説明

流体の吐出装置

【課題】防水処理及び電気配線の取回しが容易であり、構造も簡単な照明機能を有する流体の吐出装置を提供する。
【解決手段】導光板36を有する照明パネル34と、照明パネル34の導光板36の端面の外部から端面に光を投光するLED44とを設け、LED44からの光で照明パネル34を光らせるとともに、その前面から光を前方に放射して照明するようになす。その照明パネル34には板厚方向に貫通の挿通孔60を設けて流体の吐出部としての吐水部56を前方に突出する状態で照明パネル34に設けておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は流体の吐出装置に関し、詳しくは照明機能を備えた吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗面化粧室やキッチン或いはトイレや浴室等の水廻り衛生設備室には各種の水栓が設置されているが、従来の衛生設備室では単に水栓の吐水部から吐水を行うだけの行為を行う場合であっても、室全体が暗いときには室の照明装置を点灯させて部屋全体を照明しなければならなかった。
【0003】
この場合、吐水部周りに照明装置を設けておけば、吐水部からの吐水により手洗いその他の作業を行う際に、室全体の照明装置を点灯させなくても手元照明した状態でそれら作業を支障無く行うことができる。
【0004】
また吐水部周りに照明装置を設けておけば、室全体の照明装置によって室全体を照明した状態の下でもなお手元が暗いとき、吐水部周りの照明装置によって手元周辺を照明することで、作業をより行い易くすることができる。
【0005】
吐水部周りの照明装置として、吐水部自体若しくは吐水部周りに単数若しくは複数の光源を配置しておいて、それら光源からの光で手元照明するといったことが考えられるが、その場合吐水部周りの光源その他の電気部品や電気配線への水掛りを防ぐための防水処理が困難となる。
【0006】
以上、吐水装置を例として説明したが、こうした問題は手乾燥用のエアを吐出する手乾燥装置やソープディスペンサ、その他吐出部から各種の流体を吐出する吐出装置の吐出部周りに照明装置を設けるに際して共通に生じる問題である。
【0007】
尚、本発明に対する先行技術として下記特許文献1には吐水部が挿通状態に取り付けられる壁を透光性部材にて構成し、そして吐水部に取り付けた光源からの光を挿通孔内面に向けて投光し、以て壁全体を光らせるとともに、壁からの光を前方に照射して照明するようになした点が開示されている。
しかしながらこのものは吐水部自体に光源を取り付け保持させているため、防水処理が困難であるとともに、電気配線の取回しが面倒で、全体の構造も複雑化する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−291606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は以上のような事情を背景とし、防水処理及び電気配線の取回しが容易であり、構造も簡単な照明機能を有する吐水装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
而して請求項1のものは、透光性部材にて構成された導光板を有する照明パネルと、該照明パネルの該導光板の端面の外部に且つ該端面に対向して配置された光源と、を有し、該光源からの光を該端面から該導光板に投光して該照明パネルを光らせるとともに、少なくとも該照明パネルの前面から光を前方に放射し照明するようになしてあり、前記照明パネルには板厚方向に貫通の挿通孔が設けてあって、該挿通孔を該照明パネルの裏側である後側から挿通して前方に突出する状態で流体を吐出する吐出部が設けてあることを特徴とする。
【0011】
請求項2のものは、請求項1において、前記照明パネルの表面材の最表面より後側に、差し出された手を検知する人体検知センサが設けてあることを特徴とする。
【0012】
請求項3のものは、請求項2において、前記人体検知センサが発光部と受光部とを有し、該発光部から赤外光を前記照明パネルを通過して前方に発光するとともに、反射光を該照明パネルを通過して受光部で受光する赤外線式且つ反射型のセンサであることを特徴とする。
【0013】
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、洗面ボウルと、該洗面ボウルの背後から立ち上るバックガード部と、該バックガード部の上側に続くキャビネットとを有する洗面化粧台における吐出装置であって、前記照明パネルの前記導光板の端面が前記キャビネットに備えられた収納空間に導入されており、該収納空間には前記光源が設けてあって、該収納空間内で該光源からの光が前記導光板の端面に投光されるようになしてあることを特徴とする。
【0014】
請求項5のものは、請求項4において、前記収納空間が前記キャビネットの底板に設けられていることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0015】
以上のように本発明は、照明パネルの導光板の端面に対して光源からの光を投光し照明パネルを光らせるとともに、その前面から光を前方に放射して照明するようになし、そして照明パネルを貫通する挿通孔(挿通孔は円形の孔であっても良いし、馬蹄形や周方向の一部が開放された切欠形状その他の孔であっても良い)に流体を吐出する吐出部を照明パネルの後側から前方に突出する状態に設けたものである。
【0016】
本発明の照明機能付きの吐出装置にあっては、吐出部から離隔した位置の光源から照明パネルに光を導いて照明パネルを光らせ且つ吐水部周りに位置する照明パネルから光を前方に放射し照明するようになしてあることから、即ち吐水部周りに直接光源を設けておく必要がないことから、防水処理が容易であり、また電気配線の取回しも容易で且つ吐出装置全体の構造も簡単化することができる。
ここで上記光源としてはLEDを好適に用いることができる。
【0017】
本発明において、上記照明パネルの表面材の最表面より後側に、差し出された手を検知する人体検知センサを設けておくことができる(請求項2)。
【0018】
この場合、洗面ボウル等からの跳返り水が人体検知センサに掛かって、そこに水滴が付着してしまうといったことを防止でき、人体検知センサに付着した水滴によって検知精度に悪影響が及ぶのを防ぐことができる。
【0019】
ここで人体検知センサとしては焦電センサ,電波センサ等種々のセンサを用いることが可能であるが、かかる人体検知センサとして発光部と受光部とを有し、発光部から赤外光を照明パネルを通過して前方に発光するとともに、反射光を照明パネルを通過して受光部で受光する赤外線式且つ反射型のセンサを用いることができる(請求項3)。
尚この場合には、少なくとも照明パネルにおける発光部,受光部を配置した部分を板厚方向に全体的に透光性となしておくことが必要である。
【0020】
この請求項3においては、発光部と受光部とを使用者から見て左右方向に、即ち吐出部に対して左右に距離を大きく隔てて配置しておくことができ、このことによって、人体検知センサによる検知エリアを流体の吐出方向において従来よりも狭く設定することが可能となり、検知精度を良くすることができる。
【0021】
従来のように流体の吐出方向、例えば吐水の吐出方向において検知エリアが長くなると、人体検知センサが洗面ボウル等の鉢面を誤検知してしまう恐れがあるが、吐出方向の検知エリアを短く設定することができれば、そうした鉢面の誤検知を容易に防止することができる。
【0022】
尚、赤外線式の人体検知センサを設ける場合において、照明パネルの少なくとも一部、即ち発光部と受光部の位置する部分を板厚方向に透光性とした場合であっても、照明パネルが光っているときにはそれら発光部,受光部は使用者からは見えず、美観が損なわれるといった問題を生じない。
【0023】
本発明は、洗面ボウルと、洗面ボウルの背後から立ち上るバックガード部と、バックガード部の上側に続くキャビネットとを有する洗面化粧台の吐出装置に適用することができ、この場合において照明パネルの導光板の端面をキャビネットに備えられた収納空間に導入しておき、そしてその収納空間に上記光源を設けて、収納空間内で光源からの光を導光板の端面に投光するようになしておくことができる(請求項4)。
【0024】
このようにすれば、光源及び電気配線、更に光源を光らせるための回路等をキャビネットに設けておくことができるため、それらの設置を簡単に行うことができるとともに、電気配線の取回しも容易で、しかもそれらをキャビネットに隠蔽状態に設けておくことができる。
【0025】
この場合において、キャビネットの底板に上記の収納空間を備えておき、そこに上記の光源や回路及び電気配線を収納しておくことができる(請求項5)。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態の吐水装置を備えた洗面化粧台の図である。
【図2】同実施形態の吐水装置と周辺部の要部断面図である。
【図3】同実施形態における照明パネルの断面図である。
【図4】本実施形態の利点を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に本発明を洗面化粧台の吐水装置(吐出装置)に適用した場合の実施形態を図面に基づいて以下に詳しく説明する。
図1において、10は洗面化粧台で、ベースキャビネット12と、その天板をなすカウンタ14と、カウンタ14に設けられた洗面ボウル16と、洗面ボウル16の背後においてカウンタ14から立ち上るバックガード部18、更にその上側に続くミラーキャビネット20を有している。
ミラーキャビネット20は、前面の開閉可能なミラー22と、図2に示す背板24と、底板26及び天板28と、側板30(図1参照)とを有している。
【0028】
この例において、ミラーキャビネット20は背板24と底板26及び天板28、更に図示を省略するキャビネット内部の棚板が真空成形等により一体に成形されており、その底板26が内部に空洞を有する中空構造とされている。
この実施形態では、底板26の内部の空洞部が収納空間32(図2参照)として利用されている。
【0029】
図1及び図2において、34は照明パネルであって、ここでは洗面化粧台10の全幅に亘って設けられている。
照明パネル34は平板状の部材であって、上端側が下端側よりも前方(使用者側)に位置する状態で斜めに配置されている。即ちその前面が下方の洗面ボウル16を向くように斜めに配置されている。
【0030】
照明パネル34は、図2及び図3(A)に示すように透光性部材から成る導光板36と、その前面に施された表面材である拡散シート38との2層積層構造とされている。
尚、導光板36としては透明等の透光性を有するアクリル樹脂その他の樹脂或いはガラス(白板ガラス等)のような樹脂以外の他の材質から成るものを用いることができる。
ここで導光板36の後面(図2中左面)には微細な凹凸形状が施されている。図中40はその微細な凹凸形状の拡散加工部を示している。
【0031】
この拡散加工部40は、導光板36に導かれた光を拡散させて前方に放射させる働きを有するもので、ここではこの微細な凹凸形状をなす拡散加工部40は、例えば100μmごとに高さ40μm程度の凸部を有するような微細凹凸形状をなしている。
尚前面の拡散シート38もまた、導光板36から前方に放射される光をこの拡散シート38で拡散させ、前方に放射させる働きをなす。
但し本実施形態において、表面材はこの拡散シート38の他、透明シートでも良く、またこれを省略することも可能である。
【0032】
この照明パネル34は、図2に示しているように下側の端部がバックガード部18内部に挿入され、また上端部がミラーキャビネット20における底板26内部に挿入されている。即ち照明パネル34の上端部が、底板26の空洞部にて形成された収納空間32内部に導入されている。
ここで照明パネル34における導光板36の図中下側の端面は、光不透過性の遮蔽材(若しくは反射板)42で被覆されている。
一方上側の端面には露出した状態とされており、その上側の端面の外部且つ端面に対向する状態で、光源としてのLED44が収納空間32内部に配置されている。
【0033】
ここでLED44は洗面化粧台10の幅方向(図1中左右方向)に所定間隔で複数配置されている。
即ち照明パネル34の上側の端面に沿って洗面化粧台10の幅方向にLED44が所定ピッチで並んだ状態で複数配置され、それら複数のLED44からの光が、照明パネル34の外部から上側の端面に向けて投光されるようになっている。
【0034】
端面に投光された光は導光板36内部に導光され、そして拡散加工部40及び拡散シート38による拡散作用を伴って、その前面から前方斜め下向き、即ち洗面ボウル16に向けて放射されるようになっている。
即ち光源としてのLED44からの光によって照明パネル34全体が光るとともに、照明パネル34から前方斜め下方に向けて光が照射され、後述の吐水部56の斜め下方空間を照明するようになっている。
【0035】
尚図2において、46はLED44に電源供給するための電気配線、48は電源回路、50はLED44の点灯,消灯を制御する制御回路である。
52は放熱板で、54はLED44の搭載されたLED基板であり、ここではそれら電源回路48,制御回路50,放熱板52及びLED基板54が、LED44及び電気配線(厳密にはその一部)46とともに底板26内部の収納空間32に、外部から隠蔽された状態で収納されている。
尚45は照明パネル周りを水密にシールするシール部材である。
【0036】
この実施形態では、図1に示しているように自動水栓の吐水部56及び手動水栓の吐水部58が、照明パネル34を裏面側の後側から挿通して前方に突出する状態で設けられている。
詳しくは、照明パネル34には吐水部56,58に対応した板厚方向に貫通の挿通孔60(図2参照)が設けられており、それら挿通孔60を挿通して自動水栓の吐水部56及び手動水栓の吐水部58が設けられている。
尚図2において76は、挿通孔60への水の浸入を防止するためのシール部材である。
【0037】
図1に示しているように、手動水栓の吐水部58に近接した位置にはその操作部としてのハンドル62が設けられている。このハンドル62もまた、同様にして照明パネル34を後側から挿通し、前方に突出する状態で設けられている。
【0038】
ここで吐水部56,58には、それぞれ図2に示しているように給水管64が接続されており、給水管64を通じて導かれた水が吐水部56から吐水されるようになっている。
この例において、給水管64はバックガード部18を貫通して設けられている。
尚、吐水部56は先端の吐水口65を洗面ボウル16に向けた状態で設けられている。この点は手動水栓の吐水部58についても同様である。
【0039】
上記吐水部56を備えた自動水栓は、吐水口65の下方に差し出された手を検知する赤外線式且つ反射型の人体検知センサ66を備えており、その人体検知センサ66が照明パネル34の裏側即ち後側に配置されている。
【0040】
人体検知センサ66は、赤外線を発光する発光部68と、反射光を受光する受光部70とを有しており、ここではそれら発光部68と受光部70とが吐水部56を間にして左右に大きく離隔して配置されている。
即ち、通常は吐水部56にこれら発光部68と受光部70とが隣接して設けられているところを、この実施形態ではそれら発光部68と受光部70とが、左右に大きく距離を隔てた位置に配置されている。
【0041】
例えば図4(B)の比較例に示しているように、発光部68と受光部70とを隣接して配置せざるを得ない場合、発光部68からの発光エリアと、受光部70による受光エリアとが重なる検知エリアS′の奥行方向の距離L′、即ち吐水部64からの吐水方向の距離L′(人体検知センサ66は吐水方向に向けて配置される)が長くなってしまう。
この場合、洗面ボウル16における鉢面16Aを誤検知する恐れが高くなる。
【0042】
しかるに本実施形態に従って発光部68と受光部70とを、使用者から見て左右方向に大きく離隔して配置した場合、検知エリアSの奥行方向の距離Lを短くすることが可能であり、このことによって、洗面ボウル16の鉢面16Aを誤検知する恐れを無くすことが可能となる。
【0043】
尚この実施形態において、照明パネル34は板厚方向に透光性を有しているため、これら発光部68,受光部70を照明パネル34の後側(裏側)に配置しておいても、発光部68からの光を照明パネル34を透過して前方斜め下方に照射することが可能であり、また反射光を照明パネル34を透過して受光部70で受光することが可能である。
【0044】
但しこれら発光部68及び受光部70は、照明パネル34が光っている状態では使用者からは見えず、それら発光部68,受光部70によって洗面化粧台10、詳しくは吐水部56周りの美観が損なわれることはない。
【0045】
この場合において照明パネル34の後側に入室センサ72を設けておき、使用者が洗面化粧室に入室したときにこれを検知して照明パネル34を光らせるようになしておくことができる。
尚このときには照明パネル34を半発光させ、そして使用者が洗面化粧台10により接近したところで照明パネル34を全発光(半発光よりも光量が多く、より明るい状態)させるようになしておくことができる。
【0046】
使用者が更に洗面化粧台10に接近して、吐水口65の前方に手を差し出すと、人体検知センサ66がこれを検知して吐水部56から自動的に吐水を行わせる。
また吐水口65の前方から使用者が手を引くと、そこで人体検知センサ66が手を非検知となり、そこで吐水口65からの吐水が停止する。
尚、入室センサ72もまた赤外線式のセンサとなしておくこともできるし、或いはその他のセンサ、例えば焦電センサや電波式センサ若しくはドップラ式,位相差式,レーダ式等のセンサとなしておくこともできる。
【0047】
この実施形態では、LED44を点灯することによって、導光板36の導光作用により照明パネル34全体を光らせ、そして照明パネル34から前方斜め下方に光照射して照明を行うことができる。尚この例では、照明パネル34から後方にも光が照射される。
そして照明パネル34からの前方斜め下方に向けての照明によって、使用者は手元及び洗面ボウル16内を明るく照らした状態で手洗いその他水を使った作業を行うことができる。
更に必要に応じて手動水栓の吐水部58からの吐水によって、手洗いその他の作業を行うことができる。
【0048】
この例では、照明パネル34全体が板厚方向に透光性を有しているが、図3(B)に示しているように導光板36の背面に反射シート74を設けておき、導光板36に導かれた光を主としてその前面側からだけ照射するようになすことも可能である。
【0049】
この場合において照明パネル34の後側に発光部68,受光部70を設けるときには、それら発光部68,受光部70の配置部分のみ反射シート74を除去して、同部分において照明パネル34を板厚方向全体に透光性となしておくことで、照明パネル34の後側にそれら発光部68,受光部70を配置した場合においても、照明パネル34を介して支障無く差し出された手を検知することが可能である。
尚、ここで反射シート74に代えて、ハーフミラーや半透過フィルムを用いることも可能である。
【0050】
以上のように本実施形態の照明機能付きの吐水装置においては、吐水部56(及び58。以下同じ)周りに直接光源を設けておく必要がないことから防水処理が容易であり、また電気配線46の取回しも容易で且つ吐水装置全体の構造も簡単化することができる。
また差し出された手を検知する人体検知センサ66を照明パネル34の後側に設けてあることから、吐水部56からのの吐水を受ける手や洗面ボウル16等からの跳返り水が人体検知センサ66に掛かって、そこに水滴が付着してしまうといったことを防止でき、人体検知センサ66に付着した水滴によって、検知精度に悪影響が及ぶのを防ぐことができる。
ここで人体検知センサ66は、必ずしも照明パネル34の後側でなくとも良く、照明パネル34の表面材である拡散シート38の最表面より後側に設けておいても良い。
【0051】
更にこの実施形態では人体検知センサ66の発光部68と受光部70とを使用者から見て左右方向に、即ち吐水部56に対して左右に距離を大きく隔てて配置してあるため、人体検知センサ66による検知エリアSを吐水方向において従来よりも狭く設定でき、鉢面16Aの誤検知を防止することができる。
【0052】
実施形態では、照明パネル34の導光板36の端面をミラーキャビネット20に備えられた収納空間32に導入し、そしてその収納空間32にLED44を設けて、収納空間32内でLED44からの光を導光板36の端面に投光するようになしているため、LED44及び電気配線46、更に電源回路48やLED44の点灯制御のための制御回路48等をミラーキャビネット20に設けておくことができ(場合により上記と異なって人体検知センサを設けておくこともできる)、それらの設置を簡単に行うことができるとともに、電気配線46の取回しも容易で、しかもそれらをミラーキャビネット20に隠蔽状態に設けておくことができる。
【0053】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば本発明においては差し出された手を検知するための人体検知センサとして焦電式センサや電波式センサ等を用いることも可能である。また人体検知センサは照明パネルの外に設けることも可能である。
上記実施形態ではミラーキャビネットの底板に設けた空洞部を収納空間として利用しているが、場合によってキャビネット内部の物品収納用の空間を利用して、そこに電源としてのLEDや電気配線,制御回路等を設けておくといったことも可能である。
更に照明パネルをカウンタから立ち上げて、収納空間をカウンタに設けるといったことも可能である。
【0054】
また上記実施形態は本発明を洗面化粧台の吐水装置に適用した場合の例であるが、手洗器等キャビネットがないものに適用することも可能であるし、更には、吐水装置以外の吐出装置に適用することも可能である。例えば手乾燥装置に適用して乾燥エアの吐出部を上記照明パネルの挿通孔に挿通する状態に設けたり、或いはソープディスペンサに適用して液状の石鹸液若しくは空気混じりの泡状をなしたムースを吐出する吐出部を上記挿通孔に挿通する状態に設けるといったことも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 洗面化粧台
16 洗面ボウル
18 バックガード部
20 ミラーキャビネット
26 底板
32 収納空間
34 照明パネル
36 導光板
38 拡散シート(表面材)
44 LED
56 吐水部
60 挿通孔
66 人体検知センサ
68 発光部
70 受光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性部材にて構成された導光板を有する照明パネルと、該照明パネルの該導光板の端面の外部に且つ該端面に対向して配置された光源と、を有し、該光源からの光を該端面から該導光板に投光して該照明パネルを光らせるとともに、少なくとも該照明パネルの前面から光を前方に放射し照明するようになしてあり、
前記照明パネルには板厚方向に貫通の挿通孔が設けてあって、該挿通孔を該照明パネルの裏側である後側から挿通して前方に突出する状態で流体を吐出する吐出部が設けてあることを特徴とする流体の吐出装置。
【請求項2】
請求項1において、前記照明パネルの表面材の最表面より後側に、差し出された手を検知する人体検知センサが設けてあることを特徴とする流体の吐出装置。
【請求項3】
請求項2において、前記人体検知センサが発光部と受光部とを有し、該発光部から赤外光を前記照明パネルを通過して前方に発光するとともに、反射光を該照明パネルを通過して受光部で受光する赤外線式且つ反射型のセンサであることを特徴とする流体の吐出装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかにおいて、洗面ボウルと、該洗面ボウルの背後から立ち上るバックガード部と、該バックガード部の上側に続くキャビネットとを有する洗面化粧台における吐出装置であって、前記照明パネルの前記導光板の端面が前記キャビネットに備えられた収納空間に導入されており、該収納空間には前記光源が設けてあって、該収納空間内で該光源からの光が前記導光板の端面に投光されるようになしてあることを特徴とする流体の吐出装置。
【請求項5】
請求項4において、前記収納空間が前記キャビネットの底板に設けられていることを特徴とする流体の吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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