説明

浴室の間仕切り構造

【課題】 極めて広い収納空間が得られる浴室の間仕切構造を提供する。
【解決手段】 浴室1の居室7側に接する面6に、木軸5a,5b間口いっぱいに亘って浴室1と居室7を結ぶ間仕切枠を設置し、この間仕切枠内に部材を設けて収納空間を形成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室と居室間を間仕切る間仕切り構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、浴室と洗面室間を間仕切る間仕切壁内に、収納空間を形成させた構造が存在する。
【特許文献1】特開2005−68784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のように、浴室と洗面室を仕切る間仕切り壁内に収納部を形成させる構造では、間仕切り壁の側方に浴室と洗面室間を出入りできるドアが設けられ、このドアが例えば3枚引き戸等で構成されている場合には、間仕切り壁内の収納スペースは極めて狭いものとなり、充分な収納空間を確保することができないという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、充分な広さの収納空間を確保することのできる浴室の間仕切り構造を提供するものであり、その請求項1は、浴室の居室に接する側に、木軸間口いっぱいに亘って浴室と居室を結ぶ間仕切枠を設置し、該間仕切枠内に収納空間を形成させたことである。
【0005】
また請求項2は、前記間仕切枠内に、居室側の壁パネルと浴室側の壁パネルを並設し、両壁パネル間に設備機器を埋め込み可能な中空部を形成させたことである。
【0006】
また請求項3は、前記間仕切枠の内側に、棚,壁を備えた内枠を着脱可能に設置したことである。
【0007】
また請求項4は、前記収納空間を前記居室側へ拡張させることのできる形状の壁部材を、前記間仕切枠に設けたことである。
【0008】
また請求項5は、前記収納空間内まで出っ張る浴槽を、浴室に設置したことである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の浴室の間仕切り構造は、浴室の居室に接する側に、木軸間口いっぱいに亘って間仕切枠を設置して収納空間を形成させたことにより、木軸間口いっぱいに亘る極めて広い収納空間を良好に確保することができるものとなる。
【0010】
また、間仕切枠内に、居室側の壁パネルと浴室側の壁パネルを並設し、両壁パネル間に中空部を形成させたことにより、中空部内に照明,空調等の設備機器を隠蔽状に埋め込むことができ、また、この中空部を断熱層として利用することもできる。
【0011】
また、間仕切枠の内側に、棚,壁を備えた内枠を着脱可能に設置したことにより、リフォーム等の際に、内枠を着脱させて、棚等の配置の異なる内枠に変更させることができ、収納空間内のレイアウトを容易に変更できるものとなる。
【0012】
また、収納空間を居室側へ拡張させることのできる形状の壁部材を間仕切枠に設けたことにより、より広い収納空間を確保することができるものとなる。
【0013】
また、収納空間内まで出っ張る浴槽を浴室に設置したことにより、浴槽が収納空間内まで出っ張るため、その分、浴室の洗い場スペースを広くすることができるものとなる。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1および図2は、タイプの異なる浴室と洗面室の平面概略構成図である。
図1の浴室1の側方には、ドア4を備えた間仕切壁3で仕切られて洗面室2が形成され、この浴室1と洗面室2の外周には、複数本の柱5,5が立設されており、柱5,5間には壁面が形成されている。
【0015】
図2においても同様であり、図1および図2における居室7と浴室1間の壁面6に、本例では柱5a,5b間いっぱいに亘って間仕切枠8を設けて収納空間Sを形成させるものである。
【0016】
図3の平面概略図で示すように、浴室1の底面を構成する防水パン1aの端縁に間仕切枠8を連続させて載せ、間仕切枠8を柱5a,5b間の木軸間口いっぱいに亘って設置するものである。
【0017】
図4の分解図で示すように、間仕切枠8内には、縦板9,9,9や、縦板9,9間に横設される棚10等を内装させて、間仕切枠8内を複数の棚10を有する収納空間Sとすることができ、間仕切枠8の居室7側に壁パネル11を設置して、居室7側を壁パネル11で閉ざすことができるものである。
なお、壁パネル11を透明或いは半透明の部材で構成しておけば、居室7と浴室1が連続したように見えて、浴室1内で入浴する際に広々とした居室7を見渡すことができるものとなる。
【0018】
なお、図5の平面断面構成図で示すように、居室7側の壁パネル11に平行状に、間仕切枠8内に別の内側壁パネル11aを縦板9,9間に設置して、この内側壁パネル11aと壁パネル11間に隠蔽された中空部S2を形成させることができ、この中空部S2内には照明,空調等の設備機器を隠蔽状に埋め込んで設置することができ、空調設備等をすっきりとした状態で収納空間S内に収めることができるものとなる。
なお、この内側壁パネル11aを更に幅の広いものにして中空部S2を間仕切枠8の幅いっぱいに形成させておけば、この中空部S2を断熱層として機能させることができるものとなる。
【0019】
次に、図6の平面構成図で示すものは変更例であり、図6では、間仕切枠8の内側に、浴室1側から着脱可能に内枠12を取り付けて設置したものであり、内枠12内に予め縦板9,9や棚10等を組み付けておけば、この内枠12を間仕切枠8内に取り付けることで、棚等を備えた収納空間を形成させることができるものとなり、リフォーム等の時には、この内枠12を間仕切枠8から取り外して、別の棚等がレイアウトされた内枠12と交換し、収納空間内の棚等のレイアウトを容易に変更させることができるものとなる。
【0020】
次に、図7は更に異なる変更例の平面構成図であり、図7では、間仕切枠8に居室7側へ出っ張ったトレイ状の断面を有する壁部材13を取り付けたものである。
壁部材13は、間仕切枠8の内周に固定される固定部13aと、この固定部13aから居室7側へ突出する出っ張り壁13bと、出っ張り壁13b,13b間を塞ぐ背壁13cでトレイ状に形成されており、このような壁部材13を間仕切枠8に取り付けることで、浴室1側の収納空間をより拡張させて広い収納空間Sを確保できるものとなる。
【0021】
更には、この収納空間S内に図8の平面図で示すように浴槽14の一部を出っ張らせた状態で、浴槽14を浴室1内に設置することができ、このように収納空間S内まで浴槽14を出っ張らせて設置すれば、浴室1内の洗い場を広々とした空間にすることができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】浴室と洗面室の平面概略構成図である。
【図2】タイプの異なる浴室と洗面室の平面構成図である。
【図3】浴室の底面を構成する防水パン上に連続させて柱間の間口いっぱいに亘り間仕切枠を設けた状態の平面概略構成図である。
【図4】間仕切枠とその内部に設けられる部材の分解斜視図である。
【図5】間仕切枠内に内側壁パネルを設けて中空部を形成させた状態の平面概略構成図である。
【図6】間仕切枠に着脱可能な内枠を取り付けた場合の平面概略構成図である。
【図7】更に間仕切枠に居室側へ出っ張る形状の壁部材を設置した状態の平面概略構成図である。
【図8】図7のような壁部材で出っ張らせた収納空間内に浴槽を出っ張らせて設置した状態の平面構成図である。
【符号の説明】
【0023】
1 浴室
1a 防水パン
2 洗面室
3 間仕切壁
4 ドア
5,5a,5b 柱
6 壁面
7 居室
8 間仕切枠
9 縦板
10 棚
11 壁パネル
11a 内側壁パネル
12 内枠
13 壁部材
13a 固定部
13b 出っ張り壁
13c 背壁
14 浴槽
S 収納空間
S2 中空部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の居室に接する側に、木軸間口いっぱいに亘って浴室と居室を結ぶ間仕切枠を設置し、該間仕切枠内に収納空間を形成させたことを特徴とする浴室の間仕切り構造。
【請求項2】
前記間仕切枠内に、居室側の壁パネルと浴室側の壁パネルを並設し、両壁パネル間に設備機器を埋め込み可能な中空部を形成させたことを特徴とする請求項1に記載の浴室の間仕切り構造。
【請求項3】
前記間仕切枠の内側に、棚,壁を備えた内枠を着脱可能に設置したことを特徴とする請求項1に記載の浴室の間仕切り構造。
【請求項4】
前記収納空間を前記居室側へ拡張させることのできる形状の壁部材を、前記間仕切枠に設けたことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の浴室の間仕切り構造。
【請求項5】
前記収納空間内まで出っ張る浴槽を、浴室に設置したことを特徴とする請求項1または請求項3または請求項4に記載の浴室の間仕切り構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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