説明

津波、台風高波防禦用堤防

【課題】 津波防波堤体強度を高波や津波の波浪圧力に充分耐え得る様に凸凹コンクリート製セルラにて構築し、小さな湾内や河川を津波が遡上することを防止した津波防波堤システムを提供する。
【解決手段】 セルラ6を使用して河川内、或いは湾内を横断せる津波防波堤体1を構築するのであるが、図1に示された道路3より防波堤体1の工事に着工する場合、直立したセルラ6ではなく、内側に少し傾斜(詳細図略)さして外海より襲来する津波、高潮などの圧力に対抗出来るように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は津波や台風高波が小さな湾内や河川を遡上し、停泊せる漁船や橋、人家並びに田畑に災害を及ぼす事を防止するための津波、台風高波防禦用堤防に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より日本国内各地に於いて大津波に備えて一文字防波堤や潜堤が湾内には設置されている。例えば、三陸の大船渡湾では900mと600mの2本の一文字防波堤が有名である。水深−40mの海底より巨大ケーソンにて築造され、2本の巨大一文字防波堤の間には艦船航行のため200mの開口部があり、又、各堤防と湾内両岸との間にも海流並びに湾内水質保全のため並びに船舶航行のために開口部が設けられている。然し、これらの一文字防波堤は台風の高波に対しては充分効力を発揮し、湾内の波浪静穏には寄与するけれども、大津波に対しては効果ないと東大利水研究所を始め、各研究機関が指摘している。この間のNHKテレビ放映に拠れば、もし、三陸沖に巨大地震が発生したならば宮古市、大船渡市には20m以上の津波が押し寄せ甚大なる被害を蒙る可能性があると報じていた。所謂、波上にある堤体天端高5m程の一文字防波堤では20m以上もある様な巨大津波の高い水壁は防ぎ得ない事を意味している。和歌山県の湯浅湾や高知県須崎市その他各地に多く見られる一文字防波堤も台風の高波にしか、効果はなく巨大津波に対しては無防備だと思われる。
【0003】
又、1771(明和8)年明和八重山地震津波が南西諸島南部の八重山列島・宮古島列島を襲った時には石垣島宮良村の河川を遡った津波が島の最奥部に達し、山を越え、島の反対側の名蔵湾に到達している。津波の高さ30m〜85m以上とも言われている。石垣島の40%が冠水し、死者約9209人、流失家屋2177軒と古書は伝えている。当和歌山県地方に於いても大津波の来襲時には多くの民家、田畑が被害を蒙り、河川に係留されたる多数の舟が上流に運ばれ陸地に打ち上げられたる例が過去多く記録に残されている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−113219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
三陸の大船渡湾に現存する2本の巨大一文字防波堤、或いは、特開平7−113219に記載されたる潜堤を含む一文字防波堤では海面上にある堤体天端高が波上5m程で大津波に対しては余りにも低すぎて役に立たないし、深海に構築するため設置費用も非常に高額となる。更に、陸地にある防潮堤の僅かな嵩上げ程度では大津波の波浪エネルギーを防禦し得ないと思われる。又、大船渡湾の場合、各堤防と湾内両岸との間にある開口部より浸入する激浪はあらゆる岬をも廻り込み、湾内にある全ての低い堤防を乗り越え、河川を遡り、あらゆる物に災害を及ぼす事が予想され得る。隣接せる三陸宮古市に於いても同様の事が起こり得ると思われる。尚、1993年、北海道南西沖地震に於いては北海道奥尻港の北防波堤が津波の作用により16個のケーソンの滑動、転倒が発生したが、津波の早い流れの作用のため防波堤マウンド部被覆材が流失散乱した状況の結果と思われる。或いは、和歌山県御坊市に於いても、隣接せる美浜町との間にある西川(河口幅70m)より遡上した津波は宝永4年(1707)、安政1年(1854)と過去度々襲来している。御坊市源行寺の記録に拠れば安政1年、津波の波高、特に第3波約4mと記されている。更に御坊市にて近年発掘された環濠集落を有す、当地方としては珍しい古代遺跡や数多の遺物も、侵入し易い西川河口より遡上回折した津波のために徹底的に破壊されたものと思われる。もし、西川河口に天端の高い堤防があり、堤防の下部には上流部からの洪水排水を促すことの出来得る多数の暗渠があるならば、浅水変形する津波による被害も防止出来たのではないだろうか。又、堤防の一部を幅10m位の漁船航行のための水路開口部を設けるか、或いは、トンネル式出入り口にするならば、津波の侵水量も少なく人家田畑への災害を最小限に食い止める事も可能である。更にこの様な堤防を小さな湾の浅海を横断して津波用堤防を築堤すれば町や港や河川上流部への津波被害も防止出来得るのではないだろうか。本発明はこれらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は津波の圧力と越波に対抗出来る充分な高さと強さを有す強固な堤防を湾内又は河川上を横断して構築した。湾内又は河川上の外海面には多数の凹凸コンクリート製セルラを重層化し連結された形状の胸壁を築き、海底、川底の軟弱地盤には堤体重量を支えるための支柱を適宜設けると共に、船の出入路にトンネル式水路又は、開口部を設け、更に堤体下部の要所には多数の暗渠を設置し、海水流出入、魚道の確保など、湾内海水浄化の為の混成堤とし、更に河川洪水用の暗渠には着脱自在な鋼鉄製扉体を設け、津波の巨大な水壁、台風の高潮に対抗し、波浪侵入量を最小限に押さえると共に台風時に於ける湾内、河川内の波浪静穏に努力した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、堤体天端高の低い深海に設置される工事日数も長く従って工事費も高い津波防波堤ではなく、陸続きにある既設、或いは新設の公道から凹凸コンクリート製セルラを多数互いに連結して浅い海底に二列に並べ、中空状のセルラ内部と二列に並べられた凹凸コンクリート製セルラとの間には多量の土砂を投入して防波堤を構築するため、堤体天端高、堤体幅も、設置場所の河川、湾内両岸の態様に応じ、又、津波の波浪圧力の強弱並びに高低により自由に堅固な防波堤を安価に設定することが可能である。更に船の出入口をトンネル又は開口部水路として船の航行に差し支えのない程度まで出来うる限り狭くし、津波の遡上波浪の上流部への浸入量を最小限に止めると共に、堤体下部に多数の堅固な暗渠を設け、湾内への魚類、海水流出入の便を計った。以上の工事は浅い海底での工事のため、工期も短縮され、従って安価に仕上がり、津波遡上の侵入路が船の出入路のトンネルしか無いため上流部への被害も最小限に押さえる事が出来る利点がある。尚、堤体上に整備された道路を敷設すれば対岸へのパイパスともなるし、防波堤体内投入せる土砂流出、堤体破損の場合、修復に便利である。或いは河川河口に於いても同様な防波堤を構築すれば上流部への甚大なる被害も防ぐ事が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明による津波防波堤1の設計図を添付図面に基ずき説明する。図1は外海に面した小さな湾内にある一文字防波堤2の背後に湾内両岸にある山麓より津波の越波を許さない高さの津波防波堤1を構築し、船の出入水路として津波防波堤1内部に二つのトンネル4を設定した平面図であるが、一つのトンネル4は船の入口とし、もう一つを出口として船の衝突の危険性を回避している。もし、湾内の地形が狭く二つのトンネル4の構築が無理であれば、電気交通信号(図略)を設置した一つのトンネル4だけとしても良い。又、図2にある如く津波防波堤1最下部には暗渠5があり、魚道や湾内の海水浄化、洪水排出の目的のため設置されているけれども二つのトンネル4の高さ、幅を出来うる限り狭く構築し、津波の湾内への波浪浸水量を制御する必要性がある。さて、一文字防波堤2は図5にある如く割り石7に囲まれた複数以上のセルラ6(略詳述)を重層化して構築しているが、北海道奥尻港沖の北防波堤ケーソンの例にもある如く、台風よけの基準でなく津波の巨大水壁、1m20tの水圧にも耐えられるように幅狭く、奥行きの長いセルラ6にする必要がある。奥尻港の場合、津波の速い潮流によりケーソン下部のバウンド部が削り取られたため、巨大なケーソンが散乱している。従って一文字防波堤2はバウンド部工事を省き、海底24にセルラ6を直接設置し、セルラ6内部空間8に土砂16を投入し、上部土砂が陥没するならば直ちに補修すれば良い。尚、セルラ6内部と海底24或いはコンクリート製床22との接地面にシート25を敷き、土砂流出を防止する。又、湾内に一文字防波堤2が現存する場合には、津波防波堤として活用し、ケーソンが移動、転落しない様、割り石7にて補強すれば良い。尚、消波ブロック類には藻類が発生しないので従って魚貝類の住居にはならないので自然石、割り石7が望ましい。仮に一文字防波堤2の一部や割り石7が散乱したとしても背後にある津波防波堤1との距離を充分に空けて船の航行に不便を与えないよう配慮すべきである。
【0009】
図2の小さな湾内に船が出入する為のトンネル4の天井高は湾内にある港の中に停泊せる船群の中でマストの一番高い船が満潮時でも充分余裕を持って航行し得る高さとし、もし、湾内に漁船よりも大きな貨物船が少数いるならば二つのトンネル4の内一つをトンネル4の無い開口部水路4(図略)としても良い。尚、大きな貨物船の出入数が少ないようであれば、開口部水路4の海水面上部だけに開閉自在な水門(図略)を設置し、貨物船の出入以後は水門を閉じて台風高潮時の波浪流入量の抑制に努めても良い。開口部水路4並びにトンネル4は波浪流速を考慮して開口部水路4やトンネル4内胸壁下部(図略)を地中内深く構築し、波浪洗掘防止と堤体重量にも耐えうるよう留意すべきだ。又、トンネル4幅も出来うる限り狭くし、多数の暗渠5の設置数も最小限に止め、津波浸入を抑制すると共に暗渠5構築に於いては堤体重量に考慮し強固に設置した。尚、津波圧力に対抗するためには堤体幅を出来る限り幅広くし、湾内側堤体斜面に海水塩分に強い草木15を植え、景観に配慮しても良い。
【0010】
図2の防波堤体1並びに一文字防波堤2を構成するコンクリート製セルラ6は図8凹コンクリート製枠9内にある取っ手11を有す一個のセルラ6を海底に直接設置し、その個体上部図7にある別箇の凸コンクリート製枠10をはめ込み、土砂詰めのための空間8に土砂16を投入して防波堤体1の胸壁を津波の越波を防止する高さまでセルラ6を複数段以上重ねて構築する。セルラ6の長方形の細い壁12を前面とし、奥行きの長い側面13を出来うる限り長くして津波の波浪エネルギーに対抗し、防波堤体1並びに一文字防波堤2を構築した。
【0011】
図2の防波堤体1の下部にある暗渠5は防波堤体1背後にある図1の湾内への海水出入口、魚道であるが図3、4の河川に於ける暗渠5と同様に防波堤体1の最下部セルラ6の海底面に於ける波浪洗掘防止のため、防波堤体1幅より長く設置し(図略)、防波堤体1本体への崩壊の危険性を防止してある。又、湾内への海水浄化への配慮から図3、4と同様に暗渠5を重層的に配置してあるが、その最上部側にある暗渠5には図9、10にある鋼鉄製扉差込枠18に鋼鉄製扉17(詳細図略)を常時セットしてあり、湾内にある河川洪水の危険時には、自動車クレーンにて鋼鉄製扉17を引き上げ、洪水の危険性が去ると共に鋼鉄製扉17は再びセットされ、台風津波の波浪浸入防止に備えている。
【0012】
図3、4は河川に遡上する津波に対して湾内と同様な構造を持つ防波堤体1を構築した図であるが、破線にて示された旧堤防19は天端高が低過ぎる為に天端を高くして津波の侵入をも防止し得る新堤防20を築いている。予想される津波の高さより高い新堤防20は津波の強大な波浪エネルギーに対抗するため、堤体幅の広い重量のある新堤防20とし、河川を横断せる防波堤体1下部に構築された暗渠5の最上段部は河川洪水時のみの排水のための暗渠5であり、2,3段目の暗渠5が常時川水が流れていることを意味している。尚、最上段部暗渠5には図9、10にある鋼鉄製扉差込枠18に鋼鉄製扉17(詳細図略)を常時セットしてあり、前述の湾内の時と同様、河川洪水の危険時には鋼鉄製扉17を開け、通常時には閉める操作を行えば良い。又、河川を横断せる防波堤体1上部には堤体維持補修の為に道路3を敷設するので堤体重量を支えるコンクリート製支柱21は強固に深く洗掘されない様に構築する必要がある。トンネル4の高さは河川上流部に停泊せる船のマストの高さに拠るのは湾内と同様であるが水門設備(詳細図略)を考慮した構造にしても良いし、又、地形状トンネル4が難しいならば開口部としても良い。
【0013】
図5は湾内を横断せる津波防波堤体1トンネル4部分の断面図であるが一文字防波堤2を除けば、河川を横断する津波防波堤1にも成り得る事を示している。又、トンネル4上部にあるセルラ6や土砂16を除けば開口部(詳細図略)にもなりマストの高い船も容易に航行出来る事を示しているが河川、湾内上流部の複雑な潮流や台風による土砂の堆積、或いは超過地震、超過津波による崩壊を考慮し、一文字防波堤2と防波堤体1の間は充分な距離を保つと共に、強固に構築し、船の航路安全性への配慮が必要である。又、この一文字防波堤2のかわりに湾内の港にある不必要になる多量の消波ブロックを移転構築して台風時高波に対処しても良い。尚、河川河口部の河床勾配が緩やかで河川両岸に多くの砂州が在るならば、堅固な津波防波堤体1を構築するために堤体幅を増し図6に示す如く堤体斜面を緩やかにし、塩生植物を植え、景観に配慮しても良い。更に、堤体天端は道路3として工事用道路、或いは、パイパス道路として活用しても良い。
【0014】
図6は河川内、或いは湾内を横断せる津波防波堤体1の断面図であるが津波防波堤体1の下辺部にある暗渠5は複数以上繋ぎ合わせ、海底水路床勾配の深浅により複数段以上、直接に設置されている。又、上部津波防波堤体1の重量を支えるためコンクリート製支柱21を堅固に構築する必要があるが、もし、海底の状態がセルラ6を設置するのに最適な条件であるならばセルラ6をコンクリート製支柱21の代わりに設置し、上部津波防波堤体1の重量を支えても良い。然し、河川内では洪水による洗掘作用のためコンクリート製支柱21或いはセルラ6も同じく川底深く構築し洗掘作用に対処してコンクリート製支柱21が堅固に構築されるならば暗渠5は省いても(詳細図略)構わないがコンクリート製床22を敷設する場合、将来、土地利用による急激な都市化現象が河川上流部に起き、洪水流出量が増大しても大丈夫なように排水、洪水の為に充分なる余裕を持った空間を河水面上に設けるよう考慮すべきだ。
【0015】
又、 図6にある上部暗渠5の鋼鉄製扉体17(詳細図略)は平常時には締め切ったままになっているので台風時の高波、不意に襲来する津波に対して河川上流部への侵入を防止する事が出来、洪水時には引き上げられ、排水口としての役目を果たしている。鋼鉄製扉体17は1m20トンの津波波浪圧力にも耐えられる様に構成されている。もし、先述した様に暗渠5を省いた場合には、コンクリート製支柱21の壁面に鋼鉄製扉体差込枠18(詳細図略)を設置し、津波、台風高潮に配慮する必要がある。尚、洪水に備えて鋼鉄製扉体17を自動車クレーンにて引き上げ一時保管場所としてはコンクリート製床22の張り出し工事用保護道23に置くか、津波防波堤体1上に引き上げても良い。尚、張り出し工事用保護道23は幅広にすれば鋼鉄製扉体17上下作業は容易であるし危険度も少ない。
【0016】
図7、8のセルラ6を使用して河川内、或いは湾内を横断せる津波防波堤体1を構築するのであるが、図1に示された道路3より防波堤体1の工事に着工する場合、直立したセルラ6ではなく、内側に少し傾斜(詳細図略)さして外海より襲来する津波、高潮などの圧力に対抗出来るように構成すべきである。従ってコンクリート製床22工事施工時にはセルラ6の据え付け角度に注意を要する。又、外海に設置されたセルラ6と内側に設置されたセルラ6との間には多量な土砂投入し津波防波堤体1を形成し、対岸に向かって造成して行くのであるが計画外の危険水位が発生したとしても破堤せざるように堤体幅を広くし、堤体天端高にも留意すべきである。外海側に直立した胸壁を構築するよりも堤体維持補修、津波に対する抵抗力など総合的に考えてもセルラ6重層化築堤方法が優れている。又、盛土材を山より運び出した跡地は様々な用途に活用出来、運び出す時に出る自然石、割り石は津波防波堤体1前面外海に設置し漁礁に活用すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】小さな湾内を横断する津波防波堤の概略平面図
【図2】小さな湾内を横断する津波防波堤の概略正面図
【図3】河川内を横断する津波防波堤の概略平面図
【図4】河川内を横断する津波防波堤の海からの概略正面図
【図5】図2に於けるA―A線の断面図である。
【図6】図4に於けるB―B線の断面図である。
【図7】セルラ下部の斜面図である。
【図8】セルラ上部の斜面図である。
【図9】暗渠の斜面図である。
【図10】河川海側に設置した暗渠に鋼板製蓋をセットした状態の斜面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 津波防波堤
2 一文字防波堤
3 道路
4 トンネル
5 暗渠
6 凹凸を有すコンクリート製セルラ
7 割り石
8 土砂詰めのための空間
9 凹コンクリート製枠9
10 凸コンクリート製枠10
11 取っ手
12 セルラ前面壁
13 セルラ側面壁
14 セルラ背面壁
15 草木
16 土砂
17 鋼鉄製扉体
18 鋼鉄製扉体差込枠
19 旧堤防
20 新堤防
21 コンクリート製支柱
22 コンクリート製床
23 張り出し工事用保護道
24 海底又は川底
25 シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小さな湾内の浅海部や河川河口部に設けられ、津波や台風高波が湾内奥地や河川上流部に侵入遡上することを防止するため、湾内や河川上を横断する形状の津波、高波防禦用堤防であって、該堤防は津波や台風高波の波浪圧力に耐え得る強度の堤体幅と、越波を防止する充分な天端高を有す重層化したコンクリート製セルラにて胸壁を構築し、堤体下部には多数の支柱並びに暗渠を設置したることを特徴とする津波、台風高波防禦用堤防。
【請求項2】
津波、台風高波防禦用堤体下部に重層的に設置されたる暗渠に於いては、外海に面する該暗渠上部の海水流出入口に台風時の高波防禦用として着脱自在な鋼鉄製扉体を設置したることを特徴とする請求項1記載の津波、台風高波防禦用堤防。
【請求項3】
該堤防は漁船航行のため、トンネル式又は、水路開口部を設けたることを特徴とする請求項1、2記載の津波、台風高波防禦用堤防。
【請求項4】
該堤防の外海に於けるコンクリート製胸壁は凹凸を有すコンクリート製セルラにて構築されたる事を特徴とする請求項1,2,3記載の津波、台風高波防禦用堤防。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−63896(P2007−63896A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−253217(P2005−253217)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(596145237)
【出願人】(596145248)
【Fターム(参考)】