説明

歩行器型蓄電装置

【課題】 従来は運動器具と発電・蓄電装置とはそれぞれ別個のものであった。このため、家庭などに設置し、健康保持に役立てながら同時に人間の運動エネルギーを電気として蓄電すると云うことはできなかった。
【解決手段】 歩行運動によりローラーを回転させることで発電機を回転させ、バッテリーに蓄電するよう構成されている。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、歩行器型蓄電装置に係るもので、詳しくは運動器具と蓄電装置とを合理的に組合せた装置に関するものである。
健康のために運動を行い、この運動により発生するエネルギーを有効利用し、電気として蓄えようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、運動器具と発電・蓄電装置とは、それぞれ別個のものとして提供されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来の技術で述べたものにあっては、下記のような問題点を有していた。
スポーツジム又は家庭などに設置し、健康保持に役立てながら同時に人間の運動エネルギーを有効利用し、電気として蓄電すると云うことはできなかった。
本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のようなことのできるものを提供しようとするものである。
1.歩行によりローラーが回転し、増速機により増速し、発電機を回転させる。
2.発電した電気を整流器と電圧調整器を通してバッテリーに蓄電する。
3.バッテリーに蓄電した直流電源をDC/AC変換器により単相交流電源として出力する。
健康のために行う運動エネルギーを有効利用し電気として蓄電する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案のものは下記のようになるものである。
すなわち本考案のものは、歩行運動によりローラーを回転させて発電機を回転させ発電し、これをバッテリーに蓄電するよう構成されている歩行器型蓄電装置である。
【0005】
この場合、下記のように構成することができる。
ベース2と、歩行器部3と、発電・蓄電部4から構成され、ベース2は、前後に平行な状態で位置する前後の接地板2Aと、前後の接地板上の左右に起立された縦脚2Bから構成され、歩行器部3は歩行器本体3Aとハンドル3Bから構成され、歩行器本体3Aは前後に位置する縦脚2B上に前後方向をもって掛架された左右枠3A1,3A1と、これら左右枠間に回転自在に取付けられた適数本のローラー3A2,..と、これらローラー3A2,..の表面にエンドレスの状態で掛け回された平ベルト3A3から構成され、かつ、上記適数本のローラー3A2,..のうち最先端のローラー3A2が、側面から見て一番高い位置に位置し、暫時後方に位置するローラー3A2が少しずつ低くなるよう構成されていると共に、最先端のローラー3A2から駆動軸3A21が右枠より外方に引き出され、駆動軸3A21の先端には増速機3A4が取付けられ、ハンドル3Bは正面から見て、左右枠3A1,3A1の先端部分に起立させた左右の縦枠3B1とこれら左右の縦枠の上端を連結する横枠3B2から構成され、発電および蓄電部4は、増速機3A4にカップリング4Aで連結されている発電機4Bと、歩行器本体3Aの下面あるいは近傍に配設された整流器4C、電圧調整器4D、バッテリー4E、DC/AC変換器4F、コンセント4Gから構成されている。
【0006】
【考案の実施の形態】
考案の実施の形態について図面を参照して説明する。
1は本考案の歩行器型蓄電装置で、ベース2と、歩行器部3と、発電・蓄電部4から構成されている。
ベース2は、前後に平行な状態で位置する前後の接地板2Aと、前後の接地板上の左右に起立された縦脚2Bから構成されている。
【0007】
歩行器部3は歩行器本体3Aとハンドル3Bから構成されている。
歩行器本体3Aは前後に位置する縦脚2B上に前後方向をもって掛架された左右枠3A1,3A1と、これら左右枠間に回転自在に取付けられた適数本のローラー3A2,..と、これらローラー3A2,..の表面にエンドレスの状態で掛け回された平ベルト3A3から構成され、かつ、上記適数本のローラー3A2,..のうち最先端のローラー3A2が、側面から見て一番高い位置に位置し、暫時後方に位置するローラー3A2が少しずつ低くなるよう構成されていると共に、最先端のローラー3A2から駆動軸3A21が右枠より外方に引き出されている。
この結果、平ベルト3A3上を歩行すると、後退する平ベルトによってローラー3A2,..は回転することになる。
駆動軸3A21の先端にはカップリング3A41を介して増速機3A4が取付けられている。
また、ハンドル3Bは正面から見て、左右枠3A1,3A1の先端部分に起立させた左右の縦枠3B1とこれら左右の縦枠の上端を連結する横枠3B2から構成されている。
横枠3B2の中心には表示器3B3が取付けられている。
【0008】
発電および蓄電部4は、増速機3A4にカップリング4Aで連結されている発電機4Bと、歩行器本体3Aの下面あるいは近傍に配設された整流器4C、電圧調整器4D、バッテリー4E、DC/AC変換器4F、コンセント4Gから構成されている。
【0009】
【考案の効果】
本考案は、上述の通り構成されているので次に記載する効果を奏する。
A.歩行することによりローラーを回転させて健康保持の運動をする同時に、この運動エネルギーを増速機で増速させ、発電機を回転させ、発電した電気を整流器と電圧調整器を通してバッテリーに蓄電することができる。
B.必要に応じて、バッテリーに蓄電した直流電源をDC/AC変換器により単相交流電源として出力して家庭用電源として使用可能である。
なお、整流器を介さない場合は、三相交流電源としても利用することができる。
C.比較的小型タイプに構成されているから、屋内に設置が可能である。
このように、本考案のものはスポーツジム、一般家庭での運動器具として利用し、家庭用電源として使用できる有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】正面図である。
【図2】左側面図である。
【図3】ハンドル部を省略した平面図である。
【符号の説明】
1 歩行器型蓄電装置
2 ベース
3 歩行器部
4 発電および蓄電部

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 歩行運動によりローラーを回転させて発電機を回転させ発電し、これをバッテリーに蓄電するよう構成されていることを特徴とする歩行器型蓄電装置。
【請求項2】 ベース(2)と、歩行器部(3)と、発電・蓄電部(4)から構成され、ベース(2)は、前後に平行な状態で位置する前後の接地板(2A)と、前後の接地板上の左右に起立された縦脚(2B)から構成され、歩行器部(3)は歩行器本体(3A)とハンドル(3B)から構成され、歩行器本体(3A)は前後に位置する縦脚(2B)上に前後方向をもって掛架された左右枠(3A1,3A1)と、これら左右枠間に回転自在に取付けられた適数本のローラー(3A2,..)と、これらローラー(3A2,..)の表面にエンドレスの状態で掛け回された平ベルト(3A3)から構成され、かつ、上記適数本のローラー(3A2,..)のうち最先端のローラー(3A2)が、側面から見て一番高い位置に位置し、暫時後方に位置するローラー(3A2)が少しずつ低くなるよう構成されていると共に、最先端のローラー(3A2)から駆動軸(3A21)が右枠より外方に引き出され、駆動軸(3A21)の先端には増速機(3A4)が取付けられ、ハンドル(3B)は正面から見て、左右枠(3A1,3A1)の先端部分に起立させた左右の縦枠(3B1)とこれら左右の縦枠の上端を連結する横枠(3B2)から構成され、発電および蓄電部(4)は、増速機(3A4)にカップリング(4A)で連結されている発電機(4B)と、歩行器本体(3A)の下面あるいは近傍に配設された整流器(4C)、電圧調整器(4D)、バッテリー(4E)、DC/AC変換器(4F)、コンセント(4G)から構成されていることを特徴とする歩行器型蓄電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【登録番号】第3033599号
【登録日】平成8年(1996)11月6日
【発行日】平成9年(1997)1月28日
【考案の名称】歩行器型蓄電装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平8−7709
【出願日】平成8年(1996)7月15日
【出願人】(000105084)株式会社ナカオ (1)