法肩部締固め用アタッチメント及びこれを備える重機、並びに、堤体構築方法
【課題】堤体の法肩部を十分均一に締め固めることができるアタッチメント及びこれを備える法肩部締固め用重機、並びに、これらを用いた堤体構築方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係るアタッチメント10Aは、堤体50の上面F51の縁部及び当該縁部から斜め下方向に延在する法面F52の上部によって形成される法肩部50aを締め固めるために使用されるものであって、堤体50の上面F51と対向する第1の面F1を有する上面対向部1a、及び、第1の面F1と所定の角度をなしており堤体50の法面F52と対向する第2の面F2を有する法面対向部1bからなる本体部1と、本体部1の法面対向部1bの先端部に配設された可動プレート2Aとを備え、可動プレート2Aはアタッチメント10Aの使用時に締固め土又は障害物から受ける力によって上方に移動することを特徴とする。
【解決手段】本発明に係るアタッチメント10Aは、堤体50の上面F51の縁部及び当該縁部から斜め下方向に延在する法面F52の上部によって形成される法肩部50aを締め固めるために使用されるものであって、堤体50の上面F51と対向する第1の面F1を有する上面対向部1a、及び、第1の面F1と所定の角度をなしており堤体50の法面F52と対向する第2の面F2を有する法面対向部1bからなる本体部1と、本体部1の法面対向部1bの先端部に配設された可動プレート2Aとを備え、可動プレート2Aはアタッチメント10Aの使用時に締固め土又は障害物から受ける力によって上方に移動することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、堤体の法肩部の締固めに使用されるアタッチメント及びこれを備える重機、並びに、堤体構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
堤体を構築する建設現場においては、環境保全や経済性の観点から、原位置コンクリート(CSG:Cemented Sand and Gravel)が使用されることがある。CSGとは、掘削によって生じた岩石や河床砂礫などの岩石質材料にセメント、水などを添加し、これらを混合して得られるセメント系材料を意味し、ダムの建設現場の近くで入手可能な岩石質材料が使用される。
【0003】
堤体は、一般に、セメントを含有する被圧縮層を締め固めて圧縮層を形成する作業を複数回行うことで構築される。下記特許文献1には、CSGを用いて堤体を構築方法が記載されている。また、特許文献1には、堤体の法肩部を締め固めるための締固め機についても記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−163283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の締固め機を用いて法肩部の締め固めを行った場合、一定の締固め品質を達成できるものの未だ改善の余地が残されていた。例えば、堤体を構築する工法としてRCD工法(Roller Compacted Dam Method)を採用したときのように一回に積み重ねられる被圧縮層が比較的厚い場合、あるいは、法肩部の周囲に障害物等がある場合、従来の締固め機では、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることが困難であった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることが可能なアタッチメント及びこれを備える法肩部締固め用重機、並びに、これらを用いた堤体構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、積み重ねられた被圧縮層が比較的厚い場合であっても、高い締固め品質を達成できる方法について鋭意検討した。特に、上述のRCD工法は、通常、一回に積み重ねられる被圧縮層が層厚0.75〜1.0mに設定されることが多いため、この工法にも適用可能な方法の開発に取り組んだ。なお、RCD工法は、コンクリートダムの施工法の一種であり、セメントの含有量が比較的少ないコンクリート材料からなる被圧縮層を形成した後、振動ローラなど用いて締め固めるという一連の工程を複数回行い、堤体を構築していく工法である。
【0008】
本発明者らは、堤体の法肩部の締固めに使用する重機用アタッチメントの構成について検討を重ねたところ、所定の箇所に可動プレートを配設することで、法肩部の良好な締固め品質を実現できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明に係るアタッチメントは、堤体の上面の縁部及び当該縁部から斜め下方向に延在する法面の上部によって形成される法肩部を締め固めるために使用されるものであって、堤体の上面と対向する第1の面を有する上面対向部、及び、第1の面と所定の角度をなしており堤体の法面と対向する第2の面を有する法面対向部からなる本体部と、法面対向部の先端部に配設された可動プレートとを備え、この可動プレートは、当該アタッチメントの使用時に締固め土又は障害物から受ける力によって上方に移動することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るアタッチメントは、上記の通り、本体部の法面対向部の先端部に可動プレートを備えている。当該アタッチメントを堤体の法肩部に配置すると、この可動プレートは堤体の法面と当接する。この状態でアタッチメントに対して下向きの押圧力が付与され、アタッチメントが下方に押し込まれると、締固め土や障害物に当接した可動プレートは本体部に対して上方に移動する。可動プレートが移動することで、押圧力がアタッチメントの先端部から逃げるのが防止され、当該先端部でも十分に法面を締め固めることができる。その結果、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることができ、堤体の法肩部における優れた締固め品質を達成できる。
【0011】
これに対し、上記のような可動プレートを具備しないアタッチメントを使用した場合、アタッチメントの先端部が直接堤体の法面と当接する。この状態でアタッチメントに対して下向きの押圧力が付与されると、アタッチメントがある程度下方に押し込まれた後、法面によってアタッチメントの下方への動きが阻害されるといった現象が起きる。そうすると、アタッチメントの先端部から押圧力が逃げ、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることが困難となる。
【0012】
また、可動プレートを具備しないアタッチメントにあっては、アタッチメントの先端で押圧される被圧縮層の法面側が鋭角となり、当該部分が薄層になりやすい。この場合、端部処理施工に多くの作業量が必要となるといった不具合が生じる。本発明に係るアタッチメントによれば、可動プレートを先端部に設けたことで、上記のような不具合を十分に抑制できるため、端部処理施工の作業量を軽減できる。
【0013】
本発明に係るアタッチメントは、可動プレートが法面対向部の先端部を支点として本体部に対して回動自在に設けられていることが好ましい。この場合、可動プレートは、本体部とばねで連結されており、法面対向部の先端部から第2の面と面一となるように延在していることが好ましい。また、可動プレートは、第1の面の法線方向と略一致する方向にスライドするものであってもよい。なお、ここでいう「第1の面の法線方向と略一致する方向」とは、当該法線方向との角度が0〜10°の範囲の方向を意味する。
【0014】
本発明に係るアタッチメントは、第1の面及び第2の面の少なくとも一方の面上に設けられた複数の突起部を更に備えることが好ましい。かかる構成を採用すると、堤体の法肩部の表面を適度に粗い状態とすることができる。その結果、法肩部の表面においてブリージングを発生させ、ウェットな面を形成できる。また、表面を適度に粗くすることで、堤体の形成後、これを覆うように打設される外部コンクリートとの接着性が向上するといった効果も奏される。
【0015】
本発明のアタッチメントは、第1の面及び第2の面の少なくとも一方の面から当該本体部の厚み方向に貫通する複数の貫通孔を更に備えることが好ましい。かかる構成を採用することにより、締固めを行う際に貫通孔から空気が抜け、法肩部の表面における骨材の乱れが抑制され、十分に平滑な面を形成できる。
【0016】
また、本発明のアタッチメントは、第1の面と第2の面とによって形成されるコーナー部がR形状であることが好ましい。かかる構成を採用することにより、上記コーナー部における締め固め不足により品質不良を十分に防止できる。
【0017】
更に、本発明のアタッチメントは、本体部の上面対向部の周縁から外側に延在するように配設され、弾力性を有する材料からなる堤体上面カバープレートを更に備えることが好ましい。かかる構成を採用することにより、上面対向部の周縁から抜けた空気による骨材の乱れが抑制され、締固め作業を行っている領域近傍の堤体の表面が乱れることを十分に抑制できる。
【0018】
本発明に係る法肩部締固め用重機は、本発明に係る上記アタッチメントと、アタッチメントを振動させる起振機を有し、当該起振機を介してアタッチメントが取り付けられた重機本体とを備える。起振機を具備する法肩部締固め用重機によれば、上記アタッチメントを振動させながらアタッチメントに対して下向きの押圧力を付与することができる。したがって、この法肩部締固め用重機を用いて締固め作業を行うことで、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることができ、堤体の法肩部における優れた締固め品質を達成できる。
【0019】
一方、本発明に係る上記アタッチメント自体が起振機を有する場合、すなわち、アタッチメントがその上面対向部の第1の面と反対側に起振機を備えたものである場合にあっては、起振機を具備しない重機本体に当該アタッチメントを取り付ければよい。このように、起振機を備えるアタッチメントと、この起振機を介して当該アタッチメントが取り付けられた重機本体とを備える法肩部締固め用重機を使用した場合も、上述の法肩部締固め用重機と同様、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることが可能である。
【0020】
本発明において使用する起振機は、振動数が500〜3000cpmであり且つ起振力が10〜16トンであることが好ましい。上記性能を有する起振機を用いることで、一層優れた締固め品質を達成できる。また、例えば、RCD工法でダムの堤体を構築する場合、法肩部以外の領域の締固め品質と同等の締固め品質を法肩部においても達成できる。
【0021】
本発明に係る堤体構築方法は、セメントを含有する被圧縮層を締め固めて圧縮層を形成する作業を複数回行って堤体を構築するに際し、本発明に係る上記法肩部締固め用重機を用いて法肩部を締め固める工程を備え、当該工程において、アタッチメントの第1の面を堤体の上面の縁部に当接させるとともに、アタッチメントの第2の面を堤体の法面の上部に当接させ、アタッチメントを振動させながら当該アタッチメントに対して下向きの押圧力を付与することを特徴とする。
【0022】
本発明に係る堤体構築方法においては、本発明に係る上記アタッチメントを振動させながらアタッチメントに対して下向きの押圧力を付与して法肩部の締固めを行う。このことにより、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることができ、堤体の法肩部における優れた締固め品質を達成できる。
【0023】
なお、本発明における「堤体」とは、被圧縮層を締め固めて圧縮層を形成する所定回数の作業が完了して形成されたもののみならず、所定回数の作業が完了する前の段階のものをも包含する意味である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることができ、優れた締固め品質を有する堤体を構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る法肩部締固め用重機の第1実施形態を示す側面図である。
【図2】図1に示された法肩部締固め用重機を用いて法肩部の締固め作業を行っている様子を示す図である。
【図3】図1に示された法肩部締固め用重機のアタッチメントを示す斜視図である。
【図4】図3に示されたアタッチメントの主要な構成を示す概略側面図である。
【図5】図3に示されたアタッチメントの第1及び第2の面を示す下面図である。
【図6】図4に示されたアタッチメントの可動プレートが上方にスライドしている状態を示す概略側面図である。
【図7】本発明の堤体構築方法によって構築されたダム堤体の一例を示す断面図である。
【図8】本発明に係るアタッチメントの第2実施形態を示す斜視図である。
【図9】図8に示されたアタッチメントの主要な構成を示す概略側面図である。
【図10】図9に示されたアタッチメントの可動プレートが上方にスライドしている状態を示す概略側面図である。
【図11】本発明に係るアタッチメントの他の好適な実施形態を示す側面図である。
【図12】本発明に係るアタッチメントの更に他の好適な実施形態を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0027】
<第1実施形態>
(法肩部締固め用重機)
図1は、本実施形態に係る法肩部締固め用重機を示す側面図である。同図に示すように、法肩部締固め用重機20は、重機本体21と、重機本体21が有するアーム21aの先端に設けられた起振機23と、この起振機23に取り付けられたアタッチメント10Aとを備える。起振機23は、アーム21aの先端部に対して脱着自在に取り付けられている。また、アタッチメント10Aは、起振機23に対して脱着自在に取り付けられている。
【0028】
この法肩部締固め用重機20は、図2に示すように、構築中の堤体50の上面F51上からアーム21aを上面F51の縁部に向けて伸ばし、堤体50の法肩部50aの締固め作業を行うことができる。図2は、アタッチメント10Aを法肩部50aに当接させた状態で、起振機23を振動させるとともに、重機本体21によってアタッチメント10Aに下向きの押圧力を付与することによって法肩部50aの締固めを行っている様子を示す模式図である。ここで、法肩部とは、堤体50の一部分であって、堤体50の上面F51の縁部及び当該縁部から斜め下方向に延在する法面F52の上部によって形成される部分をいう。
【0029】
重機本体21は、起振機23をアーム21aの先端に取り付けることが可能なものであれば、特に制限はない。重機本体21として、例えば、バックホウなどの重機本体であって、アーム21aが油圧で作動するとともに、キャタピラ21bを有しており悪路や斜面なども走行できるものを採用することができる。重機本体21は、作業効率の点から全旋回型であることが好ましい。また、重機本体21は、総重量が18トン以下であることが好ましい。重機本体21として総重量18トン以下のものを使用することで、吊り上げ荷重18トン以上のケーブルクレーンによって吊り上げることができ、作業効率が向上するという利点がある。
【0030】
起振機23は、アタッチメント10Aに振動を与えるためのものである。起振機23として、例えば、目地切機などを転用してもよい。起振機23は、振動数が500〜3000cpmであり且つ起振力が10〜16トンであることが好ましく、振動数が1500〜2800cpmであり且つ起振力が12〜16トンであることがより好ましい。上記性能を有する起振機23でアタッチメント10Aを振動させることで、法肩部50aの優れた締固め品質を達成できる。
【0031】
アタッチメント10Aは、重機本体21のアーム21aの先端に取り付けられ、堤体50の法肩部50aの締固めに使用されるものである。図3〜6を参照しながら、アタッチメント10Aの構成について説明する。図3は、本実施形態に係るアタッチメント10Aを示す斜視図である。図3に示すように、アタッチメント10Aは、アタッチメント本体部1と、可動プレート2Aと、この可動プレート2Aをスライドさせるスライド機構3とを備える。
【0032】
図4は、アタッチメント10Aの主要な構成を示す概略側面図である。同図に示すように、アタッチメント本体部1は、第1の面F1と、この第1の面F1と所定の角度をなす第2の面F2とを有する。第1の面F1は、堤体50の上面F51と対向する面であり、第2の面F2は、堤体50の法面F52との対向する面である(図2参照)。アタッチメント本体部1は、第1の面F1を有する上面対向部1aと、第2の面F2を有する法面対向部1bとからなる。
【0033】
第1の面F1と第2の面F2とがなす角度は、構築する堤体50の上面F51と法面F52とがなす角度と同じになるように設定すればよい。法面の傾斜角は通常、120〜140°程度に設定される。
【0034】
図4に示すように、第1の面F1と第2の面F2とによって形成されるコーナー部Cは、R形状となっている。これにより、コーナー部Cにおける締め固め不足を防止することができ、優れた締付け品質を達成できる。
【0035】
また、第1の面F1及び第2の面F2は、図5に示すように、アタッチメント本体部1の厚み方向に貫通する複数の貫通孔5をそれぞれ備える。なお、図5は、アタッチメント10Aの第1の面F1及び第2の面F2を示す下面図である。
【0036】
上記箇所に貫通孔5を設けることで、締固め作業時に法肩部の表面とアタッチメント本体部1の下面との間で圧縮される空気が貫通孔5を通じて外側に抜ける。そのため、法肩部50aの表面における骨材の乱れを抑制でき、十分に平滑な面を形成できる。なお、貫通孔5の開口径は10mm程度とすればよい。
【0037】
また、第1の面F1及び第2の面F2は、図5に示すように、第1の面及び第2の面に設けられた角柱状の鋼材(突起部)6を備える。当該箇所に複数の鋼材6を複数配設することで、法肩部50aに凹部を設けることができ、表面を適度に粗い状態とすることができる。これにより、法肩部50aの表面にブリージングが発生し、当該表面をウェットな面とすることができる。また、表面を適度に粗くすることで、内部コンクリートからなる当該堤体の形成後、これを覆うように打設される外部コンクリートとの接着性が向上するといった効果が奏される。
【0038】
可動プレート2Aは、アタッチメント本体部1の法面対向部1bの先端側に配設され、第1の面F1の法線方向と略一致する方向に移動する板状部材である。可動プレート2Aは、スライド機構3によって、第1の面F1の法線方向と略一致する方向にスライドするようになっている。
【0039】
スライド機構3は、図3,4に示すように、アタッチメント本体部1の法面対向部1bに配設されている。スライド機構3は、可動プレート2Aに対して上向きの力が加わると縮んで反発力が生じるばね3aと、可動プレート2Aをスライド方向にガイドする複数のガイド部材3bとを有する。
【0040】
アタッチメント10Aを法肩部50aに配置すると、可動プレート2Aの下端2aが法面F52に当接する。可動プレート2Aは、スライド機構3が有するばね3aによって下向きの押圧力が付与されており、ばね3aの付勢力よりも法面F52から受ける力の方が大きくなると、ばね3aが縮んで可動プレート2Aが上方にスライドする。図6は、可動プレート2Aが上方にスライドした状態を示す図である。
【0041】
可動プレート2Aがスライドすることで、法肩部50aを締め固める力がアタッチメント10Aの先端側から逃げるのが防止され、法肩部50a全体を十分に締め固めることができる。また、可動プレート2Aがスライドすることで、アタッチメント10Aの先端側を支点として、上面対向部1aが過度に沈み込むことを防止できる。したがって、堤体50の上面F51にくぼみが生じたり、法面F52の傾斜角が小さくなったりするといった不具合を十分に抑制でき、端部処理施工などの作業量を軽減できる。
【0042】
更に、アタッチメント10Aは、アタッチメント本体部1の上面対向部1aの3辺から外側に延在するようにそれぞれ配設された3枚の堤体上面カバープレート8を備える。堤体上面カバープレート8は、上面対向部1aの周縁から抜けた空気により、締固め作業を行っている領域近傍の堤体表面が乱れることを防止するためのものである。堤体上面カバープレート8としては、弾力性を有する材料からなるものが好ましく、ゴム板などを採用することが好ましい。
【0043】
次に、本実施形態に係る堤体構築方法について、いわゆるRCD工法によって堤体を構築する場合を例に説明する。この堤体構築方法は、コンクリート材料を撒き出し、これを敷き均して被圧縮層を形成する第1工程と、振動ローラなど用いて被圧縮層を締め固める第2工程と、法肩部締固め用重機20で被圧縮層の縁部(法肩部50a)を締め固める第3工程とを備える。
【0044】
上記第3工程において、図2に示すように、アタッチメント10Aを法肩部50aに当接させ、アタッチメント10Aを振動させながら、重機本体21の油圧によってアタッチメント10Aに対して下向きの押圧力を付与することで、法肩部50aを締め固める。このようにして法肩部50aを締固めることで、転圧ローラなどを締め固められる領域の締固め品質と同等の締固め品質を法肩部50aにおいても達成できる。
【0045】
上記第1工程から第3工程を複数回にわたって繰り返すことによって、内部コンクリートからなる堤体50が構築される。その後、図7に示すように、堤体50の表面を覆うように外部コンクリート60を打設することで、最終的にダム堤体100が構築される。
【0046】
<第2実施形態>
図8〜10を参照しながら、本発明に係るアタッチメントの第2実施形態について説明する。図8に示すアタッチメント10Bは、可動プレート2Bがアタッチメント本体部1に対して回動自在に設けられている点で上記第1実施形態に係るアタッチメント10Aと相違する。アタッチメント10Bは、アタッチメント本体部1と、可動プレート2Bと、この可動プレート2Bとアタッチメント本体部1とを連結するばね機構4とを備える。
【0047】
アタッチメント10Bは、上面対向部1a上に傾斜面F3が設けられており、起振機23を第1の面F1に対して傾斜した状態で固定できるようになっている。第1の面F1と傾斜面F3とのなす角度(図9に示す角度α)は基本的に自由に選択できるが、20〜30°程度であることが好ましい。角度αを設定することで、法肩50aの外側の斜め上方からアタッチメント10Bを法肩50aに押し当て、斜め下方に押圧力を加えることが可能となる。これにより、法肩50aをより一層確実に締め固めることができる。
【0048】
可動プレート2Bは、アタッチメント本体部1の法面対向部1bの先端部を支点Pとしてアタッチメント本体部1に回動自在に設けられた板状部材である。可動プレート2Bは、力を受けていない状態では第2の面F2と面一となるようにばね4aでアタッチメント本体部1と連結されている(図9参照)。アタッチメント10Bの使用時に可動プレート2Bが締固め土又は障害物と当接して力を受けると、可動プレート2Bが上方に移動するようになっている(図10参照)。
【0049】
ばね機構4は、アタッチメント本体部1の法面対向部1bに配設されている。ばね機構4は、可動プレート2Bに対して上向きの力が加わるとばね4aが縮んで反発力が生じるように構成されている。
【0050】
可動プレート2Bが支点Pで折れ曲るようにして上方に移動することで、上記第1実施形態に係る可動プレート2Aと同様の効果が奏される。すなわち、法肩部50aを締め固める力がアタッチメント10Bの先端側から逃げるのが防止され、法肩部50a全体を十分に締め固めることができる。また、アタッチメント10Bの先端側を支点として、上面対向部1aが過度に沈み込むことを防止できる。したがって、堤体50の上面F51にくぼみが生じたり、法面F52の傾斜角が小さくなったりするといった不具合を十分に抑制でき、端部処理施工などの作業量を軽減できる。更に、可動プレート2Bによれば、法肩部の周囲に障害物等があり、これにアタッチメント10Bの先端が接触した状態でも可動プレート2Bが回動することで被圧縮層を十分に締め固めることができる。
【0051】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明に係るアタッチメントは、当該アタッチメント自体が起振機を備えたものであってもよい。図11に示すアタッチメント10Cは、第1実施形態に係るアタッチメント10Aと起振機23とによって構成されたものである。図12に示すアタッチメント10Dは、第2実施形態に係るアタッチメント10Bと起振機23とによって構成されたものである。
【0052】
また、上記実施形態においては、貫通孔5及び鋼材6をアタッチメント本体部1の第1の面F1及び第2の面F2の両方に設ける場合を例示したが、貫通孔5及び鋼材6は、コンクリート材料の種類や堤体の用途によっては、アタッチメント本体部1の第1の面F1及び第2の面F2の一方のみに設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0053】
また、アタッチメント本体部1の第1の面F1及び第2の面F2には、棒状の鋼材6の代わりに円形の突起部を所望の位置に設けてもよい。堤体上面カバープレート8は、堤体上面の仕上がりの程度等に応じて設置の要否を決定すればよい。
【実施例】
【0054】
本発明に係るアタッチメントの性能を確認するため、図1に示したものと同様の構成の法肩部締固め用重機(総重量14.3トン)を用いて、堤体の法肩部の締固め実験を行った。なお、堤体の法肩部以外の領域は、振動式転圧ローラを用いて締固めを行った。法肩部締固め用重機の起振機及び振動式転圧ローラの振動数及び起振力を表1に示す。
【表1】
【0055】
(実施例1)
法肩部以外の領域を振動式転圧ローラによって十分に締め固めた後、上記法肩部締固め用重機のアタッチメントを法肩部に配置し、当該アタッチメントを60秒間振動させ、法肩部の締固めを行った。法肩締固め用重機で締め固めた法肩部及び振動式転圧ローラで締め固めた領域のコンクリート材料の密度をそれぞれ測定することで、締固め品質を評価した。密度測定は、RI式の密度計を使用し、それぞれの領域につき、6箇所のコンクリート材料に対して行った。結果を表2に示す。
【表2】
【0056】
(実施例2)
アタッチメントを振動させる時間を60秒とする代わりに、30秒としたことの他は、実施例1と同様にして法肩部の締固めを行い、堤体を形成した。また、実施例1と同様、締め固めたコンクリート材料の密度を測定することで締固め品質を評価した。なお、本実施例では、それぞれの領域につき、2箇所のコンクリート材料に対して密度測定を行った。結果を表3に示す。
【表3】
【0057】
上記の実施例1,2の結果から、本発明に係るアタッチメント及び法肩部締固め用重機を用いて法肩部の締固めを行うことで、転圧ローラによって締め固めた領域と同等の締固め品質を法肩部において達成できることが確認された。
【符号の説明】
【0058】
1…アタッチメント本体部、1a…上面対向部、1b…法面対向部、2A,2B…可動プレート、3…スライド機構、4…ばね機構、5…貫通孔、6…鋼材(突起部)、8…堤体上面カバープレート、10A,10B,10C,10D…アタッチメント、20…締固め用重機、21…重機本体、23…起振機、50…堤体、50a…法肩部、60…外部コンクリート、100…ダム堤体、C…コーナー部、F1…第1の面、F2…第2の面、F51…堤体の上面、F52…堤体の法面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、堤体の法肩部の締固めに使用されるアタッチメント及びこれを備える重機、並びに、堤体構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
堤体を構築する建設現場においては、環境保全や経済性の観点から、原位置コンクリート(CSG:Cemented Sand and Gravel)が使用されることがある。CSGとは、掘削によって生じた岩石や河床砂礫などの岩石質材料にセメント、水などを添加し、これらを混合して得られるセメント系材料を意味し、ダムの建設現場の近くで入手可能な岩石質材料が使用される。
【0003】
堤体は、一般に、セメントを含有する被圧縮層を締め固めて圧縮層を形成する作業を複数回行うことで構築される。下記特許文献1には、CSGを用いて堤体を構築方法が記載されている。また、特許文献1には、堤体の法肩部を締め固めるための締固め機についても記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−163283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の締固め機を用いて法肩部の締め固めを行った場合、一定の締固め品質を達成できるものの未だ改善の余地が残されていた。例えば、堤体を構築する工法としてRCD工法(Roller Compacted Dam Method)を採用したときのように一回に積み重ねられる被圧縮層が比較的厚い場合、あるいは、法肩部の周囲に障害物等がある場合、従来の締固め機では、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることが困難であった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることが可能なアタッチメント及びこれを備える法肩部締固め用重機、並びに、これらを用いた堤体構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、積み重ねられた被圧縮層が比較的厚い場合であっても、高い締固め品質を達成できる方法について鋭意検討した。特に、上述のRCD工法は、通常、一回に積み重ねられる被圧縮層が層厚0.75〜1.0mに設定されることが多いため、この工法にも適用可能な方法の開発に取り組んだ。なお、RCD工法は、コンクリートダムの施工法の一種であり、セメントの含有量が比較的少ないコンクリート材料からなる被圧縮層を形成した後、振動ローラなど用いて締め固めるという一連の工程を複数回行い、堤体を構築していく工法である。
【0008】
本発明者らは、堤体の法肩部の締固めに使用する重機用アタッチメントの構成について検討を重ねたところ、所定の箇所に可動プレートを配設することで、法肩部の良好な締固め品質を実現できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明に係るアタッチメントは、堤体の上面の縁部及び当該縁部から斜め下方向に延在する法面の上部によって形成される法肩部を締め固めるために使用されるものであって、堤体の上面と対向する第1の面を有する上面対向部、及び、第1の面と所定の角度をなしており堤体の法面と対向する第2の面を有する法面対向部からなる本体部と、法面対向部の先端部に配設された可動プレートとを備え、この可動プレートは、当該アタッチメントの使用時に締固め土又は障害物から受ける力によって上方に移動することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るアタッチメントは、上記の通り、本体部の法面対向部の先端部に可動プレートを備えている。当該アタッチメントを堤体の法肩部に配置すると、この可動プレートは堤体の法面と当接する。この状態でアタッチメントに対して下向きの押圧力が付与され、アタッチメントが下方に押し込まれると、締固め土や障害物に当接した可動プレートは本体部に対して上方に移動する。可動プレートが移動することで、押圧力がアタッチメントの先端部から逃げるのが防止され、当該先端部でも十分に法面を締め固めることができる。その結果、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることができ、堤体の法肩部における優れた締固め品質を達成できる。
【0011】
これに対し、上記のような可動プレートを具備しないアタッチメントを使用した場合、アタッチメントの先端部が直接堤体の法面と当接する。この状態でアタッチメントに対して下向きの押圧力が付与されると、アタッチメントがある程度下方に押し込まれた後、法面によってアタッチメントの下方への動きが阻害されるといった現象が起きる。そうすると、アタッチメントの先端部から押圧力が逃げ、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることが困難となる。
【0012】
また、可動プレートを具備しないアタッチメントにあっては、アタッチメントの先端で押圧される被圧縮層の法面側が鋭角となり、当該部分が薄層になりやすい。この場合、端部処理施工に多くの作業量が必要となるといった不具合が生じる。本発明に係るアタッチメントによれば、可動プレートを先端部に設けたことで、上記のような不具合を十分に抑制できるため、端部処理施工の作業量を軽減できる。
【0013】
本発明に係るアタッチメントは、可動プレートが法面対向部の先端部を支点として本体部に対して回動自在に設けられていることが好ましい。この場合、可動プレートは、本体部とばねで連結されており、法面対向部の先端部から第2の面と面一となるように延在していることが好ましい。また、可動プレートは、第1の面の法線方向と略一致する方向にスライドするものであってもよい。なお、ここでいう「第1の面の法線方向と略一致する方向」とは、当該法線方向との角度が0〜10°の範囲の方向を意味する。
【0014】
本発明に係るアタッチメントは、第1の面及び第2の面の少なくとも一方の面上に設けられた複数の突起部を更に備えることが好ましい。かかる構成を採用すると、堤体の法肩部の表面を適度に粗い状態とすることができる。その結果、法肩部の表面においてブリージングを発生させ、ウェットな面を形成できる。また、表面を適度に粗くすることで、堤体の形成後、これを覆うように打設される外部コンクリートとの接着性が向上するといった効果も奏される。
【0015】
本発明のアタッチメントは、第1の面及び第2の面の少なくとも一方の面から当該本体部の厚み方向に貫通する複数の貫通孔を更に備えることが好ましい。かかる構成を採用することにより、締固めを行う際に貫通孔から空気が抜け、法肩部の表面における骨材の乱れが抑制され、十分に平滑な面を形成できる。
【0016】
また、本発明のアタッチメントは、第1の面と第2の面とによって形成されるコーナー部がR形状であることが好ましい。かかる構成を採用することにより、上記コーナー部における締め固め不足により品質不良を十分に防止できる。
【0017】
更に、本発明のアタッチメントは、本体部の上面対向部の周縁から外側に延在するように配設され、弾力性を有する材料からなる堤体上面カバープレートを更に備えることが好ましい。かかる構成を採用することにより、上面対向部の周縁から抜けた空気による骨材の乱れが抑制され、締固め作業を行っている領域近傍の堤体の表面が乱れることを十分に抑制できる。
【0018】
本発明に係る法肩部締固め用重機は、本発明に係る上記アタッチメントと、アタッチメントを振動させる起振機を有し、当該起振機を介してアタッチメントが取り付けられた重機本体とを備える。起振機を具備する法肩部締固め用重機によれば、上記アタッチメントを振動させながらアタッチメントに対して下向きの押圧力を付与することができる。したがって、この法肩部締固め用重機を用いて締固め作業を行うことで、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることができ、堤体の法肩部における優れた締固め品質を達成できる。
【0019】
一方、本発明に係る上記アタッチメント自体が起振機を有する場合、すなわち、アタッチメントがその上面対向部の第1の面と反対側に起振機を備えたものである場合にあっては、起振機を具備しない重機本体に当該アタッチメントを取り付ければよい。このように、起振機を備えるアタッチメントと、この起振機を介して当該アタッチメントが取り付けられた重機本体とを備える法肩部締固め用重機を使用した場合も、上述の法肩部締固め用重機と同様、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることが可能である。
【0020】
本発明において使用する起振機は、振動数が500〜3000cpmであり且つ起振力が10〜16トンであることが好ましい。上記性能を有する起振機を用いることで、一層優れた締固め品質を達成できる。また、例えば、RCD工法でダムの堤体を構築する場合、法肩部以外の領域の締固め品質と同等の締固め品質を法肩部においても達成できる。
【0021】
本発明に係る堤体構築方法は、セメントを含有する被圧縮層を締め固めて圧縮層を形成する作業を複数回行って堤体を構築するに際し、本発明に係る上記法肩部締固め用重機を用いて法肩部を締め固める工程を備え、当該工程において、アタッチメントの第1の面を堤体の上面の縁部に当接させるとともに、アタッチメントの第2の面を堤体の法面の上部に当接させ、アタッチメントを振動させながら当該アタッチメントに対して下向きの押圧力を付与することを特徴とする。
【0022】
本発明に係る堤体構築方法においては、本発明に係る上記アタッチメントを振動させながらアタッチメントに対して下向きの押圧力を付与して法肩部の締固めを行う。このことにより、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることができ、堤体の法肩部における優れた締固め品質を達成できる。
【0023】
なお、本発明における「堤体」とは、被圧縮層を締め固めて圧縮層を形成する所定回数の作業が完了して形成されたもののみならず、所定回数の作業が完了する前の段階のものをも包含する意味である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、堤体の法肩部を十分均一に締め固めることができ、優れた締固め品質を有する堤体を構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る法肩部締固め用重機の第1実施形態を示す側面図である。
【図2】図1に示された法肩部締固め用重機を用いて法肩部の締固め作業を行っている様子を示す図である。
【図3】図1に示された法肩部締固め用重機のアタッチメントを示す斜視図である。
【図4】図3に示されたアタッチメントの主要な構成を示す概略側面図である。
【図5】図3に示されたアタッチメントの第1及び第2の面を示す下面図である。
【図6】図4に示されたアタッチメントの可動プレートが上方にスライドしている状態を示す概略側面図である。
【図7】本発明の堤体構築方法によって構築されたダム堤体の一例を示す断面図である。
【図8】本発明に係るアタッチメントの第2実施形態を示す斜視図である。
【図9】図8に示されたアタッチメントの主要な構成を示す概略側面図である。
【図10】図9に示されたアタッチメントの可動プレートが上方にスライドしている状態を示す概略側面図である。
【図11】本発明に係るアタッチメントの他の好適な実施形態を示す側面図である。
【図12】本発明に係るアタッチメントの更に他の好適な実施形態を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0027】
<第1実施形態>
(法肩部締固め用重機)
図1は、本実施形態に係る法肩部締固め用重機を示す側面図である。同図に示すように、法肩部締固め用重機20は、重機本体21と、重機本体21が有するアーム21aの先端に設けられた起振機23と、この起振機23に取り付けられたアタッチメント10Aとを備える。起振機23は、アーム21aの先端部に対して脱着自在に取り付けられている。また、アタッチメント10Aは、起振機23に対して脱着自在に取り付けられている。
【0028】
この法肩部締固め用重機20は、図2に示すように、構築中の堤体50の上面F51上からアーム21aを上面F51の縁部に向けて伸ばし、堤体50の法肩部50aの締固め作業を行うことができる。図2は、アタッチメント10Aを法肩部50aに当接させた状態で、起振機23を振動させるとともに、重機本体21によってアタッチメント10Aに下向きの押圧力を付与することによって法肩部50aの締固めを行っている様子を示す模式図である。ここで、法肩部とは、堤体50の一部分であって、堤体50の上面F51の縁部及び当該縁部から斜め下方向に延在する法面F52の上部によって形成される部分をいう。
【0029】
重機本体21は、起振機23をアーム21aの先端に取り付けることが可能なものであれば、特に制限はない。重機本体21として、例えば、バックホウなどの重機本体であって、アーム21aが油圧で作動するとともに、キャタピラ21bを有しており悪路や斜面なども走行できるものを採用することができる。重機本体21は、作業効率の点から全旋回型であることが好ましい。また、重機本体21は、総重量が18トン以下であることが好ましい。重機本体21として総重量18トン以下のものを使用することで、吊り上げ荷重18トン以上のケーブルクレーンによって吊り上げることができ、作業効率が向上するという利点がある。
【0030】
起振機23は、アタッチメント10Aに振動を与えるためのものである。起振機23として、例えば、目地切機などを転用してもよい。起振機23は、振動数が500〜3000cpmであり且つ起振力が10〜16トンであることが好ましく、振動数が1500〜2800cpmであり且つ起振力が12〜16トンであることがより好ましい。上記性能を有する起振機23でアタッチメント10Aを振動させることで、法肩部50aの優れた締固め品質を達成できる。
【0031】
アタッチメント10Aは、重機本体21のアーム21aの先端に取り付けられ、堤体50の法肩部50aの締固めに使用されるものである。図3〜6を参照しながら、アタッチメント10Aの構成について説明する。図3は、本実施形態に係るアタッチメント10Aを示す斜視図である。図3に示すように、アタッチメント10Aは、アタッチメント本体部1と、可動プレート2Aと、この可動プレート2Aをスライドさせるスライド機構3とを備える。
【0032】
図4は、アタッチメント10Aの主要な構成を示す概略側面図である。同図に示すように、アタッチメント本体部1は、第1の面F1と、この第1の面F1と所定の角度をなす第2の面F2とを有する。第1の面F1は、堤体50の上面F51と対向する面であり、第2の面F2は、堤体50の法面F52との対向する面である(図2参照)。アタッチメント本体部1は、第1の面F1を有する上面対向部1aと、第2の面F2を有する法面対向部1bとからなる。
【0033】
第1の面F1と第2の面F2とがなす角度は、構築する堤体50の上面F51と法面F52とがなす角度と同じになるように設定すればよい。法面の傾斜角は通常、120〜140°程度に設定される。
【0034】
図4に示すように、第1の面F1と第2の面F2とによって形成されるコーナー部Cは、R形状となっている。これにより、コーナー部Cにおける締め固め不足を防止することができ、優れた締付け品質を達成できる。
【0035】
また、第1の面F1及び第2の面F2は、図5に示すように、アタッチメント本体部1の厚み方向に貫通する複数の貫通孔5をそれぞれ備える。なお、図5は、アタッチメント10Aの第1の面F1及び第2の面F2を示す下面図である。
【0036】
上記箇所に貫通孔5を設けることで、締固め作業時に法肩部の表面とアタッチメント本体部1の下面との間で圧縮される空気が貫通孔5を通じて外側に抜ける。そのため、法肩部50aの表面における骨材の乱れを抑制でき、十分に平滑な面を形成できる。なお、貫通孔5の開口径は10mm程度とすればよい。
【0037】
また、第1の面F1及び第2の面F2は、図5に示すように、第1の面及び第2の面に設けられた角柱状の鋼材(突起部)6を備える。当該箇所に複数の鋼材6を複数配設することで、法肩部50aに凹部を設けることができ、表面を適度に粗い状態とすることができる。これにより、法肩部50aの表面にブリージングが発生し、当該表面をウェットな面とすることができる。また、表面を適度に粗くすることで、内部コンクリートからなる当該堤体の形成後、これを覆うように打設される外部コンクリートとの接着性が向上するといった効果が奏される。
【0038】
可動プレート2Aは、アタッチメント本体部1の法面対向部1bの先端側に配設され、第1の面F1の法線方向と略一致する方向に移動する板状部材である。可動プレート2Aは、スライド機構3によって、第1の面F1の法線方向と略一致する方向にスライドするようになっている。
【0039】
スライド機構3は、図3,4に示すように、アタッチメント本体部1の法面対向部1bに配設されている。スライド機構3は、可動プレート2Aに対して上向きの力が加わると縮んで反発力が生じるばね3aと、可動プレート2Aをスライド方向にガイドする複数のガイド部材3bとを有する。
【0040】
アタッチメント10Aを法肩部50aに配置すると、可動プレート2Aの下端2aが法面F52に当接する。可動プレート2Aは、スライド機構3が有するばね3aによって下向きの押圧力が付与されており、ばね3aの付勢力よりも法面F52から受ける力の方が大きくなると、ばね3aが縮んで可動プレート2Aが上方にスライドする。図6は、可動プレート2Aが上方にスライドした状態を示す図である。
【0041】
可動プレート2Aがスライドすることで、法肩部50aを締め固める力がアタッチメント10Aの先端側から逃げるのが防止され、法肩部50a全体を十分に締め固めることができる。また、可動プレート2Aがスライドすることで、アタッチメント10Aの先端側を支点として、上面対向部1aが過度に沈み込むことを防止できる。したがって、堤体50の上面F51にくぼみが生じたり、法面F52の傾斜角が小さくなったりするといった不具合を十分に抑制でき、端部処理施工などの作業量を軽減できる。
【0042】
更に、アタッチメント10Aは、アタッチメント本体部1の上面対向部1aの3辺から外側に延在するようにそれぞれ配設された3枚の堤体上面カバープレート8を備える。堤体上面カバープレート8は、上面対向部1aの周縁から抜けた空気により、締固め作業を行っている領域近傍の堤体表面が乱れることを防止するためのものである。堤体上面カバープレート8としては、弾力性を有する材料からなるものが好ましく、ゴム板などを採用することが好ましい。
【0043】
次に、本実施形態に係る堤体構築方法について、いわゆるRCD工法によって堤体を構築する場合を例に説明する。この堤体構築方法は、コンクリート材料を撒き出し、これを敷き均して被圧縮層を形成する第1工程と、振動ローラなど用いて被圧縮層を締め固める第2工程と、法肩部締固め用重機20で被圧縮層の縁部(法肩部50a)を締め固める第3工程とを備える。
【0044】
上記第3工程において、図2に示すように、アタッチメント10Aを法肩部50aに当接させ、アタッチメント10Aを振動させながら、重機本体21の油圧によってアタッチメント10Aに対して下向きの押圧力を付与することで、法肩部50aを締め固める。このようにして法肩部50aを締固めることで、転圧ローラなどを締め固められる領域の締固め品質と同等の締固め品質を法肩部50aにおいても達成できる。
【0045】
上記第1工程から第3工程を複数回にわたって繰り返すことによって、内部コンクリートからなる堤体50が構築される。その後、図7に示すように、堤体50の表面を覆うように外部コンクリート60を打設することで、最終的にダム堤体100が構築される。
【0046】
<第2実施形態>
図8〜10を参照しながら、本発明に係るアタッチメントの第2実施形態について説明する。図8に示すアタッチメント10Bは、可動プレート2Bがアタッチメント本体部1に対して回動自在に設けられている点で上記第1実施形態に係るアタッチメント10Aと相違する。アタッチメント10Bは、アタッチメント本体部1と、可動プレート2Bと、この可動プレート2Bとアタッチメント本体部1とを連結するばね機構4とを備える。
【0047】
アタッチメント10Bは、上面対向部1a上に傾斜面F3が設けられており、起振機23を第1の面F1に対して傾斜した状態で固定できるようになっている。第1の面F1と傾斜面F3とのなす角度(図9に示す角度α)は基本的に自由に選択できるが、20〜30°程度であることが好ましい。角度αを設定することで、法肩50aの外側の斜め上方からアタッチメント10Bを法肩50aに押し当て、斜め下方に押圧力を加えることが可能となる。これにより、法肩50aをより一層確実に締め固めることができる。
【0048】
可動プレート2Bは、アタッチメント本体部1の法面対向部1bの先端部を支点Pとしてアタッチメント本体部1に回動自在に設けられた板状部材である。可動プレート2Bは、力を受けていない状態では第2の面F2と面一となるようにばね4aでアタッチメント本体部1と連結されている(図9参照)。アタッチメント10Bの使用時に可動プレート2Bが締固め土又は障害物と当接して力を受けると、可動プレート2Bが上方に移動するようになっている(図10参照)。
【0049】
ばね機構4は、アタッチメント本体部1の法面対向部1bに配設されている。ばね機構4は、可動プレート2Bに対して上向きの力が加わるとばね4aが縮んで反発力が生じるように構成されている。
【0050】
可動プレート2Bが支点Pで折れ曲るようにして上方に移動することで、上記第1実施形態に係る可動プレート2Aと同様の効果が奏される。すなわち、法肩部50aを締め固める力がアタッチメント10Bの先端側から逃げるのが防止され、法肩部50a全体を十分に締め固めることができる。また、アタッチメント10Bの先端側を支点として、上面対向部1aが過度に沈み込むことを防止できる。したがって、堤体50の上面F51にくぼみが生じたり、法面F52の傾斜角が小さくなったりするといった不具合を十分に抑制でき、端部処理施工などの作業量を軽減できる。更に、可動プレート2Bによれば、法肩部の周囲に障害物等があり、これにアタッチメント10Bの先端が接触した状態でも可動プレート2Bが回動することで被圧縮層を十分に締め固めることができる。
【0051】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明に係るアタッチメントは、当該アタッチメント自体が起振機を備えたものであってもよい。図11に示すアタッチメント10Cは、第1実施形態に係るアタッチメント10Aと起振機23とによって構成されたものである。図12に示すアタッチメント10Dは、第2実施形態に係るアタッチメント10Bと起振機23とによって構成されたものである。
【0052】
また、上記実施形態においては、貫通孔5及び鋼材6をアタッチメント本体部1の第1の面F1及び第2の面F2の両方に設ける場合を例示したが、貫通孔5及び鋼材6は、コンクリート材料の種類や堤体の用途によっては、アタッチメント本体部1の第1の面F1及び第2の面F2の一方のみに設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0053】
また、アタッチメント本体部1の第1の面F1及び第2の面F2には、棒状の鋼材6の代わりに円形の突起部を所望の位置に設けてもよい。堤体上面カバープレート8は、堤体上面の仕上がりの程度等に応じて設置の要否を決定すればよい。
【実施例】
【0054】
本発明に係るアタッチメントの性能を確認するため、図1に示したものと同様の構成の法肩部締固め用重機(総重量14.3トン)を用いて、堤体の法肩部の締固め実験を行った。なお、堤体の法肩部以外の領域は、振動式転圧ローラを用いて締固めを行った。法肩部締固め用重機の起振機及び振動式転圧ローラの振動数及び起振力を表1に示す。
【表1】
【0055】
(実施例1)
法肩部以外の領域を振動式転圧ローラによって十分に締め固めた後、上記法肩部締固め用重機のアタッチメントを法肩部に配置し、当該アタッチメントを60秒間振動させ、法肩部の締固めを行った。法肩締固め用重機で締め固めた法肩部及び振動式転圧ローラで締め固めた領域のコンクリート材料の密度をそれぞれ測定することで、締固め品質を評価した。密度測定は、RI式の密度計を使用し、それぞれの領域につき、6箇所のコンクリート材料に対して行った。結果を表2に示す。
【表2】
【0056】
(実施例2)
アタッチメントを振動させる時間を60秒とする代わりに、30秒としたことの他は、実施例1と同様にして法肩部の締固めを行い、堤体を形成した。また、実施例1と同様、締め固めたコンクリート材料の密度を測定することで締固め品質を評価した。なお、本実施例では、それぞれの領域につき、2箇所のコンクリート材料に対して密度測定を行った。結果を表3に示す。
【表3】
【0057】
上記の実施例1,2の結果から、本発明に係るアタッチメント及び法肩部締固め用重機を用いて法肩部の締固めを行うことで、転圧ローラによって締め固めた領域と同等の締固め品質を法肩部において達成できることが確認された。
【符号の説明】
【0058】
1…アタッチメント本体部、1a…上面対向部、1b…法面対向部、2A,2B…可動プレート、3…スライド機構、4…ばね機構、5…貫通孔、6…鋼材(突起部)、8…堤体上面カバープレート、10A,10B,10C,10D…アタッチメント、20…締固め用重機、21…重機本体、23…起振機、50…堤体、50a…法肩部、60…外部コンクリート、100…ダム堤体、C…コーナー部、F1…第1の面、F2…第2の面、F51…堤体の上面、F52…堤体の法面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
堤体の上面の縁部及び当該縁部から斜め下方向に延在する法面の上部によって形成される法肩部を締め固めるために使用される重機用アタッチメントであって、
前記堤体の上面と対向する第1の面を有する上面対向部、及び、前記第1の面と所定の角度をなしており前記堤体の法面と対向する第2の面を有する法面対向部からなる本体部と、
前記法面対向部の先端部に配設された可動プレートと、
を備え、
前記可動プレートは、当該アタッチメントの使用時に締固め土又は障害物から受ける力によって上方に移動することを特徴とするアタッチメント。
【請求項2】
前記可動プレートは、前記法面対向部の先端部を支点として前記本体部に対して回動自在に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記可動プレートは、前記本体部とばねで連結されており、前記法面対向部の先端部から前記第2の面と面一となるように延在していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記可動プレートは、前記第1の面の法線方向と略一致する方向にスライドすることを特徴とする、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記第1の面及び前記第2の面の少なくとも一方の面上に設けられた複数の突起部を更に備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項6】
前記第1の面及び前記第2の面の少なくとも一方の面から当該本体部の厚み方向に貫通する複数の貫通孔を更に備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項7】
前記第1の面と前記第2の面とによって形成されるコーナー部がR形状であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項8】
前記上面対向部の周縁部から外側に延在するように配設され、弾力性を有する材料からなる堤体上面カバープレートを更に備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項9】
前記上面対向部の前記第1の面と反対側に設けられた起振機を更に備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項10】
前記起振機は、振動数が500〜3000cpmであり且つ起振力が10〜16トンであることを特徴とする、請求項9に記載のアタッチメント。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のアタッチメントと、
前記アタッチメントを振動させる起振機を有し、前記起振機を介して前記アタッチメントが取り付けられた重機本体と、
を備えることを特徴とする法肩部締固め用重機。
【請求項12】
請求項9又は10に記載のアタッチメントと、
前記起振機を介して前記アタッチメントが取り付けられた重機本体と、
を備えることを特徴とする法肩部締固め用重機。
【請求項13】
セメントを含有する被圧縮層を締め固めて圧縮層を形成する作業を複数回行い、複数の圧縮層からなる堤体を構築する堤体構築方法であって、
請求項11又は12に記載の法肩部締固め用重機を用いて法肩部を締め固める工程を備え、当該工程において、前記アタッチメントの前記第1の面を堤体の上面の縁部に当接させるとともに、前記アタッチメントの前記第2の面を堤体の法面の上部に当接させ、前記アタッチメントを振動させながら当該アタッチメントに対して下向きの押圧力を付与することを特徴とする堤体構築方法。
【請求項1】
堤体の上面の縁部及び当該縁部から斜め下方向に延在する法面の上部によって形成される法肩部を締め固めるために使用される重機用アタッチメントであって、
前記堤体の上面と対向する第1の面を有する上面対向部、及び、前記第1の面と所定の角度をなしており前記堤体の法面と対向する第2の面を有する法面対向部からなる本体部と、
前記法面対向部の先端部に配設された可動プレートと、
を備え、
前記可動プレートは、当該アタッチメントの使用時に締固め土又は障害物から受ける力によって上方に移動することを特徴とするアタッチメント。
【請求項2】
前記可動プレートは、前記法面対向部の先端部を支点として前記本体部に対して回動自在に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記可動プレートは、前記本体部とばねで連結されており、前記法面対向部の先端部から前記第2の面と面一となるように延在していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記可動プレートは、前記第1の面の法線方向と略一致する方向にスライドすることを特徴とする、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記第1の面及び前記第2の面の少なくとも一方の面上に設けられた複数の突起部を更に備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項6】
前記第1の面及び前記第2の面の少なくとも一方の面から当該本体部の厚み方向に貫通する複数の貫通孔を更に備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項7】
前記第1の面と前記第2の面とによって形成されるコーナー部がR形状であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項8】
前記上面対向部の周縁部から外側に延在するように配設され、弾力性を有する材料からなる堤体上面カバープレートを更に備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項9】
前記上面対向部の前記第1の面と反対側に設けられた起振機を更に備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項10】
前記起振機は、振動数が500〜3000cpmであり且つ起振力が10〜16トンであることを特徴とする、請求項9に記載のアタッチメント。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のアタッチメントと、
前記アタッチメントを振動させる起振機を有し、前記起振機を介して前記アタッチメントが取り付けられた重機本体と、
を備えることを特徴とする法肩部締固め用重機。
【請求項12】
請求項9又は10に記載のアタッチメントと、
前記起振機を介して前記アタッチメントが取り付けられた重機本体と、
を備えることを特徴とする法肩部締固め用重機。
【請求項13】
セメントを含有する被圧縮層を締め固めて圧縮層を形成する作業を複数回行い、複数の圧縮層からなる堤体を構築する堤体構築方法であって、
請求項11又は12に記載の法肩部締固め用重機を用いて法肩部を締め固める工程を備え、当該工程において、前記アタッチメントの前記第1の面を堤体の上面の縁部に当接させるとともに、前記アタッチメントの前記第2の面を堤体の法面の上部に当接させ、前記アタッチメントを振動させながら当該アタッチメントに対して下向きの押圧力を付与することを特徴とする堤体構築方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−21376(P2011−21376A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167124(P2009−167124)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(301003159)国土交通省九州地方整備局長 (4)
【出願人】(594135151)財団法人ダム技術センター (12)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(301003159)国土交通省九州地方整備局長 (4)
【出願人】(594135151)財団法人ダム技術センター (12)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【Fターム(参考)】
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