説明

水中曝気装置

【課題】空気圧縮機で作った高圧空気を水中に吹き込むタイプの水中曝気装置では、空気で重い水を押し退けなければならず、大動力の空気圧縮機を必要としていた。また、吹き込まれた空気は水中をあまり広がらず、酸素が溶け込む水域は広くならなかった。
【解決手段】外筒体6の内部に内筒体7を配置し、内筒体7に屈曲した取水管8を連結する。空気取入部10の一方の端部は開口され他方の端部は閉塞されている。その開口端部は取水管8の途中に接続し、閉塞端部にはポンプ水噴出管9を気密的に貫通配設する。ポンプ水噴出管9の先端は取水管8の中に位置するようにし、後端にはポンプ水供給パイプ11を接続し、ポンプ12からの高圧水流を供給する。空気取入部10には、空気取入パイプ4を経て水面上の空気を取り入れる。外筒体6から出る空気混合水流は、水中に広く広がる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水質浄化のために水中に空気を供給する水中曝気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特別の化学成分を含んでいる工場排水等の浄化ではなく、一般的な汚水(言い換えれば有機質性汚水)の浄化においては、活性汚泥処理法が採用されていることが多い。この処理法では、先ず汚染物質の濃度調整(例えば水で薄める)をし、次に好気性菌体による吸収分解作用を利用している。
ところで、好気性菌体はその名が示すように酸素を好む菌体であるから、汚水の浄化作用を活発にさせるためには、水に溶けて存在している酸素(溶存酸素)の量が多いことが必要とされる。
【0003】
河川,湖沼,池,ダム等の水の流れがあまりない水域(いわゆる閉塞水域)においては、しばしば溶存酸素量が少なくなることがある。そのような水域では好気性菌体が少なくなり、浄化作用が行われないため、赤潮やアオコ等が発生してしまう。
前記した一般的な汚水の場合でも、好気性菌体の浄化能力を超えて汚水がどんどん流入してくれば、浄化が追いつかず水は富栄養化(富化)し、汚染は進行する。
【0004】
従って、水質汚染防止や汚水処理のためには、人工的に酸素を水中に溶け込ませてやり、好気性菌体の活動を活発にさせてやる必要がある。そのための装置が水中曝気装置であるが、この装置は水中に空気を供給し、その空気に含まれる酸素を水に溶け込ませようとするものである。
従来の水中曝気装置としては、例えば空気圧縮機により高圧の空気を作り、これを水中に圧送して噴出するものがある。噴出された空気は泡となって上昇して行くが、上昇中に泡の中の酸素が、少しづつ水に溶け込んでゆく。或いは、円筒状のケーシング内で羽根車を回転させて水流を起こし、その部分に高圧空気を加えるものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−249380号公報
【特許文献2】特許第3951287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(問題点)
前記した従来の技術には、次のような問題点があった。
1.空気圧縮機として、大きな動力のものを必要とする。
2.酸素を溶け込ませる水域があまり広くはならない。
3.魚介類を傷つける。
【0007】
(問題点の説明)
前記した問題点につき個別に説明すると、次の通りである。
1.空気圧縮機として、大きな動力のものを必要とする。
空気を水中に噴出するためには、圧縮空気は噴出位置での水圧に打ち勝つ圧力を有している必要がある。噴出位置が浅ければ水圧は低いから、圧縮空気の圧力は小さくともよい。しかし、それでは泡が水面に浮き上がるまでの距離が短いから、水に溶け込む酸素は少ない。溶け込む酸素を多くするためには、泡が長い距離を経て浮上するよう、空気の噴出位置は深くしなければならない。深ければ水圧は大となるから、圧縮空気の圧力も大にしなければならない。そうすると、空気圧縮機としては大きな動力のものを必要とし、コストが高くなってしまう。
【0008】
2.酸素を溶け込ませる水域があまり広くはならない。
圧縮空気が水中から上に向けて噴出された場合、泡は水平方向に殆ど広がらずに水面に上昇してしまい、酸素が供給される水域は極めて狭い。
酸素供給水域を広くするには、横方向に噴出する必要がある。圧縮空気を横方向に噴出した場合、空気の泡は周囲の水の抵抗を押し退けて横方向に進みつつ、浮力により上昇する。そして、噴出力(言い換えれば噴出される空気の圧力)と浮力との兼ね合いで決まるカーブを描きながら水面へ上昇する。噴出力が大になると横方向へ遠く進むから、酸素供給水域は広くなる。
しかし、空気の重さに対して水の重さは格段に大であるから、軽い空気が重い水を押し退けて進める距離には限界があり、圧縮空気を噴出する方式で酸素供給水域を広くすることは、なかなかうまく出来ないというのが実状である。
従って、多くの空気圧縮機を用いて多くの水中位置で空気を噴出してやらないことには、酸素が供給されている水域(曝気効果域)が点在するだけで、他の殆どの水域が酸素不供給水域(不曝気域)のままとなっていた。
【0009】
3.魚介類を傷つける。
水中曝気装置には、略円筒状のケーシング内で羽根車を回転させて水流を起し、その水流へ圧縮空気を加えて泡を含ませ、水中に拡散するタイプのものもある。このタイプのものでは、ケーシング内に紛れ込んで来た魚介類を羽根車で傷つけてしまうことになる。また、このタイプのものでは、羽根車の回転を妨げるゴミ等がケーシング内に入り込まないよう防護網が設置されるが、防護網は定期的に清掃してやらねばならず、維持管理が大変面倒であった。
本発明は、以上のような問題点を解決することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明の水中曝気装置では、屈曲した管状の取水管と、両端が開口とされた円筒状の外筒体と、該外筒体内で同心円状の位置に支持される両端開口の筒体であって、一方の開口端部が該外筒体の一方の開口端部より内部に位置せしめられ、他方の開口端部が該外筒体の他方の開口端部の外近くに配設される前記取水管に接続された内筒体と、水流を吐出するポンプと、該ポンプからの水流を導くポンプ水供給パイプと、一方の端部は開口され他方の端部は閉塞されている筒状の空気取入部と、該空気取入部の閉塞端部に気密的に貫通して先端が該空気取入部の先端より先に位置するよう配設され、後端は前記ポンプ水供給パイプに接続されたポンプ水噴出管と、一端は水面上で開口され、他端は前記空気取入部内に空気が入り得るよう該空気取入部に接続された空気取入パイプとを具え、前記ポンプ水噴出管から噴出される水流が前記内筒体の中心を軸方向に流れるよう接続位置を選定して前記空気取入部の開口端部を前記取水管の途中位置に接続する構造のものとした。
【0011】
また、水面に浮くことが出来、位置固定手段により水面上に固定され得る浮き体と、
該浮き体に取り付けられた第1の取付支持部と、外筒体に取り付けられた第2の取付支持部と、上端が第1の取付支持部に接続され、下端が第2の取付支持部に接続され、上端と下端との間隔が伸縮し得るようされた伸縮支持部とを更に具え、前記外筒体の水面からの深さ位置を調節し得るようにする構造のものとすることが出来る。
【0012】
なお、前記した各構造のものにおいて、外筒体内に内筒体を同心円状位置に支持するための手段として、該外筒体と該内筒体間を軸方向に流れて行く水流に旋回力を付与するよう複数組の支柱羽根を用いることとしてもよい。
更に、以上の構造のものにおいて、内筒体と同じ内径を有し、内壁に内側中心に向かって複数の突起が植設された散気筒を該内筒体の先端に装着することとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の水中曝気装置によれば、次のような効果を奏する。
1.圧縮空気は使わないので、そもそも空気圧縮機は必要としない。
2.酸素を溶け込ませる水域が広く出来る。
本発明の水中曝気装置では、ポンプからの水流の力で周囲の水を押し退けて流れを起こすが、水流の力は圧縮空気の力より周囲の水を押し退ける力が強いので、従来例に比べて広い範囲に流れを起こすことが出来る。そのため、空気の泡の拡散範囲を広くすることが出来、酸素供給水域を広くすることが可能となる。
3.魚介類を傷つけることがない。
本発明の水中曝気装置の水流中に魚介類が紛れ込んで来ても、魚介類が通過する水流中には回転羽根車はなく、魚介類が傷つけられることはない。魚介類は、単に水流に乗って装置内を通過するだけである。また、羽根車などの回転体はないので防護網を設ける必要もなく、防護網の清掃等の作業は無く、維持管理が楽である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図
【図2】本発明の水中曝気装置の要部を示す図
【図3】支柱羽根を示す図
【図4】散気筒を示す図
【図5】散気筒を装着した水中曝気装置の要部を示す図
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態を示す図である。これは浄化すべき池等の水底に置いて使用する定置式のものである。図1において、1は水中曝気装置、2は水面、3は水底、4は空気取入パイプ、5は支持枠体、6は外筒体、6−1は外筒体入口、6−2は外筒体出口、7は内筒体、8は取水管、9はポンプ水噴出管、10は空気取入部、11はポンプ水供給パイプ、12はポンプである。
【0016】
先ず構成の概要を説明する。外筒体6は、両端が開口されて外筒体入口6−1,外筒体出口6−2となされている大径の筒である。内筒体7は両端が開口され、外筒体6の内部のほぼ同心円状の位置に、外筒体6の内壁に足を置く支持手段により支持された小径の筒である。内筒体7の端部のうち、外筒体入口6−1側の端部は、外筒体6の外部に配置される取水管8の一端(出口側)に接続され、外筒体出口6−2側の端部は、外筒体6内の途中に位置するようにされる。
【0017】
空気取入部10は筒状を成しており、一方の端部は開口しており他方の端部は閉塞されている。開口端部は、取水管8の途中側壁に開けられた穴に接続され、取水管8の内部と通ぜしめられる。閉塞端部には、ポンプ水噴出管9が気密的に貫通させられる。そして、空気取入部10の側壁には、空気を導入し得るよう空気取入パイプ4が取り付けられる。
ポンプ水噴出管9の先端は取水管8内に位置するようにされ、ポンプ水噴出管9の後端は、ポンプ12からの水を供給するポンプ水供給パイプ11に接続される。
支持枠体5は、以上述べた各構成要素を機械的に支持するためのものであり、底部ではポンプ12を支持し、中間部では外筒体6,内筒体7,取水管8,ポンプ水噴出管9,空気取入部10を支持し、上部では空気取入パイプ4を支持している。
【0018】
次に構成の詳細および動作を説明する。なお、図1において矢印は水の流れる方向を表している。ポンプ12は図示しない配線を経由して給電され、高圧の水流を吐出するポンプである。高圧水流は、ポンプ水供給パイプ11を通ってポンプ水噴出管9へ供給され、そこから内筒体7内へ噴出される。噴出水流が流れると、空気取入部10ではエヂェクター原理による真空吸引作用が働くので、水面上から空気取入パイプ4を経て空気が吸引され、空気取入部10へ空気が導入される。
ポンプ水噴出管9から噴出される水流のため、取水管8中にある水は噴出水流方向へ吸引され、取水管8には新たな水が流入して来る。ポンプ水噴出管9からの水流は高圧水流であるため周辺の水を吸引する力が強く、取水管8内に引き起こされる水流の量は、ポンプ水噴出管9からの水量の何倍にもなる(例えば数倍)。
一方、空気取入部10に取り入れられた空気も前記噴出水流方向へ吸引されて行き、取水管8からの水も混ざった水流中に混合され、空気混じりの高圧水流(気液高圧水)となって内筒体7内を前進する。
【0019】
空気混じりの高圧噴出水流は、内筒体7を突き進んで外筒体6内に噴出されるが、なお高圧水流の勢いを保持しているので、その周辺の水を吸引して同方向への流れを引き起こしながら流れて行く。即ち、内筒体7からの高圧噴出水流の吸引作用により、外筒体入口6−1から大量の水が引き入れられ、空気混じりの高圧噴出水流と混ざり、それが外筒体出口6−2から大量の水の水流(大容量水流)となって外部の水中へと噴出される。
外部水中へ噴出された水に含まれる空気の泡は、噴出水流の方向へ進むと共に、浮力によって徐々に上昇して行く。それゆえ、空気の泡は広い範囲にわたって拡散しながら上昇し、その間に保有している酸素を水中に溶け込ませる。
このように、本発明では、小動力で駆動されるポンプ12からの高圧水流を基に、あたかも水流の増幅とも言うべき作用により、空気混じりの大量の水の流れを引き起こすことが出来るようにしたものであるので、空気の泡を広く拡散することが出来、水中曝気の効果を大にすることが出来る。
【0020】
図2は、本発明の水中曝気装置の要部を示す図である。符号は図1のものに対応し、13,14は支柱羽根である。この図は、外筒体6や取水管8の付近の断面を、拡大して示したものである。点線Aは、内筒体7と取水管8との接続部分を示している。外筒体6の内壁と内筒体7の外壁との間に、2組の支柱羽根13,14が施されており、これらにより内筒体7は内筒体7内のほぼ同心円状の位置に支持される。これは内筒体7を支持する支持手段の1例である。
なお、ここでは支柱羽根を2組としたものを示しているが、その組数は外筒体6,内筒体7の長さに応じて適宜の組数とすることが出来る。
【0021】
図3は支柱羽根を示す図であり、符号は図2のものに対応している。図3(1)は図2のX−X線の位置での断面を表し、図3(2)は図2のY−Y線の位置での断面を表している。図3(1)(2)では、支柱羽根の設置角度が異ならせてある(図の例では45度異ならせてある)。この角度を適宜選定することにより、円筒間を軸方向に流れて行く水流に、旋回力を付与することが出来る(銃弾は銃身内壁の条溝により旋回力が付与されるが、それと同じように)。旋回しながら流れて行く水流は突進力に優れ、旋回しない水流に比し、より遠方まで進出することが可能になる。その結果、空気の泡が混合された水流がより広い範囲に拡散し、酸素供給水域を広くすることが出来る。
【0022】
図2に戻るが、ポンプ水噴出管9より噴出された水流は、取水管8からの水および空気取入パイプ4からの空気を吸引して空気混合水流を作り出し、内筒体7の先端から外筒体6内に噴出する。その噴出水流に吸引され、外筒体入口6−1から大容量の水が引込まれるが、その水流は支柱羽根13,14の作用で旋回力を付与され、旋回しながら流れて行く。これが、内筒体7からの空気混合水流と混ざり、空気が混合されたより大きな水流となって外筒体出口6−2から噴出される。これが周囲の水中に広がり、水に酸素を供給する。
【0023】
空気の泡を水と接触させ、空気泡内の酸素を出来るだけ多く水に溶け込ませるには、水との接触面積が広ければ広いほどよい。同じ量の空気を含む泡でも、水との接触面積を広くするには、大きな1つの泡の形でいるよりも多くの小さな泡に分散させた方がよい。
図4は散気筒を示す図であり、15は散気筒、16は筒部、17は突起、18は係合部である。散気筒15は、気体の泡を小さく分散するための筒であり、図2等の内筒体7の先端に装着して、水流中に含まれる空気の泡を更に小さくしようとして考案されたものである。
【0024】
図4(2)は散気筒15を軸方向に切った断面を示し、図4(1)はそれを先端方向から見た図を示している。係合部18は、内筒体7の先端と係合する部分である。筒部16の内壁には、複数個の突起17が内側中心に向かって植設されている。
図5は、散気筒を装着した水中曝気装置の要部を示す図である。符号は図2,図4のものに対応し、点線Bは内筒体7と散気筒15との接続部分を示している。内筒体7から流れて来る水は突起17に衝突して乱されるが、その時に水流中に含まれる泡は小さく分散される。その結果、外筒体出口6−2から外へ出る水流は、多くの小さな泡が含まれているという望ましい水流となる。
【0025】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態を示す図である。これは浄化すべき池等の水面に浮かべた浮き体から、水中曝気装置を吊り下げるようにした形式(浮上式)のものである。符号は図1のものに対応し、19は固定ロープ、20は浮き体、21は取付支持部、22は伸縮支持部、23は取付支持部、24は吊下枠である。
浮き体20は例えば中空のドラム等で形成され、水面2に浮かべられ、固定ロープ19により水面上の所定位置に固定するよう適宜係留される。浮き体20には取付支持部21が取り付けられ、取付支持部21には伸縮支持部22の上端が接続される。外筒体6には取付支持部23が取り付けられ、取付支持部23には伸縮支持部22の下端が接続される。伸縮支持部22を調節して、その上端と下端との間隔(矢印C方向の間隔)を変えることにより、外筒体6の水面2からの深さ位置を、いろいろに設定することが出来る。
【0026】
伸縮支持部22としては、図6ではX字型に交叉させた棒体の交叉角度を変えることにより、上端と下端との間隔を可変とするものを示したが、伸縮機能を有しておりさえすれば、他の適宜の構造のものを使用することが出来る。
また、外筒体6には吊下枠24が取り付けられ、吊下枠24の底部にはポンプ12が固定される。
なお、図6では浮き体20を1個だけ使用したものを示したが、必要に応じて複数個の浮き体20を使用するようにしてもよい。例えば、浮き体20を2つ並行して水面2に浮かべ、第1の浮き体で外筒体6の一方の側面を吊り下げ、第2の浮き体で外筒体6の他方の側面を吊り下げ、結局、両側を支持して吊り下げるようにしてもよい。
【0027】
以上のような構成にすることにより、水中曝気装置の主たる構成要素は、伸縮支持部22および吊下枠24により、浮き体20の下方の水中に吊り下げられる形となる。従って、伸縮支持部22を伸縮させることにより、空気混合泡を噴出する外筒体6の配設深さ位置を、適宜に調節することが出来る。
【0028】
上記した如く、本発明の水中曝気装置では、水への空気の混合は、空気圧縮機で圧縮した空気で行うのではなく、空中から空気取入パイプ4を経て自然に取り入れるだけで行っているので、空気圧縮機を必要としない。
また、本発明は外筒体6から空気混合水流を噴出させる方式にしているが、水流の力は圧縮空気より周囲の水を押し退ける力が強いので、圧縮空気の従来例に比べて広い範囲にわたって空気混合水の流れを起こすことが出来る。そのため、空気の泡の拡散範囲を広くすることが出来、酸素供給水域を広くすることが出来る。
【0029】
更に、本発明の外筒体6や取水管8の水流中に魚介類が紛れ込んで来ても、魚介類は単に水流に乗ってそれらの中を通過するだけである。外筒体6や取水管8の中には羽根車などの回転体はなく、魚介類を傷つけることはない。また、回転体がないので、回転を妨げるゴミ等が流入しないようにする防護網も不用である。そのため、防護網の清掃等の作業はそもそも無く、維持管理が楽である。
【符号の説明】
【0030】
1…水中曝気装置、2…水面、3…水底、4…空気取入パイプ、5…支持枠体、6…外筒体、6−1…外筒体入口、6−2…外筒体出口、7…内筒体、8…取水管、9…ポンプ水噴出管、10…空気取入部、11…ポンプ水供給パイプ、12…ポンプ、13,14…支柱羽根、15…散気筒、16…筒部、17…突起、18…係合部、19…固定ロープ、20…浮き体、21…取付支持部、22…伸縮支持部、23…取付支持部、24…吊下枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲した管状の取水管と、
両端が開口とされた円筒状の外筒体と、
該外筒体内で同心円状の位置に支持される両端開口の筒体であって、一方の開口端部が該外筒体の一方の開口端部より内部に位置せしめられ、他方の開口端部が該外筒体の他方の開口端部の外近くに配設される前記取水管に接続された内筒体と、
水流を吐出するポンプと、
該ポンプからの水流を導くポンプ水供給パイプと、
一方の端部は開口され他方の端部は閉塞されている筒状の空気取入部と、
該空気取入部の閉塞端部に気密的に貫通して先端が該空気取入部の先端より先に位置するよう配設され、後端は前記ポンプ水供給パイプに接続されたポンプ水噴出管と、
一端は水面上で開口され、他端は前記空気取入部内に空気が入り得るよう該空気取入部に接続された空気取入パイプと、
を具え、
前記ポンプ水噴出管から噴出される水流が前記内筒体の中心を軸方向に流れるよう接続位置を選定して前記空気取入部の開口端部を前記取水管の途中位置に接続した
ことを特徴とする水中曝気装置。
【請求項2】
水面に浮くことが出来、位置固定手段により水面上に固定され得る浮き体と、
該浮き体に取り付けられた第1の取付支持部と、
外筒体に取り付けられた第2の取付支持部と、
上端が第1の取付支持部に接続され、下端が第2の取付支持部に接続され、上端と下端との間隔が伸縮し得るようされた伸縮支持部と
を更に具え、
前記外筒体の水面からの深さ位置を調節し得るようにした
ことを特徴とする請求項1記載の水中曝気装置。
【請求項3】
外筒体内に内筒体を同心円状位置に支持するための手段として、該外筒体と該内筒体間を軸方向に流れて行く水流に旋回力を付与するよう複数組の支柱羽根を配設したことを特徴とする請求項1または2記載の水中曝気装置。
【請求項4】
内筒体と同じ内径を有し、内壁に内側中心に向かって複数の突起が植設された散気筒を該内筒体の先端に装着したことを特徴とする請求項1,2または3記載の水中曝気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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