洗濯物処理装置
【課題】本発明の目的は、洗濯物を効果的に濡らすことができる洗濯物処理装置を提供することにある。
【解決手段】洗濯機等の洗濯物処理装置は、キャビネット内にタブを備える。洗濯物を収容するためにタブ内にドラムが回転可能に備えられ、キャビネットとタブとの間にガスケットが提供される。ガスケットには洗濯水をドラムに噴射するための複数の噴射ノズルが提供される。
【解決手段】洗濯機等の洗濯物処理装置は、キャビネット内にタブを備える。洗濯物を収容するためにタブ内にドラムが回転可能に備えられ、キャビネットとタブとの間にガスケットが提供される。ガスケットには洗濯水をドラムに噴射するための複数の噴射ノズルが提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物処理処置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、洗濯物処理処置は洗濯物を洗濯または乾燥する装置である。洗濯物処理処置による洗濯物の処理時において、外部から流入した洗濯水が循環及び噴射される。洗濯水は循環ポンプにより循環され、噴射されるが、このような循環ポンプは概して容量が制限される。したがって、洗濯物の量が多い場合、短時間に水圧を増加させ、洗濯水を噴射するには限界がある。また、概して水圧は循環ポンプの容量によって制限されるが、循環ポンプが動作し、洗濯水が洗濯物に噴射される時、水圧が低いと洗濯水を洗濯物に均等に噴射できない。特に、すすぎ行程でのすすぎ時間は、洗濯水の噴射に影響を受ける。また、洗濯水が均等に噴射できなければ、洗濯物のすすぎ性能が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題点を鑑みて考案されたところ、本発明の目的は、洗濯物を効果的に濡らすことができる洗濯物処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によって、上記した目的及びその他の目的は、キャビネットと、キャビネット内に提供されたタブと、上記タブ内に提供され、洗濯物側に開口されたドラムと、上記ドラムを回転させるモータと、上記キャビネットと上記タブとの間に提供されたガスケットと、上記ガスケットに提供され、流体を上記ドラムに噴射するための第1及び第2噴射ノズルと、を含む洗濯物処理装置であって、上記第1及び第2噴射ノズルは、上記ドラムの回転軸の下に提供され、上記回転軸に対して所定の角度で互いに分離され、上記第1及び第2噴射ノズルのうちの少なくとも1つは、第1面及び上記第1面上の複数のガイドを有し、上記流体は上記第1または第2噴射ノズルのうちの少なくとも1つにより案内されて上記ドラムに噴射されることを特徴とする、洗濯物処理装置により達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の一実施形態による洗濯物処理装置を示す斜視図である。
【図2】図1のライン(A−A)に沿って切断した洗濯物処理装置の側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による洗濯物処理装置の洗濯水噴射構造を示す図である。
【図4】図3のライン(B−B)に沿って切断した断面図である。
【図5】本発明の一実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。
【図7】噴射ノズルにより噴射された洗濯水の形態を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。
【図10】図8の部分(C)の拡大図である。
【図11】図9のライン(D−D)に沿って切断した部分(E)の拡大断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。
【図13】図11の部分(F)の拡大図である。
【図14】図12のライン(G−G)に沿って切断した部分(H)の拡大断面図である。
【図15】図11のライン(I−I)に沿って切断した断面図である。
【図16】本発明の一実施形態による洗濯物処理装置の噴射ノズルによりドラムに噴射された洗濯水の形態を示す概念図である。
【図17】本発明の一実施形態による洗濯物処理装置の噴射ノズルによりドラムに噴射された洗濯水の形態を示す概念図である。
【図18】洗濯水の噴射領域を説明するための噴射ノズルにより噴射された洗濯水の断面を示す図である。
【図19】洗濯水の噴射領域を説明するための噴射ノズルにより噴射された洗濯水の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、添付した図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。図面及び詳細な説明において、同一の部材番号は、同一または実質的に同一の構成要素を示す。
【0007】
図1は、本発明の一実施形態による洗濯物処理処置の斜視図である。図2は、図1のラインA−Aに沿って切断した洗濯物処理装置の側断面図である。図3は、本発明の一実施形態による洗濯物処理処置の洗濯水噴射構造を示す図である。図4は、図3のラインB−Bに沿って切断した断面図を示す。
【0008】
キャビネット(110)内に、外部から供給される洗濯水を貯蔵するためのタブ(121)が配置され、タブ(121)内には洗濯物を収容するドラム(122)が配置される。駆動部(130)はドラム(122)に回転力を提供し、給水バルブ(125)は外部給水源から洗濯水が流れるようにする。タブ(121)から洗濯水を排水するために排水ホース(151)を使用する。水を汲み上げるためにポンプ(160)が使用される。
【0009】
キャビネット(110)は、洗濯物処理装置(100)の外観を形成する本体(111)を含む。本体(111)は、前方及び上方に開放されている。フロントカバー(112)は、洗濯物を投入するための洗濯物出入ホール(119)を含む。フロントカバー(112)は、本体(111)の前方に連結される。フロントカバー(112)の上側にユーザインターフェースを提供するコントロールパネル(115)が設置される。本体(111)の上側にはトップカバー(116)が提供される。
【0010】
フロントカバー(112)には、洗濯物出入ホール(119)を開閉するドア(113)がヒンジで連結されている。コントロールパネル(115)は、洗濯物処理装置(100)の多様な種類の状態情報を表示する表示部(117)、及びユーザが洗濯コース、行程別動作時間、予約等、様々な種類の制御命令が入力できるようにする入力部(118)を含む。
【0011】
洗濯コースは、洗濯物の種類及び機能によって、標準コース、デリケート/ウールコース、高温コース、高速洗浄コース、機能性衣類コース、静音コースなどを含むことができる。洗濯物処理装置は主に、洗濯行程、すすぎ行程、及び脱水行程を遂行する。各行程では、給水、洗濯、すすぎ、排水、脱水、及び/または絞りが遂行される。
【0012】
洗剤ボックス(133)は、洗濯用洗剤、繊維柔軟剤、または漂白剤等の洗剤を貯蔵する。洗剤ボックス(133)は、フロントカバー(112)の前方から容易に取り出すことができるようにフロントカバー(112)の前方に提供される。給水時、洗剤ボックス(133)の内部の洗剤が水と混合されてタブ(121)に供給される。
【0013】
タブ(121)は、スプリング(124)によりトップカバー(116)から吊るされ、ダンパー(126)により支持されてドラム(122)の回転時に発生する振動を吸収する。ドラム(122)は、駆動部(130)により回転する。ドラム(122)内にはリフター(135)が提供されてドラム(122)の回転時、洗濯物を持ち上げる。
【0014】
キャビネット(110)とタブ(121)との間にはガスケット(140)が提供される。ガスケット(140)の一方の側はキャビネット(110)に連結され、他方の側はタブ(121)の開放された前方の周辺に連結される。したがって、タブ(121)内に貯蔵された洗濯水が、タブ(121)とキャビネット(110)との間に漏洩するのが防止される。ガスケット(140)は、タブ(121)の振動を吸収するように周辺に沿って襞を備えるように形成される。
【0015】
図4を参照すると、ガスケット140は、タブ(121)に連結されたタブ連結部(141)、キャビネット(110)に連結されたキャビネット連結部(144)、タブ連結部(141)とキャビネット連結部(144)との間に配置されて振動吸収のための襞が形成された襞部(143)、及び襞部(143)により形成された溝部(142)を含む。
【0016】
溝部(142)を通じてコネクタ(164)が連結される。コネクタ(164)を通じて噴射ノズル(170、180)に流れる洗濯水の一部が溝部(142)に噴射されるように噴射ホール(165)が形成される。噴射ホール(165)を通じて噴射された洗濯水は、溝部(142)に沿って下へ流れて洗濯物から分離された残余洗剤と汚染物を洗い流す。したがって、ガスケット(140)は、溝部(142)に沿って下へ流れる洗濯水が排水される排水ホール168(図8参照)を有して下部に形成される。
【0017】
コネクタ(164)は、噴射ホール(165)がガスケット(140)の下部に向かうようにガスケット(140)に連結される。この際、コネクタ(164)はガスケット(140)の垂直対称線(PSL)の左右側で垂直対称線(PSL)に対して互いに対称となるように提供される。第1噴射ノズル170及び第2噴射ノズル180は、各々のコネクタ(164)に連結される。したがって、洗濯水はコネクタ(164)を通じてガスケット(140)の下部に噴射されてガスケット(140)を効果的に洗浄することができる。
【0018】
各々の噴射ホール(165)は、各々のコネクタ(164)の円周方向に延びるスリット状に形成される。噴射ホール(165)は、コネクタ(164)の円周方向に延びるので、充分な幅を有する洗濯水が噴射されて溝部(142)を効果的に洗浄する。また、各々の噴射ホール(165)が狭くて長いスリットの形態に形成されるので、洗濯水の噴射強度が増加する。噴射ホール(165)は、洗濯水が溝部(142)から溢れずに流れるように溝部(142)内に位置する。
【0019】
ガスケット(140)は1つの材質で形成される。その代案として、ガスケット(140)のタブ締結部(141)は硬い材質で形成され、タブ(140)との結合力及び充分な剛性を確保するようにすることができ、ガスケット(140)のキャビネット連結部(144)はタブ(121)からキャビネット(110)へ伝達される振動を緩和するために弾性材質で形成される。
【0020】
ガスケット(140)には、その内周面に突起部(145)が提供される。洗濯物がドラム(122)の回転により外側に移動する時に突起部(145)と衝突し、以後、内側に移動して洗濯物がドラム(122)から離脱するのを防止する。
【0021】
一方、ガスケット(140)には、タブ(121)からドラム(122)に排出された洗濯水を噴射するための第1及び第2噴射ノズル(170、180)が備えられる。本実施形態で、洗濯水の噴射のために2つのノズル(170、180)が使われるが、本発明はこれには限定されない。例えば、洗濯水をドラム(122)内の複数の方向に噴射するように2つ以上の噴射ノズルが提供されてもよい。他の実施形態で、噴射ノズルは洗剤と洗濯水との混合物を噴射するようにしてもよい。
【0022】
本実施形態で、2つの噴射ノズル(170、180)がガスケット(140)に提供されるが、噴射ノズル(170、180)は洗濯水がドラム(122)に噴射されるようにする限り、様々な位置に提供できる。例えば、噴射ノズル(170、180)は、洗濯水をドラム(122)に噴射するように、ドラム(122)前方、即ちキャビネット(110)やタブ(121)に提供される。噴射ノズル(170、180)は、洗濯水をドラム(122)内に上向き噴射するために、ドラム(122)の下部の前方に提供される。
【0023】
タブ(121)に貯蔵された洗濯水がポンプ(160)により汲み上げられた後、洗濯水は第1噴射ノズル(170)と第2噴射ノズル(180)によりドラム(122)に噴射される。このような方法により洗濯水は循環する。本実施形態で、洗濯水の循環と排水をポンプ(160)が遂行するが、本発明はこれには限定されず、例えば排水用ポンプと循環用ポンプが個別に提供されてもよい。
【0024】
ポンプ(160)により汲み上げられた洗濯水は、分配器(161)により分配されて、第1噴射流路(162)と第2噴射流路(163)の各々に沿って第1噴射ノズル(170)と第2噴射ノズル(180)に案内される。ポンプ(160)は、洗濯水が第1噴射ノズル(170)及び第2噴射ノズル(180)により同時に噴射されるように洗濯水を圧送することができる。その代案として、分配器(161)は洗濯水が噴射ノズル(170、180)の間で交互に噴射されるように水を噴射ノズル(170、180)に交互に供給することができる。洗濯水は反対方向に洗濯物に噴射される。したがって、洗濯物の効果的な処理を可能にする。また、ドラム(122)の回転方向に関わらず、均一な性能で洗濯物を処理することができる。
【0025】
タブ(121)は、ドラム(122)の振動時、慣性によるタブ(121)の安定性を維持するように、上側及び下側に重錘(155、156)を備える。重錘(155、156)は、タブ(121)の上側に提供される上部重錘(155)と、タブ(121)の下側に提供される下部重錘(156)と、を含むことができる。
【0026】
噴射ノズル(170、180)は、コネクタ(164)によりガスケット(140)に連結される。第1噴射ノズル(170)をガスケット(140)に連結するためのコネクタ(164)を図4に示す。コネクタ(164)はガスケット(140)を通じて延びて第1噴射ノズル(170)と第1噴射流路(162)とを連結する。また、第2噴射ノズル(180)も同一または類似の構造でガスケット(140)に連結される。
【0027】
本実施形態で、第1噴射ノズル(170)及び第2噴射ノズル(180)が対向側にまたは下部重錘(156)側に隣接配置されて、噴射ノズル(170、180)に連結されたコネクタ(164)が下部重錘(156)と干渉しないようにしている。その代案の構造では、ガスケット(140)にコネクタ(164)が提供されず、噴射ノズル(170、180)の配置が下部重錘(156)に基づいて制限されない。
【0028】
一方、洗濯水をドラム(122)に実質的に均一に噴射するために、噴射ノズル(170、180)はガスケット(140)の中心を通過する垂直対称線(PSL)の左右側に提供されて、垂直対称線(PSL)に対して互いに対称になるようにすることができる。
【0029】
本構造において、第1噴射ノズル(170)は、略上後方右側から下前方右側に至るドラム(122)の右側に向けて洗濯水を噴射するようにガスケット(140)の左側下部に提供され、第2噴射ノズル(180)は略上後方左側から下前方左側に至るドラム(122)の左側に向けて洗濯水を噴射するようにガスケット(140)の右側下部に提供される。その代案の実施形態で、第1噴射ノズル(170)と第2噴射ノズル(180)は水をドラムの後壁に向けて、例えば、左側上部から右側下部までの領域(第1噴射ノズル(170))及び右側上部から左側下部までの領域(第2噴射ノズル(180))に噴射するように構成される。当然のことながら、噴射ノズル(170、180)により噴射される水の方向はプログラミング、洗濯行程、ユーザの好みなどによって変更または調節できる。
【0030】
噴射ノズル(170、180)の各々は、複数の凹ガイドを内部に備える。ガイドはリブ状または溝状に形成できる。ガイドは洗濯水が特定の形態に噴射されるように洗濯水を案内する流路上に凹部を形成する。以下、詳細に説明する。
【0031】
図5(A)及び図5(B)は、本発明の一実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。図6は、噴射ノズルにより噴射される洗濯水の形態を示す図である。
【0032】
噴射ノズル(170)は、洗濯水を流入させるための流入部(171)、噴射された洗濯水をドラム(122)に向かうようにする第1面(172)、及び洗濯水の噴射幅を制限するための、第1面(172)の対向側から延びる第2及び第3面(173、174)を含む。
【0033】
ポンプ(160)により汲み上げられ、流入部(171)を通じて流入した洗濯水は、流入部(171)の出口端(171h)に対向するよう形成され、ドラム(122)に向けて傾斜した形状で延びる第1面(172)に沿って案内されて噴射される。洗濯水は、ポンプ(160)の圧送圧力により第1面(172)に沿って案内されるので、噴射された洗濯水が扇形にドラム(122)に到達するように広がった状態で噴射される。同一の量の洗濯水が噴射されるが、広い領域に噴射される。第1噴射ノズル(170)と第2噴射ノズル(180)が本実施形態のようにガスケット(140)の対向側に提供される時、洗濯水はより広い領域に、より効果的に噴射できる。
【0034】
一方、第1面(172)は、その幅が出口端に向けて徐々に増大するように形成される。第2及び第3表面(173、174)は、第1面(172)の対向側から延びる。
【0035】
結果的に、第2及び第3面(173、174)は噴射された洗濯水の噴射幅を制限する。また、第2面(173)は噴射された洗濯水の下側境界を形成し、第4面(174)は噴射された洗濯水の上側境界を形成する。この際、第2面(173)及び第3面(174)は噴射された洗濯水の上側境界(st2)と下側境界(st3)との間の噴射領域が図16の点(C)に示すように、ドラム(122)の回転軸を横切るように形成される。
【0036】
一方、第1面(172)は、洗濯水の流動方向に配置される複数のリブ(175)を備える。第1面(172)に沿って案内される洗濯水の深さはリブ(175)により変わる。結果的に、隣り合うリブ(175)の間に形成される流路に沿って噴射される水流は厚さが大きいメイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)を形成し、薄い水膜(b1、b2、b3、及びb4)が各メイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)の間に形成される。この際、リブ(175)はメイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)が水膜(b1、b2、b3、及びb4)により分離されないように、互いに連結されるように適切な高さを有する。リブ(175)の高さ(h)は隣り合うリブ(175)の間の距離(w)と同一であってもよい。
【0037】
しかしながら、リブ(175)が同一の高さに第1面(172)に沿って延びる必要はない。リブ(175)は、その高さが第1噴射ノズル(170)の出口端に向けて徐々に減少するように形成されてもよい。この場合、洗濯水が噴射されるリブ(175)の端部側の高さ(h)は、隣り合うリブ(175)の間の距離(w)と同一であってもよい。その代案として、出口端でのリブ(175)の各々の高さ(h)を変更してもよい。概して、距離(w)は、性能のためには高さ(h)より重要であり、高さ(h)は距離(w)より大きくてもよく、小さくてもよく、あるいは等しくてもよい。例えば、距離(w)と高さ(h)は5mmで、角度(θN)は90°であってもよい。また、角度(θN)も調節できる。
【0038】
洗濯水がメイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)及びメイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)の間に形成される水膜(b1、b2、b3、及びb4)を含む形態に噴射ノズル(170、180)により噴射されるによって、メイン噴射流は洗濯物についた汚染物に強い衝撃を与えることができ、洗濯物を撓ませたり、広げたりすることができるため、洗濯性能を向上させることができる。また、洗濯水の噴射面積は水膜により十分に確保される。
【0039】
図7は、本発明の他の実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。本実施形態で、噴射ノズル(270)は第1面(272)に陷入され、洗濯水の流動方向に延びる複数の溝(275)を含む。各々の溝(275)は断面が円弧形態に形成される。視覚的には輪郭が貝の形に見える。
【0040】
噴射ノズルにより噴射された洗濯水は、メイン噴射流と水膜が滑らかに繋がる形態を有する。したがって、本実施形態による洗濯水の噴射は、ユーザの審美感を満たすことができる。洗濯水の適当な噴射形態を得るために、各々の溝(275)は各溝(275)の幅(w)の1/4以下の深さ(d)を有することが好ましい。
【0041】
しかしながら、溝(275)が同一の深さで第1面(272)に沿って延びる必要はない。溝(275)はその深さが第1噴射ノズル(270)の出口端に向けて徐々に増加するように形成される。この場合、洗濯水が噴射される溝(275)の端部側の深さ(d)は溝(275)の各々の幅(d)の1/4以下になるようにすることが好ましい。例えば、wが5mmであれば、dは1.25mmであり、角度(θN)は約37°であってもよい。その代案として、幅(w)は出口端に向けて徐々に増大するようにしてもよい。また、幅(w)は各々の溝によって変わるようにしてもよい。例えば、幅(w)は外側の溝から中心の溝に向かって増大する、あるいは、外側の溝から中心の溝に向かって減少するようにすることができる。また、深さも同様に変わるようにしてもよい。
【0042】
本実施形態で、溝(275)は噴射ノズル(270)の第1面(272)の内部に形成されるものとして説明する。また、洗濯水が第1面と、そしてそこに対向する面(点線参照)の間に噴射されるように、第1面(272)に対向する面に形成される。この場合、噴射ノズル(270)は、ほぼ若干開いた貝の形状に形成され、噴射された洗濯水はその断面が波形を有するようにしてもよい。
【0043】
図8は、本発明の他の実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。図9は、図8の部分(C)の拡大図である。図10は、図9のライン(D−D)に沿って切断した部分(E)の拡大断面図である。
【0044】
図8乃至10を参照すると、本実施形態は噴射ノズル(370、380)がガスケット(140)に一体形成されるという点で、これまでの実施形態と相違する。噴射ノズル(370、380)は、ガスケット(140)から突出する。ガスケット(140)は、噴射ノズル(370、380)に各々洗濯水を案内するためのガスケット流路(371)を備える。ガスケット流路(371)は噴射流路(162、163)とコネクタ(364)により連結される。
【0045】
本実施形態で、溝(375)が噴射ノズル(370)の第1面(372)に形成される。溝、面、そして角度は、図7と関連して説明した実施形態と同様である。しかしながら、本発明はこれには限定されない。例えば、図5(A)及び図5(B)と連係して説明した実施形態と同様に、噴射ノズル(370)にリブ(175)を形成することができる。
【0046】
第1噴射ノズル(370)は、ガスケット(140)の内周面から突出する。このような第1噴射ノズル(370)の形態によって、ドラム(122)の回転により外部に移動する洗濯物が第1噴射ノズル(370)に衝突して内部に移動して、洗濯物のドラム(122)の外への離脱を防止し、また洗濯後、ドア(113)の開放時、洗濯物が溢れ出ることを防止する。即ち、ノズル(370、380)は互いに対して140°に位置する。この角度は設計によって、大きくなる場合もあり小さくなる場合もある。また、高さ(h)は18mmとすることができる。
【0047】
図11は、本発明の他の実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。図12は、図11の部分(F)を拡大した図である。図13は、図12のライン(G−G)に沿って切断した部分(H)の拡大断面図である。図14は、図11のライン(I−I)に沿って切断した断面図である。これまでの実施形態と同一または類似の本実施形態の構成についての説明は省略する。例えば、図8乃至10及び関連する実施形態を参照されたい。
【0048】
図11乃至14を参照すると、噴射ノズル(470、480)の各々は一部の洗濯水がドラム(122)に噴射される第1噴射ホール(476a)、及び一部の洗濯水がガスケット(140)に沿って噴射される第2噴射ホール(476b)を備える。噴射ノズル(470、480)は、洗濯水をドラム(122)の内部から上方に噴射するために、ガスケット(140)の下部から突出する。この際、噴射ノズル(470、480)は、溝部(142)に形成される。この場合、第1噴射ホール(476a)は、噴射された洗濯水がガスケット(140)と干渉しないように溝部(142)の外部に形成される。一方、第2噴射ホール(476b)は、好ましくは洗濯水が溝部(142)に沿って噴射されるように溝部(142)の内部に形成される。
【0049】
一方、ガスケット(140)は、ポンプ(160)により汲み上げられ、噴射流路(162)を通じて流入する洗濯水を案内するための第1ガスケット流路(471a)、及び洗濯水を第2噴射ホール(476b)に案内するための第1ガスケット流路(471a)から分岐された第2ガスケット流路(471b)を備える。第1ガスケット流路(471a)は、コネクタにより噴射流路(162)に連結される。また、ガスケット(140)はポンプ(160)により汲み上げられ、噴射流路(163)を通じて流入する洗濯水を案内するための他の第1及び第2ガスケット流路を備える。
【0050】
本実施形態においても、これまでの実施形態のように、第1及び第2噴射ノズル(470、480)がガスケット(140)の垂直対称線(PSL)の左右側に垂直対称線(PSL)に対し、互いに対称となるように提供される。しかしながら、全ての実施形態で、ノズルの対称的配置は非対称になるように変更できる。噴射ノズル(470、480)の間には洗濯水が排水される排水ホール(168)が形成される。排水ホールは、ガスケット(140)の下部に提供される。
【0051】
本実施形態で、溝(475)は噴射ノズル(470)の第1面(472)に形成される。その代案として、噴射ノズル(470)にリブ(175)を形成することができ、溝(475)は噴射ノズル(480)に形成することができる。リブ(175)や溝(475)の構造は、噴射ノズルがガスケットに一体形成されるか否かに関わらず、任意の構造が各々の実施形態に適用できる。
【0052】
一方、第1噴射ノズル(470)は、ガスケット(140)の内周面から突出する。このような形態の第1噴射ノズル(470)により、ドラム(122)の回転により外部に移動する洗濯物が第1噴射ノズル(470)と衝突して内部に移動し、それにより、洗濯物がドラム(122)から離脱するのを防止する。また、ノズル(470、480)により、洗濯後、ドア(113)が開放される時、洗濯物が溢れ出るのを防止する。
【0053】
図15及び16は、本発明の一実施形態によって洗濯物処理装置の噴射ノズルによりドラムに噴射された洗濯水の形態を示す概念図である。図17は、洗濯水の噴射領域について説明するための噴射ノズルにより噴射される洗濯水の断面を示す図である。以下の説明で、ノズル(170、180)が参照されるが、他の実施形態にも同様に適用できる。
【0054】
第1噴射ノズル(170)と第2噴射ノズル(180)は、ガスケット(140)の高さの半分より下のガスケット(140)の下部の対向側に提供される。第1噴射ノズル(170)は、ガスケット(140)の左側下部からドラム(122)内の上方に洗濯水を噴射し、第2噴射ノズル(180)はガスケット(140)の右側下部からドラム(122)内の上方に洗濯水を噴射する。ドラム(122)が回転する間、リフター(135)により持ち上げられ、落下する洗濯物(10)は、第1及び第2噴射ノズル(170、180)により形成される噴射領域を通過して洗濯物(10)が処理される。噴射ノズルは、洗濯水を落下する洗濯物に噴射するので、落下する洗濯物に強い衝撃が加えられて、これが洗濯物を撓ませたり、広げたりして、洗濯物処理性能を向上させることができる。
【0055】
一方、第1噴射ノズル(170)は、噴射された洗濯水の上側境界を定義する上側境界噴射流(st2)とドラム(122)の回転軸(C)を結合する中央噴射流(st1)との間の角度である上側噴射角度(θ1)が噴射された洗濯水の下側境界を定義する下側境界噴射流(st3)と中央噴射流(st1)との間の角度である下側噴射角度(θ2)より小さくなるように洗濯水を噴射する。洗濯水は、ドラム(122)の上部領域に一層集中的に噴射できる。
【0056】
ガスケット(140)の下部に提供された第1噴射ノズル(170)と第2噴射ノズル(180)の位置における特徴により、第1噴射ノズル(170)は、斜線に沿ってドラム(122)の右上方後側から右下方前側までの領域に向けて洗濯水を噴射し、第2噴射ノズル(180)は斜線に沿ってドラム(122)の左上方後側から左下方前側までの領域に洗濯水を噴射する。
【0057】
洗濯物出入ホール(119)からドラム(122)の内部を見る時、洗濯水は第1及び第2噴射ノズル(170、180)によりドラム(122)の左右側に向けて均一に噴射される。第1噴射ノズル(170)により噴射された洗濯水は(理想的には)図17(B)に示すような、後上方右側から前下方右側までの斜線を形成し、第2噴射ノズル(180)により噴射される洗濯水は(理想的には)後上方左側から前下方左側までの斜線を形成する。
【0058】
噴射ノズル(170、180)は、メイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)のうち、少なくとも1つがドラム(122)の上部領域に噴射され、メイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)のうちの少なくとも1つは、ドラム(122)の下部領域に噴射されるように形成される。ドラム(122)の上部領域は、ドラム(122)の高さの半分より上、またはドラム(122)の回転中心(C)より上の内部空間であり、ドラム(122)の下部領域はドラム(122)の高さの半分より下、またはドラム(122)の回転中心(C)より下の内部空間である。
【0059】
本実施形態で、ドラム(122)の上部領域に噴射されるメイン噴射流の数は、ドラム(122)の下部領域に噴射されるメイン噴射流の数より多い。洗濯水はドラム(122)の上部領域に一層集中的に噴射できる。
【0060】
図17(A)及び図17(B)を参照すると、噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)のうちの3個、即ちa1、a2、及びa3は中心(C)の上に噴射され、その残り、即ちa4及びa5は中心(C)の下に噴射される。
【0061】
洗濯水はドラム内に均一に噴射できる。洗濯水はドラム内に複数の方向に向けて噴射される。洗濯水は、ドラムの下から上に噴射される。洗濯水は、洗濯物に強い衝撃を加えるように洗濯物に噴射される。洗濯水は、ガスケットに沿って噴射され、異物のガスケットへの付着を防止することができる。洗濯水は、ガスケットを効果的に洗浄するように強く噴射される。
【0062】
洗濯物処理装置は、キャビネットと、キャビネット内に提供されるタブと、洗濯物を収容するためにタブの内部に回転可能に提供されたドラムと、キャビネットとタブとの間に提供されたガスケットと、洗濯水をドラムに噴射するためにガスケットに提供された噴射ノズルと、を含むことができ、噴射ノズルは凹部を形成する複数のガイドを含む。
【0063】
本出願は、2010年2月12日付の米国出願第12/704,923号と関連し、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
【0064】
本明細書で使用した、「一実施形態」、「1つの実施形態」、「例示的な実施形態]等は、本実施形態に関して説明した特徴や構造が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の多くの個所でこのような文言が使用されたとしても、その全てが必ずしも同一の実施形態を参照するものではない。任意の実施形態を参照して1つの特徴や構造が説明される時、そのような特徴や構造を他の実施形態と連係して具現できることは当業者に自明である。
【0065】
本発明が限定された数の実施形態として説明されたが、本発明の事象と範囲を逸脱することなく、本発明の実施形態に対する多様な修正、変更が可能であることは当業者に明白である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物処理処置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、洗濯物処理処置は洗濯物を洗濯または乾燥する装置である。洗濯物処理処置による洗濯物の処理時において、外部から流入した洗濯水が循環及び噴射される。洗濯水は循環ポンプにより循環され、噴射されるが、このような循環ポンプは概して容量が制限される。したがって、洗濯物の量が多い場合、短時間に水圧を増加させ、洗濯水を噴射するには限界がある。また、概して水圧は循環ポンプの容量によって制限されるが、循環ポンプが動作し、洗濯水が洗濯物に噴射される時、水圧が低いと洗濯水を洗濯物に均等に噴射できない。特に、すすぎ行程でのすすぎ時間は、洗濯水の噴射に影響を受ける。また、洗濯水が均等に噴射できなければ、洗濯物のすすぎ性能が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題点を鑑みて考案されたところ、本発明の目的は、洗濯物を効果的に濡らすことができる洗濯物処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によって、上記した目的及びその他の目的は、キャビネットと、キャビネット内に提供されたタブと、上記タブ内に提供され、洗濯物側に開口されたドラムと、上記ドラムを回転させるモータと、上記キャビネットと上記タブとの間に提供されたガスケットと、上記ガスケットに提供され、流体を上記ドラムに噴射するための第1及び第2噴射ノズルと、を含む洗濯物処理装置であって、上記第1及び第2噴射ノズルは、上記ドラムの回転軸の下に提供され、上記回転軸に対して所定の角度で互いに分離され、上記第1及び第2噴射ノズルのうちの少なくとも1つは、第1面及び上記第1面上の複数のガイドを有し、上記流体は上記第1または第2噴射ノズルのうちの少なくとも1つにより案内されて上記ドラムに噴射されることを特徴とする、洗濯物処理装置により達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の一実施形態による洗濯物処理装置を示す斜視図である。
【図2】図1のライン(A−A)に沿って切断した洗濯物処理装置の側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による洗濯物処理装置の洗濯水噴射構造を示す図である。
【図4】図3のライン(B−B)に沿って切断した断面図である。
【図5】本発明の一実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。
【図7】噴射ノズルにより噴射された洗濯水の形態を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。
【図10】図8の部分(C)の拡大図である。
【図11】図9のライン(D−D)に沿って切断した部分(E)の拡大断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。
【図13】図11の部分(F)の拡大図である。
【図14】図12のライン(G−G)に沿って切断した部分(H)の拡大断面図である。
【図15】図11のライン(I−I)に沿って切断した断面図である。
【図16】本発明の一実施形態による洗濯物処理装置の噴射ノズルによりドラムに噴射された洗濯水の形態を示す概念図である。
【図17】本発明の一実施形態による洗濯物処理装置の噴射ノズルによりドラムに噴射された洗濯水の形態を示す概念図である。
【図18】洗濯水の噴射領域を説明するための噴射ノズルにより噴射された洗濯水の断面を示す図である。
【図19】洗濯水の噴射領域を説明するための噴射ノズルにより噴射された洗濯水の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、添付した図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。図面及び詳細な説明において、同一の部材番号は、同一または実質的に同一の構成要素を示す。
【0007】
図1は、本発明の一実施形態による洗濯物処理処置の斜視図である。図2は、図1のラインA−Aに沿って切断した洗濯物処理装置の側断面図である。図3は、本発明の一実施形態による洗濯物処理処置の洗濯水噴射構造を示す図である。図4は、図3のラインB−Bに沿って切断した断面図を示す。
【0008】
キャビネット(110)内に、外部から供給される洗濯水を貯蔵するためのタブ(121)が配置され、タブ(121)内には洗濯物を収容するドラム(122)が配置される。駆動部(130)はドラム(122)に回転力を提供し、給水バルブ(125)は外部給水源から洗濯水が流れるようにする。タブ(121)から洗濯水を排水するために排水ホース(151)を使用する。水を汲み上げるためにポンプ(160)が使用される。
【0009】
キャビネット(110)は、洗濯物処理装置(100)の外観を形成する本体(111)を含む。本体(111)は、前方及び上方に開放されている。フロントカバー(112)は、洗濯物を投入するための洗濯物出入ホール(119)を含む。フロントカバー(112)は、本体(111)の前方に連結される。フロントカバー(112)の上側にユーザインターフェースを提供するコントロールパネル(115)が設置される。本体(111)の上側にはトップカバー(116)が提供される。
【0010】
フロントカバー(112)には、洗濯物出入ホール(119)を開閉するドア(113)がヒンジで連結されている。コントロールパネル(115)は、洗濯物処理装置(100)の多様な種類の状態情報を表示する表示部(117)、及びユーザが洗濯コース、行程別動作時間、予約等、様々な種類の制御命令が入力できるようにする入力部(118)を含む。
【0011】
洗濯コースは、洗濯物の種類及び機能によって、標準コース、デリケート/ウールコース、高温コース、高速洗浄コース、機能性衣類コース、静音コースなどを含むことができる。洗濯物処理装置は主に、洗濯行程、すすぎ行程、及び脱水行程を遂行する。各行程では、給水、洗濯、すすぎ、排水、脱水、及び/または絞りが遂行される。
【0012】
洗剤ボックス(133)は、洗濯用洗剤、繊維柔軟剤、または漂白剤等の洗剤を貯蔵する。洗剤ボックス(133)は、フロントカバー(112)の前方から容易に取り出すことができるようにフロントカバー(112)の前方に提供される。給水時、洗剤ボックス(133)の内部の洗剤が水と混合されてタブ(121)に供給される。
【0013】
タブ(121)は、スプリング(124)によりトップカバー(116)から吊るされ、ダンパー(126)により支持されてドラム(122)の回転時に発生する振動を吸収する。ドラム(122)は、駆動部(130)により回転する。ドラム(122)内にはリフター(135)が提供されてドラム(122)の回転時、洗濯物を持ち上げる。
【0014】
キャビネット(110)とタブ(121)との間にはガスケット(140)が提供される。ガスケット(140)の一方の側はキャビネット(110)に連結され、他方の側はタブ(121)の開放された前方の周辺に連結される。したがって、タブ(121)内に貯蔵された洗濯水が、タブ(121)とキャビネット(110)との間に漏洩するのが防止される。ガスケット(140)は、タブ(121)の振動を吸収するように周辺に沿って襞を備えるように形成される。
【0015】
図4を参照すると、ガスケット140は、タブ(121)に連結されたタブ連結部(141)、キャビネット(110)に連結されたキャビネット連結部(144)、タブ連結部(141)とキャビネット連結部(144)との間に配置されて振動吸収のための襞が形成された襞部(143)、及び襞部(143)により形成された溝部(142)を含む。
【0016】
溝部(142)を通じてコネクタ(164)が連結される。コネクタ(164)を通じて噴射ノズル(170、180)に流れる洗濯水の一部が溝部(142)に噴射されるように噴射ホール(165)が形成される。噴射ホール(165)を通じて噴射された洗濯水は、溝部(142)に沿って下へ流れて洗濯物から分離された残余洗剤と汚染物を洗い流す。したがって、ガスケット(140)は、溝部(142)に沿って下へ流れる洗濯水が排水される排水ホール168(図8参照)を有して下部に形成される。
【0017】
コネクタ(164)は、噴射ホール(165)がガスケット(140)の下部に向かうようにガスケット(140)に連結される。この際、コネクタ(164)はガスケット(140)の垂直対称線(PSL)の左右側で垂直対称線(PSL)に対して互いに対称となるように提供される。第1噴射ノズル170及び第2噴射ノズル180は、各々のコネクタ(164)に連結される。したがって、洗濯水はコネクタ(164)を通じてガスケット(140)の下部に噴射されてガスケット(140)を効果的に洗浄することができる。
【0018】
各々の噴射ホール(165)は、各々のコネクタ(164)の円周方向に延びるスリット状に形成される。噴射ホール(165)は、コネクタ(164)の円周方向に延びるので、充分な幅を有する洗濯水が噴射されて溝部(142)を効果的に洗浄する。また、各々の噴射ホール(165)が狭くて長いスリットの形態に形成されるので、洗濯水の噴射強度が増加する。噴射ホール(165)は、洗濯水が溝部(142)から溢れずに流れるように溝部(142)内に位置する。
【0019】
ガスケット(140)は1つの材質で形成される。その代案として、ガスケット(140)のタブ締結部(141)は硬い材質で形成され、タブ(140)との結合力及び充分な剛性を確保するようにすることができ、ガスケット(140)のキャビネット連結部(144)はタブ(121)からキャビネット(110)へ伝達される振動を緩和するために弾性材質で形成される。
【0020】
ガスケット(140)には、その内周面に突起部(145)が提供される。洗濯物がドラム(122)の回転により外側に移動する時に突起部(145)と衝突し、以後、内側に移動して洗濯物がドラム(122)から離脱するのを防止する。
【0021】
一方、ガスケット(140)には、タブ(121)からドラム(122)に排出された洗濯水を噴射するための第1及び第2噴射ノズル(170、180)が備えられる。本実施形態で、洗濯水の噴射のために2つのノズル(170、180)が使われるが、本発明はこれには限定されない。例えば、洗濯水をドラム(122)内の複数の方向に噴射するように2つ以上の噴射ノズルが提供されてもよい。他の実施形態で、噴射ノズルは洗剤と洗濯水との混合物を噴射するようにしてもよい。
【0022】
本実施形態で、2つの噴射ノズル(170、180)がガスケット(140)に提供されるが、噴射ノズル(170、180)は洗濯水がドラム(122)に噴射されるようにする限り、様々な位置に提供できる。例えば、噴射ノズル(170、180)は、洗濯水をドラム(122)に噴射するように、ドラム(122)前方、即ちキャビネット(110)やタブ(121)に提供される。噴射ノズル(170、180)は、洗濯水をドラム(122)内に上向き噴射するために、ドラム(122)の下部の前方に提供される。
【0023】
タブ(121)に貯蔵された洗濯水がポンプ(160)により汲み上げられた後、洗濯水は第1噴射ノズル(170)と第2噴射ノズル(180)によりドラム(122)に噴射される。このような方法により洗濯水は循環する。本実施形態で、洗濯水の循環と排水をポンプ(160)が遂行するが、本発明はこれには限定されず、例えば排水用ポンプと循環用ポンプが個別に提供されてもよい。
【0024】
ポンプ(160)により汲み上げられた洗濯水は、分配器(161)により分配されて、第1噴射流路(162)と第2噴射流路(163)の各々に沿って第1噴射ノズル(170)と第2噴射ノズル(180)に案内される。ポンプ(160)は、洗濯水が第1噴射ノズル(170)及び第2噴射ノズル(180)により同時に噴射されるように洗濯水を圧送することができる。その代案として、分配器(161)は洗濯水が噴射ノズル(170、180)の間で交互に噴射されるように水を噴射ノズル(170、180)に交互に供給することができる。洗濯水は反対方向に洗濯物に噴射される。したがって、洗濯物の効果的な処理を可能にする。また、ドラム(122)の回転方向に関わらず、均一な性能で洗濯物を処理することができる。
【0025】
タブ(121)は、ドラム(122)の振動時、慣性によるタブ(121)の安定性を維持するように、上側及び下側に重錘(155、156)を備える。重錘(155、156)は、タブ(121)の上側に提供される上部重錘(155)と、タブ(121)の下側に提供される下部重錘(156)と、を含むことができる。
【0026】
噴射ノズル(170、180)は、コネクタ(164)によりガスケット(140)に連結される。第1噴射ノズル(170)をガスケット(140)に連結するためのコネクタ(164)を図4に示す。コネクタ(164)はガスケット(140)を通じて延びて第1噴射ノズル(170)と第1噴射流路(162)とを連結する。また、第2噴射ノズル(180)も同一または類似の構造でガスケット(140)に連結される。
【0027】
本実施形態で、第1噴射ノズル(170)及び第2噴射ノズル(180)が対向側にまたは下部重錘(156)側に隣接配置されて、噴射ノズル(170、180)に連結されたコネクタ(164)が下部重錘(156)と干渉しないようにしている。その代案の構造では、ガスケット(140)にコネクタ(164)が提供されず、噴射ノズル(170、180)の配置が下部重錘(156)に基づいて制限されない。
【0028】
一方、洗濯水をドラム(122)に実質的に均一に噴射するために、噴射ノズル(170、180)はガスケット(140)の中心を通過する垂直対称線(PSL)の左右側に提供されて、垂直対称線(PSL)に対して互いに対称になるようにすることができる。
【0029】
本構造において、第1噴射ノズル(170)は、略上後方右側から下前方右側に至るドラム(122)の右側に向けて洗濯水を噴射するようにガスケット(140)の左側下部に提供され、第2噴射ノズル(180)は略上後方左側から下前方左側に至るドラム(122)の左側に向けて洗濯水を噴射するようにガスケット(140)の右側下部に提供される。その代案の実施形態で、第1噴射ノズル(170)と第2噴射ノズル(180)は水をドラムの後壁に向けて、例えば、左側上部から右側下部までの領域(第1噴射ノズル(170))及び右側上部から左側下部までの領域(第2噴射ノズル(180))に噴射するように構成される。当然のことながら、噴射ノズル(170、180)により噴射される水の方向はプログラミング、洗濯行程、ユーザの好みなどによって変更または調節できる。
【0030】
噴射ノズル(170、180)の各々は、複数の凹ガイドを内部に備える。ガイドはリブ状または溝状に形成できる。ガイドは洗濯水が特定の形態に噴射されるように洗濯水を案内する流路上に凹部を形成する。以下、詳細に説明する。
【0031】
図5(A)及び図5(B)は、本発明の一実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。図6は、噴射ノズルにより噴射される洗濯水の形態を示す図である。
【0032】
噴射ノズル(170)は、洗濯水を流入させるための流入部(171)、噴射された洗濯水をドラム(122)に向かうようにする第1面(172)、及び洗濯水の噴射幅を制限するための、第1面(172)の対向側から延びる第2及び第3面(173、174)を含む。
【0033】
ポンプ(160)により汲み上げられ、流入部(171)を通じて流入した洗濯水は、流入部(171)の出口端(171h)に対向するよう形成され、ドラム(122)に向けて傾斜した形状で延びる第1面(172)に沿って案内されて噴射される。洗濯水は、ポンプ(160)の圧送圧力により第1面(172)に沿って案内されるので、噴射された洗濯水が扇形にドラム(122)に到達するように広がった状態で噴射される。同一の量の洗濯水が噴射されるが、広い領域に噴射される。第1噴射ノズル(170)と第2噴射ノズル(180)が本実施形態のようにガスケット(140)の対向側に提供される時、洗濯水はより広い領域に、より効果的に噴射できる。
【0034】
一方、第1面(172)は、その幅が出口端に向けて徐々に増大するように形成される。第2及び第3表面(173、174)は、第1面(172)の対向側から延びる。
【0035】
結果的に、第2及び第3面(173、174)は噴射された洗濯水の噴射幅を制限する。また、第2面(173)は噴射された洗濯水の下側境界を形成し、第4面(174)は噴射された洗濯水の上側境界を形成する。この際、第2面(173)及び第3面(174)は噴射された洗濯水の上側境界(st2)と下側境界(st3)との間の噴射領域が図16の点(C)に示すように、ドラム(122)の回転軸を横切るように形成される。
【0036】
一方、第1面(172)は、洗濯水の流動方向に配置される複数のリブ(175)を備える。第1面(172)に沿って案内される洗濯水の深さはリブ(175)により変わる。結果的に、隣り合うリブ(175)の間に形成される流路に沿って噴射される水流は厚さが大きいメイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)を形成し、薄い水膜(b1、b2、b3、及びb4)が各メイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)の間に形成される。この際、リブ(175)はメイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)が水膜(b1、b2、b3、及びb4)により分離されないように、互いに連結されるように適切な高さを有する。リブ(175)の高さ(h)は隣り合うリブ(175)の間の距離(w)と同一であってもよい。
【0037】
しかしながら、リブ(175)が同一の高さに第1面(172)に沿って延びる必要はない。リブ(175)は、その高さが第1噴射ノズル(170)の出口端に向けて徐々に減少するように形成されてもよい。この場合、洗濯水が噴射されるリブ(175)の端部側の高さ(h)は、隣り合うリブ(175)の間の距離(w)と同一であってもよい。その代案として、出口端でのリブ(175)の各々の高さ(h)を変更してもよい。概して、距離(w)は、性能のためには高さ(h)より重要であり、高さ(h)は距離(w)より大きくてもよく、小さくてもよく、あるいは等しくてもよい。例えば、距離(w)と高さ(h)は5mmで、角度(θN)は90°であってもよい。また、角度(θN)も調節できる。
【0038】
洗濯水がメイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)及びメイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)の間に形成される水膜(b1、b2、b3、及びb4)を含む形態に噴射ノズル(170、180)により噴射されるによって、メイン噴射流は洗濯物についた汚染物に強い衝撃を与えることができ、洗濯物を撓ませたり、広げたりすることができるため、洗濯性能を向上させることができる。また、洗濯水の噴射面積は水膜により十分に確保される。
【0039】
図7は、本発明の他の実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。本実施形態で、噴射ノズル(270)は第1面(272)に陷入され、洗濯水の流動方向に延びる複数の溝(275)を含む。各々の溝(275)は断面が円弧形態に形成される。視覚的には輪郭が貝の形に見える。
【0040】
噴射ノズルにより噴射された洗濯水は、メイン噴射流と水膜が滑らかに繋がる形態を有する。したがって、本実施形態による洗濯水の噴射は、ユーザの審美感を満たすことができる。洗濯水の適当な噴射形態を得るために、各々の溝(275)は各溝(275)の幅(w)の1/4以下の深さ(d)を有することが好ましい。
【0041】
しかしながら、溝(275)が同一の深さで第1面(272)に沿って延びる必要はない。溝(275)はその深さが第1噴射ノズル(270)の出口端に向けて徐々に増加するように形成される。この場合、洗濯水が噴射される溝(275)の端部側の深さ(d)は溝(275)の各々の幅(d)の1/4以下になるようにすることが好ましい。例えば、wが5mmであれば、dは1.25mmであり、角度(θN)は約37°であってもよい。その代案として、幅(w)は出口端に向けて徐々に増大するようにしてもよい。また、幅(w)は各々の溝によって変わるようにしてもよい。例えば、幅(w)は外側の溝から中心の溝に向かって増大する、あるいは、外側の溝から中心の溝に向かって減少するようにすることができる。また、深さも同様に変わるようにしてもよい。
【0042】
本実施形態で、溝(275)は噴射ノズル(270)の第1面(272)の内部に形成されるものとして説明する。また、洗濯水が第1面と、そしてそこに対向する面(点線参照)の間に噴射されるように、第1面(272)に対向する面に形成される。この場合、噴射ノズル(270)は、ほぼ若干開いた貝の形状に形成され、噴射された洗濯水はその断面が波形を有するようにしてもよい。
【0043】
図8は、本発明の他の実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。図9は、図8の部分(C)の拡大図である。図10は、図9のライン(D−D)に沿って切断した部分(E)の拡大断面図である。
【0044】
図8乃至10を参照すると、本実施形態は噴射ノズル(370、380)がガスケット(140)に一体形成されるという点で、これまでの実施形態と相違する。噴射ノズル(370、380)は、ガスケット(140)から突出する。ガスケット(140)は、噴射ノズル(370、380)に各々洗濯水を案内するためのガスケット流路(371)を備える。ガスケット流路(371)は噴射流路(162、163)とコネクタ(364)により連結される。
【0045】
本実施形態で、溝(375)が噴射ノズル(370)の第1面(372)に形成される。溝、面、そして角度は、図7と関連して説明した実施形態と同様である。しかしながら、本発明はこれには限定されない。例えば、図5(A)及び図5(B)と連係して説明した実施形態と同様に、噴射ノズル(370)にリブ(175)を形成することができる。
【0046】
第1噴射ノズル(370)は、ガスケット(140)の内周面から突出する。このような第1噴射ノズル(370)の形態によって、ドラム(122)の回転により外部に移動する洗濯物が第1噴射ノズル(370)に衝突して内部に移動して、洗濯物のドラム(122)の外への離脱を防止し、また洗濯後、ドア(113)の開放時、洗濯物が溢れ出ることを防止する。即ち、ノズル(370、380)は互いに対して140°に位置する。この角度は設計によって、大きくなる場合もあり小さくなる場合もある。また、高さ(h)は18mmとすることができる。
【0047】
図11は、本発明の他の実施形態による洗濯物処理装置に適用される噴射ノズルを示す図である。図12は、図11の部分(F)を拡大した図である。図13は、図12のライン(G−G)に沿って切断した部分(H)の拡大断面図である。図14は、図11のライン(I−I)に沿って切断した断面図である。これまでの実施形態と同一または類似の本実施形態の構成についての説明は省略する。例えば、図8乃至10及び関連する実施形態を参照されたい。
【0048】
図11乃至14を参照すると、噴射ノズル(470、480)の各々は一部の洗濯水がドラム(122)に噴射される第1噴射ホール(476a)、及び一部の洗濯水がガスケット(140)に沿って噴射される第2噴射ホール(476b)を備える。噴射ノズル(470、480)は、洗濯水をドラム(122)の内部から上方に噴射するために、ガスケット(140)の下部から突出する。この際、噴射ノズル(470、480)は、溝部(142)に形成される。この場合、第1噴射ホール(476a)は、噴射された洗濯水がガスケット(140)と干渉しないように溝部(142)の外部に形成される。一方、第2噴射ホール(476b)は、好ましくは洗濯水が溝部(142)に沿って噴射されるように溝部(142)の内部に形成される。
【0049】
一方、ガスケット(140)は、ポンプ(160)により汲み上げられ、噴射流路(162)を通じて流入する洗濯水を案内するための第1ガスケット流路(471a)、及び洗濯水を第2噴射ホール(476b)に案内するための第1ガスケット流路(471a)から分岐された第2ガスケット流路(471b)を備える。第1ガスケット流路(471a)は、コネクタにより噴射流路(162)に連結される。また、ガスケット(140)はポンプ(160)により汲み上げられ、噴射流路(163)を通じて流入する洗濯水を案内するための他の第1及び第2ガスケット流路を備える。
【0050】
本実施形態においても、これまでの実施形態のように、第1及び第2噴射ノズル(470、480)がガスケット(140)の垂直対称線(PSL)の左右側に垂直対称線(PSL)に対し、互いに対称となるように提供される。しかしながら、全ての実施形態で、ノズルの対称的配置は非対称になるように変更できる。噴射ノズル(470、480)の間には洗濯水が排水される排水ホール(168)が形成される。排水ホールは、ガスケット(140)の下部に提供される。
【0051】
本実施形態で、溝(475)は噴射ノズル(470)の第1面(472)に形成される。その代案として、噴射ノズル(470)にリブ(175)を形成することができ、溝(475)は噴射ノズル(480)に形成することができる。リブ(175)や溝(475)の構造は、噴射ノズルがガスケットに一体形成されるか否かに関わらず、任意の構造が各々の実施形態に適用できる。
【0052】
一方、第1噴射ノズル(470)は、ガスケット(140)の内周面から突出する。このような形態の第1噴射ノズル(470)により、ドラム(122)の回転により外部に移動する洗濯物が第1噴射ノズル(470)と衝突して内部に移動し、それにより、洗濯物がドラム(122)から離脱するのを防止する。また、ノズル(470、480)により、洗濯後、ドア(113)が開放される時、洗濯物が溢れ出るのを防止する。
【0053】
図15及び16は、本発明の一実施形態によって洗濯物処理装置の噴射ノズルによりドラムに噴射された洗濯水の形態を示す概念図である。図17は、洗濯水の噴射領域について説明するための噴射ノズルにより噴射される洗濯水の断面を示す図である。以下の説明で、ノズル(170、180)が参照されるが、他の実施形態にも同様に適用できる。
【0054】
第1噴射ノズル(170)と第2噴射ノズル(180)は、ガスケット(140)の高さの半分より下のガスケット(140)の下部の対向側に提供される。第1噴射ノズル(170)は、ガスケット(140)の左側下部からドラム(122)内の上方に洗濯水を噴射し、第2噴射ノズル(180)はガスケット(140)の右側下部からドラム(122)内の上方に洗濯水を噴射する。ドラム(122)が回転する間、リフター(135)により持ち上げられ、落下する洗濯物(10)は、第1及び第2噴射ノズル(170、180)により形成される噴射領域を通過して洗濯物(10)が処理される。噴射ノズルは、洗濯水を落下する洗濯物に噴射するので、落下する洗濯物に強い衝撃が加えられて、これが洗濯物を撓ませたり、広げたりして、洗濯物処理性能を向上させることができる。
【0055】
一方、第1噴射ノズル(170)は、噴射された洗濯水の上側境界を定義する上側境界噴射流(st2)とドラム(122)の回転軸(C)を結合する中央噴射流(st1)との間の角度である上側噴射角度(θ1)が噴射された洗濯水の下側境界を定義する下側境界噴射流(st3)と中央噴射流(st1)との間の角度である下側噴射角度(θ2)より小さくなるように洗濯水を噴射する。洗濯水は、ドラム(122)の上部領域に一層集中的に噴射できる。
【0056】
ガスケット(140)の下部に提供された第1噴射ノズル(170)と第2噴射ノズル(180)の位置における特徴により、第1噴射ノズル(170)は、斜線に沿ってドラム(122)の右上方後側から右下方前側までの領域に向けて洗濯水を噴射し、第2噴射ノズル(180)は斜線に沿ってドラム(122)の左上方後側から左下方前側までの領域に洗濯水を噴射する。
【0057】
洗濯物出入ホール(119)からドラム(122)の内部を見る時、洗濯水は第1及び第2噴射ノズル(170、180)によりドラム(122)の左右側に向けて均一に噴射される。第1噴射ノズル(170)により噴射された洗濯水は(理想的には)図17(B)に示すような、後上方右側から前下方右側までの斜線を形成し、第2噴射ノズル(180)により噴射される洗濯水は(理想的には)後上方左側から前下方左側までの斜線を形成する。
【0058】
噴射ノズル(170、180)は、メイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)のうち、少なくとも1つがドラム(122)の上部領域に噴射され、メイン噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)のうちの少なくとも1つは、ドラム(122)の下部領域に噴射されるように形成される。ドラム(122)の上部領域は、ドラム(122)の高さの半分より上、またはドラム(122)の回転中心(C)より上の内部空間であり、ドラム(122)の下部領域はドラム(122)の高さの半分より下、またはドラム(122)の回転中心(C)より下の内部空間である。
【0059】
本実施形態で、ドラム(122)の上部領域に噴射されるメイン噴射流の数は、ドラム(122)の下部領域に噴射されるメイン噴射流の数より多い。洗濯水はドラム(122)の上部領域に一層集中的に噴射できる。
【0060】
図17(A)及び図17(B)を参照すると、噴射流(a1、a2、a3、a4、及びa5)のうちの3個、即ちa1、a2、及びa3は中心(C)の上に噴射され、その残り、即ちa4及びa5は中心(C)の下に噴射される。
【0061】
洗濯水はドラム内に均一に噴射できる。洗濯水はドラム内に複数の方向に向けて噴射される。洗濯水は、ドラムの下から上に噴射される。洗濯水は、洗濯物に強い衝撃を加えるように洗濯物に噴射される。洗濯水は、ガスケットに沿って噴射され、異物のガスケットへの付着を防止することができる。洗濯水は、ガスケットを効果的に洗浄するように強く噴射される。
【0062】
洗濯物処理装置は、キャビネットと、キャビネット内に提供されるタブと、洗濯物を収容するためにタブの内部に回転可能に提供されたドラムと、キャビネットとタブとの間に提供されたガスケットと、洗濯水をドラムに噴射するためにガスケットに提供された噴射ノズルと、を含むことができ、噴射ノズルは凹部を形成する複数のガイドを含む。
【0063】
本出願は、2010年2月12日付の米国出願第12/704,923号と関連し、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
【0064】
本明細書で使用した、「一実施形態」、「1つの実施形態」、「例示的な実施形態]等は、本実施形態に関して説明した特徴や構造が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の多くの個所でこのような文言が使用されたとしても、その全てが必ずしも同一の実施形態を参照するものではない。任意の実施形態を参照して1つの特徴や構造が説明される時、そのような特徴や構造を他の実施形態と連係して具現できることは当業者に自明である。
【0065】
本発明が限定された数の実施形態として説明されたが、本発明の事象と範囲を逸脱することなく、本発明の実施形態に対する多様な修正、変更が可能であることは当業者に明白である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットと、
前記キャビネット内に提供されたタブと、
前記タブ内に提供され、洗濯物側に開口されたドラムと、
前記ドラムを回転させるモータと、
前記キャビネットと前記タブとの間に提供されたガスケットと、
前記ガスケットに提供され、流体を前記ドラムに噴射するための第1及び第2噴射ノズルと、を含む洗濯物処理装置であって、
前記第1及び第2噴射ノズルは、前記ドラムの回転軸の下に提供され、前記回転軸に対して所定の角度で互いに分離され、前記第1及び第2噴射ノズルのうちの少なくとも1つは、第1面及び前記第1面の上の複数のガイドを有し、前記流体は前記第1または第2噴射ノズルのうちの少なくとも1つにより案内されて、前記ドラムに噴射されることを特徴とする、洗濯物処理装置。
【請求項2】
前記流体は、前記ドラムの一方の側に向けて前記第1及び第2噴射ノズルにより噴射される洗濯水である、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項3】
前記複数のガイドは、前記第1面から突出し、流路方向に延びる複数のリブを含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項4】
隣接リブ間の距離は前記リブの高さと同一である、請求項3に記載の洗濯物処理装置。
【請求項5】
前記ガイドは、前記第1面の内部に流路方向に延びる複数の溝を含む、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項6】
前記溝の深さは隣接した溝間の幅の約1/4以下である、請求項5に記載の洗濯物処理装置。
【請求項7】
各々の溝は、円弧型を有する、請求項5に記載の洗濯物処理装置。
【請求項8】
前記第1及び第2噴射ノズルは、前記ガスケットの下部の内周面に提供される、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項9】
前記第1及び第2噴射ノズルに流体を圧送するためのポンプをさらに含む、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項10】
前記流体は洗濯水である、請求項9に記載の洗濯物処理装置。
【請求項11】
前記第1または第2噴射ノズルのうちの少なくとも1つは、前記ガスケットと一体形成される、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項12】
前記ガスケットに提供されて前記第1噴射ノズルに前記流体を案内する第1コネクタと、前記ガスケットに提供されて前記流体を前記第2噴射ノズルに案内する第2コネクタと、をさらに含む、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項13】
前記ガスケットは内周面に沿って形成された溝を含み、前記第1コネクタまたは第2コネクタのうちの少なくとも1つは、流体を前記溝に噴射するように構成された噴射ホールを含む、請求項12に記載の洗濯物処理装置。
【請求項14】
前記第1コネクタまたは第2コネクタのうちの少なくとも1つは、前記溝に提供され、前記噴射ホールは前記溝の内部に位置する、請求項13に記載の洗濯物処理装置。
【請求項15】
前記ガスケットは、前記第1噴射ノズルと前記第2噴射ノズルとの間であって、前記溝の上に形成された少なくとも1つの排水ホールを含む、請求項13に記載の洗濯物処理装置。
【請求項16】
前記噴射ホールは、前記第1コネクタまたは第2コネクタのうち、少なくとも1つの円周方向に延びたスリットを含む、請求項13に記載の洗濯物処理装置。
【請求項17】
前記第1噴射ノズル及び前記第1コネクタは一体形成され、前記第2噴射ノズルと前記第2コネクタは一体形成される、請求項13に記載の洗濯物処理装置。
【請求項18】
前記第1噴射ノズルまたは第2噴射ノズルのうちの少なくとも1つは、流体を前記ドラムに噴射するための第1噴射ホールと、流体をガスケットに噴射するための第2噴射ホールと、を含む、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項19】
前記第1噴射ノズルと前記第2噴射ノズルは、前記ガスケットに対称的に提供される、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項20】
前記ガスケットは、流体を前記第1噴射ホールに案内するための第1ガスケット流路と、流体を前記第2噴射ホールに案内するための前記第1ガスケット流路から分岐される第2ガスケット流路と、をさらに含む、請求項18に記載の洗濯物処理装置。
【請求項21】
前記第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルは、前記流体を同時に噴射する、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項22】
前記流体は、前記第1及び第2噴射ノズルの間で交互に噴射される、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項23】
前記第1噴射ノズルまたは前記第2噴射ノズルのうち、少なくとも1つにより形成された流体の噴射は、複数のメイン噴射流と、前記複数のメイン噴射流の間に形成された水膜とを含む、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項24】
前記ドラムの上部領域に噴射される前記メイン噴射流の数は、前記ドラムの下部領域に噴射されるメイン噴射流の数より多い、請求項23に記載の洗濯物処理装置。
【請求項25】
前記第1噴射ノズルは、斜線に沿って前記ドラムの後上方右側から前下方右側までの領域に向けて流体を噴射し、前記第2噴射ノズルは、斜線に沿って前記ドラムの後上方左側から前下方左側までの領域に向けて流体を噴射する、請求項23に記載の洗濯物処理装置。
【請求項1】
キャビネットと、
前記キャビネット内に提供されたタブと、
前記タブ内に提供され、洗濯物側に開口されたドラムと、
前記ドラムを回転させるモータと、
前記キャビネットと前記タブとの間に提供されたガスケットと、
前記ガスケットに提供され、流体を前記ドラムに噴射するための第1及び第2噴射ノズルと、を含む洗濯物処理装置であって、
前記第1及び第2噴射ノズルは、前記ドラムの回転軸の下に提供され、前記回転軸に対して所定の角度で互いに分離され、前記第1及び第2噴射ノズルのうちの少なくとも1つは、第1面及び前記第1面の上の複数のガイドを有し、前記流体は前記第1または第2噴射ノズルのうちの少なくとも1つにより案内されて、前記ドラムに噴射されることを特徴とする、洗濯物処理装置。
【請求項2】
前記流体は、前記ドラムの一方の側に向けて前記第1及び第2噴射ノズルにより噴射される洗濯水である、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項3】
前記複数のガイドは、前記第1面から突出し、流路方向に延びる複数のリブを含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項4】
隣接リブ間の距離は前記リブの高さと同一である、請求項3に記載の洗濯物処理装置。
【請求項5】
前記ガイドは、前記第1面の内部に流路方向に延びる複数の溝を含む、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項6】
前記溝の深さは隣接した溝間の幅の約1/4以下である、請求項5に記載の洗濯物処理装置。
【請求項7】
各々の溝は、円弧型を有する、請求項5に記載の洗濯物処理装置。
【請求項8】
前記第1及び第2噴射ノズルは、前記ガスケットの下部の内周面に提供される、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項9】
前記第1及び第2噴射ノズルに流体を圧送するためのポンプをさらに含む、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項10】
前記流体は洗濯水である、請求項9に記載の洗濯物処理装置。
【請求項11】
前記第1または第2噴射ノズルのうちの少なくとも1つは、前記ガスケットと一体形成される、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項12】
前記ガスケットに提供されて前記第1噴射ノズルに前記流体を案内する第1コネクタと、前記ガスケットに提供されて前記流体を前記第2噴射ノズルに案内する第2コネクタと、をさらに含む、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項13】
前記ガスケットは内周面に沿って形成された溝を含み、前記第1コネクタまたは第2コネクタのうちの少なくとも1つは、流体を前記溝に噴射するように構成された噴射ホールを含む、請求項12に記載の洗濯物処理装置。
【請求項14】
前記第1コネクタまたは第2コネクタのうちの少なくとも1つは、前記溝に提供され、前記噴射ホールは前記溝の内部に位置する、請求項13に記載の洗濯物処理装置。
【請求項15】
前記ガスケットは、前記第1噴射ノズルと前記第2噴射ノズルとの間であって、前記溝の上に形成された少なくとも1つの排水ホールを含む、請求項13に記載の洗濯物処理装置。
【請求項16】
前記噴射ホールは、前記第1コネクタまたは第2コネクタのうち、少なくとも1つの円周方向に延びたスリットを含む、請求項13に記載の洗濯物処理装置。
【請求項17】
前記第1噴射ノズル及び前記第1コネクタは一体形成され、前記第2噴射ノズルと前記第2コネクタは一体形成される、請求項13に記載の洗濯物処理装置。
【請求項18】
前記第1噴射ノズルまたは第2噴射ノズルのうちの少なくとも1つは、流体を前記ドラムに噴射するための第1噴射ホールと、流体をガスケットに噴射するための第2噴射ホールと、を含む、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項19】
前記第1噴射ノズルと前記第2噴射ノズルは、前記ガスケットに対称的に提供される、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項20】
前記ガスケットは、流体を前記第1噴射ホールに案内するための第1ガスケット流路と、流体を前記第2噴射ホールに案内するための前記第1ガスケット流路から分岐される第2ガスケット流路と、をさらに含む、請求項18に記載の洗濯物処理装置。
【請求項21】
前記第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルは、前記流体を同時に噴射する、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項22】
前記流体は、前記第1及び第2噴射ノズルの間で交互に噴射される、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項23】
前記第1噴射ノズルまたは前記第2噴射ノズルのうち、少なくとも1つにより形成された流体の噴射は、複数のメイン噴射流と、前記複数のメイン噴射流の間に形成された水膜とを含む、請求項1に記載の洗濯物処理装置。
【請求項24】
前記ドラムの上部領域に噴射される前記メイン噴射流の数は、前記ドラムの下部領域に噴射されるメイン噴射流の数より多い、請求項23に記載の洗濯物処理装置。
【請求項25】
前記第1噴射ノズルは、斜線に沿って前記ドラムの後上方右側から前下方右側までの領域に向けて流体を噴射し、前記第2噴射ノズルは、斜線に沿って前記ドラムの後上方左側から前下方左側までの領域に向けて流体を噴射する、請求項23に記載の洗濯物処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(A)】
【図5(B)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(A)】
【図5(B)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2013−507221(P2013−507221A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534107(P2012−534107)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【国際出願番号】PCT/KR2010/006991
【国際公開番号】WO2011/046358
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【国際出願番号】PCT/KR2010/006991
【国際公開番号】WO2011/046358
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】
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