説明

水晶片集合体及び水晶振動子

【課題】金属膜を保護膜として水晶基板をエッチングし複数の水晶片を形成する水晶基板において、板厚が薄い高周波のものでも製造が容易で、個片を簡単に分離可能な水晶片集合体を提供することを目的とする。
【解決手段】水晶のX軸(電気軸)に対して平行で且つZ軸(光軸)に対して傾斜したカット面を有する水晶基板であって、前記水晶基板の表面の前記X軸と直交する方向に延設されたフレーム部と、前記フレーム部に沿って形成された複数の水晶片と、前記フレーム部から前記X軸と平行な方向に延設された第1アーム部と、前記第1アーム部の端部から前記X軸と平行な方向に延設され前記水晶片に接続された第2アーム部とを備え、前記第2アーム部は前記第1アーム部より細幅であることを特徴とする水晶片集合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶基板に形成する水晶片集合体の構造とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器や通信機器の小型化の要求から、キーデバイスである水晶振動子は水晶片のサイズが1.2mm程度といった超小型のものが実用化されている。このような超小型の水晶振動子を製造する方法としては、例えば図8に示すように円形(或いは方形)の水晶基板に複数の水晶振動素子をフォトリソグラフィ技術等によって一括形成し、ダイシングソー等を用いて個片に切り分ける方法が一般的である。
【0003】
一方、ダイシングソーを使わずにフォトリソグラフィ技術を用いて、水晶ウェハ(水晶片が複数配置されたもの)から水晶片を個別に分離する方法が特表平11−509052号公報に開示されている。
図9は、特表平11−509052号公報にて開示された従来の水晶ウェハの構造を示したものである。図9(a)は水晶ウェハの一部を図示したものであり、水晶のX軸(電気軸)と平行な方向に延設したフレーム1と、前記フレーム1に沿って配列した電極を有する複数の水晶片2と、前記フレーム1と前記水晶片2とを接続する溝部3を備えている。
図9(b)は溝部3をA方向から見た断面を示したものである。同図中の波線矢印のZは水晶のZ軸(光軸)の方向を示す。
【0004】
図9に示した水晶ウェハは、水晶基板の表面に所定の保護膜(エッチング耐性膜)のパターンを形成しておき、複数の水晶片2が互いに隣接する部分を化学的なエッチングによって貫通した構造を有している。また、フレーム1と複数の水晶片2との境界部分を化学的にエッチングし貫通手前の状態(溝部3)とし、水晶片2をフレーム1に保持した構造を有している。ここで、図9(b)に示した溝部3の断面が斜めになっていることに注目されたい。これは、水晶が異方性のエッチング特性を備えることに起因し、結晶軸のZ軸方向に沿ってエッチングが進行しやすいためである。従って、例えばATカットのようにウェハの表面(Z’方向)が水晶のZ軸(光軸)に対して傾斜しているものは、図9(b)の如く溝部3の断面が斜めになる。なお、溝部3に機械的に力を加えると容易に破断し水晶片2はフレーム1から切り離され、個片に分割することができる。
【0005】
一方、図9(a)のB部分をA方向から見たときのエッチング断面の変化を図10に示すようになっている。上述したように、水晶は異方性のエッチング特性を備えるが、実際には概ね図10(a)から図10(b)のような状態へとエッチングが進行し、エッチング途中で図10(c)のように水晶の端部にバリが発生する。図10(c)の状態から更にエッチングが進むと図10(d)のようにバリが取れた状態となり、この状態でエッチングを完了する。
従って、エッチングにあってはZ’方向(図10の紙面左右方向)へのオーバーエッチングを考慮すると共に、水晶の端部にバリが残らないようにエッチング時間を十分取る必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表平11−509052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、従来の水晶ウェハの製造方法には、次のような問題点がある。
すなわち、水晶ウェハを製造するときには、先述したように水晶片2の端部にバリが残らないようにエッチング時間を十分取らなければならない。ところが、エッチング時間を長くすると溝部3が深くなり、最悪の場合は溝部3が反対側まで貫通し水晶片2がフレーム部1から脱落してしまう。また、溝部3の深さはエッチング耐性膜(保護膜)のスリット幅(図9の”C”部分)にも大きく影響されるので、溝部3の深さが適度なものをバラツキなく形成するには、エッチング耐性膜(保護膜)を高精度に形成し、且つエッチングの条件を微妙に管理しなければならない。
【0008】
しかしながら、高周波用の水晶片は板厚が極めて薄いため、エッチング耐性膜(保護膜)の寸法精度の微妙なバラツキやエッチング条件の微妙な違いが溝部3の深さに影響し、溝部3の破断強度に著しく影響する。従って、従来の水晶ウェハの製造方法では溝部3の深さが適度なものをバラツキなく高精度に形成することは困難であり、水晶片の破断強度が一定した高周波用の水晶ウェハを安定的に製造することは極めて困難であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、板厚が薄い高周波のものでも容易に製造することが可能な、水晶片集合体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明においては、水晶のX軸(電気軸)に対して平行で且つZ軸(光軸)に対して傾斜したカット面を有する水晶基板であって、前記水晶基板の表面の前記X軸と直交する方向に延設されたフレーム部と、前記フレーム部に沿って形成された複数の水晶片と、前記フレーム部から前記X軸と平行な方向に延設された第1アーム部と、前記第1アーム部の端部から前記X軸と平行な方向に延設され前記水晶片に接続された第2アーム部とを備え、前記第2アーム部は前記第1アーム部より細幅としたものである。
【0010】
また、請求項2記載の発明においては、請求項1において、前記水晶基板の厚みをtとしたとき、前記第2アーム部の前記X軸と平行な方向の長さを0.05t〜1.0tとしたものである。
また、請求項3記載の発明においては、請求項1、または請求項2において、前記水晶基板の厚みをtとしたとき、前記第2アーム部の前記X軸と直交する方向の長さを0.08t〜0.7tとしたものである。
また、請求項4記載の発明においては、請求項1、請求項2、または請求項3において、前記第2アーム部は他の部分に比べて厚みが薄肉となっているものである。
【0011】
また、請求項5記載の発明においては、請求項1、請求項2、請求項3、または請求項4において、前記水晶基板をATカットの水晶としたものである。
また、請求項6記載の発明においては、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、または請求項5において、前記水晶片のそれぞれには電極が形成されたものである。
また、請求項7記載の発明においては、請求項6において、前記第2アーム部を破断して前記水晶片を個片に分離し、これをパッケージに収容して封止したものである。
【0012】
また、請求項8記載の発明においては、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、または請求項5のいずれかに記載した水晶片集合体の製造方法であって、平行平板の水晶基板の主面に金属膜を形成する工程と、前記金属膜の上にフォトレジストを塗布する工程と、前記フォトレジストの上にフォトマスクを被せ該フォトレジストを露光及び現像し所定のフォトレジストパターンを形成する工程と、前記フォトレジストパターンを保護膜として前記金属膜をエッチングし金属膜パターンを形成する工程と、前記金属膜パターンと前記フォトレジストパターンとを保護膜として前記水晶基板をエッチングエッチングし前記フレーム部と前記水晶片と前記第1アーム部と前記第2アーム部とを一体的に形成する工程と、前記フォトレジストパターンと前記金属膜パターンとを剥離する工程とを備えたものである。
【0013】
また、請求項9記載の発明においては、請求項6に記載した水晶片集合体の製造方法であって、平行平板の水晶基板の主面に金属膜を形成する工程と、前記金属膜の上にフォトレジストを塗布する工程と、前記フォトレジストの上にフォトマスクを被せ該フォトレジストを露光及び現像し所定のフォトレジストパターンを形成する工程と、前記フォトレジストパターンを保護膜として前記金属膜をエッチングし金属膜パターンを形成する工程と、前記金属膜パターンと前記フォトレジストパターンとを保護膜として前記水晶基板をエッチングし前記フレーム部と前記水晶片と前記第1アーム部と前記第2アーム部とを一体的に形成する工程と、前記フォトレジストパターンと前記金属膜パターンとを剥離する工程と、前記水晶片に所定の電極パターンを蒸着にて付着する工程とを備えたものである。
【0014】
また、請求項10記載の発明においては、請求項6に記載した水晶片集合体の製造方法であって、平行平板の水晶基板の主面に金属膜を形成する工程と、前記金属膜の上にフォトレジストを塗布する工程と、前記フォトレジストの上にフォトマスクを被せ該フォトレジストを露光及び現像し所定のフォトレジストパターンを形成する工程と、前記フォトレジストパターンを保護膜として前記金属膜をエッチングし金属膜パターンを形成する工程と、前記金属膜パターンと前記フォトレジストパターンとを保護膜として前記水晶基板をエッチングし前記フレーム部と前記水晶片と前記第1アーム部と前記第2アーム部とを一体的に形成する工程と、前記フォトレジストパターンを剥離し金属膜パターンを露出する工程と、前記露出された金属膜パターンの上にフォトレジストを塗布する工程と、該フォトレジストを露光及び現像し電極用のフォトレジストパターンを形成する工程と、前記電極用のフォトレジストパターンを保護膜として前記金属膜パターンをエッチングし前記水晶片に所定の電極パターンを形成する工程とを備えたものである。
【0015】
また、請求項11記載の発明においては、請求項8、請求項9、または請求項10のいずれかの水晶片集合体の製造方法に記載されたフォトマスクであって、前記水晶片に対応した水晶片形成パターンと、前記第1アーム部に対応した第1アーム部形成パターンと、該第1アーム部形成パターンよりも細幅で前記第2アーム部に対応した第2アーム部形成パターンと、前記フレーム部に対応したフレーム部形成パターンとを備えており、前記水晶基板の厚みをtとしたとき、前記第2アーム部形成パターンの互いに直交する2辺の長さの範囲をそれぞれ0.05t〜1.0t、及び0.2t〜1.0tとしたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、水晶のX軸(電気軸)に対して平行で且つZ軸(光軸)に対して傾斜したカット面を有する水晶基板の表面に、前記X軸と直交する方向に延設されたフレーム部と、前記フレーム部に沿って形成された複数の水晶片と、前記フレーム部から前記X軸と平行な方向に延設された第1アーム部と、前記第1アーム部の端部から前記X軸と平行な方向に延設され前記水晶片に接続された細幅の第2アーム部とを備え、前記フレーム部と水晶片と第1アーム部と第2アーム部を化学的なエッチングによって一体的に形成したものである。したがって、本発明は第2アーム部を高精度に製造可能であり、板厚が極めて薄い高周波の水晶にも対応可能な、水晶片の破断強度を一定とする水晶片集合体とその製造方法を提供する上で効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る水晶片集合体の外観図。
【図2】本発明に係る水晶片集合体の製造方法の工程図。
【図3】本発明に係る水晶片集合体のエッチングの状態図(第1実施例)。
【図4】本発明に係る水晶片集合体のエッチングの状態図(第1実施例)。
【図5】本発明に係る水晶片集合体のエッチングの状態図(第2実施例)。
【図6】本発明に係る水晶片集合体のエッチングの状態図(第3実施例)。
【図7】本発明に係る水晶片集合体のエッチングの状態図(第4実施例)。
【図8】従来の水晶ウェハの外観図(第1の従来例)。
【図9】従来の水晶ウェハの外観図(第2の従来例)。
【図10】従来の水晶ウェハのエッチングの状態図(第2の従来例)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を図面に示した実施の形態に基づいて説明する。
図1は本発明に係わる水晶片集合体の外観(一部)を示したものである。
本発明の水晶片集合体は、例えばATカットのような水晶のX軸(電気軸)に対して平行で且つZ軸(光軸)に対して傾斜したカット面を有する水晶基板の表面に、前記X軸と直交する方向(Z’方向)に延設されたフレーム部4と、前記フレーム部4に沿ってZ’方向に配列された複数の水晶片5(一つのみ表示)と、前記フレーム部4から前記X軸と平行な方向に延設された第1アーム部6と、前記第1アーム部6の端部から前記X軸と平行な方向に延設され前記水晶片5に接続された第2アーム部7とを備えている。なお、水晶片5には電極(図示せず)が形成されている。
【0019】
本発明の最も特徴的なところは、フレーム部4をZ’方向に延ばし、これに沿って複数の水晶片5を配列した点と、水晶片5を水晶基板に保持するために、フレーム部4と第1アーム部6と第2アーム部7とを前記水晶片5と共に一体的に形成している点にある。
第2アーム部7とフレーム部4との間に第2アーム部7よりも幅広で長い第1アーム部6を設ける理由は、図1のCで示した領域の面積を適度に広くすることによって、この領域をエッチングにて貫通しやすいよう考慮している。
【0020】
ここで、本発明の水晶片集合体の製造方法について説明する。
図2は、本発明に係る水晶片集合体の製造方法の工程を図示したものである。
まず、水晶基板の上にCr(クロム)を下地としてAu(金)の金属膜を蒸着する。(図2(a)(b))
次に、金属膜の上にフォトレジストを塗布し(図2(c))、その上にフォトマスク(図示せず)を被せ、フォトレジストを露光、現像し所定のフォトレジストパターンを形成する。(図2(d))
次に、フォトレジストパターンを保護膜として前記金属膜をエッチングし、水晶片2と第1アーム部6と第2アーム部7とフレーム部4の外形パターン(金属膜パターン)を形成する。(図2(e))次に、前記フォトレジストパターンと金属膜パターンを保護膜とし露出した水晶を化学的にエッチングし、水晶片2と第1アーム部6と第2アーム部7とフレーム部4とを一括形成する。(図2(f))次に、フォトレジストパターンと金属膜パターンとを剥離し(図2(g))、その上からメタルマスクを被せ水晶片5に電極を蒸着する。(図2(h))この状態が図1に示した水晶片集合体である。
次に、第2アーム部7を機械的に破断し水晶片5を個片に分離する。(図2(i))そして、これを所定のパッケージに収納して封止すれば水晶振動子が完成する。
【0021】
ここで、第2アーム部7のエッチングの進行過程について説明する。図3は、エッチングが進行するに従いA−A’の断面が変化する様子を示したものである。(Au膜上のフォトレジストパターンは図示を省略。)
図3において、水晶のZ軸(光軸)の方向に沿ってエッチングが順次進行する。途中水晶の端部にバリが発生するが(図3(c))、更にエッチングを進めるとバリ部分がなくなり、図3(e)の状態でエッチングを完了する。
一方、図1のB−B’のエッチング断面を図4に示す。水晶が備える異方性エッチンググ特性のため、Z軸の方向に比べるとX軸の方向へはほとんどエッチングされない。
従って、第2アーム部7上の金属膜パターン(Au膜、Cr膜)について、Z’方向へのオーバーエッチング量を予め見込んでZ’2の寸法精度を良く形成しておけば、エッチング時間等のエッチング条件が微妙に変わったとしても、第2アーム部7がエッチングによって脱落することがない。
【0022】
なお、本発明者らは、本発明に係る水晶片集合体を2タイプ試作した。いずれの試作品も第2アーム部7がエッチング工程以降の作業中に水晶基板から脱落せずに安定して保持されていることを確認している。また、水晶片5は第2アーム部7から一定の力で容易に破断し、破断部分から水晶屑が発生し難いことを確認した。なお、フォトレジストパターン(金属膜パターン)を形成するためのフォトマスクのパターンの寸法を、X1≒100μm、Z’1≒100μm、X2≒20μm、Z’2=20μm(或いは40μm)としている。このときの水晶片5の厚みは63μmである。
試作結果等を検討すると、フォトマスクのパターンの寸法については、水晶片5の電極部分を除いた厚みtを30〜100μm程度と仮定すると、0.05t≦X2≦1.0t、0.2t≦Z’2≦1.0tの範囲が適切であることが判明した。また、第2アーム部のZ’方向の寸法については、水晶片5を物理的に保持するためには少なくとも5μm以上の幅が必要であり、この方向へのオーバーエッチング量を考慮すると、Z’方向の寸法(Z’2)は0.08t(5μm)〜0.7tの範囲が適切であることが判明した。
【0023】
以上説明した実施例においては、第2アーム部7上の金属膜パターン(Au膜、Cr膜)が図3のように水晶基板を挟んで両面に対称に配置されたものとしたが、本発明にあってはこれに限らず、例えば図5に示すように、両面の金属膜パターンが互いに水晶基板を挟んでZ’方向にずれた配置としてもよい。この場合、第2アーム部7の断面が斜めになるが水晶片5がエッチング工程以降の作業中に脱落することなく、第2アーム部7の破断も所定の力を加えるだけで容易に行うことができる。
また、図6のように、両面の金属膜パターンの幅を異なるようにしてもよい。この場合は、第2アーム部7の上側が一部エッチングによって貫通し他の部分に比べ厚みが肉薄となるが、第2アーム部7が脱落することはない。或いは、図7のような金属膜パターンとしても良い。
【0024】
また、水晶片集合体の製造方法において図2(g)(h)の工程を次のように変更しても良い。すなわち、水晶基板をエッチングした図2(f)の状態から、フォトレジストパターンのみを剥離する。次に、その上から再びフォトレジストを塗布する。次に、電極用のフォトマスク(図2(d)のフォトマスクとは異なる)を被せてこれを露光、現像し電極用のフォトレジストパターンを形成する。そして、電極用のフォトレジストパターンを保護膜として金属膜パターンをエッチングし水晶片5に電極を形成し、電極用のフォトレジストパターンを剥離する。
以上、説明したように本発明は、板厚が薄く高い周波数の水晶片集合体を安定的に製造するのに有効な製造方法を提供するものであり、その応用性は極めて高い。
【符号の説明】
【0025】
1、4・・フレーム部、2、5・・水晶片、3・・溝部、6・・第1アーム部、7・・第2アーム部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水晶のX軸(電気軸)に対して平行で且つZ軸(光軸)に対して傾斜したカット面を有する水晶基板であって、前記水晶基板の表面の前記X軸と直交する方向に延設されたフレーム部と、前記フレーム部に沿って形成された複数の水晶片と、前記フレーム部から前記X軸と平行な方向に延設された第1アーム部と、前記第1アーム部の端部から前記X軸と平行な方向に延設され前記水晶片に接続された第2アーム部とを備え、前記第2アーム部は前記第1アーム部より細幅であることを特徴とする水晶片集合体。
【請求項2】
前記水晶基板の厚みをtとしたとき、前記第2アーム部の前記X軸と平行な方向の長さが0.05t〜1.0tであることを特徴とする請求項1記載の水晶片集合体。
【請求項3】
前記水晶基板の厚みをtとしたとき、前記第2アーム部の前記X軸と直交する方向の長さが0.08t〜0.7tであることを特徴とする請求項1、または請求項2のいずれかに記載の水晶片集合体。
【請求項4】
前記第2アーム部は他の部分に比べて厚みが薄肉となっていることを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3のいずれかに記載の水晶片集合体。
【請求項5】
前記水晶基板がATカットの水晶であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、または請求項4のいずれかに記載の水晶片集合体。
【請求項6】
前記水晶片のそれぞれには電極が形成されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、または請求項5のいずれかに記載の水晶片集合体。
【請求項7】
前記第2アーム部を破断して前記水晶片を個片に分離し、これをパッケージに収容して封止したことを特徴とする、請求項6に記載の水晶片集合体から製造された水晶振動子。
【請求項8】
前記水晶片集合体を製造する方法であって、平行平板の水晶基板の主面に金属膜を形成する工程と、前記金属膜の上にフォトレジストを塗布する工程と、前記フォトレジストの上にフォトマスクを被せ該フォトレジストを露光及び現像し所定のフォトレジストパターンを形成する工程と、前記フォトレジストパターンを保護膜として前記金属膜をエッチングし金属膜パターンを形成する工程と、前記金属膜パターンと前記フォトレジストパターンとを保護膜として前記水晶基板をエッチングし前記フレーム部と前記水晶片と前記第1アーム部と前記第2アーム部とを一体的に形成する工程と、前記フォトレジストパターンと前記金属膜パターンとを剥離する工程とを備えたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、または請求項5のいずれかに記載した水晶片集合体の製造方法。
【請求項9】
前記水晶片集合体を製造する方法であって、平行平板の水晶基板の主面に金属膜を形成する工程と、前記金属膜の上にフォトレジストを塗布する工程と、前記フォトレジストの上にフォトマスクを被せ該フォトレジストを露光及び現像し所定のフォトレジストパターンを形成する工程と、前記フォトレジストパターンを保護膜として前記金属膜をエッチングし金属膜パターンを形成する工程と、前記金属膜パターンと前記フォトレジストパターンとを保護膜として前記水晶基板をエッチングし前記フレーム部と前記水晶片と前記第1アーム部と前記第2アーム部とを一体的に形成する工程と、前記フォトレジストパターンと前記金属膜パターンとを剥離する工程と、前記水晶片に所定の電極パターンを蒸着にて付着する工程とを備えたことを特徴とする請求項6に記載した水晶片集合体の製造方法。
【請求項10】
前記水晶片集合体を製造する方法であって、平行平板の水晶基板の主面に金属膜を形成する工程と、前記金属膜の上にフォトレジストを塗布する工程と、前記フォトレジストの上にフォトマスクを被せ該フォトレジストを露光及び現像し所定のフォトレジストパターンを形成する工程と、前記フォトレジストパターンを保護膜として前記金属膜をエッチングし金属膜パターンを形成する工程と、前記金属膜パターンと前記フォトレジストパターンとを保護膜として前記水晶基板をエッチングし前記フレーム部と前記水晶片と前記第1アーム部と前記第2アーム部とを一体的に形成する工程と、前記フォトレジストパターンを剥離し金属膜パターンを露出する工程と、前記露出された金属膜パターンの上にフォトレジストを塗布する工程と、該フォトレジストを露光及び現像し電極用のフォトレジストパターンを形成する工程と、前記電極用のフォトレジストパターンを保護膜として前記金属膜パターンをエッチングし前記水晶片に所定の電極パターンを形成する工程とを備えたことを特徴とする請求項6に記載した水晶片集合体の製造方法。
【請求項11】
前記フォトマスクは前記水晶片に対応した水晶片形成パターンと、前記第1アーム部に対応した第1アーム部形成パターンと、該第1アーム部形成パターンよりも細幅で前記第2アーム部に対応した第2アーム部形成パターンと、前記フレーム部に対応したフレーム部形成パターンとを備えており、前記水晶基板の厚みをtとしたとき、前記第2アーム部形成パターンの互いに直交する2辺の長さの範囲がそれぞれ0.05t〜1.0t、及び0.2t〜1.0tであることを特徴とする請求項8、請求項9、または請求項10のいずれかの水晶片集合体の製造方法に記載したフォトマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−139508(P2011−139508A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39508(P2011−39508)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【分割の表示】特願2004−380276(P2004−380276)の分割
【原出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】