浴室の排水構造
【課題】 浴槽排水の流体エネルギーを利用して、排水枡内部にへばり付いた髪の毛等を良好に流すことのできる浴室の排水構造を提供する。
【解決手段】 浴室床面に凹状に形成された排水枡３の立面３ｂに吐水口９ａを設け、この吐水口９ａに浴槽７内の排水を排水枡３内に吐出させることのできる浴槽分岐排水管９を繋げて構成し、吐水口９ａから吐出される浴槽排水が渦を描いて流入口４に流れ込むように構成する。
【解決手段】 浴室床面に凹状に形成された排水枡３の立面３ｂに吐水口９ａを設け、この吐水口９ａに浴槽７内の排水を排水枡３内に吐出させることのできる浴槽分岐排水管９を繋げて構成し、吐水口９ａから吐出される浴槽排水が渦を描いて流入口４に流れ込むように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、浴室の排水構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、特許文献１に開示されているように、浴槽からの排水を浴槽下の排水路を経由させて、洗い場側に形成した排水口に上から流し込むように構成した浴室の排水構造が存在する。
【特許文献１】特開平７−１０２６０５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
従来の浴室の排水構造では、洗い場に形成した排水口に上方から浴槽排水を流し込むだけであるため、排水口の周囲にへばり付いている髪の毛等を良好に洗い流すことができず、排水口に汚れがへばり付いてしまうと問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、浴槽からの排水の流量，流速を利用して、良好にへばり付いた髪の毛等を流し去ることができる浴室の排水構造を提供するものであり、その請求項１は、浴室床面に凹状に形成された排水枡の立面に吐水口を設け、該吐水口に浴槽排水を前記排水枡内に吐出し得る浴槽排水管を繋げたことである。
【０００５】
また請求項２は、前記浴槽排水管は、浴槽の排水口と前記排水枡の下部のトラップとを繋ぐ浴槽主排水経路から分岐されていることである。
【０００６】
また請求項３は、前記浴槽排水管の吐出方向が前記排水枡底面の流入口の中心を向いていないことである。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の浴室の排水構造は、浴室床面に凹状に形成された排水枡の立面に吐水口を設け、吐水口に浴槽排水を排水枡内に吐出し得る浴槽排水管を繋げたことにより、排水枡の立面から、排水枡内に勢いよく浴槽排水を流し込むことができ、浴槽から排水される浴槽排水の流体エネルギーで、排水枡の立面，底面等にへばり付いている髪の毛等を良好に流し去ることができるものとなる。
【０００８】
また、浴槽排水管は、浴槽の排水口と排水枡の下部のトラップとを繋ぐ浴槽主排水経路から分岐されていることにより、浴槽から排水される浴槽排水の一部を良好に排水枡内に吐出させて、排水枡内にへばり付いた髪の毛等を良好に流し去ることができるものとなり、浴槽排水の大部分は良好に浴槽主排水経路からトラップへと流し去ることができるものとなる。
【０００９】
また、浴槽排水管の吐出方向が排水枡底面の流入口の中心を向いていないことにより、浴槽排水が排水枡の立面から渦を描いて排水枡内に流れ込み、流体エネルギーで勢いよく排水枡内全体に浴槽排水を行き渡らせて、へばりついた髪の毛等を流し去ることができるものとなる。
【実施例】
【００１０】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図１は、浴室の要部縦断面構成図であり、洗い場パン２の浴槽７側には凹状に排水枡３が形成されており、この排水枡３は、中央部に流入口４を備えた底面３ａの外周から上方へ立ち上がる立面３ｂが形成されて、上面には目皿１０が覆設されるものである。
また、流入口４の下部には、内部に防臭筒５ｂを有する排水トラップ５が垂下状に設けられており、排水トラップ５の側面には図示しない排水管を接続する排水管接続部５ａが形成されている。
なお、排水枡３の図示左端上にエプロン６が立設されて、浴槽７の側面がエプロン６で覆蓋されるものである。
【００１１】
浴槽７の底面には、排水口７ａが形成されており、この排水口７ａから浴槽水を排水するための浴槽主排水経路８が前記トラップ５の側面に連通接続されている。また、この浴槽主排水経路８から上方へ分岐状に立ち上げて浴槽分岐排水管９が設けられており、この浴槽分岐排水管９の上端は、排水枡の立面３ｂに対し裏側から直交状に貫通接続されており、浴槽分岐排水管９の立面３ｂの内側に吐水口９ａが開口されている。
【００１２】
この吐水口９ａは、図２の排水枡の拡大斜視図で示すように、排水枡３の底面３ａの流入口４に渦を描いて浴槽排水が流れ込むように、吐水口９ａの吐出方向が流入口４の中心を向いていないものとなっている。
このような構成においては、浴槽７の排水口７ａが開かれて、浴槽内の浴槽排水が浴槽主排水経路８を通りトラップ５内に流れ込んで、排水管接続部５ａから図示しない排水管に排水されるが、浴槽排水の一部は浴槽分岐排水管９を通り吐水口９ａから排水枡３内に吐出されるものである。
【００１３】
吐水口９ａから吐出される浴槽排水は、流量および流速が大であり、流体エネルギーで勢いよく排水枡３の立面３ｂを洗い流し、更に底面３ａ全体に渦を描くように流れ込んで、立面３ｂおよび底面３ａにへばり付いている汚れや髪の毛等を良好に渦流で流し取ることができ、流入口４に取り付けられているヘアキャッチャー上に良好にゴミや髪の毛を集めることができ、その後に流入口４から排水トラップ５を通り、浴槽排水が排出されるものである。
【００１４】
このように、排水枡３の立面３ｂ，底面３ａにへばり付いている汚れや髪の毛は、良好に流入口４のヘアキャッチャーに捕集されることとなり、流入口４からヘアキャッチャーを取り外してヘアキャッチャーを掃除することで、良好に髪の毛等を除去することができるものである。
このように、浴槽排水の流体エネルギーを利用して排水枡３の内部を広範囲に亘り、へばり付いた髪の毛等を流し去りながら排水させることができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】浴室の要部拡大縦断面構成図である。
【図２】図１の排水枡の拡大斜視構成図である。
【符号の説明】
【００１６】
１ 浴室
２ 洗い場パン
３ 排水枡
３ａ 底面
３ｂ 立面
４ 流入口
５ 排水トラップ
５ａ 排水管接続部
７ 浴槽
７ａ 排水口
８ 浴槽主排水経路
９ 浴槽分岐排水管
９ａ 吐水口
【技術分野】
【０００１】
本発明は、浴室の排水構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、特許文献１に開示されているように、浴槽からの排水を浴槽下の排水路を経由させて、洗い場側に形成した排水口に上から流し込むように構成した浴室の排水構造が存在する。
【特許文献１】特開平７−１０２６０５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
従来の浴室の排水構造では、洗い場に形成した排水口に上方から浴槽排水を流し込むだけであるため、排水口の周囲にへばり付いている髪の毛等を良好に洗い流すことができず、排水口に汚れがへばり付いてしまうと問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、浴槽からの排水の流量，流速を利用して、良好にへばり付いた髪の毛等を流し去ることができる浴室の排水構造を提供するものであり、その請求項１は、浴室床面に凹状に形成された排水枡の立面に吐水口を設け、該吐水口に浴槽排水を前記排水枡内に吐出し得る浴槽排水管を繋げたことである。
【０００５】
また請求項２は、前記浴槽排水管は、浴槽の排水口と前記排水枡の下部のトラップとを繋ぐ浴槽主排水経路から分岐されていることである。
【０００６】
また請求項３は、前記浴槽排水管の吐出方向が前記排水枡底面の流入口の中心を向いていないことである。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の浴室の排水構造は、浴室床面に凹状に形成された排水枡の立面に吐水口を設け、吐水口に浴槽排水を排水枡内に吐出し得る浴槽排水管を繋げたことにより、排水枡の立面から、排水枡内に勢いよく浴槽排水を流し込むことができ、浴槽から排水される浴槽排水の流体エネルギーで、排水枡の立面，底面等にへばり付いている髪の毛等を良好に流し去ることができるものとなる。
【０００８】
また、浴槽排水管は、浴槽の排水口と排水枡の下部のトラップとを繋ぐ浴槽主排水経路から分岐されていることにより、浴槽から排水される浴槽排水の一部を良好に排水枡内に吐出させて、排水枡内にへばり付いた髪の毛等を良好に流し去ることができるものとなり、浴槽排水の大部分は良好に浴槽主排水経路からトラップへと流し去ることができるものとなる。
【０００９】
また、浴槽排水管の吐出方向が排水枡底面の流入口の中心を向いていないことにより、浴槽排水が排水枡の立面から渦を描いて排水枡内に流れ込み、流体エネルギーで勢いよく排水枡内全体に浴槽排水を行き渡らせて、へばりついた髪の毛等を流し去ることができるものとなる。
【実施例】
【００１０】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図１は、浴室の要部縦断面構成図であり、洗い場パン２の浴槽７側には凹状に排水枡３が形成されており、この排水枡３は、中央部に流入口４を備えた底面３ａの外周から上方へ立ち上がる立面３ｂが形成されて、上面には目皿１０が覆設されるものである。
また、流入口４の下部には、内部に防臭筒５ｂを有する排水トラップ５が垂下状に設けられており、排水トラップ５の側面には図示しない排水管を接続する排水管接続部５ａが形成されている。
なお、排水枡３の図示左端上にエプロン６が立設されて、浴槽７の側面がエプロン６で覆蓋されるものである。
【００１１】
浴槽７の底面には、排水口７ａが形成されており、この排水口７ａから浴槽水を排水するための浴槽主排水経路８が前記トラップ５の側面に連通接続されている。また、この浴槽主排水経路８から上方へ分岐状に立ち上げて浴槽分岐排水管９が設けられており、この浴槽分岐排水管９の上端は、排水枡の立面３ｂに対し裏側から直交状に貫通接続されており、浴槽分岐排水管９の立面３ｂの内側に吐水口９ａが開口されている。
【００１２】
この吐水口９ａは、図２の排水枡の拡大斜視図で示すように、排水枡３の底面３ａの流入口４に渦を描いて浴槽排水が流れ込むように、吐水口９ａの吐出方向が流入口４の中心を向いていないものとなっている。
このような構成においては、浴槽７の排水口７ａが開かれて、浴槽内の浴槽排水が浴槽主排水経路８を通りトラップ５内に流れ込んで、排水管接続部５ａから図示しない排水管に排水されるが、浴槽排水の一部は浴槽分岐排水管９を通り吐水口９ａから排水枡３内に吐出されるものである。
【００１３】
吐水口９ａから吐出される浴槽排水は、流量および流速が大であり、流体エネルギーで勢いよく排水枡３の立面３ｂを洗い流し、更に底面３ａ全体に渦を描くように流れ込んで、立面３ｂおよび底面３ａにへばり付いている汚れや髪の毛等を良好に渦流で流し取ることができ、流入口４に取り付けられているヘアキャッチャー上に良好にゴミや髪の毛を集めることができ、その後に流入口４から排水トラップ５を通り、浴槽排水が排出されるものである。
【００１４】
このように、排水枡３の立面３ｂ，底面３ａにへばり付いている汚れや髪の毛は、良好に流入口４のヘアキャッチャーに捕集されることとなり、流入口４からヘアキャッチャーを取り外してヘアキャッチャーを掃除することで、良好に髪の毛等を除去することができるものである。
このように、浴槽排水の流体エネルギーを利用して排水枡３の内部を広範囲に亘り、へばり付いた髪の毛等を流し去りながら排水させることができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】浴室の要部拡大縦断面構成図である。
【図２】図１の排水枡の拡大斜視構成図である。
【符号の説明】
【００１６】
１ 浴室
２ 洗い場パン
３ 排水枡
３ａ 底面
３ｂ 立面
４ 流入口
５ 排水トラップ
５ａ 排水管接続部
７ 浴槽
７ａ 排水口
８ 浴槽主排水経路
９ 浴槽分岐排水管
９ａ 吐水口
【特許請求の範囲】
【請求項１】
浴室床面に凹状に形成された排水枡の立面に吐水口を設け、該吐水口に浴槽排水を前記排水枡内に吐出し得る浴槽排水管を繋げたことを特徴とする浴室の排水構造。
【請求項２】
前記浴槽排水管は、浴槽の排水口と前記排水枡の下部のトラップとを繋ぐ浴槽主排水経路から分岐されていることを特徴とする請求項１に記載の浴室の排水構造。
【請求項３】
前記浴槽排水管の吐出方向が前記排水枡底面の流入口の中心を向いていないことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の浴室の排水構造。
【請求項１】
浴室床面に凹状に形成された排水枡の立面に吐水口を設け、該吐水口に浴槽排水を前記排水枡内に吐出し得る浴槽排水管を繋げたことを特徴とする浴室の排水構造。
【請求項２】
前記浴槽排水管は、浴槽の排水口と前記排水枡の下部のトラップとを繋ぐ浴槽主排水経路から分岐されていることを特徴とする請求項１に記載の浴室の排水構造。
【請求項３】
前記浴槽排水管の吐出方向が前記排水枡底面の流入口の中心を向いていないことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の浴室の排水構造。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００７−４６４２４（Ｐ２００７−４６４２４Ａ）
【公開日】平成１９年２月２２日（２００７．２．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２３５０２４（Ｐ２００５−２３５０２４）
【出願日】平成１７年８月１２日（２００５．８．１２）
【出願人】（００００００４７９）株式会社ＩＮＡＸ (1,429)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年２月２２日（２００７．２．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年８月１２日（２００５．８．１２）
【出願人】（００００００４７９）株式会社ＩＮＡＸ (1,429)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]