説明

流通に適した食品素材の製造法

【課題】流通に適した食品素材を提供することを目的とする。
【解決手段】生の食品素材を分割した後、加熱処理して水分を減少させ水分活性を0.3〜0.8に調整する、流通に適した食品素材の製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流通に適した食品素材の製造法及び販売方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品素材は生で供給するか、例えば乾燥しいたけのような完全に乾燥した状態で流通させているのが現状である。また加工食品にあっては例えば半生麺のような一部半生の状態で流通する場合もあるが、これはもっぱら保存を目的に行われていたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の生の食品素材の持ち味を残しつつ、保存性にも優れ、かつ流通に好適な食品素材の処理方法について種々研究を重ねた結果本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0004】
まず本発明は、生の食品素材を分割処理に施す。例えば生野菜であれば、葉物の場合であれば1枚ずつに分割し、さらに必要であればこれを切ってさらに小さくする。また肉類であれば適宜の大きさに分割し、さらに必要により、たたいたり、刺孔処理を行ってもよい。
【0005】
分割された食品素材は、次に加熱処理を行って水分活性0.3〜0.8、好ましくは0.4〜0.75に調整する。加熱処理条件として生の食品素材の水分活性より少なくとも0.5好ましくは0.25減少させることが必要である。
加熱処理手段としては、天日乾燥のような自然乾燥あるいは乾燥機等による機器乾燥のいずれも採用することができるが、天日乾燥のような自然乾燥の方が食品素材の旨味がより一層増すので好ましい。
【0006】
食品材料を処理前に洗うとさらに良く、洗う方法としては、食品材料を水道水に焼成カキ殻と備長炭を6時間以上浸積させた水に食塩を重量で0.1パーセント添加した水で洗い、水切りをする。
また、オゾン照射により除菌・脱臭させることも好ましい。
【0007】
本発明方法に用いられる食品素材としては、白菜、キャベツ、ホウレンソウ等の葉物類、ダイコン、人参、レンコン、カブ、サツマイモ、ジャガイモ等の根菜類、リンゴ等の果物類、鶏肉、豚肉、牛肉等の蓄肉類、アジ、イワシ、サンマ等の魚肉類が揚げられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明方法によれば、以下のような種々の効果が得られる。
(1)
生の食品素材を分割・半乾燥することによって、いわゆる規格外品も使用することができるので産業廃棄物の量を減らすことができ、食品とすることができる。最後は飼料にして使用する事も出来る。
(2)
生の食品素材を分割することによって種々の包装容器が使用できる。
(3)
本発明方法によれば、日持ちがする、軽量化できる、カサが減る、旨味が増す、調理がし易い、味付けが簡単にできる、素材の香りが立つ、食品素材への吸収が良くなるので調味料の使用量が少なくて済むことにより塩分・糖分の使用量を減らすことができる、更にガス、電気等のエネルギー消費削減等の利点がある。
(4)
食品素材のボリュームが減るので売り場・収納面積が少なくて済み、また取扱いも簡単である。
(5)
廃棄する量が減るのでその分自給自足率が高まる。
(6)
汎用の容器を使用することができ、また保存期間が生の場合に比べて長いので流通がし易くなる。
(7)
生産者の現地加工、流通過程における市場者の加工処理が容易に行え、製造拠点を任意の場所で多くすることができる。例えば田畑等の収穫箇所、空地、埋立地、サイロ、野菜・魚肉市場、スーパー、マーケット、自宅等。
(8)
飼料・肥料としても使用することができる。
(9)
エコ社会を構築することができる。
(10)食品を無駄にしない国家社会・企業の育成ができる。
(11)冷凍保存をすれば、長期に使用する事ができる。
(12)保存により季節を過ぎても食する事ができる。
()新規雇用の創設ができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施例1
輪切りに裁断した茄子(水分活性0.98)を天日乾燥して水分活性を0.79に調整した。
このものを袋に詰めて保存したところ10日間保存することができた。冷凍保存3ヶ月間保存する事ができた。
【0010】
実施例2
輪切りに裁断した茄子(水分活性0.98)を天日乾燥して水分活性を0.38に調整した。
このものを袋に詰めて保存したところ15日間保存することができた。冷凍保存3ヶ月間保存する事ができた。
【0011】
実施例3
輪切りに裁断した茄子(水分活性0.98)を水道水に焼成カキ殻と備長炭を6時間浸積させた水に食塩を重量で0.1パーセント添加した水で洗い、水切りをして、5時間天日にさらした後に扇風機で乾燥して水分活性を0.78に調整した。
このものを袋に詰めて保存したところ15日間保存することができた。冷凍保存3ヶ月間保存する事ができた。
【0012】
実施例4
輪切りに裁断した茄子(水分活性0.98)を水道水に焼成カキ殻と備長炭を6時間浸積させた水に食塩を重量で0.1パーセント添加した水で洗い、水切りをして、5時間天日にさらした後に扇風機で乾燥して水分活性を0.4に調整した。
このものを袋に詰めて保存したところ18日間保存することができた。冷凍保存3ヶ月間保存する事ができた。
【0013】
実施例5
薄切りにした豚肉(水分活性0.97)を天日乾燥して水分活性を0.85に調整した。
このものを袋に詰めて冷蔵保存したところ10日間保存することができた。冷凍保存3ヶ月間保存する事ができた。















【特許請求の範囲】
【請求項1】
生の食品素材を分割した後、加熱処理して水分を減少させ水分活性を0.3〜0.8に調整することを特徴とする、流通に適した食品素材の製造法。
【請求項2】
生の食品素材が生の野菜類、果物類、畜肉、魚肉である請求項1記載の食品素材の製造法。
【請求項3】
加熱処理が天日干しである請求項1または2記載の食品素材の製造法。
【請求項4】
食品材料をあらかじめ水道水に焼成カキ殻と備長炭を6時間以上浸積させた水に食塩を重量で0.1パーセント添加した水で水洗する、前記請求項1、2或いは3記載の食品素材の製造法。