説明

毛髪化粧料

【目的】毛髪の水分保持機能を高めることにより毛髪になめらかさ、しっとり感を与えて毛髪の損傷を抑える等の優れた効果が長時間持続する毛髪化粧料を提供する。
【構成】リン脂質(たとえば大豆レシチンや卵黄レシチン等)0.001〜10重量%と蛋白質、蛋白質加水分解物(たとえば、カゼイン加水分解物、ゼラチン加水分解物等)およびまたはそれらの誘導体0.001〜10重量%と陽イオン性界面活性剤0.01〜10重量%を含有する。

【発明の詳細な説明】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は毛髪の水分保持機能を高める事により、ぱさつき感をなくし、毛髪になめらかさ、しっとり感を付与し 毛髪の損傷を抑える等の効果の持続性に優れた新規な毛髪化粧料に関する。
【0003】
【従来の技術】一般に毛髪は、洗髪、ブラッシング、ドライヤーによる熱、ヘアカラー、ブリーチ剤等による美容処理を繁雑に繰り返し施術すると、著しく損傷劣化し、その結果、乾燥してぱさつくことにより、枝毛、切れ毛等の増加および強度低下の原因となっていることはよく知られたことである。そこで、上述のような毛髪の乾燥によるぱさつき等に対し、毛髪の水分保持、なめらかさ、しっとり感の付与を目的に、毛髪化粧料にはシリコーン油、パラフィン系オイル等の油分、低分子の多価アルコール、グリセリン等の保湿剤、天然物から抽出した各種原料例えばタンパク質、多糖、抽出エキス、天然高分子またはこれらを構成している単体もしくはオリゴ体例えばアミノ酸、ペプチド等が配合されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら 従来の毛髪化粧料では、毛髪へのなめらかさ しっとり感の付与についてはある程度効果は有するが、いずれも効果の持続性が十分でないこと、使用中の毛髪の滑らかさなどの感触が劣ることなどの理由で、いまだ満足できるものではなかった。
【0005】本発明者らは、鋭意研究行なった結果、リン脂質の一種または二種以上と、蛋白質、蛋白質加水分解物およびそれらの誘導体の一種または二種以上と、陽イオン性界面活性剤の一種または二種以上を特定量配合することによって、上記のような従来技術の欠点を改良できることを見出し本発明を完成するに至った。従って、本発明の目的は、毛髪の水分保持機能を高める事により、ぱさつき感をなくし、毛髪になめらかさ、しっとり感を付与し、毛髪の損傷を抑える等の効果の持続性に優れた毛髪化粧料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、リン脂質の一種または二種以上を0.001〜10重量%と、蛋白質、蛋白質加水分解物およびそれらの誘導体の一種または二種以上を0.001〜10重量%と、陽イオン性界面活性剤の一種または二種以上を0.01〜10重量%配合することを特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
【0007】以下、本発明の構成について詳述する。本発明において用いられるリン脂質としては、フォスファチジルコリン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルセリン、スフィンゴミエリン等で、卵黄、大豆等から抽出される卵黄レシチン、大豆レシチンおよびこれらの精製物、水素添加物等であり、また合成物としては、ジパルミトイルフォスファチジルコリン等である。
【0008】本発明に用いられるリン脂質の配合量は、毛髪化粧料全量中の0.001 〜10重量%で、好ましくは0.01〜5 重量%である。0.001 重量%未満ではリン脂質配合の効果が発揮されず 10重量%を越えると粘度が上がりすぎ、使用性を損なう上、安定性も悪くなり好ましくない。
【0009】本発明に用いられる蛋白質、蛋白質加水分解物およびそれらの誘導体としては、コラーゲン、コラーゲン加水分解物、カチオン化加水分解コラーゲン、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲン、ケラチン、ケラチン加水分解物、カチオン化加水分解ケラチン、エラスチン、エラスチン加水分解物、カゼイン、カゼイン加水分解物、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、その他大豆蛋白、小麦蛋白、グルテリン、ホエー粉末、フィブロイン、グルカゴン、卵白、非熱凝固卵白、卵白リゾチーム、アルブミンフィブリノーゲン、ヘモグロビン、グロブリンおよびこれらの加水分解物等である。
【0010】本発明に用いられる蛋白質、蛋白分解物及び蛋白質誘導体の配合量は、毛髪化粧料全量中の0.001 〜10重量%で、好ましくは0.01〜5 重量%である。0.001 重量%未満では蛋白質配合の効果が発揮されず 10重量%を越えると粘度が上がりすぎ、使用性を損なう上、安定性も悪くなり好ましくない。本発明で用いられる陽イオン界面活性剤は、化Iで示される第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が特に好ましい。
【0011】
【化I】
【0012】化I中、R8、R9はメチル基又はエチル基又はポリオキシエチレン基を表し、(i)R6 及びR7は炭素原子8ないし22をもつアルキル基又はアルケニル基を表すか、あるいは(ii)R6は炭素原子12ないし22をもつアルキル基又はアルケニル基を表し、R7はメチル基又はエチル基又はポリオキシエチレン基又はベンジル基を表し、(i) 及び(ii)ともにXはハロゲン原子又はメチルサルフェート又はエチルサルフェート残基を表す。
【0013】上記、第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤を具体的に例示すると、例えば(i) の例としては、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニム等が挙げられる。また、(ii)の例としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0014】本発明で用いられる陽イオン界面活性剤は、一種又は二種以上が適宜選択され配合され配合量は、毛髪化粧料全量中の0.01〜10重量%で、好ましくは0.1 〜5重量%である。
【0015】本発明の剤型は任意であり、可溶化系、乳化系、粉末分散系、油-水の2層系、油- 水- 粉末の3 層系、など、いずれでも構わない。
【0016】本発明の毛髪化粧料には上記の成分に加えて、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲で、多価アルコール、油分、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性高分子、陰イオン性高分子、非イオン性高分子、両性高分子等の高分子、多糖類、キレート剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、ビタミン等の薬剤、香料等を添加してもよい。
【0017】多価アルコールとしては、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のポリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、グルコース、ソルビトール、マルチトール、シュクロース、ラフィノース、トレハロース、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。油分としては、オリーブ油、ヤシ油、サフラワー油、ヒマシ油、綿実油などの油脂類、ラノリン、ホホバ油、カルナバロウなどのロウ類、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、揮発性イソパラフィンなどの炭化水素油、脂肪酸類、アルコール類、オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピルなどのエステル油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油、アルキルエーテル変性シリコーン、シリコーン樹脂等の油である。
【0018】非イオン界面活性剤としては、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2- エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2- エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等の親油性非イオン界面活性剤、POE ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレート、POE ソルビタンテトラオレエート等のPOE ソルビタン脂肪酸エステル類、POE ソルビットモノラウレート、POE ソルビットモノオレエート、POE ソルビットペンタオレエート、POE ソルビットモノステアレート等のPOE ソルビット脂肪酸エステル類、POE グリセリンモノステアレート、POE グリセリンモノイソステアレート、POE グリセリントリイソステアレート等のPOE グリセリン脂肪酸エステル類、POE モノオレエート、POE ジステアレート、POE モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等のPOE 脂肪酸エステル類、POE ラウリルエーテル、POE オレイルエーテル、POE ステアリルエーテル、POE ベヘニルエーテル、POE2- オクチルドデシルエーテル、POE コレスタノールエーテル等のPOE アルキルエーテル類、POE オクチルフェニルエーテル、POE ノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、プルロニック等のプルロニック型類、POE POP セチルエーテル、POE POP2- デシルテトラデシルエーテル、POE POP モノブチルエーテル、POE POP 水添ラノリン、POE POP グリセリンエーテル等のPOE POP アルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE テトラPOP エチレンジアミン縮合物類、POE ヒマシ油、POE 硬化ヒマシ油、POE 硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE 硬化ヒマシ油トワイソステアレート、POE 硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE 硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOE ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POE ソルビットミツロウ等のPOEミツロウラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POE プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE アルキルアミン、POE 脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POE ノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が用いられる。
【0019】陰イオン界面活性剤としては、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸K 等の高級アルキル硫酸エステル塩、POE ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン酸、N-ミリストイル-N- メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POE オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE ステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、ジ- 2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L- グルタミン酸モノナトリウム等のN-アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POE アルキルエーテルカルボン酸、POE アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α- オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン等が用いられる。
【0020】両性界面活性剤としては、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2- イミタゾリニウムヒドロキサイド-1- カルボキシエチロキシ2 ナトリウム塩等の、イミダゾリン系両性界面活性剤、2-ヘプタデシル-N- カルボキシメチル-N- ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤、N-ラウリルβ- アラニン、N-ステアリルβ-アラニン等のアミノ酸塩等が用いられる。
【0021】陽イオン性高分子としては、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムハライドとアクリルアミドの共重合体カチオン性ポリマー、または第4級窒素含有セルロースエーテル、またはポリエチレングリコール、エピクロルヒドリン、プロピレンアミン及び牛脂脂肪酸より得られるタロイルアミンの縮合生成物、またはビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体カチオン化物等であり、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性高分子としては、マーコート100 (Merquat100)という商品名で米国メルク社(Merck &Co.Inc.) から販売されているものなどを挙げることができる。ジメチルジアリルアンモニウムハライドとアクリルアミドの共重合体型カチオン性ポリマーとしてはマーコート550(Merquat 550)[米国メルク社(Merquat &Co.,Inc.)]などを挙げることができる。ポリエチレングリコール、エピクロルヒドリン、プロピレンアミン及びタロイルアミンもしくは、ココイルアミンの縮合生成物の例としては、ポリコートH(Polyquat H)という商品名で、西独ヘンケル社(Henkel International Co.)から販売されているものなどを挙げることができる。第4級窒素含有セルロースは、ポリマーJR-400(Polymer JR-400)、ポリマーJR-125(Polymer JR-125)ポリマーJR-30M(Polymer JR-30M)という商品名で、米国ユニオンカーバイト社(Union Carbide Corp. )から販売されているものなどである。ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体カチオン化物はガフコート755 (Gafquat 755 )、ガフコート734 (Gafquat734) という商品名で米国GAF社(GAFCorp. )から販売されているもの等である。
【0022】陰イオン性高分子としては、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、ペクチン、カルボキシビニルポリマー等である。
【0023】非イオン性高分子としては、ポリビニルピロリドンおよびビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、アクリルアミノアクリレートの共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、デキストリン、ガラクタン、プルラン等である。
【0024】両性高分子としては、ジアルキルアミノエチルアクリレート、ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ダイアセトンアクリルアミド等とアクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸、メタクリル酸アルキルエステル等を共重合し、ハロゲン化酢酸等で両性化したもの等でユカフォーマーAM−75という商品名で三菱油化から販売されているもの等がある。
【0025】ムコ多糖としては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘバラン硫酸及びそれらの塩等が挙げられる。
【0026】紫外線吸収剤としては安息香酸系のものとして、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、グリセリルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、桂皮酸系のものとして、オクチルメトキシシンナメート、2−エトキシエチル−P−メトキシシンナメート、ベンゾフェノン系のものとして、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4 −メチルベンゾフェノン、その他のものとして、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、4−メトキシ−4 −t−ブチル−ジベンゾイルメタン等が用いられる。
【0027】防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等の化粧品に汎用される防腐剤が用いられる。その他薬剤としては、ビタミンC類、ビタミンE類等のビタミン類、胎盤エキス、各種アミノ酸、生薬、消炎剤剤等の化粧品に汎用される薬剤が用いられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、これによって限定されるものではない。配合量は全て重量%である。なお、これに先立ち各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0029】塗布中のなめらかさ、しっとりさ女性パネル15名により、試料12gを実際に頭髪に直接塗布し、塗布中のなめらかさを官能によって評価した。その後、温湯ですすぎ洗いし、風乾した後のしっとりさ、なめらかさを官能評価した。評価は、以下の4段階評価でおこなった。
◎:著しく良好である ○:良好である △:普通である ×:劣っている
【0030】くし通り性毛髪ストランド( 4g) に試料( 2g) を塗布し、温湯ですすぎ洗いし、1時間乾燥後くし通りやすさを評価した。
A:なめらかB:ややひっかかるC:ひっかかる
【0031】水分保持効果の持続性毛髪ストランド( 4g) に試料( 2g) を塗布し、温湯ですすぎ洗いし、1分間風乾した後一定湿度下に保存した。直後と3時間後の含水率を測定し、変化率を求めて効果の持続性を評価した。評価は以下の3段階評価で行なった。
A:変化率50%未満B:変化率50%以上 70%未満C:変化率70%以上
【0032】安定性調整した試料を−5、0、25、45℃の各温度に1カ月間保存したのち、系の分離、凝集により、化粧料として不適当な状態になるものを×、そうでないものを○と評価した。
【0033】実施例1〜2 比較例1〜3表1記載の配合組成からなるヘアーリンスを調製し、そのくし通り性、しっとりさ、塗布中のなめらかさ、水分保持効果の持続性、及び安定性を比較例と共に表1に示した。
【0034】
【表1】


【0035】上記の結果が示すように、本発明の毛髪化粧料は、比較例に比べて毛髪になめらかさ、しっとり感を付与し、水分保持効果の持続性と安定性に優れたものであった。
【0036】実施例3 ヘアートリートメントパック下記の組成の毛髪化粧料を調製し、実施例1と同様な方法で評価した。
(重量%)
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 3.0 塩化ジステアリルジメチル アンモニウム 1.0 大豆水添レシチン 0.1 エラスチン 0.1 セタノール 5.0 グリセロールモノステアレート 1.5 2−オクチルドデカノール 3.0 セチル2−エチルヘキサノエート 1.0 ジメチルポリシロキサン 1.5 ポリオキシエチレンステアリルエーテル (エチレンオキシド6モル付加物) 0.4 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体 (エチレンオキシド60モル付加物) 0.6 エチルパラベン 0.4 香料 適量 イオン交換水 残余
【0037】実施例4 ヘアクリーム下記の組成の毛髪化粧料を調製し、実施例1と同様な方法で評価した。
ミツロウ 3.0 塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 8.0 卵黄レシチン 2.5 ケラチン加水分解物 2.5 ワセリン 5.0 ステアリルアルコール 5.0 スクワラン 10.0 流動パラフィン(18cS /30℃) 30.0 ポリオキシエチレンセチルエーテル (エチレンオキシド20モル付加物 ) 1.5 ポリオキシエチレンセチルエーテル (エチレンオキシド6モル付加物) 2.5 グリセリンモノステアレート 0.5 ブチルパラベン 0.5 EDTA−3Na( キレート剤) 0.1 香料 0.3 イオン交換水 残余
【0038】実施例5 ヘアトリートメントローション下記の組成の毛髪化粧料を調製し、実施例1と同様な方法で評価した。
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.5 フォスファチジルコリン 0.05カゼイン加水分解物 0.02ゼラチン加水分解物 0.03流動パラフィン 2.0 シリコーン油 3.0ジプロピレングリコール 5.0 POE硬化ヒマシ油誘導体( EO60モル) 5.0 香料 適量エタノール 30.0 イオン交換水 残余
【0039】実施例6 ヘアリンス下記の組成の毛髪化粧料を調製し、実施例1と同様な方法で評価した。
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0スフィンゴミエリン 0.2非熱凝固卵白 0.2カゼイン加水分解物 0.02 第4 級窒素含有セルロースエーテル 0.1 2-オクチルドデカノール 10.0セトステアリルアルコール 2.0プロピレングリコール 10.0 ヒドロキシエチルセルロース 0.5クエン酸 0.2塩化カリウム 0.3香料 適量イオン交換水 残余実施例3〜6はいずれも毛髪になめらかさ、しっとり感を付与し、効果の持続性、安定性に優れたものであった。
【0040】
【発明の効果】本発明の毛髪化粧料は、毛髪の水分保持機能を高める事により、ぱさつき感をなくし、毛髪になめらかさ、しっとり感を付与して毛髪の損傷を抑える等の効果の持続性に優れ、安定性にも優れたものであった。
【化1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】 リン脂質の一種または二種以上を0.001〜10重量%と、蛋白質、蛋白質加水分解物およびそれらの誘導体の一種または二種以上を0.001〜10重量%と、陽イオン性界面活性剤の一種または二種以上を0.01〜10重量%配合することを特徴とする毛髪化粧料。
【0001】

【公開番号】特開平5−926
【公開日】平成5年(1993)1月8日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−173321
【出願日】平成3年(1991)6月19日
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)