説明

水草回収法及びその装置

【課題】 本発明は陸上を走行可能な油圧ショベル本体及び4輪トラック等を利用して専用船を利用することなく簡便に水草を刈取除去し、除去された水草をトラックで陸送することを目的とする。
【解決手段】 油圧ショベルのショベルに代えて水草刈取収容機筐1の上面を回転テーブル12を介して該ショベルのアーム10の先端及びバケット動作用油圧シリンダ11の先端に枢支し、上記機筐1に水草カッタ23を介して水草・空気吸引口3を突設し、上記吸引口3に水草・空気輸送ホース4を接続し、上記ホース4を水草・空気遠心分離機5を介して空気吸引ポンプ6に接続し、上記遠心分離機5によって水草7を輸送空気から分離することを特徴とする水草回収装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は河川、湖又はクリーク等に生える水草の除草回収法とその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水草を刈取って、これを回収するため専用船が用いられ、船上で刈取った水草を裁断し、これを陸上げして回収した(例えば特許文献1、2、3)。
【0003】
しかし、専用船を配船する必要があり、小河川、小湖、池、クリーク等に配船するための専用船の陸送を必要とした。
【0004】
【特許文献1】特開平8−196129号
【特許文献2】特開平11−127660号
【特許文献3】特開2001−38236号
【特許文献4】特開2002−84855号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は陸上を走行可能な油圧ショベル本体及び4輪トラック等を利用して専用船を利用することなく簡便に水草を刈取除去し、除去された水草をトラックで陸送することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため本発明は
第1に水草刈取収容機筐を水面に支持し、上記機筐に水草・空気吸引口を設け、上記吸引口から水草・空気輸送ホース及び陸上の水草・空気遠心分離機を介して吸引ポンプによって空気を吸引し、上記機筐内に刈取った水草を空気輸送により陸上に搬送し、上記遠心分離機によって水草を回収することを特徴とする水草回収法、
第2に油圧ショベルのショベルに代えて水草刈取収容機筐の上面を回転テーブルを介して該ショベルのアームの先端及びバケット動作用油圧シリンダの先端に枢支し、上記機筐に水草カッタを介して水草・空気吸引口を突設し、上記吸引口に水草・空気輸送ホースを接続し、上記ホースを水草・空気遠心分離機を介して空気吸引ポンプに接続し、上記遠心分離機によって水草を輸送空気から分離することを特徴とする水草回収装置、
第3に上記機筐の正面を開口し、水草・空気吸引口を上記開口正面と直交する側板に設けた上記第2発明記載の水草回収装置、
第4に上記開口面の底部及び両側部にそれぞれ往復摺動刈取刃を設け、上記機筐の内部に刈取水草透導コンベアを設け、該コンベアの上端背部に設けた水草第1カッタを設け、該カッタの直下に設けたコンベアの終端に上記第1カッタと直角方向に水草第2カッタを上記吸引口の基部に設けた上記第2又は第3発明記載の水草回収装置、
第5に上記水草・空気遠心分離機が機台に設けた上端閉鎖直立外筒内に円形間隙を介して内筒を設け、該間隙の接続方向に上記ホースの終端を接続し、上記内筒の上部外筒にドレン装置を介して空気吸引ホースを接続し、該ホースを空気吸引ポンプに接続してなり、上記外筒の下端部に間隔を介して交互開閉上下シャッタを設けてなる上記第2〜第4発明のいずれかに記載の水草回収装置、
によって構成される。
【0007】
従って油圧ショベルのクローラを陸上に走行させアームの先端及び油圧シリンダの先端に上面を枢支した水草刈取収容機筐の開口面を水面に浮ぶ水草に向って押圧し、
開口面の底部及び両側部にある往復摺動刈取刃によって水に浮いている水草を刈取って、これを水面水準において上記機筐内に収容する。
【0008】
収容された刈取水草は水草カッタで一部切断され、水草・空気吸引口から水草・空気輸送ホースを経て堤防上に駐車しているトラック上の水草・空気遠心分離機内に空気吸引ポンプによって空気輸送され、
上記遠心分離機の直立内外筒の円形間隙の接線方向に吸引供給され、水草は円形間隙にそって旋回下降し、空気は外筒の上部にラジアル方向に開口した吸引ホース内に吸引され外気に放出される。
【0009】
上記接線方向から円形間隙に沿って旋回下降する水草は上記外筒の下端部にある交互開閉上下シャッタの開放上シャッタを経て閉鎖下シャッタ上に堆積した後上シャッタを閉鎖し、下シャッタを開放することによって上下シャッタ間に溜まった水草は機外に落下し搬出することができる。
【0010】
上下シャッタは交互に開閉するため上記円形間隙内の負圧は一定に保持され、空気吸引ポンプによる上記負圧に影響は殆ど無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
河川敷8に油圧ショベルのクローラ9を走行させ、アーム10の先端及びバケット動作用油圧シリンダ11の先端にショベルに代えて水草刈取収容機筐の上面を回転テーブル12を介して枢軸13,13’によって枢支する(図2(イ)図、図4)。
【0012】
水草刈取収容機筐1は正面を開口し、開口正面と直交する側板1’に水草・空気吸引口3を側方に突設する(図4)。
【0013】
上記開口正面の底部及び両側部にそれぞれ往復摺動刈取刃14,15,15を設ける。
【0014】
底部の上記刈取刃14は往復摺動杆14’に支持され、往復摺動杆14’の左右往復摺動に伴って刈取刃14も往復摺動し、水草7の下部や根等をカットし、両側部の往復摺動刈取刃15,15は往復昇降杆15’,15’によって往復昇降し、それによって水草7の刈取幅が定められる。
【0015】
上記アーム10を水面2に沿って移動させることによって上記機筐1内に刈取った水草7を収容することができる。
【0016】
又上記アーム10の先端を昇降させることによって上記機筐1の底部を水面2下に適宣下降させることによって浮いている水草7の下端部水準に下降し、水草7を機筐1内に収容することができる。
【0017】
上記機筐1の上面の回転テーブル12は図5に示す縦形正逆電動機16の駆動スプロケット16’と回転テーブル12の減速スプロケット12’とに無端チェン16’を掛回し、該電動機16によって上記機筐1を水平方向の所定位置に回動させることができる(図4、図5)。
【0018】
上記機筐1の内部には開口正面の下部から上面に向って上向に傾斜する2個の平行無端チェンコンベア17,17が設けられ、両無端チェン17,17を接続する複数の連杆18に複数の掻上羽根19を外向に突設して刈取水草掻上げコンベア20を設け、
該コンベア20の上端部背後に掻上水草下降用回転刃21を設けて掻上水草を上記コンベア20の中程背後に設けた左右方向水平コンベア22上に掻き落とすようになっている。
【0019】
上記水平コンベア22によって刈取水草7は図7右側に搬送され、水草カッタ23,23によって一部カットされ、上記吸引口3から上記機筐1内の空気と共に水草・空気輸送ホース4内に吸引され、該ホース4内を空気輸送される。
【0020】
上記ホース4は堤防24上に駐車しているトラック25に搭載された機枠26に設置されている水草・空気遠心分離機5及びドレン装置27を経て油圧ロータリー式空気吸引ポンプ6に接続し、上記遠心分離機5によって水草7と空気が分離し、空気は直立排気筒28から外気に放出される。
【0021】
上記遠心分離機5は図3に示すように上端閉鎖直立円筒5’(外筒)の内部に上端閉鎖直立短円筒5”(内筒)を固定し、水草・空気輸送ホース4を両円筒5’,5”間の間隙部tに接線方向に接続開口4’する。
【0022】
又上記内筒5”の上端閉鎖面と外筒5’の上端閉鎖面との中間において外筒5’の側面に吸引ホース4”をラジアル方向に開口接続し、該ホース4”をドレン装置27を介して上記空気吸引ポンプ6に接続する。
【0023】
そして上記外筒5’の下端部に交互開閉上下シャッタ29,29’を間隙sを介して設け、それによって上記外筒5’の下端部は上下シャッタ29,29’によって交互に閉鎖され、上記外筒5’内の負圧は上記上下シャッタ29、29’の交互開閉によって変動することなく、かつ上記外筒5’内に空気輸送された水草7は開放上シャッタ29を経て閉鎖下シャッタ29’上の間隔s部に重量により旋回下降して進入し、その状態で上シャッタ29が閉鎖して上記外筒5’の下部を密閉し、下シャッタ29’を開放して間隔s部内の水草7を搬出コンベア30上に落下する動作を繰返す。
【0024】
そして搬出コンベア30から搬出トラック31に積載されて搬送処分される。
【0025】
尚図2(イ)図中32はパワショベルの運転室、33はブーム、34はブーム昇降シリンダ、35はアーム昇降シリンダ、(ロ)図中36は原動機室、37,37’は上記上下シャッタ29,29’のそれぞれ開閉用シリンダである。
【0026】
又図4、5中38はコンベア20及び往復摺動杆14’,15’の駆動モータである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の水草回収法及びその装置を示す全体側面図である。
【図2】(イ)図は水草刈取状態の側面図、(ロ)図は水草・空気遠心分離装置の側面図である。
【図3】水草・空気遠心分離装置の拡大側面図である。
【図4】水草刈取機筐の開口部の正面図である。
【図5】図4を右方から見た側面図である。
【図6】図4の縦断右側面図である。
【図7】図5の縦断正面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 水草刈取収容機筐
2 水面
3 水草・空気吸引口
4 水草・空気輸送ホース
5 水草・空気遠心分離機
6 吸引ポンプ
7 水草

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水草刈取収容機筐を水面に支持し、
上記機筐に水草・空気吸引口を設け、
上記吸引口から水草・空気輸送ホース及び陸上の水草・空気遠心分離機を介して吸引ポンプによって空気を吸引し、
上記機筐内に刈取った水草を空気輸送により陸上に搬送し、
上記遠心分離機によって水草を回収することを特徴とする水草回収法。
【請求項2】
油圧ショベルのショベルに代えて水草刈取収容機筐の上面を回転テーブルを介して該ショベルのアームの先端及びバケット動作用油圧シリンダの先端に枢支し、
上記機筐に水草カッタを介して水草・空気吸引口を突設し、
上記吸引口に水草・空気輸送ホースを接続し、
上記ホースを水草・空気遠心分離機を介して空気吸引ポンプに接続し、
上記遠心分離機によって水草を輸送空気から分離することを特徴とする水草回収装置。
【請求項3】
上記機筐の正面を開口し、水草・空気吸引口を上記開口正面と直交する側板に設けた請求項2記載の水草回収装置。
【請求項4】
上記開口面の底部及び両側部にそれぞれ往復摺動刈取刃を設け、上記機筐の内部に刈取水草透導コンベアを設け、該コンベアの上端背部に設けた水草第1カッタを設け、該カッタの直下に設けたコンベアの終端に上記第1カッタと直角方向に回動する水草第2カッタを上記吸引口の基部に設けた請求項2又は3に記載の水草回収装置。
【請求項5】
上記水草・空気遠心分離機が機台に設けた上端閉鎖直立外筒内に円形間隙を介して内筒を設け、該間隙の接線方向に上記ホースの終端を接続し、上記内筒の上部外筒にドレン装置を介して空気吸引ホースを接続し、該ホースを空気吸引ポンプに接続してなり、
上記外筒の下端部に間隔を介して交互開閉上下シャッタを設けてなる請求項2〜4のいずれかに記載の水草回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−311806(P2006−311806A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−134793(P2005−134793)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(301003159)国土交通省九州地方整備局長 (4)
【出願人】(391023518)社団法人日本建設機械化協会 (19)
【出願人】(594148645)株式会社協和製作所 (10)
【Fターム(参考)】