洗浄装置
【課題】人体等といった被洗浄物に当てられて振動する洗浄部材の振動の仕方を工夫することにより、被洗浄物を十分きれいに洗浄できる洗浄装置を提供する。
【解決手段】ハウジング16の内部に収容されており回転可能である偏心回転軸24と、偏心回転軸24と嵌り合う長穴27を備えた移動部材26と、ハウジング16の外側に設けられており移動部材26と一体に移動する取付部材17と、取付部材17に着脱可能に取付けられた洗浄部材18と、ハウジング16と別体に設けられており回転駆動力を発生する動力源と、動力源の回転力を偏心回転軸に伝達すると共に可撓性を備えたワイヤ状の動力伝達体とを有し、洗浄部材18は被洗浄物に接触させられる洗浄面18aを有し、長穴27は洗浄面18aに対して直角方向に長い長穴であり、偏心回転軸24の回転により移動部材26がハウジング16内で洗浄面18aと平行方向に往復移動する洗浄装置である。
【解決手段】ハウジング16の内部に収容されており回転可能である偏心回転軸24と、偏心回転軸24と嵌り合う長穴27を備えた移動部材26と、ハウジング16の外側に設けられており移動部材26と一体に移動する取付部材17と、取付部材17に着脱可能に取付けられた洗浄部材18と、ハウジング16と別体に設けられており回転駆動力を発生する動力源と、動力源の回転力を偏心回転軸に伝達すると共に可撓性を備えたワイヤ状の動力伝達体とを有し、洗浄部材18は被洗浄物に接触させられる洗浄面18aを有し、長穴27は洗浄面18aに対して直角方向に長い長穴であり、偏心回転軸24の回転により移動部材26がハウジング16内で洗浄面18aと平行方向に往復移動する洗浄装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体、生活設備、生活用具等といった被洗浄物を洗浄するための洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活において人体、生活設備、生活用具等を洗浄する必要が生じることがある。生活設備とは、生活をする上で必要となる各種の又はあらゆる設備であって、例えば、浴槽、浴槽の床、部屋の床、畳、壁等である。生活用具とは、生活をする上で必要となる各種の又はあらゆる用具であって、例えば、調理器、食器、置物等である。
【0003】
従来、上記洗浄装置の1つとして、例えば特許文献1に開示されたボディウォッシャーが知られている。このボディウォッシャーは把持柄を有しており、その把持柄の一端に垢すりパット及びその駆動部が設けられ、他端にグリップ部が設けられている。垢すりパットは、駆動部によって駆動されて把持柄の延在方向と直角な軸線を中心として回転する。ボディ(人体)を洗浄する際には、人が把持柄を手に持って洗浄したい個所に垢すりパットを当て、その垢すりパットを回転させる。この回転により、人体が洗浄される。
【0004】
上記洗浄装置の他の1つとして、例えば特許文献2に開示された養護装置が知られている。この養護装置は、主婦、被労者、高齢者等の安全性を確保した上で、それらの者の体力消耗をできるだけ低減させながら、浴室のタイル目地等を効率良く洗浄するものである。この養護装置は、被洗浄物に当てられる細長片と、その細長片を往復振動させる駆動材と、人が手で把持するハンドルとを有している。洗浄に際しては、人がハンドルを持ち、洗浄したい所に細長片を当て、さらにその細長片を往復振動させることにより、被洗浄物を効率良く洗浄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−046572号公報(第4頁、図1)
【特許文献2】特開2005−161004号公報(第2〜3頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された洗浄装置においては、垢すりパットが把持柄と直角な軸線を中心として回転する構成、すなわち平面的に回転する構成となっており、被洗浄物はそのように回転する垢すりパットによって洗浄される。このように単に回転する垢すりパットによる洗浄では、被洗浄物を十分きれいに洗浄することができなかった。また、単に回転するパットを人体に押し当てるだけでは、人体に対して十分なマッサージ効果を付与することが出来なかった。
【0007】
さらに、単に平面回転する垢すりパットを用いた場合は、垢すりパットに発生する遠心力の作用によりその垢すりパットに含ませた洗剤が飛散するので、垢すりパットの回転速度を速くすることができず、そのため、高い洗浄力を得ることができなかった。
【0008】
特許文献2に開示された洗浄装置においては、細長片を被洗浄物に当接させ、さらにその細長片を往復振動させることにより、洗浄を行っている。しなしながら、細長片から被洗浄物へ付与される往復振動がどのような振動であるかについては詳しい説明がなされていない。被洗浄物に付与される振動の種類によっては、被洗浄物を十分きれいに洗浄することができないと思われる。また、被洗浄物に付与される振動の種類によっては、人体に対して十分なマッサージ効果を付与することが出来ないと思われる。
【0009】
本願発明は、従来の洗浄装置における上記の問題点に鑑みて成されたものであって、人体、生活設備、生活用具等といった被洗浄物に当てられて振動する洗浄部材の振動の仕方を工夫することにより、被洗浄物を十分きれいに洗浄できる洗浄装置を提供することを目的とする。
また、本願発明は、人体を被洗浄物とする場合に、その人体に好適なマッサージ効果を付与することができる洗浄装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る洗浄装置は、内部空間を有するハウジングと、前記ハウジングの内部に収容されており回転可能である偏心回転軸と、前記ハウジングの内部に収容されており前記偏心回転軸と嵌り合う長穴を備えた移動部材と、前記ハウジングの外側に設けられており前記移動部材と一体に移動する取付部材と、前記取付部材に着脱可能に取付けられた洗浄部材と、前記ハウジングと別体に設けられており回転駆動力を発生する動力源と、前記動力源の回転力を前記偏心回転軸に伝達すると共に可撓性を備えたワイヤ状の動力伝達体とを有し、前記洗浄部材は被洗浄物に接触させられる洗浄面を有し、前記長穴は前記洗浄面に対して直角方向に長い長穴であり、前記偏心回転軸の回転により前記移動部材が前記ハウジング内で前記洗浄面と平行方向に往復移動することを特徴とする。
【0011】
洗浄部材に単なる回転だけを行わせる従来の洗浄装置では、洗浄部材に含ませた洗剤が遠心力によって飛散してしまうので、洗浄部材の回転速度をあまり速くできない。そのため高い洗浄力を得ることができなかった。これに対し、本発明によれば、洗浄部材が被洗浄物に対して平行な横方向へ直線的に往復平行移動することにより洗浄を行うので、移動速度を高くしても洗剤の飛散が少ない。そのため、従来のように単なる回転を行うだけの場合に比べて洗浄力が高くなる。
【0012】
また、偏心回転軸とそれに嵌り合う長穴とから成る非常に簡単で壊れ難い構造によって洗浄部材の往復平行移動を実現しているので、乱雑な取扱いが行われても損傷することのない、安定した構造を提供できる。また、複雑な機構でないので、水が多量に存在する環境下に置かれて、水垢、埃、カビ等が付着したとしても動作に支障が出ることを防止できる。
【0013】
また、偏心回転軸とそれに嵌り合う長穴とから成る構成は小型に形成できる。しかも、本発明では操作部を構成するハウジングと動力源とが別体であって、ハウジングの中に動力源を設ける必要がないので、ハウジングをより一層小型にできる。それらのため、ハウジングを人が持ち易い形状に容易に形成できる。
【0014】
さらに、駆動機構を偏心回転軸とそれに嵌合する長穴とによって構成したので、ハウジングを持ち上げれば、偏心回転軸の上面が長穴の上端内周面に当接する状態になり、従って移動部材が偏心回転軸に懸垂してぶら下がる状態となる。この状態になると、ハウジングの下端と取付部材との間に隙間が生じる。この隙間からハウジングの内部へ水等といった液体を注ぎこみながら偏心回転軸を回転させれば、回転で発生した液体の渦流でハウジングの内部にある駆動機構を容易に且つ綺麗に洗浄できる。また、水等といった液体の中にハウジングを浸け偏心回転軸を回転させることによっても、駆動機構内に液体の渦流が発生し綺麗に洗浄できる効果が得られる。これにより、ハウジングの内部を常に清潔に保持できる。
【0015】
本発明に係る洗浄装置は、浴場の洗い場で人体を洗う場合に使用できる。この場合には、人が操作部を手に持って自身又は他人の人体の目標部位に洗浄部材を軽く押し当てるか、あるいは操作部を軽い押圧力で人体に載せる。すると、人体表面に対して往復で横移動する洗浄部材によって人体表面を効果的に清浄できる。このとき、偏心回転軸の偏心回転に起因して人体には、単なる洗浄部材の横移動に応じた振動だけではなく、横方向に交わる方向への振動も併せて与えられる。しかも、この交わる方向への振動は、偏心回転軸の回転に応じてその振動方向が変化する振動であるので、洗浄作用に加えて好適なマッサージ効果を人体に与えることができる。
【0016】
次に、本発明に係る洗浄装置において、前記取付部材と反対側の前記ハウジングの面に把持部材が設けられており、前記把持部材は、前記ハウジングへ接合した接合部と、該接合部から延びた把持部と、該把持部の先端に設けられており前記把持部の断面の径よりも大きい径を有する大径部とを有し、前記把持部は作業者の隣接する2つの指で挟むことができる幅を有し、前記把持部と前記大径部との間は曲面状に広がっていることが望ましい。指で挟むことができる幅とは、例えば、10mm〜30mm程度である。
【0017】
この構成によれば、作業者は自身の指によって把持部を挟んで本洗浄装置を容易に支持できる。そして、人体等といった被洗浄物に軽い押圧力で洗浄部材を当接させることができる。しかも、把持部の先端には大径部が設けられているので、洗浄装置が作業者の手から滑り落ちることが無い。さらに、把持部と大径部との間は曲面状につながっているので、作業者の指にフィット、すなわちなじみ易く、作業性が非常に良好である。
【0018】
次に、本願発明に係る洗浄装置において、前記取付部材に対向している前記ハウジングの面の一方向の長さをL、それに直交する方向の長さをW、そして前記ハウジングの高さをHとするとき、
70mm≦L≦90mm、 50mm≦W≦70mm、 30mm≦H≦50mm
であることが望ましい。この大きさにより、人は洗浄装置を難なく手で持つことができる。また、本願発明の洗浄装置は、偏心回転軸と長穴との組合わせにより、洗浄部材を往復横移動させるという非常に簡単な構成に基づいているので、上記のように小さなハウジングの中にも十分に納まるものである。
【0019】
次に、本願発明に係る洗浄装置において、前記取付部材は平面視でハウジングよりも面積の広い平板形状を有し、前記洗浄部材はタオル地によって形成された袋状の部材であり、該洗浄部材が前記平板形状の取付部材を被覆するように装着されることを特徴とする。この構成によれば、人が自分又は他人の身体を洗浄する際の作業性が高められ、洗浄効率も高められる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、洗浄部材が被洗浄物に対して平行な横方向へ直線的に往復平行移動することにより洗浄を行うので、従来のように単なる回転を行うだけの場合に比べて洗浄力が高くなる。
また、偏心回転軸とそれに嵌り合う長穴とから成る非常に簡単で壊れ難い構造によって洗浄部材の往復平行移動を実現しているので、乱雑な取扱いが行われても損傷することのない、安定した構造を提供できる。
【0021】
また、複雑な機構でないので、水が多量に存在する環境下に置かれて、水垢、埃、カビ等が付着したとしても動作に支障が出ることを防止できる。
また、偏心回転軸とそれに嵌り合う長穴とから成る構成は小型に形成できる上、ハウジングを上に持ち上げたときにハウジングの下に隙間を形成でき、その結果、ハウジングの内部の清掃を楽に行える。
【0022】
しかも、本発明では操作部を構成するハウジングと動力源とが別体であって、ハウジングの中に動力源を設ける必要がないので、ハウジングをより一層小型にできる。それらのため、ハウジングを人が持ち易い形状に容易に形成できる。
【0023】
さらに、駆動機構を偏心回転軸とそれに嵌合する長穴とによって構成したので、ハウジングを持ち上げれば、偏心回転軸の上面が長穴の上端内周面に当接する状態になり、従って移動部材が偏心回転軸に懸垂してぶら下がる状態となる。この状態になると、ハウジングの下端と取付部材との間に隙間が生じる。この隙間からハウジングの内部へ水等といった液体を注ぎこみながら偏心回転軸を回転させれば、回転で発生した液体の渦流でハウジングの内部にある駆動機構を容易に且つ綺麗に洗浄できる。また、水等といった液体の中にハウジングを浸け偏心回転軸を回転させることによっても、駆動機構内に液体の渦流が発生し綺麗に洗浄できる効果が得られる。これにより、ハウジングの内部を常に清潔に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本願発明に係る洗浄装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の実施形態の主要部である操作部の縦断面図である。
【図3】図2の操作部の平面断面図である。
【図4】本願発明に係る洗浄装置の主要部である動力伝達体の連結部分を示す断面図である。
【図5】本願発明に係る洗浄装置の主要機構である偏心回転軸と移動部材との動きを示す図である。
【図6】図5に示す構造の動きに引き続いた動きを示す図である。
【図7】本発明に係る洗浄装置の構成要素である操作部の使用例を示す図である。
【図8】本発明に係る洗浄装置の構成要素である操作部の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る洗浄装置を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、これ以降の説明では図面を参照するが、その図面では特徴的な部分を分かり易く示すために実際のものとは異なった比率で構成要素を示す場合がある。
【0026】
図1は、本願発明に係る洗浄装置の一実施形態を示している。図2は図1におけるA−A線に従った縦断面図である。図3は図1におけるB−B線に従った平面断面図である。図4は図1において矢印Cで示す部分の拡大断面図である。
【0027】
本実施形態の洗浄装置は、例えば、浴室内の洗い場で人が自分自身や他人の身体を洗浄、すなわち洗ったり、人が浴室の洗い場のタイル及びタイル目地を洗浄したりすることに使われるものとする。すなわち、本実施形態の洗浄装置の洗浄対象である被洗浄物は、主に、人体、タイル、タイル目地等である。
【0028】
図1において、本実施形態に係る洗浄装置1は動力部2と操作部3とを有している。動力部2と操作部3はワイヤ状の動力伝達体4によって連結されている。動力部2はベース6及びそれに組み付けられた直方体形状のカバー7を有している。カバー7の内部のベース6上に電動モータ8が設けられている。電動モータ8にはバッテリ9が付設されており、バッテリ9からの給電によりモータ8の出力軸が回転する。モータ8は直流、交流のどちらでも良い。モータ8の回転数制御は、例えば、周波数制御によって行われる。
【0029】
カバー9の側面にはスイッチ11及びツマミ12が設けられている。スイッチ11はモータ8とバッテリ9との間に形成された給電回路中に設けられている。スイッチ11のオン/オフにより、バッテリ9からモータ8へ給電を行ってモータ出力軸を回転させることと、バッテリ9からモータ8への給電を遮断してモータ出力軸の回転を停止させること、を切り換えることが出来る。
【0030】
ツマミ12はモータ8の回転軸の回転速度を変化させるためのツマミである。例えば、ツマミ12の角度位置を変更することにより、バッテリ9からモータ8への給電量を変化させ、これによりモータ出力軸の回転速度を変化させることが出来る。可変の範囲は、例えば、500rpm〜3000rpmに設定する。このような回転速度の変化により、洗浄力の強弱を調節できる。
【0031】
カバー7の下端部にコンセント13が設けられている。コンセント13はバッテリ9の入力端子と電気的につながっている。例えば100V(ボルト)の商用電源をこのコンセント13へつなげることにより、バッテリ9を充電することができる。カバー7の上面にハンドル14が設けられている。人はこのハンドル14を持って動力部2を任意の位置へ持ち運ぶことが出来る。
【0032】
ベース6及びカバー7はそれぞれ防水構造、すなわち水等といった液体を内部へ侵入させない構造となっている。この防水構造は、例えば、ベース6及びカバー7をプラスチックによる成型加工によって作ることによって達成できる。また、ベース6とカバー7との結合部分も防水構造となっている。この防水構造は、例えば、両者の間にシール部材を介在させることによって達成できる。
【0033】
次に、操作部3は、ハウジング16と、ハウジング16に取付けられた取付部材17と、取付部材17に装着された洗浄部材18とを有している。人体等といった被洗浄物は洗浄部材18によって擦られて洗浄される。ハウジング16の上面には把持部材19が設けられている。
【0034】
ハウジング16は、天井部が断面円形状であり一方向に長い筒形状、すなわちドーム形状、あるいは、かまぼこ形状に形成されている。ハウジング16はプラスチックの一体成型によって形成されており、図2及び図3に示すようにハウジング16の一端部21はそのプラスチック成型の際にハウジング16の他の部分と同時に形成される。また、ハウジング16において端部21に対向する端部22は開口となっている。そして、この端部22に蓋部材23が固着されることにより、開口22がふさがれている。
【0035】
把持部材19は、図2において、ハウジング16へ接合されている部分である接合部19aと、接合部19aから延びた把持部19bと、把持部19bの先端(図の上端)に設けられた大径部19cとを有している。大径部19cは把持部19bの平面断面の径よりも大きい径を有している。把持部19bは作業者の隣接する2つの指(例えば、人差し指と中指、中指と薬指等)で挟むことができる幅を有している。把持部19bと大径部19cとの間は矢印Gで示すように曲面状に広がっている。
【0036】
把持部19に関する上記の構成により、作業者は自身の指によって把持部19bを挟んで操作部3を容易に支持できる。そして、人体等といった被洗浄物に軽い押圧力で洗浄部材18を当接させることができる。しかも、把持部19bの先端には大径部19cが設けられているので、操作部3が作業者の手から滑り落ちることが無い。さらに、把持部19bと大径部19cとの間は曲面状(矢印G)につながっているので、作業者の指にフィット、すなわち、なじみ易く、作業性が非常に良好である。
【0037】
ハウジング端部21及び蓋部材23には貫通穴が形成されており、それらの穴によって偏心回転軸24が回転可能に支持されている。偏心回転軸24は中心軸24aとそれに固着された偏心円柱24bとによって形成されている。偏心円柱24bを中心軸24aに固着したとき、偏心円柱24bの中心軸線と中心軸24aの中心軸線は不一致の状態にあり、これにより、偏心回転軸24が構成されている。つまり、偏心回転軸24の回転部分全体の中心軸線と中心軸24aの中心軸線(すなわち、偏心回転軸24の回転軸線)とは互いにずれている関係にある。
【0038】
偏心回転軸24、すなわち中心軸24a及び偏心円柱24bは、例えばステンレス鋼によって形成されている。偏心円柱24bは、例えばプラスチックによって形成しても良い。
【0039】
偏心円柱24bの軸方向(図2の左右方向)の長さは、当該偏心円柱24bの直径Dよりも長く設定されている。偏心円柱24bの軸方向偏心円柱24bは、ハウジング16の一端部21から他端部である蓋部材23の間の空間内の略全域にわたって設けられている。しかしながら、例えば図8に示すように、中心軸24aの軸上であってハウジング16の一端部21に近い所及び蓋部材23に近い所の少なくとも2個所に偏心円板24c,24c(すなわち偏心円柱24bの短いもの)を設け、それらの偏心円板24cの間を空間としておいても良い。
【0040】
中心軸24aと偏心円柱24bとは互いに別体のものを接着剤、ボルト等によって結合させても良いし、あるいは、プラスチックの一体成型によって一体に形成しても良い。符号25,25は軸受メタルである。軸受メタル25は、例えば、内周面が滑らかである金属、プラスチック等によって形成されている。符号20は取付用スリーブである。取付用スリーブ20は、例えば、鉄、ステンレス等といった金属によって形成されている。偏心回転軸24は軸受メタル25によって中心軸24aを中心として回転自在に支持されている。動力伝達体4は取付用スリーブ20の先端に固定される。
【0041】
図5(a)は図2における矢印Fに従って蓋部材23の図示を省略してハウジング16の内部を見た状態を示している。図5(a)から分かるように、ハウジング16の内部に移動部材26が設けられている。移動部材26は、ハウジング16と同様の断面形状を有したドーム形状又はかまぼこ形状に形成されている。移動部材26には当該移動部材26を紙面貫通方向に貫通する長穴27が設けられており、この長穴27が偏心回転軸24に嵌り合うことにより、移動部材26がハウジング16の内部において偏心回転軸24に支持された状態で配置されている。
【0042】
移動部材26の下端に取付部材17が固着されている。本実施形態では、取付部材17が上段の小面積部分と下段の大面積部分との2段構造となっているが、単なる1枚板構造であっても良い。取付部材17は図1から分かるように略長方形状の板部材によって形成されている。取付部材17の4つの角部は比較的大きな円弧形状に形成されている。被洗浄物を洗浄するための洗浄部材18は取付部材17を略密着状態で覆うようにして当該取付部材17に装着されている。洗浄部材18は、水のような液体を吸収保有できるタオル地又はスポンジによって平たい袋状に形成されており、袋の開口部を取付部材17に嵌め込むことにより取付部材17の上面及び下面の表面略全域にわたって装着されている。
【0043】
タオル地等の形状を長期間にわたって一定に保持するために、そのタオル地の外周面全域を網状部材によって包み込んで形状保持するようにしても良い。また、開口部の周囲にゴム等の弾性部材を設けておけば、その弾性部材の弾性力により、洗浄部材18の取付部材17への密着性を高めることができる。図1において洗浄部材18の底面が被洗浄物を洗浄するための洗浄面であり、この洗浄面は図5(a)において符号18aで示されている。
【0044】
移動部材26に設けられた長穴27の長手方向は取付部材17の延在方向、すなわち洗浄部材18の洗浄面18aの延在方向、に対して直角方向、すなわち図5(a)の上下方向に設定されている。また、長穴27の短手方向(図5(a)の左右方向)の長さ、すなわち長穴27の左右方向の幅は、偏心回転軸24の偏心円柱24bの直径Dよりもわずかに広くなっている。
【0045】
この構成により、人が把持部材19を手で持って洗浄部材18を人体等といった被洗浄物に押し付け、さらに偏心回転軸24を矢印Eのように中心軸24aを中心として回転させると、移動部材26は偏心円柱24bの回転に応じて、図5(a)、図5(b)、図6(c)、図6(d)に示す順番で、ハウジング16の内部空間内において左右方向へ往復移動する。そして、移動部材26の下端に固着された取付部材17及びそれに装着された洗浄部材18は、ハウジング16の下方位置において左右横方向へ往復直線移動する。
【0046】
このとき、上下方向に空けられた長穴27の作用により、移動部材26の上下方向の動きは少ないものとなっている。なお、偏心回転軸24が振り子の役割を果たして振動を発生させ、人体に対して好適なマッサージ効果をもたらすことができる。振動の強さは偏心回転軸24の重さ及び回転数に比例する。
【0047】
もちろん、モータ8(図1参照)の出力軸の回転方向が逆であれば、洗浄部材18等の往復移動方向も逆になる。本実施形態では、偏心回転軸24の回転中心軸線からの偏心寸法を3mmとしており、中心軸24aを回転させたときの取付部材17の往復移動の振幅は6mm(3mm×2)となる。但し、偏心寸法を変更することにより、洗浄幅(すなわち洗浄部材によって擦る幅)を希望に応じて調節できる。
【0048】
図1において、動力部2と操作部3とを結ぶワイヤ状の動力伝達体4は、図2及び図4に示すように、金属製又はプラスチック製の中実の線状部材である動力伝達ワイヤ31と、それを被覆した金属製又はプラスチック製のチューブ32とを有している。図2において、動力伝達ワイヤ31の操作部3側の先端には先端具33が設けられ、チューブ32の先端には連結具34が設けられている。先端具33の先端が偏心回転軸24の先端に設けられた溝に差し込まれ、さらにナット36によって連結具34がスリーブ20にネジ締めによって固定されている。ナット36は、例えば金属によって形成されている。
【0049】
図4において、動力伝達ワイヤ31の動力部2側の先端には六角軸である先端具37が設けられている。モータ8の出力軸の先端には六角穴付きカプラ38が設けられている。先端具37をカプラ38の中に差し込むことにより、カプラ38の内部構造がワイヤ31の先端、従って動力伝達体4の先端を把持するようになっている。
【0050】
動力伝達ワイヤ31及びチューブ32は可撓性、すなわち自由に曲がる性質、を有すると共に、そのように任意に曲がった状態でモータ8(図1)の出力軸の回転に応じて、ワイヤそれ自身の中心軸線を中心として回転できる。このワイヤ31の作用により、操作部3を動力部2に対して任意の位置に持ち運んだ場合でも、ワイヤ31の回転により操作部3内の偏心回転軸24を回転させることができ、それ故、動力部2を1つの位置に配置させたときに、動力伝達体4につながった操作部3が届く領域内にある任意の被洗浄物を、往復移動する洗浄部材18で擦ることによって清浄できる。
【0051】
動力伝達体4の長さは何を洗浄するかに応じて種々に設定される。本実施形態では、浴室内で人体、タイル、タイル目地等を洗浄することが目的であるので、動力伝達体4の長さは120cm程度が望ましい。
【0052】
以下、本実施形態の洗浄装置の使用方法の一例を説明する。図1において、コンセント13を介して商用電源からバッテリ9へ給電を行ってバッテリ9を充電する。その後、浴室内へ動力部2及び操作部3を持ち込んで、動力部2を浴室内の適所に置く。洗浄処理を行うときには動力部2のカバー7にあるスイッチ11をオン状態にしてモータ8を作動させる。
【0053】
浴室内のタイル、タイル目地等を洗浄する場合には、作業者が把持部材19を手に持って操作部3を目標の場所へ運び、洗浄部材18の洗浄面18a(図5(a)参照)をその目標場所に当て、さらに軽く押し付ける。あるいは、作業者は操作部3をタイル等へ、押し付けるのではなく、単に載せる程度であっても良い。モータ8(図1)が作動中である場合、操作部3の洗浄部材18は図5(a)〜図6(d)に示したように、偏心円柱24bの回転中心からの偏心量に応じた移動距離で左右の横方向へ往復平行移動を行うので、タイル等は当該タイル等に対して横方向へ往復移動する洗浄部材18によって適宜の押圧力下で繰り返して擦られて清浄される。必要に応じて、洗浄部材18に洗浄剤が含ませられ、これにより、洗浄力を高めることができる。
【0054】
本実施形態では、洗浄部材18が被洗浄物に対して平行な横方向へ直線的に往復平行移動することにより洗浄を行うので、従来のように単なる回転を行うだけの場合に比べて洗浄力が高くなる。具体的には、単なる回転だけの場合では洗浄部材18に含ませた洗剤が遠心力の作用によって飛散することから、回転速度をあまり高く設定することができないので、高い洗浄力を得ることができないが、洗浄部材18を往復横方向移動させる場合には洗剤の飛散が発生し難いので移動速度を高速に設定することができ、それ故、高い洗浄力を得ることができるものである。
【0055】
また、偏心回転軸24とそれに嵌り合う長穴27(図5(a)参照)とから成る非常に簡単で壊れ難い構造によって洗浄部材18の往復平行移動を実現しているので、乱雑な取扱いが行われても損傷することのない、安定した構造を提供できる。また、複雑な機構でないので、水が多量に存在する環境下に置かれて、水垢、埃、カビ等が付着したとしても動作に支障が出ることを防止できる。
【0056】
本実施形態の洗浄装置は、浴場の洗い場で人体を洗う場合に使用できる。具体的には、モータ8(図1)を作動させながら、人が操作部3を手に持って自身又は他人の人体の目標部位に洗浄部材18を押し当てる。すると、人体表面に対して往復で横移動する洗浄部材18によって人体表面を効果的に清浄できる。このとき、偏心回転軸24の偏心回転に起因して人体には、単なる洗浄部材18の横移動に応じた振動だけではなく、横方向に交わる方向への振動も併せて与えられる。しかも、この交わる方向への振動は、偏心回転軸24の回転に応じてその振動方向が変化する振動であるので、洗浄作用に加えて好適なマッサージ効果を人体に与えることができる。
【0057】
ハウジング16は人が手に持つことができる大きさであることが望ましい。そのため、図1において、ハウジング16における取付部材17に対向する面の一方向の長さをL、それに直交する方向の長さをW、そしてハウジング16の高さをHとするとき、
70mm≦L≦90mm、 50mm≦W≦70mm、 30mm≦H≦50mm
であることが望ましい。
【0058】
洗浄部材18が装着される取付部材17は、人が持つ部分であるハウジング16よりも面積の広い平板形状の部材であることが望ましい。こうすれば、取付部材17への洗浄部材18の装着作業が楽になるし、被洗浄物に対する洗浄作業の際の洗浄面を広くすることができるからである。
【0059】
図7において、作業者が把持部19を矢印Hで示すように上方へ持ち上げると、偏心回転軸24の上面が長穴27の上端内周面に当接する状態になり、従って移動部材26が偏心回転軸24に懸垂してぶら下がる状態となる。この状態になると、ハウジング16の下端と取付部材17との間に隙間Jが生じる。この隙間Jからハウジング16の内部へ水等といった液体を注ぎこみながら偏心回転軸を回転させれば、回転で発生した液体の渦流でハウジングの内部にある駆動機構を容易に且つ綺麗に洗浄できる。また、水等といった液体の中にハウジングを浸け偏心回転軸を回転させることによっても、駆動機構内に液体の渦流が発生し綺麗に洗浄できる効果が得られる。これにより、ハウジング16の内部を常に清潔に保持できる。
【0060】
(変形例1)
上記実施形態では、タオル地又はスポンジ等といった吸水保有可能部材を平たい袋状に形成して成る洗浄部材を取付部材を覆うようにして取付けた。これに代えて、いわゆる面状ファスナ、すなわち、多数の引っ掛り部材を対象物の一方に面状に配置し、多数の被引っ掛り部材を対象物の他方に面状に配置して成るファスナを用いる方法を採用しても良い。具体的には、洗浄部材として袋状では無い板状のタオル地等を用意し、面状ファスナの一方を取付部材及び洗浄部材の一方に縫い付け、接着その他の手法によって固着し、面状ファスナの他方を取付部材及び洗浄部材の他方に固着し、面状ファスナの一方と他方との接合により洗浄部材を取付部材に取付ける。
【0061】
(第2実施形態)
次のような用途、洗浄部材、装着方法の組合せがある。
1.用途:人体の洗浄
2.洗浄部材:綿タオル、ナイロンタオル、又はポリエステルタオル
3.装着方法:
(1)タオルを袋状に形成し、開口部を形成し、開口部の周縁にゴムを取り付ける。開口部のゴムを開きながら洗浄部材を取付部材にはめ込み、ゴムの弾性復帰力によって取付部材と洗浄部材との密着性を確保する。
(2)袋状で無い1枚のタオルにゴムバンドを付け、それを取付部材に嵌め込んでタオルを取付部材に装着する。又は
(3)面状ファスナの一方をタオル及び取付部材の一方に貼付け、面状ファスナの他方をタオル及び取付部材の他方に貼付け、面状ファスナの両方を互いに接合することによりタオルを取付部材に装着する。
【0062】
(第3実施形態)
次のような用途、洗浄部材、装着方法の組合せがある。
1.用途:浴槽の内部及び外部の洗浄
2.洗浄部材:ナイロン織布、ポリエステル織布
(なお、ナイロン織布とはナイロン繊維で織った布、ポリエステル織布とはポリエステル繊維で織った布である。)
3.装着方法:
(1)面状ファスナの一方を洗浄部材及び取付部材の一方に貼付け、面状ファスナの他方を洗浄部材及び取付部材の他方に貼付け、面状ファスナの両方を互いに接合することにより洗浄部材を取付部材に装着する。又は、
(2)織布にゴムバンドを付け、それを取付部材に嵌め込んで織布を取付部材に装着する。
【0063】
(第4実施形態)
次のような用途、洗浄部材、装着方法の組合せがある。
1.用途:タイルの壁及び床の洗浄
2.洗浄部材:ナイロン製ブラシ、ポリエステル製ブラシ、ナイロン織布、ポリエステル織布
3.装着方法:
(1)面状ファスナの一方を洗浄部材及び取付部材の一方に貼付け、面状ファスナの他方を洗浄部材及び取付部材の他方に貼付け、面状ファスナの両方を互いに接合することにより洗浄部材を取付部材に装着する。又は、
(2)織布にゴムバンドを付け、それを取付部材に嵌め込んで織布を取付部材に装着する。
【0064】
(第5実施形態)
次のような用途、洗浄部材、装着方法の組合せがある。
1.用途:台所用品(鍋等)の磨き洗浄
2.洗浄部材:鉄、ステンレス磨き部材、紙やすり、研磨剤混入織布
3.装着方法:
(1)面状ファスナの一方を洗浄部材及び取付部材の一方に貼付け、面状ファスナの他方を洗浄部材及び取付部材の他方に貼付け、面状ファスナの両方を互いに接合することにより洗浄部材を取付部材に装着する。又は、
(2)面状ファスナを構成する一対の面状部材のうちのいずれかを洗浄装置の取付部材に貼付け、磨き材をその面状部材に直接に貼り付けて装着する。
【0065】
(第6実施形態)
次のような用途、洗浄部材、装着方法の組合せがある。
1.用途:床(フローリング、畳)の磨き洗浄
2.洗浄部材:住宅用掃除シート(ポリエステル)、フローリング磨き材(ポリエステル等)
3.装着方法:
(1)面状ファスナの一方を洗浄部材及び取付部材の一方に貼付け、面状ファスナの他方を洗浄部材及び取付部材の他方に貼付け、面状ファスナの両方を互いに接合することにより洗浄部材を取付部材に装着する。又は、
(2)面状ファスナを構成する一対の面状部材のうちのいずれかを洗浄装置の取付部材に貼付け、磨き材をその面状部材に直接に貼り付けて装着する。
【0066】
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、上記実施形態では動力伝達ワイヤをチューブで包囲することによって動力伝達体を構成したが、動力伝達体はこれ以外の任意の構成とすることができる。また、動力伝達体を動力部や操作部に連結させるための構造も上記実施形態の構造に限られない。
本発明の洗浄装置は、以上に記載した洗浄対象の他に、ペット等といった動物の洗浄、台所用品(例えば、鍋、釜等)の洗浄、工業製品の洗浄等に用いることができる。
【符号の説明】
【0067】
1.洗浄装置、 2.動力部(動力源)、 3.操作部、 4.動力伝達体、
6.ベース、 7.カバー、 8.電動モータ(動力源)、 9.バッテリ、
11.スイッチ、 12.ツマミ、 13.コンセント、 14.ハンドル、
16.ハウジング、 17.取付部材、 18.洗浄部材、 19.把持部材、
20.取付用スリーブ、 21.端部、 22.端部開口、 23.蓋部材、
24.偏心回転軸、 24a.中心軸、 24b.偏心円柱、 25.軸受メタル、
26.移動部材、 27.長穴、 28.取付部材、 31.動力伝達ワイヤ、
32.チューブ、 33.先端具、 34.連結具、 36.ナット、 37.先端具、 38.六角穴付きカプラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体、生活設備、生活用具等といった被洗浄物を洗浄するための洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活において人体、生活設備、生活用具等を洗浄する必要が生じることがある。生活設備とは、生活をする上で必要となる各種の又はあらゆる設備であって、例えば、浴槽、浴槽の床、部屋の床、畳、壁等である。生活用具とは、生活をする上で必要となる各種の又はあらゆる用具であって、例えば、調理器、食器、置物等である。
【0003】
従来、上記洗浄装置の1つとして、例えば特許文献1に開示されたボディウォッシャーが知られている。このボディウォッシャーは把持柄を有しており、その把持柄の一端に垢すりパット及びその駆動部が設けられ、他端にグリップ部が設けられている。垢すりパットは、駆動部によって駆動されて把持柄の延在方向と直角な軸線を中心として回転する。ボディ(人体)を洗浄する際には、人が把持柄を手に持って洗浄したい個所に垢すりパットを当て、その垢すりパットを回転させる。この回転により、人体が洗浄される。
【0004】
上記洗浄装置の他の1つとして、例えば特許文献2に開示された養護装置が知られている。この養護装置は、主婦、被労者、高齢者等の安全性を確保した上で、それらの者の体力消耗をできるだけ低減させながら、浴室のタイル目地等を効率良く洗浄するものである。この養護装置は、被洗浄物に当てられる細長片と、その細長片を往復振動させる駆動材と、人が手で把持するハンドルとを有している。洗浄に際しては、人がハンドルを持ち、洗浄したい所に細長片を当て、さらにその細長片を往復振動させることにより、被洗浄物を効率良く洗浄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−046572号公報(第4頁、図1)
【特許文献2】特開2005−161004号公報(第2〜3頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された洗浄装置においては、垢すりパットが把持柄と直角な軸線を中心として回転する構成、すなわち平面的に回転する構成となっており、被洗浄物はそのように回転する垢すりパットによって洗浄される。このように単に回転する垢すりパットによる洗浄では、被洗浄物を十分きれいに洗浄することができなかった。また、単に回転するパットを人体に押し当てるだけでは、人体に対して十分なマッサージ効果を付与することが出来なかった。
【0007】
さらに、単に平面回転する垢すりパットを用いた場合は、垢すりパットに発生する遠心力の作用によりその垢すりパットに含ませた洗剤が飛散するので、垢すりパットの回転速度を速くすることができず、そのため、高い洗浄力を得ることができなかった。
【0008】
特許文献2に開示された洗浄装置においては、細長片を被洗浄物に当接させ、さらにその細長片を往復振動させることにより、洗浄を行っている。しなしながら、細長片から被洗浄物へ付与される往復振動がどのような振動であるかについては詳しい説明がなされていない。被洗浄物に付与される振動の種類によっては、被洗浄物を十分きれいに洗浄することができないと思われる。また、被洗浄物に付与される振動の種類によっては、人体に対して十分なマッサージ効果を付与することが出来ないと思われる。
【0009】
本願発明は、従来の洗浄装置における上記の問題点に鑑みて成されたものであって、人体、生活設備、生活用具等といった被洗浄物に当てられて振動する洗浄部材の振動の仕方を工夫することにより、被洗浄物を十分きれいに洗浄できる洗浄装置を提供することを目的とする。
また、本願発明は、人体を被洗浄物とする場合に、その人体に好適なマッサージ効果を付与することができる洗浄装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る洗浄装置は、内部空間を有するハウジングと、前記ハウジングの内部に収容されており回転可能である偏心回転軸と、前記ハウジングの内部に収容されており前記偏心回転軸と嵌り合う長穴を備えた移動部材と、前記ハウジングの外側に設けられており前記移動部材と一体に移動する取付部材と、前記取付部材に着脱可能に取付けられた洗浄部材と、前記ハウジングと別体に設けられており回転駆動力を発生する動力源と、前記動力源の回転力を前記偏心回転軸に伝達すると共に可撓性を備えたワイヤ状の動力伝達体とを有し、前記洗浄部材は被洗浄物に接触させられる洗浄面を有し、前記長穴は前記洗浄面に対して直角方向に長い長穴であり、前記偏心回転軸の回転により前記移動部材が前記ハウジング内で前記洗浄面と平行方向に往復移動することを特徴とする。
【0011】
洗浄部材に単なる回転だけを行わせる従来の洗浄装置では、洗浄部材に含ませた洗剤が遠心力によって飛散してしまうので、洗浄部材の回転速度をあまり速くできない。そのため高い洗浄力を得ることができなかった。これに対し、本発明によれば、洗浄部材が被洗浄物に対して平行な横方向へ直線的に往復平行移動することにより洗浄を行うので、移動速度を高くしても洗剤の飛散が少ない。そのため、従来のように単なる回転を行うだけの場合に比べて洗浄力が高くなる。
【0012】
また、偏心回転軸とそれに嵌り合う長穴とから成る非常に簡単で壊れ難い構造によって洗浄部材の往復平行移動を実現しているので、乱雑な取扱いが行われても損傷することのない、安定した構造を提供できる。また、複雑な機構でないので、水が多量に存在する環境下に置かれて、水垢、埃、カビ等が付着したとしても動作に支障が出ることを防止できる。
【0013】
また、偏心回転軸とそれに嵌り合う長穴とから成る構成は小型に形成できる。しかも、本発明では操作部を構成するハウジングと動力源とが別体であって、ハウジングの中に動力源を設ける必要がないので、ハウジングをより一層小型にできる。それらのため、ハウジングを人が持ち易い形状に容易に形成できる。
【0014】
さらに、駆動機構を偏心回転軸とそれに嵌合する長穴とによって構成したので、ハウジングを持ち上げれば、偏心回転軸の上面が長穴の上端内周面に当接する状態になり、従って移動部材が偏心回転軸に懸垂してぶら下がる状態となる。この状態になると、ハウジングの下端と取付部材との間に隙間が生じる。この隙間からハウジングの内部へ水等といった液体を注ぎこみながら偏心回転軸を回転させれば、回転で発生した液体の渦流でハウジングの内部にある駆動機構を容易に且つ綺麗に洗浄できる。また、水等といった液体の中にハウジングを浸け偏心回転軸を回転させることによっても、駆動機構内に液体の渦流が発生し綺麗に洗浄できる効果が得られる。これにより、ハウジングの内部を常に清潔に保持できる。
【0015】
本発明に係る洗浄装置は、浴場の洗い場で人体を洗う場合に使用できる。この場合には、人が操作部を手に持って自身又は他人の人体の目標部位に洗浄部材を軽く押し当てるか、あるいは操作部を軽い押圧力で人体に載せる。すると、人体表面に対して往復で横移動する洗浄部材によって人体表面を効果的に清浄できる。このとき、偏心回転軸の偏心回転に起因して人体には、単なる洗浄部材の横移動に応じた振動だけではなく、横方向に交わる方向への振動も併せて与えられる。しかも、この交わる方向への振動は、偏心回転軸の回転に応じてその振動方向が変化する振動であるので、洗浄作用に加えて好適なマッサージ効果を人体に与えることができる。
【0016】
次に、本発明に係る洗浄装置において、前記取付部材と反対側の前記ハウジングの面に把持部材が設けられており、前記把持部材は、前記ハウジングへ接合した接合部と、該接合部から延びた把持部と、該把持部の先端に設けられており前記把持部の断面の径よりも大きい径を有する大径部とを有し、前記把持部は作業者の隣接する2つの指で挟むことができる幅を有し、前記把持部と前記大径部との間は曲面状に広がっていることが望ましい。指で挟むことができる幅とは、例えば、10mm〜30mm程度である。
【0017】
この構成によれば、作業者は自身の指によって把持部を挟んで本洗浄装置を容易に支持できる。そして、人体等といった被洗浄物に軽い押圧力で洗浄部材を当接させることができる。しかも、把持部の先端には大径部が設けられているので、洗浄装置が作業者の手から滑り落ちることが無い。さらに、把持部と大径部との間は曲面状につながっているので、作業者の指にフィット、すなわちなじみ易く、作業性が非常に良好である。
【0018】
次に、本願発明に係る洗浄装置において、前記取付部材に対向している前記ハウジングの面の一方向の長さをL、それに直交する方向の長さをW、そして前記ハウジングの高さをHとするとき、
70mm≦L≦90mm、 50mm≦W≦70mm、 30mm≦H≦50mm
であることが望ましい。この大きさにより、人は洗浄装置を難なく手で持つことができる。また、本願発明の洗浄装置は、偏心回転軸と長穴との組合わせにより、洗浄部材を往復横移動させるという非常に簡単な構成に基づいているので、上記のように小さなハウジングの中にも十分に納まるものである。
【0019】
次に、本願発明に係る洗浄装置において、前記取付部材は平面視でハウジングよりも面積の広い平板形状を有し、前記洗浄部材はタオル地によって形成された袋状の部材であり、該洗浄部材が前記平板形状の取付部材を被覆するように装着されることを特徴とする。この構成によれば、人が自分又は他人の身体を洗浄する際の作業性が高められ、洗浄効率も高められる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、洗浄部材が被洗浄物に対して平行な横方向へ直線的に往復平行移動することにより洗浄を行うので、従来のように単なる回転を行うだけの場合に比べて洗浄力が高くなる。
また、偏心回転軸とそれに嵌り合う長穴とから成る非常に簡単で壊れ難い構造によって洗浄部材の往復平行移動を実現しているので、乱雑な取扱いが行われても損傷することのない、安定した構造を提供できる。
【0021】
また、複雑な機構でないので、水が多量に存在する環境下に置かれて、水垢、埃、カビ等が付着したとしても動作に支障が出ることを防止できる。
また、偏心回転軸とそれに嵌り合う長穴とから成る構成は小型に形成できる上、ハウジングを上に持ち上げたときにハウジングの下に隙間を形成でき、その結果、ハウジングの内部の清掃を楽に行える。
【0022】
しかも、本発明では操作部を構成するハウジングと動力源とが別体であって、ハウジングの中に動力源を設ける必要がないので、ハウジングをより一層小型にできる。それらのため、ハウジングを人が持ち易い形状に容易に形成できる。
【0023】
さらに、駆動機構を偏心回転軸とそれに嵌合する長穴とによって構成したので、ハウジングを持ち上げれば、偏心回転軸の上面が長穴の上端内周面に当接する状態になり、従って移動部材が偏心回転軸に懸垂してぶら下がる状態となる。この状態になると、ハウジングの下端と取付部材との間に隙間が生じる。この隙間からハウジングの内部へ水等といった液体を注ぎこみながら偏心回転軸を回転させれば、回転で発生した液体の渦流でハウジングの内部にある駆動機構を容易に且つ綺麗に洗浄できる。また、水等といった液体の中にハウジングを浸け偏心回転軸を回転させることによっても、駆動機構内に液体の渦流が発生し綺麗に洗浄できる効果が得られる。これにより、ハウジングの内部を常に清潔に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本願発明に係る洗浄装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の実施形態の主要部である操作部の縦断面図である。
【図3】図2の操作部の平面断面図である。
【図4】本願発明に係る洗浄装置の主要部である動力伝達体の連結部分を示す断面図である。
【図5】本願発明に係る洗浄装置の主要機構である偏心回転軸と移動部材との動きを示す図である。
【図6】図5に示す構造の動きに引き続いた動きを示す図である。
【図7】本発明に係る洗浄装置の構成要素である操作部の使用例を示す図である。
【図8】本発明に係る洗浄装置の構成要素である操作部の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る洗浄装置を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、これ以降の説明では図面を参照するが、その図面では特徴的な部分を分かり易く示すために実際のものとは異なった比率で構成要素を示す場合がある。
【0026】
図1は、本願発明に係る洗浄装置の一実施形態を示している。図2は図1におけるA−A線に従った縦断面図である。図3は図1におけるB−B線に従った平面断面図である。図4は図1において矢印Cで示す部分の拡大断面図である。
【0027】
本実施形態の洗浄装置は、例えば、浴室内の洗い場で人が自分自身や他人の身体を洗浄、すなわち洗ったり、人が浴室の洗い場のタイル及びタイル目地を洗浄したりすることに使われるものとする。すなわち、本実施形態の洗浄装置の洗浄対象である被洗浄物は、主に、人体、タイル、タイル目地等である。
【0028】
図1において、本実施形態に係る洗浄装置1は動力部2と操作部3とを有している。動力部2と操作部3はワイヤ状の動力伝達体4によって連結されている。動力部2はベース6及びそれに組み付けられた直方体形状のカバー7を有している。カバー7の内部のベース6上に電動モータ8が設けられている。電動モータ8にはバッテリ9が付設されており、バッテリ9からの給電によりモータ8の出力軸が回転する。モータ8は直流、交流のどちらでも良い。モータ8の回転数制御は、例えば、周波数制御によって行われる。
【0029】
カバー9の側面にはスイッチ11及びツマミ12が設けられている。スイッチ11はモータ8とバッテリ9との間に形成された給電回路中に設けられている。スイッチ11のオン/オフにより、バッテリ9からモータ8へ給電を行ってモータ出力軸を回転させることと、バッテリ9からモータ8への給電を遮断してモータ出力軸の回転を停止させること、を切り換えることが出来る。
【0030】
ツマミ12はモータ8の回転軸の回転速度を変化させるためのツマミである。例えば、ツマミ12の角度位置を変更することにより、バッテリ9からモータ8への給電量を変化させ、これによりモータ出力軸の回転速度を変化させることが出来る。可変の範囲は、例えば、500rpm〜3000rpmに設定する。このような回転速度の変化により、洗浄力の強弱を調節できる。
【0031】
カバー7の下端部にコンセント13が設けられている。コンセント13はバッテリ9の入力端子と電気的につながっている。例えば100V(ボルト)の商用電源をこのコンセント13へつなげることにより、バッテリ9を充電することができる。カバー7の上面にハンドル14が設けられている。人はこのハンドル14を持って動力部2を任意の位置へ持ち運ぶことが出来る。
【0032】
ベース6及びカバー7はそれぞれ防水構造、すなわち水等といった液体を内部へ侵入させない構造となっている。この防水構造は、例えば、ベース6及びカバー7をプラスチックによる成型加工によって作ることによって達成できる。また、ベース6とカバー7との結合部分も防水構造となっている。この防水構造は、例えば、両者の間にシール部材を介在させることによって達成できる。
【0033】
次に、操作部3は、ハウジング16と、ハウジング16に取付けられた取付部材17と、取付部材17に装着された洗浄部材18とを有している。人体等といった被洗浄物は洗浄部材18によって擦られて洗浄される。ハウジング16の上面には把持部材19が設けられている。
【0034】
ハウジング16は、天井部が断面円形状であり一方向に長い筒形状、すなわちドーム形状、あるいは、かまぼこ形状に形成されている。ハウジング16はプラスチックの一体成型によって形成されており、図2及び図3に示すようにハウジング16の一端部21はそのプラスチック成型の際にハウジング16の他の部分と同時に形成される。また、ハウジング16において端部21に対向する端部22は開口となっている。そして、この端部22に蓋部材23が固着されることにより、開口22がふさがれている。
【0035】
把持部材19は、図2において、ハウジング16へ接合されている部分である接合部19aと、接合部19aから延びた把持部19bと、把持部19bの先端(図の上端)に設けられた大径部19cとを有している。大径部19cは把持部19bの平面断面の径よりも大きい径を有している。把持部19bは作業者の隣接する2つの指(例えば、人差し指と中指、中指と薬指等)で挟むことができる幅を有している。把持部19bと大径部19cとの間は矢印Gで示すように曲面状に広がっている。
【0036】
把持部19に関する上記の構成により、作業者は自身の指によって把持部19bを挟んで操作部3を容易に支持できる。そして、人体等といった被洗浄物に軽い押圧力で洗浄部材18を当接させることができる。しかも、把持部19bの先端には大径部19cが設けられているので、操作部3が作業者の手から滑り落ちることが無い。さらに、把持部19bと大径部19cとの間は曲面状(矢印G)につながっているので、作業者の指にフィット、すなわち、なじみ易く、作業性が非常に良好である。
【0037】
ハウジング端部21及び蓋部材23には貫通穴が形成されており、それらの穴によって偏心回転軸24が回転可能に支持されている。偏心回転軸24は中心軸24aとそれに固着された偏心円柱24bとによって形成されている。偏心円柱24bを中心軸24aに固着したとき、偏心円柱24bの中心軸線と中心軸24aの中心軸線は不一致の状態にあり、これにより、偏心回転軸24が構成されている。つまり、偏心回転軸24の回転部分全体の中心軸線と中心軸24aの中心軸線(すなわち、偏心回転軸24の回転軸線)とは互いにずれている関係にある。
【0038】
偏心回転軸24、すなわち中心軸24a及び偏心円柱24bは、例えばステンレス鋼によって形成されている。偏心円柱24bは、例えばプラスチックによって形成しても良い。
【0039】
偏心円柱24bの軸方向(図2の左右方向)の長さは、当該偏心円柱24bの直径Dよりも長く設定されている。偏心円柱24bの軸方向偏心円柱24bは、ハウジング16の一端部21から他端部である蓋部材23の間の空間内の略全域にわたって設けられている。しかしながら、例えば図8に示すように、中心軸24aの軸上であってハウジング16の一端部21に近い所及び蓋部材23に近い所の少なくとも2個所に偏心円板24c,24c(すなわち偏心円柱24bの短いもの)を設け、それらの偏心円板24cの間を空間としておいても良い。
【0040】
中心軸24aと偏心円柱24bとは互いに別体のものを接着剤、ボルト等によって結合させても良いし、あるいは、プラスチックの一体成型によって一体に形成しても良い。符号25,25は軸受メタルである。軸受メタル25は、例えば、内周面が滑らかである金属、プラスチック等によって形成されている。符号20は取付用スリーブである。取付用スリーブ20は、例えば、鉄、ステンレス等といった金属によって形成されている。偏心回転軸24は軸受メタル25によって中心軸24aを中心として回転自在に支持されている。動力伝達体4は取付用スリーブ20の先端に固定される。
【0041】
図5(a)は図2における矢印Fに従って蓋部材23の図示を省略してハウジング16の内部を見た状態を示している。図5(a)から分かるように、ハウジング16の内部に移動部材26が設けられている。移動部材26は、ハウジング16と同様の断面形状を有したドーム形状又はかまぼこ形状に形成されている。移動部材26には当該移動部材26を紙面貫通方向に貫通する長穴27が設けられており、この長穴27が偏心回転軸24に嵌り合うことにより、移動部材26がハウジング16の内部において偏心回転軸24に支持された状態で配置されている。
【0042】
移動部材26の下端に取付部材17が固着されている。本実施形態では、取付部材17が上段の小面積部分と下段の大面積部分との2段構造となっているが、単なる1枚板構造であっても良い。取付部材17は図1から分かるように略長方形状の板部材によって形成されている。取付部材17の4つの角部は比較的大きな円弧形状に形成されている。被洗浄物を洗浄するための洗浄部材18は取付部材17を略密着状態で覆うようにして当該取付部材17に装着されている。洗浄部材18は、水のような液体を吸収保有できるタオル地又はスポンジによって平たい袋状に形成されており、袋の開口部を取付部材17に嵌め込むことにより取付部材17の上面及び下面の表面略全域にわたって装着されている。
【0043】
タオル地等の形状を長期間にわたって一定に保持するために、そのタオル地の外周面全域を網状部材によって包み込んで形状保持するようにしても良い。また、開口部の周囲にゴム等の弾性部材を設けておけば、その弾性部材の弾性力により、洗浄部材18の取付部材17への密着性を高めることができる。図1において洗浄部材18の底面が被洗浄物を洗浄するための洗浄面であり、この洗浄面は図5(a)において符号18aで示されている。
【0044】
移動部材26に設けられた長穴27の長手方向は取付部材17の延在方向、すなわち洗浄部材18の洗浄面18aの延在方向、に対して直角方向、すなわち図5(a)の上下方向に設定されている。また、長穴27の短手方向(図5(a)の左右方向)の長さ、すなわち長穴27の左右方向の幅は、偏心回転軸24の偏心円柱24bの直径Dよりもわずかに広くなっている。
【0045】
この構成により、人が把持部材19を手で持って洗浄部材18を人体等といった被洗浄物に押し付け、さらに偏心回転軸24を矢印Eのように中心軸24aを中心として回転させると、移動部材26は偏心円柱24bの回転に応じて、図5(a)、図5(b)、図6(c)、図6(d)に示す順番で、ハウジング16の内部空間内において左右方向へ往復移動する。そして、移動部材26の下端に固着された取付部材17及びそれに装着された洗浄部材18は、ハウジング16の下方位置において左右横方向へ往復直線移動する。
【0046】
このとき、上下方向に空けられた長穴27の作用により、移動部材26の上下方向の動きは少ないものとなっている。なお、偏心回転軸24が振り子の役割を果たして振動を発生させ、人体に対して好適なマッサージ効果をもたらすことができる。振動の強さは偏心回転軸24の重さ及び回転数に比例する。
【0047】
もちろん、モータ8(図1参照)の出力軸の回転方向が逆であれば、洗浄部材18等の往復移動方向も逆になる。本実施形態では、偏心回転軸24の回転中心軸線からの偏心寸法を3mmとしており、中心軸24aを回転させたときの取付部材17の往復移動の振幅は6mm(3mm×2)となる。但し、偏心寸法を変更することにより、洗浄幅(すなわち洗浄部材によって擦る幅)を希望に応じて調節できる。
【0048】
図1において、動力部2と操作部3とを結ぶワイヤ状の動力伝達体4は、図2及び図4に示すように、金属製又はプラスチック製の中実の線状部材である動力伝達ワイヤ31と、それを被覆した金属製又はプラスチック製のチューブ32とを有している。図2において、動力伝達ワイヤ31の操作部3側の先端には先端具33が設けられ、チューブ32の先端には連結具34が設けられている。先端具33の先端が偏心回転軸24の先端に設けられた溝に差し込まれ、さらにナット36によって連結具34がスリーブ20にネジ締めによって固定されている。ナット36は、例えば金属によって形成されている。
【0049】
図4において、動力伝達ワイヤ31の動力部2側の先端には六角軸である先端具37が設けられている。モータ8の出力軸の先端には六角穴付きカプラ38が設けられている。先端具37をカプラ38の中に差し込むことにより、カプラ38の内部構造がワイヤ31の先端、従って動力伝達体4の先端を把持するようになっている。
【0050】
動力伝達ワイヤ31及びチューブ32は可撓性、すなわち自由に曲がる性質、を有すると共に、そのように任意に曲がった状態でモータ8(図1)の出力軸の回転に応じて、ワイヤそれ自身の中心軸線を中心として回転できる。このワイヤ31の作用により、操作部3を動力部2に対して任意の位置に持ち運んだ場合でも、ワイヤ31の回転により操作部3内の偏心回転軸24を回転させることができ、それ故、動力部2を1つの位置に配置させたときに、動力伝達体4につながった操作部3が届く領域内にある任意の被洗浄物を、往復移動する洗浄部材18で擦ることによって清浄できる。
【0051】
動力伝達体4の長さは何を洗浄するかに応じて種々に設定される。本実施形態では、浴室内で人体、タイル、タイル目地等を洗浄することが目的であるので、動力伝達体4の長さは120cm程度が望ましい。
【0052】
以下、本実施形態の洗浄装置の使用方法の一例を説明する。図1において、コンセント13を介して商用電源からバッテリ9へ給電を行ってバッテリ9を充電する。その後、浴室内へ動力部2及び操作部3を持ち込んで、動力部2を浴室内の適所に置く。洗浄処理を行うときには動力部2のカバー7にあるスイッチ11をオン状態にしてモータ8を作動させる。
【0053】
浴室内のタイル、タイル目地等を洗浄する場合には、作業者が把持部材19を手に持って操作部3を目標の場所へ運び、洗浄部材18の洗浄面18a(図5(a)参照)をその目標場所に当て、さらに軽く押し付ける。あるいは、作業者は操作部3をタイル等へ、押し付けるのではなく、単に載せる程度であっても良い。モータ8(図1)が作動中である場合、操作部3の洗浄部材18は図5(a)〜図6(d)に示したように、偏心円柱24bの回転中心からの偏心量に応じた移動距離で左右の横方向へ往復平行移動を行うので、タイル等は当該タイル等に対して横方向へ往復移動する洗浄部材18によって適宜の押圧力下で繰り返して擦られて清浄される。必要に応じて、洗浄部材18に洗浄剤が含ませられ、これにより、洗浄力を高めることができる。
【0054】
本実施形態では、洗浄部材18が被洗浄物に対して平行な横方向へ直線的に往復平行移動することにより洗浄を行うので、従来のように単なる回転を行うだけの場合に比べて洗浄力が高くなる。具体的には、単なる回転だけの場合では洗浄部材18に含ませた洗剤が遠心力の作用によって飛散することから、回転速度をあまり高く設定することができないので、高い洗浄力を得ることができないが、洗浄部材18を往復横方向移動させる場合には洗剤の飛散が発生し難いので移動速度を高速に設定することができ、それ故、高い洗浄力を得ることができるものである。
【0055】
また、偏心回転軸24とそれに嵌り合う長穴27(図5(a)参照)とから成る非常に簡単で壊れ難い構造によって洗浄部材18の往復平行移動を実現しているので、乱雑な取扱いが行われても損傷することのない、安定した構造を提供できる。また、複雑な機構でないので、水が多量に存在する環境下に置かれて、水垢、埃、カビ等が付着したとしても動作に支障が出ることを防止できる。
【0056】
本実施形態の洗浄装置は、浴場の洗い場で人体を洗う場合に使用できる。具体的には、モータ8(図1)を作動させながら、人が操作部3を手に持って自身又は他人の人体の目標部位に洗浄部材18を押し当てる。すると、人体表面に対して往復で横移動する洗浄部材18によって人体表面を効果的に清浄できる。このとき、偏心回転軸24の偏心回転に起因して人体には、単なる洗浄部材18の横移動に応じた振動だけではなく、横方向に交わる方向への振動も併せて与えられる。しかも、この交わる方向への振動は、偏心回転軸24の回転に応じてその振動方向が変化する振動であるので、洗浄作用に加えて好適なマッサージ効果を人体に与えることができる。
【0057】
ハウジング16は人が手に持つことができる大きさであることが望ましい。そのため、図1において、ハウジング16における取付部材17に対向する面の一方向の長さをL、それに直交する方向の長さをW、そしてハウジング16の高さをHとするとき、
70mm≦L≦90mm、 50mm≦W≦70mm、 30mm≦H≦50mm
であることが望ましい。
【0058】
洗浄部材18が装着される取付部材17は、人が持つ部分であるハウジング16よりも面積の広い平板形状の部材であることが望ましい。こうすれば、取付部材17への洗浄部材18の装着作業が楽になるし、被洗浄物に対する洗浄作業の際の洗浄面を広くすることができるからである。
【0059】
図7において、作業者が把持部19を矢印Hで示すように上方へ持ち上げると、偏心回転軸24の上面が長穴27の上端内周面に当接する状態になり、従って移動部材26が偏心回転軸24に懸垂してぶら下がる状態となる。この状態になると、ハウジング16の下端と取付部材17との間に隙間Jが生じる。この隙間Jからハウジング16の内部へ水等といった液体を注ぎこみながら偏心回転軸を回転させれば、回転で発生した液体の渦流でハウジングの内部にある駆動機構を容易に且つ綺麗に洗浄できる。また、水等といった液体の中にハウジングを浸け偏心回転軸を回転させることによっても、駆動機構内に液体の渦流が発生し綺麗に洗浄できる効果が得られる。これにより、ハウジング16の内部を常に清潔に保持できる。
【0060】
(変形例1)
上記実施形態では、タオル地又はスポンジ等といった吸水保有可能部材を平たい袋状に形成して成る洗浄部材を取付部材を覆うようにして取付けた。これに代えて、いわゆる面状ファスナ、すなわち、多数の引っ掛り部材を対象物の一方に面状に配置し、多数の被引っ掛り部材を対象物の他方に面状に配置して成るファスナを用いる方法を採用しても良い。具体的には、洗浄部材として袋状では無い板状のタオル地等を用意し、面状ファスナの一方を取付部材及び洗浄部材の一方に縫い付け、接着その他の手法によって固着し、面状ファスナの他方を取付部材及び洗浄部材の他方に固着し、面状ファスナの一方と他方との接合により洗浄部材を取付部材に取付ける。
【0061】
(第2実施形態)
次のような用途、洗浄部材、装着方法の組合せがある。
1.用途:人体の洗浄
2.洗浄部材:綿タオル、ナイロンタオル、又はポリエステルタオル
3.装着方法:
(1)タオルを袋状に形成し、開口部を形成し、開口部の周縁にゴムを取り付ける。開口部のゴムを開きながら洗浄部材を取付部材にはめ込み、ゴムの弾性復帰力によって取付部材と洗浄部材との密着性を確保する。
(2)袋状で無い1枚のタオルにゴムバンドを付け、それを取付部材に嵌め込んでタオルを取付部材に装着する。又は
(3)面状ファスナの一方をタオル及び取付部材の一方に貼付け、面状ファスナの他方をタオル及び取付部材の他方に貼付け、面状ファスナの両方を互いに接合することによりタオルを取付部材に装着する。
【0062】
(第3実施形態)
次のような用途、洗浄部材、装着方法の組合せがある。
1.用途:浴槽の内部及び外部の洗浄
2.洗浄部材:ナイロン織布、ポリエステル織布
(なお、ナイロン織布とはナイロン繊維で織った布、ポリエステル織布とはポリエステル繊維で織った布である。)
3.装着方法:
(1)面状ファスナの一方を洗浄部材及び取付部材の一方に貼付け、面状ファスナの他方を洗浄部材及び取付部材の他方に貼付け、面状ファスナの両方を互いに接合することにより洗浄部材を取付部材に装着する。又は、
(2)織布にゴムバンドを付け、それを取付部材に嵌め込んで織布を取付部材に装着する。
【0063】
(第4実施形態)
次のような用途、洗浄部材、装着方法の組合せがある。
1.用途:タイルの壁及び床の洗浄
2.洗浄部材:ナイロン製ブラシ、ポリエステル製ブラシ、ナイロン織布、ポリエステル織布
3.装着方法:
(1)面状ファスナの一方を洗浄部材及び取付部材の一方に貼付け、面状ファスナの他方を洗浄部材及び取付部材の他方に貼付け、面状ファスナの両方を互いに接合することにより洗浄部材を取付部材に装着する。又は、
(2)織布にゴムバンドを付け、それを取付部材に嵌め込んで織布を取付部材に装着する。
【0064】
(第5実施形態)
次のような用途、洗浄部材、装着方法の組合せがある。
1.用途:台所用品(鍋等)の磨き洗浄
2.洗浄部材:鉄、ステンレス磨き部材、紙やすり、研磨剤混入織布
3.装着方法:
(1)面状ファスナの一方を洗浄部材及び取付部材の一方に貼付け、面状ファスナの他方を洗浄部材及び取付部材の他方に貼付け、面状ファスナの両方を互いに接合することにより洗浄部材を取付部材に装着する。又は、
(2)面状ファスナを構成する一対の面状部材のうちのいずれかを洗浄装置の取付部材に貼付け、磨き材をその面状部材に直接に貼り付けて装着する。
【0065】
(第6実施形態)
次のような用途、洗浄部材、装着方法の組合せがある。
1.用途:床(フローリング、畳)の磨き洗浄
2.洗浄部材:住宅用掃除シート(ポリエステル)、フローリング磨き材(ポリエステル等)
3.装着方法:
(1)面状ファスナの一方を洗浄部材及び取付部材の一方に貼付け、面状ファスナの他方を洗浄部材及び取付部材の他方に貼付け、面状ファスナの両方を互いに接合することにより洗浄部材を取付部材に装着する。又は、
(2)面状ファスナを構成する一対の面状部材のうちのいずれかを洗浄装置の取付部材に貼付け、磨き材をその面状部材に直接に貼り付けて装着する。
【0066】
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、上記実施形態では動力伝達ワイヤをチューブで包囲することによって動力伝達体を構成したが、動力伝達体はこれ以外の任意の構成とすることができる。また、動力伝達体を動力部や操作部に連結させるための構造も上記実施形態の構造に限られない。
本発明の洗浄装置は、以上に記載した洗浄対象の他に、ペット等といった動物の洗浄、台所用品(例えば、鍋、釜等)の洗浄、工業製品の洗浄等に用いることができる。
【符号の説明】
【0067】
1.洗浄装置、 2.動力部(動力源)、 3.操作部、 4.動力伝達体、
6.ベース、 7.カバー、 8.電動モータ(動力源)、 9.バッテリ、
11.スイッチ、 12.ツマミ、 13.コンセント、 14.ハンドル、
16.ハウジング、 17.取付部材、 18.洗浄部材、 19.把持部材、
20.取付用スリーブ、 21.端部、 22.端部開口、 23.蓋部材、
24.偏心回転軸、 24a.中心軸、 24b.偏心円柱、 25.軸受メタル、
26.移動部材、 27.長穴、 28.取付部材、 31.動力伝達ワイヤ、
32.チューブ、 33.先端具、 34.連結具、 36.ナット、 37.先端具、 38.六角穴付きカプラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有するハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容されており回転可能である偏心回転軸と、
前記ハウジングの内部に収容されており前記偏心回転軸と嵌り合う長穴を備えた移動部材と、
前記ハウジングの外側に設けられており前記移動部材と一体に移動する取付部材と、
前記取付部材に着脱可能に取付けられた洗浄部材と、
前記ハウジングと別体に設けられており回転駆動力を発生する動力源と、
前記動力源の回転力を前記偏心回転軸に伝達すると共に可撓性を備えたワイヤ状の動力伝達体と、を有し、
前記洗浄部材は被洗浄物に接触させられる洗浄面を有し、前記長穴は前記洗浄面に対して直角方向に長い長穴であり、前記偏心回転軸の回転により前記移動部材が前記ハウジング内で前記洗浄面と平行方向に往復移動する
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
請求項1記載の洗浄装置において、
前記取付部材と反対側の前記ハウジングの面に把持部材が設けられており、
前記把持部材は、前記ハウジングへ接合した接合部と、該接合部から延びた把持部と、該把持部の先端に設けられており前記把持部の断面の径よりも大きい径を有する大径部とを有し、
前記把持部は作業者の隣接する2つの指で挟むことができる幅を有し、
前記把持部と前記大径部との間は曲面状に広がっている
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項3】
請求項1記載の洗浄装置において、前記取付部材に対向している前記ハウジングの面の一方向の長さをL、それに直交する方向の長さをW、そして前記ハウジングの高さをHとするとき、
70mm≦L≦90mm、 50mm≦W≦70mm、 30mm≦H≦50mm
である
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の洗浄装置において、
前記取付部材は平面視でハウジングよりも面積の広い平板形状を有し、
前記洗浄部材はタオル地によって形成された袋状の部材であり、
該洗浄部材が前記平板形状の取付部材を被覆するように装着される
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項1】
内部空間を有するハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容されており回転可能である偏心回転軸と、
前記ハウジングの内部に収容されており前記偏心回転軸と嵌り合う長穴を備えた移動部材と、
前記ハウジングの外側に設けられており前記移動部材と一体に移動する取付部材と、
前記取付部材に着脱可能に取付けられた洗浄部材と、
前記ハウジングと別体に設けられており回転駆動力を発生する動力源と、
前記動力源の回転力を前記偏心回転軸に伝達すると共に可撓性を備えたワイヤ状の動力伝達体と、を有し、
前記洗浄部材は被洗浄物に接触させられる洗浄面を有し、前記長穴は前記洗浄面に対して直角方向に長い長穴であり、前記偏心回転軸の回転により前記移動部材が前記ハウジング内で前記洗浄面と平行方向に往復移動する
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
請求項1記載の洗浄装置において、
前記取付部材と反対側の前記ハウジングの面に把持部材が設けられており、
前記把持部材は、前記ハウジングへ接合した接合部と、該接合部から延びた把持部と、該把持部の先端に設けられており前記把持部の断面の径よりも大きい径を有する大径部とを有し、
前記把持部は作業者の隣接する2つの指で挟むことができる幅を有し、
前記把持部と前記大径部との間は曲面状に広がっている
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項3】
請求項1記載の洗浄装置において、前記取付部材に対向している前記ハウジングの面の一方向の長さをL、それに直交する方向の長さをW、そして前記ハウジングの高さをHとするとき、
70mm≦L≦90mm、 50mm≦W≦70mm、 30mm≦H≦50mm
である
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の洗浄装置において、
前記取付部材は平面視でハウジングよりも面積の広い平板形状を有し、
前記洗浄部材はタオル地によって形成された袋状の部材であり、
該洗浄部材が前記平板形状の取付部材を被覆するように装着される
ことを特徴とする洗浄装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−162155(P2010−162155A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6704(P2009−6704)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【特許番号】特許第4321827号(P4321827)
【特許公報発行日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(509015925)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【特許番号】特許第4321827号(P4321827)
【特許公報発行日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(509015925)
【Fターム(参考)】
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