説明

汗取りパット

【課題】 本発明は衣服を接着剤で損傷させたりすることなく、効率よく脇の下の汗を吸収することができる汗取りパットを得るにある。
【解決手段】 ほぼ中央部で折りたたまれる汗取りパット本体と、この汗取りパット本体の折りたたまれる部位の両端部を除く内側部位に、通常状態では収縮して多数個のギャザーとなるとともに、衣服の袖のアームホールの端部の侵入を阻止できるように縫着固定されたゴムテープと、前記汗取りパット本体の折りたたまれる部位の両端部と衣服の袖のアームホールの端部とを挟着固定する一対の止め具とで汗取りパットを構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣服の袖のアームホールに取付けて、脇の下の汗を吸収する汗取りパットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の汗取りパットは衣服の袖のアームホール部に両面接着テープで取付けている。また、衣服の袖のアームホール部に位置する部分にギャザーを形成したものがある。
【0003】
しかしながら、前者の衣服のアームホール部に両面接着テープで取付けるものは、両面接着テープの接着剤によって衣服を損傷してしまうという欠点があり、後者のギャザーを形成したものは前者の欠点と同様な欠点があるとともに、ギャザー部分が袖のアームホール部の端部に位置するため、脇の下に当接しずらく、効率よく脇の下の汗を吸収することができないという欠点があった。
【特許文献1】特公平4−57763
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、衣服を接着剤で損傷させたりすることなく、効率よく脇の下の汗を吸収することができる汗取りパットを提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明はほぼ中央部で折りたたまれる汗取りパット本体と、この汗取りパット本体の折りたたまれる部位の両端部を除く内側部位に、通常状態では収縮して多数個のギャザーとなるとともに、衣服の袖のアームホールの端部の侵入を阻止できるように縫着固定されたゴムテープと、前記汗取りパット本体の折りたたまれる部位の両端部と衣服の袖のアームホールの端部とを挟着固定する一対の止め具とで汗取りパットを構成している。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0008】
(1)ほぼ中央部で折りたたまれる汗取りパット本体と、この汗取りパット本体の折りたたまれる部位の両端部を除く内側部位に、通常状態では収縮して多数個のギャザーとなるとともに、衣服の袖のアームホールの端部の侵入を阻止できるように縫着固定されたゴムテープと、前記汗取りパット本体の折りたたまれる部位の両端部と衣服の袖のアームホールの端部とを挟着固定する一対の止め具とで構成されているので、衣服の袖のアームホールに一対の止め具で挟着固定するので、従来のように両面接着テープで固定するもののように、接着剤で衣服を汚して損傷させたりするのを確実に防止することができる。
【0009】
(2)前記(1)によって、衣服の袖のアームホールの端部が汗取りパット本体のゴムテープが取付けられた端部となるので、衣服の袖のアームホールの端部よりギャザーが形成された部位を突出させることができる。
したがって、汗取りパット本体のギャザー部分を脇の下に接触しやすい部位に位置でき、確実に脇の下の汗を吸収することができる。
【0010】
(3)前記(1)によって、一対の止め具を取付ける汗取りパット本体の両端にはゴムテープが位置していないので、嵩ばることなく、容易に止め具を取付けることができる。
【0011】
(4)請求項2は前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、汗取りパット本体の折りたたまれる端部にゴムテープを縫着固定する縫糸が位置しないので、気持ちよく使用することができる。
【0012】
(5)請求項3は前記(1) 〜(3)と同様な効果が得られるとともに、汗取りパット本体および衣服の袖のアームホール部に脱落しずらく、容易に取付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0014】
図1ないし図7に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は本発明の衣服2の袖3のアームホール4の端部に取付けて使用する汗取りパットで、この汗取りパット1は、ほぼ中央部で折りたたまれる汗取りパット本体5と、この汗取りパット本体5の折りたたまれる部位の両端部を除く内部部位に、通常状態では収縮して多数個のギャザー6となるとともに、衣服2の袖3のアームホール4の端部の侵入を阻止できるように縫着固定されたゴムテープ7と、前記汗取りパット本体5の折りたたまれる部位の両端部と前記衣服2の袖3のアームホール4の端部とを挟着固定する一対の止め具8、8とで構成されている。
【0015】
前記汗取りパット本体5は毛細管原理による高吸水性能を発揮し、吸水した汗を素早く拡散、速乾し、常に爽やかで軽量、嵩高性生地で着心地も快適なエアファイン(東レ株式会社の商標)等の多孔質の吸水シート9と、この吸水シート9の背面にコーティングされたポリウレタンフィルム等の防水および抗菌消臭の透湿防止フィルム10で構成されたものをほぼ円形状に形成し、外周部をほつれないように縫着固定したものが使用されている。
【0016】
前記一対の止め具8、8は合成樹脂材で中央部が円弧状に曲げられ、両端部は異なる長さとなり、内側面が順次開口するように形成されたほぼコ字状の止め具本体11と、この止め具本体11の開口端部11a側の一方の内壁面11bに一体形成された2個の係止用突片12、12および、他方の内壁面11cの一体形成された前記2個の係止用突片12、12間に位置する1個の係止突片13と、前記止め具本体11の外側の外周端部に形成された面取り部14とで構成されている。
【0017】
上記構成の汗取りパット1は図5に示すように、衣服2の袖3のアームホール4の端部に汗取りパット本体5を開放し、ゴムテープ7の端部をアームホール4の端部に位置させ、汗取りパット本体5の両端部を、該汗取りパット本体5の両端部で覆われているアームホール4の端部といっしょに止め具8、8を押し込むだけの楽な操作で、確実に止め具8、8を挟着固定する。
この状態で汗取りパット1はアームホール4に取付けられた状態となるが、アームホール4の端部より多数個のギャザー6が形成されたゴムテープ7が縫着固定された部位が突出した状態となり、該部位が脇の下に突出した状態となり、脇の下の汗を効率よく吸収することができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0018】
次に、図8ないし図14に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0019】
図8ないし図11に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、汗取りパット本体5の折りたたまれる端部5aを除く部位、すなわち端部5aとの間に隙間15を介してゴムテープ7を配置し、汗取りパット本体5の折りたたまれる端部に縫糸が位置しないようにゴムテープ7を汗取りパット本体5に縫着固定した点で、このように構成された汗取りパット1Aは多数個のギャザー6部に縫糸が存在することなく、ギャザー6部での汗の吸収や肌触りの向上を図ることができる。
【0020】
図12ないし図14に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第2の形態と主に異なる点は、多孔質のポリエステルフィルム16、吸水性ポリエステルフィルム17および、防湿性のポリウレタンフィルム18を重ね合わせて固定したシート19で汗取りパット本体5Aを形成した点で、このような汗取りパット本体5Aを用いて構成した汗取りパット1Bにしても、前記本発明を実施するための第2の形態と同様な作用効果が得られる。
【0021】
なお、パット本体5の外周部がほつれないような材質のものを使用することにより、外周部を縫着固定しなくても良い。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は汗取りパットを製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の正面図。
【図2】図1の2−2線に沿う断面図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の形態の汗取りパット本体の説明図。
【図4】ゴムテープを引張った状態で汗取りパット本体に縫着されている状態の説明図。
【図5】本発明を実施するための最良の第1の形態の衣服に取付けた状態の説明図。
【図6】図5の6−6線に沿う断面図。
【図7】図5の7−7線に沿う断面図。
【図8】本発明を実施するための第2の形態の正面図。
【図9】図8の9−9線に沿う断面図。
【図10】本発明を実施するための第2の形態の衣服に取付けた状態の説明図。
【図11】図10の11−11線に沿う断面図。
【図12】本発明を実施するための第3の形態の正面図。
【図13】図12の13−13線に沿う断面図。
【図14】本発明を実施するための第3の形態の汗取りパット本体の説明図。
【符号の説明】
【0024】
1、1A、1B:汗取りパット、2:衣服、
3:袖、 4:アームホール、
5、5A:汗取りパット本体、 6:ギャザー、
7:ゴムテープ、 8:止め具、
9:吸水シート、 10:透湿防止フィルム、
11:止め具本体、 12:係止用突片、
13:係止突片、 14:面取り部、
15:隙間、 16:ポリエステルフィルム、
17:吸水性ポリエステルフィルム、
18:防湿性のポリウレタンフィルム、
19:シート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ中央部で折りたたまれる汗取りパット本体と、この汗取りパット本体の折りたたまれる部位の両端部を除く内側部位に、通常状態では収縮して多数個のギャザーとなるとともに、衣服の袖のアームホールの端部の侵入を阻止できるように縫着固定されたゴムテープと、前記汗取りパット本体の折りたたまれる部位の両端部と衣服の袖のアームホールの端部とを挟着固定する一対の止め具とからなることを特徴とする汗取りパット。
【請求項2】
ゴムテープは汗取りパットの折りたたまれる端部を除く部位に配置され、該汗取りパットの折りたたまれる部位を除く部位で縫着固定されていることを特徴とする請求項1記載の汗取りパット。
【請求項3】
一対の止め具は中央部が円弧状に曲げられ、両端部は異なる長さで内側面が順次開口するように形成されたほぼコ字状の止め具本体と、この止め具本体の開口端部側の一方の内壁面に一体形成された2個の係止用突片および、他方の内壁面に一体形成された前記2個の係止用突片間に位置する1個の係止突片とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の汗取りパット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−18904(P2010−18904A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179659(P2008−179659)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(594168492)有限会社サンガ (1)
【Fターム(参考)】