説明

流量補正装置

【課題】 本発明の流量補正装置は、一定のサンプリング時間毎に温度・圧力補正係数を演算するため、電池寿命が短いといった課題を解決するものである。
【解決手段】 流量補正装置30のサンプリング時間設定器31は、各桁毎の数値をプリセットするためのプリセットスイッチ31a〜31dと、プリセットスイッチ31a〜31dに設定された数値を各桁毎に表示するサンプリング時間表示器32とを有する。流量補正装置30の制御回路は、磁気センサ22から出力された流量パルスを積算して流量を演算すると共に、プリセットスイッチ31a〜31dに設定されたサンプリング時間毎に温度センサ29及び圧力センサ28からの温度・圧力に基づいて温度・圧力補正係数を演算して流量計測値の温度・圧力補正の演算を行う。サンプリング時間を長く設定することにより演算回数が減少して電池寿命を延ばすことができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流量補正装置に係り、特に流量計により計測された流量計測値を温度及び圧力に応じて補正して計測精度を高めるよう構成された流量補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば都市ガスを各家庭及び工場等に給送する配管途中には、被測流体としての都市ガス(以下「ガス」という)の供給量を計測するため、容積式流量計が配設されている。この容積式流量計では、楕円歯車あるいはまゆ形に形成された一対の回転子が流量に比例して回転するように設けられているので、この回転子の回転数を回転検出センサにより検出して回転数に応じた周波数のパルスを出力するようになっている。従って、上記パルス数を積算することによりガス供給量が計測される。
【0003】ところが、ガスのように温度変化や圧力変化によって容積が変化する被測流体の流量を計測する場合、温度センサにより検出された温度及び圧力センサにより検出された圧力に基づいて、流量計測値を基準温度及び基準圧力における流量に補正する必要がある。そのため、上記のようにガスの流量を計測する流量計には、そのときの温度及び圧力に応じて流量計測値を補正する流量補正装置が設けられている。
【0004】そして、従来の流量補正装置では、温度センサ及び圧力センサにより検出された温度データ及び圧力データを予め設定されたサンプリング時間間隔で読み込み、流量計測値をこの温度データ及び圧力データに基づいて補正している。また、上記流量計が現場設置型の場合、電源が乾電池等のバッテリを使用する構成であり、流量演算処理及び流量計測値の温度・圧力補正演算処理により電池が消耗される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の流量補正装置は、温度センサ及び圧力センサのサンプリング時間が所定時間間隔に固定されていて調整することができなかったため、温度及び圧力が変化しない場合でも所定のサンプリング時間になると温度センサ及び圧力センサにより検出された温度データ及び圧力データを読み込んで温度・圧力補正係数を求めるための演算を行っていた。そのため、電池の容量が残り少ない場合でも一定のサンプリング時間で温度センサ及び圧力センサの検出データを読み込んで補正係数の演算処理を行うことになる。
【0006】ところが、ガス等の被測流体を給送する管路においては、流量計の設置場所や季節、天候等によって温度及び圧力が頻繁に変化する場合もあるが、1日の温度及び圧力が殆ど変化しない場合もある。このように温度及び圧力の変化が少ない場合には、サンプリング時間を延長しても計測精度を維持することができるが、従来は一定のサンプリング時間で温度センサ及び圧力センサの検出データを読み込んで温度データ及び圧力データに基づく温度・圧力補正係数を演算しなければならず、その分電池の消耗が早く、電池寿命が短いといった問題がある。
【0007】そこで、本発明は上記問題を解決した流量補正装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、流量計測値を温度検出手段及び圧力検出手段により検出された温度及び圧力に基づいて基準温度及び基準圧力における流量値に補正する流量補正装置において、前記温度検出手段及び圧力検出手段によるサンプリング時間を任意に設定するサンプリング時間設定手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0009】従って、本発明によれば、温度検出手段及び圧力検出手段に対するサンプリング時間を任意に設定することができるので、流量計の設置場所における温度変化及び圧力変化に応じてサンプリング時間を変更することができ、例えば温度及び圧力変化が少ない場合には、サンプリング時間を延長させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1及び図2に本発明になる流量補正装置の一実施例が組み込まれた容積式流量計を示す。図1は流量補正装置及び容積式流量計の構成を示す構成図、図2は容積式流量計の横断面図である。
【0011】容積式流量計1は例えば都市ガスを給送する配管(図示せず)途中に設けられ、配管内を流れるガスの流量を計測するように構成されている。2はケーシングで、内部に流入口2aと流出口2bとを連通する流路2cを有し、流路2cの途中には計量室3を有する。計量室3内には一対のまゆ形の回転子4,5が90度の位相差で組み付けられており、一対の回転子4,5は夫々中央孔に圧入された回転軸6,7により支持されている。また、図1中一方の回転軸7は図示されていないが他方の回転軸6と同様な構成である。尚、容積式流量計1としては、まゆ形の回転子4,5を有するルーツ形流量計の代わりに楕円歯車よりなる一対の回転子を有する容積式流量計を使用しても良い。
【0012】また、ケーシング2の両側端面2d,2eには、計量室3を閉蓋する側蓋8,9がネジ止めされている。さらに、ケーシング2の両側端面2d,2eには、側蓋8,9の外側を覆うカップ状のカバー10,11がネジ止めされている。カバー10,11と両側端面2d,2eとの間にはOリング12,13が介在し、カバー10,11内が気密にシールされている。そして、カップ状のカバー10,11の内部には潤滑油が貯溜され、油溜め10a,11aが形成されている。
【0013】上記回転軸6,7は両端が夫々側蓋8,9を貫通してカバー10,11内に突出している。側蓋8,9の中央部には、各回転軸6,7を軸承するラジアル玉軸受14,15と、計量室3と軸受14,15との間をシールするラビリンス機構16,17とが設けられている。
【0014】一対の回転子4,5は互いに微小なクリアランスを介して組み合わされており、計量室3の内壁に対しても微小なクリアランスを保った状態で回転する。さらに、一対の回転子4,5は90度ずらして設けられているので流体圧力による回転力を交互に付与される。そのため、回転軸6,7の一方(図1中右側)の端部には回転伝達用の駆動ギヤ18,19が嵌合固定されている。この駆動ギヤ18,19は噛合しており、一対の回転子4,5が流量に応じた回転数で回転する際に生ずる回転力が駆動ギヤ18,19を介して回転軸6,7に相互に伝達されるようになっている。
【0015】ガスがケーシング2の流路2cを流れると、一対の回転子4,5は流量に比例した回転数で図2に示す如くA,B方向に回転する。回転子4,5と計量室3との間には図2中ハッチングで示すような空間20が形成され、回転子4,5の回転とともにこの空間20内の容積分のガスが流出口2b側へ送出される。
【0016】21は流量計測部で、カバー11の外側に設けられ、後述するように内部には流量を積算する演算回路(図示せず)が収納されている。この流量計測部21には回転軸6の回転が磁気センサ22により検出され、演算回路は回転子4,5の回転数と上記空間20の容積より流量を算出する。
【0017】23は給油機構で、回転軸6に嵌合するガイド部材24と、ガイド部材24の外周に内接するように掛けられた大径なリング25とよりなり、各回転軸6,7の両端近傍に設けられ、各軸受14,15へ油溜め10a,11aの油を供給する。
【0018】また、回転軸6の端部には、複数の磁石26が埋設された回転体27が固着されている。そして、磁気センサ22は回転体27に近接するようにカバー11の取付部11bに取り付けられているので、回転子4,5が流量に応じて回転すると、回転体27も回転するため、複数の磁石26の通過に伴う磁界の変化を検出する。このようにして回転子4,5の回転は、回転検出用の磁気センサ22により検出される。
【0019】また、ケーシング2の流入路2aには、被測流体の圧力を検出する圧力センサ(圧力検出手段)28が挿入されている。本実施例では、圧力センサ28として半導体拡散形歪ゲージを使用する。さらに、ケーシング2の流出路2bには、被測流体の温度を検出する棒状の温度センサ(温度検出手段)29が挿入されている。本実施例では、温度センサ29として白金測温抵抗体を使用する。
【0020】30は流量補正装置で、後述するように磁気センサ22から出力された流量パルスを積算して流量を演算すると共に、予め設定されたサンプリング時間毎に温度センサ29及び圧力センサ28から読み込まれた温度データ、圧力データに基づいて流量計測値に対する温度補正、圧力補正の演算を行う。
【0021】尚、温度センサ29及び圧力センサ28の取り付け位置は、上記のようにケーシング2内に挿入する構成でも良いし、あるいはケーシング2の流入路2a又は流出路2bに接続されるガス供給管路に温度センサ29及び圧力センサ28を設けるようにしても良い。
【0022】31はサンプリング時間設定器で、流量補正装置30のサンプリング時間を任意の時間間隔に設定するためのものである。このサンプリング時間設定器31には、各桁毎の数値をプリセットするためのプリセットスイッチ31a〜31dと、プリセットスイッチ31a〜31dに設定された数値を各桁毎に表示するサンプリング時間表示器32が設けられている。例えばプリセットスイッチ31aは10分の桁を設定するためのもので、プリセットスイッチ31bは1分の桁を設定するためのもので、プリセットスイッチ31cは10秒の桁を設定するためのもので、プリセットスイッチ31dは1秒の桁を設定するためのものである。
【0023】従って、本実施例では、各プリセットスイッチ31a〜31dの設定操作により1秒〜99分59秒の範囲で任意のサンプリング時間を設定することができる。尚、プリセットスイッチ31a〜31dにより設定可能な範囲としては、これに限らず、例えば5個のプリセットスイッチを設けることにより1秒〜999分59秒の範囲でサンプリング時間を設定することができる。
【0024】また、各プリセットスイッチ31a〜31dにより設定されるサンプリング時間は、通常2分に設定されているが、容積式流量計1が設置された現場での環境あるいは被測流体の温度変化、圧力変化に応じてユーザが任意に設定することができる。その一例として例えば、予備電池のテストを行う場合には、サンプリング時間を1秒程度に設定して待ち時間を短縮することができる。
【0025】そして、サンプリング時間の設定時間を延長するほど、温度・圧力補正係数の演算回数が減少するため、温度変化、圧力変化が少ない環境である場合にはサンプリング時間の設定時間を2分以上に設定してサンプリング時の演算回数を減らすことができる。これにより、電池の消耗が減って電池寿命を延ばすことができ、電池の点検及び電池交換作業を削減してメンテナンスが容易となる。
【0026】流量補正装置18は、磁気センサ22から出力された流量パルスが入力されるパルス入力回路33と、温度センサ29及び圧力センサ28から出力された温度検出データ及び圧力検出データをデジタル信号に変換するA/D変換器34と、リチウム電池35から供給された電圧を所定の定電圧に変換して温度センサ29及び圧力センサ28、A/D変換器34に供給する定電圧電源回路36と、リチウム電池35の電圧を検出する電圧検出器37と、温度・圧力補正後の流量計測値を出力する出力回路38と、温度・圧力補正係数等の各種データ及び各種制御プログラムを記憶するメモリ39と、パルス入力回路33から出力された流量パルスを積算すると共にA/D変換器34から出力された温度データ、圧力データに基づいて補正する制御回路40と、からなる。
【0027】尚、メモリ39には、磁気センサ22から出力された流量パルスを積算して流量を演算する流量演算プログラムと、予め設定されたサンプリング時間毎に温度センサ29及び圧力センサ28から読み込まれた温度、圧力に基づいて演算された温度・圧力補正係数により流量計測値の温度・圧力補正の演算を行う温度・圧力補正プログラムとが格納されている。そのため、制御回路40は、上記流量演算プログラム及び温度・圧力補正プログラムをメモリ39から読み込んで流量計測値の温度・圧力補正処理を実行する。そして、制御回路40は、補正後の流量計測値を出力回路38から出力すると共に、補正された流量計測値を表示する流量表示器41に表示する。
【0028】被測流体としてのガスは、気体であるため温度や圧力を変えることにより体積が変化する。この温度・圧力の変化に対するガスの体積の変化割合は、ボイル・シャルルの法則により決まる。流量補正装置30は、この法則に従って温度センサ29及び圧力センサ28から出力された温度・圧力信号より補正係数を求め、その補正係数を流量信号に乗ずることで基準状態での体積を演算する。
【0029】この補正係数は、次式(1)のように表せる。
TP=(273.2+Tb /273.2+T)・(1.033+P/ 1.033+ Pb )…(1)
ここで、KTPは基準温度及び基準圧力に対する補正係数、Tはガスの温度〔°C〕、Tb は基準温度〔°C〕、Pはガスの圧力〔kgf/cm2G ]、Pb は基準圧力〔kgf/cm2G ]である。
【0030】また、温度又は圧力のいずれか一方の補正を行う場合には、一方を基準状態として演算すれば良いので、次式(2)(3)のように表せる。
T =273.2+Tb /273.2+T …(2)
P =1.033+P/ 1.033+ Pb …(3)
ここで、KT は基準温度に対する補正係数、KP 基準圧力に対する補正係数である。
【0031】ここで、上記制御回路40が実行する流量計測処理につき説明する。尚、図4に示す流量計測処理は所定の時間間隔(例えば、0.05msec毎)に繰り返し実行されており、制御回路40は被測流体の温度・圧力に応じた温度・圧力補正を逐次行っている。
【0032】制御回路40は、ステップS1(以下、「ステップ」を省略する)において、磁気センサ22から出力されたパルス信号、即ち流量に比例して回転する回転子4,5の回転検出信号を整数の計測単位(例えばリットルに対応する整数)に換算する。
【0033】続いて、メモリ39に記憶された圧力補正係数KP を読み込む(S2)。さらに、次のS3では、メモリ39に記憶された温度補正係数KT を読み込む。次にS1で整数の計測単位に換算した流量計測値を、上記S2,S3で得られた圧力補正係数KP 及び温度補正係数KT により乗算して基準温度及び基準圧力に対する流量を算出する(S4)。
【0034】そして、次のS5では、S4で補正した計測値を出力回路38及び流量表示器41に出力する。このように、制御回路40は、圧力補正係数KP 及び温度補正係数KT により流量計測値を補正するため、流量計測値を正確に補正することができる。
【0035】次に本発明の要部であるサンプリング時間設定処理について説明する。尚、図5は、上記サンプリング時間設定器31に設けられたプリセットスイッチ31a〜31dが操作された際に実行される処理のフローチャートである。制御回路40は、S11で10分桁のプリセットスイッチ31aが入力操作されたか否かを判定し、プリセットスイッチ31aが入力操作された場合にはS12に進み、サンプリング時間表示器32にプリセットスイッチ31aによりプリセットされた10分桁のプリセット値を表示する。次のS13では、プリセットスイッチ31aにより入力された10分桁のプリセット値をメモリ39に記憶させる。
【0036】そして、上記S11において、プリセットスイッチ31aが入力操作されなかったとき、又はS13において10分桁が更新された後は、S14に移行して1分桁のプリセットスイッチ31bが入力操作されたか否かを判定し、プリセットスイッチ31bが入力操作された場合にはS15に進み、サンプリング時間表示器32にプリセットスイッチ31bによりプリセットされた1分桁のプリセット値を表示する。次のS16では、プリセットスイッチ31bにより入力された1分桁のプリセット値をメモリ39に記憶させる。
【0037】そして、S14において、プリセットスイッチ31bが入力操作されなかったとき、又はS16において1分桁が更新された後は、S17に移行して10秒桁のプリセットスイッチ31cが入力操作されたか否かを判定し、プリセットスイッチ31cが入力操作された場合にはS18に進み、サンプリング時間表示器32にプリセットスイッチ31cによりプリセットされた10秒桁のプリセット値を表示する。次のS19では、10秒桁のプリセット値をメモリ39に記憶させる。
【0038】そして、上記S17において、プリセットスイッチ31cが入力操作されなかったとき、又はS19において10秒桁が更新された後は、S20に移行して1秒桁のプリセットスイッチ31dが入力操作されたか否かを判定し、プリセットスイッチ31dが入力操作された場合にはS21に進み、サンプリング時間表示器32にプリセットスイッチ31dによりプリセットされた1秒桁のプリセット値を表示する。次のS22では、プリセットスイッチ31dにより入力された1秒桁のプリセット値をメモリ39に記憶させる。
【0039】また、上記S20において、プリセットスイッチ31dが入力操作されなかったとき、又はS22において1秒桁が更新された後は、次のサンプリング直後にS11に戻り、再度プリセットスイッチ31a〜31dによる入力操作の有無を監視する。
【0040】このように、サンプリング時間設定器31に設けられたプリセットスイッチ31a〜31dを操作するだけで、流量計の設置場所や周囲の環境等に応じて簡単にサンプリング時間を変更することができる。そのため、容積式流量計1の各設置場所における温度変化及び圧力変化の周期に応じてサンプリング時間を変更することができ、例えば温度及び圧力変化が少ない場合には、温度及び圧力変化の周期にあわせてサンプリング時間を延長させることができる。
【0041】その場合、温度・圧力補正係数の演算回数が減少するため、電池の消耗が減少して電池寿命を延ばすことが可能になり、その分電池点検及び電池交換作業回数を減らしてメンテナンス作業を簡略することができる。次に上記のように設定された所定時間毎のサンプリング処理について説明する。尚、図6は、上記プリセットスイッチ31a〜31dにより設定されたサンプリング時間になると実行されるデータ読み込み処理のフローチャートである。
【0042】制御回路40は、S31でプリセットスイッチ31a〜31dにより設定されたサンプリング時間になると、S32に進んで温度センサ29により測定されたガスの温度を読み込む。そして、温度センサ29から読み込まれた温度に応じた温度補正係数を演算し、この温度補正係数をメモリ39に記憶させ、メモリ39に記憶されている温度データを現在の温度補正係数に更新する(S33)。
【0043】次のS34では、圧力センサ28により測定されたガスの圧力を読み込む。そして、圧力センサ28から読み込まれた圧力に応じた圧力補正係数を演算し、この圧力補正係数をメモリ39に記憶させ、メモリ39に記憶されている圧力データを現在の圧力補正係数に更新する(S35)。
【0044】このように、設定されたサンプリング時間毎に上記S31〜35の処理を実行してメモリ39に記憶されている温度・圧力補正係数を更新するため、上記流量計測時に行う流量補正処理では、最新の温度・圧力補正係数がメモリ39から読み出され、この温度・圧力補正係数に基づいて流量計測値が補正される。
【0045】尚、上記実施例では、まゆ形回転子が組み込まれた容積式流量計を一例として挙げたが、これに限らず、例えば容積式流量計以外の構成とされた流量計により計測された流量計測値を補正するようにしても良いのは勿論である。また、上記実施例では、容積式流量計1に流量補正装置30が組み込まれた構成としたが、これに限らず、例えば容積式流量計1とは別体に設けられた流量補正装置にも適応することができるのは勿論である。
【0046】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、温度検出手段及び圧力検出手段に対するサンプリング時間を任意に設定することができるため、流量計の設置場所や周囲の環境等に応じてサンプリング時間を変更することができる。そのため、各設置場所における温度変化及び圧力変化の周期に応じてサンプリング時間を変更することができ、例えば温度及び圧力変化が少ない場合には、温度及び圧力変化の周期にあわせてサンプリング時間を延長させることができる。その場合、温度・圧力補正係数の演算回数が減少するため、電池の消耗が減少して電池寿命を延ばすことが可能になり、その分電池点検及び電池交換作業回数を減らしてメンテナンス作業を簡略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる流量補正装置の一実施例が組み込まれた容積式流量計の縦断面図である。
【図2】容積式流量計の横断面図である。
【図3】流量補正装置の構成を示すブロック図である。
【図4】制御回路が実行する流量計測処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】制御回路が実行するサンプリング時間時間設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】制御回路が実行するサンプリング処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 容積式流量計
2 ケーシング
4,5 回転子
22 磁気センサ
28 圧力センサ
29 温度センサ
31 サンプリング時間設定器
31a〜31d プリセットスイッチ
32 サンプリング時間表示器
39 メモリ
40 制御回路
41 流量表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】 流量計測値を温度検出手段及び圧力検出手段により検出された温度及び圧力に基づいて基準温度及び基準圧力における流量値に補正する流量補正装置において、前記温度検出手段及び圧力検出手段によるサンプリング時間を任意に設定するサンプリング時間設定手段を備えてなることを特徴とする流量補正装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図3】
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【図5】
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【公開番号】特開平9−72771
【公開日】平成9年(1997)3月18日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−226390
【出願日】平成7年(1995)9月4日
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【出願人】(000003056)トキコ株式会社 (17)