説明

気体洗浄用充填材の製造方法

【課題】悪臭を伴ったり有害であったりする、分子状やエアロゾル状等の汚染物質、あるいはそれらの混合した汚染物質、あるいはさらに疎水性の汚染物質等を含む汚染気体から、汚染物質を効果的にかつ簡便に除去し気体を清浄化できる、汚染気体洗浄用充填材の製造方法を提供する。
【解決手段】気体の洗浄装置に充填され汚染気体を洗浄する気体洗浄用充填材の製造方法であって、繊維素繊維を主成分とする紙粒に、リン酸またはリン酸と尿素を含む水溶液を含浸し、130〜170℃の温度で乾燥・熱処理してリン酸繊維素またはモノアンモニウムリン酸繊維素を形成する前処理を施したのち、特定の処理等を施す気体洗浄用充填材の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体中の気体汚染物質の除去する気体洗浄用充填材の製造方法に
係り、とくに、空気中に含まれ、人畜に不快感を与え、あるいはさらに、呼吸器からの吸入や、眼、鼻等の粘膜、皮膚との接触等により体内へ浸透し、致死的および/または急性、亜急性または慢性の健康障害を与え、さらには環境に蓄積すると深刻な環境汚染を引き起こすことがある、分子状あるいはエアロゾル状気体を含む、気体の汚染物質を一括除去し空気を清浄化する、汚染気体洗浄用充填材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、汚染気体の清浄化方法は、主として汚染物質の種類や濃度ごとに決められた清浄化方法が採用されてきた。
例えば、有害気体、悪臭気体などの分子状の汚染物質は、粒径が0.0003〜0.0005μm程度の範囲内にあり、除去方法としては、直接燃焼する方法、活性炭などの多孔性物質により吸着する方法、オゾン、酸化チタンと光や微生物や酵素により分解する方法、および水性薬剤による酸化、中和、複分解、付加などの化学反応等により他の物質に変える方法、などがあり、目的に応じ選択して使用されてきた。
【0003】
例えば、塗装工場、グラビヤ印刷工場、プラスチック成型工場などでは、塗装ミスト、溶剤、未重合の不飽和エチレン化合物、種々の添加物などの有害物質、悪臭物質が空気中に高濃度に排出されるため、従来から、燃焼する方法や活性炭により吸着する方法を用いて、空気の清浄化を行っている。しかし、分子状有機物はこれらの方法で完全に除去できるが、塗装ミストなどのエアロゾル状の物質の場合には、燃焼板や燃焼触媒に燃えかすが沈着したり、活性炭の目詰まりが生じるという欠点があり、管理・保守が容易でないという問題があった。
【0004】
また、最近では、生ごみ、家畜の糞や尿、製材くず、庭木や間伐材などの廃材等、いわゆるバイオマスを微生物発酵させて発生するガス(メタンガス)、いわゆるバイオガスを燃料ガスとして利用する計画が進められている。これらバイオガスは、高濃度の硫化水素や、強い悪臭を伴うアルキルメルカブタン、硫化メチルや、有害性が疑われる細菌やその胞子を随伴する場合が多いが、これら汚染物質の除去には依然として活性炭で吸着する方法が利用されているに過ぎず、完全には汚染物質の除去ができていないというのが現状である。
【0005】
また、エアロゾル状の汚染物質は、粒径が0.005 〜50μm程度の範囲にあり、ウィルス、細菌、真菌およびその胞子;火災の煙や油、煙草等の煙;砂塵、フライアッシュ、コロイド状シリカ、粉炭、金属粉;花粉等が挙げられ、現状では、空気中から除去するのはなかなか難しい。これらエアロゾル状の汚染物質を空気中から除去する方法として、重力、遠心力、慣性力などを利用した集塵法、電気集塵法、濾過集塵法などが、従来から目的に応じて選択されて用いられてきた。なかでも、バグフィルター、エアフィルター、セラミックフィルター等を用いる濾過集塵法が、主として採用されてきた。しかし、これらの方法で除去できる汚染物質の最小粒子径は0.01μm程度で、粒子径がこれ以下の胞子、ウィルスやコロイド状シリカなどの、微小のエアロゾル状の汚染物質を完全には除去できていない。
【0006】
また、気体と薬液とを気液接触させて気体中の汚染物質を除去する方法として、洗浄塔法があり、種々の装置や種々の洗浄用薬液が提案され使用されている。例えば、薬液中に汚染物質を含む気体を吹き込む気体分散型や、種々の形状のプラスチック充填材を入れて、薬液と、汚染物質を含む気体とを接触させる液膜式薬液分散型や、サイクロンスクラバーのような噴霧状とした薬液に汚染物質を含む気体を接触させる液滴式薬液分散型などがあり、目的に応じた薬液を使用すれば、分子状の汚染物質を除去できるとされている。しかし、これらの方法による分子状の汚染物質の除去率(清浄化率)はたかだか70%程度であり、更なる除去率(清浄化率)の向上が要望されていた。
【0007】
このような要望に対し、本出願人は、特許文献1に、水性薬液槽と水性薬液を含浸させた紙粒を含む層とを備え、汚染気体を水性薬液槽に通し、ついで水性薬液を含浸させた紙粒を含む層に通し、気体中の汚染物質を除去する汚染気体の洗浄方法を提案した。特許文献1に記載された技術では、熱硬化性樹脂および/または繊維素架橋剤を塗布または含浸させ硬化および/または架橋させた紙粒を使用し、水性薬剤として、(a)酸化剤、(b)酸性物質またはアルカリ性物質、(c)緩衝性を与える物質、(d)ベタイン化合物、(e)グリオキザールおよびそのポリオール付加物、(f)炭素数10以下の水溶性ポリオール、(g)二酸化硫黄および/または亜硫酸のアルカリ金属塩、(h)殺菌剤のうちから選ばれる1種以上を用いるのがよいとしている。
【0008】
【特許文献1】特開2001−149739 号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載された技術では、使用する紙粒に耐水性と、薬液による湿潤時の形状維持性を付与するために、熱硬化性樹脂および/または繊維素架橋剤を塗布または含浸させている。特許文献1に記載された技術では、このような耐水性を有する紙粒を充填材として用いたスクラバーで、化学反応性を有する水性薬液を使用することにより、広範囲の分子状およびエアロゾル状汚染物質を除去でき、汚染気体の清浄化が可能であるとしている。
【0010】
しかし、熱硬化性樹脂および/または繊維素架橋剤を塗布または含浸させた紙粒を使用する特許文献1に記載された技術では、紙粒が長期間連続使用した場合に膨潤し自重で潰れるため、処理する気体が通過する間隙が少なくなり圧力損失が増加すること、熱硬化性樹脂とくにメラミン樹脂を用いると紙粒が疎水性となり水性薬液を吸収しにくくなる場合があることなどの問題があり、使用する紙粒の水性薬液吸収性(親水性)や長期間使用後の形状維持性の更なる改良が要望されていた。
【0011】
また、特許文献1に記載された技術では、使用する紙粒は水中ではほとんど中性として挙動するが、紙粒が弱い酸性を帯びているため、塩基性の汚染物質は比較的捕捉しやすいが、疎水性で揮発性の弱酸性の汚染物質の捕捉には問題を残していた。また、汚染物質が、疎水性の気体分子や、焼肉臭などのような含有成分が非常に多種類の分子とエアロゾルとが混合したもの、あるいはコロイド状シリカや煙などの微粉塵やウィルスなどの場合には、特許文献1に記載された技術でも、完全に除去することは困難であるという問題が残されていた。
【0012】
このように、有害な気体やエアロゾルなど、あるいは細菌、真菌等などの胞子、ウイルスなどの汚染物質の完全な除去は現状ではまだ確立された技術となっていない。
本発明は、このような従来技術の問題を解決し、上記したような悪臭を伴ったり有害であったりする、分子状やエアロゾル状等の汚染物質、あるいはそれらの混合した汚染物質、あるいはさらに疎水性の汚染物質等を含む汚染気体から、汚染物質を効果的にかつ簡便に除去し気体を清浄化できる、汚染気体洗浄用充填材の製造方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち、本発明は、気体の洗浄装置に充填され汚染気体を洗浄する気体洗浄用充填材の製造方法であって、繊維素繊維を主成分とする紙粒に、次のA処理、またはリン酸またはリン酸と尿素を含む水溶液を含浸し、130〜170℃の温度で乾燥・熱処理してリン酸繊維素またはモノアンモニウムリン酸繊維素を形成する前処理を施したのち、A〜C処理のうちから選ばれた1種の処理を施すことを特徴とする気体洗浄用充填材の製造方法に関する。
A処理:ポリビニールアルコールおよび可溶化されたキトーサンのうちの1種または2種と、分子中の窒素原子に活性水素原子が結合していない、メチロール基数またはメトキシメチル基数が2以上の繊維素繊維架橋剤のうちの1種以上と、酸触媒と、あるいはさらにメチルアルコールと、を必須成分とする水溶液を含浸し、乾燥および熱処理を施し、耐水性と硬さを付与する処理。
B処理:酸触媒を必須成分とする水溶液を含浸し、水分を残して乾燥し、気体状のホルムアルデヒドを100℃以下で反応させ、耐水性を付与する処理。
C処理:ポリビニールアルコールおよび可溶化したキトーサンのうちの1種または2種と、酸触媒を必須成分とする水溶液を含浸し、水分を残して乾燥し、気体状のホルムアルデヒドを100℃以下で反応させ、耐水性と硬さを付与する処理
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従来、汚染気体から除去することが困難であった、悪臭を伴ったり有害であったりする、分子状やエアロゾル状等の汚染物質、あるいはそれらの混合した汚染物質、あるいはさらに疎水性の汚染物質等を、簡便で、かつ安全にしかも完全に一括して除去でき、また、使用する動力、用水、薬剤等も少なくてすみ、産業上格段の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の気体洗浄用充填材は、好ましくは脱リグニンされ、あるいは液体アンモニアで前処理された繊維素繊維を主成分として塊状に成形された紙粒を使用する。紙粒は、繊維の乾燥粉末を高速回転する容器に、薄い糊を含む水滴を滴下し、乾燥させて繊維を絡ませて製造することが好ましい。本発明では、繊維素繊維の材質は、とくに限定されないが、特許文献1に記載されたような、パルプ、綿、レーヨン等のセルローズ質、タンパク繊維、ポリビニールアルコール等の親水繊維等が、いずれも好適に適用できる。なお、紙繊細の造粒性、吸着・保水機能を害さない程度に他の物質を混入させてもよい。また、紙粒の形状は、とくに限定されないが、球形、楕円形、円筒形等およびそれらの変形とすることが好ましい。紙粒の大きさは、3〜12mm程度とすることが好ましい。
【0016】
紙粒の繊維素繊維は、耐水性加工を施しても、内部だけでなく、表層も親水性の高分子化合物であるため、紙粒の表層および内部の微細構造まで水をよく吸収する。一方、動物油、植物油、鉱物油等とは親和性がなく、しかも水よりも低比重であり、一度吸水した紙粒はこれら油を吸収しない。このため、次に示す耐水性処理を施した紙粒表面では、付着した油は速やかに滴下し、気体洗浄用充填材として好適である。
【0017】
本発明で使用する気体洗浄用充填材は、上記した紙粒に、耐水性、硬さを付与するための、次に示すA処理を施されて製造される。
A処理は、紙粒に、ポリビニールアルコールおよび硝酸、塩酸等の一価の酸で可溶化されたキトーサンのうちの1種または2種と、分子中の窒素原子に活性水素原子が結合していないメチロール基数またはメトキシメチル基数が2以上の繊維素繊維架橋剤のうちの1種以上と、酸触媒と、あるいはさらにメチルアルコールと、を必須成分とする水溶液を含浸し、乾燥および熱処理を施し、耐水性と硬さとを付与する処理である。
【0018】
A処理で使用する水溶液に含有する、ポリビニールアルコールおよび一価の酸で可溶化されたキトーサンのうちの1種または2種は、特許文献1に記載された熱硬化性樹脂(メラミン樹脂)のように吸水性を犠牲にすることなく、紙粒に湿潤下で長期間使用しても押し潰されない硬さを付与することができる。ポリビニールアルコールおよび一価の酸で可溶化されたキトーサンのうちの1種または2種は、紙粒全量に対する乾燥後の質量%で0.5
〜1.5 %紙粒に付着するように、水溶液中に含有させ含浸させることが好ましい。0.5 %未満では、上記した効果が認められない。一方、1.5 %を超えると、水溶液の粘度が高くなり処理能率が低下する。なお、使用するポリビニールアルコールおよびキトーサンは高分子量の品番とすることが好ましい。また、ポリビニールアルコールは、完全けん化型を用いれば、強酸性、強塩基性の洗浄薬液を用いても加水分解による減量が起こらないという利点がある。
【0019】
繊維素繊維架橋剤としては、分子中の窒素原子に活性水素原子が結合していないメチロール基数またはメトキシメチル基数が2以上のもののうちの1種以上を含有する。このような繊維素繊維架橋剤として、N,N’−ジメチロール
ジヒドロキシエチレン尿素(以下、DMMHEUともいう)が例示できる。繊維素繊維架橋剤は、紙粒全量に対する乾燥後の質量%で1〜2%付着するように、水溶液中に含有させ紙粒に含浸させることが好ましい。分子中の窒素原子に活性水素原子が結合していないメチロール基数またはメトキシメチル基数がそれぞれ2以上の繊維素繊維架橋剤としては、他に、エチレン尿素、プロピレン尿素、ウロン、メチルトリアジン、ジメチルカルバメートなどのジメチロール化物などがあり、アセチレンジウレインのテトラメチロール化物なども使用できる。
【0020】
酸触媒としては、塩化アンモニウム、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などが好適である。酸触媒は、架橋剤とともに水溶液に含まれ紙粒に含浸されたのち完全に乾燥され熱処理を施されると、繊維素繊維のOH基と脱水エーテル結合を促進し紙粒の耐水性、形状維持性の向上に寄与する。なお、酸触媒は、繊維素繊維架橋剤
(無水物換算で)全量100 重量部に対し約5〜10重量部とすることが好ましい。
【0021】
また、水溶液の一部の水分をメチルアルコールで置換してもよい。メチルアルコールを好ましくは水分質量の10〜50%添加することにより、乾燥・熱処理後の紙粒表面層が硬くなり、耐水性、硬さが向上し、湿潤時の押し潰しに対する抵抗性が大きくなる。これは、乾燥中に、蒸発潜熱が小さく蒸発し易いメチルアルコールとともに、メチルアルコールにも溶解する繊維素繊維架橋剤(DMMHEU)が紙粒の内部から表面層に移行し、一方、分子量の大きいポリビニールアルコールやキトーサンは、紙繊維の微細構造内に入らず表面に留まったままであるため、紙粒表面で、高密度の架橋が形成されるためと考えられる。またメチルアルコールを添加すると、乾燥速度が速くなり乾燥時間が著しく短縮できるため、生産性が大幅に向上できるという利点もある。
【0022】
A処理では、上記した薬剤を必須成分とする水溶液を、紙粒に含浸させ、乾燥および熱処理を施す。熱処理は、120 ℃以上、好ましくは135 ℃以上、160
℃以下とすることが好ましい。乾燥後熱処理を施すと、ポリビニールアルコールと繊維素繊維とは、繊維素架橋剤により容易にそれぞれ脱水してエーテルの縮合架橋を形成し水不溶性となり、紙粒の耐水性が向上する。また、キトーサンのアミノ基と繊維素繊維架橋剤(DMMHEU)とは、乾燥後熱処理時120
℃前後で脱水縮合してメチレン縮合による架橋を形成し、親水性で水不溶性の皮膜を紙粒の繊維表面に形成する。これにより、紙粒が硬質化し、長時間の湿潤下での使用(押し潰し)に耐えることができるようになる。また、キトーサンの架橋されないで残存するアミノ基には、従来、強塩基性の洗浄薬液を用いても捕捉できなかった疎水性で弱酸性の汚染物質を一旦捕捉するイオン交換性も付与される。
【0023】
また、本発明に使用する紙粒には、上記したA処理を施すまえに、前処理として、イオン交換性を付与するための処理を施してもよい。この場合A処理に代えてB処理、C処理を施すことができる。
【0024】
イオン交換性を付与するための処理は、紙粒に、リン酸またはリン酸と尿素を含む水溶液を含浸させたのち、130 〜170 ℃の温度で乾燥・熱処理してリン酸繊維素またはモノアンモニウムリン酸繊維素を形成する処理である。なお、質量で、水の30〜40%をメタノールで置換してもよい。
この処理は、英国特許第604,197 号公報、米国特許第2,482,755 公報に記載された技術を応用したものである。英国特許第604,197号公報、米国特許第2,482,755
公報に記載された技術は、綿織物にリン酸を吸収させて乾燥後、130 ℃〜170 ℃に加熱して綿織物に耐水性と防火性を付与する方法である。この方法により繊維素は、リン酸エステル化される。綿に代えて、紙粒では、紙粒の乾燥質量に対し
6〜9%程度のリン酸を希釈した水溶液を使用すると綿織物と同様にエステル化できることを本発明者らは確認している。また、本発明者らは、リン酸にさらに尿素をリン酸の等モ
ル〜2倍モル添加した水溶液を含浸させたのち、130 ℃〜170 ℃で30分程度の加熱で、酸性の繊維素の一置換リン酸アンモニウムがほぼ100
%収率で得られることも確認している。なお、前処理用の処理液中のリン酸濃度は、質量で6〜12%とすることが好ましい。また、リン酸に加えてさらに尿素を含有する場合には、尿素は、リン酸の等モル〜2倍モル添加した水溶液とすることが好ましい。
【0025】
このリン酸エステル基は耐水性が完全であるが、強いイオン交換があるので、薬液や水で洗浄すると、硬水や薬液のカルシウムやナトリウムなどのイオンと結合し、防火性を失効するが、酸で洗浄すると防火性を回復する典型的なカチオン交換性を有している。このような特性が紙粒に付与されることは、疎水性で、弱塩基性の汚染物質を捕捉する場合に非常に有効となる。このような前処理の後に、
上記したA〜C処理のうちのいずれかの処理を行うと、 紙粒に、優れた耐水性、 湿潤時の高い硬さ及びイオン交換性が同時に付与できる。
【0026】
B処理は、紙粒に、酸触媒を必須成分とする水溶液を含浸し、好ましくは20〜100 %水分を残して乾燥し、気体状のホルムアルデヒドを100
℃以下で反応させ、耐水性を付与する処理である。
B処理で水溶液中に添加する酸触媒としては、塩化アンモニウム、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、亜硫酸ガス、塩化亜鉛、塩化ヒドロキシ亜鉛、塩化ヒドロキシアルミニウム、スルファミン酸、塩酸等が好適である。
B処理では、紙粒に、上記した酸触媒を必須成分とする水溶液を含浸させ、水分が紙粒質量の20〜100 %となるように調整して乾燥したのち、好ましくはパラフォルムアルデヒドを加熱して発生させた気体状のホルムアルデヒドを100
℃以下の温度で接触・反応させ架橋を形成させてから、水洗し、残留する未反応の有害なホルムアルデヒドを除去したのち乾燥する。これにより、紙粒は、 十分な耐水性を具備する紙粒となるが、吸湿時の硬さが若干不足する。
なお、B処理では、上記した酸触媒を必須成分とする水溶液を含浸させる前に、紙粒に、液体アンモニアで処理し繊維の吸着性を増加させてもよい。また、気体状のホルムアルデヒドによる処理は密閉空間で行うことが好ましい。
【0027】
C処理は、紙粒に、ポリビニールアルコールおよび一価の酸で可溶化されたキトーサンのうちの1種または2種と、酸触媒を必須成分とする水溶液を含浸し、好ましくは20〜100
%の水分を残して乾燥したのち、好ましくはパラフォルムアルデヒドを加熱して発生させた気体状のホルムアルデヒドを100 ℃以下で反応させ、耐水性と硬さを付与する処理である。
C処理で使用する水溶液中のポリビニールアルコールおよびキトーサンのうちの1種または2種の含有量は、A処理で用いた液と同じとし、酸触媒の含有量はB処理で用いた液と同じとすることが好ましい。なお、C処理では、A処理におけるように水溶液へのメチルアルコールの配合の必要はない。
C処理では、紙粒に上記した水溶液を含浸させたのち、B処理と同様に、乾燥、気体状ホルムアルデヒドの処理を行い仕上げる。このようなC処理により、十分な耐水性と硬さを具備する紙粒とすることができる。
【0028】
なお、B処理、C処理は、特開昭51−72698号公報、特開昭51−49998号公報、特開平5−59664号公報、特公平6−102865
号公報、特開平8−127962 号公報等に記載された、綿等の繊維素繊維用の寸法安定化処理を転用してもよい。
【0029】
本発明の気体洗浄用充填材は、洗浄装置内に、上記した各種処理を施され、(1)積層する、(2)袋入れする、(3)上下2面が通風性のカートリッジに充填する、のうちの1種または2種以上の手段で、充填材層を構成することが好ましい。この場合、気体洗浄用充填材を含む層は、金網等の通気性のある支持枠で支持されて洗浄装置内に配設されることが好ましい。このようにして構成された気体洗浄用充填材を含む層には、供給手段により洗浄薬液が常時含浸または供給され、洗浄薬液により湿潤化した層となる。これにより、気体洗浄用充填材を含む層は、1)気体汚染物質と洗浄薬液との化学反応を高効率で進行させる媒体としての機能、2)洗浄薬液が捕捉した汚染物質の装置外への排出を防止するデミスト機能、3)水不溶性有機溶媒や油煙を汚染物質として含む高温の気流を、冷却・液滴化させて、汚染物質を回収する冷却器および脱ミスト材としての機能、を有することになる。
【0030】
この場合気体洗浄用充填材を含む層の高さは、とくに限定する必要なく、洗浄する汚染気体に含まれる汚染物質の種類、量等に応じ適宜設定することができる。
【0031】
なお、洗浄装置が稼働時には常時、気体洗浄用充填材を含む層に、洗浄薬液を含浸または供給し、湿潤化させるために、洗浄装置には、洗浄薬液の供給手段を有することが好ましい。洗浄薬液の供給手段としては、噴霧または散布する方法、あるいは特許文献1に記載された、例えば洗浄薬液を蓄えた槽(洗浄薬液貯槽7)に繊維またはその収束物を浸漬して、繊維またはその収束物の毛細管現象を利用して洗浄薬液を移送し、気体洗浄用充填材を含む層に含浸させる方法が家庭用などの小型装置には好ましい。図1には、供給手段として散布する方法の例を示した。なお、散布による供給手段では、散布ミストの粒径は
とくに規定する必要ない。粒径が100 〜150 μmといった、大きなミストであっても問題はない。なお、供給手段はこれに限定されず、例えば回転式散水機(スプリンクラー)であってもよいことはいうまでもない。なお、供給手段には、洗浄薬液が洗浄薬液貯槽から液流ポンプを介し供給される。洗浄薬液は一度使用した薬液を用いることもできる。また、本発明では、気体洗浄用充填材を含む層は、洗浄薬液に浸漬することはなく、洗浄薬液を貯留する洗浄薬液槽とは分離し、かつ洗浄薬液槽の液面より高い位置に設ける必要がある。
【0032】
本発明の気体洗浄用充填材に含浸、供給する洗浄薬液は、1気圧での沸点が150℃以上の水溶性の両親媒性有機化合物(以下、「両親媒性溶剤」ともいう)を含む水性溶液とする。水性溶液は完全に透明でなく白濁していてもよい。
なお、この水性溶液中には、従来公知の、中和、複分解、付加、酸化・還元などの化学反応を利用して汚染物質を物理的/化学的に変質させて除去しやすくする薬剤を含有することもできる。
【0033】
水溶性の「両親媒性溶剤」は、水にも疎水性有機物にも自由に溶解する性質があるため、洗浄薬液と、油煙や水不溶性有機溶剤など疎水性気体汚染物質との接触率を向上させることができるとともに、とくに噴霧して用いる場合には洗浄薬液の乾燥を遅らせ気液接触率を増すことができる。本発明者らは、このような二つの作用により、汚染気体の清浄化率が向上するものと推察している。
【0034】
「両親媒性溶剤」の沸点(1気圧下)が150℃未満では、常温下、とくに高温下で噴霧したときミストから蒸発し乾燥が早すぎるため、気液接触率が低下して、清浄化率が低下し、また「両親媒性溶剤」の個有臭も発生する。このため、本発明では、洗浄薬液に含ませる「両親媒性溶剤」は、沸点が150
℃以上の水溶性の「両親媒性溶剤」であることが好ましい。
【0035】
このような「両親媒性溶剤」を含むことにより、化学反応性や物理化学的抱合力が潜在的にありながら、洗浄薬液と接触できないため反応が起こらなかった、疎水性の強い弱酸、弱塩基、炭素数の多いアルデヒド類やメルカプタン類などの汚染物が捕捉され反応し易くなり、汚染気体の清浄化率が向上する。
洗浄薬液中の「両親媒性溶剤」の含有量は、洗浄薬液全量に対する質量%で0.1ppm 程度以上とする。0.1ppm 程度未満では、上記したような効果が期待できない。また、30%を超えて含有すると、環境への負荷が増大するという問題があり、30%程度以下、好ましくは10%程度以下とすることが好ましい。なお、好ましくは、100ppm程度以下である。また、洗浄薬液を循環させて使用する場合には、5〜10%程度が適量な場合が多い。
【0036】
上記した条件を満足する「両親媒性溶剤」としては、エチレングリコール ジメチルエーテル(沸点:162.0 ℃)、トリエチレングリコール ジメチールエーテル(沸点:216.0
℃)、テトラエチレングリコール ジメチールエーテル(沸点:275.3 ℃)等が例示できるが、他の化合物でもよい。
なお、噴霧して用いる洗浄薬液の場合には、「両親媒性溶剤」に代えて、界面活性剤を使用しても、そのほとんどが噴霧時発泡するため、気液接触率が低下するため、本発明の洗浄薬液用には使用できない。しかし、有機溶剤の分離除去用としては、発泡性の低い界面活性剤と、塩析剤として食塩とを加えると好ましい結果が得られる場合もある。
【0037】
なお、含浸させる洗浄薬液には、「両親媒性溶剤」に加えてさらに、荷電がアニオン性、カチオン性および両性のいずれかであり、分岐がない直鎖分子で、極限粘度法で測定した分子量が1.0
×10 以上のポリアクリルアミドを、洗浄薬液全量に対する質量%で1〜10ppm を含有してもよい。
また、「両親媒性溶剤」および/またはポリアクリルアミドを含む洗浄薬液には、さらに殺菌・静菌用として、殺菌・静菌剤を含有することが好ましい。
本発明の洗浄薬液に含有できる製剤として、ヨウ素とポリビニルピロリドンとの複合体、および/または、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2−ピリジノチオール−1−1−オキサイドのアルカリ塩、5−クロロ−2−メチル−4−チアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ポリヘキサメチレン
ビグアニドのアルカリ塩のうちから選ばれた1種以上とすることが好ましい。
【0038】
とくに、ヨウ素とポリビニルピロリドンとの複合体 (通称ポピドンヨード)は、エチルアルコール溶液および/またはヨードカリ水溶液にヨードを溶解し、さらに毒性を緩和する作用があるポリビニルピロリドンを複合させたものであり、揮発性があり、抗菌スペクトラムが広いうえ、低濃度でも殺菌効果が優れている。また、この薬剤を低濃度で洗浄薬液中に添加させることにより、濃度の管理も容易にでき、絶えずヨードが溶解し、
気体洗浄用充填材を含む層を殺菌・静菌するとともに、装置内空間をくまなく殺菌・静菌でき、また排気中の微生物をも殺菌できる。
【0039】
なお、洗浄薬液にアニオン性ポリアクリルアミドを含有する場合には、ヨウ素とポリビニールピロリドンとの複合体の希薄水溶液が添加できるが、両性やカチオン性のポリアクリルアミドが含まれる場合には、ヨウ素がカチオン基を攻撃するため、ヨウ素とポリビニールピロリドンとの複合体は使用できない。
洗浄薬液に両性やカチオン性のポリアクリルアミドが含まれる場合には、水および/または「両親媒性溶剤」に可溶性で、洗浄薬液との相溶性がよく、イオン交換性がなく、抗菌スペクトラムが広い、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール等の製剤が適している。また、水および/または「両親媒性溶剤」に可溶性で、洗浄薬液との相溶性がよく、イオン交換性がなく、抗菌スペクトラムが広い製剤であれば、上記した以外の製剤も適用できる。殺菌・静菌剤として、上記した製剤を1種以上、例えば3〜4種を併用すると、抗菌スペクトラムが非常に拡大するため好ましい。
【0040】
なお、洗浄薬液中の、これら殺菌・静菌剤の添加量は、ポリアクリルアミドおよび/または「両親媒性溶剤」の含有量に応じ、1〜5ppm 程度で十分な効果が得られる。これは、洗浄薬液が乾燥すると、固形分中の殺菌・静菌剤の濃度が20〜100
%に濃縮されるからである。
【実施例】
【0041】
(実施例1)
脱リグニンされた繊維素繊維より製造された紙パルプを原料として、この原料を高速回転する容器に入れ繊維を絡ませるとともに、糊を含む水を加えたのち乾燥し、不規則な楕円体状の紙粒とした。得られた紙粒を金網の篩にかけて、平均の長さ:7.0
±0.2mm 、幅:5.5 ±0.2mm 、厚さ:4.0 ±0.2mm の範囲の紙粒を集めた。これらの紙粒は、湿度:60%で見掛け比重が195g/Lであった。この紙粒を気体洗浄用充填材素材とした。
【0042】
この充填材素材(紙粒)5L(975g)に、A処理またはB処理を施し、気体洗浄用充填材(No. A)(本発明例)とした。また、前処理としてB処理を施したのち、A処理を施して、気体洗浄用充填材(No.BA)(本発明例)とした。
(1)No.A(本発明例)
気体洗浄用充填材(No.A)は、充填材素材に次に示すA処理を施して、気体洗浄用充填材とした。
【0043】
A処理:
処理液1kgあたり、50%のジメチルロール ジヒドロキシエチレン尿素の水溶液を60g 、完全けん化、重合度1800のポリビニールアルコール(PVA
)の7%水溶液を300g、硝酸を等量加えて水溶性にした分子量2.0 ×10 のキトーサンの1%水溶液を10g 、塩化アンモニウムを3g
、メタノールを300g、水を327g、溶解・混合して、10Lの水溶液(処理液)とした。この処理液に、ナイロンのフィラメント繊維製メッシュ状袋に入れた充填材素材(紙粒)を2分間浸漬し処理液を含浸させたのち、引上げて、遠心分離機(約2000回転/
分) で、紙粒と処理液の質量比が約1:1なるように7分間脱液したのち、充填材素材(紙粒)を袋から取り出し、底にステンレス鋼の網を張った箱に重ならないように入れて、130
℃に保持した恒温・熱風循環式乾燥機内で45分間乾燥およびキュアリングを行ったのち、取り出した。
【0044】
(2)No.BA(本発明例)
気体洗浄用充填材(No.BA)は、充填材素材(紙粒)に、前処理として次に示すB処理を施したのち、前記A処理を施して、気体洗浄用充填材とした。
B処理:
処理液1kg当たり、85%リン酸を90g 、尿素を150g、メタノールを200g、水を560g、混合・溶解させた水溶液を前処理用処理液とし、この処理液に、ナイロンのフィラメント繊維製メッシュ状袋に入れた充填材素材(紙粒)を2分間浸漬し処理液を含浸させたのち、引上げて、遠心分離機(約2000回転/
分) で、紙粒と処理液の質量比が約1:1なるように7分間脱液したのち、充填材素材を袋から取り出し、130 ℃に保持した恒温・熱風循環式乾燥機内で45分間乾燥を行い、ついで、同じ乾燥機で、150
℃×30分の熱処理を施した。
【0045】
(3)No.C(比較例)
また、上記した充填材素材(紙粒)5Lに、PVA とキトーサンが含まれない以外はA処理と同じとする本発明範囲から外れた処理を施し、気体洗浄用充填材(No.C)(比較例)とした。
得られた気体洗浄用充填材、No.A、No.BA及びNo.Cについて、それぞれを図1の洗浄装置内の気体洗浄用充填材を含む層2に装入し、30日間実際に使用した場合の圧力損失の増加を比較試験した。なお、気体洗浄用充填材を含む層2は気体洗浄用充填材を厚さ:30cm積層して形成した。この試験では、噴霧洗浄は行わず、汚染気体の代わりに空気を通過させ、洗浄薬液貯槽7内の洗浄薬液を供給・含浸した気体洗浄用充填材を含む層2を通過させ、排気口9から排気した。
【0046】
洗浄薬液は、運転中に液量が一定になるよう、液位計に連動した電磁弁で作動させた液流ポンプ4aで供給した。使用した洗浄薬液は、下記(イ)と(ロ)とした。
(イ)強酸性液:2モル/Lの塩化アンモニウム250 mlに2モル/mlの塩酸65mlを加えた液を水で稀釈した溶液で、pHが2.0 の緩和衝液
(ロ)強塩基性液:2モルmlの塩化カリウム溶液250 mlに2モル/Lの水酸化ナトリウム530 mlを加えた液を水で1Lに稀釈した溶液で、pHが12.9の緩和衝液圧力損失の測定は、運転開始1日後と30日後に、図1の1cの部分に取り付けた小型バルブと、排気口9に取り付けた小型バルブの間をシリコーンチューブを介して水圧計に連結して測定した。運転開始1日後を初期値とした。なお、圧力損失の単位は、水柱の高さ(mmAq)とした。
得られた結果を表−1に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
この試験の結果、本発明例(No.A、No.BA)は、15%程度の圧力損失の増加であったが、比較例(No.C)は自重で押し潰され変形し、圧力損失が2倍以上に増加した。
つぎに、得られた各気体洗浄用充填材5g を、固有の悪臭を有するトリメチルアミンの0.01%水溶液100ml 中に投入し、水溶液の臭いを人間の臭覚で試験した。その結果、本発明例の気体洗浄用充填材(No.BA)を投入した場合にのみ、トリメチルアミンの悪臭が消臭された。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の汚染気体洗浄用充填材を用いた汚染気体の洗浄装置の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 洗浄装置
1a 吸気口
1b 吸入ブロアー
1c 配管
2 気体洗浄用充填材を含む層
2a 液滴
2b 充填材支持枠
2c 気体洗浄用充填材
3 噴霧手段
3a ミスト(噴霧)
4 供給手段
4a 液流ポンプ
5 汚染気体
6 洗浄薬液槽
6a1 、6a2 、6a3 配管
6b1 、6b2 、6b3 バルブ
61 洗浄薬液槽
61a 加圧用コンプレッサー
7 洗浄薬液貯槽
7a 汚染物質
7b1 、7b2 配管
7c1 、7c2 バルブ
8 亜硫酸ガス供給口、8b 配管
9 、9a 排気口



【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染気体の洗浄装置に充填される気体洗浄用充填材の製造方法であって、繊維素繊維を主成分とする紙粒に、A処理、又はリン酸またはリン酸と尿素を含む水溶液を含浸し、130〜170
℃の温度で乾燥・熱処理する前処理を施したのち、下記A〜C処理のうちから選ばれた1種の処理を施すことを特徴とする気体洗浄用充填材の製造方法。

A処理:ポリビニールアルコールおよび可溶化したキトーサンのうちの1種または2種と、分子中の窒素原子に活性水素原子が結合していない、メチロール基数またはメトキシメチル基数が2以上の繊維素繊維架橋剤のうちの1種以上と、酸触媒と、あるいはさらにメチルアルコールと、を必須成分とする水溶液を含浸し、乾燥および熱処理を施し、耐水性と硬さを付与する処理。
B処理:酸触媒を必須成分とする水溶液を含浸し、水分を残して乾燥し、気体状のホルムアルデヒドを100 ℃以下で反応させ、耐水性を付与する処理。
C処理:ポリビニールアルコールおよび可溶化したキトーサンのうちの1種または2種と、酸触媒を必須成分とする水溶液を含浸し、水分を残して乾燥し、気体状のホルムアルデヒドを100
℃以下で反応させ、耐水性と硬さを付与する処理。

【図1】
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【公開番号】特開2008−246477(P2008−246477A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109947(P2008−109947)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【分割の表示】特願2003−109964(P2003−109964)の分割
【原出願日】平成15年4月15日(2003.4.15)
【出願人】(000102566)エスポ化学株式会社 (7)
【Fターム(参考)】