説明

浴用洗浄具

【課題】手で掴みやすい形状に簡単に変形することができ、背中以外の部分についても洗浄しやすい浴用洗浄具を提供すること。
【解決手段】柔軟性を有する帯状のタオル部と、このタオル部の長さ方向ほぼ中央部に配置される多孔質弾性体からなる垢すり部とを備えており、垢すり部を、筒状体の一部を長さ方向に開口させてなる断面略C字形に形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴用洗浄具に関するものであり、特に、背中の窪みの汚れを落とすための浴用洗浄具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の浴用洗浄具としては、例えば、帯状のタオル部の長さ方向ほぼ中心部に垢すり部を設けて、タオル部の長さ方向両端部を持って、垢すり部を背中の窪みに当接させて背中の窪みの汚れをこすり落とすようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この浴用洗浄具は、背中以外の部分、例えば、手、足、胸部などを洗うときには、垢すり部にタオル部を巻きつけて一まとめにするだけなので、洗浄中にタオル部が垢すり部に対してズレやすく、片手でしっかりと掴みにくいという問題がある。
そこで、帯状のタオル部に一対の止着部を設けて、タオル部の両端部を垢すり部に向かって数回折り畳んで止着部同士を止着することにより、垢すり部とタオル部との間に手を挿入する隙間を形成し、垢すり部とタオル部との間に手を挿入して、背中以外の部分を洗うようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
しかしながら、上記の浴用洗浄具は、製造時において、タオル部に一対の止着部を設ける工程が必要であり、製品コストが高くなってしまう上、使用時において、タオル部を折り畳んで止着部同士を止着する作業が面倒である。
【特許文献1】特開2003−24237号公報
【特許文献2】特開2006−333877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、背中の窪み部分を洗浄できることは勿論のこと、手で掴みやすい形状に簡単に変形することができ、背中以外の部分についても洗浄しやすい浴用洗浄具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、柔軟性を有する帯状のタオル部と、このタオル部の長さ方向ほぼ中央部に配置される多孔質弾性体からなる垢すり部とを備えており、垢すり部が、筒状体の一部を長さ方向に開口させてなる断面略C字形に形成されていることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、垢すり部が、乾燥させたヘチマで構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明は、柔軟性を有する帯状のタオル部と、このタオル部の長さ方向ほぼ中央部に配置される多孔質弾性体からなる垢すり部とを備えており、垢すり部が、筒状体の一部を長さ方向に開口させてなる断面略C字形に形成されているので、タオル部の露出部分を垢すり部の内部空間に収納するという簡単な作業により、タオル部を垢すり部に一体化させることができる。その結果、背中以外の部分を洗浄するときに、タオル部の露出部分が手や身体にまとわりつくことがなく、簡単かつ快適に身体を洗うことができる。また、本発明の浴用洗浄具は、構造が簡単で製造しやすいという利点もある。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、垢すり部が乾燥させたヘチマで構成されているので、天然繊維による適度な刺激と弾力性があり、爽快な洗浄感が得られる。また、垢すり部に植物を利用したことにより、有害な廃棄物を抑制でき、環境にやさしいという利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明にかかる浴用洗浄具の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の浴用洗浄具1は、図1に示すように、帯状のタオル部2と、タオル部2の長さ方向両端部に設けられる持ち手3,3と、タオル部2の長さ方向ほぼ中央部に配置される垢すり部4とから構成されている。
タオル部2は、長尺の綿ガーゼを幅方向に三つ折りして形成されている。
持ち手3,3は、タオル部2の長さ方向端部をタオル部2の長さ方向に複数回折り畳んで縫着した後、折り畳み部分をタオル部2の幅方向に丸めて縫着することにより形成されている。
垢すり部4は、乾燥させたヘチマを所定の長さに切断して筒状に形成した後、筒側面の一部を長さ方向に開口させて内部をくり抜いたもので、側面に開口部5を有する断面略C字形に形成されている。
そして、浴用洗浄具1は、タオル部2を垢すり部4の開口部5から垢すり部4の内部に挿入した後、タオル部2の長さ方向中央部分を垢すり部4の開口部5に対向する位置に配置して、タオル部2を垢すり部4の内面に縫着することにより形成されている。
【0010】
次に、本実施形態の浴用洗浄具1の使用方法について説明する。
まず、背中を洗う場合には、浴用洗浄具1に湯水をよく含ませた後、石鹸をつけ、持ち手3を持って、背中に垢すり部4を当接させて使用する。
次に、背中以外の部位、例えば、腕や足、腹部などを洗う場合には、図2(a)(b)に示すように、タオル部2の露出部分を垢すり部4の内部空間に収納した後、図3に示すように、垢すり部4を片手で握って、洗浄部位に垢すり部4を当接させて使用する。
なお、皮膚の弱い人が使用する場合や、顔面など、皮膚の薄い部位を洗う場合には、タオル部2の露出部分を垢すり部4の外周面に巻きつけて、洗浄部位にタオル部2を当接させて使用してもよい。
【0011】
以上詳述したように、本実施形態の浴用洗浄具1によれば、垢すり部4が、側面に開口部5を有する断面略C字形に形成されているので、タオル部2の露出部分を垢すり部4の内部空間に収納するという簡単な作業をするだけで、タオル部2を垢すり部4に一体化させることができる。したがって、背中以外の部位を洗うときに、タオル部2の露出部分が、手や身体にまとわりつくことがなく、簡単かつ快適に身体を洗うことができる。
また、タオル部2の露出部分を垢すり部4の外周面に巻きつけることにより、洗浄部位にタオル部2を当接させることができるので、垢すり部4による皮膚刺激を緩和でき、皮膚の弱い人や、皮膚の薄い部位を洗う場合でも好適に使用できる。
また、垢すり部4は、乾燥させたヘチマからなるので、天然繊維による適度な刺激と弾力性があり、爽快な洗浄感が得られる。また、天然の植物を利用することにより、有害な廃棄物を抑制でき、環境にやさしいという利点もある。
【0012】
次に、本発明にかかる別の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一構成部分については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
本実施形態の浴用洗浄具1bは、図4に示すように、垢すり部4bが、合成樹脂製の連続発泡体からなり、略円筒体の側面の一部を長さ方向に開口させてなる断面略C字状に形成されている。垢すり部4bの開口部5を臨む開口端部41,42には、開口端部41と開口端部42とを着脱可能に連結する係止部6,7が設けられている。係止部6,7は、雄型雌型の面テープで構成されており、開口端部41,42の長さ方向略中央部に設けられている。
また、タオル部2における持ち手3,3側の両端部に、タオル部2の長さ方向に開口する切り込み8が設けられている。切り込み8は、持ち手3,3の根元部分からタオル部2の長さ方向中央側に、手を挿通可能な大きさに開口している。
【0013】
本実施形態の浴用洗浄具1bによれば、係止部6,7が、垢すり部4の開口端部41,42に設けられているので、タオル部2を垢すり部4の内部空間に出し入れするとき以外は、係止部6,7を係止しておくことにより、垢すり部4の筒形状を保持することができる。そのため、握りやすく使用しやすい上、開口部5が開いてしまって垢すり部4が偏平状に変形してしまうのを効果的に防止できる。
なお、係止部6,7は、雄型雌型の面テープに限られず、開口端部41を開口端部42に連結して垢すり部4を略円筒状に保持できればよく、例えば、ボタンとボタンループであってもよい。
また、タオル部2の長さ方向両端部に切り込み8が設けられているので、切り込み8に手を通して、タオル部2を手指または手首に係止させた状態で、背中をこすり洗いすることができる。したがって、手指の握り動作がしにくく、持ち手3,3を握ることが困難な人でも、簡単かつ快適に背中を洗うことができる。また、タオル部2の長さ方向両端部に持ち手3が縫着されているため、背中をこすり洗いするときに、引張力のかかりやすい持ち手3側に力がかかって切り込み8が破れてしまうのを効果的に防止できる。
【0014】
なお、本発明の浴用洗浄具は、上記実施形態に限られない。例えば、垢すり部は、筒状体の一部を長さ方向に開口させてなる断面略C字形に形成されていればよく、筒状体の形状としては、略円筒体に限られず略角筒体であっても構わない。
また、垢すり部の身体当接面には、洗浄力や爽快感を高めるために、凹凸が設けられていても構わない。
また、タオル部2は、綿ガーゼに限られず、天竺木綿等の他の織物であってもよいし、編地であってもよい。また、タオル部2の材質は、綿に限られず、例えば、絹や麻などの他の天然繊維であってもよいし、合成繊維であってもよい。
さらに、タオル部2と垢すり部4との結着方法は、縫着に限られず、接着剤などによる接着であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にかかる浴用洗浄具の一実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】(a)浴用洗浄具1aのタオル部2の露出部分を垢すり部4aの内部空間に収納する様子を示す説明図である。(b)浴用洗浄具1aのタオル部2の露出部分を垢すり部4aの内部空間に収納した状態を示す説明図である。
【図3】タオル部2の露出部分を垢すり部4aの内部空間に収納した浴用洗浄具1aの使用状態を示す説明図である。
【図4】本発明にかかる浴用洗浄具の別の実施形態を示す外観斜視図である。
【図5】図4に示す浴用洗浄具1bの一部を拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
【0016】
1a 浴用洗浄具
1b 浴用洗浄具
2 タオル部
4a 垢すり部
4b 垢すり部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有する帯状のタオル部と、このタオル部の長さ方向ほぼ中央部に配置される多孔質弾性体からなる垢すり部とを備えており、
垢すり部が、筒状体の一部を長さ方向に開口させてなる断面略C字形に形成されていることを特徴とする浴用洗浄具。
【請求項2】
垢すり部が、乾燥させたヘチマで構成されていることを特徴とする請求項1記載の浴用洗浄具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−119234(P2009−119234A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59234(P2008−59234)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(597161182)
【Fターム(参考)】