汚れが付かない流通式キャパシタ、システム、及び分離方法
【課題】
汚れが付かない流通式キャパシタを提供する。
【解決手段】
耐汚性流通式キャパシタ及びこのキャパシタを使用するシステム、及び分離方法を開示する。キャパシタは、少なくとも一つの陽極−陰極電極対(1)を有する。電極(1)は、高表面導体(1)で形成されており、開放した好ましくは直線状の流体流通路を有する。代表的には、流路は、複数の直線状の平行な間隔が隔てられた電極(1)によって形成され、キャパシタのX−Y−Z距離成分以下である。流通式キャパシタは、使用時の汚損を阻止し、飽和廃物又は他の流れで使用できる。
汚れが付かない流通式キャパシタを提供する。
【解決手段】
耐汚性流通式キャパシタ及びこのキャパシタを使用するシステム、及び分離方法を開示する。キャパシタは、少なくとも一つの陽極−陰極電極対(1)を有する。電極(1)は、高表面導体(1)で形成されており、開放した好ましくは直線状の流体流通路を有する。代表的には、流路は、複数の直線状の平行な間隔が隔てられた電極(1)によって形成され、キャパシタのX−Y−Z距離成分以下である。流通式キャパシタは、使用時の汚損を阻止し、飽和廃物又は他の流れで使用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
流通式キャパシタ(flow-through capacitor)は、多数のほぼ平行な開放流路で形成できるということがわかっている。本発明のキャパシタは、この設計及び方法を使用し、コンパクトで製造が容易な構造を持つ耐汚性(foul-resistant)流通式キャパシタを提供する。
【背景技術】
【0002】
流通式キャパシタは、従来技術で説明されている(例えば、アンデルマンに賦与された米国特許第5,360,540号、米国特許第5,192,432号、米国特許第5,196,115号、米国特許第5,200,068号、及び米国特許第5,415,768号、ベナックに賦与された米国特許第3,658,674号、アンデルマンが出願したPCT国際出願第US94/05364号を参照されたい)。PB200 056の米国内務省の塩水研究開発促進庁が1970年3月に発行した、アレンM.ジョンソン等の「水を脱塩するための電気吸着プロセス」という標題のリポート第516号、及びジョセフファーマーに賦与された米国特許第5,425,858号には、流通式キャパシタ又は流通式消イオンシステムが記載されている。
【0003】
従来技術の流通式キャパシタは、供給流中の溶質を濃縮し、濃縮廃液流にすることによって機能する。これには二つの重大な欠点があった。第1の欠点は、廃液を回収して濃縮廃液流にする方法は、廃水を発生するということである。廃水はどのような種類のものであろうと、多くの場合、大きな処理費用がかかる。
【0004】
従来技術の別の欠点は、汚損が起こり易いということである。多くの環境水中に存在する硫酸カルシウムや炭酸カルシウム等の溶質は、飽和状態で又は飽和状態近くで存在する。飽和点を越えて濃縮すると、このような溶液はスケールを発生して装置を汚損する傾向がある。汚損は、逆浸透装置や電気透析装置等の廃水装置で周知の問題点であり、このことは、飽和点を越えて溶質を濃縮する流通式キャパシタにも共通する。
【0005】
更に、一般的に存在する濁り、コロイド、及び粒子が流れチャンネルを塞ぎ、付着物を形成する。ベナックに賦与された米国特許第3,658,674号には、硬質の井戸水(hard well water )で使用した場合にすぐに詰まってしまう流通式キャパシタが記載(第4コラムの第66行目乃至第68行目)されている。更に、この明細書には、硫酸カルシウムの浄化に関する問題点が記載(第5コラムの第27行目乃至第37行目)されている。アンデルマンに賦与された従来の米国特許第5,360,540号、米国特許第5,192,432号、米国特許第5,196,115号、米国特許第5,200,068号、及び米国特許第5,415,768号、米国特許第3,658,674号、PB200 056の米国内務省の塩水研究開発促進庁が1970年3月に発行した、アレンM.ジョンソン等の「水を脱塩するための電気吸着プロセス」という標題のリポート第516号、及びベナックに賦与された米国特許第3,658,674号の全てに多孔質スペーサ層を持つ流通式キャパシタが記載されている。スペーサ層の孔は、供給流中に既に存在する濁り並びにキャパシタの使用中に発生する沈澱及び結晶によって詰まり、汚損される。
【0006】
ジョセフファーマーに賦与された米国特許第5,425,858号には、長く蛇行した流路を持つ開放チャンネルをスペーサ層が構成する流通式キャパシタが記載されている。ファーマーの特許では、流路は、外側に直接的に開放しているばかりでなく、ガスケットによって包囲されており、連続した多数の構造層の穴の間に強制的に流され、その後、出口を通って流出する。蛇行したチャンネルは、屈曲部を構成し、そこに結晶や沈澱が溜まり、これによって流路を塞ぐ。多くの連続した構造層の流体流通穴は、流れを更に制限し、汚損が起こる多くの場所を提供し、固体で流路が塞がる機会を多くする。運動学的結晶プロセスで沈澱が形成し汚損や結晶を引き起こす前に飽和廃液をキャパシタからフラッシングするためには、短い流路が好ましい。蛇行したチャンネルを形成する長い流路は、結晶化が起こる前にキャパシタのフラッシングを行うのを困難にする。ひとたび固体がキャパシタの内側に形成されると、これら長い閉鎖流路を通してフラッシングするのが更に困難になる。
【0007】
ファーマーの特許には、この他にも欠点がある。プレートフレーム設計は、多数の密封ガスケットを用いる。これは、漏れが起こる機会を多くし、従って、重量がある構造的な金属製端プレート及び積み重ねをしっかりと圧縮するためのねじ山を備えたロッド等のハードウェアを必要とする。金属製の構造的端プレートは導電性であり、従って、ガスケットスペーサの他に余分の非導電性絶縁層を端部電極と端プレートとの間に必要とする。ファーマーの装置の電極は、二つの高表面積層間に挟んだチタニウム製の薄いシートからなる。漏れ止めシールを行うためには、チタニウム製金属シートもまた、アンデルマンの特許に記載された薄い金属フォイルでなく、厚く且つ構造的でなければならない。これは、システムの価格を引上げ、大きくする。チタニウムは弁金属(valve metal )であり、流通式キャパシタの使用中に生じる条件で非導電性酸化物を形成するため、チタニウムは最良の選択ではない。最後に、ファーマーの装置は、チタニウムシートと高表面積材料との間で圧縮接触でなく導電性エポキシを使用する。これは、電気接触部の抵抗を不必要に増大する。接触部の形成に接着剤を使用すると、結合部の最終的な劣化によりキャパシタ装置の寿命が短くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、新たな改良された流通式キャパシタ装置、方法、及びシステムに対する満たされないままの大きな必要がある。このようなキャパシタは、汚れに対して抵抗性がある。更に、このようなキャパシタが廃水を全体として減少するか或いはなくすのが望ましい。最後に、このようなキャパシタは、製造が容易であり、価格を引き上げたりキャパシタの有用性を制限する不必要な部品がないのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、耐汚性キャパシタ、システム、及び方法に関し、更に詳細には、キャパシタを詰まらせたり汚損したりする溶質又は流体を分離するためのキャパシタ、システム、及び方法に関する。
【0010】
本発明は、電源に接続されるようになった少なくとも一つの陽極及び少なくとも一つの陰極を持ち、溶質又は流体、詳細には、溶質又はキャパシタを汚損する傾向がある飽和流体又は実質的に飽和した流体の分離、電気浄化、濃縮、回収、又は電気化学的処理即ち分解で使用するように構成された流通式キャパシタからなる。
【0011】
キャパシタは、高表面積導体を含む一つ又はそれ以上の間隔が隔てられた陽極−陰極対を含んでおり、溶質又は流体用の開放した短い流路を有することを特徴とする。この流路は、キャパシタの外側と直接連通している。
【0012】
本発明の耐汚性流通式キャパシタは、飽和溶液を処理できる。流通式キャパシタは、過飽和溶液からの汚損沈澱及び結晶の形成が動的プロセスであるということを考慮に入れている。従って、流通式キャパシタ設計は、キャパシタを通る流体流路が短く、全体に直線状で開放しているように形成されている。キャパシタ内の固体を最適に且つ妨げなく洗い流すことを可能にするため、この流路をキャパシタの外側に対して直接的に開放し、多数の穴や制限部に直接通さないのが望ましい。従って、間隔が隔てられた電極によって形成された開放チャンネルは、キャパシタの外側面と直接的に連通している。これらのチャンネルは、ガスケットによって包囲されておらず、好ましくは、一つの寸法が流れに対する抵抗を全く備えていない。可能な場合には、流路を広幅にするのが望ましい。
【0013】
キャパシタの外側面と直接連通した短く真っ直ぐな開放流路には多くの利点がある。飽和溶液及び過飽和溶液を含む廃液又は供給溶液を、結晶プロセスが起こる前に、キャパシタからフラッシングで追い出すことができる。廃液又は供給溶液が、キャパシタの内側で結晶を形成するのに十分長い時間に亘ってキャパシタに残っている場合には、このような汚損結晶を直線状で開放した流路からフラッシングで追い出すことができる。供給流中に存在する濁り又は粒子もまた、システムを汚損することなく、キャパシタを通して追い出すことができる。更に、流路が外側に直接開放しているため、キャパシタを分解しないで電極間を機械的に清掃することができる。
【0014】
ほぼ直線状で短い開放した広幅の溶質流路は、キャパシタの多孔質スペーサに代えて、多数の薄いストリップ、シム、ワッシャ、又は開放ネット(open netting)(例えば、テキサス州オースチンのナレプラスチック社がナルテックス(Naltex)の商標で販売している開放ネット)、好ましくは双方向濾過ネット(bidirectional filteration netting )を使用することによって形成できる。スペーサは、任意の不活性の非導電性材料であるのがよく、これには、テフロン(テフロン(Teflon)は登録商標である)等の炭化弗素ポリマー、セラミックビード、ワッシャ賦形体、個々のシム、又はプラスチックネット、好ましくは複葉濾過ネット(biplanar filteration netting)が含まれるがこれらの材料に限定されない。スペーサは、トン等に賦与された「電気的貯蔵装置で空間セパレータとして使用するための微小突起のスクリーン印刷」という標題の米国特許第5,384,685号に開示されているように、電極上にスクリーン印刷された微小突起を含むのがよい。同特許に触れたことにより、その特許に開示されている内容は本明細書中に組入れたものとする。要するに、断面が薄い任意の形状の非導電性の任意の材料を使用してキャパシタの陽極と陰極とを離間することができる。
【0015】
スペーサは、必ずしも別の層でなくてもよく、内部支持体又は外部支持体に組み込んであってもよい。例えば、内部支持ロッドにライザー又はノッチを設け、これらのライザー又はノッチを使用して電極を離間することができる。同じことを外部支持体即ちスカッフ(scaffold)で行うことができる。キャパシタの内部抵抗をできるだけ低く保つため、電極間の空間はできるだけ狭くなければならない。しかしながら、流路が狭過ぎる場合には、層間が誤って短絡する可能性が大きくなり、汚損が起こる可能性が高くなる。一実施例におけるスペーサの最適の厚さは、約1.27mm(約50ミル)以下であり、例えば約0.127mm乃至0.508mm(約5ミル乃至20ミル)である。
【0016】
本発明は、流路を形成するためにぴったりとシールされたガスケットを備えたスペーサを必要としないため、スペーサ材料の性質は、弾性であったりゴム様であったりする必要がない。スペーサ材料は、電極を離間するためだけに役立ち、キャパシタにシールを形成しない。従って、層を互いに保持し、又は導電性の高表面積層間を電気的に接触し、随意の導電性裏打ち層を電極と接触するのに十分な圧縮力だけが必要とされる。端キャップが必要とされないか或いは、機械的強度が低いプラスチック材料等の非導電性材料を使用できる。従って、重量のある構造的金属製の端キャップ及びねじ山を備えた連結ロッドをなくすことができる。その結果、端プレートと端部電極との間に配置された以前の即ち従来技術の装置の絶縁層をなくすことができる。全体に直線状であり且つ開放した流路を組み込んだ多くの可能な幾何学的形体がある。好ましくは、流路は、短くなければならず、外側面と直接連通していなければならない。更に、スペーサは、同時に、高表面積層と導電性裏打ち層との間を圧縮接触するための内部支持体を提供するように機能する。可能であれば、広幅の流路が望ましい。一般的には本発明は、好ましい実施例では、間隔が隔てられた電極層を通る多数の直線状の平行な流路を使用する。
【0017】
流路の幅は、短くなければならず、厚さと同様に、約1.27mm(約50ミル)以下であり、更に代表的には、約0.127mm(約5ミル)から0.508mm乃至0.764mm(20ミル乃至30ミル)である。流路の長さもまた短くなければならず、通常は、キャパシタのX−Y−寸法よりも小さい寸法でなければならず、例えば、約30.48cm(12インチ)以下であり、例えば、約15.24cm(6インチ)又はそれ以下である。
【0018】
電極は、任意の高表面積材料から形成されているのがよい。高表面積導体の導電性を高めるのが望ましい場合には、別の導電性裏打ち層を電極と直接接触した状態で使用するのがよい。電極の固有導電性が十分である場合には、導電性裏打ち層を省略することができる。キャパシタの内部抵抗をできるだけ低くするのが望ましい。内部抵抗は、キャパシタの充電時間に制限を加え、これにより、最終的な質量及び流体流量が直接的に制限され、その結果、溶質及び溶液を浄化できる。約4オーム以下、例えば1オーム以下の内部抵抗が好ましい。
【0019】
電極は、モノリシックの高表面積導体から少なくとも一つの陽極/陰極対をなしてつくられているのがよい。高表面積材料が導電性であるが、最適の導電性でない場合には導電性裏打ち体を使用するのがよい。本発明で使用するのに適した高表面積導体は、活性炭、ハロゲン処理を施した活性炭、カーボンフォーム、カーボンエーロゲル及びエーロゲル複合材料、ナノチューブ、特に多孔質の又はネットワーク形体の導電性ポリマー、重合フラレネス(fullerenes)、又は任意の高表面積導体を含むが、これらに限定されない材料を使用できる。導電性セラミックを、それ自体で、又はファイバ、フォーム、粉体、又はエーロゲル等の様々な形態のカーボンが含まれる高表面積物質に含浸させた状態で使用することもできる。一般的には、電気的に賦勢した小さな又は大きな分子を、キャパシタンスを改善する高表面積導体上に吸収し、キャパシタの機能を改良する。別の好ましい高表面積導体は、ゾル/ゲル技術を使用して形成された導電性遷移金属の酸化物、窒化物、又は硼化物である。粉体状高表面積材料をモノリシック電極内に焼結し、或いは、粉体状高表面積材料とモノリシック電極とを結合材料で互いに結合する。
【0020】
裏打ち層が必要とされていない場合には、固有導電性電極は、高表面積の黒鉛状炭素、高表面積エキスパンドメタル、金属ファイバ、又は金属メッシュを含む。例えば、高表面積プラチナ黒(platinum series black )でコーティングしたチタニウムファイバが周知であり、電極材料として市販されている。この他の例には、プラチナでコーティングしたニオブ及び気泡金属が含まれる。高表面積カーボン材料を金属又は黒鉛のファイバ又はメッシュと混合し、モノリシックユニットに形成するのがよい。
【0021】
別の種類の電極には、導電性裏打ち体とぴったりと接触した非導電性高表面積材料が含まれる。これの一例が、蝕刻チタニウム又はアルミニウムの酸化物層、酸化させた導電性セラミック、又は任意の高表面積導体に付着させた薄いフィルムである。この材料を備えたキャパシタには、溶液が導体と直接接触しないように保護されるという利点がある。従って、キャパシタは、溶液の分解電圧によって制限される剥き出しの高表面積導体と異なり、はるかに高い最大50v又はそれ以上の電圧で作動できる。
【0022】
本発明を、実施例と関連して単なる例示の目的で説明するが、当業者は、実施例又は例示の実施例に対し、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、変形、改良、及び付加を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
流通式キャパシタの様々な形状を使用できる。これらの形状は、共通して、短く直線状で開放した流体流路を備えている。添付図面に示すこのような好ましい設計は、全て、多数の平行な流路を同じキャパシタ内に備えている。簡単のため、以下の議論では一つの流路だけに言及する。更に、全てのキャパシタは一般的には、外側と直接連通した流路を有する。第1図及び第2図は、中央チューブ又はロッドの周りにワッシャ形電極を備えたキャパシタを示す。流路は、ワッシャ電極間にあり、中央チューブを通って出る。第6図は、短く太く螺旋状に巻いた構成を示す。この構成では、流路は電極間で中央軸線に沿って長さ方向に延びる。螺旋状に巻いたキャパシタは、構造的中央ロッド又はチューブを有するのがよい。更に、電極は、様々な平らな又は円筒形の形状で相互係止し又は重なり合ったプリーツをなしているのがよい。第7A図及び第7B図は、電極が中央チューブの周りに重なりプリーツをなして配置された三日月形プリーツ設計を示す。この設計では、電極間の流路は水平方向に延び、その後、中央チューブを通って長さ方向に出る。中央チューブには、その長さに沿って穴が設けられている。別の態様では、中央チューブの代わりに、流路がロッドの長さに沿ったリブ又はチャンネルを通る波形ロッドを使用するのが有利である。第9図は、矩形の電極でつくられた平形キャパシタを示す。このキャパシタでは、流路は電極、電極間の短い寸法を通る。別の態様では、これらの多数の電極に代えて二つ又はそれ以上の相互係止プリーツ状電極を使用することができる。
【0024】
流路を短くすることに加え、キャパシタは、充電サイクル毎に極性が逆転するように、電極上で正味増加が起こらないように作動しなければならない。電極が電気的に活性であるため、極性を逆転させることによって、前に陽極であった電極を陰極にし、前に陰極であった電極を陽極にする。従って、好ましくは陽極又は陰極のうちのいずれか一方に形成された沈澱物及び付着物が強制的に除去され、これによって、キャパシタの汚損を更に減少する。汚損を更に小さくするため、例えば充電サイクル又は放電サイクル毎に流れを逆転させることによって流通式キャパシタの逆洗を行わなければならない。これは、任意の一方の方向に正味流れがないため固形物の増加を阻止するのを助ける。更に、キャパシタを僅かに過電圧で連続的に又は時々作動するのが望ましい。これにより、小さな電気分解が生じ、これによって、電極を微生物及び汚れが付いていない状態に保つ。
【0025】
短く直線状の開放流通式、極性逆転、及び随意の逆洗の組み合わせにより、本発明の流通式キャパシタは、飽和溶液の場合でも浄化を行うことができ、このような溶液を結晶化が起こるまで常に濃縮できる。この現象は、別の利点をもたらす。本発明のキャパシタの直線状の開放流路が提供する耐汚性により、廃液でなく固形物を発生するように流通式キャパシタを作動させることができる。この結果を得るためには、流通式キャパシタを飽和廃液タンクに連結する。再生サイクル中、キャパシタは廃液タンクからの飽和溶液によって満たされている。キャパシタは、この飽和水内に排出し、次いでこれを廃液タンク内に洗い戻す。そのイオンの脱着時にキャパシタがこの飽和廃水を過飽和させるため沈澱が生じる。本発明の設計の直線状で開放した流路により、沈澱をフラッシングしてキャパシタの外に直接的に出し、回収又は除去を行うことができる。沈澱は、廃液タンクの底に沈降する。これは、上澄みを取り出すことによって、又は濾過を行うことによって、別々に集めることができる。このプロセスは、無期限に繰り返すことができる。別の態様では、廃液は、沈澱を形成するのでなく、過飽和させるのがよい。この場合には、加熱、冷却、振動、結晶のタネを入れること、pH調節、又は他の沈澱方法によって溶液の沈澱をトリガーできる。
【0026】
本発明のキャパシタ設計が解決した従来技術の別の欠点は、キャパシタのデッド容積による製品溶液の希釈である。米国特許第5,425,858号に記載されたキャパシタは、250mlのデッド容積を有する。このデッド容積は、放電後に残る廃溶液を新たな供給溶液でフラッシングして出す必要があり、従って追加の廃水を発生するため、有害である。この廃液がフラッシングで適切に出されなかった場合には、浄化サイクル中のキャパシタの充電時にキャパシタがキャパシタ内に未だ存在する濃縮された廃液を非効率に再浄化する。この非効率は、この場合のキャパシタが迅速に飽和するため、供給溶液の濃度が増加するに従って益々悪化し、再生を行う必要が更に頻繁になる。キャパシタの再生回数が多くなればなる程、製品溶液がデッド容積で汚染される機会が多くなる。
【0027】
本発明の流通式キャパシタは、キャパシタを加圧ガス源に連結する等によって、デッド容積の問題点を小さくする。加圧ガスは、製品と反応したり製品を汚染しないように選択された空気、窒素、又は他のガスである。内側の容積をガスで追い出すことができるようにする上で、短く且つ直線状の流れチャンネルが最適である。これとは対照的に、従来技術のキャパシタの蛇行したチャンネル内に収容された液体は、保護されたポケットを形成する傾向があるため、追い出すのが困難である。このようにデッド容積をガス又は流体で追い出すことは、他の特許の多孔質スペーサ設計についても困難である。これは、チャンネリングのためである。製造誤差があると、ガス又は液体のチャンネリングが生じ、ガスによる廃液の追い出しが不均等になる。従来技術には、デッド容積の追い出しにガスを使用するものはなかった。
【0028】
二つ又はそれ以上の耐汚性短流路キャパシタは、システム中で連続的に作動でき、一方の充電時に他方が放電する。エネルギを回収するため、放電しているキャパシタを使用して他のキャパシタを充電することができる。充電済の単一のキャパシタは、他のキャパシタをこれらのキャパシタの電圧が等しくなるまで充電するのに使用できるだけである。これは、同じ大きさの二つのキャパシタの間で、放電中のキャパシタのエネルギの半分を無駄にする。しかしながら、半分充電されたこれらの二つ又はそれ以上のキャパシタを直接に接続することができる。直列に接続されたキャパシタの直列電圧は、加算される。キャパシタを直接に接続することによって、消耗したキャパシタのエネルギを使用して他のキャパシタを連続的に充電することができる。米国特許第5,475,858号には、他のキャパシタのエネルギを回復して再充電するために単一のキャパシタを使用することが記載されているが、直列に接続すると、残りの半分の未使用のエネルギからエネルギを取り戻すことができる。
【0029】
システム内の多くのキャパシタにより、連続した製品流を提供するため、充電及び放電を交互に連続して同時に行うことができる。連続した流れは、単一の流通式キャパシタによっても、充電サイクル間又は放電サイクル間で流れを平均化するのに使用される滞留タンクを下流に設けることによって、得ることができる。
【0030】
流通式キャパシタの別の改良は、プラチナ、チタン、又は触媒特性を持つ他の金属等の金属をカーボン電極にドーピングすることを含む。これにより、塩素を含む炭化水素、クロロホルム、及び他の危険な有機分子をキャパシタで更に容易に電気化学的に破壊することができる。金属は、炭化水素からのハロゲンを除去又は有機分子の分解等の反応の賦活化エネルギに打ち勝つ。
【0031】
流通式キャパシタを制御するための好ましい方法は、キャパシタをそれ自体のセンサとして使用することである。このシステムでは、電流及び時間の両方を記録する。電流は、分路抵抗器を通して計測される。コンピューターは電流を時間で積分し、キャパシタに送られた総充電量を計算する。キャパシタに送られた総充電量が、予め設定された値を越えた後、制御装置が再生サイクルを自動的に賦勢する。このサイクルには、先ず最初に電源を断つ工程を含み、その後、電子部品の安全を図るために短時間待機し、負荷を通してキャパシタを短絡し、適当な弁及びポンプを賦勢し、廃物流を選択してこれを製品流から隔離する。
【実施例】
【0032】
第1図は、積重ねワッシャ形流通式キャパシタを示し、このキャパシタの高表面積電極は裏打ち層を含む。これらの電極は、高表面積導体1及び導電性裏打ち体2を組み合わせてなるものである。端部電極は片面電極であっても両面電極であってもよいが、中間電極は、好ましくは両面電極である。高表面積層1と導電性裏打ち層2との間の電気的接触は、好ましくは、圧縮接触によってなされる。圧縮接触は、端キャップ7に設けられたねじを中央ロッド又はチューブ5の周囲のねじ山6に締め付けることによって行われる。電極は偶数個設けられており、少なくとも一つの陽極/陰極対を形成する。このように形成された陽極及び陰極は、スペーサ3によって離間されている。一体のリード4が導電性裏打ち体(2)から延びている。
【0033】
これらのリードを互いに接続し、交互の陽極層及び陰極層を、リード自体と平行に整合した状態で、別々に接続することができ、或いは、これらの陽極層及び陰極層を互いに合わせて同じ目的を達成し、電気リードを形成することができる。
【0034】
流体は、間隔が隔てられた電極間を流れ、穴9を通り、次いで中央チューブ5を通って流出する。穴を備えたチューブに代えてリブ付きロッドを使用でき、この場合には、流体は、長さ方向リブの側部に沿って流れる。カートリッジがカートリッジホルダ(第4図参照)の内側で漏れ止めシールを形成できるようにするワッシャ手段8が設けられている。
【0035】
第2図は、十分に導電性であるために導電性裏打ち体を必要としない、高表面積電極を備えたワッシャ形流通式キャパシタを示す。一体のリード4が高表面積導体1に取り付けられている。導体は、スペーサ3によって離間された交互の陽極−陰極対を形成する。
【0036】
第3A図乃至第3G図は、本発明の流通式キャパシタで使用できる様々な種類のスペーサを示す。スペーサは、濾過用ネット(例えばナルテックス(Naltex))等の開放ネットの形態(第3A図参照)であるのがよい。このネットは、対称的であってもよいし、非対称的であってもよい。複葉ネットが好ましい。これは、この種の織物が、ネットの表面に沿った流路を妨げないためである。スペーサ材料は、ロバート、トン、等の米国特許第5,384,685号のスクリーン印刷によって付けられた微小突起等の突起を更に有するのがよい。一つの好ましい実施例は、星型スペーサ(第3C図参照)等のワッシャ形円形スペーサである。別の好ましい実施例(第3D図参照)は、陽極/陰極間に置いてこれらの電極を離間するシム、小ロッド、又は糸を含む。更に、中央チューブに設けられた間隔が隔てられたノッチや、電極が上側に置かれるようになった間隔が隔てられたライザーを持つ外部スカッフ装置(第3E図参照)等の、中央支持体又は外部支持体から一体成形されたスペーサが示してある。
【0037】
場合によっては、短くて直線状の流路を用いるのでなく、その代わりに多数の平行な外側に対して全体に開放した流路を提供するのが望ましい。しかしながら、これらの流路もまた制限されており、即ち、長く且つ蛇行している。この場合には、電極表面に対してぴったりとシールされる限り、第3F図及び第3G図に示すスペーサを使用するのがよい。流れを制限して螺旋状の即ち蛇行した流路にすると、線速度が上昇する。これには、乱流を大きくし、汚れを除去するための研削作用を大きくするという利点がある。この多流蛇行流路は、大幅な圧力降下が起こる可能性をなくし、従来技術よりも効果的な技術を提供する。これらのスペーサは、第1図及び第2図のワッシャ形キャパシタで使用される物として示したが、これらのスペーサは、他のキャパシタで使用されるように適合させることができる。
【0038】
更に、多数の平行な流路により、長過ぎることによる圧力降下の問題点を起こすことなく、個々の流路に余分の長さを加えることができるということに着目すべきである。最も厳密な意味で短く且つ直線状の流路が理想的であり、これは多くの場合で好ましい。一つの例外が水酸化鉄生成物等のゲル状の汚れであり、これを破壊するには、乱流又は非常に速い流れを必要とする。可能な限り短く且つ直線状で広幅の流路を必要とする最も一般的な例は、迅速に結晶化する溶液である。いずれの場合でも、本発明の流通式キャパシタは、所望の短い多流路設計を使用するため最適のプロセス機能を可能にする。
【0039】
第4A図及び第4Bは、第1図又は第2図の組み立て済の流通式キャパシタを示す。スペーサは、高表面積導体1間に開放空間10を形成する。ワッシャ状電極が中央チューブ5の周りに組み立てられており、端キャップ7によって所定位置に保持されている。リード4が交互の電極を相互接続し、陽極/陰極対を形成する。陽極は陽極に接続されており、陰極は陰極に接続されており、並列構成をなす。第4B図は、カートリッジホルダ17内に置いた第4A図の組み立て済の流通式キャパシタを示す。カートリッジホルダには、ねじ山16を備えた蓋15がねじ込み装着されている。蓋には、黒鉛製の二本のロッド12が設けられている。蓋15をカートリッジホルダ17にねじ込むと、黒鉛ロッドが二つの同心の電気接点18と電気的に接触する。これらの二つの接点は、陽極及び陰極をそれら自体と相互接続する束をなしたリードに電気的に接続されている。黒鉛ロッド12は、制御された張力及び下方への力を提供するばね11に取り付けられており、これにより同心の導体18と電気的に接触する。金属キャップ13が黒鉛ロッド12に圧縮されてこれと電気的に接触し、直流電源に接続するためのワイヤリード14に電気的に接続されている。蓋15には入口19が設けられており、カートリッジホルダ17には出口20が設けられている。ワッシャ手段8が蓋とカートリッジホルダとの間で漏れ止めシールを形成する。流路は、入口を通り、次いで間隔が隔てられた電極層間を通り、出口から流出する。
【0040】
第5図は、高表面積導体1、随意の導電性裏打ち体2、及びネット又は開放メッシュ形態のスペーサ材料3を使用する本発明の螺旋巻きキャパシタを示す。電気リード4が、導体1から形成された電極又は随意の導電性裏打ち体2から延びている。キャパシタは、随意であるが、構造的中央ロッド5に巻き付けてあるのがよい。このキャパシタは、好ましくは、短く且つ太くつくられており、中央軸線に沿って下方に向かって計測したキャパシタの長さよりも広い幅を備えている。
【0041】
第6図は、カートリッジホルダ又はパイプ部品17に入れた第5図の短く太いキャパシタを示す。パイプ17には、入口19及び出口20を持つ蓋15が装着される。一体のリード4を互いに並列の束にする。ワイヤリード14は、蓋15を通って漏れ止めシールされた状態で延びている。ワイヤリード14と束をなしたリード4との間に接点23が形成される。一体のリード4が黒鉛フォイルである場合には、圧縮接触を行うのが好ましい。これには、随意であるが、金又は不活性金属接点を使用する。キャパシタは、プラスチック製収縮包装チューブ22内にシールされている。この実施例では、中央チューブ即ち導管には、チューブの選択された位置に、一般的にはチューブの中央に一つ又はそれ以上の穴が設けられている。これらの穴は、通常は、チューブの周囲に間隔が隔てられている。キャパシタ層自体をシールする代わりに、中央チューブの両端を出口20に連結する(第6図参照)か或いは、一端をシールし且つ他端を出口20(第6図参照)にシールする。周囲螺旋巻き高表面積導体層及び随意の導電性裏打ち層に隙間を設けることが必要とされる。この隙間は、スロット又は穴21(第6図参照)を切込み、これらの穴又はスロットを中央チューブの穴と整合させて半径方向流路を形成することによって形成される。この実施例では、流体流れは、入口19を通過し、次いで、スペーサのメッシュ又はネットが電極層間に形成する空間を通り、流体が中央チューブの中央隙間又は穴に到達するまで上方及び下方の両方に移動し、流体は中央チューブ即ち導管の一端又は両端から引き出され、出口20を通る。別の態様では、螺旋巻きキャパシタを、パイプ即ちカートリッジ17の内側に、第12図の束ロッドキャパシタについて説明したのと同様の方法で、O−リングガスケットを用いてぴったりと装着する。この態様では、流路は入口19を通り、電極層間でキャパシタを下方に通過し、スペーサのメッシュ又はネットが形成する空間を通り、その後、出口20を通る。蓋15は、端キャップの形態をなしているのがよい。蓋15及びパイプ17は、PVC、テフロン(登録商標)、ステンレス鋼を含む金属、プラスチック、又はセラミック等の任意の材料でできているのがよい。
【0042】
第7図は三日月形プリーツ設計を示す。この設計では、個々の層は中央軸線の周囲の回路を完成していない。これらの層は、高表面積導体1、随意の導電性裏打ち体2、及びネット又は開放メッシュ材料3でできている。一体のリード4が導体1から延びており、又は導電性裏打ち体2が使用される場合には、この裏打ち体から延びている。これらの層は、中央チューブ5の周囲に形成される。端部は、ウレタン、エポキシ、熱可塑性プラスチック等の樹脂を含む任意のシール手段でシールされる。間隔が隔てられた高表面積導体層間で、スペーサ3が形成する空間に沿って流路が形成され、この流路は穴9を通り中央チューブ5を通過する。この流路は、正確に直線状ではなく、最も短い方向に沿って三日月形プリーツの曲線に沿って延びる。
【0043】
第8図は、単一のカートリッジホルダ17の内側のマニホールドプレート25で互いにマニホールド連結された任意の種類の例えば第7図に示す種類のキャパシタ等の多数のキャパシタを示す。陽極を陽極に及び陰極を陰極に接続する一体のリード4は、ワイヤ14によって、圧縮接点23に接続されている。第6図に示すように、ワイヤ14は、入口19に装着した蓋15を通って漏れ止めをなして延びている。流路は、入口19を通り、個々のキャパシタの間隔が隔てられた電極間を通り、マニホールドプレート25を通って流れた後に合流し、出口20を通って出る。
【0044】
第9図は、箱形流通式キャパシタを示す。高表面積電極1は矩形形状であり、スペーサ3で離間されている。第9図のスペーサは、シムとして示してあるが、細いロッド、糸、ネット、又は開放メッシュ、突起、又は外側スカッフであってもよい。一体のリードは電極1から延び、これらのリードは、陽極を陽極に及び陰極を陰極に並列に接続するように互いに束にされ、電極リードコレクタ28に接続される。これらの電極リードコレクタは、内蓋15及びワイヤ29にファスナ30でねじ込んであり、ワイヤリード14に電気的に接続される。キャパシタは、多角形形状又は円形形状であるのがよい内側箱26にぴったりと嵌め込まれる。入口19及び出口20を持つ漏れ止め蓋15を箱26に装着する。
【0045】
第10図は、第9図の流通式キャパシタを組み立てた状態で示す。流路は、入口を通り、間隔が隔てられた高表面層1間を通る。随意であるが、高表面積層は、導電性裏打ち体を間に挟んでいてもよい。
【0046】
第11図は、ロッド型電極設計を示す。高表面積導体1は円形又は多角形形状例えば六角形形状のロッドをなしている。この導体は、高表面積導体用の導電性裏打ち体を形成する中央導体ロッド又はチューブ32を備えているのがよい。高表面積電極1は、中央導体ロッド32を連結するスペーサスカッフ33によって離間されている。別の態様では、高表面積電極1は、突起又はシム34によって離間されているのがよい。ワイヤリード14は、陽極を陽極に及び陰極を陰極に並列に接続する。これにより、平形電極設計と全く同じ陽極/陰極対が形成される。ワイヤリード14は、金属キャップコネクタ31を介して中央導体ロッド32に取り付けられている。金属キャップコネクタ31は、好ましくは、金やプラチナ等の不活性金属であり、中央導体ロッド32が黒鉛である場合に圧縮継手を形成する。中央導体ロッドは、任意の不活性の導体であるのがよい。中央導体ロッド32が金属製である場合には、金属キャップコネクタ31を省略でき、ロッドを簡単に引き出すことができ且つワイヤ14に直接的に取り付けることができる。
【0047】
第12図は、組み立て済のロッド形キャパシタの図である。このキャパシタでは、プラスチック製収縮包装チューブ22によってロッドが互いにシールされており且つカートリッジホルダ17に対して漏れ止めO−リング21によって支持されている。ワイヤリードが、カートリッジホルダ17に対してシールされる蓋15を通って漏れ止めをなして延びている。流れは、入口19を通り、間隔が隔てられた高表面積の導電性多角形電極間を通り、出口20を通って出る。
【0048】
第13A図乃至第13F図は、内側導電性裏打ち体を組み込んだ様々なモノリシック電極設計を示す。この設計は、高表面積層と導電性裏打ち層との間を接触させるのに圧縮装着がもはや必要とされないため、上述の全ての流通式キャパシタで有用である。第13図の電極は、内側導電性裏打ち体2を含み、この裏打ち体は、金属フォイル、黒鉛フォイル、繊維質材料、又は相互嵌入ネットワークメッシュ材料である。フォイル形態の場合には、この裏打ち材料には多くの貫通穴35が設けられている。これらの穴は、連通を可能にし且つ高表面導体を相互接続し、平らな電極の両側に積層体を形成する。別の態様では、中央ロッド即ちワイヤ導体32の周りに高表面積導体1が直接的に形成されたロッド型導体を使用できる。この材料は、互いに結合されており、即ち導電性裏打ち体を一体に含む単一のモノリシック部品をなして焼結される。例えば、空気のないところで焼結を行う前に、活性炭又はエーロゲル粉体をフェノール樹脂結合剤と混合し且つ熱間圧縮し、第13図の形状を形成する。導電性裏打ち体の穴を通して形成された相互連結部が高表面積導体を互いに保持し、これが焼結中の収縮により裏打ち体から引き離されないようにする。別の態様では、カーボンフィルム又はカーボン層を導電性裏打ち体に付着し、それをその場で活性化する。一体のリード4は、内側導電性裏打ち層又はロッド32から形成されている。
【0049】
第14図は、流通式キャパシタシステムのダイヤグラムを示す。流通式キャパシタ36は、マニホールド弁37に連結されており且つ直流電源40に接続されており、コンピューター又はプログラム可能なロジック39によって制御される。供給溶液49は、浄化済の製品を形成するため、充電サイクル中にキャパシタ36を通して圧送される即ち供給される溶液を含む。滞留タンク46が、充電サイクル中に製造された製品流れを蓄え、平均した連続的な製品流れ53を提供する。カウンター55は、キャパシタ内への単位時間当たりの流入量を計測し、流れを時間で積分して充電量を算出し、プログラムされた充電量がキャパシタに通された後、放電サイクルを自動的に開始する。この充電量は、キャパシタの所望の飽和レベルと一致する遮断点である。
【0050】
別の態様では、キャパシタの制御は、供給溶液、製品溶液、及び廃液の導電性、pH、又は濃度を監視するセンサによっても行われる。この時点で、先ず最初に電源を切り、安全性を確保するための短い時間の後、負荷を通してキャパシタを放電する。キャパシタの放電中、タンク43内に収容された廃液を三方弁38及びマニホールド弁37を通して分流し、キャパシタを通して圧送し、沈降タンク41内にループをなして戻す。キャパシタの充電サイクル中に吸収されたイオンは脱着され、キャパシタの放電中、この廃液中に排出される。廃液流50は、徐々に飽和され、又は過飽和状態になる。沈降タンク41には熱交換器44が設けられている。熱交換器44は、溶液の結晶化を阻止するため、過飽和廃液の温度を変化させるように機能する。
【0051】
タンク41に流入した又はタンク内で形成された結晶42は底部に沈降し、出口73を通して回収される。次の放電サイクルで使用するため、飽和廃液の上澄みをタンク43内に移動する。飽和廃液を出口52を通して直接流出させてもよい。これを、補給ループ51を通る補給溶液に代えることができる。補給ループ51は、供給流49と交差するように連結されている。キャパシタの排出後、飽和廃液をタンク41及び43に戻す。次いでマニホールド弁37を作動させ、キャパシタを廃液流及び供給流の両方に対して閉止し、圧縮ガス流47に対して開放する。
【0052】
このガス流は、キャパシタから廃液を追い出し、ガス分離タンク56に入れる。タンク56からの飽和廃液を三方弁57を通る飽和廃液流と再度組み合わせる。ガスは、タンクから出口48を通して排出される。更に、同様に、充電サイクル後、供給溶液を圧縮ガスで追い出すのが望ましい。圧縮ガス流47は、活性炭電極を再活性化し、キャパシタを殺菌して微生物を除去する流れに代えることができる。分路ループ58は、キャパシタの逆洗を行うため、キャパシタを通る供給溶液の方向を交互の充電サイクル時に逆転させることができる。更に、これによって、濁り及び汚れの正味増加を阻止する。全ての空気を追い出すため、先ず最初に全ての液体溶液をキャパシタの底部に供給しなければならない。その後、流れをこの方向に維持するか或いは、逆洗サイクルを行うため、分路ループ58によって又は逆転させるのがよい。
【0053】
最後に、再調整タンク45は、電気の作用で電極上で薄膜を形成した金属、有機汚染物、又は微生物汚染物等の吸収された材料を除去するのに使用される再調整溶液を含む。特に、容易に薄膜を形成する金属を取り扱う場合、供給溶液のpHを調節することもまた重要である。その目的は、薄膜形成電圧をできるだけ高く保持するため、pHを調節すること又は供給溶液に他の成分を加えることである。これにより、キャパシタを、そのキャパシタンスモードで及び静電吸収で、金属を電解抽出や電気による薄膜形成によって電極に付着させるよりも効果的に作動できる。電気の作用で電極上で薄膜を形成した金属は、電極を再調整し薄膜を形成した金属を再調整タンク45を介して回収するため、酸、ベース、酸化剤、溶剤又は他の追加の化学物質を必要とする。所望のように、供給流49等の供給流、廃液流50等の廃液流、又は任意の他の流れに沿ってポンプ75が設けられているのがよい。
【0054】
第15図は、第14図の単一キャパシタ及び流れ平均化タンクと異なる多キャパシタシステムを示す。このシステムでは、製品の連続した流れを得るためにキャパシタの充電及び放電が連続的に行われる。キャパシタ36の流路は、並列に連結されていてもよいし、別の態様では、分流器54を通して直列に連結されていてもよい。流路を直列に連結すると、濃度の高い溶液を段階的に浄化して非常に純度の高い製品溶液53を製造できる。他の機能的構成要素には、第14図と同じ参照番号が附してある。
【0055】
別の実施例では、流路の表面を磨いて汚れを除去するために流路を通る流体中で乱流を発生するため、一つ又はそれ以上或いは全ての流路にバッフルを設けるのが望ましい。乱流を発生させるために使用されるバッフルの数は、これらのバッフルを使用することによる圧力降下とバランスをとらなければならない。
【0056】
乱流を発生させるため、電極材料で構成された或いは更に容易にはスペーサ材料で構成されたバッフルを電極層間に形成できる。更に、キャパシタの流量を増大させるのが望ましい。バッフルは乱流を発生し、この乱流が電極表面から汚れを除去する。
【0057】
汚れが付かないようにし且つ処理するための他の方法には、浄化済製品溶液でキャパシタを洗浄する方法が含まれる。これは、供給流又は製品流に沿って配置されたポンプ75を逆転させ、浄化済溶液を第14図に示す滞留タンク46から逆方向に圧送することによって簡単に行うことができる。別の態様では、余分の分路ループを加えるのがよい。
【0058】
有機的汚れが電極表面上に蓄積する傾向がある。微生物が電極上で、特定的には活性炭上で成長し繁殖する傾向がある。電気分解により電極を積極的にきれいにするのに十分高い電圧でキャパシタを一時的に作動する。更に、小さな電気分解を連続的に生ぜしめることによって電極を常にきれいな状態に保つため、キャパシタを僅かに過剰の電圧で連続的に作動させる。
【0059】
キャパシタは、電解抽出法、イオン交換法、RO、ED、微小濾過(microfiltration )、及び限外濾過等の他の浄水技術を上流又は下流のいずれかに備えたトレインの一部であるのがよい。例えば、マイクロフィルタを前置フィルタとして加え、濁りをもたらす汚れを除去するか或いは後置フィルタとして加え、カーボン微粉を除去するのが望ましい。キャパシタに有機的な汚れが付かないように保護するため、顆粒状活性炭前置フィルタを設けるのが望ましい。緑色砂又は酸化手段をキャパシタの上流で使用し、キャパシタを汚損する傾向があるスライム状水酸化物を形成する鉄を除去するのがよい。更に、超純水を製造するためには、消イオン用イオン交換床をキャパシタの下流に最終仕上げ工程として設けるのが望ましい。
例1
第2図の積み重ねワッシャ形流通式キャパシタは、高表面積層(1)に焼結活性炭を使用し、導電性裏打ち体(2)にポリカーボン製の黒鉛フォイルを使用して組み立てられている。焼結活性炭ワッシャは、カンサイコークアンドケミカル社から得られた。これらのワッシャの外径は3.81cm(1.5インチ)であり、内径は1.905cm(0.75インチ)である。ワッシャの厚さは0.117cm(0.046インチ)である。非常は0.7g/mlであり、活性炭の結合剤に対する比は7:3である。使用された活性炭は、2000m2/gのBET表面積を有する。中央チューブは、長さが2.54cm(1インチ)で、外径が0.953cm(3/8インチ)で、内径が0.635cm(1/4インチ)のポリ塩化ビニル製であり、側部に穴が穿たれており、端部にねじ山(6)が設けられている。端キャップは、厚さが0.635cm(0.25インチ)のポリ塩化ビニル製であり、直径が4.572cm(1.8インチ)であり、端キャップを中央チューブ(5)の両端に螺合させることができる雌ねじを備えている。スペーサは、長さが1.905cm(0.75インチ)で幅が0.159cmで厚さが0.025cm(0.01インチ)の6個のテフロン(登録商標)製のシムからなる。これらのシムは、第3D図に示すように、電極の頂部で半径方向に拡げられている。陽極及び陰極は、全部で10gの10個の焼結カーボンワッシャで形成されており、これらのワッシャは、焼結活性炭高表面導体(1)で導電性裏打ち体(2)を挟んだ四つの中間両面電極、及び導電性裏打ち体を外側に備えた二つの片面端部電極が焼結活性炭高表面積導体(1)及び端キャップ(7)の間に配置されている。導電性裏打ち層(2)と一体に形成されたタブ(4)は合わせられて陽極リード及び陰極リードを形成し、これらのリードは、金製の圧力接点を介してワイヤリードに接続されており、これらのワイヤロッドは直流電源に延びている。
【0060】
このキャパシタは、カートリッジホルダの内側に配置されていない。中央チューブの一端は、ウレタン樹脂でシールされている。他端は、ポンプまで延びる所定長さのプラスチックチューブに連結されている。流通式キャパシタは、200mlの開放供給溶液容器の内側に配置されている。供給溶液は、キャパシタを通して負圧で圧送される。別の態様では、チューブ端部を供給溶液内に置き、溶液を正圧で圧送することができる。
【0061】
第16図は、本発明の有用性を示すため、飽和していないNaCl供給溶液を用いた実験1及び2をグラフで示す。これらの実験では、上文中に説明した例1の流通式キャパシタを使用した。
実験1−NaClの連続浄化
条件:供給溶液 1035μS(μmho) NaCl
流速 0.58ml/分
電圧 2v
結果:
この実験では、1035μSの供給溶液を2桁以上浄化し、9μSの製品溶液が得られたことを示す。これは、濃度の高い供給溶液から非常に純粋な製品流れを製造できるということを示す。更に、これは、長く蛇行した流路でなく多くの短い平行な流路を持つように設計されたキャパシタが非常に純度の高い製品を製造するということを示す。
実験2−速い流速でのNaClの連続浄化
条件:供給溶液 1035μS(μmho) NaCl
流速 4.2ml/分
電圧 2v
製品溶液 223μS程度
結果:
この実験は、実験1よりも7倍以上速い流速で75%以上が強化されたことを示す。
【0062】
第17図は、飽和供給流についての本発明の有用性を試験する実験3をグラフで示す。実験3で使用されたキャパシタは上述の実験1で説明したものである。
実験3−飽和CaSO4 の同時バッチ浄化及びバッチ濃縮
飽和CaSO4 は、蒸留水を過剰のCaSO4 と混合し、この混合物を溶質が過剰に存在する状態で一晩に亘って放置することによってつくられる。
初期条件:
飽和CaSO4 溶液の最初の導電率は、1906μSである。
【0063】
この飽和溶液を200mlの等量の二つの容積に分ける。
【0064】
流速:12.5ml/分 バッチ流。バッチ流とは、流体がキャパシタを通して円形のループをなして圧送され、供給溶液と再び組み合わせられるということを意味する。
方法
キャパシタを二つの200mlの飽和CaSO4 溶液のうちの一方に連結し、バッチモードで2vで5分間に亘って作動する。その後、キャパシタが完全に排液されるまで、キャパシタを通して空気を圧送する。次いで、第2の200mlの飽和CaSO4 の容積をキャパシタを通して圧送すると同時にキャパシタを短絡させる。このプロセスを20回繰り返す。浄化サイクル及び濃縮サイクルについて常に同じ溶液を使用する。各充電サイクル間で極性を逆転させる。
【0065】
結果のグラフを第17図に示す。20回の充電サイクルの後、バッチ式で浄化した溶液は、802μSまで浄化される。20回の放電サイクルの後、バッチ式で濃縮した溶液の濃度は2470μSまで上昇する。この濃縮溶液は過飽和状態になる。この過飽和溶液の温度を熱水浴中で上昇させると、結晶が溶液の中で沈んでいくのが観察される。この溶液の上澄みを取り出し、保存でき且つ再生流として再使用できる飽和溶液を提供する。分離された結晶を固体廃物として集めることができる。
【0066】
飽和溶液を浄化するとき、興味深い現象が観察される。充電/放電サイクルを約10回繰り返した後、キャパシタが、バッチ式で浄化される溶液を段階的に浄化することが観察される。200mlのバッチの浄化は主に、全ての充電サイクルで起こる。飽和溶液から形成される沈澱は、更に好ましくは、陽極又は陰極のいずれか一方で形成され、先ず最初に、任意の新たな正味吸収が浄化陽極で起こる前に脱着されなければならない。これによって、第17図で観察される段階的挙動が起こる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1図は、本発明のワッシャ形キャパシタの概略分解図である。
【図2】第2図は、本発明のワッシャ形キャパシタの概略分解図である。
【図3】第3A図乃至第3G図は、本発明のキャパシタで使用できる様々なスペーサの図である。
【図4】第4A図は、第1図又は第2図の組み立て済のキャパシタカートリッジを示す図であり、 第4B図は、カートリッジホルダ内に配置された第4A図の組み立て済のキャパシタカートリッジを示す部分断面図である。
【図5】第5図は、短く太い本発明の螺旋巻きキャパシタを部分的に組み立てた形態で示す図である。
【図6】第6図は、カートリッジ内の組み立て済の第5図の螺旋巻きキャパシタを示す図である。
【図7】第7A図は、三日月形プリーツをなしたキャパシタの部分的に組み立てた形態を示す図であり、第7B図は、第7A図のキャパシタの組み立てを完了した状態の図である。
【図8】第8図は、本発明の多マニホールド流通式キャパシタを示す部分断面斜視図である。
【図9】第9図は、分解した状態の本発明の平形キャパシタの分解図である。
【図10】第10図は、組み立て済の本発明の平形流通式キャパシタを箱状カートリッジに収めた状態を示す図である。
【図11】第11A図は、本発明の六角ロッドキャパシタの概略部分斜視図であり、第11B図は、本発明の六角形キャパシタの別の実施例の概略部分斜視図である。
【図12】第12図は、カートリッジ内の第11A図又は第11B図の六角ロッドキャパシタの部分分解概略斜視図である。
【図13】第13A図乃至第13F図は、本発明のキャパシタで使用するための様々なモノリシック電極の概略図である。
【図14】第14図は、本発明のキャパシタを使用したシステムの概略図である。
【図15】第15図は、本発明の多キャパシタシステムを示す概略図である。
【図16】第16図は、NaCl溶液の導電性の実験データを、ml単位の流体の累積容積に対してマイクロジーメンス(μS)で示すグラフである。
【図17】第17図は、飽和CaSO4 溶液の導電性の実験データをキャパシタの充電−放電サイクルの数に対して示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
流通式キャパシタ(flow-through capacitor)は、多数のほぼ平行な開放流路で形成できるということがわかっている。本発明のキャパシタは、この設計及び方法を使用し、コンパクトで製造が容易な構造を持つ耐汚性(foul-resistant)流通式キャパシタを提供する。
【背景技術】
【0002】
流通式キャパシタは、従来技術で説明されている(例えば、アンデルマンに賦与された米国特許第5,360,540号、米国特許第5,192,432号、米国特許第5,196,115号、米国特許第5,200,068号、及び米国特許第5,415,768号、ベナックに賦与された米国特許第3,658,674号、アンデルマンが出願したPCT国際出願第US94/05364号を参照されたい)。PB200 056の米国内務省の塩水研究開発促進庁が1970年3月に発行した、アレンM.ジョンソン等の「水を脱塩するための電気吸着プロセス」という標題のリポート第516号、及びジョセフファーマーに賦与された米国特許第5,425,858号には、流通式キャパシタ又は流通式消イオンシステムが記載されている。
【0003】
従来技術の流通式キャパシタは、供給流中の溶質を濃縮し、濃縮廃液流にすることによって機能する。これには二つの重大な欠点があった。第1の欠点は、廃液を回収して濃縮廃液流にする方法は、廃水を発生するということである。廃水はどのような種類のものであろうと、多くの場合、大きな処理費用がかかる。
【0004】
従来技術の別の欠点は、汚損が起こり易いということである。多くの環境水中に存在する硫酸カルシウムや炭酸カルシウム等の溶質は、飽和状態で又は飽和状態近くで存在する。飽和点を越えて濃縮すると、このような溶液はスケールを発生して装置を汚損する傾向がある。汚損は、逆浸透装置や電気透析装置等の廃水装置で周知の問題点であり、このことは、飽和点を越えて溶質を濃縮する流通式キャパシタにも共通する。
【0005】
更に、一般的に存在する濁り、コロイド、及び粒子が流れチャンネルを塞ぎ、付着物を形成する。ベナックに賦与された米国特許第3,658,674号には、硬質の井戸水(hard well water )で使用した場合にすぐに詰まってしまう流通式キャパシタが記載(第4コラムの第66行目乃至第68行目)されている。更に、この明細書には、硫酸カルシウムの浄化に関する問題点が記載(第5コラムの第27行目乃至第37行目)されている。アンデルマンに賦与された従来の米国特許第5,360,540号、米国特許第5,192,432号、米国特許第5,196,115号、米国特許第5,200,068号、及び米国特許第5,415,768号、米国特許第3,658,674号、PB200 056の米国内務省の塩水研究開発促進庁が1970年3月に発行した、アレンM.ジョンソン等の「水を脱塩するための電気吸着プロセス」という標題のリポート第516号、及びベナックに賦与された米国特許第3,658,674号の全てに多孔質スペーサ層を持つ流通式キャパシタが記載されている。スペーサ層の孔は、供給流中に既に存在する濁り並びにキャパシタの使用中に発生する沈澱及び結晶によって詰まり、汚損される。
【0006】
ジョセフファーマーに賦与された米国特許第5,425,858号には、長く蛇行した流路を持つ開放チャンネルをスペーサ層が構成する流通式キャパシタが記載されている。ファーマーの特許では、流路は、外側に直接的に開放しているばかりでなく、ガスケットによって包囲されており、連続した多数の構造層の穴の間に強制的に流され、その後、出口を通って流出する。蛇行したチャンネルは、屈曲部を構成し、そこに結晶や沈澱が溜まり、これによって流路を塞ぐ。多くの連続した構造層の流体流通穴は、流れを更に制限し、汚損が起こる多くの場所を提供し、固体で流路が塞がる機会を多くする。運動学的結晶プロセスで沈澱が形成し汚損や結晶を引き起こす前に飽和廃液をキャパシタからフラッシングするためには、短い流路が好ましい。蛇行したチャンネルを形成する長い流路は、結晶化が起こる前にキャパシタのフラッシングを行うのを困難にする。ひとたび固体がキャパシタの内側に形成されると、これら長い閉鎖流路を通してフラッシングするのが更に困難になる。
【0007】
ファーマーの特許には、この他にも欠点がある。プレートフレーム設計は、多数の密封ガスケットを用いる。これは、漏れが起こる機会を多くし、従って、重量がある構造的な金属製端プレート及び積み重ねをしっかりと圧縮するためのねじ山を備えたロッド等のハードウェアを必要とする。金属製の構造的端プレートは導電性であり、従って、ガスケットスペーサの他に余分の非導電性絶縁層を端部電極と端プレートとの間に必要とする。ファーマーの装置の電極は、二つの高表面積層間に挟んだチタニウム製の薄いシートからなる。漏れ止めシールを行うためには、チタニウム製金属シートもまた、アンデルマンの特許に記載された薄い金属フォイルでなく、厚く且つ構造的でなければならない。これは、システムの価格を引上げ、大きくする。チタニウムは弁金属(valve metal )であり、流通式キャパシタの使用中に生じる条件で非導電性酸化物を形成するため、チタニウムは最良の選択ではない。最後に、ファーマーの装置は、チタニウムシートと高表面積材料との間で圧縮接触でなく導電性エポキシを使用する。これは、電気接触部の抵抗を不必要に増大する。接触部の形成に接着剤を使用すると、結合部の最終的な劣化によりキャパシタ装置の寿命が短くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、新たな改良された流通式キャパシタ装置、方法、及びシステムに対する満たされないままの大きな必要がある。このようなキャパシタは、汚れに対して抵抗性がある。更に、このようなキャパシタが廃水を全体として減少するか或いはなくすのが望ましい。最後に、このようなキャパシタは、製造が容易であり、価格を引き上げたりキャパシタの有用性を制限する不必要な部品がないのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、耐汚性キャパシタ、システム、及び方法に関し、更に詳細には、キャパシタを詰まらせたり汚損したりする溶質又は流体を分離するためのキャパシタ、システム、及び方法に関する。
【0010】
本発明は、電源に接続されるようになった少なくとも一つの陽極及び少なくとも一つの陰極を持ち、溶質又は流体、詳細には、溶質又はキャパシタを汚損する傾向がある飽和流体又は実質的に飽和した流体の分離、電気浄化、濃縮、回収、又は電気化学的処理即ち分解で使用するように構成された流通式キャパシタからなる。
【0011】
キャパシタは、高表面積導体を含む一つ又はそれ以上の間隔が隔てられた陽極−陰極対を含んでおり、溶質又は流体用の開放した短い流路を有することを特徴とする。この流路は、キャパシタの外側と直接連通している。
【0012】
本発明の耐汚性流通式キャパシタは、飽和溶液を処理できる。流通式キャパシタは、過飽和溶液からの汚損沈澱及び結晶の形成が動的プロセスであるということを考慮に入れている。従って、流通式キャパシタ設計は、キャパシタを通る流体流路が短く、全体に直線状で開放しているように形成されている。キャパシタ内の固体を最適に且つ妨げなく洗い流すことを可能にするため、この流路をキャパシタの外側に対して直接的に開放し、多数の穴や制限部に直接通さないのが望ましい。従って、間隔が隔てられた電極によって形成された開放チャンネルは、キャパシタの外側面と直接的に連通している。これらのチャンネルは、ガスケットによって包囲されておらず、好ましくは、一つの寸法が流れに対する抵抗を全く備えていない。可能な場合には、流路を広幅にするのが望ましい。
【0013】
キャパシタの外側面と直接連通した短く真っ直ぐな開放流路には多くの利点がある。飽和溶液及び過飽和溶液を含む廃液又は供給溶液を、結晶プロセスが起こる前に、キャパシタからフラッシングで追い出すことができる。廃液又は供給溶液が、キャパシタの内側で結晶を形成するのに十分長い時間に亘ってキャパシタに残っている場合には、このような汚損結晶を直線状で開放した流路からフラッシングで追い出すことができる。供給流中に存在する濁り又は粒子もまた、システムを汚損することなく、キャパシタを通して追い出すことができる。更に、流路が外側に直接開放しているため、キャパシタを分解しないで電極間を機械的に清掃することができる。
【0014】
ほぼ直線状で短い開放した広幅の溶質流路は、キャパシタの多孔質スペーサに代えて、多数の薄いストリップ、シム、ワッシャ、又は開放ネット(open netting)(例えば、テキサス州オースチンのナレプラスチック社がナルテックス(Naltex)の商標で販売している開放ネット)、好ましくは双方向濾過ネット(bidirectional filteration netting )を使用することによって形成できる。スペーサは、任意の不活性の非導電性材料であるのがよく、これには、テフロン(テフロン(Teflon)は登録商標である)等の炭化弗素ポリマー、セラミックビード、ワッシャ賦形体、個々のシム、又はプラスチックネット、好ましくは複葉濾過ネット(biplanar filteration netting)が含まれるがこれらの材料に限定されない。スペーサは、トン等に賦与された「電気的貯蔵装置で空間セパレータとして使用するための微小突起のスクリーン印刷」という標題の米国特許第5,384,685号に開示されているように、電極上にスクリーン印刷された微小突起を含むのがよい。同特許に触れたことにより、その特許に開示されている内容は本明細書中に組入れたものとする。要するに、断面が薄い任意の形状の非導電性の任意の材料を使用してキャパシタの陽極と陰極とを離間することができる。
【0015】
スペーサは、必ずしも別の層でなくてもよく、内部支持体又は外部支持体に組み込んであってもよい。例えば、内部支持ロッドにライザー又はノッチを設け、これらのライザー又はノッチを使用して電極を離間することができる。同じことを外部支持体即ちスカッフ(scaffold)で行うことができる。キャパシタの内部抵抗をできるだけ低く保つため、電極間の空間はできるだけ狭くなければならない。しかしながら、流路が狭過ぎる場合には、層間が誤って短絡する可能性が大きくなり、汚損が起こる可能性が高くなる。一実施例におけるスペーサの最適の厚さは、約1.27mm(約50ミル)以下であり、例えば約0.127mm乃至0.508mm(約5ミル乃至20ミル)である。
【0016】
本発明は、流路を形成するためにぴったりとシールされたガスケットを備えたスペーサを必要としないため、スペーサ材料の性質は、弾性であったりゴム様であったりする必要がない。スペーサ材料は、電極を離間するためだけに役立ち、キャパシタにシールを形成しない。従って、層を互いに保持し、又は導電性の高表面積層間を電気的に接触し、随意の導電性裏打ち層を電極と接触するのに十分な圧縮力だけが必要とされる。端キャップが必要とされないか或いは、機械的強度が低いプラスチック材料等の非導電性材料を使用できる。従って、重量のある構造的金属製の端キャップ及びねじ山を備えた連結ロッドをなくすことができる。その結果、端プレートと端部電極との間に配置された以前の即ち従来技術の装置の絶縁層をなくすことができる。全体に直線状であり且つ開放した流路を組み込んだ多くの可能な幾何学的形体がある。好ましくは、流路は、短くなければならず、外側面と直接連通していなければならない。更に、スペーサは、同時に、高表面積層と導電性裏打ち層との間を圧縮接触するための内部支持体を提供するように機能する。可能であれば、広幅の流路が望ましい。一般的には本発明は、好ましい実施例では、間隔が隔てられた電極層を通る多数の直線状の平行な流路を使用する。
【0017】
流路の幅は、短くなければならず、厚さと同様に、約1.27mm(約50ミル)以下であり、更に代表的には、約0.127mm(約5ミル)から0.508mm乃至0.764mm(20ミル乃至30ミル)である。流路の長さもまた短くなければならず、通常は、キャパシタのX−Y−寸法よりも小さい寸法でなければならず、例えば、約30.48cm(12インチ)以下であり、例えば、約15.24cm(6インチ)又はそれ以下である。
【0018】
電極は、任意の高表面積材料から形成されているのがよい。高表面積導体の導電性を高めるのが望ましい場合には、別の導電性裏打ち層を電極と直接接触した状態で使用するのがよい。電極の固有導電性が十分である場合には、導電性裏打ち層を省略することができる。キャパシタの内部抵抗をできるだけ低くするのが望ましい。内部抵抗は、キャパシタの充電時間に制限を加え、これにより、最終的な質量及び流体流量が直接的に制限され、その結果、溶質及び溶液を浄化できる。約4オーム以下、例えば1オーム以下の内部抵抗が好ましい。
【0019】
電極は、モノリシックの高表面積導体から少なくとも一つの陽極/陰極対をなしてつくられているのがよい。高表面積材料が導電性であるが、最適の導電性でない場合には導電性裏打ち体を使用するのがよい。本発明で使用するのに適した高表面積導体は、活性炭、ハロゲン処理を施した活性炭、カーボンフォーム、カーボンエーロゲル及びエーロゲル複合材料、ナノチューブ、特に多孔質の又はネットワーク形体の導電性ポリマー、重合フラレネス(fullerenes)、又は任意の高表面積導体を含むが、これらに限定されない材料を使用できる。導電性セラミックを、それ自体で、又はファイバ、フォーム、粉体、又はエーロゲル等の様々な形態のカーボンが含まれる高表面積物質に含浸させた状態で使用することもできる。一般的には、電気的に賦勢した小さな又は大きな分子を、キャパシタンスを改善する高表面積導体上に吸収し、キャパシタの機能を改良する。別の好ましい高表面積導体は、ゾル/ゲル技術を使用して形成された導電性遷移金属の酸化物、窒化物、又は硼化物である。粉体状高表面積材料をモノリシック電極内に焼結し、或いは、粉体状高表面積材料とモノリシック電極とを結合材料で互いに結合する。
【0020】
裏打ち層が必要とされていない場合には、固有導電性電極は、高表面積の黒鉛状炭素、高表面積エキスパンドメタル、金属ファイバ、又は金属メッシュを含む。例えば、高表面積プラチナ黒(platinum series black )でコーティングしたチタニウムファイバが周知であり、電極材料として市販されている。この他の例には、プラチナでコーティングしたニオブ及び気泡金属が含まれる。高表面積カーボン材料を金属又は黒鉛のファイバ又はメッシュと混合し、モノリシックユニットに形成するのがよい。
【0021】
別の種類の電極には、導電性裏打ち体とぴったりと接触した非導電性高表面積材料が含まれる。これの一例が、蝕刻チタニウム又はアルミニウムの酸化物層、酸化させた導電性セラミック、又は任意の高表面積導体に付着させた薄いフィルムである。この材料を備えたキャパシタには、溶液が導体と直接接触しないように保護されるという利点がある。従って、キャパシタは、溶液の分解電圧によって制限される剥き出しの高表面積導体と異なり、はるかに高い最大50v又はそれ以上の電圧で作動できる。
【0022】
本発明を、実施例と関連して単なる例示の目的で説明するが、当業者は、実施例又は例示の実施例に対し、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、変形、改良、及び付加を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
流通式キャパシタの様々な形状を使用できる。これらの形状は、共通して、短く直線状で開放した流体流路を備えている。添付図面に示すこのような好ましい設計は、全て、多数の平行な流路を同じキャパシタ内に備えている。簡単のため、以下の議論では一つの流路だけに言及する。更に、全てのキャパシタは一般的には、外側と直接連通した流路を有する。第1図及び第2図は、中央チューブ又はロッドの周りにワッシャ形電極を備えたキャパシタを示す。流路は、ワッシャ電極間にあり、中央チューブを通って出る。第6図は、短く太く螺旋状に巻いた構成を示す。この構成では、流路は電極間で中央軸線に沿って長さ方向に延びる。螺旋状に巻いたキャパシタは、構造的中央ロッド又はチューブを有するのがよい。更に、電極は、様々な平らな又は円筒形の形状で相互係止し又は重なり合ったプリーツをなしているのがよい。第7A図及び第7B図は、電極が中央チューブの周りに重なりプリーツをなして配置された三日月形プリーツ設計を示す。この設計では、電極間の流路は水平方向に延び、その後、中央チューブを通って長さ方向に出る。中央チューブには、その長さに沿って穴が設けられている。別の態様では、中央チューブの代わりに、流路がロッドの長さに沿ったリブ又はチャンネルを通る波形ロッドを使用するのが有利である。第9図は、矩形の電極でつくられた平形キャパシタを示す。このキャパシタでは、流路は電極、電極間の短い寸法を通る。別の態様では、これらの多数の電極に代えて二つ又はそれ以上の相互係止プリーツ状電極を使用することができる。
【0024】
流路を短くすることに加え、キャパシタは、充電サイクル毎に極性が逆転するように、電極上で正味増加が起こらないように作動しなければならない。電極が電気的に活性であるため、極性を逆転させることによって、前に陽極であった電極を陰極にし、前に陰極であった電極を陽極にする。従って、好ましくは陽極又は陰極のうちのいずれか一方に形成された沈澱物及び付着物が強制的に除去され、これによって、キャパシタの汚損を更に減少する。汚損を更に小さくするため、例えば充電サイクル又は放電サイクル毎に流れを逆転させることによって流通式キャパシタの逆洗を行わなければならない。これは、任意の一方の方向に正味流れがないため固形物の増加を阻止するのを助ける。更に、キャパシタを僅かに過電圧で連続的に又は時々作動するのが望ましい。これにより、小さな電気分解が生じ、これによって、電極を微生物及び汚れが付いていない状態に保つ。
【0025】
短く直線状の開放流通式、極性逆転、及び随意の逆洗の組み合わせにより、本発明の流通式キャパシタは、飽和溶液の場合でも浄化を行うことができ、このような溶液を結晶化が起こるまで常に濃縮できる。この現象は、別の利点をもたらす。本発明のキャパシタの直線状の開放流路が提供する耐汚性により、廃液でなく固形物を発生するように流通式キャパシタを作動させることができる。この結果を得るためには、流通式キャパシタを飽和廃液タンクに連結する。再生サイクル中、キャパシタは廃液タンクからの飽和溶液によって満たされている。キャパシタは、この飽和水内に排出し、次いでこれを廃液タンク内に洗い戻す。そのイオンの脱着時にキャパシタがこの飽和廃水を過飽和させるため沈澱が生じる。本発明の設計の直線状で開放した流路により、沈澱をフラッシングしてキャパシタの外に直接的に出し、回収又は除去を行うことができる。沈澱は、廃液タンクの底に沈降する。これは、上澄みを取り出すことによって、又は濾過を行うことによって、別々に集めることができる。このプロセスは、無期限に繰り返すことができる。別の態様では、廃液は、沈澱を形成するのでなく、過飽和させるのがよい。この場合には、加熱、冷却、振動、結晶のタネを入れること、pH調節、又は他の沈澱方法によって溶液の沈澱をトリガーできる。
【0026】
本発明のキャパシタ設計が解決した従来技術の別の欠点は、キャパシタのデッド容積による製品溶液の希釈である。米国特許第5,425,858号に記載されたキャパシタは、250mlのデッド容積を有する。このデッド容積は、放電後に残る廃溶液を新たな供給溶液でフラッシングして出す必要があり、従って追加の廃水を発生するため、有害である。この廃液がフラッシングで適切に出されなかった場合には、浄化サイクル中のキャパシタの充電時にキャパシタがキャパシタ内に未だ存在する濃縮された廃液を非効率に再浄化する。この非効率は、この場合のキャパシタが迅速に飽和するため、供給溶液の濃度が増加するに従って益々悪化し、再生を行う必要が更に頻繁になる。キャパシタの再生回数が多くなればなる程、製品溶液がデッド容積で汚染される機会が多くなる。
【0027】
本発明の流通式キャパシタは、キャパシタを加圧ガス源に連結する等によって、デッド容積の問題点を小さくする。加圧ガスは、製品と反応したり製品を汚染しないように選択された空気、窒素、又は他のガスである。内側の容積をガスで追い出すことができるようにする上で、短く且つ直線状の流れチャンネルが最適である。これとは対照的に、従来技術のキャパシタの蛇行したチャンネル内に収容された液体は、保護されたポケットを形成する傾向があるため、追い出すのが困難である。このようにデッド容積をガス又は流体で追い出すことは、他の特許の多孔質スペーサ設計についても困難である。これは、チャンネリングのためである。製造誤差があると、ガス又は液体のチャンネリングが生じ、ガスによる廃液の追い出しが不均等になる。従来技術には、デッド容積の追い出しにガスを使用するものはなかった。
【0028】
二つ又はそれ以上の耐汚性短流路キャパシタは、システム中で連続的に作動でき、一方の充電時に他方が放電する。エネルギを回収するため、放電しているキャパシタを使用して他のキャパシタを充電することができる。充電済の単一のキャパシタは、他のキャパシタをこれらのキャパシタの電圧が等しくなるまで充電するのに使用できるだけである。これは、同じ大きさの二つのキャパシタの間で、放電中のキャパシタのエネルギの半分を無駄にする。しかしながら、半分充電されたこれらの二つ又はそれ以上のキャパシタを直接に接続することができる。直列に接続されたキャパシタの直列電圧は、加算される。キャパシタを直接に接続することによって、消耗したキャパシタのエネルギを使用して他のキャパシタを連続的に充電することができる。米国特許第5,475,858号には、他のキャパシタのエネルギを回復して再充電するために単一のキャパシタを使用することが記載されているが、直列に接続すると、残りの半分の未使用のエネルギからエネルギを取り戻すことができる。
【0029】
システム内の多くのキャパシタにより、連続した製品流を提供するため、充電及び放電を交互に連続して同時に行うことができる。連続した流れは、単一の流通式キャパシタによっても、充電サイクル間又は放電サイクル間で流れを平均化するのに使用される滞留タンクを下流に設けることによって、得ることができる。
【0030】
流通式キャパシタの別の改良は、プラチナ、チタン、又は触媒特性を持つ他の金属等の金属をカーボン電極にドーピングすることを含む。これにより、塩素を含む炭化水素、クロロホルム、及び他の危険な有機分子をキャパシタで更に容易に電気化学的に破壊することができる。金属は、炭化水素からのハロゲンを除去又は有機分子の分解等の反応の賦活化エネルギに打ち勝つ。
【0031】
流通式キャパシタを制御するための好ましい方法は、キャパシタをそれ自体のセンサとして使用することである。このシステムでは、電流及び時間の両方を記録する。電流は、分路抵抗器を通して計測される。コンピューターは電流を時間で積分し、キャパシタに送られた総充電量を計算する。キャパシタに送られた総充電量が、予め設定された値を越えた後、制御装置が再生サイクルを自動的に賦勢する。このサイクルには、先ず最初に電源を断つ工程を含み、その後、電子部品の安全を図るために短時間待機し、負荷を通してキャパシタを短絡し、適当な弁及びポンプを賦勢し、廃物流を選択してこれを製品流から隔離する。
【実施例】
【0032】
第1図は、積重ねワッシャ形流通式キャパシタを示し、このキャパシタの高表面積電極は裏打ち層を含む。これらの電極は、高表面積導体1及び導電性裏打ち体2を組み合わせてなるものである。端部電極は片面電極であっても両面電極であってもよいが、中間電極は、好ましくは両面電極である。高表面積層1と導電性裏打ち層2との間の電気的接触は、好ましくは、圧縮接触によってなされる。圧縮接触は、端キャップ7に設けられたねじを中央ロッド又はチューブ5の周囲のねじ山6に締め付けることによって行われる。電極は偶数個設けられており、少なくとも一つの陽極/陰極対を形成する。このように形成された陽極及び陰極は、スペーサ3によって離間されている。一体のリード4が導電性裏打ち体(2)から延びている。
【0033】
これらのリードを互いに接続し、交互の陽極層及び陰極層を、リード自体と平行に整合した状態で、別々に接続することができ、或いは、これらの陽極層及び陰極層を互いに合わせて同じ目的を達成し、電気リードを形成することができる。
【0034】
流体は、間隔が隔てられた電極間を流れ、穴9を通り、次いで中央チューブ5を通って流出する。穴を備えたチューブに代えてリブ付きロッドを使用でき、この場合には、流体は、長さ方向リブの側部に沿って流れる。カートリッジがカートリッジホルダ(第4図参照)の内側で漏れ止めシールを形成できるようにするワッシャ手段8が設けられている。
【0035】
第2図は、十分に導電性であるために導電性裏打ち体を必要としない、高表面積電極を備えたワッシャ形流通式キャパシタを示す。一体のリード4が高表面積導体1に取り付けられている。導体は、スペーサ3によって離間された交互の陽極−陰極対を形成する。
【0036】
第3A図乃至第3G図は、本発明の流通式キャパシタで使用できる様々な種類のスペーサを示す。スペーサは、濾過用ネット(例えばナルテックス(Naltex))等の開放ネットの形態(第3A図参照)であるのがよい。このネットは、対称的であってもよいし、非対称的であってもよい。複葉ネットが好ましい。これは、この種の織物が、ネットの表面に沿った流路を妨げないためである。スペーサ材料は、ロバート、トン、等の米国特許第5,384,685号のスクリーン印刷によって付けられた微小突起等の突起を更に有するのがよい。一つの好ましい実施例は、星型スペーサ(第3C図参照)等のワッシャ形円形スペーサである。別の好ましい実施例(第3D図参照)は、陽極/陰極間に置いてこれらの電極を離間するシム、小ロッド、又は糸を含む。更に、中央チューブに設けられた間隔が隔てられたノッチや、電極が上側に置かれるようになった間隔が隔てられたライザーを持つ外部スカッフ装置(第3E図参照)等の、中央支持体又は外部支持体から一体成形されたスペーサが示してある。
【0037】
場合によっては、短くて直線状の流路を用いるのでなく、その代わりに多数の平行な外側に対して全体に開放した流路を提供するのが望ましい。しかしながら、これらの流路もまた制限されており、即ち、長く且つ蛇行している。この場合には、電極表面に対してぴったりとシールされる限り、第3F図及び第3G図に示すスペーサを使用するのがよい。流れを制限して螺旋状の即ち蛇行した流路にすると、線速度が上昇する。これには、乱流を大きくし、汚れを除去するための研削作用を大きくするという利点がある。この多流蛇行流路は、大幅な圧力降下が起こる可能性をなくし、従来技術よりも効果的な技術を提供する。これらのスペーサは、第1図及び第2図のワッシャ形キャパシタで使用される物として示したが、これらのスペーサは、他のキャパシタで使用されるように適合させることができる。
【0038】
更に、多数の平行な流路により、長過ぎることによる圧力降下の問題点を起こすことなく、個々の流路に余分の長さを加えることができるということに着目すべきである。最も厳密な意味で短く且つ直線状の流路が理想的であり、これは多くの場合で好ましい。一つの例外が水酸化鉄生成物等のゲル状の汚れであり、これを破壊するには、乱流又は非常に速い流れを必要とする。可能な限り短く且つ直線状で広幅の流路を必要とする最も一般的な例は、迅速に結晶化する溶液である。いずれの場合でも、本発明の流通式キャパシタは、所望の短い多流路設計を使用するため最適のプロセス機能を可能にする。
【0039】
第4A図及び第4Bは、第1図又は第2図の組み立て済の流通式キャパシタを示す。スペーサは、高表面積導体1間に開放空間10を形成する。ワッシャ状電極が中央チューブ5の周りに組み立てられており、端キャップ7によって所定位置に保持されている。リード4が交互の電極を相互接続し、陽極/陰極対を形成する。陽極は陽極に接続されており、陰極は陰極に接続されており、並列構成をなす。第4B図は、カートリッジホルダ17内に置いた第4A図の組み立て済の流通式キャパシタを示す。カートリッジホルダには、ねじ山16を備えた蓋15がねじ込み装着されている。蓋には、黒鉛製の二本のロッド12が設けられている。蓋15をカートリッジホルダ17にねじ込むと、黒鉛ロッドが二つの同心の電気接点18と電気的に接触する。これらの二つの接点は、陽極及び陰極をそれら自体と相互接続する束をなしたリードに電気的に接続されている。黒鉛ロッド12は、制御された張力及び下方への力を提供するばね11に取り付けられており、これにより同心の導体18と電気的に接触する。金属キャップ13が黒鉛ロッド12に圧縮されてこれと電気的に接触し、直流電源に接続するためのワイヤリード14に電気的に接続されている。蓋15には入口19が設けられており、カートリッジホルダ17には出口20が設けられている。ワッシャ手段8が蓋とカートリッジホルダとの間で漏れ止めシールを形成する。流路は、入口を通り、次いで間隔が隔てられた電極層間を通り、出口から流出する。
【0040】
第5図は、高表面積導体1、随意の導電性裏打ち体2、及びネット又は開放メッシュ形態のスペーサ材料3を使用する本発明の螺旋巻きキャパシタを示す。電気リード4が、導体1から形成された電極又は随意の導電性裏打ち体2から延びている。キャパシタは、随意であるが、構造的中央ロッド5に巻き付けてあるのがよい。このキャパシタは、好ましくは、短く且つ太くつくられており、中央軸線に沿って下方に向かって計測したキャパシタの長さよりも広い幅を備えている。
【0041】
第6図は、カートリッジホルダ又はパイプ部品17に入れた第5図の短く太いキャパシタを示す。パイプ17には、入口19及び出口20を持つ蓋15が装着される。一体のリード4を互いに並列の束にする。ワイヤリード14は、蓋15を通って漏れ止めシールされた状態で延びている。ワイヤリード14と束をなしたリード4との間に接点23が形成される。一体のリード4が黒鉛フォイルである場合には、圧縮接触を行うのが好ましい。これには、随意であるが、金又は不活性金属接点を使用する。キャパシタは、プラスチック製収縮包装チューブ22内にシールされている。この実施例では、中央チューブ即ち導管には、チューブの選択された位置に、一般的にはチューブの中央に一つ又はそれ以上の穴が設けられている。これらの穴は、通常は、チューブの周囲に間隔が隔てられている。キャパシタ層自体をシールする代わりに、中央チューブの両端を出口20に連結する(第6図参照)か或いは、一端をシールし且つ他端を出口20(第6図参照)にシールする。周囲螺旋巻き高表面積導体層及び随意の導電性裏打ち層に隙間を設けることが必要とされる。この隙間は、スロット又は穴21(第6図参照)を切込み、これらの穴又はスロットを中央チューブの穴と整合させて半径方向流路を形成することによって形成される。この実施例では、流体流れは、入口19を通過し、次いで、スペーサのメッシュ又はネットが電極層間に形成する空間を通り、流体が中央チューブの中央隙間又は穴に到達するまで上方及び下方の両方に移動し、流体は中央チューブ即ち導管の一端又は両端から引き出され、出口20を通る。別の態様では、螺旋巻きキャパシタを、パイプ即ちカートリッジ17の内側に、第12図の束ロッドキャパシタについて説明したのと同様の方法で、O−リングガスケットを用いてぴったりと装着する。この態様では、流路は入口19を通り、電極層間でキャパシタを下方に通過し、スペーサのメッシュ又はネットが形成する空間を通り、その後、出口20を通る。蓋15は、端キャップの形態をなしているのがよい。蓋15及びパイプ17は、PVC、テフロン(登録商標)、ステンレス鋼を含む金属、プラスチック、又はセラミック等の任意の材料でできているのがよい。
【0042】
第7図は三日月形プリーツ設計を示す。この設計では、個々の層は中央軸線の周囲の回路を完成していない。これらの層は、高表面積導体1、随意の導電性裏打ち体2、及びネット又は開放メッシュ材料3でできている。一体のリード4が導体1から延びており、又は導電性裏打ち体2が使用される場合には、この裏打ち体から延びている。これらの層は、中央チューブ5の周囲に形成される。端部は、ウレタン、エポキシ、熱可塑性プラスチック等の樹脂を含む任意のシール手段でシールされる。間隔が隔てられた高表面積導体層間で、スペーサ3が形成する空間に沿って流路が形成され、この流路は穴9を通り中央チューブ5を通過する。この流路は、正確に直線状ではなく、最も短い方向に沿って三日月形プリーツの曲線に沿って延びる。
【0043】
第8図は、単一のカートリッジホルダ17の内側のマニホールドプレート25で互いにマニホールド連結された任意の種類の例えば第7図に示す種類のキャパシタ等の多数のキャパシタを示す。陽極を陽極に及び陰極を陰極に接続する一体のリード4は、ワイヤ14によって、圧縮接点23に接続されている。第6図に示すように、ワイヤ14は、入口19に装着した蓋15を通って漏れ止めをなして延びている。流路は、入口19を通り、個々のキャパシタの間隔が隔てられた電極間を通り、マニホールドプレート25を通って流れた後に合流し、出口20を通って出る。
【0044】
第9図は、箱形流通式キャパシタを示す。高表面積電極1は矩形形状であり、スペーサ3で離間されている。第9図のスペーサは、シムとして示してあるが、細いロッド、糸、ネット、又は開放メッシュ、突起、又は外側スカッフであってもよい。一体のリードは電極1から延び、これらのリードは、陽極を陽極に及び陰極を陰極に並列に接続するように互いに束にされ、電極リードコレクタ28に接続される。これらの電極リードコレクタは、内蓋15及びワイヤ29にファスナ30でねじ込んであり、ワイヤリード14に電気的に接続される。キャパシタは、多角形形状又は円形形状であるのがよい内側箱26にぴったりと嵌め込まれる。入口19及び出口20を持つ漏れ止め蓋15を箱26に装着する。
【0045】
第10図は、第9図の流通式キャパシタを組み立てた状態で示す。流路は、入口を通り、間隔が隔てられた高表面層1間を通る。随意であるが、高表面積層は、導電性裏打ち体を間に挟んでいてもよい。
【0046】
第11図は、ロッド型電極設計を示す。高表面積導体1は円形又は多角形形状例えば六角形形状のロッドをなしている。この導体は、高表面積導体用の導電性裏打ち体を形成する中央導体ロッド又はチューブ32を備えているのがよい。高表面積電極1は、中央導体ロッド32を連結するスペーサスカッフ33によって離間されている。別の態様では、高表面積電極1は、突起又はシム34によって離間されているのがよい。ワイヤリード14は、陽極を陽極に及び陰極を陰極に並列に接続する。これにより、平形電極設計と全く同じ陽極/陰極対が形成される。ワイヤリード14は、金属キャップコネクタ31を介して中央導体ロッド32に取り付けられている。金属キャップコネクタ31は、好ましくは、金やプラチナ等の不活性金属であり、中央導体ロッド32が黒鉛である場合に圧縮継手を形成する。中央導体ロッドは、任意の不活性の導体であるのがよい。中央導体ロッド32が金属製である場合には、金属キャップコネクタ31を省略でき、ロッドを簡単に引き出すことができ且つワイヤ14に直接的に取り付けることができる。
【0047】
第12図は、組み立て済のロッド形キャパシタの図である。このキャパシタでは、プラスチック製収縮包装チューブ22によってロッドが互いにシールされており且つカートリッジホルダ17に対して漏れ止めO−リング21によって支持されている。ワイヤリードが、カートリッジホルダ17に対してシールされる蓋15を通って漏れ止めをなして延びている。流れは、入口19を通り、間隔が隔てられた高表面積の導電性多角形電極間を通り、出口20を通って出る。
【0048】
第13A図乃至第13F図は、内側導電性裏打ち体を組み込んだ様々なモノリシック電極設計を示す。この設計は、高表面積層と導電性裏打ち層との間を接触させるのに圧縮装着がもはや必要とされないため、上述の全ての流通式キャパシタで有用である。第13図の電極は、内側導電性裏打ち体2を含み、この裏打ち体は、金属フォイル、黒鉛フォイル、繊維質材料、又は相互嵌入ネットワークメッシュ材料である。フォイル形態の場合には、この裏打ち材料には多くの貫通穴35が設けられている。これらの穴は、連通を可能にし且つ高表面導体を相互接続し、平らな電極の両側に積層体を形成する。別の態様では、中央ロッド即ちワイヤ導体32の周りに高表面積導体1が直接的に形成されたロッド型導体を使用できる。この材料は、互いに結合されており、即ち導電性裏打ち体を一体に含む単一のモノリシック部品をなして焼結される。例えば、空気のないところで焼結を行う前に、活性炭又はエーロゲル粉体をフェノール樹脂結合剤と混合し且つ熱間圧縮し、第13図の形状を形成する。導電性裏打ち体の穴を通して形成された相互連結部が高表面積導体を互いに保持し、これが焼結中の収縮により裏打ち体から引き離されないようにする。別の態様では、カーボンフィルム又はカーボン層を導電性裏打ち体に付着し、それをその場で活性化する。一体のリード4は、内側導電性裏打ち層又はロッド32から形成されている。
【0049】
第14図は、流通式キャパシタシステムのダイヤグラムを示す。流通式キャパシタ36は、マニホールド弁37に連結されており且つ直流電源40に接続されており、コンピューター又はプログラム可能なロジック39によって制御される。供給溶液49は、浄化済の製品を形成するため、充電サイクル中にキャパシタ36を通して圧送される即ち供給される溶液を含む。滞留タンク46が、充電サイクル中に製造された製品流れを蓄え、平均した連続的な製品流れ53を提供する。カウンター55は、キャパシタ内への単位時間当たりの流入量を計測し、流れを時間で積分して充電量を算出し、プログラムされた充電量がキャパシタに通された後、放電サイクルを自動的に開始する。この充電量は、キャパシタの所望の飽和レベルと一致する遮断点である。
【0050】
別の態様では、キャパシタの制御は、供給溶液、製品溶液、及び廃液の導電性、pH、又は濃度を監視するセンサによっても行われる。この時点で、先ず最初に電源を切り、安全性を確保するための短い時間の後、負荷を通してキャパシタを放電する。キャパシタの放電中、タンク43内に収容された廃液を三方弁38及びマニホールド弁37を通して分流し、キャパシタを通して圧送し、沈降タンク41内にループをなして戻す。キャパシタの充電サイクル中に吸収されたイオンは脱着され、キャパシタの放電中、この廃液中に排出される。廃液流50は、徐々に飽和され、又は過飽和状態になる。沈降タンク41には熱交換器44が設けられている。熱交換器44は、溶液の結晶化を阻止するため、過飽和廃液の温度を変化させるように機能する。
【0051】
タンク41に流入した又はタンク内で形成された結晶42は底部に沈降し、出口73を通して回収される。次の放電サイクルで使用するため、飽和廃液の上澄みをタンク43内に移動する。飽和廃液を出口52を通して直接流出させてもよい。これを、補給ループ51を通る補給溶液に代えることができる。補給ループ51は、供給流49と交差するように連結されている。キャパシタの排出後、飽和廃液をタンク41及び43に戻す。次いでマニホールド弁37を作動させ、キャパシタを廃液流及び供給流の両方に対して閉止し、圧縮ガス流47に対して開放する。
【0052】
このガス流は、キャパシタから廃液を追い出し、ガス分離タンク56に入れる。タンク56からの飽和廃液を三方弁57を通る飽和廃液流と再度組み合わせる。ガスは、タンクから出口48を通して排出される。更に、同様に、充電サイクル後、供給溶液を圧縮ガスで追い出すのが望ましい。圧縮ガス流47は、活性炭電極を再活性化し、キャパシタを殺菌して微生物を除去する流れに代えることができる。分路ループ58は、キャパシタの逆洗を行うため、キャパシタを通る供給溶液の方向を交互の充電サイクル時に逆転させることができる。更に、これによって、濁り及び汚れの正味増加を阻止する。全ての空気を追い出すため、先ず最初に全ての液体溶液をキャパシタの底部に供給しなければならない。その後、流れをこの方向に維持するか或いは、逆洗サイクルを行うため、分路ループ58によって又は逆転させるのがよい。
【0053】
最後に、再調整タンク45は、電気の作用で電極上で薄膜を形成した金属、有機汚染物、又は微生物汚染物等の吸収された材料を除去するのに使用される再調整溶液を含む。特に、容易に薄膜を形成する金属を取り扱う場合、供給溶液のpHを調節することもまた重要である。その目的は、薄膜形成電圧をできるだけ高く保持するため、pHを調節すること又は供給溶液に他の成分を加えることである。これにより、キャパシタを、そのキャパシタンスモードで及び静電吸収で、金属を電解抽出や電気による薄膜形成によって電極に付着させるよりも効果的に作動できる。電気の作用で電極上で薄膜を形成した金属は、電極を再調整し薄膜を形成した金属を再調整タンク45を介して回収するため、酸、ベース、酸化剤、溶剤又は他の追加の化学物質を必要とする。所望のように、供給流49等の供給流、廃液流50等の廃液流、又は任意の他の流れに沿ってポンプ75が設けられているのがよい。
【0054】
第15図は、第14図の単一キャパシタ及び流れ平均化タンクと異なる多キャパシタシステムを示す。このシステムでは、製品の連続した流れを得るためにキャパシタの充電及び放電が連続的に行われる。キャパシタ36の流路は、並列に連結されていてもよいし、別の態様では、分流器54を通して直列に連結されていてもよい。流路を直列に連結すると、濃度の高い溶液を段階的に浄化して非常に純度の高い製品溶液53を製造できる。他の機能的構成要素には、第14図と同じ参照番号が附してある。
【0055】
別の実施例では、流路の表面を磨いて汚れを除去するために流路を通る流体中で乱流を発生するため、一つ又はそれ以上或いは全ての流路にバッフルを設けるのが望ましい。乱流を発生させるために使用されるバッフルの数は、これらのバッフルを使用することによる圧力降下とバランスをとらなければならない。
【0056】
乱流を発生させるため、電極材料で構成された或いは更に容易にはスペーサ材料で構成されたバッフルを電極層間に形成できる。更に、キャパシタの流量を増大させるのが望ましい。バッフルは乱流を発生し、この乱流が電極表面から汚れを除去する。
【0057】
汚れが付かないようにし且つ処理するための他の方法には、浄化済製品溶液でキャパシタを洗浄する方法が含まれる。これは、供給流又は製品流に沿って配置されたポンプ75を逆転させ、浄化済溶液を第14図に示す滞留タンク46から逆方向に圧送することによって簡単に行うことができる。別の態様では、余分の分路ループを加えるのがよい。
【0058】
有機的汚れが電極表面上に蓄積する傾向がある。微生物が電極上で、特定的には活性炭上で成長し繁殖する傾向がある。電気分解により電極を積極的にきれいにするのに十分高い電圧でキャパシタを一時的に作動する。更に、小さな電気分解を連続的に生ぜしめることによって電極を常にきれいな状態に保つため、キャパシタを僅かに過剰の電圧で連続的に作動させる。
【0059】
キャパシタは、電解抽出法、イオン交換法、RO、ED、微小濾過(microfiltration )、及び限外濾過等の他の浄水技術を上流又は下流のいずれかに備えたトレインの一部であるのがよい。例えば、マイクロフィルタを前置フィルタとして加え、濁りをもたらす汚れを除去するか或いは後置フィルタとして加え、カーボン微粉を除去するのが望ましい。キャパシタに有機的な汚れが付かないように保護するため、顆粒状活性炭前置フィルタを設けるのが望ましい。緑色砂又は酸化手段をキャパシタの上流で使用し、キャパシタを汚損する傾向があるスライム状水酸化物を形成する鉄を除去するのがよい。更に、超純水を製造するためには、消イオン用イオン交換床をキャパシタの下流に最終仕上げ工程として設けるのが望ましい。
例1
第2図の積み重ねワッシャ形流通式キャパシタは、高表面積層(1)に焼結活性炭を使用し、導電性裏打ち体(2)にポリカーボン製の黒鉛フォイルを使用して組み立てられている。焼結活性炭ワッシャは、カンサイコークアンドケミカル社から得られた。これらのワッシャの外径は3.81cm(1.5インチ)であり、内径は1.905cm(0.75インチ)である。ワッシャの厚さは0.117cm(0.046インチ)である。非常は0.7g/mlであり、活性炭の結合剤に対する比は7:3である。使用された活性炭は、2000m2/gのBET表面積を有する。中央チューブは、長さが2.54cm(1インチ)で、外径が0.953cm(3/8インチ)で、内径が0.635cm(1/4インチ)のポリ塩化ビニル製であり、側部に穴が穿たれており、端部にねじ山(6)が設けられている。端キャップは、厚さが0.635cm(0.25インチ)のポリ塩化ビニル製であり、直径が4.572cm(1.8インチ)であり、端キャップを中央チューブ(5)の両端に螺合させることができる雌ねじを備えている。スペーサは、長さが1.905cm(0.75インチ)で幅が0.159cmで厚さが0.025cm(0.01インチ)の6個のテフロン(登録商標)製のシムからなる。これらのシムは、第3D図に示すように、電極の頂部で半径方向に拡げられている。陽極及び陰極は、全部で10gの10個の焼結カーボンワッシャで形成されており、これらのワッシャは、焼結活性炭高表面導体(1)で導電性裏打ち体(2)を挟んだ四つの中間両面電極、及び導電性裏打ち体を外側に備えた二つの片面端部電極が焼結活性炭高表面積導体(1)及び端キャップ(7)の間に配置されている。導電性裏打ち層(2)と一体に形成されたタブ(4)は合わせられて陽極リード及び陰極リードを形成し、これらのリードは、金製の圧力接点を介してワイヤリードに接続されており、これらのワイヤロッドは直流電源に延びている。
【0060】
このキャパシタは、カートリッジホルダの内側に配置されていない。中央チューブの一端は、ウレタン樹脂でシールされている。他端は、ポンプまで延びる所定長さのプラスチックチューブに連結されている。流通式キャパシタは、200mlの開放供給溶液容器の内側に配置されている。供給溶液は、キャパシタを通して負圧で圧送される。別の態様では、チューブ端部を供給溶液内に置き、溶液を正圧で圧送することができる。
【0061】
第16図は、本発明の有用性を示すため、飽和していないNaCl供給溶液を用いた実験1及び2をグラフで示す。これらの実験では、上文中に説明した例1の流通式キャパシタを使用した。
実験1−NaClの連続浄化
条件:供給溶液 1035μS(μmho) NaCl
流速 0.58ml/分
電圧 2v
結果:
この実験では、1035μSの供給溶液を2桁以上浄化し、9μSの製品溶液が得られたことを示す。これは、濃度の高い供給溶液から非常に純粋な製品流れを製造できるということを示す。更に、これは、長く蛇行した流路でなく多くの短い平行な流路を持つように設計されたキャパシタが非常に純度の高い製品を製造するということを示す。
実験2−速い流速でのNaClの連続浄化
条件:供給溶液 1035μS(μmho) NaCl
流速 4.2ml/分
電圧 2v
製品溶液 223μS程度
結果:
この実験は、実験1よりも7倍以上速い流速で75%以上が強化されたことを示す。
【0062】
第17図は、飽和供給流についての本発明の有用性を試験する実験3をグラフで示す。実験3で使用されたキャパシタは上述の実験1で説明したものである。
実験3−飽和CaSO4 の同時バッチ浄化及びバッチ濃縮
飽和CaSO4 は、蒸留水を過剰のCaSO4 と混合し、この混合物を溶質が過剰に存在する状態で一晩に亘って放置することによってつくられる。
初期条件:
飽和CaSO4 溶液の最初の導電率は、1906μSである。
【0063】
この飽和溶液を200mlの等量の二つの容積に分ける。
【0064】
流速:12.5ml/分 バッチ流。バッチ流とは、流体がキャパシタを通して円形のループをなして圧送され、供給溶液と再び組み合わせられるということを意味する。
方法
キャパシタを二つの200mlの飽和CaSO4 溶液のうちの一方に連結し、バッチモードで2vで5分間に亘って作動する。その後、キャパシタが完全に排液されるまで、キャパシタを通して空気を圧送する。次いで、第2の200mlの飽和CaSO4 の容積をキャパシタを通して圧送すると同時にキャパシタを短絡させる。このプロセスを20回繰り返す。浄化サイクル及び濃縮サイクルについて常に同じ溶液を使用する。各充電サイクル間で極性を逆転させる。
【0065】
結果のグラフを第17図に示す。20回の充電サイクルの後、バッチ式で浄化した溶液は、802μSまで浄化される。20回の放電サイクルの後、バッチ式で濃縮した溶液の濃度は2470μSまで上昇する。この濃縮溶液は過飽和状態になる。この過飽和溶液の温度を熱水浴中で上昇させると、結晶が溶液の中で沈んでいくのが観察される。この溶液の上澄みを取り出し、保存でき且つ再生流として再使用できる飽和溶液を提供する。分離された結晶を固体廃物として集めることができる。
【0066】
飽和溶液を浄化するとき、興味深い現象が観察される。充電/放電サイクルを約10回繰り返した後、キャパシタが、バッチ式で浄化される溶液を段階的に浄化することが観察される。200mlのバッチの浄化は主に、全ての充電サイクルで起こる。飽和溶液から形成される沈澱は、更に好ましくは、陽極又は陰極のいずれか一方で形成され、先ず最初に、任意の新たな正味吸収が浄化陽極で起こる前に脱着されなければならない。これによって、第17図で観察される段階的挙動が起こる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1図は、本発明のワッシャ形キャパシタの概略分解図である。
【図2】第2図は、本発明のワッシャ形キャパシタの概略分解図である。
【図3】第3A図乃至第3G図は、本発明のキャパシタで使用できる様々なスペーサの図である。
【図4】第4A図は、第1図又は第2図の組み立て済のキャパシタカートリッジを示す図であり、 第4B図は、カートリッジホルダ内に配置された第4A図の組み立て済のキャパシタカートリッジを示す部分断面図である。
【図5】第5図は、短く太い本発明の螺旋巻きキャパシタを部分的に組み立てた形態で示す図である。
【図6】第6図は、カートリッジ内の組み立て済の第5図の螺旋巻きキャパシタを示す図である。
【図7】第7A図は、三日月形プリーツをなしたキャパシタの部分的に組み立てた形態を示す図であり、第7B図は、第7A図のキャパシタの組み立てを完了した状態の図である。
【図8】第8図は、本発明の多マニホールド流通式キャパシタを示す部分断面斜視図である。
【図9】第9図は、分解した状態の本発明の平形キャパシタの分解図である。
【図10】第10図は、組み立て済の本発明の平形流通式キャパシタを箱状カートリッジに収めた状態を示す図である。
【図11】第11A図は、本発明の六角ロッドキャパシタの概略部分斜視図であり、第11B図は、本発明の六角形キャパシタの別の実施例の概略部分斜視図である。
【図12】第12図は、カートリッジ内の第11A図又は第11B図の六角ロッドキャパシタの部分分解概略斜視図である。
【図13】第13A図乃至第13F図は、本発明のキャパシタで使用するための様々なモノリシック電極の概略図である。
【図14】第14図は、本発明のキャパシタを使用したシステムの概略図である。
【図15】第15図は、本発明の多キャパシタシステムを示す概略図である。
【図16】第16図は、NaCl溶液の導電性の実験データを、ml単位の流体の累積容積に対してマイクロジーメンス(μS)で示すグラフである。
【図17】第17図は、飽和CaSO4 溶液の導電性の実験データをキャパシタの充電−放電サイクルの数に対して示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶質又は流体の電気浄化、濃縮、分離、回収、又は電気化学的分解で使用するための少なくとも一つの陽極−陰極対を有する耐汚性流通式キャパシタであって、このキャパシタは、高表面積材料を有し且つ陽極電極と陰極電極との間に非導電性スペーサが設けられた一つ又はそれ以上のモノリシックの間隔が隔てられた陰極−陽極電極対を有する、耐汚性流通式キャパシタにおいて、電極表面に亘って障害のない流体流れをもたらす開放流路が電極間に設けられており、この流路は、キャパシタの汚損を阻止するのに十分な幅を持ち、前記開放流路は少なくとも一つの寸法がキャパシタの外側に対して開放している、ことを特徴とするキャパシタ。
【請求項2】
前記開放流路は、比較的短く、前記電極の長さ又は高さよりも短い、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項3】
前記開放流路は直線状である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項4】
前記開放流路は、多数の平行な流路からなる、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項5】
前記流路は、多数の蛇行した流路からなる、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項6】
流れ通路は、洗浄の目的で乱流を発生するためのバッフル手段を流体流路内に有する、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項7】
前記開放流路は、ほぼ平行な複数の直線状流路からなり、これらの流路の数は、少なくとも、電極間の空間と同数である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項8】
前記流路の幅は、約1.27mm(約50ミル)以下である、請求項7に記載のキャパシタ。
【請求項9】
前記電極間の前記空間は、前記電極の輪郭に従って最も短く最も直線状の経路に沿って前記キャパシタの外面まで延びる開放流路を形成する、請求項7に記載のキャパシタ。
【請求項10】
前記スペーサ材料は、一体の材料部品からなり、ワッシャ又はネットの形態をなしている、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項11】
前記スペーサ材料は、多数のシム、突起、ロッド、又は糸からなる、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項12】
前記スペーサ材料は、押縁、多数の個々の突起、又はリブの形態で前記高表面積電極材料に直接取り付けられた状態で製造される、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項13】
前記モノリシックの高表面積材料は、結合又は焼結活性炭粒子、エーロゲル粒子、導電性セラミック、活性炭ファイバ布、繊維質金属でコーティングしたプラチナ、又は遷移金属の酸化物、硼化物、及び窒化物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項14】
前記モノリシックの高表面積材料は、結合剤とともに焼結し、金属でドーピングした活性炭からなる、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項15】
前記高表面積材料に電気的に固定された導電性裏打ち体を含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項16】
前記導電性裏打ち体は、一体の金属又は黒鉛フォイルシート材料からなる、請求項15に記載のキャパシタ。
【請求項17】
前記キャパシタ電極は、螺旋状に巻いた形態であり、前記スペーサ材料は開放ネット又はメッシュの形態である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項18】
前記キャパシタ電極は、中央チューブを中心として配置した三日月形のプリーツの形態であり、スペーサ材料は開放ネット又はメッシュ材料の形態である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項19】
前記キャパシタ電極は、平らな多角形の形態であり、前記キャパシタは、平らな多角形の又は円形の箱状カートリッジ内に配置される、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項20】
前記キャパシタ電極は、多数のロッド又はチューブの形態である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項21】
前記キャパシタ電極は複合高表面積導体で形成されており、導電性裏打ち体又は繊維質ネットワークが単一の一体の材料として一緒に形成されている、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項22】
前記電極間の幅間隔は、約0.127mm乃至0.508mm(約5ミル乃至20ミル)であり、開放流路の長さは約30.48cm(約12インチ)である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項23】
キャパシタを汚損する傾向がある溶質又は流体の電気浄化、濃縮、分離、回収、又は電気化学的分解で使用されるようになった流通式キャパシタ−カートリッジシステムにおいて、
a)高表面積導体を含む一つ又はそれ以上のモノリシックの間隔が隔てられた電極対であって、1.27mm(50ミル)以下の開放流路をその間に有することを特徴とする電極対と、
b)電極間の空間と少なくとも同数の流路からなるほぼ平行な多数の流路を含む流路と、
c)流体流れ供給入口及び製品出口を持つ漏れ止め容器の内部にキャパシタをシールするカートリッジ手段とを有するシステム。
【請求項24】
前記キャパシタカートリッジは、液体デッド容積を有し、前記システムは、加圧ガスによって前記デッド容積から液体を追い出すための手段を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記キャパシタと連結しており且つ前記キャパシタによって処理される飽和廃物源と、前記飽和廃物をリサイクルし、廃物を固形粒子として回収するための手段とを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
過飽和溶液からの沈澱をトリガーするための手段が設けられた上澄み取り出しタンクを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
電流を時間で積分し、前記キャパシタの再生サイクルをトリガーする所定の充電量を計算することによって制御される制御システムを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
単一のキャパシタ、及び処理を受ける流体流れを平均化し、連続した製品流を提供するための滞留タンクを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
三つ又はそれ以上の同時再生キャパシタがシステム中に設けられ、多数のキャパシタが電気的に直列に接続されており、システム中の比較的少数のキャパシタを再充電するのに使用される、請求項23に記載のシステム。
【請求項30】
前記キャパシタを通る流れ入口内への溶液の流れが充電サイクル又は放電サイクル毎に逆転するか或いは、電極の極性が充電サイクル又は放電サイクル毎に逆転する、請求項23に記載のシステム。
【請求項31】
溶液又は流体を処理し、製品流を提供する方法において、溶液又は液体の供給流を請求項1のキャパシタの開放流路に通す工程を含む方法。
【請求項32】
前記スペーサは、複葉ネット材料からなる、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項33】
前記電極は、導電性裏打ち層を含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項34】
前記キャパシタの内部電気抵抗は、約4Ω以下である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項35】
前記電極は、導電性裏打ち材料と接触した非導電性項表面積材料からなる、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項36】
前記スペーサは、スクリーン印刷によって付けられた微小突起である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項37】
前記開放流路は、1.27mm(50ミル)以下の多数の直線状の平行な流路を含み、この寸法は、電極のX−Y−Z寸法よりも小さい、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項1】
溶質又は流体の電気浄化、濃縮、分離、回収、又は電気化学的分解で使用するための少なくとも一つの陽極−陰極対を有する耐汚性流通式キャパシタであって、このキャパシタは、高表面積材料を有し且つ陽極電極と陰極電極との間に非導電性スペーサが設けられた一つ又はそれ以上のモノリシックの間隔が隔てられた陰極−陽極電極対を有する、耐汚性流通式キャパシタにおいて、電極表面に亘って障害のない流体流れをもたらす開放流路が電極間に設けられており、この流路は、キャパシタの汚損を阻止するのに十分な幅を持ち、前記開放流路は少なくとも一つの寸法がキャパシタの外側に対して開放している、ことを特徴とするキャパシタ。
【請求項2】
前記開放流路は、比較的短く、前記電極の長さ又は高さよりも短い、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項3】
前記開放流路は直線状である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項4】
前記開放流路は、多数の平行な流路からなる、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項5】
前記流路は、多数の蛇行した流路からなる、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項6】
流れ通路は、洗浄の目的で乱流を発生するためのバッフル手段を流体流路内に有する、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項7】
前記開放流路は、ほぼ平行な複数の直線状流路からなり、これらの流路の数は、少なくとも、電極間の空間と同数である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項8】
前記流路の幅は、約1.27mm(約50ミル)以下である、請求項7に記載のキャパシタ。
【請求項9】
前記電極間の前記空間は、前記電極の輪郭に従って最も短く最も直線状の経路に沿って前記キャパシタの外面まで延びる開放流路を形成する、請求項7に記載のキャパシタ。
【請求項10】
前記スペーサ材料は、一体の材料部品からなり、ワッシャ又はネットの形態をなしている、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項11】
前記スペーサ材料は、多数のシム、突起、ロッド、又は糸からなる、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項12】
前記スペーサ材料は、押縁、多数の個々の突起、又はリブの形態で前記高表面積電極材料に直接取り付けられた状態で製造される、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項13】
前記モノリシックの高表面積材料は、結合又は焼結活性炭粒子、エーロゲル粒子、導電性セラミック、活性炭ファイバ布、繊維質金属でコーティングしたプラチナ、又は遷移金属の酸化物、硼化物、及び窒化物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項14】
前記モノリシックの高表面積材料は、結合剤とともに焼結し、金属でドーピングした活性炭からなる、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項15】
前記高表面積材料に電気的に固定された導電性裏打ち体を含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項16】
前記導電性裏打ち体は、一体の金属又は黒鉛フォイルシート材料からなる、請求項15に記載のキャパシタ。
【請求項17】
前記キャパシタ電極は、螺旋状に巻いた形態であり、前記スペーサ材料は開放ネット又はメッシュの形態である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項18】
前記キャパシタ電極は、中央チューブを中心として配置した三日月形のプリーツの形態であり、スペーサ材料は開放ネット又はメッシュ材料の形態である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項19】
前記キャパシタ電極は、平らな多角形の形態であり、前記キャパシタは、平らな多角形の又は円形の箱状カートリッジ内に配置される、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項20】
前記キャパシタ電極は、多数のロッド又はチューブの形態である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項21】
前記キャパシタ電極は複合高表面積導体で形成されており、導電性裏打ち体又は繊維質ネットワークが単一の一体の材料として一緒に形成されている、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項22】
前記電極間の幅間隔は、約0.127mm乃至0.508mm(約5ミル乃至20ミル)であり、開放流路の長さは約30.48cm(約12インチ)である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項23】
キャパシタを汚損する傾向がある溶質又は流体の電気浄化、濃縮、分離、回収、又は電気化学的分解で使用されるようになった流通式キャパシタ−カートリッジシステムにおいて、
a)高表面積導体を含む一つ又はそれ以上のモノリシックの間隔が隔てられた電極対であって、1.27mm(50ミル)以下の開放流路をその間に有することを特徴とする電極対と、
b)電極間の空間と少なくとも同数の流路からなるほぼ平行な多数の流路を含む流路と、
c)流体流れ供給入口及び製品出口を持つ漏れ止め容器の内部にキャパシタをシールするカートリッジ手段とを有するシステム。
【請求項24】
前記キャパシタカートリッジは、液体デッド容積を有し、前記システムは、加圧ガスによって前記デッド容積から液体を追い出すための手段を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記キャパシタと連結しており且つ前記キャパシタによって処理される飽和廃物源と、前記飽和廃物をリサイクルし、廃物を固形粒子として回収するための手段とを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
過飽和溶液からの沈澱をトリガーするための手段が設けられた上澄み取り出しタンクを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
電流を時間で積分し、前記キャパシタの再生サイクルをトリガーする所定の充電量を計算することによって制御される制御システムを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
単一のキャパシタ、及び処理を受ける流体流れを平均化し、連続した製品流を提供するための滞留タンクを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
三つ又はそれ以上の同時再生キャパシタがシステム中に設けられ、多数のキャパシタが電気的に直列に接続されており、システム中の比較的少数のキャパシタを再充電するのに使用される、請求項23に記載のシステム。
【請求項30】
前記キャパシタを通る流れ入口内への溶液の流れが充電サイクル又は放電サイクル毎に逆転するか或いは、電極の極性が充電サイクル又は放電サイクル毎に逆転する、請求項23に記載のシステム。
【請求項31】
溶液又は流体を処理し、製品流を提供する方法において、溶液又は液体の供給流を請求項1のキャパシタの開放流路に通す工程を含む方法。
【請求項32】
前記スペーサは、複葉ネット材料からなる、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項33】
前記電極は、導電性裏打ち層を含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項34】
前記キャパシタの内部電気抵抗は、約4Ω以下である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項35】
前記電極は、導電性裏打ち材料と接触した非導電性項表面積材料からなる、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項36】
前記スペーサは、スクリーン印刷によって付けられた微小突起である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項37】
前記開放流路は、1.27mm(50ミル)以下の多数の直線状の平行な流路を含み、この寸法は、電極のX−Y−Z寸法よりも小さい、請求項1に記載のキャパシタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−18305(P2009−18305A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203404(P2008−203404)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【分割の表示】特願平9−515147の分割
【原出願日】平成8年10月9日(1996.10.9)
【出願人】(508204191)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【分割の表示】特願平9−515147の分割
【原出願日】平成8年10月9日(1996.10.9)
【出願人】(508204191)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]