説明

洗浄タンク装置及び水洗式便器

【課題】大型化せず、便器洗浄を良好に行なうことができる洗浄タンク装置及び水洗式便器を提供する。
【解決手段】洗浄タンク装置10は吸気装置40を備えている。吸気装置40は、吸気室41、ガイド部42、フロート部材43及び弁室44を具備している。吸気室40は、第1側面部41Aと開口部41Dが貫設された第1上面部41Bとにより形成され、連通口41Cが設けられている。ガイド部42は、側面下部に第1小孔42Aが貫設された筒状であり、開口部41Dの下方に立設されている。フロート部材43は、開口部41Dを挿通し、ガイド部42内に挿入され、吸気室41内における洗浄水の最高水位よりも低い設定水位以下で下降する。弁室44は、第2側面部44Aと吸気口44C及び第2小孔44Dが貫設された第2上面部44Bとにより形成されている。吸気口44Cは、フロート部材43が上昇した際、フロート部材43により閉鎖される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄タンク装置及び水洗式便器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の洗浄タンク装置が開示されている。この洗浄タンク装置は、洗浄タンク本体と、給水装置と、便器排水路内の空気を吸引する吸気装置とを備えている。洗浄タンク本体は、開閉弁により開閉可能な排水口を有し、便器本体の洗浄に利用される洗浄水を貯留可能である。洗浄タンク本体の排水口は、便鉢及び便鉢の下流側に連通する便器排水路を有する便器本体に連通されている。給水装置は洗浄タンク本体内に洗浄水を供給可能である。吸気装置は、洗浄タンク本体内に配置され、上端が閉鎖され下端が開口したブースと、ブース内であって洗浄タンク本体内の最高水位より上方まで延びた吸気路とから構成されている。吸気路は便器排水路に連通されている。
【0003】
この洗浄タンク装置では、排水口の開閉弁を開弁し、便器洗浄を開始すると、洗浄タンク本体内に貯留された洗浄水が排水口から便器本体に流出する。これにより、洗浄タンク本体内の洗浄水の水位は低下する。この際、吸気装置のブース内では、吸気路を介して便器排水路内の空気が吸引されて、洗浄水の水位が低下する。つまり、ブース内の洗浄水の水位の低下にしたがって吸気装置は便器排水路内の空気を吸引する。便器洗浄の際に吸気装置が便器排水路内の空気を吸引することによって、便器排水路内にサイホン作用を確実に発生させ、そのサイホン作用を促進させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−42217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の洗浄タンク装置では、便器洗浄が開始されてから所定量の洗浄水が洗浄タンク本体の排水口から便器本体へ流出し、排水口の開閉弁が閉弁されるまでの間、ブース内の洗浄水の水位は略一定の速度で低下する。つまり、この吸気装置は便器洗浄の開始と同時に便器排水路内の空気の吸引を開始する。このため、洗浄タンク本体内から流出した洗浄水により便器排水路内へ洗浄水が流入する前から吸気装置は便器排水路内の空気を吸引することになる。便器排水路内にサイホン作用を発生させるためには、便器排水路内に所定流量の洗浄水が流入する状態でなければならず、それ以前に便器排水路内の空気を吸引してもサイホン作用の発生に寄与するものではない。
【0006】
また、便器排水路内にサイホン作用を確実に発生させるためには、サイホン作用の発生時に吸気装置によって便器排水路内の空気を勢い良く吸引することが望ましい。この吸気装置において空気を勢い良く吸引するためにはブースの容量を大きくしなければならない。このため、便器排水路内の空気を勢い良く吸引しようとすれば洗浄タンク本体が大型化してしまうおそれがある。
【0007】
また、この吸気装置では、便器洗浄の開始から終了までの間、便器排水路内の空気は略一定の強さで吸引される。このため、便器排水路内にサイホン作用を確実に発生させるために吸気装置のブースの容量を大きくして便器排水路内の空気を勢い良く吸引する場合には、便器洗浄の後半においても吸気装置が便器排水路内の空気を勢い良く吸引することになる。便器洗浄の後半において便器排水路内に流入する洗浄水の流量が減少した状態で便器排水路内の空気を勢い良く吸引しすぎると、便器排水路内の洗浄水が不足し、サイホン作用が早期に終了するおそれがある。この場合、便器本体からの汚物等の排出が不十分になるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、大型化せず、便器洗浄を良好に行なうことができる洗浄タンク装置及び水洗式便器を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の洗浄タンク装置は、便鉢及び便鉢の下流側に連通する便器排水路を備えた便器本体を洗浄する洗浄水を貯留し、開閉弁により開閉可能な排水口を有した洗浄タンク本体と、洗浄タンク本体内に洗浄水を供給する給水装置と、便器排水路内の空気を吸引する吸気装置とを備えた洗浄タンク装置であって、
前記吸気装置は、前記洗浄タンク本体内を区画した第1側面部と、この第1側面部の上端に連結され、開口部が貫設された第1上面部とにより形成され、連通口が設けられた吸気室と、
吸気室内であって前記開口部の下方に位置し、側面下部又は底部に第1小孔が貫設され、上端が開口した筒状のガイド部と、
前記吸気室の開口部を挿通し、前記ガイド部の上端の開口からガイド部内に挿入され、吸気室内における洗浄水の最高水位よりも低い設定水位以下で下降するフロート部材と、
前記開口部の周縁に沿って立ち上がった第2側面部と、この第2側面部に連結され、吸気口及び第2小孔が貫設された第2上面部とにより形成された弁室とを具備し、
前記吸気口及び前記第2小孔は吸気路を介して便器排水路に連通され、吸気口は、前記フロート部材が上昇した際、フロート部材により閉鎖されることを特徴とする。
【0010】
この洗浄タンク装置では、便器洗浄の開始時、吸気口はフロート部材により閉鎖されている。洗浄タンク本体の排水口の開閉弁が開弁され、便器洗浄が開始されると、洗浄タンク本体内に貯留された洗浄水が排水口から便器本体へ流出し、第1側面部により吸気室と区画されて洗浄タンク本体内に形成された貯水室内の洗浄水の水位が低下し始める。一方、吸気室内の洗浄水の水位は、吸気口がフロート部材により閉鎖されているため、第2小孔のみを介して流入する空気量に応じて、徐々にゆっくりと低下する。その後、吸気室内の水位が設定水位以下に低下するとフロート部材が下降し始める。フロート部材の下降に伴って吸気口は開放される。吸気口が開放される時点では、吸気室内と貯水室内とは大きな水頭差が生じている。この水頭差により吸気口が開放されると吸気室内の洗浄水の水位は急激に低下する。これにより、この吸気装置は便器排水路内の空気を勢い良く吸引する。このように、この洗浄タンク装置では、吸気装置を大型化しなくても、便器排水路内の空気を勢い良く吸引することができる。
【0011】
また、便器洗浄が開始されてから吸気口が開放されるまでにタイムラグが設けられるため、吸気口が開放された時点において洗浄タンク本体内から便器本体へ流出した洗浄水により、便器排水路内に所定流量の洗浄水が流入している状態にすることができる。つまり、便器排水路内に所定流量の洗浄水が流入している状態で吸気装置が便器排水路内の空気を勢い良く吸引するため、便器排水路内にサイホン作用を確実に発生させることができる。
【0012】
また、吸気口が開放された後、時間の経過とともに吸気室内の洗浄水の水位と貯水室内の洗浄水の水位との高低差は小さくなるため、吸気装置の吸引流量も徐々に小さくなる。このため、便器洗浄の後半において、吸気装置の吸引流量が大きすぎることが原因で便器排水路内のサイホン作用が終了してしまうことを防止し、サイホン作用を継続させることができる。
【0013】
また、この吸気装置では、所定量の洗浄水が洗浄タンク本体の排水口から便器本体へ流出し、排水口の開閉弁が閉弁されるまで、便器排水路内の空気を吸引し続ける。このように、サイホン作用が発生している間、吸気装置は便器排水路内の空気を吸引し続け、便器排水路内の空気を少なくしている。これにより、便器排水路内の洗浄水の流れが空気の残留により邪魔され難く、便器排水路内の汚物等の搬送を良好に行なうことができる。
【0014】
したがって、本発明の洗浄タンク装置は、大型化せず、便器洗浄を良好に行なうことができる。
【0015】
前記フロート部材は、上部側面に形成され、上昇時に前記弁室と前記吸気室とを連通する通気路を有し得る。この場合、吸気口及び第2小孔から弁室に流入した空気を吸気室に良好に流入させることができる。このため、この吸気装置は便器排水路内の空気を良好に吸引することができ、便器排水路内にサイホン作用を良好に発生させることができる。
【0016】
前記フロート部材は、上端部の周縁に外側に延びて形成された鍔部を有し、下降時にこの鍔部の下面が前記開口部の周縁の上面に当接し、開口部を閉鎖し得る。この場合、寒冷地等において洗浄タンク本体の水抜きを行った場合、便器排水路に連通する開口部をフロート部材で閉鎖することができる。このため、便器排水路から臭気の逆流等を防止することができる。
【0017】
前記ガイド部の上端は、前記吸気室内における洗浄水の最高水位よりも下方に位置し得る。この場合、ガイド部の上端より上方では、吸気室内の洗浄水の水位は連通口から貯水室内に流出する洗浄水に流量に応じて一様に低下する。また、吸気口が開放された後は、吸気室内の洗浄水の水位は勢い良く低下する。吸気室内の洗浄水の水位がガイド部の上端より下方に低下すると、ガイド部内の洗浄水は第1小孔のみから排出されるため、ガイド部内の洗浄水の水位はガイド部より外側の吸気室内の洗浄水の水位よりゆっくりと低下する。このため、フロート部材が吸気口を開放してから開口部を閉鎖するまでの時間を長くすることができる。これにより、所定量の洗浄水が洗浄タンク本体の排水口から便器本体へ流出し、排水口の開閉弁が閉弁されるまで、フロート部材が開口部を閉鎖せずに吸気装置が便器排水路内の空気を吸引し続けることができる。このように、サイホン作用が発生している間、吸気装置は便器排水路内の空気を吸引し続け、便器排水路内の空気を少なくしている。これにより、便器排水路内の洗浄水の流れが空気の残留により邪魔され難く、便器排水路内の汚物等の搬送を良好に行なうことができる。
【0018】
本発明の水洗式便器は、便鉢及び便鉢の下流側に連通する便器排水路を備えた便器本体と、上記の洗浄タンク装置とを具備し、
前記便器排水路に吸気路を介して前記吸気口が連通され、前記弁鉢の上部開口の内周縁に設けられたリム通水路に前記排水口が連通されていることを特徴とする。
【0019】
この水洗式便器では、上述したように、洗浄タンク装置が大型化せず、便器洗浄を良好に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1の水洗式便器を示す概略図である。
【図2】便器洗浄前の実施例1の吸気装置を示す断面図である。
【図3】吸気口が開放された直後の実施例1の吸気装置を示す断面図である。
【図4】吸気途中の実施例1の吸気装置を示す断面図である。
【図5】水抜き時の実施例1の吸気装置を示す断面図である。
【図6】実施例2の吸気装置を示す断面図である。
【図7】実施例2の吸気装置の要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の洗浄タンク装置及び水洗式便器を具体化した実施例1及び2を図面を参照しつつ説明する。
【0022】
<実施例1>
実施例1の水洗式便器は、図1に示すように、便器本体1と便器本体1の後部上面に載置された洗浄タンク装置10とを具備している。便器本体1は便鉢2及び便鉢2の下流側に連通する便器排水路3を備えている。また、便鉢2の上部開口の内周縁にはリム通水路4が設けられている。
【0023】
洗浄タンク装置10は、洗浄タンク本体20、給水装置であるボールタップ30及び吸気装置40を備えている。洗浄タンク本体20は、便器本体1を洗浄する洗浄水を貯留し、開閉弁であるフロート弁21により開閉可能な排水口22を有している。排水口22は、洗浄タンク本体20内であって、後述する貯水室25側の底部に貫設されている。フロート弁21は玉鎖23を介して図示しない洗浄ハンドルに連結されている。排水口22は洗浄水路5を介してリム通水路4に連通されている。便器洗浄の際、用便者等が洗浄ハンドルを操作することにより、フロート弁21が玉鎖23によって引き上げられる。これにより、洗浄タンク本体20内に貯留された洗浄水を排水口22からリム通水路4に流出させることができる。洗浄タンク本体20は、排水口22より下方の洗浄水路5に連通されたオーバーフロー管24を有している。オーバーフロー管24は、後述する貯水室25内であって、その最高水位LA1よりも上方に立ち上げられている。
【0024】
ボールタップ30は、この水洗式便器が設置されるトイレルームに引き出された給水管に接続された吐水管31と、吐水管31に設けられた開閉弁32とを有している。吐水管31は洗浄タンク本体20内に形成された後述する貯水室25内に直接的に洗浄水を吐水可能に設けられている。開閉弁32は、洗浄タンク本体20内であって、貯水室25内の洗浄水の水位の変化にしたがって昇降する浮玉33により開閉駆動される。つまり、浮玉33が下降すると開閉弁32が開弁され、吐水管31から洗浄タンク本体20内の貯水室25内に洗浄水が直接的に吐水される。また、開閉弁32は、貯水室25内の洗浄水の水位が最高水位LA1まで上昇すると、浮玉33の上昇により閉弁する。
【0025】
吸気装置40は、図1〜図5に示すように、吸気室41、ガイド部42、フロート部材43及び弁室44を具備している。
【0026】
吸気室41は、洗浄タンク本体20内を区画し、上下方向に延びる円筒状の第1側面部41Aと、この第1側面部41Aの上端に連結された第1上面部41Bとにより形成されている。第1上面部41Bの中央部には、円形状の開口部41Dが貫設されている。開口部41Dは、その縁部から立ち上がった立壁部41Eを有している。第1上面部41Bは洗浄タンク本体20内の洗浄水の最高水位(後述する貯水室25の最高水位LA1及び吸気室41内の最高水位LB1)より僅かに上方に配置されている。第1側面部41Aの下端部には連通口41Cが横方向を向いて貫設されている。洗浄タンク本体20内には吸気室41と区画された貯水室25が形成されている。吸気室41と貯水室25とは連通口41Cを介して連通されている。
【0027】
ガイド部42は、上端が開口し、下端が閉鎖した円筒状である。このガイド部42は吸気室41内であって開口部41Dの下方に立設されている。ガイド部42の内径は開口部41Dの開口径と略等しい。ガイド部42の側面下部には第1小孔42Aが貫設されている。ガイド部42の上端42Tは、吸気室41内における洗浄水の最高水位よりも下方に位置している。
【0028】
フロート部材43は、上端が閉鎖された円筒部材43Aと、その内部に注入された浮力を有する発泡材料43Bとにより形成されている。円筒部材43Aの外形は、ガイド部42の内径及び開口部41Dの開口径よりも小さく形成されている。フロート部材43の上部には、発泡材料43Bが注入されていない空洞部43Cが形成されている。空洞部43Cの側面を形成する円筒部材43Aには縦長の通気孔43Dが対向する2ヶ所に貫設されている。フロート部材43の上端部の周縁には、外側に延びた鍔部43Eが形成されている。鍔部43Eの外形は円形状であり、開口部41Dよりも大きく形成されている。鍔部43Eの下面にはシール材43Sが貼着されている。
【0029】
フロート部材43は開口部41Dを挿通し、ガイド部42の上端の開口からガイド部42内に挿入されている。フロート部材43の外側面とガイド部42の内側面とは僅かな隙間を有しており、フロート部材43はガイド部42の内側面に案内されて昇降する。フロート部材43は、吸気室41内における洗浄水の最高水位LB1よりも低い設定水位LB2以下で下降する。
【0030】
弁室44は、開口部41Dの周縁に沿って立ち上がった第2側面部44Aと、第2側面部44Aの上端に連結された第2上面部44Bとにより形成されている。第2上面部44Bには、開口面積が大きい吸気口44Cと開口面積が小さい第2小孔44Dとが貫設されている。吸気口44Cの周縁部の下面にはシール材44Sが貼着されている。吸気口44C及び第2小孔44Dは吸気路6を介して便器排水路3に連通されている。
【0031】
フロート部材43が上昇した際、フロート部材43の上面が吸気口44Cの周縁部の下面に貼着されたシール材44Sに当接する。これにより、吸気口44Cはフロート部材43により閉鎖される。この状態がフロート部材43の最も上昇した位置である(以下、フロート部材43の最上昇位置という。)。また、フロート部材43が下降した際、フロート部材43の鍔部43Eの下面に貼着されたシール部材43Sが開口部41Dの縁部から立ち上がった立壁部41Eの上端面に当接する。これにより、開口部41Dはフロート部材43により閉鎖される。この状態がフロート部材43の最も下降した位置である(以下、フロート部材43の最下降位置という。)。
【0032】
フロート部材43の最上昇位置と最下降位置との間では、フロート部材43の通気孔43D及び空洞部43Cにより、弁室44と吸気室41とを連通する通気路が形成されている。このため、吸気口44C及び第2小孔44Dから弁室44に流入した空気を吸気室41に良好に流入させることができる。よって、この吸気装置40は便器排水路3内の空気を良好に吸引することができ、便器排水路3内にサイホン作用を良好に発生させることができる。
【0033】
次に、このように構成された水洗式便器の便器洗浄工程を説明する。
【0034】
便器洗浄を開始する前は、図1及び図2に示すように、洗浄タンク本体20内には所定量の洗浄水が貯水されている。つまり、貯水室25内には最高水位LA1まで洗浄水が貯水され、吸気室41内には最高水位LB1まで洗浄水が貯水されている。また、フロート部材43は最上昇位置に上昇しており、吸気装置40の吸気口44Cはフロート部材43により閉鎖されている。
【0035】
用便者等により洗浄ハンドルが操作され、便器洗浄が開始されると、フロート弁21が玉鎖23を介して引き上げられ、排水口22が開放される。すると、貯水室25内の洗浄水が排水口22からリム通水路4に流出する。この際、貯水室25内の洗浄水の水位は急激に低下する。一方、吸気室41は、吸気口44Cがフロート部材43により閉鎖されているため、第2小孔44Dのみを介して空気が流入する。このため、第2小孔44Dから流入する空気量に応じて、吸気室41内の洗浄水の水位は徐々にゆっくりと低下し始める。吸気室41内の水位がフロート部材43が低下し始める設定水位LB1に低下するまでは、吸気口44Cはフロート部材43により閉鎖されたままである。
【0036】
その後、吸気室41内の水位が設定水位LB1以下に低下すると、図3に示すように、フロート部材43が下降し始める。フロート部材43の下降に伴って吸気口44Cが開放される。吸気口44Cが開放された時点では、吸気室41内と貯水室25内とは大きな水頭差が生じている。この水頭差により吸気口44Cが開放されると吸気室41内の洗浄水の水位は急激に低下し、図4に示すように、貯水室25内の洗浄水の水位と同じ高さになる。この過程において、吸気装置40は吸気路6を介して便器排水路3内の空気を勢い良く吸引する。このように、この洗浄タンク装置10では、吸気装置40を大型化しなくても、便器排水路3内の空気を勢い良く吸引することができる。
【0037】
また、便器洗浄が開始されてから吸気口44Cが開放されるまでにタイムラグが設けられるため、吸気口44Cが開放された時点において洗浄タンク本体20の貯水室25内から便器本体1のリム通水路4に流出した洗浄水により、便器排水路3内に所定流量の洗浄水が流入している状態にすることができる。つまり、便器排水路3内に所定流量の洗浄水が流入している状態で吸気装置40が便器排水路3内の空気を勢い良く吸引するため、便器排水路3内にサイホン作用を確実に発生させることができる。
【0038】
吸気室41内の洗浄水の水位がガイド部42の上端42Tより下方に低下すると、ガイド部42内の洗浄水は第1小孔42Aのみから排出されるため、ガイド部42内の洗浄水の水位LCはガイド部42より外側の吸気室41内の洗浄水の水位の低下に比べてゆっくりと低下する。このため、フロート部材43が吸気口44Cを開放してから開口部41Dを閉鎖するまで(フロート部材43が最下降位置に下降するまで)の時間を長くすることができる。これにより、所定量の洗浄水が洗浄タンク本体20の排水口22からリム通水路4へ流出し、排水口22がフロート弁21により閉鎖されるまで、フロート部材43が開口部41Dを閉鎖せずに吸気装置40が便器排水路3内の空気を吸引し続けることができる。
【0039】
また、吸気口44Cが開放された後、時間の経過とともに吸気室41内の洗浄水の水位と貯水室25内の洗浄水の水位との高低差は小さくなるため、吸気装置40の吸引流量も徐々に小さくなる。このため、便器洗浄の後半において、吸気装置40の吸引流量が大きすぎることが原因で便器排水路3内のサイホン作用が終了してしまうことを防止し、サイホン作用を継続させることができる。
【0040】
吸気室41内及び貯水室25内の洗浄水の水位が同じ高さになった後も、吸気室41内及び貯水室25内の洗浄水が排水口22からリム通水路4に流出し続ける。吸気室41及び貯水室25内の洗浄水の水位が連通口41Cの上端より下方に低下してしまう直前にフロート弁21が排水口22を閉鎖する。これにより、吸気装置40は便器排水路3内の空気の吸引を終了する。また、便器排水路3内への洗浄水の供給が減少するため便器排水路3内のサイホン作用は終了する。このように、この吸気装置40では、所定量の洗浄水が洗浄タンク本体20の排水口22からリム通水路4に流出し、排水口22がフロート弁21により閉鎖されるまで、便器排水路3内の空気を吸引し続ける。このため、サイホン作用が発生している間、吸気装置40は便器排水路3内の空気を吸引し続け、便器排水路3内の空気を少なくしている。これにより、便器排水路3内の洗浄水の流れが空気の残留により邪魔され難く、便器排水路3内の汚物の搬送を良好に行なうことができる。
【0041】
したがって、実施例1の水洗式便器は、大型化せず、便器洗浄を良好に行なうことができる。
【0042】
フロート弁21が排水口22を閉鎖した後も、ボールタップ30の吐水管31から貯水室25内に直接的に洗浄水が吐水される。吸気装置40の吸気口44Cは開放されているため、連通口41Cを介して吸気室41内にも洗浄水は流入する。このため、貯水室25内及び吸気室41内の洗浄水の水位は同じ高さで上昇する。ガイド部42内には、第1小孔42Aからも洗浄水が流入するが、ガイド部42より外側の吸気室41からガイド部42の上端42Tを乗り越えて洗浄水は流入する。ガイド部42内の洗浄水の水位の上昇にしたがって、フロート部材43は上昇する。貯水室25内が最高水位LA1となり、吸気室41内が最高水位LB1となると、ボールタップ30の開閉弁32が閉弁される。それと同時に、フロート部材43が最上昇位置となり、吸気口44Cが閉鎖される。また、フロート弁21が排水口22を閉鎖してからボールタップ30の開閉弁32が閉弁されるまでの間、ボールタップ30から分岐された図示しない給水路、オーバーフロー管24及び洗浄水路5を介してリム通水路4に洗浄水が供給され、便鉢2内に水封が形成される。このように、便器洗浄が終了するとともに、図1及び図2に示すように、便器洗浄の開始前の状態に水洗式便器を待機させることができる。
【0043】
この水洗式便器において、洗浄タンク本体20の水抜きを行った場合、図5に示すように、洗浄タンク本体20内の洗浄水が殆んど排出され、フロート部材43が最下降位置となり、開口部41Dが閉鎖される。このため、洗浄タンク本体20の水抜き時に便器排水路3から臭気の逆流等を防止することができる。
【0044】
<実施例2>
実施例2の水洗式便器は、洗浄タンク装置10に、図6及び図7に示す吸気装置50を備えたものである。この水洗式便器における他の構成は実施例1と同じであり、同一の構成については同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0045】
この吸気装置50は、吸気室51、ガイド部52、フロート部材53及び弁室54を具備している。吸気室51は、洗浄タンク本体20内を区画し、上下方向に延びる円筒状の第1側面部51Aと、この第1側面部51Aの上端に連結された第1上面部51Bとにより形成されている。第1上面部51Bには、円形状の開口部51Dが貫設されている。第1上面部51Bの上面には、開口部51Dの周縁部に沿って、上方に突出したリング状の凸部51Eが形成されている。吸気装置50が洗浄タンク本体20内に配置された際、第1上面部51Bは洗浄タンク本体20内の洗浄水の最高水位より僅かに上方に配置される。第1側面部51Aの下端部は、下方に開口し、連通口51Cを形成している。吸気装置50が洗浄タンク本体20内に配置された際、洗浄タンク本体20の底面と第1側面部51Aの下端部との間に隙間を設けて配置される。このため、連通口51Cを介して、吸気室51と貯水室25とは連通されている。
【0046】
ガイド部52は、上端が開口した円筒状の側面部52Aと、側面部52Aの下端に連結され、第1小孔52Cが貫設された底面部52Bから形成されている。側面部52Aの上端は、吸気室51の上面部51Bに貫設された開口部51Dの周縁下面に連結されている。側面部52Aの上端部には複数の通気孔52Dが貫設されている。吸気装置50が洗浄タンク本体20内に配置された際、通気孔52Dの下端部が吸気室51内における洗浄水の最高水位よりも下方に位置する。このため、洗浄タンク20内に給水装置30から洗浄水が供給され、吸気室51内の洗浄水の水位が上昇すると、ガイド部52内には第1小孔52C及び通気孔52Dから洗浄水が流入する。
【0047】
フロート部材53は、内部に浮力を有する発泡材料53Bが注入され、上端が閉鎖された円筒部53Aと、円盤形状の上面部53Dと、円筒部53Aの上端面と上端部53Dの下端面とを連結した連結部53Cと、上面部53Dの上面に連結された円盤形状のシール部材53Sとから形成されている。連結部53Cは、水平断面形状が十字形である。円筒部53Aと、上端部53Dと、連結部53Cとは、開口部51Dからガイド部52内に挿入可能である。シール部材53Sは、開口部51Dの開口径よりも大きい外形を有し、鍔部53Eを形成している。フロート部材53は、吸気室51内における洗浄水の最高水位よりも低い設定水位以下で下降し、ガイド部52内の洗浄水の水位の変化に伴って昇降する。フロート部材53が最下降位置に下降した際には、鍔部53Eの下面が凸部51Eの上面に当接し、シール部材53Sが開口部51Dを閉鎖可能である。
【0048】
弁室54は、開口部51Dの周縁に沿って立ち上がった第2側面部54Aと、第2側面部54Aの内側面に連結された第2上面部54Bとにより形成されている。第2上面部54Bには、開口面積が大きい吸気口54Cと開口面積が小さい第2小孔54Dとが貫設されている。吸気口54Cの開口径はシール部材53の外形よりも小さく形成されている。第2上面部54Bの下面には、吸気口54Cの周縁部に下方に突出したリング状の凸部54Eが形成されている。吸気口54C及び第2小孔54Dは吸気路6を介して便器排水路に連通されている。フロート部材53が上昇した際、シール部材53Sの上面が凸部54Eの下面に当接する。これにより、吸気口54Cはシール部材53Sにより閉鎖される。この状態がフロート部材53の最も上昇した最上昇位置である。
【0049】
フロート部材53の最上昇位置と最下降位置との間では、フロート部材53の連結部53C及びガイド部52の側面部52Aに貫設された通気孔52Dとにより、弁室54と吸気室51とを連通する通気路が形成される。このため、吸気口54C及び第2小孔54Dから弁室54に流入した空気を吸気室51に良好に流入させることができる。よって、この吸気装置50は便器排水路内の空気を良好に吸引することができ、便器排水路内にサイホン作用を良好に発生させることができる。
【0050】
次に、このように構成された吸気装置50を備えた洗浄タンク装置10を具備する水洗式便器の便器洗浄工程を説明する。
【0051】
この水洗式便器において、便器洗浄を開始する前は、洗浄タンク本体20内には所定量の洗浄水が貯水されている。このため、フロート部材53は最上昇位置に上昇しており、吸気装置50の吸気口54Cはフロート部材53のシール部材53Sにより閉鎖されている。
【0052】
用便者等により洗浄ハンドルが操作され、便器洗浄が開始されると、フロート弁21が玉鎖23を介して引き上げられ、排水口22が開放される。すると、貯水室25内の洗浄水が排水口22からリム通水路4に流出する。この際、貯水室25内の洗浄水の水位は急激に低下する。一方、吸気室51は、吸気口54Cがフロート部材53のシール部材53Sにより閉鎖されているため、第2小孔54Dのみを介して空気が流入する。このため、第2小孔54Dから流入する空気量に応じて、吸気室51内の洗浄水の水位は徐々にゆっくりと低下し始める。フロート部材43が低下し始めるまでは、吸気口54Cはフロート部材53のシール部材53Sにより閉鎖されたままである。
【0053】
その後、ガイド部52内の洗浄水が第1小孔52Cから流出し、ガイド部52内の洗浄水の水位が低下すると、フロート部材53が下降し始める。フロート部材53の下降に伴って吸気口54Cが開放される。吸気口54Cが開放された時点では、吸気室51ナイト貯水室25内とは大きな水頭差が生じている。この水頭差により吸気口54Cが開放されると吸気室51内の洗浄水の水位は急激に低下し、貯水室25内の洗浄水の水位と同じ高さになる。この過程において、吸気装置50は吸気路6を介して便器排水路3内の空気を勢い良く吸引する。このように、この洗浄タンク装置10では、吸気装置50を大型化しなくても、便器排水路3内の空気を勢い良く吸引することができる。
【0054】
また、便器洗浄が開始されてから吸気口54Cが開放されるまでにタイムラグが設けられるため、吸気口54Cが開放された時点において洗浄タンク本体20の貯水室25内から便器本体1のリム通水路4に流出した洗浄水により、便器排水路3内に所定流量の洗浄水が流入している状態にすることができる。つまり、便器排水路3内に所定流量の洗浄水が流入している状態で吸気装置50が便器排水路3内の空気を勢い良く吸引するため、便器排水路3内にサイホン作用を確実に発生させることができる。
【0055】
また、ガイド部52内の洗浄水は第1小孔52Cのみから排出されるため、フロート部材53のシール部材53Sが吸気口54Cを開放してから開口部51Dを閉鎖するまでの時間を長くすることができる。これにより、所定量の洗浄水が洗浄タンク本体20の排水口22からリム通水路4へ流出し、排水口22がフロート弁21により閉鎖されるまで、フロート部材53のシール部材53Sが開口部51Dを閉鎖せずに吸気装置50が便器排水路3内の空気を吸引し続けることができる。
【0056】
また、吸気口54Cが開放された後、時間の経過とともに吸気室51内の洗浄水の水位と貯水室25内の洗浄水の水位との高低差は小さくなるため、吸気装置50の吸引流量も徐々に小さくなる。このため、便器洗浄の後半において、吸気装置50の吸引流量が大きすぎることが原因で便器排水路3内のサイホン作用が終了してしまうことを防止し、サイホン作用を継続させることができる。
【0057】
吸気室51及び貯水室25内の洗浄水の水位が連通口51Cより下方に低下してしまう直前にフロート弁21が排水口22を閉鎖する。これにより、吸気装置50は便器排水路3内の空気の吸引を終了する。また、便器排水路3内への洗浄水の供給が減少するため便器排水路3内のサイホン作用は終了する。このように、この吸気装置50では、所定量の洗浄水が洗浄タンク本体20の排水口22からリム通水路4に流出し、排水口22がフロート弁21により閉鎖されるまで、便器排水路3内の空気を吸引し続ける。このため、サイホン作用が発生している間、吸気装置50は便器排水路3内の空気を吸引し続け、便器排水路3内の空気を少なくしている。これにより、便器排水路3内の洗浄水の流れが空気の残留により邪魔され難く、便器排水路3内の汚物の搬送を良好に行なうことができる。
【0058】
したがって、実施例2の水洗式便器も、大型化せず、便器洗浄を良好に行なうことができる。
【0059】
フロート弁21が排水口22を閉鎖した後も、ボールタップ30の吐水管31から貯水室25内に直接的に洗浄水が吐水される。吸気装置50の吸気口54Cは開放されているため、連通口51Cを介して吸気室51内にも洗浄水は流入する。このため、貯水室25内及び吸気室51内の洗浄水の水位は同じ高さで上昇する。ガイド部52内には、第1小孔52C及び通気孔52Dからも洗浄水が流入する。ガイド部52内の洗浄水の水位の上昇にしたがって、フロート部材53は上昇する。貯水室25内及び吸気室51内が最高水位になると、ボールタップ30の開閉弁32が閉弁される。それと同時に、フロート部材53が最上昇位置となり、吸気口54Cが閉鎖される。また、フロート弁21が排水口22を閉鎖してからボールタップ30の開閉弁32が閉弁されるまでの間、ボールタップ30から分岐された図示しない給水路、オーバーフロー管24及び洗浄水路5を介してリム通水路4に洗浄水が供給され、便鉢2内に水封が形成される。このように、便器洗浄が終了するとともに、便器洗浄の開始前の状態に水洗式便器を待機させることができる。
【0060】
この水洗式便器において、洗浄タンク本体20の水抜きを行った場合、洗浄タンク本体20内の洗浄水が殆んど排出され、フロート部材53が最下降位置となり、開口部51Dが閉鎖される。このため、洗浄タンク本体20の水抜き時に便器排水路3から臭気の逆流等を防止することができる。
【0061】
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1及び2に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1及び2では、吸気室が洗浄タンク本体とは別体であって円筒状の側面部により形成されていたが、吸気室は洗浄タンク本体と一体に形成されていてもよい。また、吸気室の側面部は円筒状でなくてもよい。
(2)実施例1及び2では、フロート部材は、円筒部材(円筒部)の内部に発泡材料を注入して形成したが、円筒部材(円筒部)の内部を空気を封入した気密室に形成し、浮力を有するようにしてもよい。
(3)実施例1及び2では、フロート部材に通気路を形成したが、通気路を形成しなくてもよい。この場合、フロート部材と開口部との隙間を利用して弁室と吸気室との間で空気を流通させればよい。
(4)実施例1及び2では、フロート部材の鍔部又はシール部材により吸気室を形成する上面部の開口部を閉鎖したが、開口部を閉鎖しない構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は洗浄タンク装置を有する水洗式便器に利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…便器本体
2…便鉢
3…便器排水路
6…吸気路
10…洗浄タンク装置
20…洗浄タンク本体
21…フロート弁(開閉弁)
22…排水口
30…ボールタップ(給水装置)
40、50…吸気装置
41、51…吸気室
41A、51A…第1側面部
41B、51B…第1上面部
41C、51C…連通口
41D、51D…開口部
42、52…ガイド部
42A、52C…第1小孔
43、53…フロート部材
43C、43D…通気路(43C…空洞部、43D…通気孔)
53C、52D…通気路(53C…連結部、52D…通気孔)
43E、53E…鍔部
44、54…弁室
44A、54A…第2側面部
44B、54B…第2上面部
44C、54C…吸気口
44D、54D…第2小孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便鉢及び便鉢の下流側に連通する便器排水路を備えた便器本体を洗浄する洗浄水を貯留し、開閉弁により開閉可能な排水口を有した洗浄タンク本体と、洗浄タンク本体内に洗浄水を供給する給水装置と、便器排水路内の空気を吸引する吸気装置とを備えた洗浄タンク装置であって、
前記吸気装置は、前記洗浄タンク本体内を区画した第1側面部と、この第1側面部の上端に連結され、開口部が貫設された第1上面部とにより形成され、連通口が設けられた吸気室と、
吸気室内であって前記開口部の下方に位置し、側面下部又は底部に第1小孔が貫設され、上端が開口した筒状のガイド部と、
前記吸気室の開口部を挿通し、前記ガイド部の上端の開口からガイド部内に挿入され、吸気室内における洗浄水の最高水位よりも低い設定水位以下で下降するフロート部材と、
前記開口部の周縁に沿って立ち上がった第2側面部と、この第2側面部に連結され、吸気口及び第2小孔が貫設された第2上面部とにより形成された弁室とを具備し、
前記吸気口及び前記第2小孔は吸気路を介して便器排水路に連通され、吸気口は、前記フロート部材が上昇した際、フロート部材により閉鎖されることを特徴とする洗浄タンク装置。
【請求項2】
前記フロート部材は、上部側面に形成され、上昇時に前記弁室と前記吸気室とを連通する通気路を有していることを特徴とする請求項1記載の洗浄タンク装置。
【請求項3】
前記フロート部材は、上端部の周縁に外側に延びて形成された鍔部を有し、下降時にこの鍔部の下面が前記開口部の周縁の上面に当接し、開口部を閉鎖することを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄タンク装置。
【請求項4】
前記ガイド部の上端は、前記吸気室内における洗浄水の最高水位よりも下方に位置していることを特徴とする請求項3記載の洗浄タンク装置。
【請求項5】
便鉢及び便鉢の下流側に連通する便器排水路を備えた便器本体と、請求項1乃至4のいずれか1項記載の洗浄タンク装置とを具備し、
前記便器排水路に吸気路を介して前記吸気口が連通され、前記弁鉢の上部開口の内周縁に設けられたリム通水路に前記排水口が連通されていることを特徴とする水洗式便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−102462(P2011−102462A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256666(P2009−256666)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】