説明

浴槽用手摺り

【課題】複雑な形状を有し且つ十分な強度を有さない側壁を有する浴槽においても、側壁を変形させることなく、前記側壁へしっかりと固定することができる浴槽用手摺りを提供することを目的とする。
【解決手段】浴槽の側壁へ取り付けられる略L字型の固定フレームと、固定フレームへスライド可能に取り付けられた略L字型の可動フレームと、固定フレーム及び/又は可動フレームへ取り付けられた押圧具と、そして押圧具へ前後移動可能に取り付けられた押圧板を備え、さらに押圧具と前記押圧板の間には、押圧板を押圧具から離間させる方向へ付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする浴槽用手摺りを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浴槽用手摺りに関し、特に浴槽の側壁へ着脱自在に取り付けられる浴槽用手摺りの押圧板の押圧機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特開平11−299673号公報(特許文献1)および特開2000−336882号公報(特許文献2)等に記載されているように、高齢者等が浴槽に出入りする際に身体を容易に支持することができるように、浴槽の側壁へグリップを備えた浴槽用手摺りを着脱自在に装着することが知られている。
【0003】
しかしながら、これらの浴槽用手摺りは、使用者がハンドル又はノブを回転させることにより螺進退する押圧板を介して浴槽の側壁へ直接取り付けるものであるため、押圧板の締付け力が強過ぎると浴槽の側壁を壊し、逆に押圧板の締付け力が不足すると浴槽の側壁から脱離してしまうという問題があった。また、浴槽の側壁は必ずしも同じ厚みを有する平面形状のみから構成されているとは限らず、厚みが異なり曲面を有するものもあるため、基本的には、押圧面が平坦な形状である押圧板のみの利用では、押圧板は側壁の形状に十分に追従することができず、所望する浴槽の側壁の位置へ、浴槽用手摺りを堅固に固定することが困難であった。
【0004】
そこで、上述した問題を解消するため、例えば特開2010−246691号公報(特許文献3)に記載されているように、押圧板を螺進退させるハンドル又はノブへ回動伝達遮断機構(定トルク伝達機構)を設けることにより、押圧板へ一定以上の押圧力が伝達しないようにした浴槽用手摺りが開発されている。
【0005】
また、押圧板を異なる厚みや曲面を有する浴槽の側壁へ適合させるために、先の特許文献3や特開2004−261327号公報(特許文献4)等に記載されているように、押圧板を複数の小さな押圧板へ分割し、そして各押圧板を浴槽の側壁の形状に合わせて首を振ることができるように改良した浴槽用手摺りなどが開発されている。
【0006】
ところが、近年急速に普及しているシステムバスでは、浴槽の側壁は浴槽本体パネルと洗い場に面する取り外し可能な化粧パネルより構成され、側壁の中は実質的に空洞であるため、側方からの押圧に対し十分な強度を有していない。また、浴槽の形状もユニバーサルデザインなど、人の身体に馴染み易くそして人の身体の動きに優しいデザインが重視される傾向にあるため、浴槽の側壁には、従来よりもより一層複雑な曲面や勾配が多用されるようになってきている。
【0007】
このようなシステムバスに対し、特許文献3及び4に記載されているような、分割により小型化した押圧板へ回動伝達遮断機構(定トルク伝達機構)および首振り機構を設けた浴槽用手摺りを適用しても、浴槽の側壁の変形を十分に防止することができず、延いてはそれが原因となって側壁を破損させてしまうという問題があった。押圧板を分割し、それへ回動伝達遮断機構(定トルク伝達機構)および首振り機構を設けるのみでは、押圧板を浴槽の側壁へ押圧する時、押圧板および浴槽の側壁に不均一な押圧力が生じるからである。
【0008】
したがって、浴槽の側壁に対し、通常または比較的強い締付け力で浴槽用手摺りを固定しようすると、浴槽の側壁の厚みを局所的に減少させるように変形させ、そして押圧板と側壁との間に隙間を生じさせて浴槽用手摺りをしっかりと固定することができないという不都合があった。また、浴槽の側壁を損傷しないように弱い締付け力で浴槽用手摺りを固定しようとすると、押圧板および浴槽の側壁の間に実質的に押圧力が働いていない部分が発生し、浴槽用手摺りの滑りによる位置ズレや側壁からの脱離を有効に防止できないという不都合も生じていた。
【0009】
また、システムバスのように、複雑な形状を有し、且つ側方からの押圧に対して十分な強度を有さない側壁を有する浴槽に対しては、例えば浴槽用手摺りの押圧板の押圧面へ十分な厚みを有する弾性ラバーを添着して対処することも考えられる。
【0010】
しかしながら、浴槽用手摺りの押圧板へ、浴槽の側壁の形状に十分に適合することができる分厚い弾性ラバーを適用しても、押圧板および側壁の間に生じる不均一な押圧力を十分に解消することはできない。また、そのような分厚い厚みを有する弾性ラバーは、押圧方向のみならず、浴槽の側壁に沿った平面方向にも弾性変形をするため、取り付け後の浴槽用手摺りの位置ズレも解消することができないという問題があった。さらに、浴槽の側壁に対する接着性を重視して、弾性ラバーとして、例えばゴム材料等を選択すると、浴槽の側壁に圧着痕を生じ易いという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−299673号公報
【特許文献2】特開2000−336882号公報
【特許文献3】特開2010−246691号公報
【特許文献4】特開2004−261327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明は、システムバスのように複雑な形状を有し、且つ側方からの押圧に対して十分な強度を有さない側壁を有する浴槽においても、側壁を無理に変形させることなく、そして滑りによる位置ズレや脱離を生じさせることなく、前記側壁へしっかりと固定することができる浴槽用手摺りの押圧板の押圧機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者等は、浴槽の側壁の複雑な形状に適合し、弱い締付け力でも押圧板に一定の押圧力を生じさせる押圧機構について鋭意検討を重ねた結果、基本的には押圧板を押圧具へ前後移動可能に取り付け、且つ押圧板と押圧具の間に付勢手段を設けることにより上記の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明によれば、浴槽の側壁へ取り付けられる水平部と垂直部を備えた略L字型の固定フレームと、固定フレームの水平部へスライド可能に取り付けられた水平部分と垂直部分を備えた略L字型の可動フレームと、固定フレーム及び/又は可動フレームへ取り付けられた押圧具と、そして押圧具へ前後移動可能に取り付けられた押圧板を備え、さらに押圧具と押圧板の間には、押圧板を押圧具から離間させる方向へ付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする浴槽用手摺りが提供される。
【0015】
また、上述した浴槽用手摺りの変形例として、第1の押圧具を第1の連結手段を介して固定フレームへ前進および後退可能に取り付けられたものとしては、浴槽の側壁へ取り付けられる水平部と垂直部を備えた略L字型の固定フレームと、第1の連結手段を介して固定フレームへ前進および後退可能に取り付けられた第1の押圧具と、第1の押圧具へ前後移動可能に取り付けられた第1の押圧板と、固定フレームの水平部へスライド可能に取り付けられた水平部分と垂直部分を備えた略L字型の可動フレームと、そして第1の押圧板と対向するように配置され、且つ可動フレームへ取り付けられた第2の押圧板を備え、さらに第1の押圧具と第1の押圧板の間には、第1の押圧板を第1の押圧具から離間させる方向へ付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする浴槽用手摺りが提供される。また、この変形例では 第2の押圧板を浴槽の側壁に対し首振り可能にするなどの目的で、第2の連結手段を介して可動フレームへ取り付けてもよい。
【0016】
一般に、浴槽用手摺りの押圧板へ弾性ラバーを適用した場合、押圧板の浴槽の側壁に沿った位置ズレを防止するのに有用なラバーの厚みには事実上の限界があり、そのため、特に押圧方向へのラバーの厚み、変形代を大きくとることができない。このため、浴槽の側壁が大きな曲面や大きな凹凸を有する場合、弾性ラバーはこれらの形状に適合して十分に変形することができず、また同じラバー内においても、変形量が大きな領域では大きな押圧力を生じ、変形量が小さな領域では小さな押圧力を生じるといったように不均一な押圧力を生じ易い。
【0017】
これに対し、本発明の固定フレームへ取り付けられた押圧板又は第1の押圧板の押圧機構は、押圧板を押圧具へ前後移動可能に取り付け、そして押圧具と押圧板の間に付勢手段を設けることにより押圧具から離間する方向へ、換言すれば浴槽の側壁へ向けて付勢するので、押圧板の押圧方向への前後移動距離、すなわち押圧方向への変位代をラバーより大きくとることができる。このため、大きな曲面や大きな凹凸を有する浴槽の側壁であっても、これらの形状に適合するように、押圧板を押圧具に対し十分に変位させることができる。
【0018】
また、押圧板は、浴槽の側壁に撓みなどの変形が生じたような場合などでも、その変形に追従して一定の押圧力を発生し続けることができるので、浴槽用手摺りの係止力を低減させることがない。
【0019】
押圧板自体は、通常、比較的硬質な材料から作られており、ラバーのような可撓性を有するものではないので、浴槽の側壁が小さな曲面や小さな凹凸を有する場合は、これらの全ての形状に適合するように変形することはできない。しかしながら、このような小さな曲面や小さな凹凸に対する適合性の向上は、押圧面に比較的薄い弾性ラバーを適用することにより対処することができる。
【0020】
さらに、押圧板を浴槽の側壁と接触することにより側壁の形状に適合するように首振り可能にする目的で、第1の連結手段を介して固定フレームへ取り付けることもできる。この場合、押圧具と浴槽側壁との隙間の分布、別言すれば押圧具に対する押圧板の隙間の分布も、押圧具と押圧板が略平行に配置されるようにより一層平均化されるので、押圧板には、押圧具と押圧板の間に設けられた付勢手段により浴槽の側壁へ向けてより一層均等な付勢力が伝達され、そして浴槽の側壁に対し略均等な圧力で押圧することができる。
【0021】
また、本発明の押圧板の押圧機構は、押圧板が押圧具に対し押圧方向へ変位するが、浴槽の側壁に沿った方向へは変位しないので、押圧板の表面に分厚い弾性ラバーを適用した時よりも、浴槽の側壁に対し均等な押圧力を発生させながら、浴槽の側壁に沿った位置ズレも効果的に防止することができる。また、押圧板の表面へ、浴槽の側壁に沿った方向の変位量を無視することができるような比較的薄い弾性ラバーを適用することにより、滑りによる押圧板の位置ズレも効果的に防止することができる。なお、弾性ラバーの固定方法に特に制限はなく、特許文献1のように押圧板と一体成形したものであってもよい。
【0022】
このように、本発明の浴槽用手摺りは、押圧板を浴槽の側壁に対し接触するようにセットすれば、例え弱い締付け力であっても押圧板全体に万遍なく一定の押圧力を発生させることができるため、複雑な形状を有し、且つ側方からの押圧に対して十分な強度を有さない側壁を有するシステムバスなどに対しても、側壁を無理に変形させることなく、そして滑りによる位置ズレや脱離を生じさせることなく、しっかりと固定することができる。
【0023】
本発明では、押圧具と押圧板との間に設けられる付勢手段は、弾性体と、弾性体を保持するために押圧具又は押圧板に設けられた弾性体保持手段と、そして押圧具と押圧板との離間を規制するための規制手段を含んでいる。
【0024】
弾性体は、圧縮により押圧力を発生するものであれば特に制限はなく使用することができ、例えばコイル状のバネ、合成樹脂や天然ゴムなどからなる弾性ブロック、又は反発し合う一対の磁石などを利用することができる。
【0025】
また、弾性体は、押圧板の中心から放射方向に相互に所定の間隔を開けて少なくとも4つ以上配置されるのが好ましく、押圧板の中心から放射方向に六角形の各頂点を形成するように6つ配置されるのがより好ましい。
【0026】
なぜなら、弾性体を押圧板の中心から放射方向に多角形の各頂点を形成するように配置すると、押圧板は押圧面の任意の位置において、押圧具に対する相対的な変位に対し略均等な押圧力を発生することができ、そして形成された多角形の各辺に対し直交するそれぞれの方向へ傾斜するように変位し易くなる。ところが、弾性体の配置個数が1〜3つのように少な過ぎると、押圧板は押圧面の任意の位置において、押圧具に対する相対的な変位に対し均等な押圧力を発生することができず、そして押圧板の変位方向も三角形の三辺に直交する方向、2点間を結ぶ直線に直交する方向に偏ってしまい、浴槽の側壁の形状に適合するために必要な方向へ容易に変位することができなくなるからである。
【0027】
ただし、この場合の弾性体の配置個数は、多ければ多いほどよいというものではない。押圧板は、弾性体の個数が多ければ多いほど任意の位置において均等な押圧力を発生し易くなるが、弾性体の個数が多過ぎると、全体として又は局所的においても押圧力が大きくなり過ぎる傾向にあり、また弾性体の取り付けスペースも多く必要とする問題を生じる。
【0028】
したがって、押圧板の中心から放射方向に多角形の各頂点を形成するように配置される弾性体の個数は、それにより押圧板が変位し易くなる方向と、所望とする押圧板の全体的又は局所的な押圧力とのバランスを考慮しながら決定しなければならない。
【0029】
また、押圧板による均等な押圧力の発生よりも、押圧板の浴槽の側壁に形状に適合した密着性、馴染み及び強固な圧接を重視するのであれば、弾性体は、押圧板の中心を通る軸、若しくは押圧具を固定フレーム、可動フレーム又は補助プレート等へ連結させる連結軸と同軸上に配置してもよい。例えば、後述する第1の連結手段のネジ切り棒の中心軸と同軸上にバネを1つ配置することもできる。
【0030】
このような配置の場合、弾性体を押圧板の中心から放射方向に配置する場合に比べて、押圧板の任意の位置において均等な押圧力を発生させることはやや困難になるが、押圧板は、弾性体を中心として360度全方位に対し極めて容易に変位できるようになるので、浴槽の側壁がどのような方向に傾いていても、押圧板はその形状に密着するように押圧具に対し極めて容易に変位することができるようになる。その結果、押圧板と浴槽側壁との間で密着性向上による摩擦力の増加が図られ、第1及び第2の押圧板による浴槽用手摺りの固定が強化される。
【0031】
なお、バネなどの弾性体は、後述する弾性体保持手段によって押圧具及び押圧板の両方に固定されていてもよいが、必ずしも両方に固定されている必要はなく、いずれか一方に固定されていればよい。
【0032】
弾性体保持手段は、例えばコイル状のバネや弾性ブロックなどを内側から突き刺すように保持する棒状の突起物や、逆にバネや弾性ブロックなどを外側から囲い込むように保持する箱状、筒状の突起物であってもよい。また、弾性体保持手段は、これらの弾性体を押圧具又は押圧板に安定的に保持できるものであれば特に制限されるものではなく、例えば接着剤やホッチキスの針などのように弾性体を直接押圧具又は押圧板へ固定するものであってもよい。
【0033】
押圧板は、押圧具へ前後移動可能に取り付けられており且つ押圧具から離間する方向へ常時付勢されているので、付勢手段には、押圧板が押圧具から一定距離以上に離間して脱落しないように規制する規制手段が設けられている。
【0034】
規制手段は、例えば、押圧具に設けられた貫通孔と、前記貫通孔の中をスライド可能に配置される胴部と前記貫通孔より大きな直径を有する頭部とを備え、且つ押圧板に固定されるピンから構成される。このタイプの規制手段の場合、押圧板はピンの胴部において押圧具に対し相対的に前後移動することができる。また、規制手段は、例えば押圧板又は押圧具のいずれか一方にフックを設け、他方にはそのフックを引っ掛ける係止部を設けたものや、例えば押圧板と押圧具を所定の長さで連結する糸や柔軟なワイヤー等であってもよい。
【0035】
このように、本発明の付勢手段に用いられる規制手段は、所定の距離までの押圧板と押圧具の相対的な前後(遠近)移動を許容するが、所定の距離以上の離間を許容しない構造、機能を有するものであれば特に限定されるものではない。
【0036】
押圧板は、浴槽の側壁との適合性を向上させるため、必ずしも1つである必要はなく、少なくとも2つ以上の分離した分割押圧板から構成してもよい。押圧板を2つ以上の分離した分割押圧板から構成する場合、該分割押圧板は押圧具とセットで分割することができ、または1つの押圧具に対し押圧板のみを2つ以上に分割することもできる。ただし、前者の場合は、分割された2つ以上の押圧具を第1の連結手段に接続しなければならないため、これらの押圧具同士をさらに連結する補助プレートの使用が必要となる。
【0037】
本発明において、押圧具と押圧板を、固定フレームへ前進および後退可能に取り付けるために配設される第1の連結手段は、固定フレームの垂直部に設けられた雌ネジ孔と、雌ネジ孔と螺合する雄ネジが切られたネジ切り棒であって、一の端部は押圧具と連結されており、他の端部はネジ切り棒を回転させることによってそれを螺進退させるハンドルノブと連結されているネジ切り棒から構成することができる。
【0038】
このようなタイプの連結手段は、ハンドルノブの操作により押圧具及び押圧板を細かい送りで螺進退させることができるので、押圧板を浴槽の側壁に接触させた後、押圧具と押圧板の間に取り付けられている弾性体の変形量(一対の磁石の場合は変位量)を微調節することができる。そのため、押圧板を浴槽の側壁に確実に係止しながら、該側壁を傷めない適度な押圧力を容易に発生させることができる。また、雌ネジ、雄ネジの組み合わせにより螺進退させる機構は、ハンドルノブの小さな回転力で弾性体に大きな変形量を与えることができるので、弾性体を変形させながら押圧板を浴槽の側壁に沿うように最後まで押し込むのに適しており、また、押圧具が弾性体の反力により押し戻されることもないので有利である。
【0039】
上述した固定フレーム側へ取り付けられる押圧板(第1の押圧板)の押圧機構は、可動フレーム側へ取り付けられる押圧板(第2の押圧板)の押圧機構としてそのまま適用することができる。
【0040】
すなわち、上述した浴槽用手摺りの変形例として、第2の押圧具を第2の連結手段を介して可動フレームへ取り付けられたものとしては、浴槽の側壁へ取り付けられる水平部と垂直部を備えた略L字型の固定フレームと、固定フレームの水平部へスライド可能に取り付けられた水平部分と垂直部分を備えた略L字型の可動フレームと、第2の連結手段を介して可動フレームへ取り付けられた第2の押圧具と、第2の押圧具へ前後移動可能に取り付けられた第2の押圧板と、そして第2の押圧板と対向するように配置され、且つ固定フレームへ取り付けられた第1の押圧板を備え、さらに第2の押圧具と第2の押圧板の間には、第2の押圧板を第2の押圧具から離間させる方向へ付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする浴槽用手摺りが提供される。また、この変形例では 第1の押圧板を浴槽の側壁に対し首振り可能にするなどの目的で、第1の連結手段を介して固定フレームへ取り付けてもよい。
【0041】
したがって、第2の押圧板の押圧機構に適用される付勢手段は、弾性体と、弾性体を保持するために第2の押圧具又は第2の押圧板に設けられた弾性体保持手段と、そして第2の押圧具と第2の押圧板との離間を規制するための規制手段を含んでいる。
【0042】
弾性体は、圧縮により押圧力を発生するものであれば特に制限はなく使用することができ、例えばコイル状のバネ、合成樹脂や天然ゴムなどからなる弾性ブロック、又は反発し合う一対の磁石などを利用することができる。
【0043】
また、弾性体は、第2の押圧板の中心から押圧面に沿って放射方向に且つ相互に所定の間隔を開けて少なくとも4つ以上配置されるのが好ましく、第2の押圧板の中心から押圧面に沿って放射方向に六角形の各頂点を形成するように6つ配置されるのがより好ましい。
【0044】
弾性体保持手段は、例えばコイル状のバネや弾性ブロックなどを内側から突き刺すように保持する棒状の突起物や、逆にバネや弾性ブロックなどを外側から囲い込むように保持する箱状、筒状の突起物であってよい。また、弾性体保持手段は、これらの弾性体を第2の押圧具又は第2の押圧板に安定的に保持できるものであれば特に制限されるものではなく、例えば接着剤やホッチキスの針などのように弾性体を直接第2の押圧具又は第2の押圧板へ固定するものであってもよい。
【0045】
規制手段は、例えば、第2の押圧具に設けられた貫通孔と、前記貫通孔の中をスライド可能に配置される胴部と前記貫通孔より大きな直径を有する頭部を備え、且つ第2の押圧板に固定されるピンから構成される。このタイプの規制手段の場合、第2の押圧板はピンの胴部において第2の押圧具に対し相対的に前後移動することができる。また、規制手段は、例えば第2の押圧板又は第2の押圧具のいずれか一方にフックを設け、他方にはそのフックを引っ掛ける係止部を設けたものや、例えば第2の押圧板と第2の押圧具を所定の長さで連結する糸や柔軟なワイヤー等であってもよい。
【0046】
さらに、第2の押圧板を浴槽の側壁と接触することにより側壁の形状に適合するように首振り可能にする目的で、第2の連結手段を介して可動フレームへ取り付けることもできる。この場合、第2の押圧具と浴槽側壁との隙間の分布、別言すれば第2の押圧具に対する第2の押圧板の隙間の分布も、第2の押圧具と第2の押圧板が略平行に配置されるようにより一層平均化されるので、第2の押圧板には、第2の押圧具と第2の押圧板の間に設けられた付勢手段により浴槽の側壁へ向けてより一層均等な付勢力が伝達され、そして浴槽の側壁に対し略均等な圧力で押圧することができる。
【0047】
また、第2の押圧板は、浴槽の側壁との適合性を向上させるため、必ずしも1つである必要はなく、少なくとも2つ以上の分離した分割押圧板から構成してもよい。第2の押圧板が2つ以上の分離した分割押圧板から構成されている場合、該分割押圧板は第2の押圧具とセットで分割することができ、または1つの押圧具に対し押圧板のみを2つ以上に分割することもできる。ただし、前者の場合は、分割された2つ以上の第2の押圧具を可動フレームまたは第2の連結手段を介して可動フレームへ取り付ける必要があるため、これらの押圧具同士をさらに連結する補助プレートの使用が必要となる場合がある。
【0048】
以上のように、固定フレーム側へ取り付けられる押圧板(第1の押圧板)の押圧機構は、浴槽の側壁を挟んでこれと対向する位置に配置される押圧板(第2の押圧板)の押圧機構としてもそのまま利用することができる。このため、本発明の浴槽用手摺りは、第1の押圧板と第2の押圧板のいずれか一方、またはその両方が上述した押圧機構を備えていてもよい。
【0049】
第1の押圧板にはその送りを細かく調節できる第1の連結手段が取り付けられているため、第1の押圧板側に押圧機構を適用した場合、可動フレームを固定フレームに対しスライドさせることにより第1の押圧板と第2の押圧板の間に浴槽の側壁を軽く挟み込んだ後、第1の連結手段により、付勢手段の弾性体を変形させながら第1の押圧板を浴槽の側壁に沿うように最後まで容易に押し込むことができるようになる。一方、第2の押圧板側に押圧機構を適用した場合は、第1の押圧板を浴槽の側壁へ当接させた後、付勢手段の弾性体が変形するまで可動フレームを固定フレームに対しスライドさせることによって第2の押圧板も浴槽の側壁へ当接させることができるので、浴槽用手摺りの仮セットが極めて容易になるという利点がある。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、システムバスのように複雑な形状を有し、且つ側方からの押圧に対して十分な強度を有さない側壁を有する浴槽においても、側壁を無理に変形させることなく、そして滑りによる位置ズレや脱離を生じさせることなく、前記側壁へしっかりと固定することができる浴槽用手摺りの押圧板の押圧機構が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の浴槽用手摺りの全体図である。
【図2】本発明の浴槽用手摺りの断面図である。
【図3】押圧板及び押圧具を背後から見た斜視図である。
【図4】押圧板の押圧構造を示す分解図である。
【図5】押圧板の押圧機構を説明する押圧板及び押圧具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の一実施形態に係る浴槽用手摺りの押圧板の押圧機構について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示される実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
【実施例】
【0053】
図1及び図2を用いて、本発明の浴槽用手摺りの主な構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る浴槽用手摺り1の全体を示しており、図2は、図1に示される浴槽用手摺り1の断面を示している。
【0054】
図2を参照して理解されるように、浴槽用手摺り本体は、浴槽の側壁へ取り付けられる水平部20と垂直部21を備えた略L字型の固定フレーム2と、固定フレーム2の水平部20へスライド可能に取り付けられた水平部分30と垂直部分31を備えた略L字型の可動フレーム3から構成されている。本実施例では、人の身体を支持するための上部グリップ22が固定フレーム2へ昇降可能に取り付けられており、また側部グリップ32は可動フレーム3へ取り付けられている。
【0055】
浴槽の側壁を洗い場側から挟み込むための第1の押圧板4は、第1の押圧具5へ前後移動可能に取り付けられており、そして第1の押圧具5は、第1の連結手段6を介して固定フレーム2の垂直部21へ前進および後退可能に取り付けられている。また、第1の押圧板4の押圧面には、滑り止めを強化するための可撓性の押圧ラバー40が雄雌構造により着脱可能に取り付けられている(図4参照)。
【0056】
第1の連結手段6は、固定フレーム2の垂直部21に設けられた雌ネジ孔60と、雌ネジ孔60と螺合する雄ネジが切られたネジ切り棒61から構成されている。ネジ切り棒61は、一の端部にそれを回転させることによってそれを螺進退させるハンドルノブ62を備えており、他の端部は第1の押圧具5と連結されている。また、第1の押圧具5は、ネジ切り棒61の端部へネジ止めしている該ネジの締め付け量を調節することにより、ネジ切り棒61に対し首振り可能とすることもできる。
【0057】
一方、第1の押圧板4と対向するように配置された、浴槽の側壁を浴槽側から挟み込むための第2の押圧板7は、浴槽の側壁との適合性を向上させるために2つの分離した分割押圧板7a,7bから構成されており(図1参照)、両分割押圧板7a,7bを連結する補助プレート80および第2の連結手段8を介して可動フレーム3の垂直部分31へ取り付けられている。なお、第2の押圧板7は、第1の押圧板4と同様に1つの押圧板から構成することもでき、その場合は分割された第2の押圧板7a,7b同士を連結する補助プレート80を省略することができる。また、分割押圧板7a,7bの各押圧面には、滑り止めを強化するための可撓性の押圧ラバー70が雄雌構造により着脱可能に取り付けられている。
【0058】
さらに、分割押圧板7a,7bのそれぞれは、補助プレート80へ連結しているネジの締め付け量を調節することにより、補助プレート80に対し首振り可能とすることができ、補助プレート80も、可動フレーム3の垂直部分31へ連結しているネジの締め付け量を調節することにより、垂直部分31に対し首振り可能とすることができる。
【0059】
図3及び図4を用いて、本発明の浴槽用手摺り1における第1の押圧板4の押圧構造を説明する。図3は第1の押圧板4及び第1の押圧具5を背後から見た組み立て状態を示しており、図4は、図3に示される第1の押圧板4の押圧構造を分解状態で模式的に示している。
【0060】
図4に示されるように、本発明の押圧構造は、第1の押圧板4、第1の押圧具5及び付勢手段9から構成され、そして第1の押圧具5は第1の連結手段へ取り付けられている。また、付勢手段9は、第1の押圧板4を第1の押圧具5から離間させるように付勢するためのバネ90、該バネを第1の押圧板4の裏面に固定するための弾性体保持手段91、第1の押圧板4が第1の押圧具5から離間して脱落等しないようにするための規制手段92から構成されており、該規制手段は、第1の押圧板4の裏面に固定されるピン93と、該ピンをスライド可能に通過させるために第1の押圧具5に設けられた貫通孔94を含んでいる。
【0061】
第1の押圧板4は底の浅い箱型の長方形の形状をしており、その押圧面にはラバー40を含み、浴槽の側壁の小さな凹凸や局部的な曲面等に馴染ませ、そして側壁との摩擦力を増大させることによって、該側壁との滑りを効果的に防止できるようになっている。
【0062】
第1の押圧板4の裏面には、バネ90を固定するための弾性体保持手段91が、第1の押圧板4の中心から放射方向に相互に略等間隔を開けて六角形の頂点を形成するように6つ配置されている。弾性体保持手段91は、バネ90の内径よりやや小さめの外径を有する筒状の突起物であって第1の押圧板4と一体的に成形されている。従って、弾性体保持手段91に保持されるバネ90も、第1の押圧板4の中心から放射方向に略正六角形の頂点を形成するように6つ配置されている。
【0063】
第1の押圧板4はその裏面にバネ90を取り付けた後、第1の押圧具5へ装着される。第1の押圧具5は底の浅い箱型の略正方形の形状をしており、第1の押圧板4をバネ90を介して広範囲の領域でバランスよく支持できるようにするため、その一辺の長さは第1の押圧板4の短辺の長さより僅かに短くなる程度に設計されている。また、第1の押圧具5の中心は、固定フレーム2へ前進および後退可能に取り付けるために、連結手段6のネジ切り棒61の端部へネジ止めされている(図2参照)。したがって、第1の押圧具5は、ネジ切り棒61へネジ止めしている該ネジの締め付け量を調節することにより、ネジ切り棒61に対し首振り可能とすることもできる。
【0064】
第1の押圧具5にはその中心から放射方向に略正方形の頂点を形成するように4つの貫通孔94が設けられている。第1の押圧具5と第1の押圧板4との接続は、かかる貫通孔94へ、該貫通孔より小さな直径の胴部と大きな直径の頭部を有するピン93を通し、該ピンを第1の押圧板4の裏面へ固定することにより達成される。
【0065】
すなわち、ピン93の胴部は、貫通孔94を介して第1の押圧具5がスライド可能な所定の長さを有しているが、第1の押圧具5はピン93の頭部を超えて第1の押圧板4から離れることができない。このため、相対的な接続関係にある第1の押圧板4は、ピン93の胴部の中の所定の長さの間でのみ、第1の押圧具5に対し前後移動することができる。
【0066】
次に、図5(a)及び(b)を用いて、本発明の浴槽用手摺りにおける第1の押圧板4の押圧機構を説明する。図5(a)は第1の押圧板4が浴槽の側壁と非接触状態にある時の断面を示しており、図5(b)は第1の押圧板4が浴槽の側壁と接触状態にある時の断面を示している。
【0067】
本発明の浴槽用手摺り1を浴槽の側壁へセットする前、第1の押圧板4が浴槽の側壁と非接触状態にある時は、第1の押圧板4は、第1の押圧具5との間に固定されたバネ90により第1の押圧具5から離間する方向へ常時付勢されているので、ピン93の許容する範囲内で第1の押圧具5から最も離れた位置に停止している(図5(a))。
【0068】
浴槽用手摺り1を浴槽の側壁へ固定しようとする時は、第1の押圧板4を洗い場側の側壁10と軽く接触するようにセットした後、可動フレーム3を固定フレーム2に対しスライドさせて、分割押圧板7a,7bを浴槽側の側壁へ接触するように押し込む。そして、第1の押圧板4を、連結手段6のハンドルノブ62を回転することにより徐々に螺進させ、第1の押圧板4およびその反力を受けた第2の押圧板7a,7bを浴槽の側壁へ密着させることにより浴槽用手摺り1を固定する(図5(b))。
【0069】
この時、第1の押圧板4は、浴槽の側壁10から反力を受けて、内部に装着されたバネ90を圧縮させながら第1の押圧具5へ近接しているので、浴槽の側壁10に対し常に一定の押圧力を発生させており、浴槽用手摺りの係止力を低減させることがない。
【0070】
また、バネ90は第1の押圧板4の中心から放射方向に略正六角形の頂点を形成するように6つ配置されているので、第1の押圧板4は浴槽の側壁10に対し適度な押圧力を発生させながら、該六角形の各辺に対し直交する全方位へ向けて容易に傾斜するように変位することができる。このため、第1の押圧板4は大きな曲面や大きな凹凸を有する浴槽の側壁であっても、これらの形状に適合するように第1の押圧具5に対し十分に変位することができる。
【0071】
さらに、第1の押圧具5は、第1の連結手段6に対し首振り可能に取り付けることができるので、この場合、浴槽側壁10との隙間の分布、すなわち第1の押圧具5に対する第1の押圧板4の変位の分布をより一層平均化することができ、第1の押圧板4をバネ90により略均等な圧力で浴槽の側壁へ押圧することができる。
【0072】
このように本発明の浴槽用手摺り1は、第1の押圧板4を浴槽の側壁に対し接触するようにセットすれば、例え弱い締付け力であっても第1の押圧板4全体に万遍なく一定の押圧力を発生させることができるため、複雑な形状を有し、且つ側方からの押圧に対して十分な強度を有さない側壁を有するシステムバスなどに対しても、側壁を変形させることなく、そして滑りによる位置ズレや脱離を生じさせることなく、しっかりと固定することができる。
【0073】
また、図示しないが、上述した第1の押圧板4の押圧機構は、これと対向する位置に配置される第2の押圧板7の押圧機構としてそのまま適用することができる。すなわち、第2の押圧板7の押圧機構は、第2の押圧板を、それらを前後移動可能に取り付けた第2の押圧具を介して第2の連結手段へ取り付け、そして第2の押圧具と第2の押圧板7の間に、第2の押圧板7を第2の押圧具から離間させる方向へ付勢する付勢手段を設けることにより提供される。
【符号の説明】
【0074】
1 ・・・・・・・・・・・・・ 浴槽用手摺り
2 ・・・・・・・・・・・・・ 固定フレーム
3 ・・・・・・・・・・・・・ 可動フレーム
4 ・・・・・・・・・・・・・ 第1の押圧板
40 ・・・・・・・・・・・ 押圧ラバー
5 ・・・・・・・・・・・・・ 第1の押圧具
6 ・・・・・・・・・・・・・ 第1の連結手段
61 ・・・・・・・・・・・ ネジ切り棒
62 ・・・・・・・・・・・ ハンドルノブ
7 ・・・・・・・・・・・・・ 第2の押圧板
8 ・・・・・・・・・・・・・ 第2の連結手段
9 ・・・・・・・・・・・・・ 付勢手段
90 ・・・・・・・・・・・ バネ
10 ・・・・・・・・・・・ 浴槽側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の側壁へ取り付けられる、水平部と垂直部を備えた略L字型の固定フレームと、
前記固定フレームの水平部へスライド可能に取り付けられた、水平部分と垂直部分を備えた略L字型の可動フレームと、
前記固定フレーム及び/又は可動フレームへ取り付けられた押圧具と、そして
前記押圧具へ前後移動可能に取り付けられた押圧板を備え、さらに
前記押圧具と前記押圧板の間には、前記押圧板を前記押圧具から離間させる方向へ付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする浴槽用手摺り。
【請求項2】
浴槽の側壁へ取り付けられる、水平部と垂直部を備えた略L字型の固定フレームと、
第1の連結手段を介して、前記固定フレームへ前進および後退可能に取り付けられた第1の押圧具と、
前記第1の押圧具へ前後移動可能に取り付けられた第1の押圧板と、
前記固定フレームの水平部へスライド可能に取り付けられた、水平部分と垂直部分を備えた略L字型の可動フレームと、そして
前記第1の押圧板と対向するように配置され、且つ前記可動フレームへ取り付けられた第2の押圧板を備え、さらに
前記第1の押圧具と前記第1の押圧板の間には、前記第1の押圧板を前記第1の押圧具から離間させる方向へ付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする浴槽用手摺り。
【請求項3】
前記第2の押圧板は、第2の連結手段を介して前記可動フレームへ取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の浴槽用手摺り。
【請求項4】
浴槽の側壁へ取り付けられる、水平部と垂直部を備えた略L字型の固定フレームと、
前記固定フレームの水平部へスライド可能に取り付けられた、水平部分と垂直部分を備えた略L字型の可動フレームと、
第2の連結手段を介して、前記可動フレームへ取り付けられた第2の押圧具と、
前記第2の押圧具へ前後移動可能に取り付けられた第2の押圧板と、そして
前記第2の押圧板と対向するように配置され、且つ前記固定フレームへ取り付けられた第1の押圧板を備え、さらに
前記第2の押圧具と前記第2の押圧板の間には、前記第2の押圧板を前記第2の押圧具から離間させる方向へ付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする浴槽用手摺り。
【請求項5】
前記第1の押圧板は、第1の連結手段を介して前記固定フレームへ取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の浴槽用手摺り。
【請求項6】
前記固定フレームへ取り付けられた押圧板又は前記第1の押圧板は、少なくとも2つ以上の分割した押圧板から構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の浴槽用手摺り。
【請求項7】
前記可動フレームへ取り付けられた押圧板又は前記第2の押圧板は、少なくとも2つ以上の分割した押圧板から構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の浴槽用手摺り。
【請求項8】
前記付勢手段は、弾性体と、前記弾性体を保持するために前記押圧具又は前記押圧板に設けられた弾性体保持手段と、そして前記押圧具と前記押圧板との離間を規制するための規制手段を含んでいることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の浴槽用手摺り。
【請求項9】
前記規制手段は、前記押圧具に設けられた貫通孔と、前記貫通孔の中をスライド可能に配置される胴部と前記貫通孔より大きな直径を有する頭部を備え、且つ前記押圧板に固定されるピンを含んでいることを特徴とする請求項8に記載の浴槽用手摺り。
【請求項10】
前記弾性体は、前記押圧板の中心から放射方向に相互に所定の間隔を開けて少なくとも4つ以上配置されていることを特徴とする請求項8に記載の浴槽用手摺り。
【請求項11】
前記第1の連結手段は、前記垂直部に設けられた雌ネジ孔と、前記雌ネジ孔と螺合する雄ネジが切られたネジ切り棒であって、一の端部は前記第1の押圧具と連結されており、他の端部は前記ネジ切り棒を回転させることによってそれを螺進退させるハンドルノブと連結されているネジ切り棒を含んでいることを特徴とする請求項2又は5に記載の浴槽用手摺り。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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