説明

洋食用機能性ふりかけの製造方法

【課題】薬剤やサプリメントによらず、日常の食事より摂り、生活習慣病のリスクの軽減を可能とする洋食用機能性ふりかけとその製造方法の提供。
【解決手段】従来の和食用ふりかけと比べ塩分無使にして、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)、動脈硬化症、高血圧等の生活習慣病に役立つドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ビタミンE、同CおよびFD粉末ヨーグルト並びにFD粉末野菜、果実等を付加した粉末状の香味豊にして携行に便な洋食用機能性ふりかけとその製造方法。
【効果】栄養生理的機能性は、現在の肉食を主体とする洋風化食形態による前記の生活習慣病をはじめ、これらにより誘発される脳梗塞や心筋梗塞の予防をはかり、更にアスコルビン酸による強力な抗酸化作用や乳酸菌のプロバイオティックス作用も本ふりかけの食物繊維により促進される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、保存・携帯に優れた洋食用機能性ふりかけおよびそのせい製造方法に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来は和食の食事形態の米飯に合わせた、のり、ごま、しそ、魚粉や香辛料等を主原料とし、食塩使用の塩味を主体とするふりかけの製造方法によるものであった。また一方本発明に使用の粉末油脂の製造技術は、例えば特開平5−137506もしくは特開平7−41793等によるごとく、水中油滴のエマルジョンを噴霧乾燥法等により製造するものであるが、得られた粉末油脂の利用については、従来のふりかけにはまったく利用されていない。本発明では生理的機能性のあるDHA、EPAおよび脂溶性ビタミン類等を添加してある粉末油脂をふりかけ素材として用いる新規制のある技術開発に係わる。
【非特許文献】文部科学省科学技術・学術審議会編「増補五訂:日本食品成分表」財務省印刷局発行(2008)
【特許文献1】特開平5−137506
【特許文献2】特開平7−41793
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近は一般に洋食の食事形態が多く、家庭の食事や外食産業でのメニューでも食肉類が素材として多く使われている。そこで栄養的脂肪分過多によるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)患者の発生も多く、これによって引き起こされる高血圧、心疾患や脳梗塞等いわゆる生活習慣病は日本人の半数以上も占めているといわれている。そこで肉食過剰による生活習慣病のリスクを薬剤やサプリメントによらずに食事と共に摂ることの出来る、洋食用機能性ふりかけを製造、国民の栄養改善および食品産業に貢献しようとするのが本発明の課題である。
【課題を解決する為の手段】
【0004】
食肉過剰摂取による種々の生活習慣病の予防、阻止については、食肉脂肪分の体内蓄積の軽減により作用する高度不飽和脂肪酸のDHA、EPAの摂取およびコレステロール分解に作用するビタミンEの摂取が有効とされている。しかし両物質とも脂溶性であるため、本発明では粉末形態を主体とするふりかけに配合するためには油脂も粉末の形態が必要とされる。そこでこれ迄の粉末油脂製造技術により、オリーブ油、サフラワー油等良質食用油に溶解、更に増粘剤等の溶解水溶液を加え、水中油滴型のエマルジョン化した後、噴霧乾燥した粉末状のものをふりかけ素材とするものである。また上記成分の保存中並びに体内摂取後における酸化による減少を防ぐ目的で、アスコルビン酸を本発明品ふりかけの素材である脱脂(全)粉乳に予めpH調整剤(クエン酸等の有機酸)と共に添加混合しておく。更に本発明の課題である生活習慣病軽減に役立つプロバイオティクス機能を有する粉末ヨーグルトも添加混合し、乳酸菌による免疫力の強化をはじめ美容、老化防止にも役立てようとするものである。また粉末ヨーグルト含有の洋食ふりかけは矯味作用による味覚のマイルド化にもなり、従って図1の官能試験結果にも示す美味しさを増す成績であった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下本発明のふりかけの形態を図1に示す。すなわちA区(ビーフカレーライス中辛に、本発明品1食分20gを添加したもの)とB区(A区と同量でビーフカレーライスのみのもの)について、男女(男子5名女子5名)10名のパネラーによって、品質6項目についての官能試験を実施した。その結果は図1に示すようで、A区はB区(無添加区)に比べ食感、うま味および総合評価において優れた結果であった。すなわち以上の結果よりA区機能性ふりかけでは、含有粉末油脂の溶解時におけるゲル化が食感のマイルド感へ、また粉末ヨーグルトの矯味効果が味覚のうま味へと好影響を与えたものと思われた。
次に本発明に含有しているアスコルビン酸を分析した結果は表1に示すようで、100g中3,160mg含有していたので、本発明品を1食当たり20gを使用するとして632mg(レモン約20個分相当)のビタミンCが摂れることになる。また本品1g中におけるビフィズス菌数分析結果は表2に示すようで、1g中に6億6千含まれているので1食20g当たりでは132億なので普通ヨーグルト(120g入)約10個分の乳酸菌を摂取出来ることとなる。
【表1】

【表2】

【実施例】
【0006】
次に本発明の洋食用機能性ふりかけの100gにおける具体的の配合例を示すは下表のようである。
【表3】


なお、粉末油脂20g中のDHA、EPA、ビタミンEの含有量は下記のようである。
DHA 3.5g
EPA 2.0g
ビタミンE 50mg
上記の食材を均等混合したものは、ふりかけ1食当20g入とし、スズ箔ラミネート包装小袋酸化防止剤入りに真空包装し、所要の標示を印字商品とし出荷する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は洋食用機能性ふりかけとその製造方法に係わるもので、次のような効果が得られる。
(1)本発明品の洋食用機能性ふりかけは軽量にして携帯にも便なので、家庭における洋食メニューは勿論のこと外食においての洋食喫食事、その他弁当などにも使用が可能である。従ってふりかけ中にある機能性有効成分は食事と共にとれるので、体内でのこれら有効成分の同化吸収が良好である。
(2)本発明のふりかけに含まれているDHA、EPA等の機能性成分は、近年の洋食形態による生活習慣病となっているメタボリックシンドロームをはじめ高血圧症、脳梗塞の原因ともなる体脂肪の蓄積のリスク軽減に作用し、また脳機能改善、老化防止にも役立つ。なお本発明品1食当20g中には中型アジ(生、三枚おろし)1尾相当のDHA(700mg)を含む。
(3)本発明品には抗酸化の作用のあるアスコルビン酸を素材の脱脂(全)粉乳中にあらかじめ添加してあるので、貯蔵中のDHA、EPA等の不飽和脂肪酸の酸化による損失を防ぐ。また体内に摂取後の酸化も極力減少させることになるのでその機能、効果が確実に期待し得る。また、一方アスコルビン酸自体も強力な抗酸化作用により、老化防止、美容等にも効果を発揮し得る。ちなみに本発明品1食当20gとして、分析結果第1表にあるようにレモン約19個分(五訂:成分表より算出)を得ることが出来る。
(4)更に本発明品はヒトに対しての免疫、高血圧予防効果をもたらす乳酸菌(ビフィズス菌等)も粉末ヨーグルトとして添加してあるのでFD野菜、果実中の食物繊維もプリバイオ的に利用して、その機能を強力に発揮し得る特徴がある。
以上のように本発明は日常の食事よりふりかけとして摂取することが出来、保存性、安定性、生産性に富むと共に国民の栄養改善、食品産業においても貢献できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】はビーフカレー(中辛)に本発明品ふりかけを添加したA区と添加していないB区について、10名のパネラーによって比較官能試験を行った結果を示す。その結果、本発明を添加して喫食したA区が添加していないで喫食したB区に比べ食感、うま味と総合評価において優れた成績にあった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスコルビン酸およびクエン酸等の有機酸等によって、予め酸度を酸性化しておいた脱脂(全)粉乳に、DHA、EPA、ビタミンE等を含有する粉末油脂とラクトバチルス菌およびミクロコッカス菌等の乳酸菌によって発酵生成された発酵乳のFD乾燥粉末ヨーグルト並びに食物繊維、フラボノイド類の有効成分を含むFD乾燥粉末果実および同野菜および粉末ナッツ、香辛料等を添加混合するを特徴とする洋食用機能性ふりかけの製造方法。
【請求項2】
表3の配合例よりFD粉末ヨーグルト10.0gを削除し、脱脂(全)粉乳を27.5gとした配合例による製造方法。

【図1】
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