説明

水で活性化される、環境に優しい多機能ワイプ

所望の環境上の特徴及び改善された性能を有する多機能ワイプが開示される。ワイプは、基材と、放出可能なように基材に結合された洗浄組成物、殺菌/消毒組成物及び任意の香料組成物を含んでもよい。これら組成物は、互いに分離されていてもよく、また、基材の異なる部分に染みこまされていても又は塗布されていてもよい。希釈洗浄液が予め添加された「ウェット」ワイプとは異なり、本開示のワイプは、十分乾燥していてもよく、ターゲット表面に適用する直前に水で活性化されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
洗浄と、殺菌/消毒と、任意の香料放出とを兼ね備えた、環境に優しい(eco-friendly)又は「グリーンな(green)」多機能ワイプについて開示する。ワイプは、基材、並びに洗浄組成物、殺菌/消毒組成物及び放出可能なように(releasably)基材に結合された任意の香料組成物を含んでもよい。これら組成物は、互いに分離されていてもよく、また、基材の異なる部分に染みこまされていても又は塗布されていてもよい。希釈洗浄液が予め添加された「ウェット」ワイプとは異なり、本開示のワイプは、十分乾燥していてもよく、そしてターゲット表面で使用する直前に水で活性されてもよい。
【背景技術】
【0002】
使い捨て清掃用ワイプ及びパッドは、当該技術分野において知られている。ワイプは、一般的に、基材と洗浄組成物とを一個の物品に組み込んでおり、洗浄基材と洗浄組成物とを別々に選択して、それらを洗浄すべき表面に適用する従来の洗浄製品よりも洗浄効率及び利便性を向上させることを目的としている。こうすることで、清掃用ワイプは、自動車の手入れ、スキンケア、家庭内での清掃等、様々に利用されている。
【0003】
硬質表面を清掃するための既知の使い捨て清掃用ワイプは、通常、湿っており、洗浄組成物が予め添加されて(すなわち、洗浄組成物を染みこまされて)おり、その後、ワイプをターゲット表面に適用する前に希釈することはない。一般的に、これら組成物にはかなり多くの水が含まれている。例えば、従来のワイプに染みこまされているいくつかの洗浄組成物は、水を50%から90%強含む場合がある。こうした高い水分含有量が原因で、従来のワイプ、特に天然繊維又はグリーンな繊維(green fibers)等の基材を含むものは、長期間水に晒されていることによって繊維の強度が脆弱化するため、有効期限が短くなる傾向がある。
【0004】
従来のワイプにおける高い水分含有量によるもう一つの影響は重量増加であり、この重量増加は、ワイプの輸送、取り扱い、梱包及び保管に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、従来のワイプには、6〜7グラムの水性洗浄組成物が予め添加されているものがある。さらに重要なことに、比較的希薄な洗浄組成物が使い尽されると、従来のワイプの有効性は急に低下する可能性がある。そのため、ワイプ1枚では限られた表面積しか清掃できない。例えば、従来のワイプ1枚では、通常、浴槽全体を清掃することはできない。よって、浴槽の清掃等の標準的な家庭内の清掃作業には、一般に、従来のワイプが数枚必要であるが、このことは、ワイプの製造に使用される原材料の消費を増大させるだけでなく、使用済みワイプを処分して再利用するための労力及びエネルギーも更に多く必要とする。
【0005】
最後に、従来のワイプにおける高い水分含有量は、一般的に、防腐剤の混入を必然的に伴い、この防腐剤の混入は、ワイプの製造原価を上昇させるだけでなく、ワイプの環境上の特徴(ecological profile)にも悪影響を及ぼす。というのも、防腐剤は、一般的に合成品であり、天然資源及び再生可能な資源を原料とするものではないためである。
【0006】
洗浄剤と殺菌剤/消毒剤との両方の機能を果たす多目的家庭用液体製品もまた、当該技術分野において知られている。しかし、良好な洗浄性能を有する洗浄剤は、殺菌/消毒特性が低い場合があり、また一方で、優れた殺菌/消毒性能を示す殺菌剤/消毒剤は、洗浄特性が不十分である場合がある。その上、優れた洗浄効率と殺菌/消毒効率とを併せ持つ製品は、通常、ペルオキシゲン漂白剤、過酸化水素、グルタルアルデヒド及び4級アンモニウム塩等の強力な化学物質も含んでおり、ヒトの皮膚に対して毒性がある及び/又はヒトの皮膚に対して不適合性であるだけでなく、非天然成分を含むことから、あまり望ましくない環境上の特徴も示す。
【0007】
天然でかつ毒性のない殺菌/消毒剤も当該技術分野において知られている。例えば、天然起源の精油及びコロイダルシルバーはいずれも、良好な抗菌作用を持つ有効な殺菌/消毒剤である。しかし、精油及びコロイダルシルバーは一般的に水と混合しないので、それらをベースとする組成物は、大抵、精油又はコロイダルシルバーを分散又は溶解させるために界面活性剤及び/又は溶媒を含んでいる。けれども、組成物に用いられる界面活性剤は、一般的に、石油系界面活性剤を含んでおり、そのことが、不安定でしかも環境に優しくない消毒組成物の生成に繋がる可能性がある。
【0008】
活性物質を放出制御する組成物もまた、当該技術分野において知られている。例えば、単相溶液状の香料組成物又は殺虫剤組成物は、香料又は殺虫剤を空気中に持続放出できるように開発されたものである。とはいえ、前記組成物は、一般的に、それらの香料又は殺虫剤の放出性能を維持するために、あまり望ましくない環境上の特徴を有している。
【0009】
近年、グリーンな(すなわち、環境に優しい)家庭用製品又はパーソナルケア製品に対する消費者の意識が世界的規模でかなり高まってきている。その結果、望ましい環境上の特徴を有する家庭用製品の開発に多大な労力が当てられている。例えば、天然資源及び再生可能な資源に由来する成分を含む製品、及び自然環境のもとで生分解可能な製品は、この世界的な「環境に優しい」傾向に焦点を合わせたものである。
【0010】
実際、植物等の再生可能な資源を原料とする製品は、その閉ざされたCOサイクルによって、温室化ガスの削減に貢献している。具体的には、植物は成長する際に、使用後の生分解によって大気に放出されるのと同量の二酸化炭素(CO)と水(HO)とを消費する。そのため、植物等の再生可能な資源を原料とする製品は、石油化学系製品に比べると「二酸化炭素排出量」がゼロであるか又は削減されている「グリーンな」ものと考えられている。植物素材等の再生可能な資源や石油等の再生不可能な資源は共に、界面活性剤、香料、油及び溶媒といった家庭用製品に直接的な又は間接的に共通の原料となり得る。
【0011】
特に、ほとんどの界面活性剤は未だに石油化学製品を原料としているが、植物系炭水化物(plant-based carbohydrates)および油由来の界面活性剤も利用できるようになってきている。界面活性剤の製造に適した再生可能な原料の一つはグルコースであり、これはアルコールと反応してアルキルポリグリコシド(alkyl polyglycosides)(アルキルポリグルコシド(alkyl polyglucosides)としても知られている。)を生成する。アルキルポリグリコシドは、化粧品や農業用組成物に使用されており、また工業用洗浄剤における界面活性剤としても使用されている。アルキルポリグリコシドには、パーム油又はヤシ油等の飽和熱帯植物油から得られる脂肪アルコール(例えば、ドデカノール、テトラデカノール)から生成された疎水性(又は親油性)の炭化水素鎖が含まれている。この分子の、グルコース又はデキストロース由来の親水性部分は、デンプン、褐藻類、かんきつ類又はビートパルプから生成されてもよく、通常はトウモロコシから生成されてもよい。
【0012】
前記の望ましい環境上の特徴以外に、アルキルポリグリコシドは、目、皮膚及び粘膜に対して良好な適合性を有しており、さらには界面活性剤混合物の刺激作用をも軽減する。アルキルポリグリコシドはまた、好気的及び嫌気的のどちらでも完全に生分解される。
【0013】
アニオン界面活性剤は、天然資源及び再生可能な資源から生成され得る直接前駆体(immediate precursors)を有してもよい。例えば、長鎖アルキル硫酸塩は、便宜上、ヤシ油由来の脂肪アルコールから生成されてもよい。特に、ココアルキル硫酸ナトリウム(SCS:sodium coco sulfate)は、純粋なヤシ油に由来し、アルキル硫酸ナトリウムと主成分であるラウリル硫酸ナトリウムとの混合物を含む。ココアルキル硫酸ナトリウムは、粘度の増加と起泡特性が重要とされる様々な消費者製品に用いることができる。ココアルキル硫酸ナトリウムは、シャンプー、ハンドソープ、浴用製品、シェービングクリーム及び薬用軟膏に混入することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、洗浄と、殺菌/消毒と、任意の香料放出とを兼ね備えると同時に、それら成分間の親和性問題を回避する、多機能ワイプが必要とされている。さらには、希釈された洗浄組成物が予め添加された従来の「ウェット」ワイプに比べて輸送、梱包、取り扱い及び保管が一層容易な、水を実質的に含まない多機能ワイプが必要とされている。最終的には、全成分が天然資源及び再生可能な資源に由来するものであるか又は天然資源及び再生可能な資源に由来する成分の割合が高い、環境に優しい多機能ワイプが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記ニーズを満たしており、所望の環境上の特徴を有しかつ改善された性能を持った多機能ワイプについて開示する。ワイプは、基材、並びに洗浄組成物、殺菌/消毒組成物及び基材に放出可能なように結合された任意の香料組成物を含んでもよい。これら組成物は、互いに分離されていてもよく、また、基材若しくは基材の異なる部分に染みこまされていても又はコーティングされていてもよい。希釈洗浄液が予め添加された「ウェット」ワイプとは異なり、本開示のワイプは、十分乾燥しており、そしてターゲット表面に適用する直前に水で活性されてもよい。
【0016】
本開示において用いられるとき、「グリーンな」成分(green component又はgreen ingredient)とは、天然資源及び再生可能な資源から生成される物質、又は天然資源及び再生可能な資源から生成される直接前駆体(類)から生成される物質と定義される。本明細書においてナチュラルインデックス(Natural Index:NI)という用語は、天然資源及び再生可能な資源から直接生成可能な成分又は天然資源及び再生可能な資源から直接生成可能な直接前駆体から生成される成分を含む組成物の重量パーセント(weight percentage)を表すのに用いられる
【0017】
一実施形態において、本開示のワイプの基材は、天然繊維、天然起源の繊維又はこれらの混合物のような、グリーンな成分を含んでいてよい。一改良形態では、基材は、全てがグリーンな成分で構成されていてもよい。他の実施形態において、基材は、天然資源や再生可能な資源に由来しない、合成繊維を含んでもよい。本開示のワイプの基材は、織布であっても不織布であってもよい。
【0018】
本開示のワイプは、基材に放出可能なように結合された洗浄組成物をも含んでいる。一実施形態において、洗浄組成物は、基材の第1部分に染みこんでいる。他の実施形態において、洗浄組成物は、基材の第1部分にコーティングされている。
【0019】
洗浄組成物は、その洗浄性能を損なうことなく、環境上の特徴を向上させてもよい。そのために、洗浄組成物は、1種以上の「グリーンな」界面活性剤を洗浄剤として含んでいてもよい。また、前記組成物は、グリーンなリンカー(green linkers)(親水性及び/又は親油性のもの)、グリーンなpH調整剤(green pH adjusting agents)、グリーンな筋状の跡防止剤(green anti-streaking agent)等のような、他の任意のグリーンな成分をさらに含んでもよい。
【0020】
一実施形態において、洗浄組成物は、グリーンな非イオン界面活性剤と水とを含む洗浄組成物である。一改良形態では、グリーンな非イオン界面活性剤は、アルキルポリグリコシドを含んでもよい。更なる改良形態では、洗浄組成物は、1つ以上のグリーンな補助界面活性剤を含んでもよい。グリーンな補助界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム又はココアルキル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤を含んでもよい。グリーンな界面活性剤を組み合わせることで、組成物の洗浄性能を相乗的に高めてもよい。
【0021】
他の実施形態において、洗浄組成物は、1つ以上のグリーン界面活性剤、グリーンなリンカー及び水を含んでいる。一改良形態では、1つ以上のグリーンな界面活性剤は、非イオン界面活性剤であっても、アニオン界面活性剤であっても、又はこれらの混合物であってもよい。他の改良形態では、グリーンなリンカーは、親水性リンカー、親油性リンカー、又はこれらの混合物を含んでもよい。グリーンな界面活性剤(類)とグリーンなリンカー(類)とを組み合わせることで、組成物の洗浄性能を相乗的に高めてもよい。また、ガラス洗浄剤として用いられる場合、洗浄組成物は、従来のガラス洗浄製品よりも筋状跡が発生しにくくてもよい。
【0022】
本開示のワイプは、基材に放出可能なように結合された殺菌/消毒組成物を更に含む。例えば、殺菌/消毒組成物は、基材の第2部分に染みこんでいても又はコーティングされていてもよい。殺菌/消毒組成物は、組成物に含まれる様々な成分間の不混和性を回避するために、洗浄組成物と分離されていてもよい。一実施形態において、基材の第1部分と第2部分とは互いに異なるものである。
【0023】
殺菌/消毒組成物は、その性能を損なうことなく環境上の特徴を向上させてもよい。そのために、洗浄組成物は、コロイダルシルバー、有機酸、精油及び/又はこれらの混合物等の「グリーンな」殺菌/消毒剤を1種以上含んでもよい。
【0024】
本開示のワイプは、基材に放出可能なように結合された「グリーンな」香料組成物を任意で含んでもよい。香料組成物は、基材の第3部分に染みこんでいても又はコーティングされていてもよい。香料組成物は、組成物中に含まれる様々な成分間の不混和性を回避するために、洗浄組成物及び殺菌/消毒組成物と分離されていてもよい。一実施形態では、基材の第1部分、第2部分及び第3部分はそれぞれ異なるものである
【0025】
本明細書に記載の通り、組成物は、基材に「放出可能なように結合」されており、(例えば、梱包中、輸送中及び保管中、)基材が十分乾燥したままであれば、組成物は基材と結合したままである。ところが、使用するに当たって本開示のワイプをターゲット表面へ適用する直前に水(例えば、水道水)で活性化することにより、例えば、ワイプがターゲット表面に洗浄効果、殺菌/消毒効果及び香料放出効果を目的として適用されるときに、後にターゲット表面へ移る組成物の溶液、エマルジョン又は懸濁液が生成されること等によって、洗浄組成物、殺菌/消毒組成物及び基材に結合した香料組成物が放出される。
【0026】
一実施形態において、洗浄組成物のマイクロエマルジョンは、水で活性化された後で形成されて、当該マイクロエマルジョンをターゲット表面に提供したときに汚れを自然に溶解し得るものである。洗浄組成物がマイクロエマルジョンとして存在することで、本開示のワイプの殺菌/消毒性能及び/又は香料放出性能も向上し得ると考えられる。
【0027】
さらに、水道水を利用して使用直前にワイプを活性化することは、梱包、保管及び輸送のためにワイプの重量を相当軽減するだけでなく、従来のウェットワイプの製造中に使用される蒸留水の消費も抑えられ、その結果、ワイプの環境上の特徴を更に高める。
【0028】
本開示のワイプは、様々な清掃作業に適していてもよい。例えば、ワイプは、ガラス清掃用ワイプ、浴室清掃用ワイプ、床清掃用ワイプ、又は汎用の家庭清掃用ワイプとして使用されてもよい。一実施形態において、ワイプは、ターゲット表面から汚れを効率良く除去するだけでなく、目に見える残渣をターゲット表面に残さないものである。他の実施形態において、ワイプは、ガラス洗浄剤として用いた場合に、筋状跡の発生を軽減することができる。清掃以外に、ワイプは、ターゲット表面に殺菌/消毒効果を提供してもよく、また、雰囲気改善を目的として、表面上に長続きするさわやかな香りを残してもよい。
【0029】
以下に、本開示のワイプ及びターゲット表面を処理するためのその使用方法についての他の利点及び特徴をさらに詳細に説明する。本開示のワイプを様々な家庭用の用途及びその他の用途に使用するために、当業者が必要以上に実験を行うことなく適宜に変更し得ることもまた、本明細書などから分かるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示は、一般的に、洗浄と、殺菌/消毒と、任意の香料放出とを兼ね備えた、環境に優しい多機能ワイプに関する。清掃用ワイプ又は組成物の環境上の特徴を評価するために、本明細書では、天然資源及び再生可能な資源から直接生成可能な成分又は天然資源及び再生可能な資源から直接生成可能な直接前駆体から生成される成分を含む組成物の重量パーセント(weight percentage)を表す、ナチュラルインデックス(Natural Index:NI)という用語を用いる。
【0031】
例えば、水、エタノール、乳酸、クエン酸、苛性ソーダ、天然香料、木材パルプや綿等の天然繊維のような成分はいずれも、天然資源及び再生可能な資源から得られる。また、本開示のワイプの洗浄組成物に使用されるアルキルポリグリコシド、アルキルグルコシド、ココアルキル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム)等の化合物は、天然資源及び再生可能な資源から得られる直接前駆体(脂肪アルコール、グルコース等)から生成されてもよい。同様に、レーヨン、リヨセル及びビスコースといった本開示のワイプの基材に使用される天然起源の繊維もまた、天然資源及び再生可能な資源から得られる直接前駆体(木材パルプ、綿等)から生成されてもよい。最後に、精油、コロイダルシルバー及び有機酸といった本開示のワイプに使用される殺菌/消毒剤も、天然資源及び再生可能な資源(植物抽出物、銀、糖類等)から得られる直接前駆体から生成されてもよい。
【0032】
一方、エトキシル化非イオン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩アニオン界面活性剤及び4級アンモニウムカチオン界面活性剤等の界面活性剤は、少なくとも部分的に石油化学製品をベースとしているので、組成物のNIに関与するものではない。同様に、ナイロン、ポリエステル、アクリル、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維等の真の合成繊維もまた、天然資源及び再生可能な資源から得られない直接前駆体をベースとしている。
【0033】
一般的な実施形態において、本開示のワイプは、基材と、基材に放出可能なように結合された複数の機能性組成物を含む。機能性組成物は、洗浄組成物、殺菌/消毒組成物及び任意に香料組成物を含んでもよい。本明細書に開示している通り、組成物又は成分は、基材が十分乾燥したままであれば(例えば、梱包中、輸送中及び保管中は)基材に結合されたままでり、基材に「放出可能なように結合」されている。けれども、洗浄組成物、殺菌/消毒組成物及び香料組成物は、本開示のワイプをターゲット表面に適用される直前に水で活性化すると、基材から溶出し始めて、最終的には基材から処理表面へ移る。
【0034】
機能性組成物は、互いに分離されていてもよく、また、基材の別個の部分に染みこまされていても又はコーティングされていてもよい。一実施形態において、基材には、基材の重量に対して約3%〜約5%の機能性組成物が添加されている。希釈洗浄液を予め添加した「ウェット」ワイプとは異なり、本開示のワイプは、十分乾燥していてよく、そしてターゲット表面に適用する直前に水で活性化されてもよい。本開示の使用において、ワイプの水分含有量が10重量%未満であれば、ワイプは「十分乾燥している」。一部の実施形態において、本開示のワイプの水分含有量は、5重量%未満、2重量%未満又は1重量%未満であってもよい。また、組成物は、有機溶媒を基本的に含んでいなくてもよい。さらに、組成物は、揮発性有機化合物(VOC)を含んでいなくてもよい。
【0035】
基材
前記機能性組成物(洗浄組成物、殺菌/消毒組成物、香料組成物)は、放出可能なように基材に結合されており、ターゲット表面に適用される直前に水で活性化される。そのために、基材の機能の一つは、母材(matrix)を提供することであり、前記母材は、保管中、取扱中及び輸送中に機能性組成物を保持できるだけでなく、使用直前にワイプが水に触れたときに機能性組成物を希釈できるものである。したがって、基材は、希釈された洗浄組成物をターゲット表面に供給して分配するためのアプリケータとして機能してもよい。機能性組成物は、使い尽すまで基材から複数回希釈されてもよい。任意で、基材は、表面を擦って、表面から取り除かれた汚れの少なくとも一部を吸着するように機能してもよい。最後に、基材は、殺菌/消毒剤及び香料をターゲット表面に供給するための媒体としても使用される。
【0036】
本開示のワイプの基材は、天然繊維、天然起源の繊維又はこれらの混合物といったグリーンな繊維(green fibers)を含んでもよい。天然繊維は、綿繊維、亜麻繊維、麻繊維、サイザル繊維、ジュート繊維、ケナフ繊維、竹繊維、ココナツ繊維及び木材パルプを含むセルロース含有繊維であってもよいが、これらに限定されない。本開示で使用するのに適した天然起源の繊維は、レーヨン、リヨセル及びビスコース、又は天然繊維を原料とする他の材料を含んでもよいが、これらに限定されない。例えば、リヨセルは、木材パルプを原料とするものであってもよく、ビスコースは、木材又は綿繊維を原料とするものであってもよく、また、レーヨンは、様々なセルロース含有天然繊維を原料とするものであってもよい。
【0037】
一部の非限定的な実施形態において、基材は、天然繊維と天然起源の繊維との混合物から作製されてもよい。例えば、基材は、綿繊維とビスコース繊維との混合物、又は木材パルプとビスコース繊維との混合物を含んでいてもよい。基材は、グリーンな繊維を主成分として含んでいてもよく、又は全てがグリーンな繊維で作製されていてもよい。一実施形態において、基材は、ビスコース又はレーヨンを50重量%及び綿を50重量%含んでいる。他の実施形態において、基材は、ビスコース又はレーヨン25重量%と、リヨセル25重量%と、綿50重量%との混合物である。更に別の実施形態において、基材は、全てがビスコースで作製されているか、又は全てがリヨセルで作製されている。
【0038】
一部の実施形態において、基材は、天然資源及び再生可能な資源を原料としない合成繊維を1種以上含んでいてもよい。本開示のワイプの基材で使用するのに適した合成繊維は、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン及びポリプロピレンといったオレフィン繊維、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維等を含んでもよいが、これらに限定されない。一実施形態において、基材は、ポリエステルとビスコースとリヨセルとの混合物(テンセル(Tencel(登録商標)))を含んでもよい。
【0039】
一部の実施形態において、基材は、合成繊維を基材の微量成分として含んでいてもよいが、この包含は、本開示のワイプの環境上の特徴にほとんど影響を及ぼさない。また一方、他の実施形態において、基材は、合成繊維を主成分として含んでいてもよく、又は全てが合成繊維で作製されていてもよい。基材は、織布であっても不織布であってもよい。
【0040】
好適な基材成分の選択に影響を及ぼす可能性がある他の要因としては、整合性、手触り、加工性及びコスト等の考慮点が挙げられる。一般に、基材は、ワイプをターゲット表面に適用している間又はその後の任意の再湿潤及び再適用プロセス中に、過度に引き裂かれ又はバラバラに壊れてはならない。
【0041】
基材は、様々な物理的形状のうちの1つの形をしていてよい。一実施形態において、基材は、家庭の清掃作業に適した寸法の織布シート又は不織布シートである。基材の他の形状としては、繊維球、ビーズ又は他の形状のインターカレーション担持構造物を挙げることができるが、これらに限定されない。一実施形態において、基材は、均一な構造を有しており、積層構造を全く有していないことから、基材全体に洗浄組成物が一様に分配又は染みこむことを促進する。基材の形状及び寸法は、当業者には自明であり、本開示の範囲を制限しないものと解釈すべきであると考えられる。
【0042】
洗浄組成物
一般的な実施形態において、本開示のワイプの洗浄組成物は、1種以上のグリーンな界面活性剤(green surfactants)を含んでもよい。洗浄組成物のグリーンな非イオン界面活性剤としては、糖型界面活性剤、ポリオール系界面活性剤、アルキルエーテル及びアルキルカーボネートを挙げることができるが、これらに限定されない。糖型界面活性剤は、ヤシ油中の脂肪アルコールとトウモロコシ中のポリグルコースとから生成されるアルキルポリグリコシド(又はアルキルポリグルコシド)界面活性剤であってよい。アルキルポリグリコシドは、その優れた環境上の特徴に加えて、生分解性であり、ヒトの皮膚に対して非刺激性であり、しかもフレグランスオイルを水に溶解するのにも効果がある。
【0043】
本開示のエモーション(emotions)に利用可能なアルキルポリグリコシドは、次の式Iに相当する:
O(Z) (I)
【0044】
前記式中、Rは炭素原子数約4〜約22の一価の有機ラジカルであり、Zは炭素原子数5又は6の単糖類残基であり、aは1〜約6までの値の数である。例えば、Zがグルコース残基である式Iのアルキルポリグリコシドを利用してもよい。このようなアルキルポリグリコシドは、例えば、APG(登録商標)、グルコポン(GLUCOPON)(登録商標)又はプランタレン(PLANTAREN)(登録商標)という界面活性剤としてオハイオ州45232、シンシナティ、エステクリーク・ドライブ5051番地のコグニス(Cognis)社から市販されている。
【0045】
洗浄組成物におけるグリーンな界面活性剤として用いられる好適なアルキルエーテルとしては、C−O−C結合の両端部にC〜C22アルキル鎖を有するエーテル類(R−O−R)を挙げることができる。アルキル鎖(R、R)は、飽和であっても不飽和であってもよい。一実施形態において、アルキルエーテルはジカプリリルエーテルであってもよい。
【0046】
洗浄組成物におけるグリーンな界面活性剤として用いられる好適なアルキルカーボネートとしては、カーボネート基の両端部にC〜C22アルキル鎖を有するカーボネート類を挙げることができる。
【化1】


アルキル鎖は、飽和であっても不飽和であってもよい。一実施形態において、アルキルエステルはジカプリリルカーボネートであってもよい。
【0047】
洗浄組成物中で使用するのに適した他のグリーンな非イオン界面活性剤としては、アルキルグルコースアミド、トリグリセリド、N−メチルヤシ脂肪酸グルカミド(C12〜C14)、アミノ酸系界面活性剤、糖エステル類、ソルビトールエステル、ステロールエステル、糖脂質生物界面活性剤類等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0048】
一実施形態において、洗浄組成物は、5〜80重量%、より好ましくは5〜75重量%のグリーンな非イオン界面活性剤(類)を含んでもよい。他の実施形態において、グリーンな非イオン界面活性剤(類)は、8〜65重量%の濃度で含まれていてもよい。
【0049】
グリーンな非イオン界面活性剤の他に、洗浄組成物は、任意で、1種以上のグリーンな補助界面活性剤(green co-surfactants)を含んでもよい。グリーンな補助界面活性剤は、天然資源及び再生可能な資源から生成可能な直接前駆体から調製される、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、双性イオン界面活性剤又は両性界面活性剤であってよい。
【0050】
一実施形態において、グリーンなアニオン界面活性剤は、1種以上の長鎖アルキル硫酸塩を含んでもよい。好適なアルキル硫酸塩としては、C〜C20硫酸ナトリウム、C〜C20硫酸アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。また、グリーンなアニオン界面活性剤は、アルギン酸塩類(褐藻類由来の細胞壁ポリウリジル酸)又はウルバン類(緑藻類の細胞壁由来の硫酸化ラムノウロナン類)をベースとする界面活性剤を含んでもよい。
【0051】
好ましい実施形態において、グリーンなアニオン界面活性剤は、ココアルキル硫酸ナトリウム又はラウリル硫酸ナトリウムを含んでもよい。ココアルキル硫酸ナトリウムは、様々な脂肪酸(アルキル鎖の炭素数がわずか8から約20までの範囲のもの)から構成されているヤシ油を硫酸化することによって調製されてもよい。ヤシ油中の脂肪酸の大部分、例えば45〜50%は、炭素数12の脂肪酸である。一方、ラウリル硫酸ナトリウムは、ココアルキル硫酸ナトリウムを精製したものである。ラウリル硫酸ナトリウムを製造する場合、ヤシ油を処理して炭素数12以外の脂肪酸の大部分を除去してから、炭素数12の脂肪酸を硫酸化する。
【0052】
汚れ除去等の当該組成物の性能を相乗的に向上させるために、グリーンなアニオン界面活性剤を洗浄組成物に用いてもよい。よって、比較的低濃度のグリーンなアニオン界面活性剤が必要とされる。例えば、グリーンなアニオン界面活性剤(類)の濃度は、約5〜約40重量%、さらに好ましくは約5〜約30重量%、又は約5〜約25重量%の範囲であってもよい。
【0053】
また、グリーンな補助界面活性剤は、カチオン界面活性剤、特にグリシンベタイン(サトウダイコン由来のもの)並びにヨーロピアン油(European oil)及び/又は熱帯植物油等の再生可能な原料由来のエステル型及びアミド型グリシン系界面活性剤であってもよい。一方の末端に糖の極性頭部をそしてもう一方の末端にカチオン性極性頭部を持ち合わせた、バイポーラ両親媒性化合物(双頭型両親媒性化合物)が使用されてもよい。
【0054】
洗浄組成物は、任意で、グリーンなリンカーを1種以上含んでもよい。グリーンなリンカーは、親油性であっても親水性であってもよい。好適な親油性リンカー及び親水性リンカーとしては、オレイン酸塩類(例えば、グリセロールモノオレエート(GMO)、グリセリルオレエート等)、ステアリン酸塩類(例えば、グリセロールモノステアレート(GMS))、ポリソルベート(例えば、ソルビタンモノラウレート(SML))、アルカノール、グルコシド、エステル、グリセリン、及びこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0055】
例えば、親油性リンカーは、1種以上のC12〜C18アルカノールを含んでもよい。一実施形態において、1種以上のアルカノールは、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。アルカノールは、天然資源及び再生可能な資源を原料とする直前モデル(immediate predecessors)から生成されてもよい。特に、ラウリルアルコールは、ヤシ油中の脂肪酸から生成されてもよく、セチルアルコールは、鯨ろう(マッコウクジラの油から得られる油性物質)から生成されてもよく、また、ミリスチルアルコールは、パーム油、ヤシ油、バター脂肪及び鯨ろう中に含まれるミリスチン酸から生成されてもよい。
【0056】
同様に、親水性リンカーは、天然資源及び再生可能な資源から得られる直前モデル(immediate predecessors)から生成されてもよい。好適な親水性リンカーは、ヘキシルグルコシド等のアルキルグルコシドを1種以上含んでもよい。本開示の組成物中で使用されるヘキシルグルコシドは、イリノイ州60607−3823、シカゴ、W.ヴァン・ブーレン・ストリート525番地のアクゾ・ノベル社(Akzo Nobel)から(「AG6206」として)市販されている。グルコース又はデキストロースから得られるヘキシルグルコシドの親水性部分は、デンプンから生成されてもよく、通常はトウモロコシから生成されてもよい。
【0057】
グリーンな親油性及び/又は親水性リンカーは、汚れ除去及び/又は筋状跡の低減等の当該組成物の性能を相乗的に向上させるために洗浄組成物中で用いられてもよい。そのために、比較的低濃度のグリーンなリンカー(green linkers)が必要とされる。一実施形態において、本開示の組成物は、0.000001重量%〜2重量%以下のグリーンなリンカー(類)を含んでもよい。他の実施形態において、グリーンなリンカー(類)は、0.000001〜1重量%までの低い濃度で含まれてもよく、組成物の性能を更に相乗的に向上させる可能性がある。
【0058】
特定の理論に束縛されたくはないが、リンカー分子は、界面活性剤と油相(親油性リンカー)又は水相(親水性リンカー)との相互作用を高めるために本開示の組成物に添加されるものであり、親油性リンカーと親水性リンカーとを組み合わせることで、油と水との界面において自己組織化界面活性剤として作用させて、ワイプを水で活性化させるときに安定なマイクロエマルジョンの生成を容易にする。さらに、自己組織化の効率は、グリーンな界面活性剤とグリーンなリンカーとの割合、界面活性剤及び/又はリンカーの合計濃度、或いはこれらの両方に依存してもよい。一部の実施形態において、親水性リンカーと親油性リンカーとを自己組織化することでマイクロエマルジョンの生成を促進するには、ほんの少量、例えば約0.01重量%〜約0.1重量%のリンカーを含んでもよい。一実施形態において、効果的な汚れ除去は、リンカーを0.0012重量%及び0.0024重量%の合計濃度で用いた組成物によって達成される。
【0059】
本開示の好ましい実施形態では、グリーンなリンカーのみを用いるが、他の実施形態では、グリーンなリンカーとグリーンでないリンカー(例えば、合成リンカー)との組み合わせを含んでいてもよく、又はグリーンでないリンカーの量が本開示の組成物のナチュラルインデックスをそれほど低下させないのであれば、グリーンでないリンカーのみを含んでもよい。
【0060】
一部の実施形態において、洗浄組成物は、任意で、1種以上のpH調整剤を含んでもよい。好ましくは、組成物中で使用されるpH調整剤は、天然資源及び再生可能な資源由来のものであり、組成物の環境上の特徴、すなわちナチュラルインデックスに悪影響を及ぼさない。
【0061】
好適なpH調整剤は、水酸化ナトリウム(食塩水を電気分解することで製造されるもの)、炭酸ナトリウム(鉱質沈着物として天然に存在するもの)及び重炭酸ナトリウム(鉱物であるナトロン中に天然に存在するもの)等の塩基を含んでもよい。また、グリーンなpH調整剤は、天然資源又は再生可能な資源に由来する有機酸を1種以上含んでもよい。例えば、有機酸は、クエン酸(果物や野菜の中に天然に存在するもの)、乳酸(乳糖、コーンスターチ又はジャガイモを発酵させることで生成されるもの)、酢酸(デンプン又は果物を発酵させることで生成されるもの)等であってもよい。乳酸又はクエン酸の使用は、石鹸かすや石灰のかすの除去に効果を発揮する場合がある。最後に、グリーンなpH調整剤は、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の前記有機酸の塩を1種以上含んでもよい。
【0062】
言うまでもないが、洗浄組成物において使用するのに適したグリーンなpH調整剤の種類及び濃度は、組成物の所望されるpHによって決まり、本開示を踏まえれば、必要以上の実験を行わなくとも当業者には自明であろう。
【0063】
一部の実施形態、例えば、ガラス清掃用ワイプにおいて、洗浄組成物は、任意で1種以上の筋状跡の発生抑制剤を含んでもよい。好ましくは、組成物中で使用される筋状跡の発生抑制剤は、天然資源及び再生可能な資源由来のものであるので、組成物の環境上の特徴、すなわちナチュラルインデックスに悪影響を及ぼさない。
【0064】
好適なグリーンな筋状跡の発生抑制剤(green streak reduction agents)は、酒石酸の塩等のグリーンな有機酸(green organic acid)の塩を含んでもよい。一実施形態において、洗浄組成物は、0〜0.001重量%の酒石酸塩を含む。
【0065】
言うまでもないが、洗浄組成物中で使用するのに適したグリーンな筋状跡の発生抑制剤の種類及び濃度は、組成物の特定用途によって決まり、本開示を踏まえれば、必要以上の実験を行わなくとも当業者には自明であろう。
【0066】
殺菌/消毒組成物
上述の通り、殺菌/消毒組成物は、ターゲット表面に抗菌(antimicrobial又はantibacterial)効果を提供するために、天然資源及び再生可能な資源を原料とするグリーンな殺菌/消毒剤(green disinfecting /sanitizing agent)を少なくとも1種含む。グリーンな殺菌/消毒剤は、精油、コロイダルシルバー、有機酸及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0067】
EPA(環境保護庁)ガイドライン(http://www.epa.gov/oppad001/ad_info.htm)によれば、殺菌剤は、無生物硬質表面及び物体上で使用されて、伝染性真菌及び伝染性細菌を破壊する又は非可逆的に不活性化するものであるが、必ずしもそれらの胞子まで破壊する又は非可逆的に不活性化するものではなく、また、消毒剤は、公衆衛生条例又は公衆衛生基準で決められたように安全とみなされる程度まで微生物を無生物環境から減少させるが、必ずしも微生物を撲滅するものではない。一実施形態において、本開示の組成物は殺菌剤として使用されてもよい。他の実施形態において、本開示の組成物は消毒剤として使用されてもよい。
【0068】
本開示の組成物における精油は、抗菌(antimicrobial、antibacterial)活性及び/又は抗真菌活性を示す植物抽出物を含んでもよい。例えば、好適な精油としては、シトロネラオイル、レモンユーカリオイル、シナモンオイル、ヒマシオイル、ローズマリーオイル、レモングラスオイル、シダーオイル、ペパーミントオイル、クローブオイル、ゼラニウムオイル、バーベナオイル、ペニーロイヤルオイル、ラベンダーオイル、松脂、カユプテオイル、バジルオイル、タイムオイル、オールスパイスオイル、大豆油、にんにく油等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0069】
一実施形態において、精油は、オレガノオイル、タイムオイル、クローブオイル、ローズマリーオイル、にんにく油、シナモンオイル、ベイオイル、レモングラスオイル、オーストラリアンティーツリーオイル、シトロネラオイル、ゼラニウムオイル、アボカドオイル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。精油は、組成物中に0.001〜2重量%の濃度、さらに好ましくは0.01〜1重量%の濃度で含まれていてもよい。言うまでもないが、本開示の組成物中で使用するのに適した精油の種類、強度及び濃度は、当業者には自明であるため、本開示の範囲を制限するものではないと解釈すべきである。
【0070】
もう一つの好適なグリーンな殺菌/消毒剤として、銀は、様々な活性を示すものであり、EPAに殺菌剤として50年以上登録されている。特に、コロイダルシルバーは、安全でありかつ低濃度で有効なものであり、しかも本開示の組成物での使用に適している。コロイダルシルバーは、電気分解によって粒径0.001〜0.01ミクロンのものを生成することができる。一実施形態において、コロイダルシルバー内の帯電した銀粒子は、クエン酸と錯体を形成するが、酢酸等の他の酸を用いて銀錯体を形成してもよい。組成物の殺菌性能/消毒性能をさらに高めるために、コロイダルシルバーを、例えばマイクロエマルジョン中で安定化及び/又は懸濁させて、銀粒子が凝集(又は「落下」)しないようにしてもよい。
【0071】
一実施形態において、本開示の組成物中で使用されるコロイダルシルバーは、ノースカロライナ州27265、ハイポイント、プルミエ・ドライブ4090番地のチバ・コーポレーション(Ciba Corporation)からチノサン(Tinosan(登録商標))SDCとして入手可能である。コロイダルシルバーは、組成物中に20〜2000ppmの濃度、さらに好ましくは30〜1000ppmの濃度で含まれていてもよい。しかし、本開示の組成物中で使用するのに適したコロイダルシルバーの種類、強度及び濃度は、当業者には自明であるため、本開示の範囲を制限するものではないと解釈すべきであると考えられる。
【0072】
殺菌/消毒組成物中で使用するのに好適な有機酸は、天然資源及び再生可能な資源由来のものであってもよい。例えば、殺菌/消毒組成物は、酢酸、安息香酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酒石酸等の有機酸を1種以上含んでもよい。一実施形態において、殺菌/消毒組成物は、コロイダルシルバーと1種以上の有機酸との混合物を含むことで、組成物の殺菌/消毒性能がさらに向上する。
【0073】
洗浄組成物中で使用するのに好適なグリーンな殺菌/消毒剤は、金属、金属塩、有機酸及びこれらの混合物を含んでもよい。好適な抗菌性金属としては、例えば、Ag、Au、Pt、Pd、Ir、Cu、Sn、Sb、Pb、Bi、Zn及びこれらの組み合わせが挙げられる。特定の理論に束縛されたくはないが、抗菌性の元素金属の有効性は、空気酸化等の対応する金属イオンの形成に起因すると考えられる。同様に、抗菌性金属の塩も洗浄組成物中に含まれてもよい。抗菌性金属の塩が溶解すると、ターゲット表面に抗菌効果を提供する金属イオンが洗浄組成物中に放出される。一実施形態において、殺菌/消毒組成物は、コロイダルシルバーと銅又は亜鉛(元素又は塩のいずれかの形態)との混合物を含んでいる。
【0074】
言うまでもないが、殺菌/消毒組成物中で使用するのに適したグリーンな殺菌/消毒剤の種類、強度及び濃度は、当業者には自明であるため、本開示の範囲を制限するものではないと解釈すべきである
【0075】
香料組成物
本開示のワイプは、任意で、植物又は農作物等の天然資源及び再生可能な資源に由来するグリーンな香料物質を含有する香料組成物を含んでもよい。また、組成物は、制限された方法で香料を空気中に長時間供給することも可能である。香料組成物は、1種以上の悪臭を消すこと又は処理済の表面に心地良い香りを与えること、或いはそれら両方の機能を果たしてもよい。周知のように、香料は、通常、多数の芳香性物質の混合物からなり、芳香性物質はそれぞれ特有の香りを有している。香料中の芳香性物質の数は、一般的には10種以上である。使用される芳香性物質の種類は変更可能である。この芳香性物質は、様々な化学分類由来のものであり、一般的には水不溶性の油である。多くの場合、芳香性物質の分子量は、150よりも大きく、300以内である。
【0076】
本開示のワイプで使用される香料組成物は、消費者が知覚できる良い香りを空気に与えるのに十分な量が含まれていてもよい。悪臭がする場合、天然香料は、空気中の悪臭の少なくともかなりの部分を消すことのできる量が含まれていてもよい。さらに好ましくは、香料組成物は、悪臭を完全に消すだけでなく、消費者が知覚する良い香りも与える量で含まれていてもよい。
【0077】
香料組成物は、本開示のワイプ中に0〜0.5重量%、さらに好ましくは0〜0.2重量%、最も好ましくは0〜0.1重量%の量で含まれていてもよい。その場の悪臭を消すのに必要な香料の量、及び/又は消費者が知覚する良い香りを与えるのに必要な香料の量は、当業者には自明であろう。
【0078】
本開示による香料組成物は、化学的に活性な蒸気を生成する芳香性物質(類)を1種以上含んでもよい。一実施態様において、香料は、揮発性の芳香化合物から構成されていてもよく、及び/又は揮発性の芳香化合物を含んでいてよく、揮発性の芳香化合物としては、天然植物抽出物、エッセンス、フレグランスオイル等が挙げられるが、これらに限定されない。当該技術分野において既知のように、多くの精油及びその他の天然植物誘導体は、揮発性の高い香りを高い割合で含んでいる。これに関し、数々の精油、エッセンス及び良い香りのする濃縮物は、香料及び食品業界の企業から市販されている。
【0079】
典型的な油及び抽出物としては、次の植物由来のものが挙げられるが、これらに限定されない:アーモンド、アミリス、アニス、ヨモギ(armoise)、ベルガモット、カブリューバ、キンセンカ、カナンガ(cananga)、ヒマラヤスギ、カモミール、ココナツ、ユーカリ、フェンネル、ジャスミン、ジュニパー、ラベンダー、レモン、オレンジ、ヤシ、ペパーミント、カシア、ローズマリー、タイム等。
【0080】
香料は、花及び果物に由来する有機化合物から製造することもできる。好適な有機化合物の例としては、ジミルセノール(dimyrcenol)、フェニルエチルアルコール及びテトラヒドロムグオール、デシルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、ラウリンアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、エチルメチルフェニルグリシデート、メチルノニルアセトアルデヒド、ミリスチンアルデヒド、ノナラクトン、ノニルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ウンデカラクトン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ベンズアルデヒド、バニリン、ヘリオトロピン、ショウノウ、パラヒドロキシフェノールブタノン、6−アセチル−1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラヒドロナフタレン、α−メチルイオノン、γ−メチルイオノン及びアミルシクロヘキサノン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
言うまでもないが、本開示のワイプ中で使用するのに適した香料組成物の種類、強度及び香りの特徴は、当業者には自明であるため、本開示の範囲を制限するものではないと解釈すべきであると考えられる。
【0082】
多機能ワイプ
上述の通り、機能性組成物は、基材に染みこまされてもよく又はコーティングされてもよい。一実施形態において、基材は、機能性組成物が放出可能なように結合された異なる部分を複数有する不織布シートである。例えば、基材は、洗浄組成物のための第1部分と、殺菌/消毒組成物のための第2部分と、任意の香料組成物のための任意の第3部分とを備えていてもよい。一実施形態において、異なった部分は、基材の片面側にある、実質的に平行でかつ分離されたストリップ状のものである。一改良形態において、1種以上の機能性組成物は、異なる部分に染みこまされていてもよいが、それ以外の機能性組成物は、異なる部分にコーティングされる。別の改良形態において、全ての機能性組成物が、異なる部分に染みこまされていても又はコーティングされていてもよい。異なる部分は、基材の異なる面に配置されていてもよい。一実施形態では、シートには、どの異なる部分もシートの側端部まで達しないようにサイドマージンが設けられる。他の実施形態では、機能性組成物類は、互いに分離されたまま、無作為に区分された又はパターニングされたパッチとして、放出可能なように基材に結合されている。
【0083】
基材に機能性組成物を染みこませるために、機能性組成物は、水又は1種以上の有機溶媒と共に液体槽に配合されてもよく、この液体槽に基材(又はその異なる部分)を適当な時間浸漬する。その後、基材を液体槽から取り出して、溶媒を除去することで、機能性組成物が染みこんだワイプが得られる。
【0084】
基材に機能性組成物をコーティングするためには、機能性組成物は、水又は1種以上の有機溶媒と共にペーストに配合されてもよく、その後、ペーストを基材(又はその異なる部分)に刷毛塗り又は回転塗布してから、溶媒を除去することで、機能性組成物がコーティングされたワイプが得られる。
【0085】
基材に機能性組成物を組み込む他の方法もまた、当業者が本開示を踏まえて利用できるものであるので、本開示の範囲を制限しないものと解釈すべきである。例えば、機能性組成物は、天然繊維又は合成繊維の押出成形及び加工といった基材の製造プロセス中に添加されてもよい。
【0086】
本開示のワイプの一つの特徴は、実質的に水を含まないことである。水分含有量が高いと、各清掃用ワイプによってターゲット表面に供給され得る機能性組成物の量が減少する可能性がある。そのため、比較的高い水分含有量のワイプは、本開示のワイプよりも洗浄や殺菌/消毒する面積が実質的に狭い可能性がある。さらに、本開示のワイプ内で機能性組成物は、水で活性化するまで互いに分離されている。そのため、機能性組成物間の不混和性が本開示のワイプの複数の機能の性能に影響を及ぼすことはほとんどないであろう。
【0087】
本開示のワイプに使用される、水分含有量の比較的低い洗浄組成物は、防腐剤を使用しなくてもよいが、それ以外の、従来のワイプに使用される洗浄組成物には、防腐剤が必要不可欠である。よって、一部の実施形態では、本開示のワイプは基本的に防腐剤を全く含まない。その上、本開示のワイプに添加される洗浄組成物は、従来のウェットワイプに使用される洗浄組成物よりも濃度の高い濃縮物であるため、ウェットワイプに使用される洗浄組成物よりもさらに少ない量で添加されてもよい。その結果、本開示のワイプは、かなり軽量でかつ乾いた感触のものとなり、簡便でかつ高効率な保管、取り扱い及び輸送が可能となる。
【0088】
本開示のワイプ中で使用される洗浄組成物の他の特徴は、その高いナチュラルインデックスである。そのため、組成物は、その環境上の特徴を損なうことなく、高い性能を達成する。例えば、1種以上の機能性組成物のナチュラルインデックスが、85%〜約99%の範囲であってよい。
【0089】
本開示のワイプの基材も、天然繊維又は天然起源の繊維等のグリーンな成分で作製されている場合、本開示のワイプのナチュラルインデックスは、85%〜約99%の範囲であり得る。
【0090】
使用方法
一般的な実施形態において、本開示は、ターゲット表面、特に浴室表面やシャワー表面等の家庭の表面を洗浄して殺菌/消毒する方法であって、本開示による多機能ワイプを提供する工程と、ワイプを水で濡らしてワイプを活性化する、すなわち基材から機能性組成物を放出する工程と、活性化したワイプをターゲット表面に接触させる工程と、を含む、方法に関する。任意で、前記方法は、ワイプを再び濡らす工程と、再び濡らしたワイプをターゲット表面に再び接触させる工程と、をさらに含む。
【0091】
一実施形態では、清掃用ワイプは、手でターゲット表面に適用される。他の実施形態では、ワイプは、モップ又はスウィーパー等の清掃道具の遠位端に取り付けられる。ワイプは、活性化する前又は活性化した後で、清掃装置に取り付けられてもよい。一改良形態では、清掃道具は、貯水容器と、清掃道具に取り付けたときにワイプに水を直接噴霧するためのディスペンサーと、を備えてもよい。
【0092】
上述の通り、本開示のワイプは、使用直前に水で活性化される。水による活性化は、ワイプに水を直接かけること又はワイプを水に素早く浸けることによって行ってもよい。あるいは、ターゲット表面を水で予め濡らしておき、そのターゲット表面上の水と接触させることでワイプを活性化してもよい。本開示のワイプは複数回活性化されてもよい。例えば、ワイプは、水で先ず活性化して洗浄や殺菌/消毒に使用した後、必要に応じて又はワイプの洗浄組成物及び/又は殺菌/消毒組成物が実質上使い尽くされるまで、再活性化されてもよい。
【0093】
本開示のワイプの一つの特徴は、水で活性化した基材から機能性組成物が迅速にかつタイミング良く放出できることである。このために、本開示のワイプを活性化するために、温水又は熱湯を必要とせず、水及びエネルギーの消費をさらに削減するものである。しかも、水による活性化は清掃プロセス直前に行うので、ワイプの活性化には、水道水又は再利用水で十分足りる。ただし、本開示のワイプは、熱湯又は温水でも、或いは水道水又は再利用水よりも純度の高い水でも確実に活性化することができる。
【0094】
通常、水による活性化は、清掃用ワイプを、浴槽の蛇口又はシャワーヘッドといった浴槽又はシャワーのエンクロージャー領域(enclosure area)内で容易に手に入る水源に直接晒すことで達成される。また、水は、別の場所から調達して、例えば、注射器、園芸用ホース、噴霧ボトル、容器、バケツ等を用いてワイプ又は洗浄される表面まで移動させてもよい。
【0095】
本開示の方法は、汚れ、石鹸かす、石灰かす及び他の汚れた物質を家庭の表面から除去するのに特に適している。また、前記方法は、追加の工程を伴わず又は追加のエネルギーを消費することなく、ターゲット表面に殺菌/消毒効果及び/又は香料放出効果をもたらしてもよい。家庭の表面を洗浄して殺菌/消毒するための本開示の方法及びワイプの特別な効力にもかかわらず、他のどのような種類の無生物表面、特に医療施設又は商業施設内の硬質表面を清掃するのにも使用できるということを、当業者は高く評価するものと理解される。
【0096】
特定の実施形態のみを記載してきたが、当業者にとっては、前記記載から代替案や改良案が自明であろう。前記代替案とその他の代替案は、同価値であって、本開示の内容及び添付の特許請求の範囲の趣旨及び領域の範疇にあるものと考えられる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材に放出可能なように結合され、グリーンな界面活性剤を含む洗浄組成物と、
前記基材に放出可能なように結合され、グリーンな殺菌/消毒剤を含む殺菌/消毒組成物と、
を含み、
前記洗浄組成物と前記殺菌/消毒組成物とが分離されていることを特徴とする清掃用ワイプ。
【請求項2】
前記基材は、天然繊維、天然起源の繊維、合成繊維及びこれらの混合物からなる群から選択される繊維材料から作製されることを特徴とする請求項1に記載のワイプ。
【請求項3】
前記ワイプのナチュラルインデックスは、少なくとも95%であることを特徴とする請求項1に記載のワイプ。
【請求項4】
前記ワイプは、実質的に水を含まないことを特徴とする請求項1に記載のワイプ。
【請求項5】
前記グリーンな界面活性剤は、グリーンな非イオン界面活性剤、グリーンなアニオン界面活性剤及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のワイプ。
【請求項6】
前記グリーンな界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、ココアルキル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項5に記載のワイプ。
【請求項7】
前記グリーンな殺菌/消毒剤は、コロイダルシルバー、有機酸、精油及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のワイプ。
【請求項8】
前記有機酸は、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、フェルラ酸及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載のワイプ。
【請求項9】
前記ワイプは、前記基材に放出可能なように結合され、前記洗浄組成物及び殺菌/消毒組成物と分離されている天然香料組成物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のワイプ。
【請求項10】
前記洗浄組成物は、グリーンなリンカーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のワイプ。
【請求項11】
前記グリーンなリンカーは、ヘキサデカノール、モノオレイン酸グリセリル、ヘキシルグルコース及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項10に記載のワイプ。
【請求項12】
前記洗浄組成物及び前記殺菌/消毒組成物のうち少なくとも一方は、前記基材にコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載のワイプ。
【請求項13】
前記洗浄組成物及び前記殺菌/消毒組成物のうち少なくとも一方は、前記基材に染みこまされていることを特徴とする請求項1に記載のワイプ。
【請求項14】
異なる第1部分及び第2部分を有する基材と、
前記第1部分に放出可能なように結合され、グリーンな界面活性剤を含む洗浄組成物と、
前記第2部分に放出可能なように結合され、グリーンな殺菌/消毒剤を含む殺菌/消毒組成物と、
を含み、
ナチュラルインデックスが少なくとも99%であることを特徴とする清掃用ワイプ。
【請求項15】
前記ワイプは、実質的に水を含まないことを特徴とする請求項14に記載のワイプ。
【請求項16】
前記基材は、異なる第3部分をさらに備えており、前記ワイプは、前記第3部分に放出可能なように結合された天然香料組成物をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のワイプ。
【請求項17】
前記洗浄組成物は、ヘキサデカノール、モノオレイン酸グリセリル、ヘキシルグルコース及びこれらの混合物からなる群から選択されるグリーンなリンカーをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のワイプ。
【請求項18】
ターゲット表面を洗浄して殺菌/消毒する方法であって、前記方法は、
基材と、グリーンな界面活性剤を含みかつ放出可能なように前記基材に結合されている洗浄組成物と、グリーンな殺菌/消毒剤を含みかつ放出可能なように前記基材に結合されている殺菌/消毒組成物と、を含み、前記洗浄組成物が前記殺菌/消毒組成物と分離されており、実質的に水を含まない清掃用ワイプを提供する工程と、
前記清掃用ワイプを水で濡らして活性化する工程と、
前記ターゲット表面を前記活性化された清掃用ワイプと接触させる工程と、
を含む方法。
【請求項19】
前記清掃用ワイプを再び濡らす工程と、
前記ターゲット表面を前記の再び濡らした清掃用ワイプと再度接触させる工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ワイプのナチュラルインデックスは、少なくとも98%であることを特徴とする請求項18に記載の方法。


【公表番号】特表2013−511328(P2013−511328A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539880(P2012−539880)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/003037
【国際公開番号】WO2011/062647
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】