説明

水洗式便器

【課題】便座及びカバーを円滑に昇降させ、かつ上昇位置において安定させることができる水洗式便器を提供する。
【解決手段】水洗式便器は、便鉢部11を有する便器本体10と、便鉢部11へ洗浄水を供給する便器洗浄装置20と、便器洗浄装置20を載置し、便鉢部11より後方の便器本体10の上面に取り付けられた第1ベースプレート30と、便器本体10の後部の上方に配置され、便器洗浄装置20を覆うカバー40と、カバー40の前面下部に軸支された便座41と、カバー40内に収納され、便座41及びカバー40を昇降可能に保持する昇降装置50とを備えている。昇降装置50は、昇降装置本体51と、昇降装置本体51から上方に突出し、上下方向に往復運動可能な昇降部材52とを有している。昇降部材52の上端面52Uをカバー40の上端部43の内面に当接させ、昇降部材52の上方向への移動により便座41及びカバー40を上昇させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水洗式便器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の水洗式便器が開示されている。この水洗式便器は、便鉢部を有する便器本体と、洗浄水が貯留される洗浄タンクを有する便器洗浄装置とを備えている。便器洗浄装置は、便鉢部より後方の便器本体の上面に取り付けられた第1ベースプレートの上面に載置されている。便器洗浄装置はカバーに覆われている。カバーは前面の下部に便座及び便蓋を軸支している。第1ベースプレートの前部の上面には直接的に昇降装置が取り付けられている。昇降装置は、カバーの前半部の下端開口に取り付けられた第2ベースプレートに連結され、第2ベースプレートを昇降可能に保持している。このため、第2ベースプレート、カバーの前半部、便座及び便蓋は、昇降装置により第1ベースプレートに対して昇降可能である。
【0003】
この水洗式便器では、便座、便蓋、カバーの前半部及び第2ベースプレートを上昇させることにより、便鉢部より後方の便器本体の上面を清掃することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−33051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の水洗式便器では、カバーの前半部の下端開口に取り付けられた第2ベースプレートが昇降装置に昇降可能に保持されているため、昇降時及び上昇位置においてカバーの上端部がふらついてしまう。特に、便器洗浄装置が洗浄タンクを有する場合、カバーが上下方向に長くなるため、その下端開口に取り付けられた第2ベースプレートを保持するのみでは、昇降時及び上昇位置においてカバーがふらついてしまう。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、便座及びカバーを円滑に昇降させ、かつ上昇位置において安定させることができる水洗式便器を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の水洗式便器は、便鉢部を有する便器本体と、便鉢部へ洗浄水を供給する便器洗浄装置と、便器洗浄装置を載置し、便鉢部より後方の便器本体の上面に取り付けられた第1ベースプレートと、便器本体の後部の上方に配置され、便器洗浄装置を覆うカバーと、カバーの前面下部に軸支された便座と、カバー内に収納され、便座及びカバーを第1ベースプレートに対して昇降可能に保持する昇降装置とを備えた水洗式便器であって、
前記昇降装置は、昇降装置本体と、昇降装置本体から上方に突出し、上下方向に往復運動可能な昇降部材とを有し、
昇降部材の上端面を前記カバーの上端部の内面に当接させ、昇降部材の上方向への移動により便座及びカバーを上昇させることを特徴とする。
【0008】
この水洗式便器では、カバーの上端部の内面に昇降装置の昇降部材の上端面が当接し、カバーが上昇され、上昇位置に保持される。このため、便座及びカバーの昇降時及び上昇位置において、カバーのふらつきを防止することができる。
【0009】
したがって、本発明の水洗式便器は便座及びカバーを円滑に昇降させ、かつ上昇位置において安定させることができる。
【0010】
前記昇降部材の上端面は前記カバーの上端部の内面に連結され得る。この場合、カバーを持ち上げることにより、昇降装置の昇降部材を上方に移動させることができ、便座及びカバーを上昇位置に保持させることができる。
【0011】
前記カバーの下端開口の前部に取り付けられ、前記昇降装置により便座及びカバーと共に昇降し、下降時には前記第1ベースプレートより前側に配置される第2ベースプレートを備え、第1ベースプレートには第2ベースプレートの昇降を案内する案内部材が取り付けられ得る。この場合、便座及びカバーの昇降を安定して行なうことができる。
【0012】
前記昇降部材は側面の所定の箇所に設けられた凹部を有し、前記昇降装置本体は、昇降部材の側面に向けて進退し、凹部に係止可能な係止部材を有し得る。この場合、係止部材が凹部に係止することにより、便座及びカバーを所定の位置に保持することができる。特に、便座及びカバーの上昇位置及び下降位置において、係止部材が係止するように凹部を設ければ、便座及びカバーを夫々の位置に保持させることができる。
【0013】
前記昇降装置は前記第1ベースプレートよりも所定間隔を空けて上方に配置され得る。この場合、昇降装置が便器本体の上面から離れた上方に取り付けられているため、便器本体の上面に取り付けられた他の部品に干渉することなく容易に取り付けることができる。また、昇降装置は尿や便器本体の洗浄時に洗浄液がかかり難い位置に配置されているため、腐食し難く、便座及びカバーを円滑に昇降させることができる。
【0014】
前記第1ベースプレートに立設され、上面に前記昇降装置本体が取り付けられた支持台を備え得る。この場合、昇降装置を便器本体の上面から離れた上方に容易かつ安定して取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例の水洗式便器の内部を示す斜視図である。
【図2】実施例の要部を示す分解図である。
【図3】実施例の昇降部材の下降位置を示す正面図である。
【図4】実施例の昇降部材の上昇位置を示す正面図である。
【図5】実施例の要部を示す断面図である。
【図6】実施例の第2ベースプレートを示す分解図である。
【図7】実施例の水洗式便器においてカバー等の上昇位置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0017】
実施例の水洗式便器は、図1に示すように、便器本体10、便器洗浄装置20、第1ベースプレート30、カバー40、便座41、便蓋42、昇降装置50、支持台60及び第2ベースプレート70を備えている。
【0018】
便器本体10は便鉢部11を有している。便器洗浄装置20は、図示しない水道管に接続され、洗浄水を貯留する洗浄タンク21を有している。洗浄タンク21の底面には、図示しない流出口が貫設されており、流出口には図示しないフロート弁が設けられている。洗浄タンク21に貯留された洗浄水は、フロート弁を開弁することにより、便鉢部11へ供給される。
【0019】
洗浄タンク21は、第1ベースプレート30に載置されている。第1ベースプレート30は、下面から下方に延びる図示しないボルトが便器本体10に貫設された図示しない取付孔に挿通され、取付孔を挿通したボルトの下端からナットを締付けることにより便鉢部11より後方の便器本体10の上面に取り付けられている。
【0020】
第1ベースプレート30は、図1及び図2に示すように、周囲に隔壁31が立設されている。第1ベースプレート30の中央部には、洗浄タンク21が載置される中央載置部32が設けられている。中央載置部32には、洗浄タンクの流出口が連結される開口部32Aが貫設されている。第1ベースプレート30の前部には支持台60が載置される前載置部33が設けられている。
【0021】
支持台60は、左右に離れて立設する一対の脚部61を有している。また、支持台60は、両脚部61の各上端部を連結する上連結部62と、各下端部を連結する下連結部63とを有している。上連結部62には左右方向に延びる台部62L、62Rが連続して形成されている。下連結部63は第1ベースプレート30の前載置部33に上方からビスBにより螺子止めされ、固定されている。このようにして、支持台60は第1ベースプレート30に立設されている。
【0022】
支持台60の両脚部61の内側面には、凸条のガイド部64が上下方向に延びて形成されている。ガイド部64は、下連結部63の上面から上連結部62の下面よりも所定間隔を空けた位置まで延びている。ガイド部64の上端部より上側の両脚部61には、ガイド部64が凸設されていないため、第2ベースプレート70に設けられた被ガイド部71を両脚部61間に挿入し、被ガイド部71の両側面に設けられ、上下方向に延びる案内溝72にガイド部64を挿入することができる。支持台60のガイド部71が案内溝72に挿入された状態で被ガイド部71が設けられた第2ベースプレート70を昇降させることができるため、支持台60は第2ベースプレート70の昇降を案内する案内部材を兼ねている。
【0023】
支持台60の上連結部62の上面には、後端縁に沿って左右に離れて配置された一対の係止爪65が設けられている。また、上連結部62の上面には、前端縁側に左右に離れて配置された一対の螺子固定部66が設けられている。
【0024】
支持台60の上連結部62の上面には昇降装置50が配置されている。昇降装置50は、図3及び図4に示すように、昇降装置本体51と、昇降装置本体51から上方に突出し、上下方向に往復運動可能な昇降部材52とを有している。昇降装置本体51には、モーターM及びギアが組み込まれている。昇降装置本体51のモーターMを駆動させることにより、昇降部材52を上下方向に往復運動させることができる。
【0025】
昇降装置本体51の左右上端部には、昇降部材52の左右側面に向けて進退する係止部材54Aを収納する収納部54が形成されている。収納部54内には、係止部材54Aの後方に配置され、係止部材54Aを昇降部材52の左右側面に向けて付勢するバネ部材54Bも収納されている。係止部材54Aの内側面は、上端角部から連続して垂下する第1垂直面S1と、垂直面S1の下端部に連続し、垂直面S1との間で鈍角を形成して内側に屈曲し、下方へ傾斜する第1傾斜面S2と、第1傾斜面S2の下端部に連続し、垂下する第2垂直面S3と、第2垂直面S3の下端部に連続し、第2垂直面S3の下方への延長線に対して鋭角を形成して外側に屈曲し、下方へ傾斜する第2傾斜面S4とから形成されている。
【0026】
昇降部材52は、図3に示すように、左右側面に設けられ、下降位置において係止部材54Aの第2傾斜面S4に当接して係止する下端角部Kを有する上側凹部52Aを有している。このため、上側凹部52Aの下端角部Kに係止部材54Aの第2傾斜面S4が係止することにより、昇降部材52を下降位置に保持することができる。つまり、便座41、便蓋42及びカバー40を下降位置に保持することができる。
【0027】
また、昇降部材52が下降位置から上昇する際には、第2傾斜面S4が上方に向けて緩やかに内側に傾斜しているため、係止部材54Aは収納部54内へ徐々に移動する。このため、昇降部材52を上昇させ、係止部材54Aの上側凹部52Aへの係止を解除するには大きな力を要しない。
【0028】
また、昇降部材52は、図4に示すように、左右側面に設けられ、上昇位置において係止部材54の第1傾斜面S2が当接して係止する上部傾斜面Uを有する下側凹部52Bを有している。このため、下側凹部52Bの上部傾斜面Uに係止部材54の第1傾斜面S2が係止することにより、昇降部材52を上昇位置に保持することができる。つまり、便座41、便蓋42及びカバー40を上昇位置に保持することができる。
【0029】
また、第1傾斜面S2が下方へ向けて急激に内側に傾斜しているため、昇降部材52を下降させる力が瞬間的に加えられた場合、係止部材54の第1傾斜面S2がその力を受けて急激に昇降部材52が下降してしまうことを防止することができる。また、昇降部材52の左右両側面に設けられた下側凹部52Bに対向するように両側から係止部材54を係止させるため、昇降部材52を安定して保持することができる。
【0030】
昇降装置本体51の左右側面の下端部には、図2〜図4に示すように、支持台60の上連結部62の上面に設けられた係止爪65に係止する係止凸部53が形成されている。昇降装置本体51を支持台60の前方から移動させ、係止凸部53を係止爪65に係止させ、ビスBを昇降装置本体51の前面の左右下端部に貫設された貫通孔に挿通させ、螺子固定部66にねじ込む。このようにして、昇降装置本体51は、支持台60の上連結部62の上面に取り付けられている。このように、昇降装置50は便器本体10の上面から離れた上方に取り付けられている。このため、他の部品に干渉することなく、昇降装置50を便器本体10の上面から離れた上方に容易且つ安定して取り付けることができる。また、尿や便器本体10の洗浄時に洗浄液がかかり難い位置に昇降装置50を配置することができる。
【0031】
支持台60の上連結部62の左右方向に延びる台部62L、62Rの上面には、図1に示すように、制御基板C1、C2が夫々載置されて固定されている。このように、空いたスペースを利用して制御基板C1、C2を配置することができる。制御基板C1、C2は昇降装置50のモーターMの駆動や便器洗浄装置20のフロート弁の開閉駆動や後述する局部洗浄装置の駆動を制御するものである。
【0032】
昇降部材52の上端面52Uは、図2〜図5に示すように、カバー40の上端部43の内面に当接されている。つまり、カバー40の上端部43に形成された凹部43Cの底部の内面に当接されている。凹部43Cの底部には、貫通孔が貫設されており、上方から挿入されたビスBが昇降部材52の上端面52Uにねじ込まれている。これにより、昇降部材52の上端面52Uはカバー40の上端部の内面に連結されている。このため、昇降部材52の上下方向の往復運動に伴って、カバー40も上下方向に往復運動させることができる。この際、昇降部材52はカバー40の上端部43を支持することになる。このため、カバー40の昇降時及び上昇位置において、カバー40及びカバー40の前面下部に軸支された便座41及び便蓋42のふらつきを防止することができる。
【0033】
したがって、実施例の水洗式便器は便座41、便蓋42及びカバー40を円滑に昇降させ、かつ上昇位置において安定させることができる。
【0034】
また、昇降部材52の上端面52Uがカバー40の上端部の内面に連結されているため、カバー40を持ち上げることにより、昇降部材52を上方に移動させることができ、便座41、便蓋42及びカバー40を上昇位置に保持させることができる。
【0035】
カバー40は、図1及び図5に示すように、筒状に形成されている。カバー40内には、便器洗浄装置20、昇降装置50、支持台60、制御基板C1、C2及び後述する局部洗浄装置等が収納されている。カバー40の上端部43の上面には、吐水口44Aが設けられた手洗鉢44が載置されている。
【0036】
カバー40の下端開口の前部には第2ベースプレート70が取り付けられている。このため、第2ベースプレート70は、昇降部材52の上下方向の往復運動に伴って、カバー40と共に上下方向の往復運動をする。第2ベースプレート70には、左右中央部に局部洗浄装置の2本のノズルNが前後方向に延びて組み付けられている。第2ベースプレート70の上面には、ノズルN以外の図示しない局部洗浄装置の他の部品も組み付けられている。
【0037】
第2ベースプレート70の左右中央後部には、図6に示すように、第2ベースプレート70の後端面70Bより後方の上部に後端壁73が立設されている。このように後端壁73を第2ベースプレート70の後端面70Bより後方の上部に立設させることができるのは、昇降装置50が支持台60の上連結部62の上面に取り付け、両脚部61の間に被ガイド部71を挿入することができるからである。これにより、局部洗浄装置のノズルNを後端壁73の前面に近づけて配置し、第2ベースプレート70の前後方向の寸法を小さくすることができる。よって、便器本体10の上面に第2ベースプレート70を載置した際、第2ベースプレート70の前端部と便鉢部11の後部とのオーバーラップを小さくすることができる。
【0038】
第2ベースプレート70の後端壁73の後面には、左右に分かれて上下方向に延びるT字状の突起部74が形成されている。後端壁73の左右中央の上端部には、後方に延び、貫通孔が形成された固定片76が形成されている。
【0039】
後端壁73の後面に固定される被ガイド部71は、後端壁73に形成された突起部74が挿入されるT字状の挿入溝75が形成されている。被ガイド部71の上面には後端壁73に形成された固定片76に対応した形状の凹部77が形成されている。凹部77には螺子孔が設けられている。
【0040】
被ガイド部71を第2ベースプレート70の後端壁73の後面に沿って下方から上昇させ、後端壁73の突起部74を挿入溝75に挿入する。そして、固定片76を凹部77に嵌め合わせ、ビスBを固定片76の貫通孔に上方から挿通し、被ガイド部71の上面に設けられた螺子孔にねじ込む。このようにして、固定壁73の後面には被ガイド部71が固定されている。
【0041】
このように構成された第2ベースプレート70は、カバー40の下端開口の前部に取り付けられる前に、図2及び図5に示すように、被ガイド部71を支持台60の両脚部61間の上部に挿入し、被ガイド部71の案内溝72にガイド部64を挿入する。そして、第2ベースプレート70を便器本体10の上面に下降させる。この状態で、カバー40を上方から降下させ、カバー40の下端開口の前部に第2ベースプレート70を取り付ける。
【0042】
このように構成された水洗式便器では、図7に示すように、昇降装置50が駆動し、昇降部材52が上昇することにより、カバー40、手洗鉢44、便座41、便蓋42及び局部洗浄装置を組み付けた第2ベースプレート70が上昇位置まで上昇する。また、昇降装置50が駆動し、昇降部材52が下降することにより、カバー40等は、第2ベースプレート70が便器本体10の上面に載置される下降位置まで下降する。このように昇降する際、第2ベースプレート70は支持台50のガイド部64に案内されて昇降するため、第2ベースプレート70はスムーズに昇降する。このため、カバー40、手洗鉢44、便座41、便蓋42も安定して昇降することができる。
【0043】
本発明は、上記記載及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えばつぎのような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例では、モーターを駆動することにより昇降部材を上下方向に往復運動させる昇降装置を採用したが、バネ部材が組み込まれ、その付勢力により昇降部材を上昇させる昇降装置を採用してもよい。
(2)実施例では、ガイド部が凸状に形成され、被ガイド部にガイド部が挿入される案内溝を形成しているが、ガイド部を凹状に形成し、被ガイド部にガイド部の挿入される突起部を設けてもよい。
(3)実施例では、便器洗浄装置が洗浄タンクを有していたが、洗浄タンクを有さず、水道管等の洗浄水の供給源と便鉢とを直接的に接続し、その供給路を開閉する開閉弁を有する便器洗浄装置であってもよい。
(4)実施例では、便座及び便蓋を備えていたが、便蓋を備えず、便座のみを備えるものであってもよい。
(5)実施例では、支持台は左右に離れて立設する一対の脚部を有していたが、中央部に上下方向に延びる一つの脚部を有し、上端部が左右に延びるT字状の支持台であってもよい。
(6)実施例では、支持台の上端部に左右方向に延びる台部を有していたが、台部を有さなくてもよい。
(7)実施例では、昇降装置本体の支持台が案内部材を兼ねていたが、支持台とは別に案内部材を設けてもよい。
(8)実施例では、昇降部材の左右両側面に凹部を設けたが、どちらか一方又は前面若しくは後面に設けても良い。この場合、昇降装置本体には、凹部に対応する位置に係止部材が設けられる。
【符号の説明】
【0044】
10…便器本体
11…便鉢部
20…便器洗浄装置
30…第1ベースプレート
40…カバー
41…便座
43…(カバーの)上端部
50…昇降装置
51…昇降装置本体
52…昇降部材
52U…(昇降部材の)上端面
52A、52B…凹部(52A…上側凹部、52B…下側凹部)
54A…係止部材
60…支持台(案内部材)
70…第2ベースプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便鉢部を有する便器本体と、便鉢部へ洗浄水を供給する便器洗浄装置と、便器洗浄装置を載置し、便鉢部より後方の便器本体の上面に取り付けられた第1ベースプレートと、便器本体の後部の上方に配置され、便器洗浄装置を覆うカバーと、カバーの前面下部に軸支された便座と、カバー内に収納され、便座及びカバーを第1ベースプレートに対して昇降可能に保持する昇降装置とを備えた水洗式便器であって、
前記昇降装置は、昇降装置本体と、昇降装置本体から上方に突出し、上下方向に往復運動可能な昇降部材とを有し、
昇降部材の上端面を前記カバーの上端部の内面に当接させ、昇降部材の上方向への移動により便座及びカバーを上昇させることを特徴とする水洗式便器。
【請求項2】
前記昇降部材の上端面は前記カバーの上端部の内面に連結されていることを特徴とする請求項1記載の水洗式便器。
【請求項3】
前記カバーの下端開口の前部に取り付けられ、前記昇降装置により便座及びカバーと共に昇降し、下降時には前記第1ベースプレートより前側に配置される第2ベースプレートを備え、第1ベースプレートには第2ベースプレートの昇降を案内する案内部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の水洗式便器。
【請求項4】
前記昇降部材は側面の所定の箇所に設けられた凹部を有し、前記昇降装置本体は、昇降部材の側面に向けて進退し、凹部に係止可能な係止部材を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の水洗式便器。
【請求項5】
前記昇降装置は前記第1ベースプレートよりも所定間隔を空けて上方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の水洗式便器。
【請求項6】
前記第1ベースプレートに立設され、上面に前記昇降装置本体が取り付けられた支持台を備えていることを特徴とする請求項5記載の水洗式便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−281130(P2010−281130A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136103(P2009−136103)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】