説明

汚染物除去方法及び汚染物除去装置

【課題】被汚染物から効率的に汚染物を除去し、環境にも負荷を与えない汚染物除去方法、及びその方法を実施するための汚染物除去装置を提供する。
【解決手段】汚染物除去装置は、水から、飽和蒸気より低い水蒸気密度を有する乾燥水蒸気を発生させる水蒸気発生手段10と、被汚染物を内部に載置して汚染物の除去を行う反応器20と、反応器20内に乾燥水蒸気を送気する送気手段30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機物等により汚染された被汚染物からの汚染物除去方法及び汚染物除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機廃棄物の多くは自然環境下で酸化分解され、あるいは微生物により分解されていた。しかし、近年、その排出量が多くなる一方で、プラスチックのような難分解性有機廃棄物の増加により、自然環境における分解処理能力を超えるようになっている。その結果、処理しきれない大量の有機廃棄物が自然界に溢れるようになった。この大量の有機廃棄物を人工的に処理する方法として一般的な方法が焼却処分である。その際、発生する熱はエネルギー源として使えるという利点があるため現在でも広く実施されている。
例えば、有機廃棄物として、生物飼養場や医療機構で大量に使用されている床敷き木屑のようなバイオマス廃棄物がある。床敷き木屑は年間7200トン(日本)と大量に排出されている。現在、このようなバイオマス廃棄物に関しても同様に焼却処分が行われている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】厚生省廃棄物新聞編集部:詳説「廃棄物処理法に基づく政省令改正の概要について」1997
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使用後の床敷き木屑には、糞尿が混入しているため燃焼効率が悪くなる。また、燃焼によって排出されたガスには、NOx、SOxなどの有害な無機ガスや、微量の有害有機物が含まれている。このため使用済み床敷き木屑の焼却処分は、地球大気環境の悪化という問題を引き起こす可能性がある。一方、木屑のリサイクル使用ができないという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、環境に負荷を与えないで、有機廃棄物等から汚染物を効率的に除去する方法及びその方法を実施するための汚染物除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の汚染物除去方法は、被汚染物からの汚染物除去方法であって、飽和水蒸気より低い水蒸気密度を有する乾燥水蒸気を用いることを特徴とする。
ここで、図1に水の状態図を示した。水は、温度・圧力が374℃、22MPa以上の条件で、液体でも気体でもない均一な非凝集性高密度流体になる。この境界点が臨界点であり、臨界点以上の状態を超臨界水と呼び、温度・圧力が臨界点より若干低い熱水を亜臨界水と呼ぶ。そして、飽和蒸気圧曲線以下のいわゆる不飽和の領域にある蒸気相を本発明では、乾燥水蒸気という。
【0007】
本発明によれば、乾燥水蒸気による強い抽出力により、被汚染物から汚染物である有機物等を効果的に除去できる。例えば、活性炭が、悪臭の原因となる汚染物(有機酸等の有機物)を多量に吸着してしまい、その本来の吸着力を発揮し得なくなった場合、単純な加熱では、汚染物である有機物を除去することは困難である。そのような場合であっても、乾燥水蒸気による強い抽出力により汚染源である有機物を効果的に除去できる。すなわち、本発明は、本来有用な物の再生産方法であり、リサイクル方法でもある。
【0008】
本発明では、前記乾燥水蒸気が、水から発生させた水蒸気であることが好ましい。
本発明によれば、水から発生させた乾燥水蒸気を用いて抽出を行うため、抽出速度・抽出量の制御が容易となる。例えば、大気をそのまま乾燥水蒸気として利用した場合では、水蒸気密度を制御しにくく、結果として抽出速度を制御することが困難となる。水から水蒸気を発生させることで、水蒸気の密度を制御しやすくなり、抽出速度・抽出量そのものを制御することが容易となる。従って蒸発量を制御して水蒸気密度の異なる乾燥水蒸気を発生させることで、汚染物の種類や形状に応じた抽出を行うことができる。
【0009】
本発明では、不活性ガスにより前記乾燥水蒸気の密度を制御することが好ましい。
本発明によれば、不活性ガス(例えば窒素ガス)により乾燥水蒸気の密度を制御するので、被汚染物から汚染物を除去する際に、好ましくない反応(分解、酸化等)を抑制することができる。
【0010】
本発明では、前記乾燥水蒸気の温度が110〜350℃、前記乾燥水蒸気の密度が分圧で0.13〜14MPaであることが好ましい。より好ましくは、乾燥水蒸気の温度が130〜300℃、乾燥水蒸気の密度が分圧で0.22〜7MPaである。
本発明によれば、乾燥水蒸気の温度と密度が所定の範囲にあるので、非汚染物からの汚染物除去を効率的に行うことができる。乾燥水蒸気の温度が110℃未満であると、汚染物の除去率が低くなり好ましくない。また、乾燥水蒸気の温度が300℃を超えると、エネルギーコストの面から好ましくない。乾燥水蒸気の密度が分圧で0.13MPa未満であると、汚染物の除去率が低くなり好ましくない。また、水蒸気の密度が分圧で7MPaを超えると必要以上に設備費が膨大となり経済的に不利である。
【0011】
本発明では、被汚染物を、汚染物の除去を行う反応器内に載置した後、前記乾燥水蒸気を前記反応器内に送気することが好ましい。
本発明によれば、被汚染物を反応器内に載置した後、乾燥水蒸気を反応器内に送気するので、反応器内で確実に汚染物除去を行うことができる。
【0012】
本発明では、被汚染物が木屑廃棄物であることが好ましい。
木屑廃棄物としては、生物飼養場や医療機構で大量に使用されている床敷き木屑のようなバイオマス廃棄物がある。このような床敷き木屑には、汚染物として糞尿等の有機物が多く混入している。
本発明によれば、木屑廃棄物から簡便かつ効果的に有機汚染物を除去することができ、木屑として再利用が可能となる。しかも、使用するのは水蒸気であるため、環境に与える負荷もほとんどない。
【0013】
本発明の汚染物除去装置は、被汚染物から汚染物を除去する汚染物除去装置であって、水から、飽和蒸気より低い水蒸気密度を有する乾燥水蒸気を発生させる水蒸気発生手段と、被汚染物を内部に載置して汚染物の除去を行う反応器と、前記反応器内に前記乾燥水蒸気を送気する送気手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の汚染物除去装置によれば、乾燥水蒸気を反応器内に送気するので、反応器内に載置されている被汚染物から効率的に有機物等の汚染物を除去できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の一実施の形態を図面に基づいて詳述する。
〔汚染物除去装置の構成〕
図2には、本発明の汚染物除去方法を実施するために用いられる汚染物除去装置100の概略構成を示す。
汚染物除去装置100は、水から、飽和蒸気より低い水蒸気密度を有する乾燥水蒸気を発生させる水蒸気発生手段である水蒸気発生器10と、被汚染物を内部に載置して汚染物の除去を行う反応器20と、反応器20内に乾燥水蒸気を送気する送気手段として導管30とを備えて構成される。導管30内には必要に応じて送風機を設けることができる。また、水蒸気等の流れを調節するためのバルブ110と逆止弁120が各所に設けられている。
【0015】
水蒸気発生器10は、外径60.5mm、内径49.5mm、長さ600mmの円筒形状をしており、内容積は1.2Lである。この水蒸気発生器10は長手方向が垂直になるように配設されており、内部には直径5mmの真鍮製の玉(黄銅玉)11が多数充填されている
水蒸気発生器10には、予熱ヒータ12と加熱用のバンドヒータ13が配設され、内部の黄銅玉11を加熱できるようになっている。水蒸気発生器10の下部には、注水口14が形成されており、水をポンプ40により水蒸気発生器10内部に導入することができる。
【0016】
水蒸気発生器10の内部に充填された黄銅玉11は、熱伝導性に優れており、加熱された状態で水と接触するとただちに水蒸気を発生させる。
また、不活性ガス(例えば、窒素ガス)を、水蒸気発生器10の下部の注気口15から内部に送気可能になっており、発生した水蒸気の密度を制御することができるようになっている。
【0017】
反応器20は、外径60.5mm、内径49.5mm、長さ1000mmの円筒形状をしており、長手方向が垂直になるように配設されている。この円筒の内容積は2Lであり、内部には円盤状の基台21が所定の間隔をおいて数段設けられている。この基台21は、金属製の網状物であり、気体が通過できるようになっている。また、基台21の上面には、被汚染物(例えば木屑廃棄物)を入れるための円筒型のカップ22が載置される。このカップ22は底が金網状になっており、汚染物を抽出した乾燥水蒸気が通り抜けやすいようになっている。
【0018】
反応器20の周囲には、加熱用のバンドヒータ23が配設されており、反応器20の内部を所定の温度に維持することができる。反応器20内部の各基台21の近傍には図示しない温度センサと圧力センサが各々設けられている。
反応器20の下部には、有機物を抽出した乾燥水蒸気を凝縮して液体とするためのコンデンサ50が配設されている。コンデンサ50の下には凝縮液を受けるカップ60が載置されている。
【0019】
〔汚染物除去装置の動作(操作法)〕
以下に、汚染物除去装置の操作法を説明する。
(a)所定量の試料(被汚染物)を入れたカップ22を反応器20内に載置する。
(b)水蒸気発生器10の温度を所定温度まで上昇させる。水源(図示せず)からポンプ40を用いて、所定の流速で水を水蒸気発生器10に導入する。同時に、不活性ガス(ここでは、窒素)を一定の流量で水蒸気発生器10に導入する。
【0020】
(c)反応器20内の圧力は装置出口のバルブで所定値になるように調節し、バンドヒータ23により内部の温度を一定に保つ。
(d)汚染物を抽出した乾燥水蒸気は、反応器20から流出し、コンデンサ50で冷却される。その後、適当なメッシュ(例えば0.45μm)のフィルタにより、凝結固形物を濾過する。
(e)所定の時間経過後、反応圧力をゆっくり大気圧まで下げ、その後室温まで冷却する。
(f)カップ22を取り出す。
【0021】
上述のような実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)乾燥水蒸気による強い抽出力により、反応器20内で被汚染物から汚染物である有機物等を効率的に除去できる。
(2)乾燥水蒸気を用いているため、環境に対する負荷がほとんどない。
(3)水蒸気発生器10を用いているため、一定の条件で水蒸気を発生させることができ、反応器20内での汚染物除去反応(抽出)を安定して行うことができる。
【0022】
(4)水蒸気発生器10では熱伝導性に優れた黄銅玉11を用いているため、水蒸気発生器10内に注入された水をただちに水蒸気とすることができ、反応器20内での汚染物除去(抽出)を円滑に行うことができる。
(5)水蒸気が飽和水蒸気ではなく、乾燥水蒸気(不飽和の水蒸気)であり、その水蒸気密度(不飽和度)を変えることで選択的に汚染物を抽出することができる。
(6)不活性ガス(例えば窒素ガス)を用いているので、その流量を変えることで水蒸気密度を容易に変更できるだけでなく、被汚染物の物性に対して悪影響を与えない。すなわち、被汚染物をリサイクル使用することが容易となる。
【0023】
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、構造、材質、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した構造、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの構造などの限定の一部若しくは全部の限定を外した名称での記載は、本発明に含まれるものである
【0024】
例えば、反応器をバッチ式横型オートクレーブ、水蒸気発生器をボイラーとし、大量処理できる装置としてもよい。また、水蒸気発生器と反応器とを一体的に組み込んだ装置としてもよい。
【実施例】
【0025】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0026】
有機物により汚染された試料(被汚染物)として使用済みの床敷き木屑を用いた。この木屑は糞尿で満たされており、悪臭を発していた。図2の装置を用いて、実施形態に示した操作法によりこの木屑から汚染物(有機物)の除去を行った。具体的な処理条件を表1に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
木屑から抽出(除去)された有機物については、以下のようにして分析を行った。
反応器20の温度を120℃まで上げ、へキサンを高圧ポンプで注入し、へキサン蒸気で反応器20内部を洗浄する。洗浄液と前述の抽出液を混合する。分液したヘキサン相と水相については、それぞれロータリーエバポレーターで濃縮し、表2および表3に示した方法で分析を行った。なお、気体成分は、0.25M硫酸溶液、0.5MNaOHの溶液に順次通過させ、これらの溶液に吸収させ、イオンクロマトグラフによって分析した。抽出後の残渣は重量変化を測定し、また再吸着性も評価した。
【0029】
(GC−MSによるヘキサン相の分析条件)
【表2】

【0030】
(GC−MSによる水相の分析条件)
【表3】

【0031】
〔実施例1〕
(アンモニアの除去)
各試料100gから抽出された有臭ガスを吸収させた硫酸溶液をイオンクロマトグラフにより分析した。その結果を表4に示す。使用済みの木屑をリサイクルするためには、アンモニアの除去が不可欠であるが、本発明によれば、効率的にアンモニアが除去されていることがわかる。また、アンモニアとなる前の尿素が乾燥水蒸気により分解されていることも示唆される。
【0032】
(各処理条件におけるアンモニアの量および試料の重量変化率)
【表4】

【0033】
〔実施例2〕
(有機物の除去)
反応温度140℃、反応圧力0.3MPa、反応時間60分の条件で、未使用の木屑40gと使用済み木屑80gを用いて比較実験を行った。
抽出溶液をヘキサンにより分液し、得られた油相をGC−MSにより分析した。それぞれのガスクロマトグラムを図3(A)および図3(B)に示す。(A)新材の木屑と(B)使用した床敷き木屑を比較すると、どちらからも同様なピーク15個が検出された。これらのピークは、木屑自身から抽出された成分と考えられる。これらのピーク以外の使用済みの試料から検出されたもの(ピーク17〜19)は、高級脂肪酸と高級アルケン類の成分であった。
【0034】
また、上述の抽出溶液の水相をGC−MSにより分析した。水相には、低級脂肪酸及び低級アルコールが主な成分として残存している。水相のガスクロマトグラムを図4に示す。図4(A)は、比較的低温低圧の反応条件(温度:140℃、圧力:0.36MPa、時間: 120分)で得られたものであり、図4(B)は、比較的高温高圧の反応条件(温度:200℃、圧力:0.65MPa、時間:90分)で得られたものである。比較的低温低圧の反応条件の場合、酢酸のみが検出された。一方、比較的高温高圧の反応条件の場合、酢酸の他に低級アルコール類も検出された。
以上のことから、本発明の方法によって、汚染物としての各種有機物が効率的に除去できることを確認した。また、反応条件を選択することで、汚染物の選択的除去も可能である。
【0035】
〔実施例3〕
(汚染物除去処理前後の木屑の吸着性評価)
木屑を、床敷きとして再利用するためには、その木屑が動物の糞や尿などの有機物質に対して一定の吸着性を持つ必要がある。尿と糞の成分は、主成分である水の他に、蛋白質、糖、油、アンモニアである。そこで吸着性能を調べるために,食用サラダ油と10%のアンモニア水のそれぞれに対して吸着性の評価をった。
具体的には、未使用の木屑と汚染物除去処理を施した木屑をそれぞれ1mm程度に粉砕し、メッシュを通して均一な大きさの試料を作成した。ここで、汚染物除去処理を施した木屑は、実施例2で得られたもの(反応温度140℃、反応圧力0.3MPa,反応時間60分)である。
【0036】
(食用サラダ油に対する吸着性)
図5に示すように、底に小さな穴のある二つの同サイズのガラスチューブを使用した。それぞれのチューブの中に、準備した試料を同量入れ、密度を同様にするために、高さも同じように調節した。この二つのガラスチューブを、食用サラダ油を充填したバット内に静置した。15時間保持した後、上昇した油の高さで吸着性を評価した。
【0037】
図6に各条件における食用サラダ油の吸着性を示す。いずれの条件においても、本発明の方法で処理した木屑は、未使用の木屑に比べて、サラダ油の吸着性が高い。特に、反応圧力0.36MPa、反応温度140℃、170℃で汚染物除去処理を施した木屑は、吸着性が高いことがわかる。すなわち、本発明によれば、木屑を単にリサイクル使用できるだけでなく、汚染前の木屑よりも優れた吸着性を付与することができる。さらに、反応条件により吸着性を制御することもできる。
【0038】
(アンモニアに対する吸着性)
デシケータの底に10%のアンモニア水を入れ、メッシュの上に試料の入った試料皿を置いた。試料は重量を測定した後、迅速にデシケータの中に入れ、蓋を完全に閉めた。15時間放置後、試料の重量を測定した。試料の重量変化から、吸着したアンモニアの重量を算出し、吸着性を評価した。
【0039】
各条件で処理した試料の吸着性を表5に示す。ここで、アンモニアの吸着率を次の式のように定義した。
アンモニアの吸着率=(m2―m1)/m1 × 100%
m1:アンモニアを吸着前の木屑の重量
m2:アンモニアを吸着した木屑の重量
表5の結果からわかるように、乾燥水蒸気による汚染物除去処理(抽出処理)を施した木屑は、未使用の木屑と比較して、いずれも同等かそれ以上のアンモニア吸着性を有している。特に、140〜170℃で処理した木屑の吸着性が優れている。すなわち、反応条件を選択することで、単なる木屑のリサイクルのみならず、元の木屑以上のアンモニア吸着性を付与できることがわかる。
【0040】
(各実験条件下処理した木屑のアンモニアに対する吸着性の比較)
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、被汚染物から汚染物を効率的に除去するリサイクル方法、リサイクル装置として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】水の状態図。
【図2】本発明の実施形態に係る汚染物除去装置の概略図。
【図3】本発明の実施例における抽出液(有機層)のガスクロマトグラム。
【図4】本発明の実施例における抽出液(水層)のガスクロマトグラム。
【図5】本発明の実施例におけるサラダ油の吸着実験の概要を示す図。
【図6】本発明の実施例におけるサラダ油の吸着性を示す図。
【符号の説明】
【0043】
10 水蒸気発生器
11 黄銅玉
12 予熱ヒータ
13 バンドヒータ
20 反応器
21 基台
22 カップ
23 バンドヒータ
30 導管
40 ポンプ
50 コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被汚染物からの汚染物除去方法であって、
飽和水蒸気より低い水蒸気密度を有する乾燥水蒸気を用いることを特徴とする汚染物除去方法。
【請求項2】
請求項1に記載の汚染物除去方法において、
前記乾燥水蒸気が、水から発生させた水蒸気であることを特徴とする汚染物除去方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の汚染物除去方法において、
不活性ガスにより前記乾燥水蒸気の密度を制御することを特徴とする汚染物除去方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の汚染物除去方法において、
前記乾燥水蒸気の温度が110〜350℃、前記乾燥水蒸気の密度が分圧で0.13〜14MPaであることを特徴とする汚染物除去方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の汚染物除去方法において、
被汚染物を、汚染物の除去を行う反応器内に載置した後、前記乾燥水蒸気を前記反応器内に送気することを特徴とする汚染物除去方法。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の汚染物除去方法において、
被汚染物が木屑廃棄物であることを特徴とする汚染物除去方法。
【請求項7】
被汚染物から汚染物を除去する汚染物除去装置であって、
水から、飽和蒸気より低い水蒸気密度を有する乾燥水蒸気を発生させる水蒸気発生手段と、
被汚染物を内部に載置して汚染物の除去を行う反応器と、
前記反応器内に前記乾燥水蒸気を送気する送気手段と、
を備えることを特徴とする汚染物除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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