対話できる。1つの実施例において、入力ボタン54は、例えば、ディスプレイ52上に表示された現行機能及びコンテキストに基づいて制御・電源モジュール12上で様々な機能を実行するように構成されたソフトキーである。この実施例においては、ソフトキーとして作動するボタン54に関連付けられる現行機能は、ディスプレイ52上でボタンの各々のすぐ上にラベルとして提示できる。1つの実施例において、入力ボタン54は、制御・電源モジュール12と対話するための2つの主要な機能に一致する。例えば、入力ボタン54の1つは、「ホーム」ボタンとして機能し、使用者によって起動されると、ユーザーインターフェイス50のディスプレイ52上に提示されるデフォルト画面へナビゲートする。さらに、この種の実施例において、入力ボタン54の他の1つは、「ネクスト」ボタンとして機能して、使用者によって起動されると、ユーザーインターフェイス50のディスプレイ52上に提示できる一連の可能な画面の次の画面へ切り替える。
【0021】
図2Eに示すように、制御・電源モジュール12のユーザーインターフェイス50は、消音ボタン70及び状態指示子72及び74も含む。1つの実施例において、消音ボタン70は、押されると、制御・電源モジュール12のスピーカによって発せられる可聴警報を消音するように構成できる。消音ボタン70は、1つの実施例において、単に警報を一時的に消音して、例えば、患者20が、制御・電源モジュール12のスピーカによって発せられた警報によって悩まされる可能性のある他の人と公共の場所に居られるようにする。1つの実施例において、状態指示子72及び74は、制御・電源モジュール12及び/又は埋込みポンプ14の作動状態を表示する電球付き例えばLED電球付きウィンドウである。例えば、状態指示子72は、制御・電源モジュール12及び/又は埋込みポンプ14が誤作動なく正常に作動していることを示すために点灯できる。他方、状態指示子74は、制御・電源モジュール12及び/又は埋込みポンプ14の誤作動又はその他の処置可能な状態を示す1つ又はそれ以上のアラーム状態を示すために点灯できる。例えば、状態指示子74は、閾値充電レベルの又はこれより低い制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24及び/又は内蔵バッテリの状態を示すために点灯される。いくつかの実施例において、状態指示子74は、異なる深刻さのレベルの着脱式バッテリ及び/又は内蔵バッテリのアラーム状態を示すために異なる色で点灯することを含めて、制御・電源モジュール12及び/又は埋込みポンプ14の様々な状態を示すために様々に点灯できる。
【0022】
図2A〜2Eの制御・電源モジュールの実施例は、ポンプケーブルポート60、外部電源ポート62、及びバッテリ解除ボタン64及び66も含む。ポンプケーブルポート60は、ポンプケーブル18又は延長ケーブル19を直接又は図1に示すようにコネクタ26を介して受け入れるように構成できる。外部電源ポート62は、制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24及び/又は内蔵バッテリを充電するように構成された1つ又はそれ以上のタイプの外部電源アダプタ例えばAC/DC又はDC/DCアダプタを受け入れるように構成できる。
【0023】
図3及び4を参照して下にさらに詳細に説明するように、制御・電源モジュール12は、ハウジング22から着脱式バッテリ24を外すように構成されたラッチを含む。1つの実施例において、制御・電源モジュールのバッテリ解除ラッチは、少なくとも2つの独立した動作によってハウジング22から着脱式バッテリ24を外すために作動するように構成できる。図2A〜2Eにおいて、制御・電源モジュール12のバッテリ解除ラッチは、バッテリ解除ボタン64及び66を含む。1つの実施例において、バッテリ解除ボタン64及び66は、ハウジング22からの着脱式バッテリ24の取外しを阻止するロック位置へ付勢され、ロック解除位置へ押されると同時にハウジングから取り外すために第一電源を解除するように構成される。図2A〜2Eの制御・電源モジュール12の実施例において、バッテリ解除ボタン64は、ハウジング22の右側面(図2A〜2Eの視点から)に配置され、バッテリ解除ボタン66はハウジング22の対向する左側面に配置されて、2つのボタンは、相互にほぼ反対方向に押されるように構成される。
【0024】
図3は、図2A〜2Eの制御・電源モジュール12の実施例の分解図である。制御・電源モジュール12の実施例は、ハウジング22と、着脱式バテッリ24と、内蔵バッテリ80と、ユーザーインターフェイス50と、ポンプケーブルポート60と、外部電源ポート62と、バッテリ解除ラッチ82と、回路基板84、86及び88と、スピーカ90とを含む。ハウジング22は、前面シールド22a、側面及び裏面シールド22b、上面キャップ22c、主回路基板用バッキング22d、状態指示子用バッキング22e及び状態指示子用ベゼル22fを含めた多数のピースを含む。図3に示すように、着脱式バッテリ24は、制御・電源モジュール12の裏面の一部を形成する。制御・電源モジュール12のハウジング22は、前面シールド22a、側面及び裏面シールド22b、上面キャップ22c、主回路基板用バッキング22d、状態指示子用バッキング22e及び状態指示子用ベゼル22fの1つ又はそれ以上を含めて、アクリロニトリロブタジエンスチレン(ABS)、ポリビニルシロキサン(PVS)、シリコンを含むプラスチック、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、銅を含む金属、カーボンファイバー、ガラス及びセラミックを含む複合体を含めて、様々な材料から製作できる。いくつかの実施例において、ハウジング22の様々な部分は、前面シールド22a、側面及び裏面シールド22b、上面キャップ22c、主回路基板用バッキング22d、状態指示子用バッキング22e及び状態指示子用ベゼル22fを含めて、同一の材料から製作できる。別の例において、ハウジング22の異なる部分は、前面シールド22a、側面及び裏面シールド22b、上面キャップ22c、主回路基板用バッキング22d、状態指示子用バッキング22e、及び状態指示子用ベゼル22fを含めて、異なる材料で製作できる。
【0025】
1つの実施例において、ハウジングの前面シールド22aは、ユーザーインターフェイス50のディスプレイ52を部分的又は完全に取り囲む金属性ベゼルを含むことができる。金属性ベゼルは、例えばアルミニウム、銅及びその合金を含めて様々な熱伝導性材料から製作できる。ハウジング22の前面シールド22aの金属性ベゼルは、回路基板84、86及び88の1つ又はそれ以上並びに内蔵バッテリ80及び/又は着脱式バッテリによって発せられた熱の熱伝導性を与えるように構成できる。1つの実施例において、前面シールド22aの金属性ベゼルは、ユーザーインターフェイス50に関連する回路基板86によって発せられた熱を低下させるように構成される。例えばシールドと回路基板との間に配置された熱伝導性パッド、注封材料又はサーマルグリースを使用して、前面シールド22aの金属部分を回路基板86に熱結合させて、2つの要素の間の熱伝導を増大できる。前面シールド22aと同様に、指示子用ベゼル22fは、1つの実施例において、回路基板88によって発せられた熱の熱伝導性を与えるように構成できる。この例において、指示子用ベゼル22fは、アルミニウム、銅及びその合金を含めて様々な熱伝導性材料から製作でき、例えばシールドと回路基板との間に配置された熱伝導性パッド、注封材料又はサーマルグリースを使用して、回路基板88に熱結合させて、2つの要素の間の熱伝導を増大できる。
【0026】
制御・電源モジュールのユーザーインターフェイス50は、ディスプレイ52と、入力ボタン54と、消音ボタン70と状態指示子72及び74とを含む。バッテリ解除ラッチ82は、ベース92と、右プッシュボタン64及び左プッシュボタン66と、及び右背板94及び左背板96とを含む。制御電源モジュール12は、主回路基板84、ディスプレイ用回路基板及び状態指示子用回路基板88を含めて多数の回路基板を含み、その1つ又はそれ以上は、相互に接続できる。1つの実施例において、主回路基板84は、プロセッサ、メモリ、遠隔計測、充電及び電源管理電子部品を含めて、制御・電源モジュール12用の主制御電子部品を含む。ディスプレイ用回路基板86は、入力ボタン54を含み、ディスプレイ52の機能に関連するその他の電子部品を含むことができる。さらに、状態指示子用回路基板88は、消音ボタン70及び状態指示子72及び74に関連する多数の電子部品を含むことができる。
【0027】
図3において、主回路基板用バッキング22dは、前面シールド22aに接続されて、主回路基板84を固定し、かつポンプケーブルポート60及び外部電源ポート62を上面キャップ22cと一緒に固定するのに役立つように構成される。主回路基板84は、上面キャップ22cと主回路基板バッキング22dとの間に配置される。ポンプケーブルポート60及び外部電力ポート62は、上面キャップ22c及び主回路基板バッキング22dの開口部に受け入れられる。状態指示子回路基板用バッキング22eは、前面シールド22aに接続され、状態指示子回路基板88を制御・電源モジュール12のハウジング22に固定するように構成される。状態指示子回路基板88はバッキング22eに接続できる。消音ボタン70及び状態指示子72及び74の各々は、ベゼル22fに受け入れられるように構成されたユーザーインターフェイス要素及び状態指示子回路基板88上の電子部品によって構成される。図3の実施例において、消音ボタン70は、ベゼル22fの開口部に受け入れられるプッシュボタンと、指示子回路基板88上の接触又は非接触式センサとを含む。図3の実施例において、状態指示子72及び74は、各々、ベゼル22fの対応する開口部に受け入れられるように構成されたレンズと、状態指示子回路基板88上の発光体例えばLEDとを含む。状態指示子回路基板88及び消音ボタン72のプッシュボタン及び指示子72及び74のレンズは、主回路基板用バッキング22eとベゼル22fとの間に配置される。
【0028】
シールド22bの側面は、制御・電源モジュール12のハウジング22の前面シールド22aの側面と噛み合って、この上に重なるように構成される。側面及び裏面シールド22bは、開口部98及び100を含む。開口部98は、ベゼル22fを受け入れるように構成される。開口部100は、バッテリ解除ラッチ82のボタン64及び66を受け入れて、前面シールド22aの対応する開口部102と整列するように構成される。図3にはこのうち1つのみを図示する。着脱式バッテリ24は、ハウジング22に接続され、バッテリ解除ラッチ82によって外されるように構成される。特に、着脱式バッテリ24のタブ104は、前面シールド22a上のレール106に受け入れられるように構成されて、バッテリは、バッテリ解除ラッチ82を介して制御・電源モジュール12のハウジング22とのロック接続位置へ又はロック接続位置からスライドできる。ディスプレイ52、入力ボタン54を含むディスプレイ回路基板86、スピーカ90、内蔵バッテリ80及びバッテリ解除ラッチ82は、制御・電源モジュールのハウジング22内で着脱式バッテリ24の上方に配置されるように構成される。バッテリ解除ラッチ82のベース92は、前面シールド22aに締結されて、右プッシュボタン64及び左プッシュボタン66及び背板94及び96をスライド式に受け入れるように構成される。ディスプレイ52は、概して、前面シールド22aのウィンドウと整列し、ディスプレイ回路基板86上の入力ボタン54は、概して制御・電源モジュール12のハウジング22の前面シールドの陥凹部76と整列する。
【0029】
いくつかの実施例において、制御・電源モジュール12は、ハウジング22の中への又はハウジングからの1つ又はそれ以上の物質の出入から装置の各種要素を保護するための様々な防水技法及び機構を採用できる。1つの実施例において、着脱式バッテリ24は、例えばマルチピン接続体を用いて回路基板84、86及び88と電気的に結合できる。マルチピン接続体は、ガスケットを使用して、バッテリ24と制御・電源モジュール12の内部要素との間の解除可能接続部をハウジング22への物質の進入からシールする。このガスケットは、圧縮性ポリマー又はゴムなどエラストマーを含めて様々な材料から製作できる。1つの実施例において、ハウジングの1つ又はそれ以上の部品例えば、前面シールド22a、側面及び裏面シールド22b、上面キャップ22cの1つ又はそれ以上を気密封止できる。例えば、前面シールド22a、側面及び裏面シールド22b、上面キャップ22cを、ガスケット、超音波溶接又は接着剤によって接続して、閉鎖ハウジング22を形成できる。
【0030】
1つの実施例において、スピーカ90は、例えば接着剤で、制御・電源モジュール12のハウジング22の前面シールド22a内面に締結するように構成された圧電スピーカである。圧電スピーカは、機械的隔膜に結合された圧電結晶を含むことができる。音響は、結晶に電気信号を交互に与え除くことによって生成される。結晶は、結晶の表面を横切って与えられた電圧に比例して機械的隔膜を屈曲及び屈曲解除することによって反応する。比較的高い振動数で機械的隔膜を屈曲及び屈曲解除する作用は、隔膜に振動を生じ、これが可聴音響例えば約150Hz〜約4kHzの周波数の音響を発する。
【0031】
いくつかの実施例において、ハウジング22の一部は、スピーカ90と一緒に作用して、スピーカが発する音響の振幅を効果的に増大するように構成できる。例えば、スピーカ90が接続されるハウジング22の前面シールド22aの部分の形状を、シールドがスピーカの振動に反応して共鳴する形状及びサイズにすることができる。例えば、スピーカ90が接続されるハウジング22の前面シールド22aの部分を、ハウジングとスピーカの組立体の固有周波数がスピーカの作動範囲内の目標周波数に変調される形状及びサイズに作ることができる。特定の周波数で作動するようにスピーカ90を制御することは、スピーカと前面シールド22aの一部が共鳴するようにし、それによって、スピーカが発する音響の振幅を効果的に増大できるようにする。1つの実施例において、スピーカ90は、概して1000Hzを超えるとより良く機能する圧電スピーカを含む。従って、スピーカ90が取り付けられる前面シールド22aの部分とスピーカの組立体の固有周波数は1000Hz超えに変調できる。
【0032】
制御・電源モジュールのハウジングの特定の共鳴周波数への変調は、多数の解析的、数値的及び実験的方法によって実現できる。1つの実施例において、制御・電源モジュールのハウジングの共鳴周波数は、ハウジングの形状及び材料特性に関する起点を測定するための薄い弾性プレートに関する理論を用いて解析的に変調できる。別の実施例において、制御・電源モジュールのハウジングの共鳴周波数は、異なるモデル化形状の振動特性をシミュレートするための有限要素解析(FEA)モデリングを用いて数値的に変調できる。さらに、クラドニパターンなど多数のプロセス及び技法を採用して、ハウジングとスピーカの固有周波数を実験的に改良できる。
【0033】
図3の実施例は2つのスピーカ90を含むが、他の実施例は、可聴音響例えば制御・電源モジュールの使用者に対するアラームを発するように構成されたもっと多くの又は少ないスピーカを含むことができる。1つの実施例において、本開示による制御・電源モジュールは、1つのスピーカを含む。別の実施例において、本開示による制御・電源モジュールは、4つのスピーカを含む。
【0034】
図4A及び4Bは、制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24及びバッテリ解除ラッチ82の斜視図である。着脱式バッテリ24は、バッテリ解除ラッチ82のキャッチ108に係合して制御・電源モジュール12のハウジング22の中にバッテリをロックするように構成されたストッパ106を含む。バッテリ解除ラッチ82は、ベース92、右プッシュボタン64及び左プッシュボタン66、右背板94及び左背板96、キャッチ108及びばね110を含む。
【0035】
図4A及び4Bにおいて、フランジ112及び114は、それぞれプッシュボタン64及び66から突出して、それぞれベース92の溝116及び118に受け入れられる。背板94及び96も、溝116及び118に受け入れられ、それぞれプッシュボタン64及び66をバッテリ解除ラッチ82のベース92にスライド可能に接続するようにフランジ112及び114に締結される。ばね110は、ベース92の溝116及び118の面と、接続されたフランジ112及び114及び背板94及び96との間に配置される。ばね110は、制御・電源モジュール12のハウジング22からのバッテリ24の取外しを阻止するロック位置へプッシュボタン64及び66を付勢するよう機能できる。図4A及び4Bの実施例において、ばね110は、横方向外向きに、概して着脱式バッテリ24の外面から離れる対向する方向へプッシュボタン64及び66を付勢するように構成されるので、キャッチ108は、着脱式バッテリ24上のストッパ106に係合して、制御・電源モジュール12のハウジング22からバッテリが外れるのを阻止する。バッテリ24を制御・電源モジュール12のハウジング22から取り外す際は、キャッチ108が着脱式バッテリ24上のストッパ106との係合から外れるように、横方向内向きに、概して着脱式バッテリ24の内部へ向かって対向する方向へ両方のプッシュボタン64及び66を押す。1つの実施例において、制御・電源モジュール12は、バッテリ24用に第二の機械的ラッチ機構を持つように構成できる。例えば、バッテリ24は、摩擦嵌合によって制御・電源モジュール12のハウジング22の中へ受け入れられて、バッテリをハウジングから外すためには、使用者は、閾値の力例えば0.453キログラム(1ポンド)の力を加えなければならない。
【0036】
図2A〜4を参照して上に説明した制御・電源モジュール12の実施例は、プッシュボタン64及び66を含むバッテリ解除ラッチ82を含むが、本開示による別の実施例においては、ラッチは、制御・電源モジュールから着脱式バッテリを外すために2つの独立した動作を要求する別の機構によって起動できる。本開示による1つの実施例において、少なくとも2つの独立した動作によって作動され、制御・電源モジュールのハウジングから着脱式電源を外すように構成されたバッテリ解除ラッチは、溝と、溝の第一端へ向ってロック位置へ付勢されるポストとを含むことができる。ロック位置は、ハウジングからの電源の取外しを阻止する。この実施例において、ポストは、制御・電源モジュールのハウジングから着脱式電源を外すロック解除位置へ、溝の第二端へ向かって少なくとも2つの方向へ押されるように、構成できる。図4C〜4Hは、本開示による制御・電源モジュールに採用できる別のラッチ機構を示す。図4C〜4Hの各実施例において、制御・電源モジュールは、それぞれのラッチ機構の実施例によってハウジングから外しかつハウジングにロックできる着脱式バッテリを含む。さらに、図示する実施例において着脱式バッテリを制御・電源モジュールから取り外す際の方向は、各図において矢印Rで示される。
【0037】
図4Cは、バッテリ解除ラッチ122を含む制御・電源モジュールの斜視図である。バッテリ解除ラッチ122は、パドル122aと、2つのフランジ122b(そのうち1つのみを図4Cに示す)と、回動心122cとカム122dとを含む。図4Cにおいて、パドル122a及びフランジ122bは、回動心122cにおいて制御・電源モジュールに回動可能に接続される。カム122dは、パドル122bから内向きに延びる突起部である。ラッチ122は、パドル122aを制御・電源モジュールから離れるように回転させることによって作動できる。これによって、フランジ122bが回動心122cの周りで回転する。フランジ122bは、カム122dを回転させる。カムは、着脱式バッテリの溝内に受け入れられる。回転するカム122dは、着脱式バッテリを押すので、バッテリは下向きに押されて、制御・電源モジュールとの係合から外れる。バッテリ又は新しい又は交換用着脱式バッテリが図4Cの制御・電源モジュールに再び差し込まれた時、バッテリの溝は、カム122dと係合し、パドル122aを回転させると(それにより、フランジ122bを回転させる)、カムがバッテリをハウジングの中へ引っ張って、バッテリを所定の場所にロックする。ラッチ122の1つの実施例において、パドル122aを制御・電源モジュールのハウジングに取外し可能に固定して、ラッチの不注意による作動を防止できる。例えば、小型の永久磁石によってパドル122aをハウジングに保持できる。
【0038】
図4Dは、バッテリ解除ラッチ124を含む制御・電源モジュールの斜視図である。バッテリ解除ラッチ124は、パドル124aと、2つのフランジ124b(図4Cには一方のみ図示する)と、回転心124cと、ポスト124dとを含む。各フランジ124bは、2つのランディング122e、122fを含み、ランディングは、着脱式バッテリが図4Dの制御・電源モジュールから取り外される時及びこれの中へロックされる時、ポストと係合するように構成される。図4Dにおいて、パドル124a及びフランジ124bは、回動心124cにおいて制御・電源モジュールの着脱式バッテリに回動可能に接続される。ポスト124dは、制御・電源モジュールのハウジングから突出する。ラッチ124は、制御・電源モジュールから離れるようにパドル124aを回転させることによって作動できる。これによって、フランジ124bが回動心124cの周りで回転する。フランジ124bは、解除ランディング124fがポスト124dに係合するまで回転する。パドル124a及びフランジ124bが回転し続けると、ランディング124fは、ポスト124bを圧して、ラッチ及び着脱式バッテリを制御・電源モジュールのハウジングから外す。バッテリ又は新しい又は交換用着脱式バッテリを図4Dの制御・電源モジュールの中へ再び差し込む時、ランディング124fがポスト124dと係合するまで、バッテリ及びラッチ124をハウジングの中へ押し込むことができる。その後、ロックランディング124eがポスト124dと係合するまでパドル124a及びフランジ124bを回転できる。パドル124a及びフランジ124bが回転し続けると、ランディング124eは、ポスト124dを圧し、これによって、ラッチ及び着脱式バッテリは引き込まれて、制御・電源モジュールのハウジングにロックされる。ラッチ124の1つの実施例において、パドル124aを制御・電源モジュールのハウジングに取外し可能に固定して、ラックの不注意による作動を防止できる。例えば、小型永久磁石によってパドル124aをハウジングに保持できる。
【0039】
図4Eは、バッテリ解除ラッチ126を含む制御・電源モジュールの斜視図である。図4Eの制御・電源モジュールは、相互に回動可能に接続された2つの半体を含む二枚貝設計を持つ。バッテリ解除ラッチ126は、2つのボタン126aと2つのクリップ126bとを含む。図4Eにおいて、ボタン126a及びクリップ126bは、制御・電源モジュールのハウジングに接続される。ボタン126aは、クリップ126bを移動させて図4Eの制御・電源モジュールの二枚貝形ハウジングの他方の半体のキャッチと係合させるように及びこれから外すように構成される。ラッチ126は、両方のボタン126aを同時に押して、両方のクリップ126bを移動させて二枚貝形ハウジングの他方の半体のそれぞれのキャッチとの係合から外すことによって作動できる。1つの実施例において、クリップ126bと反対側のハウジング半体の内面は、クリップを受け入れるように構成されたスロットを含むことができる。
【0040】
図4Fは、バッテリ解除ラッチ128を含む制御・電源モジュールの斜視図である。バッテリ解除ラッチ128は、2つのボタン128aと2つのクリップ128bとを含む。図4Fにおいて、ボタン128a及びクリップ128bは、制御・電源モジュールのハウジングに接続される。ボタン128aは、クリップ128bを移動させて図4Eの制御・電源モジュールのハウジングのキャップ128cのキャッチと係合させるように及びこれから外すように構成される。ラッチ128は、両方のボタン128aを同時に押して、両方のクリップを移動させてハウジングのキャップ128cのそれぞれのキャッチとの係合から外すことによって作動できる。1つの実施例において、ハウジングのキャップ128cの内面は、クリップを受け入れるように構成されたスロットを含むことができる。
【0041】
図4G及び4Hは、バッテリ解除ラッチ129を含む制御・電源モジュールの斜視図である。バッテリ解除ラッチ129は、ノブ129aと、回動心129bと溝129cとを含む。図4G及び4Hにおいて、ノブ129aは、回動心129bにおいて制御・電源モジュールのハウジングに回動可能に接続される。図4G及び4Hの制御・電源モジュールの着脱式バッテリは、バッテリの一方の端から突出して溝129cに受け入れられるように構成されたポストを含む。ラッチ129は、回動心129cの周りでノブ129aを回転させることによってバッテリを外すように作動できる。1つの実施例において、ノブ129aは、回動心129bの周りで約180度回転される。溝129cは、ノブ129aが回転されると、バッテリから突出するポストを押圧して、バッテリをハウジングから上向きに徐々に外すように構成される。ノブ129aを完全に例えば180度回転させた後、バッテリのポストを溝129cから外して、バッテリを制御・電源モジュールのハウジングから外すことができる。
【0042】
図5は、制御・電源モジュール12の実施例の要素を示す機能ブロック図であり、制御・電源モジュールは、着脱式バッテリ24と、内蔵バッテリ90と、コネクタ26を介して延長ケーブル19に接続されたポンプケーブルポート60と、外部電源ポート62と、スピーカ90と、様々な電子部品とを含む。制御・電源モジュール12の電子部品は、第一プロセッサ130と、第二プロセッサ132と、メモリ134と、第一遠隔計測モジュール136と、第二遠隔計測モジュール138と、電力管理モジュール140と、充電器142及び充電器スイッチ144と、パワージャンクション146と、パワーブリッジ148とを含む。制御・電源モジュール12は、患者20又は臨床医など介護者に対するアラームなど可聴音響を発するための、ドライバ150によって駆動されるスピーカ90を含む。図5の実施例に示すように、制御・電源モジュール12は、動作センサ又は光センサなどを含めて1つ又はそれ以上のセンサ152も含むことができる。1つの実施例において、センサ152は、現在の環境光条件に基づいてユーザーインターフェイス50のディスプレイ52のコントラスト及び/又は明度を自動的に調節するように構成された環境光センサを含む。
【0043】
制御・電源モジュール12は、1つの着脱式バッテリ24を一次電源として使用し、着脱式バッテリ24の再充電時に制御・電源モジュールの作動をつなぐための予備として内蔵バッテリ80を使用することによって、VADの要素例えば埋込みポンプ14へ中断無しに電力供給するように構成される。内蔵バッテリ80は、装置の正常の作動時に使用者が取り外して交換するように構成されないという意味で、制御・電源モジュール12に非着脱式に接続できる。いくつかの例において、例えば装置を分解し、装置の内蔵回路網から内蔵バッテリを切断することによって、当然、内蔵バッテリを制御・電源モジュール12から取り外すことができる。1つの実施例において、制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の一方又は両方は、例えば充電式リチウムイオン(Li−ion)、リチウムポリマー(Lipoly)、ニッケル水素(NiMH)又はニッケルカドミウム(NiCd)電池を含むことができる。1つの実施例において、着脱式バッテリ24は、充電式リチウムイオン(Li−ion)、ニッケル水素(NiMH)又はニッケルカドミウム(NiCd)電池を含み、内蔵バッテリ80はリチウムポリマー(Lipoly)電池を含む。
【0044】
制御・電源モジュール12は、冗長性及び連続的作動のために2つの電源を採用する。一次電源は着脱式バッテリ24であり、例えば別個の充電ステーションを用いてバッテリを再充電するために取り外すことができる。内蔵バッテリ80は、概して非着脱式であり、いくつかの実施例においては、着脱式バッテリあるいは外部電源によって充電できる。制御・電源モジュール12は、一次電源として着脱式バッテリ24を含むものとして説明されるが、モジュールは、アダプタ、すなわちDC又はAC電源用の外部電源ポート62も含む。ポート62を介して制御・電源モジュール12に接続された外部電源は、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80を充電する機能を果たすだけでなく、装置の電源としても機能できる。1つの実施例において、制御・電源モジュール12は、装置の要素並びに例えば埋込みポンプ14へ電力供給するために着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の両方に対して優先してこの種の外部電源を採用できる。
【0045】
本開示による実施例において、第三電源として外部電源を制御・電源モジュール12に接続するのに加えて、着脱式バッテリ24を、例えば交流(AC)又は直流(DC)電源を含めて外部電源と交換できる。この実施例において、着脱式バッテリ24は、外部電源を接続できるアダプタを含むことができる。図5の実施例に図解する形態の別の例として、患者20が充電と充電の間の運転時間を着脱式バッテリ24の場合より長くしたい場合、制御・電源モジュール12は、装置に接続された拡大着脱式バッテリを持つように構成できる。1つの実施例において、拡大着脱式バッテリは、着脱式バッテリ24の2倍の容量を含むことができるが、バッテリ24より著しく大きくなる可能性がある。いずれにしてもこの種の拡大着脱式バッテリは、ポート62を介して又は着脱式バッテリ24上のポートを介して制御・電源モジュール12に接続できる。
【0046】
再び図5を参照すると、着脱式バッテリ24及び予備の内蔵バッテリ80は、充電と充電の間に同じ又は異なる運転寿命を持つように構成できる。さらに、着脱式バッテリ24及び予備内蔵バッテリ80は、交換を必要とする前に同じ数又は異なる数の充電サイクルに定格できる。1つの実施例において、着脱式バッテリ24は、約4時間〜約8時間、再充電なしに作動するように構成される。別の実施例において、着脱式バッテリ24は、約6時間再充電なしで作動するように構成される。1つの実施例において、内蔵バッテリ80は、約30分〜約2時間、再充電なしで作動するように構成される。1つの実施例において、内蔵バッテリ80は、約1時間再充電なしで作動するように構成される。より小型の内蔵バッテリ80を制御・電源モジュール12に採用すると、2つの普通サイズの外部バッテリ及び機械的バッテリロック機構の必要性をなくすことによって、装置のサイズ、複雑性及びコストを小さくするのに役立つ。
【0047】
1つの実施例において、着脱式バッテリ24は、直列の4つの電池及び並列の2つの電池を持つ4S2Pバッテリである。着脱式バッテリ24は、交換を必要とする前に約500〜約1000回の再充電サイクルで作動するように構成された3アンペア−時(Ah)、14.4ボルトのバッテリを含むことができる。約500〜1000再充電サイクルの着脱式バッテリ24の作動寿命は、1つの実施例において約1年に等しい。1つの実施例において、内蔵バッテリ80は、直列の4つの電池及び並列の1つの電池を持つ4S1Pバッテリである。内蔵バッテリ80は、交換を必要とする前に約500再充電サイクルの間作動するように構成された100ミリアンペア−時(mAh)、14.4ボルトのバッテリを含むことができる。上述のように、本開示に従って実施例において、内蔵バッテリ80は、装置の通常の作動時に使用者が取り外して交換するように構成されないと言う意味で、制御・電源モジュール12に非着脱式に接続できる。しかし、内蔵バッテリ80は、例えばバッテリ充電を保持できなくなった後にこれを交換するために、例えば、装置を分解し、装置の内蔵回路網から内蔵バッテリを切断することによって、制御・電源モジュール12から取り外すことができる。
【0048】
制御・電源モジュール12は、電力管理モジュールを含む。管理モジュールは、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア要素として組み込むことができる。1つの実施例において、電力管理モジュール140は、メモリ134に記憶され、制御・電源モジュール12の第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132の一方又は両方によって実行される1つ又はそれ以上のアルゴリズムである。いずれの場合も、電力管理モジュール140は、制御・電源モジュール12の電源の充電を管理し、装置の異なる作動様式の下でどの電源がどの要素へ電力供給するかを管理して、例えばインターフェイス50の1つ又はそれ以上の要素を介して使用者へ電源の状態を知らせるように構成できる。
【0049】
図5の制御・電源モジュール12の1つの実施例において、電源管理モジュール140は、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の充電を管理する。例えば、電力管理モジュール150は、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の一方又は両方を選択的に充電するように充電器142及び充電器スイッチ144の作動を制御できる。上述のように、制御・電源モジュール12は、第三外部電源を装置に接続するための外部電源ポート62を含む。制御・電源モジュール12の全て又はいくつかの要素へ電力供給するために第三電源が採用される実施例において、装置は、融通性のあるオンボード型充電技法を採用して、装置に接続したまま着脱式バッテリ24及び/又は内蔵バッテリ80を充電する可能性を使用者に与えることができる。第三電源としては、付加的外部バッテリあるいは例えばDC又はAC外部電源など別の外部電源が考えられる。
【0050】
1つの実施例において、充電器スイッチ144は、一連の電界効果トランジスタ(FET)を含むか、又は他のスイッチは、制御・電源モジュール12のメモリ134に記憶され電力管理モジュール140によって実行される1つ又はそれ以上のアルゴリズムが、所定の時点で及びモジュール12の所定の作動状態において着脱式バッテリ24又は内蔵バッテリ80のいずれが充電されるかを制御できるようにする。さらに、1つの実施例において、電力管理モジュール140は、制御・電源モジュール12の充電器142及び充電器スイッチ144を制御して、着脱式バッテリ24あるいは好ましくはポート62を介して接続された第三外部電源を選択して装置の他の電源を充電するために採用できる。制御・電源モジュール12の充電器142及び充電器スイッチ144に関連する要素については、図12の回路の例を参照して、下に詳細に説明する。1つの実施例において、制御・電源モジュール12のどの電源を充電するかを制御するために電力管理モジュール140によって実行される同じ又は異なるアルゴリズムが、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80及びポート62を介して接続される場合には第三外部電源の状態に基づいてバッテリ充電プロフィールも制御できる。
【0051】
VAD又は他のMCSに使用される際、電力は、制御・電源モジュール12によって主に着脱式バッテリ24から埋込みポンプ14へ供給される。バッテリ24が空になり、取り外して再充電する必要がある場合、又は着脱式バッテリが故障した場合、制御・電源モジュール12の電力管理モジュール140は、内蔵バッテリ80又はポート62を介して装置に接続された外部電源へ自動的に切り替えることができる。電力管理モジュール140は、図5の実施例において、パワージャンクション146を介して制御・電源モジュール12に関連する電源のこの多重化を実行する。
【0052】
1つの実施例において、パワージャンクション146は、着脱式バッテリ24、内蔵バッテリ80及びポート62を介して制御・電源モジュール12に接続される場合には第三外部電源に接続された、多数の理想ダイオードを含むことができる。パワージャンクションのこのような実施例の理想ダイオードは、制御・電源モジュール12に接続された最大電圧の電源を自動的に選択するように構成できる。しかし、制御・電源モジュール12のいくつかの例において、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80は、ほぼ同じ電圧で作動するように構成できる。この例の場合、着脱式バッテリ24の少量の放電が着脱式バッテリの作動電圧を内蔵バッテリ80より下に低下させる可能性があり、これによって、干渉無しでは、着脱式バッテリを少量使用しただけで、パワー-ジャンクションの理想ダイオードは内蔵バッテリを選択することになる。従って、1つの実施例において、理想ダイオードの他に、パワージャンクション146は、電力管理モジュール140によって制御されたスイッチを含むことができる。スイッチは、いくつかの条件の下でダイオードに優先して機能して、制御・電源モジュール12の要素及び埋込みポンプ14へ電力供給するために内蔵バッテリ80に優先して着脱式バッテリ24を選択できる。
【0053】
電力管理モジュール140は、パワージャンクション146のスイッチを制御して、着脱式バッテリが閾値充電レベルまで枯渇するまでは、電力供給するために着脱式バッテリ24を選択できる。閾値レベルにおいて、電力管理モジュール140は、例えばスイッチを非作動化して、パワージャンクション146の理想ダイオードが内蔵バッテリ80を選択できるようにする。1つの実施例において、外部電源がポート62を介して装置に接続されている場合には、電力管理モジュール140は、パワージャンクション146と一緒に、制御・電源モジュール12の要素及び埋込みポンプ14へ電力供給するために着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80に優先して外部電源を選択するように構成できる。1つの実施例において、電源管理モジュール140は、パワージャンクション146と一緒に、着脱式バッテリ24又は内蔵バッテリ80の充電レベルに関係なく外部電源を選択するように構成できる。パワージャンクション146の付加的な詳細については、図11の回路網の実施例を参照して下に詳細に説明する。
【0054】
パワージャンクション146の特定の形態に関係なく、電力管理モジュールは、制御・電源モジュールに接続された電源を監視して、装置の作動条件次第で電源の1つを選択的に起動できる。例えば、電力管理モジュール140は、着脱式バッテリ24、内蔵バッテリ80及び外部電源のどれが制御・電源モジュール12に接続されているか監視して、接続された電源のどれをモジュール140の要素並びに埋込みポンプ14へ電力供給するために使用すべきかを決定できる。さらに、電力管理モジュール140は、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80を監視して、バッテリに残留する充電レベルに基づいてバッテリの1つを選択的に起動できる。例えば、着脱式バッテリ24が使用されている時、予備の内蔵バッテリ80を電力管理モジュール140によって周期的にテストして、内蔵バッテリの充電レベルを測定できる。着脱式バッテリ24が閾値充電レベルより下まで低下した場合、電力管理モジュール140は、内蔵バッテリ80を起動できる。ただし、いくつかの実施例において、内蔵バッテリに少なくとも閾値充電量が残っていることを条件とする。
【0055】
電力管理モジュール140は、単独で又はパワージャンクション146と一緒に、電源によって提供される電圧及び電源に残留する充電レベル以外の理由に基づいて、モジュール12の電源の1つを選択的に起動するように構成できる。例えば、電源管理モジュール140は、特定の所要電力のソース及び振幅に基づいて着脱式バッテリ24又は内蔵バッテリ80の1つを選択的に起動するように構成できる。上述のように、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80は、リチウムイオン(Li−ion)、リチウムポリマー(Lipoly)、ニッケル水素(NiMH)又はニッケルカドミウム(NiCd)を含めて様々な化学的性質を持つ充電式バッテリを含むことができる。特定の化学的性質を含む着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の他に、制御・電源モジュール12の各バッテリは、特定の性能特性を持つように構成できる。いくつかの実施例において、性能特性に基づいて、電力管理モジュール140は、バッテリの1つを選択的に起動できる。
【0056】
本開示による1つの実施例において、制御・電源モジュール13又は本開示による別の同様の装置は、1つのエネルギー密度の高い電源及び1つの出力密度の高い電源を含む。例えば、制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24は、エネルギー密度の高い電源であり、内蔵バッテリ80は出力密度の高い電源である。別の実施例において、制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24は出力密度の高い電源であり、内蔵バッテリ80は、エネルギー密度の高い電源である。エネルギー密度の高い電源としては、電源が提供できる単位体積当たりのエネルギー総量を最大化するように設計された電源が考えられる。充電式バッテリの場合、エネルギー密度の高い電源として、充電と充電の間に電源が提供できる単位体積当たりのエネルギー総量を最大化するように設計されたバッテリが考えられる。一方、出力密度の高い電源として、例えば大きな電力負荷に対処するために、所定の時点に電源が提供できる単位体積当たりの出力を最大化するよう設計された電源が考えられる。
【0057】
1つの実施例において、制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24は、約455〜約600ワット時/リットル(W−hr/L)のエネルギー密度を含むエネルギー密度の高い電源である。1つの実施例において、内蔵バッテリ80は、約700ワット/リットル(W/L)〜約6キロワット/リットル(kW/L)の出力密度を含む出力密度の高い電源である。制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24がエネルギー密度の高い電源であり、内蔵バッテリ80が出力密度の高い電源である1つの実施例において、電力管理モジュール140は、特定の所要電力の振幅に基づいて着脱式バッテリ24又は内蔵バッテリ80の1つを選択的に起動するように構成できる。例えば、埋込みポンプ14は、一時的にポンプによって引き出される電力に大きなスパイクを生じる過渡的作動条件を持つ可能性がある。1つの実施例において、埋込みポンプ14を始動することは、定常的なポンプの運転より著しく大きな量の電力を引き出す。例えば、始動は約50ワットを引き出すのに対して、定常運転は約5ワットを引き出す。別の実施例において、患者20の過渡的生理学的条件は、ポンプ14から大きな電力を引き出させる可能性がある。例えば埋込みポンプ14の所要電力において大きな電力スパイクを含む実施例において、電力管理モジュール140は、着脱式バッテリ24の充電レベルに関係なく、例えばパワージャンクション146を制御することによって、内蔵バッテリ80を選択的に起動できる。なぜなら、電力密度の高い内蔵バッテリの方が、エネルギー密度の高い着脱式バッテリより電力スパイクを扱うのに適するからである。
【0058】
上記の実施例において説明したように、電源充電を管理して、電力供給のために電源を選択的に起動する他に、電力管理モジュール140は、例えばユーザーインターフェイス50の1つ又はそれ以上の要素を介する使用者への電源の状態の通知を管理するように構成できる。制御・電源モジュール12の電力管理モジュール140が使用者への装置の電源の状態の通知を管理する際のプロセスの例を、図6の状態図において図解する。制御・電源モジュール12のユーザーインターフェイス50の要素の実施例の機能及び外観を図7A〜9Cに示す。そのいくつかについては、制御・電源モジュール12の電力管理モジュール140が本開示による1つの例において使用者への装置の電源の状態の通知を管理する際のプロセスを示す図6の状態図を参照して説明する。
【0059】
図6は、制御・電源モジュール12に接続された電源、例えば着脱式バッテリ24、内蔵バッテリ80及びいくつかの例においてポート62を介して接続された外部電源の状態170〜194を示す。図6の状態図は、図の左から右への状態の間の移動が、着脱式バッテリ24が制御・電源モジュール12から切断され再びこれに接続される際の状態を示すように、体系化される。さらに、図6の状態図は、図の上から下への状態の間の移動が、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリの一方又は両方が徐々に異なる閾値充電レベルまで枯渇する際の状態を示す。
【0060】
図6の状態図は、多数の略語を使用する。図6において、battは概してバッテリを指す。状態170〜197は、各々、状態説明(例えば状態170の場合には「正常」)、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の各々に関する状態及びユーザーインターフェイス表示(例えば、着脱式バッテリ24の場合には“E:OK,GRN,BLK”及び内蔵バッテリ80の場合には“I:OK,GRN,BLK”及びユーザーインターフェイス50を介して使用者に通知されるアラームを含む。着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の各々に関する状態及びユーザーインターフェイス表示に関しては、図6に使用される略語は、下記の意味を持つ。第一の文字例えばE又はIは、それぞれ状態及びユーザーインターフェイス表示が関係するのが着脱式バッテリ24であるか、内蔵バッテリ80であるかを示す。第一の文字E並びに状態説明における略語Extは、外部バッテリを指し、図6の実施例においては、制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24など着脱式バッテリに等しい。着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の両方について、状態及びユーザーインターフェイス表示は、バッテリの充電及び作動状態、ユーザーインターフェイス50上のアラーム表示の色、及びユーザーインターフェイス50上のバッテリの図形表示の色である。例えば、状態170において、“E:OK,GRN,BLK”は、着脱式バッテリ24が、閾値低充電レベルより高く、適切に作動しており(OK),ユーザーインターフェイス50上のアラーム表示の色が緑色(GRN)であり、ユーザーインターフェイス50上のバッテリの図形表示の色が黒色(BLK)であることを意味する。
【0061】
図6の状態図において、アラーム及びバッテリ表示の色“YLW”は、黄色を表し、“RED”は赤色を意味する。着脱式バッテリ24が制御・電源モジュール12から切断された場合、バッテリの状態は、図6において、切断を意味する“DC”として示される。さらに、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の両方とも、“OK、LOW及びEMP”で示される3つの閾値充電レベルを含む。バッテリ状態OKは、充電レベルに関する限り、状態が関係するバッテリが閾値低充電レベルより高いことを示し、LOWは、バッテリが閾値低充電レベルにあることを示す。これは、充電レベルの範囲である可能性がある。EMPTYは、バッテリが閾値空充電レベルにあることを示し、これも充電レベルの範囲であり、ゼロ充電より大きい可能性がある。本開示による実施例において採用される着脱式バッテリ24と内蔵バッテリ80の閾値充電レベルは、数並びに大きさの点で同じかあるいは異なる。
【0062】
図6の状態図の左上隅から始めて、状態170は、制御・電源モジュール12の正常な作動状態を示す。状態170において、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80は両方とも、閾値低充電レベルより高いので、状態170においてはOKとして示される。バッテリが閾値低充電レベルより高いので着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80が両方ともOKであると言う状態170における表示は、必ずしも、バッテリが完全に充電されていることを意味せず、バッテリの一方又は両方を充電するために制御・電源モジュール12が外部電源に接続されているか否かに関係なく現れる可能性がある。例えば、状態170は、着脱式バッテリ24が部分的に放電されているが、バッテリの充電レベルがまだ使用者に警告を発して再充電する必要がある低閾値レベルより高い時に現れる可能性がある。同様に、状態170は、内蔵バッテリが部分的に放電されているが、バッテリの充電レベルがまだ使用者に警告を発して再充電する必要がある低閾値レベルより高い時に現れる可能性がある。状態170は、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の両方が部分的に放電されているが、両方のバッテリの充電レベルがまだ使用者に警告を発して再充電する必要がある低閾値レベルより高い時に現れる可能性もある。別の実施例において、状態170は、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の両方が完全に充電されている時、及び両方のバッテリが閾値低充電レベルより高い限り外部電源が制御・電源モジュール12に接続されている時に現れる可能性がある。
【0063】
図7A及び7Bは、制御・電源モジュール12が図6の状態170によって示される正常な作動状態にある時、電力管理モジュール140がどのようにユーザーインターフェイスを制御するかの実施例を示す。上述のように、制御・電源モジュール12のユーザーインターフェイス50は、ディスプレイ52と入力ボタン54、並びに消音ボタン70と状態指示子72及び74とを含む。図7A及び7Bの例において、ディスプレイ52は、着脱式バッテリ200アイコンと、内蔵バッテリアイコン202と、状態指示子204とを含む。また、図7A及び7B並びに図8〜10Bの例において、入力ボタン54は、2つの異なるアイコンでコード化される。一方は長方形アイコンであり、他方は三角形アイコンである。ユーザーインターフェイス50のこれらの例において、入力ボタン54は、制御・電源モジュール12と対話するための2つの主要な機能に対応する。長方形アイコンでコード化された入力ボタン54は、「ホーム」ボタンとして機能でき、使用者によって起動されると、ユーザーインターフェイス50のディスプレイ52上に提示されるデフォルト画面へナビゲートする。三角形アイコンでコード化された入力ボタン54は、「ネクスト」ボタンとして機能でき、使用者によって起動されると、ユーザーインターフェイス50のディスプレイ52上に提示できる一連の可能な画面のうち次の画面に切り替える。
【0064】
図7Aは、それぞれ着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80と関連付けられた着脱式バッテリアイコン200及び内蔵バッテリアイコン202における充填量によって示されるように、制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80が完全充電されている例を示す。図7Aにおいて、着脱式バッテリ24も内蔵バッテリ80も、例えばポート62を介して制御・電源モジュール12に接続された外部電源によってあるいは内蔵バッテリ80の場合には着脱式バッテリ24によって、現在充電中ではない。
【0065】
図7Aにおいて、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80並びに制御・電源モジュール12の他の各種要素の状態は、図6の状態170に対応する正常作動状態を示すので、ディスプレイ52上の状態指示子204は、ハートアイコンを提示する。さらに、状態指示子72は、制御・電源モジュール12によって起動されて、ハート形指示子を点灯する。最後に、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80並びに制御・電源モジュール12のその他の各種の要素はアラームを必要としない正常作動状態を示すので、ディスプレイ52は、アラームアイコンを提示せず、アラーム状態に関連する状態指示子74は、点灯されない。
【0066】
図7Bは、それぞれ着脱式バッテリ及び内蔵バッテリに関連付けられる図形200及び202の充填量で示されるように、制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80が完全充電より低く、閾値低充電レベルより高い例を示す。さらに、図7Bにおいて、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80は、共に、着脱式バッテリアイコン200及び内蔵バッテリアイコン202に重なった充電アイコン206によって示されるように、現在充電中である。上述のように、着脱式バッテリ24は、ポート62を介して制御・電源モジュール12に接続された外部電源によってモジュール12に接続されたまま充電できる。さらに、内蔵バッテリ80は、外部電源又は着脱式バッテリ24によって充電できる。着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80並びに制御・電源モジュール12の他の各種の要素の状態は、図7Aに示す装置の状態と同様、図6の状態170に対応する正常作動状態を示すので、ディスプレイ52上の状態指示子204はハートアイコンを提示し、状態指示子72は点灯され、状態指示子74は点灯されない。
【0067】
図7A及び7Bの両方において、電力管理モジュール140は、着脱式バッテリアイコン200及び内蔵バッテリアイコン202を黒色で提示するのに対して、着脱式バッテリアイコン200及び内蔵バッテリアイコン202の充填量で示される着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の充電レベル並び荷ディスプレイ52上の状態指示子204及び状態指示子72は、図6の状態170によって示されるように緑色で提示できる。
【0068】
再び図6を参照して、状態170から右へ移動すると、状態172は、着脱式バッテリ24が制御・電源モジュール12から切断され、内蔵バッテリ80が閾値低充電レベルより高いことを示す。状態172は、DCとして着脱式バッテリ24の切断を示す。図6の状態図の例において、着脱式バッテリ24が制御・電源モジュール12から切断された時、色ではなく記号としてアラームカラーが示される。これは、図6の状態において“SYM”として略される。この切断記号の例は、図8のユーザーインターフェイス50の実施例において示される。着脱式バッテリ24は、様々な理由で制御・電源モジュール12から切断される。1つの例において、使用者例えば患者20は、いつでも又はほぼいつでも放電したバッテリと交換できる完全充電着脱式バッテリを持つことができるように、制御・電源モジュール12に接続できる複数の着脱式バッテリを持つ場合がある。別の例において、着脱式バッテリ24が不調で、完全交換を必要とする場合がある。別の例において、着脱式バッテリ24がその充電サイクル最高回数に達して、もはや充電を維持できず、完全交換を必要とする場合がある。
【0069】
図8は、制御・電源モジュール12が図6の状態172によって示される着脱式バッテリ切断状態にある時、電力管理モジュール140がどのようにユーザーインターフェイス50を制御できるかの例を示す。図8の例において、ディスプレイ52は、着脱式バッテリアイコン200と、内蔵バッテリアイコン202と、状態指示子204と切断記号206とを含む。図8は、着脱式バッテリ200に重なる切断記号206によって示されるように、着脱式バッテリ24が制御・電源モジュールから切断される例を示す。制御・電源モジュール12の内蔵バッテリ80は、図6の状態172に示されるように、閾値低充電レベルより高く、特に、図8においては、内蔵バッテリアイコン202の充填量によって示されるように完全充電されている。図8において、着脱式バッテリ24も内蔵バッテリ80も、例えばポート62を介して制御・電源モジュール12に接続された外部電源によって又は内蔵バッテリ80の場合には着脱式バッテリ24によって現在充電中ではない。
【0070】
図8において、内蔵バッテリ80並びに制御・電源モジュール12の他の各種の要素の状態は、アラーム状態を示していないので、電力管理モジュール140は、ディスプレイ52上にハートアイコンとして状態指示子204を提示できる。さらに、状態指示子72は電力管理モジュール140によって起動されて、ハート形指示子を点灯させる。最後に、制御・電源モジュール12の状態はアラームを必要としないので、ディスプレイ52はアラームアイコンを提示せず、アラーム状態に関連する状態指示子74は点灯されない。
【0071】
図8において、電力管理モジュール140は、バッテリアイコン200、内蔵バッテリアイコン202、及び切断記号206を黒色で提示するのに対して、内蔵バッテリアイコン202の充填量によって示される内蔵バッテリ80の充填レベル並びにディスプレイ52上の状態指示子204及び状態指示子72は、図6の状態172によって示されるように緑色で提示できる。
【0072】
再び図6を参照して、状態172から右へ移動すると、状態174は、切断タイムアウトに達したことを示す。これによって、電力管理モジュール140は、制御・電源モジュール12の使用者に着脱式バッテリ24又はその他の電源を装置に再接続するよう指示するアラームを発する。図6の実施例において切断タイプアウトは、5分として示されるので、5分を超えて着脱式バッテリ24を制御・電源モジュール12から切断したままでいると、バッテリ再接続アラームが発せられる。ただし、本開示による他の実施例において、接続タイムアウトを図6の実施例より長く又は短くできる。例えば、切断タイムアウトを10分にすることができ、電力管理モジュール140は、10分を超えて着脱式バッテリ24が制御・電源モジュール12から切断されたままであると、バッテリ再接続アラームを発する。状態174の1つの実施例において、電力管理モジュール140は、切断タイムアウトに達した後ディスプレイ52上で新しい又は再充電された着脱式バッテリを差し込むよう制御・電源モジュール12の使用者に指示を提示するようにユーザーインターフェイス50を制御できる。別の実施例において、電力管理モジュールは、スピーカが可聴音を発するように、スピーカドライバ150及びスピーカ90を制御できる。
【0073】
図6の実施例において、正常状態170から状態188まで下へ移動すると、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の充電レベルは徐々に下がる。さらに、正常状態170から状態188まで下へ移動すると、電力管理モジュール140が発するアラーム及びこのアラームに関連する指示は、例えば図形記号、色及び/又は制御・電源モジュール12のスピーカによって発せられる可聴音の振幅によって、深刻さを増す。状態176において、着脱式バッテリ24は、閾値低充電レベルに達しているのに対して、内蔵バッテリ80はまだ閾値低充電レベルより高い。状態178において、着脱式バッテリ24は、閾値空充電レベルに達しているのに対して、内蔵バッテリ80は、まだ閾値低充電レベルより高い。状態178においては、着脱式バッテリ24が閾値空充電レベルに達しているので、制御・電源モジュール12の電力管理モジュール140は、低バッテリ充電アラームを発する。状態178の1つの例において、ユーザーインターフェイス50は、状態指示子74を点灯して、ディスプレイ52上でアラームアイコンとして状態指示子204を提示できる。さらに、ユーザーインターフェイス50は、例えばディスプレイ52上の着脱式バッテリアイコンの一部又は全部を黄色で色付けすることによって、ディスプレイ52上で制御・電源モジュール12の使用者に低バッテリ充電レベルの表示を提示することができる。状態180において、着脱式バッテリ24は、閾値空充電レベルに達しており、内蔵バッテリ80は閾値低充電レベルに達している。最終的に、状態188において、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の両方が閾値空充電レベルに達している。
【0074】
図6の実施例において状態170から状態188まで下に移動すると、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の充電レベルが徐々に低下する他に、電力管理モジュール140が発するアラーム及び前記のアラームに関連する指示は、例えば、ユーザーインターフェイス50の要素と関連する図形記号及び色を変化させかつ(又は)制御・電源モジュール12のスピーカ90によって発せられる可聴音の振幅を変化させることによって、深刻さを増す。例えば、空の着脱式バッテリ及びOKの内蔵バッテリの状態178に関連するアラームは、ユーザーインターフェイス50が、例えばディスプレイ52上の着脱式バッテリアイコンの一部又は全部を黄色に色付けることによるディスプレイ52上の低バッテリ充電レベルの表示を制御・電源モジュール12の使用者に提示することを含むが、空の着脱式バッテリ及び低充電の内蔵バッテリの状態180に関連するアラームは、ディスプレイ52上に新しいバッテリを差し込むよう示す指示を使用者に提示することを含む。この実施例において、例えばスピーカ90によって発せられる音響の振幅によって示される新しいバッテリを差し込むようユーザーに指示するアラームの優先度は中程度とすることができる。
【0075】
状態178及び180とは対照的に、空の着脱式バッテリ及び空の内蔵バッテリの状態188において、電力管理モジュール140は、制御・電源モジュールの使用者に提示されるアラームの深刻さをさらに増すことができる。例えば、図6に示されるように、電力管理モジュール140は、ディスプレイ52上でユーザーインターフェイス50によって提示されるアラーム及びバッテリアイコンに赤く色付けることができ、かつ新しいバッテリを差し込みかつ(又は)例えばポート62を介して制御・電源モジュール12を外部電源に接続するように使用者に指示を発することができる。この実施例において、例えばスピーカ90によって発せられる音響の振幅によって示される新しいバッテリを差し込みかつ(又は)制御・電源モジュール12を外部電源に接続するように使用者に指示するアラームの優先度は高い。
【0076】
再び図6の状態180を参照して、状態180から右へ移動すると、内蔵バッテリ80は閾値低充電レベルを維持するが、着脱式バッテリ24の状態は着脱式バッテリの切断及び再接続又は交換を含めて変化する状況が示される。状態182において、着脱式バッテリ24は、制御・電源モジュール12から切断され、内蔵バッテリ80は、閾値低充電レベルにある。状態182において、電力管理モジュール140は、バッテリ24が接続されたことを示す着脱式バッテリアイコンと関連する記号を提示し、ディスプレイ52上の内蔵バッテリアイコンの一部又は全部を黄色に色付けるようにユーザーインターフェイス50を制御することを含めて、制御・電源モジュール12の使用者にアラームを発することができる。電力管理モジュール140は、また、新しいバッテリを差し込むようディスプレイ52上に指示を提示し、例えば特定の振幅の可聴音を発するようスピーカを制御することによって、新しいバッテリを差し込むよう使用者に指示するアラームの優先度が中程度であることを示すことができる。
【0077】
状態184において、閾値低充電レベルの着脱式バッテリは制御・電源モジュール12に接続され、内蔵バッテリ80は閾値低充電レベルにある。状態184の1つの例において、着脱式バッテリ24は、閾値低充電レベルまで再充電され、制御・電源モジュール12に接続されている。しかし、別の例において、着脱式バッテリ24は別の着脱式バッテリと交換されており、別の着脱式バッテリは閾値低充電レベルにあり、制御・電源モジュール12に接続される。状態184において、電力管理モジュール140は、例えばディスプレイ52上の着脱式バッテリアイコン及び内蔵バッテリアイコンの一部又は全部を黄色に色付けるようユーザーインターフェイス50を制御することを含めて制御・電源モジュールの使用者にアラームを発し、新しいバッテリを差し込むようにディスプレイ52上に指示を提示し、例えば特定の振幅の可聴音を発するようにスピーカ90を制御することによって新しいバッテリを差し込むよう使用者に指示するアラームの優先度が中程度であることを示すことができる。
【0078】
状態186において、閾値低充電レベルより高い着脱式バッテリは制御・電源モジュール12に接続され、内蔵バッテリ80は閾値低充電レベルにある。状態186の1つの例において、着脱式バッテリ24は、閾値低充電レベルより上まで再充電され、制御・電源モジュール12に再接続されている。しかし、別の例において、着脱式バッテリ24は別の着脱式バッテリと交換されている。この別のバッテリは、閾値低充電レベルより上まで充電され、制御・電源モジュール12に接続される。状態186において、電力管理モジュール140は、着脱式バッテリが閾値低充電レベルより高いことを示すために着脱式バッテリアイコンの一部又は全部を緑色に色付けるようにユーザーインターフェイス50を制御し、かつ内蔵バッテリ80がまだ閾値低充電レベルにあることを示すためにディスプレイ52上の内蔵バッテリアイコンの一部又は全部を黄色に色付けるようにユーザーインターフェイス50を制御することを含めて、制御・電源モジュール12の使用者にアラームを発することができる。
【0079】
再び図6の実施例の状態188を参照して、状態188から右へ移動すると、内蔵バッテリ80は閾値空充電レベルを維持するが、着脱式バッテリ24の状態は、着脱式バッテリの切断及び再接続又は交換を含めて変化する。状態190において、着脱式バッテリ24は、制御・電源モジュール12から切断され、内蔵バッテリ80は閾値空充電レベルにある。状態190において、電力管理モジュール140は、例えば着脱式バッテリ24が接続されたことを示す着脱式バッテリに関連する記号を提示し、ディスプレイ52上の内蔵バッテリアイコンの一部又は全部を赤に色付けるようユーザーインターフェイス50を制御することを含めて、制御・電源モジュール12の使用者にアラームを発することができる。電力管理モジュール140は、また、新しいバッテリを差し込みかつ(又は)制御・電源モジュール12を外部電源に接続するようにディスプレイ52上に指示を提示し、例えば特定の振幅例えば中程度の優先度のアラームとして発せられる音響より高い振幅で可聴音を発するようスピーカ90を制御することによって、新しいバッテリを差し込むよう使用者に指示するアラームの優先度が高いことを示すことができる。
【0080】
状態192において、閾値低充電レベルにある着脱式バッテリは制御・電源モジュール12に接続され、内蔵バッテリは閾値空充電レベルにある。状態192の1つの例において、着脱式バッテリ24は閾値低充電レベルに再充電され、制御・電源モジュール12に再接続されている。別の例において、着脱式バッテリ24は別の着脱式バッテリと交換されている。この別のバッテリは、閾値低充電レベルにあり、制御・電源モジュール12に接続される。状態192において、電力管理モジュール140は、例えば、ディスプレイ52上の着脱式バッテリアイコンの一部又は全部を黄色に色付けし、内蔵バッテリアイコンを赤く色付けし、かつディスプレイ52上に制御・電源モジュール12を外部電源に接続するように指示を提示するようにユーザーインターフェイス50を制御することを含めて、制御・電源モジュール12の使用者にアラームを発することができる。
【0081】
状態194において、閾値低充電レベルより高い着脱式バッテリは制御・電源モジュール12に接続され、内蔵バッテリ80は閾値空充電レベルにある。状態194の1つの例において、着脱式バッテリ24は閾値低充電レベルより上まで再充電され、制御・電源モジュール12に再び接続されている。しかし、別の例において、着脱式バッテリ24は別の着脱式バッテリと交換されている。この別の着脱式バッテリは、閾値低充電レベルより上まで充電され、制御・電源モジュール12に接続される。状態194において、電力管理モジュール140は、例えば内蔵バッテリ80がまだ閾値空充電レベルにあることを示すためにディスプレイ52上の内蔵バッテリアイコンの一部又は全部を赤く色付けるようにユーザーインターフェイス50を制御することを含めて、制御・電源モジュール12の使用者にアラームを発することができる。内蔵バッテリ80はまだ閾値空充電レベルにあるので、電力管理モジュール140は、制御・電源モジュール12を外部電源に接続して、着脱式バッテリを枯渇させることなく内蔵バッテリを閾値空充電レベルより上に充電するようにディスプレイ52上に指示を提示できる。
【0082】
図6の状態図の上記の例は、図の左上隅の状態170から始めて、この状態から複数の方向に移動することによって、説明される。しかし、起点として状態170を選択すること及びそこから下に説明する他の状態に移動することは、任意であり、制御・電源モジュール12の状態についていかなる要求される順位を示すものでもない。図6の状態図の中の矢印は、制御・電源モジュール12の様々な状態間の移動が、例えば着脱式バッテリの取外し又は差込み、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の一方又は両方の充電レベルの様々な閾値への枯渇又は上昇及び着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の一方又は両方の充電を含めた多様な要因の結果として生じる可能性があることを図解する。
【0083】
図9A〜10Bは、制御・電源モジュール12のユーザーインターフェイス50の要素の実施形態例の付加的機能及び外観の例を示す。図9A〜Cは、電力管理モジュール140が、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の充電レベルが変化する時の制御・電源モジュール12の3つの状態を示す際の、ユーザーインターフェイス50の複数の例を図解する。図9A〜Cの例において、着脱式バッテリ24も内蔵バッテリ80も、例えばポート62を介して制御・電源モジュール12に接続された外部電源によってあるいは内蔵バッテリ80の場合には着脱式バッテリ24によって、現在充電中ではない。
【0084】
図9Aは、着脱式バッテリが閾値低充電レベルにありかつ内蔵バッテリが閾値充電レベルより高い時、電力管理モジュール140がどのようにユーザーインターフェイス50を制御できるかの例を図解する。図9Aにおいてユーザーインターフェイス50によって表される状態の1つの例において、電力管理モジュール140は、ディスプレイ52上にアラームアイコンとして状態指示子204を提示できる。図9Aの例において、状態指示子204は、アラームアイコンの輪郭線を示して強調記号を全く提示しないことによって、最低レベルのアラーム状態を示す。状態指示子72は電力管理モジュール140によって非作動化されて、ハート形指示子は点灯されず、状態指示子74はアラーム状態を示すために点灯される。図9Aの例において、状態指示子204は、図9Aにおいて2本の曲線として示される強調記号を点灯することなく指示子の三角部分を点灯することによって、最低レベルのアラーム状態を示す。1つの実施例において、電力管理モジュール140は、着脱式バッテリアイコン200及び内蔵バッテリアイコン202を黒色で表示し、バッテリアイコン200の中の充填量で示される着脱式バッテリ24の充電レベル並びにディスプレイ52上の状態指示子204及び状態指示子74を黄色で提示できる。電力管理モジュールは、バッテリアイコン202の充填量によって示される内蔵バッテリ80の充電レベルを緑色で提示して、着脱式バッテリ24と異なり内蔵バッテリが閾値低充電レベルより高いことを示すことができる。
【0085】
図9Bは、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の両方が閾値低充電レベルにある時、電力管理モジュール140がどのようにユーザーインターフェイス50を制御できるかの例を図解する。図9Bにおいてユーザーインターフェイス50によって表される状態の1つの例において、電力管理モジュールは、ディスプレイ52上にアラームアイコンとして状態指示子204を提示できる。図9Bの例において、状態指示子204は、アラームアイコンを充填しかつ太い曲線によって表される1つの強調記号を提示することによって中レベルのアラーム状態を示す。状態指示子72は電力管理モジュール140によって非作動化されて、ハート形指示子は点灯されず、状態指示子74はアラーム状態を示すために点灯される。図9Bの例において、状態指示子204は、指示子の三角部分を点灯しかつ図9Bにおいて2本の曲線として示される2つの強調記号の一方を点灯することによって、中レベルのアラーム状態を示す。1つの実施例において、電力管理モジュール140は、着脱式バッテリアイコン200及び内蔵バッテリアイコン202を黒色で提示し、バッテリアイコン200及び202の充填量によって表される着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の充電レベル並びにディスプレイ上52の状態指示子204及び状態指示子74を黄色で提示できる。
【0086】
図9Cは、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の両方が閾値空充電レベルにある時、電力管理モジュール140がどのようにユーザーインターフェイス50を制御できるかの例を図解する。図9Cにおいてユーザーインターフェイス50によって表される状態の1つの例において、電力管理モジュールは、ディスプレイ52上にアラームアイコンとして状態指示子204を提示できる。図9Cの例において、状態指示子204は、アラームアイコンを充填しかつ2本の太い曲線によって表される2つの強調記号を提示することによって高レベルのアラーム状態を示す。状態指示子72は電力管理モジュール140によって非作動化されて、ハート形指示子は点灯されず、状態指示子74はアラーム状態を示すために点灯される。図9Cの例において、状態指示子204は、指示子の三角部分を点灯しかつ図9Cにおいて2本の曲線として示される2つの強調記号の両方を点灯することによって、高レベルのアラーム状態を示す。1つの実施例において、電力管理モジュール140は、着脱式バッテリアイコン200及び内蔵バッテリアイコン202を黒色で提示し、バッテリアイコン200及び202の充填量によって表される着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の充電レベル並びにディスプレイ上52の状態指示子204及び状態指示子74を赤色で提示できる。
【0087】
図10A及び10Bは、バッテリ充電状態及びアラーム状態を示す画面の他に、ユーザーインターフェイス50のディスプレイ52が提示できる画面を図解する。図10Aは、電力管理モジュール140が埋込みポンプ14に関する様々なパラメータを提示する例を示す。下に説明するように、電力管理モジュール140は、図5に図解するパワーブリッジ148と一緒に、埋込みポンプ14を駆動するモーターの作動パラメータを検出するように構成できる。図10Aにおいて、電力管理モジュール140は、ポンプ14を駆動するモーターによって引き出される現在の電力をワット(w)で、ポンプの現在のスループットを分当たりのリットル(l/分)で、ポンプモーターの現在の角速度を分当たりの回転数(rpm)で提示する。図10Bは、電力管理モジュール140が、モジュールが制御・電源モジュール12の使用者へ発するアラームの説明並びに制御・電源モジュールをアラーム状態から抜け出させるために使用者が実施できる改善処置に関する指示を提示する例を図解する。
【0088】
図7A、7B及び9A〜10Bを参照すると、電力管理モジュール140は、制御・電源モジュール12の使用者に、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80に残留する充電量の推定値を提示するだけでなく、交換又は再充電を必要とする前にバッテリが作動を継続する時間量の推定値を示す。例えば、図7A及び7Bにおいて、電力管理モジュール140は、バッテリ充電に関する残り時間を2時間45分と算定し、これがユーザーインターフェイス50によって、ディスプレイ52上の着脱式バッテリアイコン200のすぐ下に提示される。図9A及び9Bにおいて、電力管理モジュール140はバッテリ充電に関する残り時間を45分と算定し、これがユーザーインターフェイス50によってディスプレイ52上の着脱式バッテリアイコン200のすぐ下に提示される。1つの実施例において、電力管理モジュール140は、着脱式バッテリ24の充電に関する残り時間を算定し、ユーザーインターフェイス50はこれを提示できる。別の実施例において、電力管理モジュール140は、内蔵バッテリ80の充電に関する残り時間を算定し、ユーザーインターフェイス50はこれを提示できる。別の実施例において、電力管理モジュール140は、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の両方の充電に関する合計残り時間を算定し、ユーザーインターフェイス50は、これを提示できる。別の実施例において、電力管理モジュール140は、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の各々の充電に関する残り時間を算定し、これをユーザーインターフェイスはディスプレイ52上で別個に提示できる。
【0089】
電力管理モジュール140は、多様なタイプの推定及び/又は仮定を使用して、制御・電源モジュール12のバッテリ充電に関する残り時間を算定できる。1つの実施例において、電力管理モジュール140は、制御・電源モジュール12の要素及び埋込みポンプ14から引き出されるデフォルト公称電力を仮定し、デフォルト所要電力及び着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80に残っている充電量に基づいてバッテリ充電に関する残り時間を算定できる。別の実施例において、電力管理モジュール140は、制御・電源モジュール12の要素及び埋込みポンプ14によって引き出される電力を追跡し、記憶し、時間の経過に伴い所要電力を平均化できる。電力管理モジュール140は、その後、平均所要電力履歴及び着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80に残っている充電量に基づいてバッテリ充電に関する残り時間を算定できる。
【0090】
再び図5を参照すると、上述の冗長電源構造のほかに、制御・電源モジュール12の制御装置は、デュアルプロセッサ130、132及び2つの遠隔計測モジュール136、138も含む。図5の装置の両方の要素は、冗長的かつ(又は)相補的作動のために構成できる。制御・電源モジュール12は、一方のプロセッサが不調の際に誤作動から保護し冗長作動できるように、第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132を採用できる。さらに、第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132は、制御・電源モジュール12の異なる要素へ電力供給し、装置によって達成される電力管理を改良するように構成できる。この意味で、第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132の使用は、電力管理モジュール140によって制御できる。モジュールは、上述のように、いくつかの例において、プロセッサ130、132の一方又は両方及びメモリ134として実現できる。
【0091】
誤作動保護及び冗長性を採用する実施例において、第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132は、不調及び/又は故障を検出するために相互に周期的にテストするよう構成できる。第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132の一方が不調又は故障の場合、他方のプロセッサは、不調のプロセッサを運転停止し、不調のプロセッサがそれまで処理していた制御・電源モジュール12の要素及び/又は埋込みポンプ14の管理/制御を引き継ぐことができる。さらに、適切に作動している第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132の一方は、プロセッサの誤作動/故障を制御・電源モジュール12の使用者に警告するためにアラームを発することができる。例えば、適切に作動している第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132の一方は、ユーザーインターフェイス50のディスプレイ52を制御して、制御・電源モジュール12の使用者にメッセージを提示できる。プロセッサは例えばメモリ134からメッセージを検索できる。
【0092】
誤作動保護及び冗長性に加えて、第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132は、制御・電源モジュール12の異なる要素を管理及び制御するように構成でき、2つのうち一方は、埋込みポンプ14を管理及び制御するように構成できる。図5の実施例において、第一プロセッサ130は、メモリ134、第一遠隔計測モジュール136、電力管理モジュール140及びスピーカドライバ150に通信可能に接続される。第一プロセッサ130に接続されこれに関連付けられた電力管理モジュール140は、充電器142、パワージャンクション146及びパワーブリッジ148に通信可能に接続される。従って、図5の実施例において、第一プロセッサ130は、デフォルトにより、電力管理モジュール140及びパワーブリッジ148を介して埋込みポンプ14を制御及び管理するように構成される。一方、第二プロセッサ132は、メモリ134、第二遠隔計測モジュール138、センサ152及びユーザーインターフェイス50に接続される。従って、制御・電源モジュール12の制御及び管理は、第一プロセッサ130と第二プロセッサ132との間で分割される。図5において制御・電源モジュール12の要素間に示される接続線は、装置内の唯一の接続を表すものではない。例えば、第一プロセッサ130が不調又は故障の場合、第二プロセッサ132は、電力管理モジュール140及びパワーブリッジ148を介して埋込みポンプ14の制御及び管理を引き継ぐ。
【0093】
埋込みポンプ14の冗長的作動を可能にするために、第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132は、両方とも、他方のプロセッサが不調又は故障の場合にポンプを制御及び管理するように構成される。しかし、第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132は、いくつかの実施例において、正確に同じではない。例えば、第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132の一方は、他方のプロセッサより所要電力が小さく、制御・電源モジュール12の着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80に対する電力負荷をさらに減少できる。いずれにしても、第一プロセッサ130と第二プロセッサ132との間で制御・電源モジュール12の制御及び管理を分割することによって、使用しない時には装置の要素のいくつかを運転停止することができ、これによって、装置の電子部品の所要電力を著しく減少できる。従って、制御・電源モジュール12は装置の空間利用率を最大限に上げかつサイズを最小限に抑えるように設計できるが、また、2つのプロセッサは1つのプロセッサより空間と重量が大きくなる可能性があるが、第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132を採用することによって、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80のサイズ及びキャパシティを削減するのに充分なほど、所要電力を効果的に削減できる。
【0094】
1つの実施例において、第一プロセッサ130は、パワーブリッジ148、第一遠隔計測モジュール136、電力管理モジュール140及びスピーカドライバ150を介して埋込みポンプ14を制御するように構成される。第二プロセッサ132は、ユーザーインターフェイス50、第二遠隔計測モジュール138及びセンサ152を制御するように構成される。ただし、制御・電源モジュール12の要素の少数のみが、全時間又はほとんどの時間、運転を必要とされる。この種の要素は、主に埋込みポンプ14の作動に影響する又はこれに関係する要素である。従って、第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132は、これが制御する要素が使用されない場合には要素の1つ又はそれ以上を運転停止するように構成できる。例えば、第二プロセッサ132は、制御・電源モジュール12のユーザーインターフェイス50及び第二遠隔計測モジュール138が使用されない時、これらの要素を運転停止するように構成できる。さらに、この実施例において、第二プロセッサ132は、埋込みポンプ14に関係する要素又は中断無しに作動しなければならない他の要素を制御しない。従って、第二プロセッサ132は、運転停止できる。第二プロセッサ132が運転停止される実施例において、第二プロセッサによって制御される要素を作動する必要がある場合、例えば、使用者がユーザーインターフェイス50の要素上で呼び出す場合、第一プロセッサ130は、この行為を検出して第二プロセッサ132を起動するように構成できる。さらに、誤作動保護及び冗長性を継続して与えるために、第一プロセッサ130は、第二プロセッサを周期的に起動するように構成でき、第二プロセッサは、その後第一プロセッサの不調又は故障をチェックできる。別の実施例において、第二プロセッサ132は、第一プロセッサ130の誤作動又は故障をテストするために自身で自動的に起動するように構成できる。
【0095】
第一プロセッサ130と第二プロセッサ132との間における制御の分割の前記の実施例に従えば、第一プロセッサ130は、ポンプ14並びにスピーカ90の作動に関するデータをメモリ134に記憶しかつ前記データをメモリから検索できる。特に、第一プロセッサ130は、例えば、患者20の心臓30を流れる血液を押し出すためにポンプ14を制御するためのパラメータに関する、メモリ134に記憶された情報を検索できる。いくつかの実施例において、ポンプ14は、血液を左心室36から引き出して大動脈38へ送るためにポンプを駆動する電気モーターを含むことができる。例えば、ポンプ14は、メモリ134から検索したモーター速度(RPM)及び出力範囲(ワットで表される公称出力、高出力、最高出力)を含めたパラメータに基づいて、第一プロセッサ130によって制御される任意の数のタイプの三相直流(DC)又は交流(AC)モーターを含むことができる。
【0096】
第一プロセッサ130は、ポンプ14又は着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80を含めて他の装置からフィードバックを受け取り、装置の作動に関するデータをメモリ134に記憶することができる。1つの実施例において、第一プロセッサ130は、ポンプ14のモーターの位相に進む電圧レベル及びこの位相において戻る電流を測定する。第一プロセッサ130は、ポンプ14からのこの電圧及び電流情報並びに巻線抵抗及びインダクタンスなどポンプの特性を用いて、ポンプの速度及びトルクを推定できる。第一プロセッサ130は、その後、ポンプ14の速度(これはポンプのトルクを設定する)を設定する制御ループを実行できる。トルク設定は、どの程度の電流を第一プロセッサ130がポンプ14へ送るかを決定する。別の実施例において、第一プロセッサ130は、例えば電力管理モジュール140の一部として、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の充電レベルを監視し、ユーザーインターフェイス50を制御して、各バッテリにどの程度の充電が残っているかをディスプレイ52上で図形的に患者20に示す。
【0097】
いくつかの実施例において、制御・電源モジュール12は、複数のタイプのモーターを含む複数のタイプのポンプを制御できるジェネリックコントローラとして構成される。概して、VADの埋込みポンプに採用される多くのモーターは、制御・電源モジュール12に組み込まれた三相ブリッジを用いて駆動できる。制御・電源モジュール12の電子部品は、ほぼどのような永久磁石モーターでも駆動して、速度又はトルクのセンサレス制御を与えるように設計できる。例えば台形制御アルゴリズムを含めて、多くの制御アルゴリズムを使用できる。しかし、このようなアルゴリズムのためには、極数、コイル抵抗、コイルインダクタンス並びにトルク及び速度定数など、モーターパラメータに関するいくつかの情報が有効でなければならない。VADコントローラは、通常、特定のタイプ又は製造者のモーターに関して作用する1組のモーターパラメータを選択することによって構成される。しかし、本開示において説明する制御・電源モジュール12の実施例においては、モジュール特に第一プロセッサ130は、単一のモーターについてパラメータを最適化するのではなく、モーター全てについて許容できる性能を与える1組のパラメータを選択することによって様々なタイプのモーターを制御するように構成できる。
【0098】
別の実施例において、制御・電源モジュール12の第一プロセッサ130は、ポンプ14を駆動するモーターの種類を見つけて、プラグアンドプレイ式の(plug-and-play type)インターフェイスを与える。これによって、制御・電源モジュール12は、ポンプ14の制御パラメータを、ポンプを駆動するモーターの特定のタイプに合わせることができる。いくつかの例において、各モータータイプに固有の識別子を割り当てて、第一プロセッサ130は、この識別子をポンプ14に問合せできる。第一プロセッサ130は、その後、識別子に関連付けられた1組のモーターパラメータをメモリ134から検索できる。別の実施例において、第一プロセッサ130は、ケーブル18によって制御・電源モジュール12が特定のモーターに接続されたら、メモリに記憶された適応アルゴリズムを実行できる。適応アルゴリズムは、ポンプ14を駆動するモーターの作動パラメータを測定する。前記の適応アルゴリズムは、モータードライバ及びセンス回路を用いて、直接又は間接的に必要なモーターパラメータを測定できる。
【0099】
別の実施例において、埋込みポンプ14の作動に関連する上記の機能の1つ又はそれ以上を第二プロセッサ132が実行できる。例えば、第一プロセッサ130の不調又は故障の際、第二プロセッサ132が埋め込みポンプ14の制御を引き継ぐように構成できる。
【0100】
制御・電源モジュール12のメモリ134は、コンピュータ読込み可能な記憶媒体であり、これを使用して、患者20の心臓30を補助するポンプ14の作動に関するデータなど(ただし、これに限定されない)第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132又は別の装置のプロセッサによる実行のための命令を含むデータを記憶できる。いくつかの実施例において、メモリ134は、例えばポンプ14を駆動するために第一プロセッサ130によって制御される特定のポンプモーターに固有のポンププログラムを記憶できる。別の実施例において、メモリ134は、電力管理モジュール140によって実行される電力管理機能に関係するデータを記憶できる。例えば、メモリ134は、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の一方又は両方について様々な閾値充電レベルに関連する閾値充電レベルを記憶できる。1つの実施例において、メモリ134は、図6の電力管理状態図において採用される閾値低充電及び空充電レベルを記憶する。メモリ134は、命令、患者情報、ポンプ又はポンプモーターパラメータ(例えばモーター速度及び出力範囲)、患者及びポンプ作動の履歴、及び別個の物理的メモリモジュールが有利なその他のデータなど他の情報カテゴリを記憶するために別個のメモリを含むことができる。いくつかの実施例において、メモリ134に記憶されるデータが、第一プロセッサ130又は第二プロセッサ132によって実行されると、制御・電源モジュール12及びポンプ14は、本開示においてモジュール及びポンプに帰属するとされる機能を果たす。
【0101】
制御・電源モジュール12内のプロセッサとして説明される要素、例えば第一プロセッサ130、第二プロセッサ132又は本開示において説明するその他の装置は、各々、1つ又はそれ以上のマイクロプロセッサなど1つ又はそれ以上のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲート配列(FPGA)、プログラマブル論理回路又はその類似品を、単独で又は任意の適切な組合せで含むことができる。さらに、メモリ134及び本開示において説明するその他のコンピュータ読込み可能記憶媒体は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、読出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能ROM(PROM)、消去プログラム可能ROM(EPROM)、電子的消去プログラム可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク、磁気媒体、光学媒体又はその他のコンピュータ読込み可能媒体を含めて、様々なタイプの揮発性及び非揮発性メモリを含むことができる。
【0102】
第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132及びメモリ134に加えて、制御・電源モジュール12は、第一遠隔計測モジュール136及び第二遠隔計測モジュール138を含む。概して、第一遠隔計測モジュール136及び第二遠隔計測モジュール138は、制御・電源モジュール12及び患者20又は臨床医など他の使用者にユーザーインターフェイスを提示するための別個のディスプレイ装置又は例えば埋込み生理学的センサなど患者体内に埋め込まれた装置を含めて他の装置から及びこれらへの無線通信を容易にする。従って、第一プロセッサ130及び第二プロセッサ132は、制御・電源モジュール12と他の装置との間で無線通信するために、第一遠隔計測モジュール136及び第二遠隔計測モジュール138を制御できる。
【0103】
制御・電源モジュール12の第一遠隔計測モジュール136及び第二遠隔計測モジュール138並びに本開示において説明する他の装置の遠隔計測モジュールは、他の装置へ無線で情報を送り他の装置から無線で情報を受け取るためのRF通信技術を含めて、様々な無線通信技術を使用するように構成できる。第一遠隔計測モジュール136及び第二遠隔計測モジュール138は、例えば、802.11、Medical Implant Communication Service(MICS)、Bluetooth又はBluetooth Low Energy規格、IRDA規格による赤外線(IR)通信又はその他の規格又は所有権のある遠隔計測プロトコルの1つによるRF通信を採用できる。第一遠隔計測モジュール136及び第二遠隔計測モジュール138は、連続的に、周期的に、又はユーザーインターフェイスを介した例えば患者20など使用者からの要請に応じて、制御・電源モジュール12へ情報を送り、制御・電源モジュールから情報を受け取ることができる。1つの実施例において、第一遠隔計測モジュール136及び第二遠隔計測モジュール138の一方は、制御・電源モジュール12及びポンプ14の作動状態並びに着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80の明確な状態を患者20又は他の使用者に表示するために、例えば液晶ディスプレイ装置(LCD)などディスプレイを含む別個のユーザーインターフェイス装置と通信する。
【0104】
上述のように、第一遠隔計測モジュール136及び第二遠隔計測モジュール138は、冗長的かつ相補的に作動するように構成できる。冗長性のために、第一遠隔計測モジュール136及び第二遠隔計測モジュール138の一方は、制御・電源モジュール12の一次無線通信モジュールとして作用するのに対して、他方は、一次モジュールが不調又は故障の場合の予備として機能する。別の実施例において、第一遠隔計測モジュール136及び第二遠隔計測モジュール138は、一緒に作動して、異なるタイプの装置と通信するために異なる無線通信プロトコル又は規格を用いて通信するように構成できる。1つの実施例において、第一遠隔計測モジュール136は、802.11規格を使用してWiFiネットワークを介して周辺機器と通信するように構成され、第二遠隔計測モジュール138は、MICSを用いて患者20体内に埋め込まれた例えば生理学的センサなど埋込み装置と通信するように構成される。
【0105】
制御・電源モジュール12の1つの実施例において、電力は、着脱式バッテリ24又は内蔵バッテリ80から、例えばスイッチを介して、ドライバ150及びスピーカ90へ未調整で送ることができる。しかし、スピーカ90などの要素の作動と異なり、電力管理モジュール140は、パワーブリッジ148を用いて、着脱式バッテリ24又は内蔵バッテリ80からコネクタ26及びケーブル18を通過してポンプ14へ送られる電力を管理できる。1つの実施例において、電力管理モジュール140はパワーブリッジ148を制御でき、パワーブリッジは、例えば出力測定、出力調整、ブリッジング(波形形成)、熱的及び電気的過負荷の検出及び保護を含めてポンプ14のモーターを駆動するための電力を適切かつ安全に送るための回路網、及びポンプ14から送り返される信号を受け取りこれを例えば第一プロセッサ130へ送るためのフィードバック回路網を含むことができる。
【0106】
図11は、パワージャンクション146の回路網をさらに詳細に図解する回路図である。図11に示すように、パワージャンクション146は、全体を500として示すパワーマルチプレクサ回路網及び全体を502として示す充電器スイッチ回路網を含む。下にさらに詳細に説明するように、パワーマルチプレクサ回路網500は、数個の電源すなわち電源アダプタ、着脱式バッテリ24及び内蔵バッテリ80からの電力を結合して、単一の電源から例えば埋込みポンプ14のモーターへ電力を送れるようにする。
【0107】
本開示に従って、パワーマルチプレクサ回路網500は、電源すなわち電源アダプタ、着脱式バッテリ及び内蔵バッテリの間の最高電圧を選択してポンプモーターへ電力供給できるように設計される。図11に示すように、アダプタ電圧レール504はショットキーダイオード506に接続され、着脱式バッテリ電圧レールは、FET510に接続され、内蔵バッテリ電圧レール512はFET514に接続される。ダイオード506のカソードとFET510のドレインは充電器センスレジスタ516の第一端子で接続され、FET514のドレインはセンスレジスタ516の第二端子に接続される。FET510、514は各々、FET510、514をピーク効率で作動し続けるように、FETコントローラ、すなわち、それぞれFETコントローラ518、520によって制御される。FET510、514を制御するために使用できるFETコントローラの1つの例は、National Semiconductorから入手できるLM5050−2である。
【0108】
FET518、520は各々、理想ダイオードのように作動することによって、3つの“OR”−ingダイオードを効果的に創生する。3つの電圧レールすなわちアダプタ電圧レール504、着脱式バッテリ電圧レール508及び内蔵バッテリ電圧レール512のうち最高のものが、3つの間の共通ノードすなわちセンスレジスタ516に現れる。例えば、着脱式バッテリ電圧レール508及び内蔵バッテリ電圧レールは、各々16.8ボルト(V)の最高電圧を有し、アダプタ電圧レール504は18Vの最高電圧を持つ。アダプタが制御・電源モジュール例えば制御・電源モジュール12に接続されると常に、アダプタ電圧が、モーターバス522(ポンプに対する未調整高電圧レール)を介してポンプモーターへ電力供給するための電圧として選択される。つまり、アダプタ電圧レール504は、ショットキーダイオード506によって約0.2〜0.3V低下されて、約17.7〜17.8Vとなり、着脱式バッテリ電圧レール508及び内蔵バッテリ電圧レール512は、FET510、514の理想ダイオード電圧降下(0.6V〜0.7V)によって約16.1V〜16.2Vの電圧に低下する。アダプタ電圧(ACあるいはDC)は、着脱式バッテリ又は内蔵バッテリの電圧より高くなるように設計されるので、パワーマルチプレクサ回路網500は、モーターバス522への電源として自動的にアダプタをデフォルトで選択する。
【0109】
さらにパワーマルチプレクサ回路網500を参照すると、内蔵バッテリ電圧レール512は、FET524にも接続される。FET524は、スイッチとして作用し、パワーマルチプレクサ回路網500の中に含まれて、内蔵バッテリを接続及び切断できるようにする。さらに、FET524がなければ、内蔵バッテリと着脱式バッテリは同じ電圧レベルでドレイン(drain)することになる。
【0110】
図11のFET524の左に、FET524の作動を制御するために論理回路網が含まれる。概して、着脱式バッテリ電圧レール(526で図示)はコンパレータ528へ送られる。コンパレータは1.25Vの内部基準電圧を含む。コンパレータ528の出力は、2つの内蔵バッテリ信号532、534と一緒に3入力OR−ANDゲート530へ送られる。特に、コンパレータ528の出力は、ポンププロセッサ例えば図5の制御・電源モジュール12の第一プロセッサ130からの内蔵バッテリ信号532と一緒にOR−ANDゲート530のOR部へ送られ、UIプロセッサ例えば図5の制御・電源モジュール12の第二プロセッサ132からの内蔵バッテリ信号534は、OR部の出力と一緒にOR−ANDゲート530のAND部へ送られる。このように、FET524の作動従って内蔵バッテリが制御・電源モジュールに接続されるか否かを、制御できる(インバータゲート536及びFET538を介して)。例えば、安全機構として、着脱式バッテリ電圧がない場合、システムがFET524を遮断するためには(従って内蔵バッテリを回路及び制御・電源モジュールから切断するために)、ポンププロセッサ及びUIプロセッサの両方が合意して制御信号を発しなければならない。
【0111】
別の安全機構として、着脱式バッテリ電圧の急激な低下は、FET524をONにし、それによって内蔵バッテリを制御・電源モジュールに接続する。特に、コンパレータ528は、着脱式バッテリ電圧をその内部基準と比較して、出力例えば論理的低をOR−ANDゲート530のOR部へ与える。OR部の出力は内部バッテリ信号534例えば論理的低と一緒にOR−ANDゲート530のAND部へ送られる。AND部は、その後インバータゲート536及びFET538を介してFET524をオンにし、それによって内部バッテリを制御・電源モジュールに接続する。
【0112】
別の実施例において、負荷需要に基づいてFET524を自動的に制御できる。例えば、始動時に、ポンプモーターは、例えば突入電流のために、定常状態の時より多くの電力を引き出す可能性がある。上述の技法を用いて、パワーマルチプレクサ回路網500は、ポンプモーターが定常状態に達するまで着脱式バッテリからより出力密度の高い内蔵バッテリへ自動的に切り替えることができる。作動時に、着脱式バッテリが負荷に耐えられない場合、着脱式バッテリ電圧レール526は、一時的に崩壊し、その結果、コンパレータ528を起動し、それによってFET524をオンにして、内蔵バッテリ電圧レール508をモーターバス522に接続する。
【0113】
いくつかの実施例において、ポンププロセッサは、明白な制御信号を出力することによってポンプ始動時にFET524を制御できる。着脱式バッテリ電圧が一時的に下落できるようにすると不要な熱を発生する可能性があるので、始動時にポンププロセッサがFET524を制御することが望ましいかも知れない。始動の他に、生理学的状態がポンプモーターをより過酷に作動させて負荷を増大する可能性がある。例えば、一部の投薬は血液を濃くする結果を生じ、重い物を持ち上げるなどの活動は血管収縮を生じる可能性がある。いずれの場合にも、ポンプは、より激しく作動する必要があり、その結果として電源からより多くの電力が引き出される。上述の技法を用いて、代替電源を使用して、ポンプモーターからの需要増大に対処できる。
【0114】
電力を節約するために、使用されていない時にはUIプロセッサを遮断するように構成できることが分かるはずである。UIプロセッサは、周期的に例えば1秒ごとに起動して、ポンププロセッサが適切に作動していることを確認でき、これによってクロスチェック機能を与えることができる。いくつかの実施例において、UIプロセッサは、例えばシリアル周辺インターフェイス(SPI)バスを介して、ポンププロセッサへ信号を送って、予測可能な応答を受け取る。さらに、UIプロセッサは、ポンプ速度を測定してポンププロセッサが故障していないことを確認する。従って、ポンプフィードバック制御の一部として、ポンププロセッサがポンプの速度を測定するだけでなく、UIプロセッサもポンプ速度を測定して、システムに冗長性の機構を与える。
【0115】
図12は、充電器142(図5)の回路網をより詳細に図解する回路図である。図12において、充電器回路網600は、バッテリ充電器602を介して、動的な電力管理を提供して、システムがより多くの電力を要求する場合、システムが電力を欠乏しないように、バッテリへより少ない電力を提供する。本開示の技法を使用して、充電器回路網600は、システムが電力を引き出す源となるバッテリに基づいて電力系統の限界を変更できる。
【0116】
上述のように、また図11に示すように、外部電源すなわちアダプタ、及び着脱式バッテリは両方ともセンスレジスタ516に接続される。バッテリ充電器602は、どれだけの電力がシステムに入って来ているかを測定し、バッテリ充電器602は、充電器が充電時に着脱式バッテリにどれだけの電力を提供しているかを知っている。動的電力管理を用いて、充電器回路網600は、充電時にバッテリにより小さい電力を提供してシステムが電力に困窮しないようにするために、システムが電力を引き出す源となるバッテリに基づき電力系統の限界を変更できる。電力系統の限界は、システムが必要とする電力量であり、本開示に従えばこの限界は設定可能である。特に、充電器回路網600は、FET604及び全体を606として図示するレジスタディバイダ回路網を含む。システムが必要とする電力がより多いか少ないかに基づいて、ポンププロセッサはFET604を制御してON又はOFFにし、それによって、レジスタディバイダ回路網606の脚(leg)のイン又はアウトを切り替える。いくつかの実施例において、電力系統の限界は、デジタル−アナログコンバータ(DAC)出力を介して制御できる。
【0117】
さらに、本開示に従って、センスレジスタ516(図11)は、外部電源すなわちアダプタ及び着脱式バッテリに接続され、内蔵バッテリには接続されない。設計によりシステムは内蔵バッテリから充電されないので、センスレジスタ516は、内蔵バッテリに接続する必要がない。
【0118】
さらに、充電器回路網600は、安全のためにリセット可能フューズ606を含む。いくつかの実施例において、リセット可能フューズ606を充電器回路基板に含めることができることが分かるはずである。
【0119】
再び図11を参照すると、充電器スイッチ回路網502は、充電器から電力を受けるのが内蔵バッテリであるか着脱式バッテリであるかを制御するフェイルセーフ手段を与えて、システムが単一の充電器回路を使用できるようにする。充電器スイッチ回路網502は、FET及び論理回路網の組合せを含み、論理回路網は、どちらのバッテリが充電するかをポンププロセッサが選択できるようにする。論理回路網は、内蔵バッテリと着脱式バッテリの間の短絡の可能性を排除する。
【0120】
充電器スイッチ回路網502において、ポンププロセッサは、2つの制御信号、すなわち内蔵バッテリスイッチ信号608及び着脱式バッテリスイッチ信号610をExclusive−ORゲート612へ与える。排他的Exclusive−ORゲート612の出力は、全体を614として図示する二重2入力Positive ANDゲートの各ANDゲートの1つの入力へ送られる。二重2入力ANDゲート614のANDゲートの他の2つの入力は、内蔵バッテリスイッチ信号608及び着脱式バッテリスイッチ信号610によって供給される。特に、内蔵バッテリスイッチ信号608は、ANDゲート616の入力へ供給され、着脱式バッテリスイッチ信号610はANDゲート618の入力へ供給される。ANDゲート616の出力はFET620をオンにし、これにより内蔵バッテリはFET624及び626を介して充電を開始する。ANDゲート618の出力はFET622をオンにし、これにより、着脱式バッテリはFET628及び630を介して充電を開始する。
【0121】
1つの実施例において、内蔵バッテリスイッチ信号608が論理レベル低でありかつ着脱式バッテリスイッチ信号610が論理レベル高である場合、着脱式バッテリは充電を開始し、内蔵バッテリスイッチ信号608が論理レベル高でありかつ着脱式バッテリスイッチ信号610が論理レベル低である場合、内蔵バッテリが充電を開始する。内蔵バッテリスイッチ信号608及び着脱式バッテリスイッチ信号610が同じ論理レベル(低又は高)である場合、いずれのバッテリも充電しない。
【0122】
図13A及び13Bは、それぞれ、本開示による制御・電源モジュール例えば図2A〜4Bの制御・電源モジュール12に使用するための着脱式バッテリ24及びバッテリ解除ラッチ700の平面図及び立面図である。図13Aには1つのバッテリ解除ラッチ700しか図示しないが、2つのラッチが係合して、着脱式バッテリ24を解除できるように、第二の同様の構造のバッテリ解除ラッチを制御・電源モジュールの反対側に配置できる。図13A及び13Bの実施例において、バッテリ解除ラッチ700は、プッシュボタン702と、キャッチ704と、回動心706と、スプリングリターン708とを含む。着脱式バッテリ24は、バッテリ解除ラッチ700のキャッチ704と係合して制御・電源モジュール12のハウジング22の中にバッテリをロックするように構成されたストッパ710を含む。
【0123】
図13A及び13Bにおいて、バッテリ解除ラッチ700のプッシュボタン702及びキャッチ704は、接続されて、回動心706の周りを回動する。キャッチ704が回動心706の周りで回動して着脱式バッテリ24のストッパ710と係合するように、スプリングリターン708は、プッシュボタン702と当接しこれに係合して、バッテリ解除ラッチ700を付勢するように配置される。着脱式バッテリ24を外す際、使用者は、プッシュボタン702を押して、プッシュボタン702及びキャッチ704を回動心706の周りで回動させて、キャッチ704を着脱式バッテリ24のストッパ710との係合から外すことができる。着脱式バッテリ24は、バッテリ解除ラッチ700を外した後使用者が手で取り外すか、又は制御・電源モジュール12は、ラッチがバッテリと係合しなくなったら少なくとも部分的にバッテリをハウジング22から射出する自動エジェクト機構を含むことができる。
【0124】
図14A及び14Bは、それぞれ、本開示による制御・電源モジュール例えば図2A〜4Bの制御・電源モジュール12に使用するための着脱式バッテリ24及び別のタイプのバッテリ解除ラッチ800の透視平面図及び立面図である。図14C及び14Dは、バッテリ解除ラッチ800の2つの異なる実施例を図解する、図14Aの線A−Aに沿って見た断面図である。図14A〜14Dにおいては、1つしかバッテリ解除ラッチ800を図示しないが、2つのラッチが係合して着脱式バッテリ24を解除できるように、制御・電源モジュールの反対側に第二の同様の構成のバッテリ解除ラッチを配置できる。図14A及び14Bにおいて、バッテリ解除ラッチ800は、着脱式バッテリ24と一体的であり、X軸(図14Aにおいて水平)又はY軸(図14A及び14Bにおいて垂直)の周りで回動できるプッシュボタンを備える。図14C及び14Dに図解する実施例は、Y軸の周りを回動するように構成されたプッシュボタンを含む。しかし、他の実施例において、バッテリ解除ラッチは、図14C及び14Dの実施例に従ってX軸の周りで回動するプッシュボタンを持つように構成できる。
【0125】
図14Cの実施例において、着脱式バッテリ24と一体的なバッテリ解除ラッチ800Aは、プッシュボタン802と、キャッチ804と、弾性タブ806とを含む。ハウジング22は、バッテリ解除ラッチ800Aのキャッチ804と係合して、バッテリを制御・電源モジュールのハウジング22の中にロックするように構成されたストッパ808を含む。バッテリ解除ラッチ800Aのプッシュボタン802及びキャッチ804は弾性タブ806において回転するように構成される。弾性タブ806は、1つの実施例において、バッテリ解除ラッチ800Aを付勢する弾性材料から形成でき、キャッチ804は、弾性タブ806の周りを回動してハウジング22のストッパ808に係合する。着脱式バッテリ24を外す際、使用者は、プッシュボタン802を押して、弾性タブ806を屈曲させることができる。これにより、キャッチ804がハウジング22のストッパ808との係合から外れるように、プッシュボタン802及びキャッチ804は弾性タブ806の周りで回動できる。着脱式バッテリ24は、バッテリ解除ラッチ800Aを外した後使用者が手で取り外すか、又は制御・電源モジュール12は、ラッチがバッテリと係合しなくなったら少なくとも部分的にバッテリをハウジング22から射出する自動エジェクト機構を含むことができる。
【0126】
図14Dの実施例において、着脱式バッテリ24と一体的なバッテリ解除ラッチ800Bは、プッシュボタン802と、キャッチ804と、回動心810と、スプリングリターン812とを含む。この実施例において、バッテリ解除ラッチ800Aのプッシュボタン802及びキャッチ804は、回動心810の周りで回転するように構成される。キャッチ804が回動心810の周りで回動してハウジング22のストッパ808と係合するように、スプリングリターン812は、プッシュボタン802と当接しこれと係合して、バッテリ解除ラッチ800Aを付勢するように構成される。着脱式バッテリ24を外す際、使用者は、プッシュボタン802を押して、スプリングリターン812を圧縮し、プッシュボタン802及びキャッチ7804を回動心706810の周りで回動させて、キャッチ7804をハウジング22のストッパ7108との係合から外すことができる。着脱式バッテリ24は、バッテリ解除ラッチ800Bを外した後使用者が手で取り外すか、又は制御・電源モジュールは、ラッチがバッテリと係合しなくなったら少なくとも部分的にバッテリをハウジング22から射出する自動エジェクト機構を含むことができる。
【0127】
以上の実施例は、VADにおいて採用される制御・電源モジュールに関係する多数の概念を開示する。開示する実施例は、いくつかの例において、制御・電源モジュール又はその他のVAD要素の特定の物理的及び/又は論理的実施形態に関して説明されるが、明確に説明される以外の組合せが可能性である。例えば、図1〜10Bに図解され、図1〜10Bの制御・電源モジュールを参照して説明される1つの着脱式バッテリ及び1つの内蔵バッテリを持つ設計は、2010年3月5日に提出された米国仮出願第61/311078号「機械的循環補助システムのための携帯用コントローラ及び電源」(参照により本明細書に組み込まれる)において開示されるような蝶番式ハウジング設計において実現できる。同様に、図1〜10Bの設計は、着脱式バッテリ及び内蔵バッテリの設計に関連して説明されるが、2つの着脱式バッテリを持つ制御・電源モジュールとして実現できる。
【0128】
VADの制御電子部品によって実行される機能に関して本開示において説明する技法は、少なくとも部分的に、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はその任意の組合せ体において実現できる。例えば、説明される技法の様々な形態は、1つ又はそれ以上のマイクロプロセッサを含めて1つ又はそれ以上のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲート配列(FPGA)又は他の同等の集積又は離散的論理回路並びに前記の要素の任意の組合せ内部で実現できる。「プロセッサ」又は「プロセッサ回路網」と言う用語は、概して、上記の論理回路網のいずれかを、単独で又は他の論理回路網と組み合わせて、又は他の同等の回路網を意味することができる。ハードウェアを備える制御ユニットも、本開示の技法の1つ又はそれ以上を実施できる。
【0129】
前記のハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアは、本開示において説明する様々な作動及び機能を支援するために同一の装置内又は別個の装置内で実現できる。さらに、説明するユニット、モジュール又は要素のいずれも、一緒に、又は離散的であるが相互作動可能な論理デバイスとして別個に、実現できる。異なる機構をモジュール又はユニットとして説明するのは、異なる機能面を強調するためであり、必ずしも前記のモジュール又はユニットを別個のハードウェア又はソフトウェア要素によって実現しなければならないことを意味しない。1つ又はそれ以上のモジュール又はユニットと関連付けられる機能性は、別個のハードウェア又はソフトウェア要素によって実施されるか、又は共通の又は別個のハードウェア又はソフトウェア要素の中に組み込める。
【0130】
本開示において説明するいくつかの技法は、コンピュータ読込み可能な記憶媒体など命令を含むコンピュータ読込み可能な媒体において組み込み又はコード化できる。コンピュータ読込み可能な媒体に組み込まれた又はコード化された命令は、例えば命令が実行される時、プログラマブルプロセッサ又は他のプロセッサに方法を実施させることができる。コンピュータ読込み可能記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能ROM(PROM)、消去プログラム可能ROM(EPROM)、電子的消去プログラム可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク、磁気媒体、光学媒体又はその他のコンピュータ読込み可能媒体を含むことができる。
【0131】
以上、様々な実施例について説明した。これらの及びその他の実施例は、以下の特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的循環補助(MCS)システム用の携帯用外部装置において、
複数の電源であって、少なくともその1つが埋込みポンプへ電力供給するように構成される、複数の電源と、
前記複数の電源の中の1つ又はそれ以上の電源の特性又は前記携帯用外部装置又は前記埋込みポンプの作動特性の少なくとも1つに基づいて、前記複数の電源の1つ又はそれ以上の電源を起動するように構成された電力管理モジュールと、を備える、装置。
【請求項2】
前記複数の電源の中の前記1つ又はそれ以上の電源を起動するように構成された前記電力管理モジュールが、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記複数の電源の1つ又はそれ以上の電源を選択するように構成された電力管理モジュール又は前記複数の電源の中の第二電源を充電するために前記複数の電源の中の第一電源を選択するように構成された電力管理モジュールの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電力管理モジュールが、前記複数の電源の中の1つ又はそれ以上の電源の電圧容量又は充電レベルの少なくとも1つに基づいて前記埋込みポンプへ電力供給するために前記複数の電源の中の1つの電源を選択するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記電力管理モジュールが、前記埋込みポンプへ電力供給するために最高電圧容量を持つ前記複数の電源を選択するように構成されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記電力管理モジュールが、
前記複数の電源の中の1つ又はそれ以上の電源の充電レベルを少なくとも1つの閾値と比較し、
前記比較に基づいて前記埋込みポンプへ電力供給するために前記複数の電源の中の1つの電源を選択する、ように構成されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の電源が2つの充電式バッテリを備え、かつ前記電力管理モジュールが前記2つの充電式バッテリの各々の充電レベルに基づいて前記埋込みポンプへ電力供給するために前記2つの充電式バッテリの1つを選択するように構成されることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記電力管理モジュールが、前記埋込みポンプへ電力供給するために2つの充電式バッテリのうち最高充電レベルを持つバッテリを選択することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記2つの充電式バッテリが、1つの外部充電式バッテリと1つの内蔵充電式バッテリとを備え、かつ前記電力管理モジュールが、
前記外部充電式バッテリの充電レベルを第一閾値と比較し、
前記外部充電式バッテリの前記充電レベルが前記第一閾値より大きい場合、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記外部充電式バッテリを選択する、ように構成されることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記電力管理モジュールが、
前記内蔵充電式バッテリの充電レベルを第二閾値と比較し、
前記内蔵充電式バッテリの前記充電レベルが前記第二閾値より大きくかつ前記外部充電式バッテリの前記充電レベルが前記第一閾値より小さい場合、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記内蔵充電式バッテリを選択する、ように構成されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記電力管理モジュールが、前記埋込みポンプの電力需要に基づいて前記埋込みポンプへ電力供給するために前記複数の電源の中の1つの電源を選択するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の電源が、1つのエネルギー密度の高い外部充電式バッテリと1つの出力密度の高い内蔵充電式バッテリとを備え、かつ前記電力管理モジュールが、
前記埋込みポンプの前記電力需要が閾値より低い場合、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記エネルギー密度の高い外部充電式バッテリを選択し、
前記埋込み式ポンプの前記電力需要が前記閾値より高い場合、前記埋込み式ポンプへ電力供給するために前記出力密度の高い内蔵充電式バッテリを選択する、ように構成されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記電力管理モジュールが、前記2つのバッテリの相対的充電レベルに関係なく、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記エネルギー密度の高い外部充電式バッテリ又は前記出力密度の高い内蔵充電式バッテリの1つを選択するように構成されることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記電力管理モジュールが、前記複数の電源の中の1つ又はそれ以上の電源のタイプに基づいて前記埋込みポンプへ電力供給するために前記複数の電源の中の1つの電源を選択するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記複数の電源が、2つの充電式バッテリと1つの外部電源とを備え、かつ前記電力管理モジュールが、
前記外部電源が前記携帯用外部装置に接続された時、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記外部電源を選択し、
前記外部電源が前記携帯用外部装置に接続されない時、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記2つの充電式バッテリの1つを選択する、
ように構成されることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記2つの充電式バッテリが1つの内蔵充電式バッテリと1つの外部充電式バッテリとを備え、かつ前記電力管理モジュールが、
前記外部充電式バッテリが前記携帯用外部装置に接続されかつ閾値より高い充電レベルを持つ時、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記外部充電式バッテリを選択し、
前記外部充電式バッテリの少なくとも1つが前記携帯用外部装置に接続されない場合又は前記外部充電式バッテリの前記充電レベルが前記閾値より低い時、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記内蔵充電式バッテリを選択する、ように構成されることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記電力管理モジュールが、前記複数の電源の中の1つ又はそれ以上の電源のタイプ又は充電レベルの少なくとも1つに基づいて前記複数の電源の中の第一電源を前記複数の電源の中の第二電源で充電するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記複数の電源が2つの充電式バッテリを備え、かつ前記電力管理モジュールが、前記2つの充電式バッテリのうち最低充電レベルを持つ一方のバッテリを前記2つの充電式バッテリのうち最高充電レベルを持つ他方のバッテリを用いて充電するように構成されることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記複数の電源が1つの内蔵充電式バッテリと1つの外部充電式バッテリとを備え、かつ前記電力管理モジュールが前記内蔵充電式バッテリを前記外部充電式バッテリで充電するように構成されることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記電力管理モジュールが、前記内蔵充電式バッテリの充電レベルが第一閾値より低くかつ前記外部充電式バッテリの充電レベルが第二閾値より高い時に前記内蔵充電式バッテリを前記外部充電式バッテリで充電するように構成されることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記複数の電源が2つの充電式バッテリと1つの外部電源とを備え、かつ前記電力管理モジュールが、前記外部電源が前記携帯用外部装置に接続された時に前記2つの充電式バッテリの少なくとも1つを前記外部電源で充電するように構成されることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記電力管理モジュールが、前記外部電源が前記2つの充電式バッテリの前記少なくとも1つを充電している時、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記外部電源を選択するように構成されることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
埋込みポンプと、
携帯用外部装置であって、
複数の電源であって、少なくともそのうち1つが埋込みポンプへ電力供給するように構成される、複数の電源と、
前記複数の電源の中の1つ又はそれ以上の電源の特性又は前記携帯用外部装置又は前記埋込みポンプの作動特性の少なくとも1つに基づいて、前記複数の電源の中の1つ又はそれ以上の電源を起動するように構成された電力管理モジュールと、を備える携帯用外部装置と、を備える、機械的循環補助(MCS)システム。
【請求項23】
前記複数の電源の中の前記1つ又はそれ以上の電源を起動するように構成された前記電力管理モジュールが、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記複数の電源の中の1つ又はそれ以上の電源を選択するように構成された電力管理モジュール又は前記複数の電源の中の第二電源を充電するために前記複数の電源の中の第一電源を選択するように構成された電力管理モジュールの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項22のシステム。
【請求項24】
前記電力管理モジュールが、前記複数の電源の中の1つ又はそれ以上の電源の電圧容量又は充電レベルの少なくとも1つに基づいて前記埋込みポンプへ電力供給するために前記複数の電源の中の1つの電源を選択するように構成されることを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記電力管理モジュールが、前記埋込みポンプへ電力供給するために最高電圧容量を持つ前記複数の電源を選択するように構成されることを特徴とする、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記電力管理モジュールが、
前記複数の電源の中の1つ又はそれ以上の電源の充電レベルを少なくとも1つの閾値と比較し、
前記比較に基づいて前記埋込みポンプへ電力供給するために前記複数の電源の中の1つの電源を選択する、ように構成されることを特徴とする、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記複数の電源が2つの充電式バッテリを備え、かつ前記電力管理モジュールが前記2つの充電式バッテリの各々の充電レベルに基づいて前記埋込みポンプへ電力供給するために前記2つの充電式バッテリの1つを選択するように構成されることを特徴とする、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記電力管理モジュールが、前記埋込みポンプへ電力供給するために2つの充電式バッテリのうち最高充電レベルを持つバッテリを選択することを特徴とする、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記2つの充電式バッテリが、1つの外部充電式バッテリと1つの内蔵充電式バッテリとを備え、かつ前記電力管理モジュールが、
前記外部充電式バッテリの充電レベルを第一閾値と比較し、
前記外部充電式バッテリの前記充電レベルが前記閾値より大きい場合、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記外部充電式バッテリを選択する、ように構成されることを特徴とする、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記電力管理モジュールが、
前記内蔵充電式バッテリの充電レベルを第二閾値と比較し、
前記内蔵充電式バッテリの前記充電レベルが前記第二閾値より大きくかつ前記外部充電式バッテリの前記充電レベルが前記第一閾値より小さい場合、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記内蔵充電式バッテリを選択する、ように構成されることを特徴とする、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記電力管理モジュールが、前記埋込みポンプの電力需要に基づいて前記埋込みポンプへ電力供給するために前記複数の電源の中の1つの電源を選択するように構成されることを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項32】
前記複数の電源が、1つのエネルギー密度の高い外部充電式バッテリと1つの出力密度の高い内蔵充電式バッテリとを備え、かつ前記電力管理モジュールが、
前記埋込みポンプの電力需要が閾値より低い場合、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記エネルギー密度の高い外部充電式バッテリを選択し、
前記埋込み式ポンプの前記電力需要が前記閾値より高い場合、前記埋込み式ポンプへ電力供給するために前記出力密度の高い内蔵充電式バッテリを選択する、ように構成されることを特徴とする、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記電力管理モジュールが、前記2つのバッテリの相対的充電レベルに関係なく、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記エネルギー密度の高い外部充電式バッテリ又は前記出力密度の高い内蔵充電式バッテリの1つを選択するように構成されることを特徴とする、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記電力管理モジュールが、前記複数の電源の中の1つ又はそれ以上の電源のタイプに基づいて前記埋込みポンプへ電力供給するために前記複数の電源の中の1つの電源を選択するように構成されることを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項35】
前記複数の電源が、2つの充電式バッテリと1つの外部電源とを備え、かつ前記電力管理モジュールが、
前記外部電源が前記携帯用外部装置に接続された時、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記外部電源を選択し、
前記外部電源が前記携帯用外部装置に接続されない時、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記2つの充電式バッテリの1つを選択する、
ように構成されることを特徴とする、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記2つの充電式バッテリが1つの内蔵充電式バッテリと1つの外部充電式バッテリとを備え、かつ前記電力管理モジュールが、
前記外部充電式バッテリが前記携帯用外部装置に接続されかつ閾値より高い充電レベルを持つ時、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記外部充電式バッテリを選択し、
前記外部充電式バッテリの少なくとも1つが前記携帯用外部装置に接続されない場合又は前記外部充電式バッテリの前記充電レベルが前記閾値より低い時、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記内蔵充電式バッテリを選択する、
ように構成されることを特徴とする、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記電力管理モジュールが、前記複数の電源の中の1つ又はそれ以上の電源のタイプ又は充電レベルの少なくとも1つに基づいて前記複数の電源の中の第一電源を前記複数の電源の中の第二電源で充電するように構成されることを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項38】
前記複数の電源が2つの充電式バッテリを備え、かつ前記電力管理モジュールが、前記2つの充電式バッテリのうち最低充電レベルを持つ一方のバッテリを前記2つの充電式バッテリのうち最高充電レベルを持つ他方のバッテリを用いて充電するように構成されることを特徴とする、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記複数の電源が1つの内蔵充電式バッテリと1つの外部充電式バッテリとを備え、かつ前記電力管理モジュールが前記内蔵充電式バッテリを前記外部充電式バッテリで充電するように構成されることを特徴とする、請求項37に記載のシステム。
【請求項40】
前記電力管理モジュールが、前記内蔵充電式バッテリの充電レベルが第一閾値より低くかつ前記外部充電式バッテリの充電レベルが第二閾値より高い時に前記内蔵充電式バッテリを前記外部充電式バッテリで充電するように構成されることを特徴とする、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記複数の電源が2つの充電式バッテリと1つの外部電源とを備え、かつ前記電力管理モジュールが、前記外部電源が前記携帯用外部装置に接続された時に前記2つの充電式バッテリの少なくとも1つを前記外部電源で充電するように構成されることを特徴とする、請求項37に記載のシステム。
【請求項42】
前記電力管理モジュールが、前記外部電源が前記2つの充電式バッテリの前記少なくとも1つを充電している時、前記埋込みポンプへ電力供給するために前記外部電源を選択するように構成されることを特徴とする、請求項41に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【公表番号】特表2013−521067(P2013−521067A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556275(P2012−556275)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2011/027288
【国際公開番号】WO2011/109773
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
【出願人】(512229894)ミネトロニクス インコーポレイティド (3)
【Fターム(参考)】