説明

浴槽洗浄装置

【課題】皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために浴槽洗浄初期の予備すすぎ時に散布する湯量を低減させることのできる浴槽洗浄装置を提供する。
【解決手段】給湯器3から出湯配管31を介して供給される湯水による予備すすぎを洗剤による洗浄前に行う浴槽洗浄装置1であって、出湯配管31から供給された湯水温度を予備すすぎ時に検知する温度検知手段9と、該温度検知手段9により検知された湯水温度に基づいて予備すすぎの継続時間及び/又は湯水の積算流量を制御する制御手段7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽の洗浄を自動で行うことのできる浴槽洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の浴槽洗浄装置は、例えば、下記の特許文献1に示すように、浴槽に洗浄ノズルを設け、湯水供給配管を洗浄ノズルに接続すると共に湯水供給配管にベンチュリ部を設け、洗剤タンクの洗剤をベンチュリ部で湯水供給配管内を流れる湯水に混合して洗浄ノズルから洗剤と湯水の混合液(洗浄液)を浴槽の壁面に噴射して洗浄するようになっている。また、洗浄液を噴霧する前に浴槽の壁面に湯水を散布する予備すすぎを行い、浴槽内面の濡れ性を高めることにより、その後噴射される洗浄水が浴槽内面全体にわたって均一に浸潤するようにしている。
【0003】
洗浄液による洗浄効率を一層向上させたい場合には、給湯器から湯水供給配管(出湯配管)を介して供給される40〜50℃程度の湯水を用いて予備すすぎを所定時間行うことで、浴槽内空間を適度に温かな状態に保ち、汚れに対する洗剤成分の活性化や皮脂汚れの溶解を促進させている。給湯器の設置箇所と浴槽までの距離は様々であり、給湯器から湯水供給配管を介して供給される湯水の温度が所定温度に達するまでに時間を要する場合もあるため、従来は、給湯器が最も浴槽から離れている設置態様を想定して予備すすぎを比較的長い時間行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−117163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1回の浴槽洗浄における予備すすぎの散布量として十数リットルの湯が必要であるため、年間総量として数千リットルの湯を予備すすぎに必要となるが、光熱費の更なる削減、環境性能の向上のために、給湯器と浴槽との設置態様に応じて効率的な予備すすぎを行うことが求められている。
【0006】
そこで本発明は、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために浴槽洗浄初期の予備すすぎ時に散布する湯量を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、次の技術的手段を講じた。
【0008】
すなわち、本発明の浴槽洗浄装置は、給湯器から出湯配管を介して供給される湯水による予備すすぎを洗剤による洗浄前に行う浴槽洗浄装置であって、出湯配管から供給された湯水温度を予備すすぎ時に検知する温度検知手段(湯水温度検知手段)と、該温度検知手段により検知された湯水温度に基づいて予備すすぎの継続時間及び/又は湯水の積算流量を制御する制御手段とを備えていることを特徴とするものである(請求項1)。
【0009】
かかる本発明の浴槽洗浄装置によれば、出湯配管から供給された後の湯水温度を予備すすぎ時に検知する温度検知手段を設けているので、給湯器が浴槽から離れて設置されていても、予備すすぎ時に浴槽内に噴射される湯水温度を浴槽直前で検知することができ、湯水温度が所定温度に達した場合にはその後の予備すすぎ時に散布する湯量を節減するように予備すすぎの継続時間や積算流量を制御することによって、給湯器が浴槽近くに配置されている場合や、夏場における予備すすぎ水量を低減できる。
【0010】
上記本発明の浴槽洗浄装置において、浴槽の排水口に設けられた電動式自動排水栓をさらに備え、前記制御手段は、予備すすぎ開始前に自動排水栓を開制御するとともに、予備すすぎの終了直前に自動排水栓を閉制御するように構成され、これにより予備すすぎ終了直前に出湯配管から供給された湯水を浴槽内に溜めるものであってよい(請求項2)。これによれば、予備すすぎ開始初期のよごれの多いすすぎ水は排水口から排水させられる。また、予備すすぎ終了間際の適温の湯水を浴槽内に少量溜めることにより、浴槽内を適度な温度と湿度に保つことができ、その後の洗剤による洗浄時に洗剤の浸透が活性化され、より一層の洗浄効率の向上が図られる。
【0011】
さらに、予備すすぎ終了後に浴槽内へ洗剤を散布する洗剤散布手段をさらに備え、前記制御手段は、洗剤散布手段による洗剤散布が終了する前に前記自動排水栓を開制御するように構成され、これにより予備すすぎ終了直前に浴槽内に溜められた前記湯水を洗剤散布手段による洗剤散布が終了する前に排水するものであってよい(請求項3)。これによれば、浴槽内に溜められた湯水の排水後に散布される洗剤によって、浴槽底面における洗剤の濃度が向上し、洗剤散布初期は湯水が溜められているために洗剤による洗浄効果がさほど期待できない浴槽底面をも、洗剤による洗浄効果により確実に洗浄できる。
【0012】
また、前記制御手段は、出湯配管から供給された湯水が所定温度に達したことを検知すると、該検知時点から所定時間経過したときに予備すすぎを終了するように構成されているものとすることができる(請求項4)。これによれば、出湯配管から供給される湯水が、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために要求される温度に達した時点から、該湯水による一定時間の予備すすぎを行うことで、一定の洗浄性能を保証できる。
【0013】
また、出湯配管から供給される湯水の流量を検出する流量検出手段をさらに備え、前記制御手段は、出湯配管から供給された湯水が所定温度に達したことを検知すると、該検知時点からの湯水の積算流量が所定値に達したときに予備すすぎを終了するように構成されているものとすることができる(請求項5)。これによれば、出湯配管から供給される湯水が、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために要求される温度に達した時点から、一定の積算流量の湯水で予備すすぎを行うことで、一定の洗浄性能を保証できる。
【0014】
また、本発明の浴槽洗浄装置は、給湯器から出湯配管を介して供給される湯水による予備すすぎを洗剤による洗浄前に行う浴槽洗浄装置であって、浴槽周辺の雰囲気温度を検知するための雰囲気温度検知手段と、該雰囲気温度検知手段により検知された雰囲気温度に基づいて予備すすぎの継続時間及び/又は湯水の積算流量を制御する制御手段とを備えていることを特徴とするものである(請求項6)。
【0015】
かかる本発明の浴槽洗浄装置によれば、浴槽周辺の雰囲気温度を検知するための浴槽温度検知手段を設けているので、予備すすぎ時に浴槽周辺の雰囲気温度を検知することができ、雰囲気温度に応じて予備すすぎの継続時間や積算流量を制御することによって、夏場など浴槽周辺の雰囲気温度が比較的高い場合における予備すすぎ水量を低減できる。一方、例えば、冬場など浴槽周辺の雰囲気温度が比較的低い場合には十分な量の湯水による予備すすぎを行うことで浴槽内温度を十分に上昇させ、浴槽内を適度な温度と湿度に保つことで、その後の洗剤による洗浄時に洗剤の浸透が活性化され、洗浄効率の向上が図られる。また、浴槽周辺の雰囲気温度に応じて予備すすぎの継続時間や積算流量を制御することで、最も配管長の長い設置態様にあわせて一律の長いすすぎ継続時間を設定する必要がなく、給湯器と浴槽との設置態様に応じて効率的な予備すすぎを行うことができる。
【0016】
上記本発明の浴槽洗浄装置において、出湯配管から供給された湯水温度を予備すすぎ時に検知する湯水温度検知手段をさらに備えることができ、前記制御手段は、前記雰囲気温度及び前記湯水温度に基づいて予備すすぎの継続時間及び/又は湯水の積算流量を制御するように構成することができる(請求項7)。これによれば、出湯配管から供給された後の湯水温度を予備すすぎ時に検知する湯水温度検知手段を設けているので、給湯器が浴槽から離れて設置されていても、予備すすぎ時に浴槽内に噴射される湯水温度を浴槽直前で検知することができ、湯水温度が所定温度に達した場合にはその後の予備すすぎ時に散布する湯量を節減するように予備すすぎの継続時間や積算流量を制御することによって、給湯器が浴槽近くに配置されている場合や、夏場における予備すすぎ水量を低減できる。
【0017】
また、前記制御手段は、出湯配管から供給された湯水が所定温度に達したことを検知すると、該検知時点から前記雰囲気温度に応じて定められた所定時間経過したときに予備すすぎを終了するように構成されているものとすることができる(請求項8)。これによれば、出湯配管から供給される湯水が、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために要求される温度に達するまでのすすぎ継続時間が湯水温度に応じて制御される。さらに、出湯配管から供給される湯水が、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために要求される温度に達した時点から予備すすぎ終了までの予備すすぎ継続時間が、前記雰囲気温度に応じて制御される。このように湯水温度及び雰囲気温度に応じて予備すすぎ継続時間を制御することで、一定の洗浄性能を保証できる。
【0018】
また、出湯配管から供給される湯水の流量を検出する流量検出手段をさらに備え、前記制御手段は、出湯配管から供給された湯水が所定温度に達したことを検知すると、該検知時点からの湯水の積算流量が前記雰囲気温度に応じて定められた所定値に達したときに予備すすぎを終了するように構成することができる(請求項9)。これによれば、出湯配管から供給される湯水が、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために要求される温度に達するまでのすすぎ継続時間が湯水温度に応じて制御される。さらに、出湯配管から供給される湯水が、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために要求される温度に達した時点から予備すすぎ終了までの積算流量が、前記雰囲気温度に応じて制御される。このように湯水温度及び雰囲気温度に応じて予備すすぎ継続時間若しくは積算流量を制御することで、一定の洗浄性能を保証できる。
【0019】
また、浴槽の排水口に設けられた電動式自動排水栓をさらに備え、前記制御手段は、予備すすぎ開始前に自動排水栓を開制御するとともに、予備すすぎの終了直前に自動排水栓を閉制御するように構成され、これにより予備すすぎ終了直前に出湯配管から供給された湯水を浴槽内に溜めるように構成できる(請求項10)。これによれば、予備すすぎ開始初期のよごれの多いすすぎ水は排水口から排水させられる。また、予備すすぎ終了間際の適温の湯水を浴槽内に少量溜めることにより、浴槽内を適度な温度と湿度に保つことができ、その後の洗剤による洗浄時に洗剤の浸透が活性化され、より一層の洗浄効率の向上が図られる。
【0020】
さらに、予備すすぎ終了後に浴槽内へ洗剤を散布する洗剤散布手段をさらに備え、前記制御手段は、洗剤散布手段による洗剤散布が終了する前に前記自動排水栓を開制御するように構成され、これにより予備すすぎ終了直前に浴槽内に溜められた前記湯水を洗剤散布手段による洗剤散布が終了する前に排水するように構成できる(請求項11)。これによれば、浴槽内に溜められた湯水の排水後に散布される洗剤によって、浴槽底面における洗剤の濃度が向上し、洗剤散布初期は湯水が溜められているために洗剤による洗浄効果がさほど期待できない浴槽底面をも、洗剤による洗浄効果により確実に洗浄できる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る浴槽洗浄装置によれば、出湯配管から供給された後の湯水温度を予備すすぎ時に検知する温度検知手段を設けているので、給湯器が浴槽から離れて設置されていても、予備すすぎ時に浴槽内に噴射される湯水温度を浴槽直前で検知することができ、湯水温度が所定温度に達した場合にはその後の予備すすぎ時に散布する湯量を節減するように予備すすぎの継続時間や積算流量を制御することによって、給湯器が浴槽近くに配置されている場合や、夏場における予備すすぎ水量を低減できる。
【0022】
また、本発明の請求項2に係る浴槽洗浄装置によれば、予備すすぎ開始初期のよごれの多いすすぎ水は排水口から排水させられる。また、予備すすぎ終了間際の適温の湯水を浴槽内に少量溜めることにより、浴槽内を適度な温度と湿度に保つことができ、その後の洗剤による洗浄時に洗剤の浸透が活性化され、より一層の洗浄効率の向上が図られる。
【0023】
また、本発明の請求項3に係る浴槽洗浄装置によれば、浴槽内に溜められた湯水の排水後に散布される洗剤によって、浴槽底面における洗剤の濃度が向上し、洗剤散布初期は湯水が溜められているために洗剤による洗浄効果がさほど期待できない浴槽底面をも、洗剤による洗浄効果により確実に洗浄できる。
【0024】
また、本発明の請求項4に係る浴槽洗浄装置によれば、出湯配管から供給される湯水が、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために要求される温度に達した時点から、該湯水による一定時間の予備すすぎを行うことで、一定の洗浄性能を保証できる。
【0025】
また、本発明の請求項5に係る浴槽洗浄装置によれば、出湯配管から供給される湯水が、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために要求される温度に達した時点から、一定の積算流量の湯水に予備すすぎを行うことで、一定の洗浄性能を保証できる。
【0026】
また、本発明の請求項6に係る浴槽洗浄装置によれば、浴槽周辺の雰囲気温度を検知するための浴槽温度検知手段を設けているので、予備すすぎ時に浴槽周辺の雰囲気温度を検知することができ、雰囲気温度に応じて予備すすぎの継続時間や積算流量を制御することによって、夏場など浴槽周辺の雰囲気温度が比較的高い場合における予備すすぎ水量を低減できる。一方、例えば、冬場など浴槽周辺の雰囲気温度が比較的低い場合には十分な量の湯水による予備すすぎを行うことで浴槽内温度を十分に上昇させ、浴槽内を適度な温度と湿度に保つことで、その後の洗剤による洗浄時に洗剤の浸透が活性化され、洗浄効率の向上が図られる。また、浴槽周辺の雰囲気温度に応じて予備すすぎの継続時間や積算流量を制御することで、最も配管長の長い設置態様にあわせて一律の長いすすぎ継続時間を設定する必要がなく、給湯器と浴槽との設置態様に応じて効率的な予備すすぎを行うことができる。
【0027】
また、本発明の請求項7に係る浴槽洗浄装置によれば、出湯配管から供給された後の湯水温度を予備すすぎ時に検知する湯水温度検知手段を設けているので、給湯器が浴槽から離れて設置されていても、予備すすぎ時に浴槽内に噴射される湯水温度を浴槽直前で検知することができ、湯水温度が所定温度に達した場合にはその後の予備すすぎ時に散布する湯量を節減するように予備すすぎの継続時間や積算流量を制御することによって、給湯器が浴槽近くに配置されている場合や、夏場における予備すすぎ水量を低減できる。
【0028】
また、本発明の請求項8に係る浴槽洗浄装置によれば、出湯配管から供給される湯水が、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために要求される温度に達するまでのすすぎ継続時間が湯水温度に応じて制御される。さらに、出湯配管から供給される湯水が、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために要求される温度に達した時点から予備すすぎ終了までの予備すすぎ継続時間が、前記雰囲気温度に応じて制御される。このように湯水温度及び雰囲気温度に応じて予備すすぎ継続時間を制御することで、一定の洗浄性能を保証できる。
【0029】
また、本発明の請求項9に係る浴槽洗浄装置によれば、出湯配管から供給される湯水が、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために要求される温度に達するまでのすすぎ継続時間が湯水温度に応じて制御される。さらに、出湯配管から供給される湯水が、皮脂汚れの溶解及び洗剤成分の活性化のために要求される温度に達した時点から予備すすぎ終了までの積算流量が、前記雰囲気温度に応じて制御される。このように湯水温度及び雰囲気温度に応じて予備すすぎ継続時間若しくは積算流量を制御することで、一定の洗浄性能を保証できる。
【0030】
また、本発明の請求項10に係る浴槽洗浄装置によれば、予備すすぎ開始初期のよごれの多いすすぎ水は排水口から排水させられる。また、予備すすぎ終了間際の適温の湯水を浴槽内に少量溜めることにより、浴槽内を適度な温度と湿度に保つことができ、その後の洗剤による洗浄時に洗剤の浸透が活性化され、より一層の洗浄効率の向上が図られる。
【0031】
また、本発明の請求項11に係る浴槽洗浄装置によれば、浴槽内に溜められた湯水の排水後に散布される洗剤によって、浴槽底面における洗剤の濃度が向上し、洗剤散布初期は湯水が溜められているために洗剤による洗浄効果がさほど期待できない浴槽底面をも、洗剤による洗浄効果により確実に洗浄できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る浴槽洗浄装置の概略構成図である。
【図2】同浴槽洗浄装置の主要部の回路構成図である。
【図3】同浴槽洗浄装置の制御フローチャートである。
【図4】同浴槽洗浄装置の制御シーケンス図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る浴槽洗浄装置の概略構成図である。
【図6】同浴槽洗浄装置の制御フローチャートである。
【図7】同浴槽洗浄装置の予備すすぎ時の作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
図1及び図2は本発明の一実施形態に係る浴槽洗浄装置1を備える浴槽システムの概略構成を示しており、該浴槽システムは、浴槽2と、追焚き機能及び給湯機能を有する熱源機3(給湯器)と、浴室リモコン4と、台所リモコン5と、洗浄リモコン6と、制御部7とを備えている。
【0035】
上記熱源機3は水道水等の給水を受けて燃焼バーナの燃焼熱との熱交換加熱により所定温度まで加熱した湯を出湯配管31に出湯させ、この湯を出湯配管31を介して浴槽洗浄装置1や浴室内の給湯栓32やその他各所の給湯栓まで給湯するようになっている。又、上記熱源機3は追い焚き機能を実現するための往き配管及び戻り配管からなる追い焚き循環配管33を介して、浴槽2内に湯張りされた浴槽湯水を追い焚き加熱し得るようになっている。
【0036】
以上の給湯及び追い焚きの各運転は台所リモコン5等により入力設定される設定出湯温度や追焚き設定温度等の設定情報に基づいて熱源機3内部の熱源機コントローラによる制御によって実現されるようになっている。例えば、給湯制御は、浴槽洗浄装置1の後述の注湯電磁弁15が開かれたり給湯栓32が開かれたりして所定の作動流量以上の入水が検知されると、図示省略の燃焼バーナを燃焼作動させて入水を加熱し、所定温度の湯を出湯配管31に出湯させるようになっている。
【0037】
上記浴槽洗浄装置1は、洗浄制御手段としての制御部7と、浴槽2の底壁に設置された洗浄ノズル10に洗浄用湯水を供給する洗浄配管11と、この洗浄配管11に対し上流側から図2に示すように順に介装されたフィルタ12,流量調整用の水量サーボ弁13,水温センサ9(湯水温度検知手段),流量センサ14,注湯電磁弁15,縁切り弁17の上流側での逆流防止用の逆止弁16,上流側に負圧発生時に逆流発生を防止する縁切り弁17,縁切り弁17の下流側での逆流防止用の逆止弁18及びベンチュリ管19と、洗剤タンク20と、洗剤タンク20からベンチュリ管19に洗剤を供給する洗剤供給管21と、洗剤供給管21の中途部に介装された洗剤供給量調整手段としての洗剤電磁弁22とを備えて構成されている。
【0038】
上記洗浄ノズル10は浴槽2の底壁を貫通して設置され先端開口から内壁面に向けて所定範囲の広がりをもって洗浄用湯水を噴出するようになっている。この洗浄ノズル10として、図例では1つのみを図示しているが、浴槽2のサイズや構造に応じて2以上のものを所定配置にて設置してもよい。又、この浴槽2の底壁には電動式自動排水栓23が設置され、この排水栓23は、制御部7からの制御信号に基づいて電気的に作動される開閉駆動機構24からの開閉駆動力の伝達を受けて開閉作動されるようになっている。なお、この開閉駆動機構24は浴槽2の上面側に設置され、この開閉駆動機構24にはその作動状態(排水栓23が開状態か閉状態か)の如何を検出する排水栓状態検出センサ(図示省略)が設けられている。上記洗浄配管11は、その上流端が出湯配管31に接続され下流端が上記の洗浄ノズル10に連通接続されたものであり、上記注湯電磁弁15を開くことで、熱源機3から出湯配管31を介して湯水が洗浄配管11に供給されるようになっている。
【0039】
上記ベンチュリ管19には洗剤供給管21の下流端が連通接続されており、この洗剤供給管21の上流端は洗剤タンク20に連通接続されている。洗剤電磁弁22の開作動により洗剤タンク20から供給される所定量の洗剤がベンチュリ管19において通過する洗浄用湯水に対し負圧吸引作用により混合されるようになっており、洗剤電磁弁22を1回の洗浄に対し閉弁状態から開作動させて開弁状態にさせている開弁時間の長短によって洗剤供給量の調整が可能となっている。これら洗剤タンク20、洗剤供給管21,洗剤電磁弁22、ベンチュリ管19、洗浄配管11並びに洗浄ノズル10によって、洗剤を浴槽2内に散布するための洗剤散布手段が構成されている。
【0040】
上記の浴槽洗浄装置1の各作動要素13,15,22,24は、洗浄ノズル10による浴槽2内を洗浄するための洗浄制御等を実行する洗浄制御手段としての制御部7によって作動制御されるとともに、制御部7から電源供給がなされるようになっている。この制御部7には洗浄運転操作用の洗浄リモコン6及び流量センサ14が電気的に接続されている。
【0041】
上記制御部7は、マイクロコンピュータ及びRAMやROMなどの記憶手段を内蔵して、記憶手段に記憶されたプログラムや制御データ等に基づいて浴槽洗浄装置1の各作動要素を作動制御する。この制御内容の一実施例を図3及び図4に示し、当該実施例の洗浄制御動作について以下説明する。
【0042】
洗浄リモコン5の洗浄運転スイッチをオンするか、あるいは洗浄リモコン5によって設定された予約時間になると洗浄運転が開始され(S1)、まず自動排水栓23を開制御して(S2)、浴槽2内の浴槽水が排水されるまで待機する(S3)。かかる待機は、所定時間の経過を待つものとしてもよく、また、自動排水栓23に水量センサを設けて排水流量が無くなるまで待機するものとしてもよい。
【0043】
浴槽水の排水が完了すると、注湯電磁弁15を開制御するとともに水量サーボ13の調節を行い(S4,S5)、予め設定された所定流量の湯水が熱源機3から出湯配管31を介して供給させ、供給された湯水による予備洗浄を開始する。このとき、熱源機3からの出湯温度が異常に高温となっていないか、及び、設定された流量に収束するかの検査を行い(S6,S7)、異常が検出されれば洗浄リモコン6等により異常報知して、以降の制御を緊急停止する。
【0044】
次に、水温センサ9の検出値に基づいて注湯電磁弁15を開いてから供給される湯水が適温となるまでの所定の最大待ち時間を経過したか否かを判定し(S8)、最大待ち時間を経過したときは、供給される湯水が適温となることを待たずに、次のステップS10へと以降し、最大待ち時間を経過するまでは出湯配管31から洗浄配管11に供給された湯水の温度が適温となるまで待機する(S9)。かかる判定制御により、水温センサ9により検知された湯水温度に基づいて予備すすぎの継続時間を制御部7が制御するように構成されている。すなわち、最大待ち時間が経過する前に湯水温度が適温となれば、すぐに次のステップへ移行することで、予備すすぎ開始から湯水温度が適温となるまでの経過時間と最大待ち時間との差分だけ予備すすぎ継続時間を短縮する。
【0045】
最大待ち時間が経過するか、或いは、供給された湯水温度が適温に達すると、その時点からの予備すすぎ時間を計測するためにタイマーTを初期化し(S10)、所定時間、例えば60秒を経過すると洗剤と湯水の混合液からなる洗浄液による洗浄動作に移行する(S13)。また、本実施例では、予備すすぎ時間の終了直前、例えば10秒前に自動排水栓23を閉制御することにより、予備すすぎ終了直前に出湯配管31から洗浄配管11に供給された湯水を浴槽2内に少量溜めるためのステップS11,S12が設けられている。ここで浴槽2内に溜められる湯水の量は、洗浄ノズル10からの洗浄液の噴射に影響のない程度の量となされている。
【0046】
予備すすぎが終了すると、次に、洗浄水の噴射の繰返し回数を例えば3に設定して(S14)、洗剤と湯水の混合液からなる洗浄液を洗浄ノズル10から上記繰返し回数だけ間欠的に噴射させる(S15〜S24)。各回ごとの洗浄液の制御フローとしては、例えば、タイマーTを初期化し(S15)、洗剤電磁弁22と注湯電磁弁15とを開制御することによって洗剤と湯水の混合液からなる洗浄液を洗浄ノズル10から噴射させ(S16)、所定時間、例えば2秒間洗浄液を噴射すると洗剤電磁弁22と注湯電磁弁15とを閉制御して(S17,S18)、洗浄液が浴槽2の壁面に浸潤するまで所定時間、例えば15秒間待機する(S22)。このとき、最終回の洗浄液の噴射直前の待機状態のとき(C=2のとき)であれば、待機時間の途中、例えば、最終回の洗浄液の噴射の5秒前に自動排水栓23を開制御することにより(ステップS20,S21)、予備すすぎ終了時に浴槽2内に溜められた湯水を排水するようにしている。これにより、最終の(3回目の)洗浄液の噴射によって、浴槽2の底面にも最適な濃度の洗浄液を浸潤させることができ、該洗浄液によって浴槽底面をも洗浄可能となる。
【0047】
上記の待機時間が経過すると(S22)、繰返し回数をカウントして(S23)、所定の繰返し回数の洗浄液の噴射を実行した場合には(S24)、注湯電磁弁15を開いて(S15)、熱源機3から出湯配管31を介して供給される湯水によるすすぎ動作を所定時間行い(S26)、所定時間のすすぎ動作を終了すると水量サーボ13及び注湯電磁弁15を閉制御して(S27)、洗浄運転を終了する(S28)。
【0048】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。例えば、図3に示す制御フローにおいて、予備すすぎ開始後出湯配管31から供給される湯水が適温になった後に、所定時間を経過するか否かの制御を行う例を示したが、供給される湯水の積算流量を計測して、積算流量が所定値となったときに予備すすぎを終了するように制御してもよい。また、予備すすぎの継続時間や積算流量は、出湯配管31から供給される湯水温度に応じて可変させることもでき、例えば、湯水温度が48℃の場合には予備すすぎを1分継続させるが、湯水温度が32℃の場合には予備すすぎを1分20秒継続させることができる。これにより、湯水温度によって浴槽内の雰囲気温度に差が生じることで、低温時に十分な予備すすぎが行われないことを防止できる。
【0049】
また、上記実施形態では制御部7を洗浄リモコン6とは別に設けたが、洗浄リモコン6に制御部7を一体に内蔵してもよい。
【0050】
また、上記実施形態では自動排水栓23を最終の洗浄液の噴射直前に開制御したが(図4の実施例1参照)、図4の実施例2に示すように、洗浄液による洗浄が完了するまで自動排水栓23を閉じておいて、最終のすすぎ動作開始時又は開始直前に自動排水栓23を開制御するように構成してもよい。
【0051】
また、上記実施形態では出湯配管から供給された湯水温度に基づいて予備すすぎの継続時間及び/又は湯水の積算流量を制御したが、湯水温度に代えて、若しくは、湯水温度に加えて浴槽周辺の雰囲気温度に基づいて予備すすぎの継続時間及び/又は湯水の積算流量を制御することもできる。図5は、かかる雰囲気温度に基づく制御を採用する本発明の他の実施形態を示しており、浴槽2の周辺の雰囲気温度を検知するための雰囲気温度検知手段としてのサーミスタ8が洗剤タンク20に取付けられており、このサーミスタ8の検知信号は制御部7に入力されている。
【0052】
そして、本実施形態では、制御部7によって、供給される湯水温度による上記実施形態の予備すすぎ継続時間の短縮制御に加えて、浴槽周辺の雰囲気温度によって予備すすぎの継続時間若しくは積算流量が適切に制御されるように構成されている。かかる制御フローの一例を図6に示しており、上記実施形態と同様の工程については省略し、異なる構成、作用効果について以下説明する。
【0053】
本実施形態では、予備すすぎのための注湯電磁弁15を開く前(ステップS3とステップS4の間)に、サーミスタ8の検知信号に基づいて浴槽周辺の雰囲気温度を検出するステップが設けられている。予備すすぎ開始前に雰囲気温度を検出するようにしたのは、予備すすぎの湯水によって浴槽壁面温度が上昇し、これに伴いサーミスタ8の検出値に影響が出て正しい雰囲気温度が検出困難となるからである。当該ステップで検出された雰囲気温度は、制御部7内のメモリに記憶される。
【0054】
また、予備すすぎ開始後(ステップS4)、最大待ち時間が経過するか(ステップS8)或いは供給される湯温が適温となったことを検出したとき(ステップS9)、タイマーTを上記実施形態と同様に初期化するとともに、その時点からの予備すすぎ継続時間Bを、上記ステップにおいて制御部7に記憶された雰囲気温度及び注湯温度(供給される湯水温度)に基づいて、雰囲気温度が高いほど継続時間Bが短く、且つ、注湯温度が高いほど継続時間Bが短くなるように設定する(ステップS10)。なお、注湯温度としては、水温センサ9の検出値を用いてもよいし、注湯温度を設定するリモコンの設定値を用いてもよい。
【0055】
上記継続時間Bの設定は、湯水温度及び雰囲気温度を変数とする所定の数式に基づいて行ってもよいが、本実施形態では、下記の表1に示す予め設定されたテーブルに基づいて行っている。なお、下記表1では、最大待ち時間が経過するか或いは湯温が適温になった時点からの予備すすぎ継続時間Bの長さを設定したが、当該時点以降の予備すすぎ用の湯水の積算流量を設定することもできる。また、湯水温度を考慮せず、雰囲気温度のみに基づいて継続時間Bを設定することも可能である。
【0056】
【表1】

【0057】
また、ステップS11,S13では、設定された継続時間Bを上記所定時間(段落0032第2行目参照)としてタイマーTと比較している。
【0058】
図7は本実施形態の浴槽洗浄装置1の予備すすぎ動作時の時間経過と注湯温度との関係を示している。図示された予備すすぎ開始時点に注湯電磁弁15が開制御されて湯水の供給が開始され、その後注湯温度が徐々に上昇して所定の適温となるまでの継続時間Aは上記ステップS9の判定により注湯温度に応じて可変とされ、さらに、注湯温度が適温となった時点から予備すすぎ終了までの継続時間Bも注湯温度及び雰囲気温度に応じて可変とされている。
【0059】
このように供給される湯水温度のみならず浴槽周辺の雰囲気温度に基づいて予備すすぎ継続時間を適切に制御することによって、雰囲気温度が常温若しくはそれ以上の環境下などにおいて浴槽内が直ぐに温まるにもかかわらず予備すすぎ時に無駄にお湯を流し続ける必要がなく、予備すすぎの継続時間及び湯水積算流量を節減して、各設置環境に応じた運転によりランニングコストを抑えることができる。
【符号の説明】
【0060】
1 浴槽洗浄装置
2 浴槽
3 給湯器
31 出湯配管
7 制御部(制御手段)
9 温度検知手段
10 自動排水栓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯器から出湯配管を介して供給される湯水による予備すすぎを洗剤による洗浄前に行う浴槽洗浄装置であって、出湯配管から供給された湯水温度を予備すすぎ時に検知する温度検知手段と、該温度検知手段により検知された湯水温度に基づいて予備すすぎの継続時間及び/又は湯水の積算流量を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浴槽洗浄装置において、浴槽の排水口に設けられた電動式自動排水栓をさらに備え、前記制御手段は、予備すすぎ開始前に自動排水栓を開制御するとともに、予備すすぎの終了直前に自動排水栓を閉制御するように構成され、これにより予備すすぎ終了直前に出湯配管から供給された湯水を浴槽内に溜めることを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項3】
請求項2に記載の浴槽洗浄装置において、予備すすぎ終了後に浴槽内へ洗剤を散布する洗剤散布手段をさらに備え、前記制御手段は、洗剤散布手段による洗剤散布が終了する前に前記自動排水栓を開制御するように構成され、これにより予備すすぎ終了直前に浴槽内に溜められた前記湯水を洗剤散布手段による洗剤散布が終了する前に排水することを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の浴槽洗浄装置において、前記制御手段は、出湯配管から供給された湯水が所定温度に達したことを検知すると、該検知時点から所定時間経過したときに予備すすぎを終了するように構成されていることを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の浴槽洗浄装置において、出湯配管から供給される湯水の流量を検出する流量検出手段をさらに備え、前記制御手段は、出湯配管から供給された湯水が所定温度に達したことを検知すると、該検知時点からの湯水の積算流量が所定値に達したときに予備すすぎを終了するように構成されていることを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項6】
給湯器から出湯配管を介して供給される湯水による予備すすぎを洗剤による洗浄前に行う浴槽洗浄装置であって、浴槽周辺の雰囲気温度を検知するための雰囲気温度検知手段と、該雰囲気温度検知手段により検知された雰囲気温度に基づいて予備すすぎの継続時間及び/又は湯水の積算流量を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項7】
請求項6に記載の浴槽洗浄装置において、出湯配管から供給された湯水温度を予備すすぎ時に検知する湯水温度検知手段をさらに備え、前記制御手段は、前記雰囲気温度及び前記湯水温度に基づいて予備すすぎの継続時間及び/又は湯水の積算流量を制御することを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項8】
請求項7に記載の浴槽洗浄装置において、前記制御手段は、出湯配管から供給された湯水が所定温度に達したことを検知すると、該検知時点から前記雰囲気温度に応じて定められた所定時間経過したときに予備すすぎを終了するように構成されていることを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項9】
請求項7に記載の浴槽洗浄装置において、出湯配管から供給される湯水の流量を検出する流量検出手段をさらに備え、前記制御手段は、出湯配管から供給された湯水が所定温度に達したことを検知すると、該検知時点からの湯水の積算流量が前記雰囲気温度に応じて定められた所定値に達したときに予備すすぎを終了するように構成されていることを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれかに記載の浴槽洗浄装置において、浴槽の排水口に設けられた電動式自動排水栓をさらに備え、前記制御手段は、予備すすぎ開始前に自動排水栓を開制御するとともに、予備すすぎの終了直前に自動排水栓を閉制御するように構成され、これにより予備すすぎ終了直前に出湯配管から供給された湯水を浴槽内に溜めることを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項11】
請求項10に記載の浴槽洗浄装置において、予備すすぎ終了後に浴槽内へ洗剤を散布する洗剤散布手段をさらに備え、前記制御手段は、洗剤散布手段による洗剤散布が終了する前に前記自動排水栓を開制御するように構成され、これにより予備すすぎ終了直前に浴槽内に溜められた前記湯水を洗剤散布手段による洗剤散布が終了する前に排水することを特徴とする浴槽洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−106942(P2013−106942A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−236158(P2012−236158)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)