説明

毛髪化粧料

【課題】 毛髪への塗布が滑らかであり、毛髪をすすいでいる時の感触や指通りに極めて優れ、タオルドライ後の毛髪のしっとり感、さらさら感、滑らかさ、柔らかさ、残香感が優れた毛髪化粧料を提供する。
【解決手段】 (a)カチオン界面活性剤(例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩など)、(b)エステル化度が60%以上95%未満であるアルギン酸プロピレングリコール部分エステル、(c)有機酸および/または電解質、および(d)水を含有する、毛髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用時に製剤中にブツなどの違和感を有する物質がなく、安定であり、毛髪への塗布時、すすぎ時の感触や指通りに極めて優れ、かつタオルドライ後の毛髪のしっとり感、さらさら感、滑らかさ、柔らかさ、残香感に優れた感触を得ることのできる毛髪化粧料である。
【背景技術】
【0002】
シャンプー後の毛髪の感触を向上させたり、ブリーチやパーマで痛んだ毛髪のダメージを修復し感触を改善する目的で、リンス、コンディショナー、トリートメント等の毛髪化粧料が用いられている。これら毛髪化粧料においては、毛髪への塗布感触、乾燥後の感触が重視され、その感触向上のために種々のポリマーの配合が提案されている。
【0003】
例えば、特公昭62−29403号公報(特許文献1)では、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、アルギン酸、アルギン酸アルキレングリコールエステルから選ばれる1種または2種以上のポリマーと、特定のカチオン界面活性剤、高級アルコールを組み合わせた毛髪用組成物が提案されている。しかしながら、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、アルギン酸などアニオン化密度の高い糖類では、カチオン界面活性剤と混合すると、水不溶な複合体を生成し、製剤系において均一に分散せず、安定配合できない。また、この水不溶物は、塗布時の感触に悪影響を及ぼすだけでなく、乾燥時の毛髪にごわつきを与え、滑らかさ、つやの点で問題があった。一方、アルギン酸アルキレングリコールエステルは不溶物を生成しないものの、すすぎに伴う毛髪への残存が少なく、感触向上効果が不十分であった。
【0004】
【特許文献1】特公昭62−29403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、毛髪への塗布が滑らかであり、毛髪をすすいでいる時の感触や指通りに極めて優れ、タオルドライ後の毛髪のしっとり感、さらさら感、滑らかさ、柔らかさ、残香感が優れた毛髪化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カチオン性界面活性剤、有機酸および/または電解質に、特定のエステル化度を有するアルギン酸プロピレングリコール部分エステルを組み合わせて配合することにより、塗布時の感触が滑らかで、かつ毛髪をすすいでいる時の感触や指通りが極めて優れ、タオルドライ後の毛髪にしっとり感、さらさら感、滑らかさ、柔らかさ、残香感などの優れた感触を付与できる毛髪化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、(a)カチオン界面活性剤、(b)エステル化度が60%以上95%未満であるアルギン酸プロピレングリコール部分エステル、(c)有機酸および/または電解質、および(d)水を含有する毛髪化粧料を提供する。
【0008】
また本発明は、(b)成分が、エステル化度が75%以上95%未満であるアルギン酸プロピレングリコール部分エステルである、上記毛髪化粧料を提供する。
【0009】
また本発明は、(c)成分が、クエン酸、乳酸、酒石酸またはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、および塩酸、グルタミン酸、アスパラギン酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩の中から選ばれる1種または2種以上である、上記毛髪化粧料を提供する。
【0010】
また本発明は、(a)成分を0.1〜5.0質量%、(b)成分を0.01〜5.0質量%、(c)成分を0.001〜5.0質量%を含有する、上記毛髪化粧料を提供する。
【0011】
また本発明は、さらに(e)高級アルコールを含有する、上記毛髪化粧料を提供する。
【0012】
また本発明は、さらに(f)炭化水素油、エステル油、シリコーン油の中から選ばれる1種または2種以上の油分を含有する、上記毛髪化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、毛髪への塗布が滑らかであり、毛髪をすすいでいる時の感触や指通りに極めて優れ、タオルドライ後の毛髪のしっとり感、さらさら感、滑らかさ、柔らかさ、残香感に優れた毛髪化粧料が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について詳述する。
【0015】
本発明に用いる成分(a)のカチオン界面活性剤としては、化粧料に用いられ得るものであれば特に限定されるものでないが、毛髪への滑らかさの効果などの点から、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、アクリル酸β−N−N−ジメチル−N−エチルアンモニオエチル塩ビニルピロリドン共重合体並びにこれらの混合物などが挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。中でもアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩が好ましく用いられる。
【0016】
(a)成分の配合量は、毛髪化粧料全量中に0.1〜5.0質量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0質量%である。0.1質量%未満では充分なコンディショニング効果を得るのが難しく、一方、5.0質量%超では、毛髪化粧料の粘度が高くなり過ぎる傾向がみられ好ましくない。
【0017】
(b)成分としてのアルギン酸プロピレングリコール部分エステルは、エステル化度が60%以上95%未満、好ましくは75%以上95%未満のものを用いる。ここでいう「エステル化度」とは、アルギン酸を構成しているカルボン酸の中でエステル化されているものの割合を示す。エステル化度が60%未満であると製剤系で不溶物を生成し、安定性に優れないだけでなく、髪への塗布時・乾燥時の感触が滑らかでない。またエステル化度が95%以上ではタオルドライ後の毛髪のしっとり感、さらさら感、残香感などが充分に得られない。
【0018】
(b)成分の配合量は、毛髪化粧料全量中に0.01〜5.0質量%が好ましく、特に好ましくは0.05〜3.0質量%である。0.01質量%未満では充分な感触改良効果が得られず、一方、5.0質量%以上では官能評価でさらさら感が落ち、べたつきを生じるので好ましくない。
【0019】
(c)成分は有機酸および/または電解質である。有機酸としては、一般に化粧料に用いられ得るものであれば特に限定されるものでないが、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸等が好ましく用いられる。電解質としては、有機酸塩、無機酸塩、酸性アミノ酸塩が好ましく用いられる。有機酸塩としては、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩等が例示され、無機酸塩としては、塩酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が例示され、酸性アミノ酸塩としては、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等が例示されるが、これら例示に限定されるものでない。なお塩としては、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩など)またはアルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩、ストロンチウム塩など)、アンモニウム塩等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。中でも、クエン酸、乳酸、酒石酸またはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、または塩酸、グルタミン酸、アスパラギン酸などの酸性アミノ酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、などが使用性および安定性の点から好ましく用いられる。(c)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0020】
(c)成分の配合量は、毛髪化粧料全量中に0.001〜5.0質量%が好ましく、特に好ましくは0.01〜2.0質量%である。0.001質量%未満では感触改良効果が充分得られず、一方、5.0質量%以上では製剤の使用性が優れないだけでなく、毛髪への残留が低下し、同様に感触改良効果が得られにくい。
【0021】
(d)成分として水を配合する。
【0022】
本発明では、上記(a)〜(d)成分を配合する構成を採ることにより、本発明毛髪化粧料を使用して水で希釈(すすいだ)時に、上記(a)成分と(b)成分との複合体が析出(すすぎ時、組成物が白濁)し、かつこの析出物の毛髪上での残留性に優れ、使用性が向上する。また塗布が滑らかであり、タオルドライ後の毛髪のしっとり感、さらさら感、残香感に優れた感触を得ることができる。
【0023】
本発明ではさらに所望により(e)成分として高級アルコールを配合してもよい。高級アルコールとしては、化粧品、医薬品、医薬部外品等の分野において用いられ得るものであれば特に限定されるものでなく、例えば、飽和直鎖一価アルコール、不飽和一価アルコールなどが挙げられる。飽和直鎖一価アルコールとしては、ドデカノール(=ラウリルアルコール)、トリデカノール、テトラデカノール(=ミリスチルアルコール)、ペンタデカノール、ヘキサデカノール(=セチルアルコール)、ヘプタデカノール、オクタデカノール(=ステアリルアルコール)、ノナデカノール、イコサノール(=アラキルアルコール)、ヘンイコサノール、ドコサノール(=ベヘニルアルコール)、トリコサノール、テトラコサノール(=カルナービルアルコール)、ペンタコサノール、ヘキサコサノール(=セリルアルコール)等が挙げられる。不飽和一価アルコールとしてはエライジルアルコール等が挙げられる。本発明では製剤の安定性及び製剤の毛髪への塗布のしやすさなどの点から飽和直鎖一価アルコールが好ましい。
【0024】
(e)成分を配合する場合、その配合量は、製剤の粘度の観点から、毛髪化粧料全量中に0.01〜20質量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜10質量%である。
【0025】
本発明ではさらに、特に乾燥時の使用感触向上の点から、(f)成分として、炭化水素油、エステル油、シリコーン油の中から選ばれる1種または2種以上の油分を配合してもよい。
【0026】
炭化水素油としては、例えば流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられるが、これら例示に限定されるものではない。
【0027】
エステル油としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリー2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、などの合成エステル油、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリングリセリンなどの脂肪酸モノエステル等が挙げられるが、これら例示に限定されるものではない。
【0028】
シリコーン類としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、シリコーンゴム等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン、およびこれらをアルキル変性、アミノ変性、アンモニウム変性、ポリオキシエチレン変性したシリコーン類などが挙げられるが、これら例示に限定されるものではない。
【0029】
本発明の毛髪化粧料には、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常毛髪化粧料に使用される他の成分を配合することができる。このような成分として、例えばポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンジメチルエーテル、プロピレングリコール、グルセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物、等の保湿剤、高級脂肪酸、防腐剤、香料、キレート剤に加え、ビタミン、海藻エキス、大豆レシチン、加水分解タンパク質およびその誘導体や各種アミノ酸などの毛髪保護効果を有する薬剤などの有効成分を配合することができる。また、本発明毛髪化粧料では、香料を配合した場合、残香感に優れる。
【0030】
本発明毛髪化粧料はヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアマスク等として適用される。本発明化粧料の製造方法は特に限定されるものでなく、例えば、イオン交換水に水溶性成分を混合、加熱攪拌して70℃まで昇温し、これに、同様に加熱攪拌して混合した油性成分を加え冷却して製剤を得る等の方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【実施例】
【0031】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
【0032】
(実施例1〜5、比較例1〜7)
下記表1に示す配合処方によって毛髪化粧料(ヘアリンス)を調製した。これを試料として、下記評価基準に従って、塗布時ののび・滑らかさ、すすぎ時の滑らかさ、すすぎ時の柔らかさ、乾燥後のしっとり感、乾燥時の滑らかさ、乾燥時の柔らかさ、乾燥時のさらさら感、乾燥時の残香感、製剤の安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0033】
[塗布時ののび・滑らかさ]
専門パネル(10名)により、各試料を毛髪に使用し、塗布時ののび・滑らかさについて官能評価を行った。評価は下記評価基準による10名の平均点を算出して判定した。
(評価点基準)
5点: 塗布時、のびがよく、滑らかである
4点: 塗布時、ややのびがよく、滑らかである
3点: 塗布時、のび・滑らかさが普通である
2点: 塗布時、ややのびが悪く、滑らかでない
1点: 塗布時、のびが悪く、滑らかでない
【0034】
[すすぎ時の滑らかさ]
専門パネル(10名)により、各試料を毛髪に使用し、すすぎ時の滑らかさについて官能評価を行った。評価は下記評価基準による10名の平均点を算出して判定した。
(評価点基準)
5点: すすぎ時、滑らかである
4点: すすぎ時、やや滑らかである
3点: すすぎ時、滑らかさが普通である
2点: すすぎ時、やや滑らかでない
1点: すすぎ時、滑らかでない
【0035】
[すすぎ時の柔らかさ]
専門パネル(10名)により、各試料を毛髪に使用し、すすぎ時の柔らかさについて官能評価を行った。評価は下記評価基準による10名の平均点を算出して判定した。
(評価点基準)
5点: すすぎ時、柔らかである
4点: すすぎ時、やや柔らかである
3点: すすぎ時、柔らかさが普通である
2点: すすぎ時、やや柔らかでない
1点: すすぎ時、柔らかでない
【0036】
[乾燥後のしっとり感]
専門パネル(10名)により、各試料を毛髪に使用し、すすいだ後、乾燥(タオルドライ)後の髪のしっとり感について官能評価を行った。評価は下記評価基準による10名の平均点を算出して判定した。
(評価点基準)
5点: 乾燥後、しっとり感がある
4点: 乾燥後、ややしっとり感がある
3点: 乾燥後、しっとり感が普通である
2点: 乾燥後、ややしっとり感がない
1点: 乾燥後、しっとり感がない
【0037】
[乾燥時の滑らかさ]
専門パネル(10名)により、各試料を毛髪に使用し、すすいだ後、乾燥(タオルドライ)時の髪の滑らかさについて官能評価を行った。評価は下記評価基準による10名の平均点を算出して判定した。
(評価点基準)
5点: 乾燥時、滑らかである
4点: 乾燥時、やや滑らかである
3点: 乾燥時、滑らかさが普通である
2点: 乾燥時、やや滑らかでない
1点: 乾燥時、滑らかでない
【0038】
[乾燥時の柔らかさ]
専門パネル(10名)により、各試料を毛髪に使用し、すすいだ後、乾燥(タオルドライ)時の髪の柔らかさについて官能評価を行った。評価は下記評価基準による10名の平均点を算出して判定した。
(評価点基準)
5点: 乾燥時、柔らかである
4点: 乾燥時、やや柔らかである
3点: 乾燥時、柔らかさが普通である
2点: 乾燥時、やや柔らかでない
1点: 乾燥時、柔らかでない
【0039】
[乾燥時のさらさら感]
専門パネル(10名)により、各試料を毛髪に使用し、すすいだ後、乾燥(タオルドライ)時の髪のさらさら感について官能評価を行った。評価は下記評価基準による10名の平均点を算出して判定した。
(評価点基準)
5点: 乾燥時、さらさら感がある
4点: 乾燥時、ややさらさら感がある
3点: 乾燥時、さらさら感が普通である
2点: 乾燥時、ややさらさら感がない
1点: 乾燥時、さらさら感がない
【0040】
[乾燥時の残香感]
専門パネル(10名)により、各試料を毛髪に使用し、すすいだ後、乾燥(タオルドライ)時の髪の残香感について官能評価を行った。評価は下記評価基準による10名の平均点を算出して判定した。
(評価点基準)
5点: 乾燥時、残香感がある
4点: 乾燥時、やや残香感がある
3点: 乾燥時、残香感が普通である
2点: 乾燥時、やや残香感がない
1点: 乾燥時、残香感がない
1点:残香感がない
【0041】
[製剤の安定性]
各製剤を50℃、室温(25℃)、0℃、−5℃で4週間保管し、経時での外観(色、結晶の析出など)の変化を確認した。
(評価点基準)
○: 良好
△: やや悪い
×: 悪い
【0042】
【表1】

【0043】
(実施例6: ヘアリンス)
(配 合 成 分) (質 量 %)
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0
硬化ナタネ油アルコール 2.5
ステアリルアルコール 5.0
グリセリン 5.0
プロピレングリコール 5.0
ソルビトール 2.0
グリセリルモノステアレート 1.0
塩化ナトリウム 1.0
クエン酸 0.01
ジメチルポリシロキサン(20cs) 4.5
高分子量シリコーンゴム 0.5
カチオン化オリゴ糖 0.1
グルタミン酸 0.1
アルギン酸プロピレングリコール部分エステル(90%) 0.3
EDTA−3Na(キレート剤) 適 量
フェノキシエタノール 適 量
色素 適 量
香料 適 量
イオン交換水 残 余
【0044】
このヘアリンスは安定性に優れ、官能評価においても、塗布時、すすぎ時に滑らかで柔らかく、乾燥時の髪に滑らかさ、柔らかさ、しっとり感、さらさら感、残香感を付与するものであった。
【0045】
(実施例7: ヘアリンス)
(配 合 成 分) (質 量 %)
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 2.5
ベヘニルアルコール 3.5
ステアリルアルコール 1.5
ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート 0.3
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 0.3
グリセリン 5.0
イソプレングリコール 5.0
グリセリルモノオレート 1.0
乳酸 0.3
ジメチルポリシロキサン(5cs) 5.0
高分子量シリコーンゴム 0.5
大豆レシチン 0.5
加水分解シリル化コムギタンパク 0.1
アルギン酸プロピレングリコール部分エステル(90%) 0.5
EDTA−3Na(キレート剤) 適 量
フェノキシエタノール 適 量
色素 適 量
香料 適 量
イオン交換水 残 余
【0046】
このヘアリンスは安定性に優れ、官能評価においても、塗布時、すすぎ時に滑らかで柔らかく、乾燥時の髪に滑らかさ、柔らかさ、しっとり感、さらさら感、残香感を付与するものであった。
【0047】
(実施例8: ヘアトリートメント)
(配 合 成 分) (質 量 %)
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0
イソステアリルアルコール 2.5
ステアリルアルコール 5.0
グリセリン 10.0
プロピレングリコール 10.0
酒石酸ナトリウム 0.3
アルギン酸プロピレングリコール部分エステル(90%) 1.0
アルギニン 0.1
ロイヤルゼリーエキス 0.5
加水分解コムギタンパク 0.5
EDTA−3Na(キレート剤) 適 量
フェノキシエタノール 適 量
色素 適 量
香料 適 量
イオン交換水 残 余
【0048】
このヘアリンスは安定性に優れ、官能評価においても、塗布時、すすぎ時に滑らかで柔らかく、乾燥時の髪に滑らかさ、柔らかさ、しっとり感、さらさら感、残香感を付与するものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)カチオン界面活性剤、(b)エステル化度が60%以上95%未満であるアルギン酸プロピレングリコール部分エステル、(c)有機酸および/または電解質、および(d)水を含有する、毛髪化粧料。
【請求項2】
(b)成分が、エステル化度が75%以上95%未満であるアルギン酸プロピレングリコール部分エステルである、請求項1記載の毛髪化粧料。
【請求項3】
(c)成分が、クエン酸、乳酸、酒石酸またはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、および塩酸、グルタミン酸、アスパラギン酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2記載の毛髪化粧料。
【請求項4】
(a)成分を0.1〜5.0質量%、(b)成分を0.01〜5.0質量%、(c)成分を0.001〜5.0質量%を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
【請求項5】
さらに(e)高級アルコールを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
【請求項6】
さらに、(f)炭化水素油、エステル油、シリコーン油の中から選ばれる1種または2種以上の油分を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。

【公開番号】特開2006−16325(P2006−16325A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194228(P2004−194228)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】