説明

歯ブラシ

【課題】 適度な毛腰の強さを備えて良好な刷掃効果を維持しつつ、歯肉を傷めることがなく、細部の清掃性も向上でき、さらには耐久性にも優れた歯ブラシを提供せんとする。
【解決手段】 ブラシ部に植設されるブラシ毛2を、一本の芯部3の周りに鞘部4を配した芯鞘構造を有する複合モノフィラメント20の先端側に、前記芯部3を露出させて構成したもので、特に複合モノフィラメント20の断面積のうち、前記芯部3の断面積を15〜80%とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芯鞘構造を有する複合モノフィラメントからなるブラシ毛を植設した歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
歯ブラシのブラシ毛は、外径を太くすると腰が出て刷掃力が向上する。しかし、歯間や歯周ポケット等の細部に毛先が届きにくく、当該部位の汚れを除去できないといった問題がある。
また、毛腰が強すぎると歯茎を傷付けてしまう可能性が高くなる。
【0003】
一方、口腔内細部の清掃性を向上させるために、ブラシ毛の外径を細くしたり、極端なテーパー形状に加工するといった工夫が為されている。例えば、複合モノフィラメントの切断片を薬剤処理し、両端に先鋭部を形成した上、中央部で折り曲げてブラシ部に植設してなる歯ブラシが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このようなものでは逆に毛腰が弱くなり、刷掃力が低下したり、極端な場合には歯ブラシを操作しても毛が撓むだけとなってしまい刷掃困難となる。このような問題は、特に電動歯ブラシに適用した場合に顕著となる。
【0004】
これに対し、毛腰の強さと刷掃効果を目指すものとして、芯鞘構造のフィラメントが提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。しかし、その芯鞘構造であっても毛腰の強さと細部刷掃効果の両立は困難であった。
【0005】
【特許文献1】実開平5−15834号公報
【特許文献2】独国特許出願公開19942147号明細書
【特許文献3】特開2003−169718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、適度な毛腰の強さを備えて良好な刷掃効果を維持しつつ、歯肉を傷めることがなく、細部の清掃性も向上でき、さらには耐久性にも優れた歯ブラシを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述の課題解決のために、ブラシ部に植設されるブラシ毛を、一本の芯部の周りに鞘部を配した芯鞘構造を有する複合モノフィラメントの先端側に、前記芯部を露出させてなる歯ブラシにおいて、前記複合モノフィラメントの断面積のうち、前記芯部の断面積を15〜80%としたことを特徴とする歯ブラシを構成した。
【0008】
また、前記複合モノフィラメント及びその芯部の断面形状をそれぞれ略円形とするとともに、前記複合モノフィラメントの外径を0.16mm〜0.25mmとし、且つ前記芯部の外径を前記複合モノフィラメントの外径の40〜90%としたものが好ましい。
【0009】
また、前記芯部の断面形状を、略楕円、略多角形又はその他の異形としたものが好ましく、特に鋭角を有する略多角形としたものが好ましい。
【0010】
さらに、前記芯部の外周面に、軸方向に延びる突条部又は凹溝を単又は複数設けたものが好ましい。
【0011】
なお、前記複合モノフィラメントの断面形状は、前記芯部の断面形状と略相似形としたものが好ましい。
【0012】
また、前記芯部の材質の主成分をポリアミド樹脂、前記鞘部の材質の主成分をポリエステル樹脂とし、当該複合モノフィラメントの先端側をアルカリ性溶解液に浸漬させて前記芯部が露出したブラシ毛を構成したものが好ましい実施例である。
【発明の効果】
【0013】
以上にしてなる本願発明に係る歯ブラシは、芯部の断面積を複合モノフィラメントの断面積の15〜80%に設定したことから、鞘部を有するブラシ毛基端側により適度な毛腰の強さを備えつつ、先端側に露出した芯部により、歯肉を傷めることなく優れた細部清掃性を発揮できる。
【0014】
より具体的には、前記複合モノフィラメント及びその芯部の断面形状をそれぞれ略円形とするとともに、前記複合モノフィラメントの外径を0.16mm〜0.25mmとし、且つ前記芯部の外径を前記複合モノフィラメントの外径の40〜90%としたので、毛腰の維持及び優れた細部清掃性を両立できる。
【0015】
また、前記芯部の断面形状を、略楕円、略多角形又はその他の異形としたもの、特に、鋭角を有する略多角形としたものでは、芯部露出基端から鞘部端部が剥がれることが防止でき、ブラシ毛の耐久性を向上できる。
【0016】
また、前記芯部の外周面に、軸方向に延びる突条部又は凹溝を複数設けたものも、同じく鞘部端部の剥がれが防止できる。
【0017】
また、複合モノフィラメントの断面形状は、前記芯部の断面形状と略相似形としたものでは、芯部が上記円形以外の形状としても鞘部の厚みが周方向に沿って略均一となり、力が分散され、当該鞘部の剥がれをより確実に防止できる。
【0018】
また、前記芯部の材質の主成分をポリアミド樹脂、前記鞘部の材質の主成分をポリエステル樹脂とし、当該複合モノフィラメントの先端側をアルカリ性溶解液に浸漬させて前記芯部が露出したブラシ毛を構成したものが、毛腰の維持及び優れた細部清掃性を両立し、電動歯ブラシとしても好適である点で好ましい実施例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る歯ブラシの全体構成を示す図であり、図1〜8は代表的実施形態を示し、図中符号1は歯ブラシ、2はブラシ毛、3は芯部、4は鞘部をそれぞれ示している。
【0021】
本発明の歯ブラシ1は、図1及び図2に示すように、ブラシ部10に植設されるブラシ毛2を、一本の芯部3の周りに鞘部4を配した芯鞘構造を有する複合モノフィラメント20の先端側に、前記芯部3を露出させて構成したものであり、特に複合モノフィラメント20の断面積、即ち芯部3と鞘部4を含む複合モノフィラメント全体の断面積のうち、前記芯部3の断面積を15〜80%、より好ましくは40〜80%としたことを特徴としている。
【0022】
本発明は、このように鞘部4を有するブラシ毛基端側で適度な毛腰を維持つつ、先端側に露出した断面積15〜80%の芯部3により、歯肉を傷めることなく優れた細部清掃性を発揮するものである。
なお、ブラシ毛を除く歯ブラシ本体については、従来と同様のものが広く適用でき、後述するように、手動の歯ブラシのみならず、ブラシ部を振動させる駆動手段を備えた電動歯ブラシなども好適である。
【0023】
芯部を露出させる方法については、機械的或いは化学的方法により鞘部を除去する手段等が採用でき、以下の説明では、化学的除去の方法を採用した例について述べるが特にその方法に限定されるものではない。
【0024】
本実施形態の複合モノフィラメント20は、芯部3にポリアミド樹脂を採用し、かつ鞘部4の材質をポリエステル樹脂とし、当該複合モノフィラメント20の先端側をアルカリ性溶解液に浸漬させて芯部3が露出したブラシ毛2を構成したものである。
【0025】
なお、この先端加工は、植毛の前に行ってもよいが、複合モノフィラメントをブラシ部に植毛した後、その先端部を加水分解溶液中に浸漬して溶解処理してもよい。
【0026】
上記のように溶解される鞘部4の端部には芯部に連続するテーパー部40が必然的に形成されるが、そのテーパーの角度等は浸漬時間等を制御することによって容易に調整できる。このテーパー部40が形成されることで口腔内細部への挿入性、到達性がさらに良くなるのであるが、特に機械加工の場合であるが、テーパー部40の形成は必須ではない。
【0027】
複合モノフィラメント20及びその芯部3の断面形状は、それぞれ略円形であり、複合モノフィラメント20の外径b2は0.16mm〜0.25mmに設定され、芯部3の外径b1は、複合モノフィラメントの外径の40〜90%、より好ましくは60〜80%に設定されている。
【0028】
複合モノフィラメント20の両端側に芯部3を露出させてなるブラシ毛2は、複数本ずつを束にして略中央で折り曲げ、その折り曲げ部がブラシ部10基台上に植設される。なお、折曲位置を中央からずらすことにより植設されたブラシ毛2の先端に段差を設けてもよい。
【0029】
また、ブラシ毛2の植設方法は、複数のブラシ毛2を束ねて構成されるタフトを、ブラシ部基台に設けられた複数の植毛孔の各々に平線で打ち込んだり、熱で融着させたりする方法などが好適に利用できる。
【0030】
基台上の植設孔の配置については特に限定されず、様々な配置形態が採用できる。また、ブラシ毛を構成する複合モノフィラメントは、一種のみを使っても良いし、2種以上の複合モノフィラメントを、或いは、1種以上の複合モノフィラメントと1種以上の複合モノフィラメント以外のモノフィラメントを組み合わせたものを、植毛孔別に、あるいは同じ植毛孔に混ぜ合わせて使ってもよい。
【0031】
植毛されたブラシ毛2の植毛基部から先端までの毛丈a2は6〜12mmの範囲とすることが好ましい。あまり長すぎると口中における操作性が悪くなるとともに毛腰が柔らかくなりすぎて充分な清掃効果が得られない。他方、短すぎるとブラッシング中の毛のたわみが少なくなって使用感が悪くなるとともに歯間部への挿入性も悪くなる。
【0032】
芯部の露出長a1は、毛丈の5〜50%、より好ましくは10〜50%に設定され、具体的には、0.5〜4.0mmの好適な範囲に設定される。毛丈の5%未満であると、歯間部や歯頸部、小窩裂溝等の奥部に到達させるには不十分である。また、芯部の露出長a1は長いほど細深部に対する清掃効果は高いが、その反面、耐久性が低下する。実用的な耐久性を維持できる露出長は毛丈の50%以下、具体的には4.0mm程度以下となる。
【0033】
本実施形態では、複合モノフィラメントは両端に芯部3を露出させているが、片端のみを露出させたものであってもよい。
また、露出した芯部3の先端形状は任意であり、半球状など適宜な形状に加工することが好ましい。また、上記片端のみを露出させたものの場合は、その露出されなかった端の先端形状は、機械的、化学的に半球状、球状、扁平状、テーパー状、分岐状など適宜な形状に加工することができる。
本実施形態では、芯部3の材質をポリアミド樹脂とし、円柱状に真直ぐに伸びているが、機械加工、或いは鞘部と同じくアルカリ性溶解液で溶かされる材質を選択することにより、図8(a)〜(d)に示すようにテーパー状に加工してもよい。
【0034】
また、芯部の材質に鞘部の材料を所定量混入したり、逆に鞘部の材質に芯部の材料を所定量混入することにより、芯部と鞘部の相溶性を高め、接合強度を向上させることができ、本例においては、芯部の材質をポリアミド樹脂を主成分とし、これにポリエステル樹脂を所定量混入することや、鞘部の材質をポリエステル樹脂を主成分とし、これにポリアミド樹脂を所定量混入することが好ましく、これにより鞘部の剥がれをより確実に防止できることとなる。
【0035】
図3は、芯部3の断面形状を略多角形とした例、図4は、芯部3の外周面に軸方向に延びる突条部32を複数設けた例、図5は、芯部3の外周面に軸方向に延びる凹溝34を複数設けた例を示している。
【0036】
図3に示すように、芯部3の断面形状を鋭角部30を有する略多角形とすれば、芯部露出基端において、鞘部端部が当該芯部3に形成される凹部31に食い込んだように残存して食込み部41を形成することにより、使用により鞘部が当該芯部露出基端から剥がれてしまうといったことが防止でき、耐久性を向上できる。図4、図5の場合も、上述の略多角形とした場合と同様に、鞘部4端部に外周面33又は凹溝に食い込んだ食込み部41が形成され、当該食い込みにより鞘部端部の剥がれが防止されている。本例では突条部32、凹溝34を周方向に沿って5つ設けているが、その数は特に限定されず、一つのみ設けたものであっても良い。
【0037】
図6は芯部3と鞘部4の間に両者を接着させるための接着層5を介設したものであり、これにより上述の鞘部端部の剥がれをより確実に防止できる。
【0038】
また、図7は、複合モノフィラメントの断面形状を、芯部3の断面形状と略相似形としたものであり、これにより鞘部4の厚みが周方向に沿って略均一となり鞘部4の剥がれをより確実に防止できる。
【0039】
図8に示すように、芯部3をテーパー状に構成することもこのましい実施例である。なお、このような場合においても、(b)〜(d)に示すように芯部3断面形状を略多角形としたり、突条部32や凹溝34を設けることにより鞘部端部に食込み部41が形成され、剥がれが防止できることが分かる。
【0040】
本発明に係る歯ブラシは、手動の歯ブラシに適用できるほか、電動歯ブラシに適用することもできる。本発明では、ブラシ毛2を植設したブラシ部10を振動数25〜185Hz、振幅0.2〜3.5mmで振動させても、毛先が当該振動に追従しえる毛腰が維持されており、有効に清掃することが可能である。
【実施例】
【0041】
次に、本発明のより具体的な実施例と、これら実施例の効果を検証するために行った試験について述べる。下記表1に示すように、実施例1〜7及び比較例1〜4は、それぞれ断面略円形の芯部の周囲に断面略円環状の鞘部を同軸に配したもの、実施例8は、図3に示した形態のもの、実施例9は、図4に示した形態のもの、実施例10は、図5に示した形態のものである。何れも芯部にポリアミド樹脂、鞘部にポリブチレンテレフタレートを用い、当該複合モノフィラメントを多数本を束ねて端部を溶解液中に浸漬することにより、両端からそれぞれ一定深さ入り込んだ位置までの鞘部を選択的に溶解させて芯部を露出させた。ブラシ毛外径、芯部外径、芯部外径比率、芯部断面比率、芯部露出長の各寸法は、表1に示すように設定されている。
比較例5、6はポリアミド樹脂からなるモノフィラメントであり、比較例5は外径0.16mm、比較例6は0.20mmである。
【0042】
【表1】

【0043】
(清掃試験)
表1に示す各フィラメントを、歯ブラシの植毛部に常法に基づいて植毛し、毛切を行い、毛の先端が略半円形状に整えられる程度に加工を行い評価試験に用いた。擬似口腔に対して清掃を行うサンスター株式会社製ブラッシングマシーンを用い、顎模型の歯に付着させた人工プラークの除去率を測定した。顎模型のうちブラッシングする上顎頬側の第1小臼歯と第2小臼歯と第1大臼歯に人工プラークを塗布するとともに、前記歯ブラシを、ブラシヘッドを歯に対して150gのブラッシング圧で順次圧接させながら、3.16mm/秒の移動速度で、第1大臼歯から第1小臼歯(前側)へ移動させてブラッシングを行った。こうして顎模型の3つの歯をブラッシングしてから、歯の隅角部の領域におけるプラーク除去率を画像解析にて求めた。
【0044】
(耐久性試験)
また、サンスター株式会社製ブラッシングマシーンを用いて、37℃の水中で荷重300gをかけた状態でエポキシ板表面に対して10000ストロークのブラッシングを行い、刷掃面の広がり指数を測定することで耐久性を評価した。
ここで広がり指数とは、初期状態における刷掃面の横幅をAmmとなし、ブラッシング終了後の刷掃面の横幅をBmmとなしたときに(B/A)×100で表される数値を意味している。
【0045】
各試験の結果は下記表2のとおりである。なお、プラーク除去力及び耐久性の評価の結果を総合して、総合評価の欄に記載した。この総合評価は、上記2つの評価結果のうち悪い方の評価結果とした。
【0046】
【表2】

【0047】
表2のプラーク除去率と毛の耐久性試験の結果より、複合モノフィラメントの断面積のうち、芯部の断面積が15%から80%の範囲にある場合に、良好な結果が出ている。更に複合モノフィラメントの外径が0.16mm〜0.25mmの範囲にある場合に、良好な性能を示すことが認められた。実施例5と6の比較により複合モノフィラメントの断面積のうち、芯部の断面積が40%〜80%である場合は、特に好ましい結果が認められた。また断面の形状が円形でない実施例8〜10でも良好な結果が得られた。
【0048】
(毛先移動距離)
電動歯ブラシが振動してもフィラメントの先端が、その振動に追随できず、歯面上で、あまり動くことがなければ、プラークを十分に除去することができない。つまり電動歯ブラシ用のフィラメントでは、その振動に追随してフィラメントが移動できることが、歯面でのプラーク除去力が高まることにつながる。
そこで、次に電動歯ブラシの本発明のフィラメントを用いた時の適格性を評価するために、フィラメントの毛先移動距離を評価した。
【0049】
表1の各フィラメントを横磨きの方向に駆動する電動歯ブラシの歯ブラシ植毛部に、常法に基づいて植毛して評価試験に用いた。フィラメントの先端が平面に接するように設置し、その歯ブラシの植毛部に、150gの荷重を加えて、3mmの振幅で33.4Hzの振動数で動かした。その動きを、スケールを用いて毛先移動距離を評価した。
【0050】
【表3】

【0051】
表3に認められるように、比較例1〜6と比較して、実施例1〜10で優れた効果が認められた。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態に係る歯ブラシの要部を示す説明図。
【図2】(a)は同じくブラシ毛の要部を示す斜視図、(b)は断面図。
【図3】(a)は芯部断面形状を鋭角を有する略多角形としたブラシ毛の変形例を示す斜視図、(b)は断面図。
【図4】(a)は芯部の外周面に軸方向に延びる突条部を設けたブラシ毛の変形例を示す斜視図、(b)は断面図。
【図5】(a)は芯部の外周面に軸方向に延びる凹溝を設けたブラシ毛の変形例を示す斜視図、(b)は断面図。
【図6】(a)、(b)は、それぞれ芯部と鞘部の間に接着層を設けたブラシ毛の変形例を示す断面図。
【図7】フィラメント断面形状を芯部と略相似形としたブラシ毛の変形例を示す断面図。
【図8】(a)〜(d)は、それぞれ芯部をテーパー状に形成したブラシ毛の変形例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0053】
1 歯ブラシ
2 ブラシ毛
3 芯部
4 鞘部
5 接着層
10 ブラシ部
11 毛束
20 複合モノフィラメント
30 鋭角部
31 凹部
32 突条部
33 外周部
34 凹溝
40 テーパー部
41 食込み部
a1 露出長
a2 毛丈
b1 外径
b2 外径


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシ部に植設されるブラシ毛を、一本の芯部の周りに鞘部を配した芯鞘構造を有する複合モノフィラメントの先端側に、前記芯部を露出させてなる歯ブラシにおいて、前記複合モノフィラメントの断面積のうち、前記芯部の断面積を15〜80%としたことを特徴とする歯ブラシ。
【請求項2】
前記複合モノフィラメント及びその芯部の断面形状をそれぞれ略円形とするとともに、前記複合モノフィラメントの外径を0.16mm〜0.25mmとし、且つ前記芯部の外径を前記複合モノフィラメントの外径の40〜90%とした請求項1記載の歯ブラシ。
【請求項3】
前記芯部の断面形状を、略楕円、略多角形又はその他の異形とした請求項1記載の歯ブラシ。
【請求項4】
前記芯部の断面形状を、鋭角を有する略多角形とした請求項3記載の歯ブラシ。
【請求項5】
前記芯部の外周面に、軸方向に延びる突条部又は凹溝を単又は複数設けてなる請求項1〜4の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項6】
前記複合モノフィラメントの断面形状を、前記芯部の断面形状と略相似形とした請求項3〜5の何れか1項に記載の歯ブラシ。
【請求項7】
前記芯部の材質の主成分をポリアミド樹脂、前記鞘部の材質の主成分をポリエステル樹脂とし、当該複合モノフィラメントの先端側をアルカリ性溶解液に浸漬させて前記芯部が露出したブラシ毛を構成してなる請求項1〜6の何れか1項に記載の歯ブラシ。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−149419(P2006−149419A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−340090(P2004−340090)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000106324)サンスター株式会社 (200)
【Fターム(参考)】