説明

水枕用締め付け具

【課題】使用者に不快感を与えることなく、水枕に対する取り付け、取り外しを容易に行うことができ、安全性にも優れた水枕用締め付け具を提供する。
【解決手段】一端部同士を回動自在に枢着した上下両締め付け片1,2と、下側の締め付け片2の他端部に回動自在に枢着した係止片3を備え、係止片を上側の締め付け片1の他端部に係止させて、上下の締め付け片の間に狭入された水枕Bの注排水口B1の締め付け状態を保持する水枕用締め付け具であって、上下の締め付け片と係止片を合成樹脂製とし、上側の締め付け片の他端部に左右の軸受片6の間に係合ローラ7を回転可能に軸支すると共に、この係合ローラの外周に圧接して係合する係合部3aを係止片に形成して成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水枕の注排水口を開閉自在に締める締め付け具に関し、詳しくは、使用時の安全性を考慮した合成樹脂製の水枕用締め付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
水枕の注排水口を開閉自在に締める締め付け具として、例えば特許文献1に記載されるような金属製の締め付け具が従来から知られている。
この金属製締め付け具100は、図9、図10に示すように、上下の締め付け片101,102の一端部を回動自在に枢着すると共に、上側の締め付け片101の他端部に掛合円板103を設け、下側の締め付け片102の他端部にその掛合円板103に掛合する掛止片104を回動自在に枢着し、上下の締め付け片101,102で水枕の注排水口を挟んだ後、掛止片104を掛合円板103に掛合するよう回動させて上側の締め付け片101に掛止し、上下の締め付け片101,102の間に狭入された水枕Bの注排水口B1を締め付けるようになっている。
【0003】
このような従来の締め付け具は、水枕使用時に金属製品が枕の頸部位置で露出するので、使用者の頭部が接触すると使用者に不快感を与えることがある。このような不具合を解消するため、例えば特許文献2には、水枕に装着した金属製締め付け具を覆う合成樹脂製の締め付け具カバーが提案されている。
【0004】
【特許文献1】実公昭44−20383号公報
【特許文献2】実開昭56−155819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した手段によれば、金属製締め付け具を水枕に装着した後、さらにその外側から合成樹脂製カバーを装着しなければならないので手間がかかるばかりか、締め付け具とカバーの双方を用意しなければならないのでコスト高になるという問題がある。
また、従来の金属製締め付け具100は、金属製の掛止片104を上側の締め付け片101上に重なるよう回動させ、掛止片下面の湾曲部105が、上側の締め付け片101の上面に回動自在に枢着された金属製の掛合円板103を乗り越えることで、掛止片104が上側の締め付け片101に掛止されるようになっており、その際、金属薄板製の円板103の回転摩擦、該円板103の外縁103aと金属面である前記湾曲部105との摺動摩擦が関与することに加え、図10に示すように、上下の締め付け片101,102による注排水口B1の締付代が大きいので、掛止片104の係脱操作に相当の力が必要であり、水枕に対する締め付け具の取り付け、取り外しが面倒であるばかりか、掛止片104に指を挟んだり掛合円板103により指を切ったりする心配もあった。
【0006】
本発明はこのような従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、使用者に不快感を与えることなく安全に使用でき、且つ水枕に対する取り付け、取り外しを容易に行うことができ、安全性にも優れた新規な水枕用締め付け具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するために本発明の請求項1の合成樹脂製の水枕用締め付け具では、一端部同士を回動自在に枢着した上下の締め付け片と、前記下側の締め付け片の他端部に軸着して回動自在に支持した係止片を備え、該係止片を前記上側の締め付け片の他端部に係止させて、上下の締め付け片の間に狭入された水枕の注排水口の締め付け状態を保持する水枕用締め付け具であって、
前記上下の締め付け片と係止片を合成樹脂製とし、上側の締め付け片の他端部に左右の軸受片を一体に形成し、前記軸受片の間に係合ローラを回転可能に軸支すると共に、この係合ローラの外周に圧接して係合する係合部を上記係止片に形成し、該係止片の回動により係合ローラ外周と前記係合部とが係脱自在に圧接係合して、前記上側の締め付け片の他端部に係止片が係止され、上下の両締め付け片の間に水枕の注排水口を締め付けるように構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2では、前記左右の軸受片と係合ローラとを上方へ向けて突出させ、この係合ローラの上部外周に前記係止片が回動して被嵌し、係止状態となるように構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3では、前記上側の締め付け片の一端部の上面に指掛け用の凹部を形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項4では、前記係止片の先端部を断面略く形に屈曲せしめ、同係止片が係止状態にある際に片の先端部と上側の締め付け片の上面との間に操作用の隙間が生じるように構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項5では、前記下側の締め付け片は断面凹形に形成してその上面側に該締め付け片の長手方向に沿う凹溝を備え、前記上側の締め付け片は前記凹溝に遊嵌する突条を下面側に備えるよう断面凸形とし、前記上下の締め付け片の間に狭入された水枕の注排水口が、前記突条と凹溝の間で断面略U字形に湾曲するように形成したことを特徴とする。
【0012】
請求項6では、前記上下両締め付け片及び係止片における縁部分をアール状に形成したことを特徴とする。尚、上記した上下両締め付け片及び係止片における縁部分とは面と面が合う線状の部分であり、アール状とは、その縁部分の断面形が円弧状となるように成形することである。
【0013】
請求項7では、前記係止片の係合面に沿って前記係合ローラの外周が入り込むガイド溝を凹設し、これを前記係合部まで連絡して成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1によれば、全体が合成樹脂からなる新規な水枕用締め付け具である為、水枕への装着状態において使用者に不快感を与えるようなことはない。
また、前記したように取り付け、取り外しを容易に行い得ることに加え、各構成要素が合成樹脂製であるため使用中に指を切るような心配もなく、安全性にも優れるなど、多くの効果を奏する。
【0015】
請求項2では、軸受片と係合ローラとを上方へ向けて突出させ、この係合ローラの上部外周に係止片が回動して被嵌し、係止状態となるように構成したものであるから、係止片部分の小型化を実現し、係止片の突出を最小限に抑えることができる。
【0016】
請求項3では、前記上側の締め付け片の一端部の上面に指掛け用の凹部を形成したものであるから、締め付け具を持つ際や取り付ける際の作業にてその凹部に指を入れて操作することができるので、持ちやすく、取り扱い性を向上することができる。
【0017】
請求項4では、係止片の先端部を断面略く形に屈曲せしめ、同係止片が係止状態にある際に片の先端部と上側の締め付け片の上面との間に適宜な隙間が生じるように構成したものであるから、係止片を係合ローラに係止する操作を楽に行なうことができると共に、係止状態にある係止片に指を掛けて引き上げる(係止を解除する)操作を容易に行なうことができる。
【0018】
請求項5では、上下の締め付け片間に狭入された水枕の注排水口を、下側締め付け片の凹溝と上側締め付け片の突条間で断面略U字形に湾曲させることにより水密状に締め付けるので、水枕の弾性(反発力)を有効に利用しながらより小さい力で確実に注排水口を締め付けて、前述の効果をより実効あるものとし得る。よって、水枕に対して簡単に取り付け、取り外しができ、且つ水の漏出を確実に防止することができる商品価値の高い合成樹脂製水枕用締め付け具を提供し得る。
【0019】
請求項6では、前記上下両締め付け片及び係止片における縁部分をアール状に形成したものであるから、締め付け具の取り扱う際に持ちやすく、また指等を不意に挟んでしまった場合にも圧迫部分が丸いので大事に至ることはなく、安全である。
【0020】
請求項7では、係止片の係合面に沿って前記係合ローラの外周が入り込むガイド溝を凹設し、これを前記係合部まで連絡して成るものであるから、係止片を回動して係合ローラの外周と接触させた状態において、その当接位置がガイド溝の深さの分、係止片の角度が浅くなるため、係止片を回動させながら行なう締め付けにより、係合ローラがガイド溝内に沿って回動し係合部に至るまで、比較的長めの摺接距離をもって緩やかに行なわれるようになり、結果的に係止片の係止操作を軽く楽に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る水枕用締め付け具の実施の一例を図面に基づいて説明する。
図1〜図7に示す水枕用締め付け具Aは、上下の締め付け片1,2と係止片3を所望の合成樹脂で一体成形したもので、上下の締め付け片1,2は軸4により一端同士を回動自在に枢着しており、係止片3は軸5により下側の締め付け片2の他端部(遊端部)に回動自在に枢着してある。上側締め付け片1は一端部が二枚に分岐し、下側締め付け片2の一端部を挟む形で軸4により軸支してある。また、係止片3は支点部が二枚状に分岐し、軸5により下側締め付け片2の他端部を挟んでカバーするように軸支している(図5)。
【0022】
上下の締め付け片1,2、係止片3、係合ローラ7の材質としては、例えばプラスチック、硬質ゴムなどから選ばれる。強度、破断エネルギーが高い、所謂強靭なエンジニアリングプラスチックが使用可能である。より具体的には、上下の締め付け片1,2、係止片3にはグラスファイバー入りのポリカーボネートを用い、係合ローラ7にはグラスファイバーなしのポリアセタールを用いるとよい。
【0023】
上側の締め付け片1の他端部(遊端部)の上面には、2枚の軸受片6を相対向させた状態で一体に延出し、これらの軸受片6の間に比較的小径な係合ローラ7を軸7aにより軸支することにより回転自在に軸受してある(図1,図5)。上記した両軸受片6は上方へ向けて略半円弧形に突出し、係合ローラ7はその外周が両軸受片6の外周よりも若干上方へ突出する形で軸支されている。また、両軸受片6と係合ローラ7とを上側の締め付け片1の上方へ向けて突出させ、これに係止片3を被嵌するように配置することで係合ローラ7を小径に成して所定スペース内に納め、この部分の係合構造を小型化することが可能となる。
【0024】
一方、係止片3の下面には、上記係合ローラ7と浅く嵌係合する凹円弧形の係合凹溝3aを形成してあり、係止片3は係合方向へ回動させると下面部位が係合ローラ7と摺接し、最終的に上記係合凹溝3a内に弾性係合する。これにより、上側の締め付け片1の他端部上に係止片3が上側の締め付け片1の他端部に被嵌される形で係止され、上下の締め付け片1,2の間に狭入された水枕Bの注排水口B1の締め付け状態を保持するように構成してある(図1の状態)。
上記係止片3の先端側は断面略く形に屈曲形成してあり、使用者が係止片3を指で摘んで回動させる際の操作を容易に成すと共に、係止状態にある係止片3を引き上げて係止を解除する際に、上側の締め付け片1の上面と係止片3の先端との間に生じる操作用の隙間に指を差し入れて係止状態の係止片3を容易に引き上げることができるようになっている。
また、上側締め付け片1上に係止片3が係止されると同時に(係合ローラ7が係合凹溝3a内に落ち込んだ状態)係合ローラ7が上側締め付け片1に当たって「カチ」という音を発生し、注排水口B1の締め付けが完了したことを使用者に認識させるよう形成されている。
【0025】
下側締め付け片2は断面凹形に成形してその上面側に該締め付け片2の長手方向に沿う凹溝8を形成し、上側締め付け片1はその凹溝8に遊嵌する突条9を備えるよう断面凸形に成形し、前記凹溝8と突条9の間で前記注排水口B1が断面略U字形に湾曲するようになっている(図7)。
前記凹溝8の左右両側の立壁部10,10の上端には、下側凸条11が形成され、突条9の左右両側には前記下側凸条11と相対向する受け縁13が形成されている。
これにより、前記凹溝8と突条9の間で前記注排水口B1が断面略U字形に湾曲すると共に、該湾曲部分の外側が、前記下側凸条11と受け縁13の間で逆方向に湾曲し、且つ下側凸条11と受け縁13により小さい締付代をもって水密状に締め付けることで、上下の締め付け片1,2の間に狭入された水枕Bの注排水口B1の締め付けが、水枕Bの弾性(反発力)を有効に利用して小さい力で確実になされるようになっている。
【0026】
上下両締め付け片1,2は、その断面形を略凸形と凹形とし、さらに肉厚の分布を工夫することにより、注排水口B1を締め付けた際の締付荷重に対する強度,耐久性を向上させ、合成樹脂製でありながら従来の金属製締め付け具と同等若しくはそれ以上の強度,耐久性を具備し得る。尚、本実施例の場合、上下両締め付け片1,2は略180゜の角度にて回動することができ、操作が分かりやすくとても扱いやすい。
【0027】
上側締め付け片1の上面は平面的に形成してあり、指載せ部として適し、力も入れやすい。また注排水口B1の締め付け作業も安全に行なうことができる。尚、上側締め付け片1の上面の指載せ位置には浅い凹部を形成してもよく、さらに、識別性を向上するために印刷や着色などによる表示部、微細な凸片を多数形成した梨地加工を施してもよい。
上側締め付け片1の一端部の上面には凹部31を凹設し、指載せ部として利用できるように構成してある。この部分は上下両締め付け片1の支点となるので水枕用締め付け具Aを取り扱う上でよく持つ部位であり、この部分に凹部31を設けることにより、締め付け具の端部が摘みやすくなり、取り扱い性も向上する。
【0028】
以上の構成になる本例の水枕用締め付け具Aを使用する際は、上下の締め付け片1,2を開いてその間に水枕Bの注排水口B1を狭入する。両締め付け片1,2の間に注排水口B1を狭入した後、係止片3を上側締め付け片1方向へ回動操作して係合ローラ7の外周に係止片3の下面を弾性係合させ、最終的に同係合ローラ7を係合凹溝3a内に係合して、上側締め付け片1の上に係止片3を係止する。
この時、係合ローラ7は係止片3の下面に転がりながら摺接し、弾性係合するため、係止片3を小さな力で回動操作して上側締め付け片1に係止させることができる。また、係止片3の先端側が上側締め付け片1に当たって「カチ」という音が発生し、使用者は挟み込みが完了したことを認識できる。
【0029】
上側締め付け片1上に係止片3が係止された状態において、上下の締め付け片1,2で前記注排水口B1が挟まれ、該注排水口B1は上側締め付け片1の突条9と下側締め付け片2の凹溝8の間で断面略U字形に湾曲すると共に、該湾曲部分の外側が、下側凸条11と受け縁13の間で逆方向に湾曲し且つ水密状に締め付けられて、水漏れが確実に防止される。
また、水枕Bの注排水口B1に締め付け具Aが露出するが、該締め付け具Aは合成樹脂製のため、使用者の頸部や頭部にあたっても冷涼感や痛感を与えることがなく、また、薄板金属材等を一切使用していないので、手指などを切るような心配もない。
さらに、上下両締め付け片1,2の角部及び縁部には適度なアールをつけてあるので、持ちやすく、締め付け作業の際に力を入れても手が痛くなるようなこともない。特に下側の締め付け片2の底面側は大きなアールをつけてあるので非常に持ちやすく、締め付け作業等も無理なく行なうことができる。
【0030】
図8にて示す締め付け具A2は、係止片3の下面の中央部に沿って比較的浅いガイド凹溝20を凹設してある。このガイド溝20は、締め付け具A2を水枕Bの注排水口B1に取り付けて係止片3を締め付けて係止する際に、水枕Bの弾力性により反発力を受けて係止片3を係止する際にかなり力が必要になることから、その負担の軽減を図ったものである。上記したようにガイド溝20を形成することにより、係止片3を回動して係合ローラ7と接触させた状態において、その当接位置がガイド溝20の深さ分マイナス側に振れて係止片3の角度が浅くなる。その後、係止片3の締め付けに伴って係合ローラ7はガイド溝20内に沿って摺動しながら最終的に係合凹溝3a内に係止されるが、ガイド溝20の存在により係止片3の締め付けは長めの摺接距離をもって緩やかに行なわれ、結果的に係止片3を操作して、係合ローラ7を係合凹溝3aに係合させるまでの工程を軽く行なうことができる。また、ガイド溝20は係合ローラ7を円滑に摺動させるためのガイドとして機能するので作動の確実性を高める上でも好ましい。
【0031】
また、上記した締め付け具A2は、係合ローラ7を軸受する軸受片6の基端部の上面部位に補強用のリブ6aを一体に形成してある。このリブ6aは軸受片6の補強が目的であるが、係合ローラ7と係止片3との摺接作動に干渉しないように肉厚がゼロから徐々に厚くなり、また徐々にゼロになるような分布にて形成してある。このように軸受片6をリブ6aにて補強することにより、係合片6部分を不必要に厚くすることなく、同部分の強度を十分に確保することが可能となる。尚、リブ6aの断面形は略半円弧形であるが、断面形は任意に変更してもよい。
【0032】
以上、図面を参照して本発明の実施形態例を説明したが、本発明に係る水枕用締め付け具は図示例に限定されず、特許請求の範囲の各請求項に記載された技術的思想の範疇において種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る水枕用締め付け具を示す重断面図。
【図2】図1におけるII-II線に沿う矢視図。
【図3】図1におけるIII-III線断面図。
【図4】(a)は上側締め付け片を示す底面図,(b)は下側締め付け片を示す平面図。
【図5】本発明の水枕用締め付け具を示す分解斜視図。
【図6】水枕の注排水口に装着した状態の締め付け具を示す平面図。
【図7】図6におけるVI-VI 線断面図。
【図8】第2実施例の水枕用締め付け具の係止片部を示す重断面図であり、(a)は係止片の締め付け初期を示し、(b)は係止状態を示す。
【図9】従来の金属製締め付け具を示す正面図。
【図10】従来の金属製締め付け具への取付け状態を示す拡大断面図。
【符号の説明】
【0034】
A,A2:水枕用締め付け具
1:上側締め付け片
2:下側締め付け片
3:係止片
3a:係合凹溝(係合部)
6:軸受片
7:係合ローラ
8:凹溝
9:突条
10:立壁部
11:下側凸条
13:受け縁
20:ガイド溝
B:水枕
B1:注排水口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部同士を回動自在に枢着した上下の締め付け片と、前記下側の締め付け片の他端部に軸着して回動自在に支持した係止片を備え、該係止片を前記上側の締め付け片の他端部に係止させて、上下の締め付け片の間に狭入された水枕の注排水口の締め付け状態を保持する水枕用締め付け具であって、
前記上下の締め付け片と係止片を合成樹脂製とし、上側の締め付け片の他端部に左右の軸受片を一体に形成し、前記軸受片の間に係合ローラを回転可能に軸支すると共に、この係合ローラの外周に圧接して係合する係合部を上記係止片に形成し、該係止片の回動により係合ローラ外周と前記係合部とが係脱自在に圧接係合して、前記上側の締め付け片の他端部に係止片が係止され、上下の両締め付け片の間に水枕の注排水口を締め付けるように構成したことを特徴とする合成樹脂製の水枕用締め付け具。
【請求項2】
前記左右の軸受片と係合ローラとを上方へ向けて突出させ、この係合ローラの上部外周に前記係止片が回動して被嵌し、係止状態となるように構成した請求項1記載の水枕用締め付け具。
【請求項3】
前記上側の締め付け片の一端部の上面に指掛け用の凹部を形成した請求項1又は2記載の水枕用締め付け具。
【請求項4】
前記係止片の先端部を断面略く形に屈曲せしめ、同係止片が係止状態にある際に片の先端部と上側の締め付け片の上面との間に操作用の隙間が生じるように構成した請求項1乃至3の何れか一項記載の水枕用締め付け具。
【請求項5】
前記下側の締め付け片は断面凹形に形成してその上面側に該締め付け片の長手方向に沿う凹溝を備え、前記上側の締め付け片は前記凹溝に遊嵌する突条を下面側に備えるよう断面凸形とし、前記上下の締め付け片の間に狭入された水枕の注排水口が、前記突条と凹溝の間で断面略U字形に湾曲するように形成したことを特徴とする請求項1乃至4記載の何れか一項記載の合成樹脂製の水枕用締め付け具。
【請求項6】
前記上下両締め付け片及び係止片における縁部分をアール状に形成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の水枕用締め付け具。
【請求項7】
前記係止片の係合面に沿って前記係合ローラの外周が入り込むガイド溝を凹設し、これを前記係合部まで連絡して成る請求項1乃至6記載の水枕用締め付け具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−395(P2008−395A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173371(P2006−173371)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(000000550)オカモト株式会社 (118)
【出願人】(000114606)モリト株式会社 (198)
【Fターム(参考)】