液体分注装置
【課題】分注ノズルの先端部に液ダレ防止用の空気層を生成することなく液ダレを抑制し、容器中の気泡の発生を抑制でき、かつ、分注ノズルの移動中においても、分注ノズルからの液ダレを抑制可能な液体分注装置を実現する。
【解決手段】分割時間経過判断部401はタイマ404を起動しメモリ405に記憶された分割時間(断続的に動作させる時間間隔が経過するのを待つ(ステップ553)。分割時間の経過を待っている間に液ダレ防止処理の実行フラグをオフとすることもあるので液ダレ防止シーケンスを中断するか否かの判断を実施する(ステップ556)。ステップ553において、分割時間が経過したことを分割時間経過判断部401が判断した場合、分注ノズル100に負圧を与えるために、液ダレ防止動作制御部402はポンプモータを1パルスだけ駆動する(ステップ554)。
【解決手段】分割時間経過判断部401はタイマ404を起動しメモリ405に記憶された分割時間(断続的に動作させる時間間隔が経過するのを待つ(ステップ553)。分割時間の経過を待っている間に液ダレ防止処理の実行フラグをオフとすることもあるので液ダレ防止シーケンスを中断するか否かの判断を実施する(ステップ556)。ステップ553において、分割時間が経過したことを分割時間経過判断部401が判断した場合、分注ノズル100に負圧を与えるために、液ダレ防止動作制御部402はポンプモータを1パルスだけ駆動する(ステップ554)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査のために採取した血液や尿などの検体や試薬を分注する液体分注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体分注装置の一例として、自動分液装置等により分析して検査するために、被検体から採取した血液や尿を、別の容器に分注する検体分注装置が知られている。
【0003】
この検体分注装置は、病院や検査機関の検査室内に設置され、様々な分析装置で分析するために親検体容器から子検体容器に分注する装置である。親検体容器には、検査のために被検体から採取した血液や尿が収容される。
【0004】
現在の検体分注装置では、検体吸引完了から検体吐出開始までの分注機構が動作している間に液ダレを防止している。つまり、親検体容器から検体吸引完了後に分注ノズル内に予め設定された負圧をかけることにより、液ダレを防止している。
【0005】
特許文献1に記載されているように、上記負圧をかけることで、分注ノズルの先端部に空気層が生成されることがある。この空気層があることで、装置の使用条件や検体の状態により、まれに子検容器に検体を吐出するときに子検体容器の中に気泡が出来ることがある。この気泡は、子検体容器の搬送中に消滅あるいは、表面張力により、子検体容器の側面に付着する。
【0006】
一方、分析装置では、分析時に子検体容器から分注する場合は、子検体容器の中央部から吸引するため、容器の側面に付着している気泡は問題にならない。
【0007】
また、気泡対策として、特許文献2に記載されているのような対策がある。これは、リアルタイムに圧力信号を検出し、液ダレ防止吸引処理を行うか否かを判断して、液ダレ防止を行う必要があると判断した場合には、吸引処理を行う方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−273218号公報
【特許文献2】特開2005−300236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、今般、自動分析装置では、患者の負担を軽減するために、分析に必要な検体量の少量化を図っている。子検体の検体量が少量となることにより、分析を実施するまでの子検体容器中の検体の蒸発の問題となる。このため、検体と空気との接触面を小さくするために、子検体容器の小型化が進むことが考えられる。
【0010】
子検体容器が小型化された場合、子検体容器の壁面に付着した気泡と子検体容器の中央部との距離が小さくなり、分析装置において、分注ノズルによる子検体容器からの検体吸引時には、その分注ノズルが気泡に接触する可能性が大きくなる。
【0011】
もし、分析装置の検体吸引時に分注ノズルが気泡に接触した場合、目標の検体量を吸引することが出来ず、分析結果に異常をきたす恐れがある。
【0012】
このため、検体分注装置では、気泡対策が今後必須となる。
【0013】
上記従来の技術のように、液ダレ防止のために、分注ノズルの先端部に空気層を生成する場合、この空気層があることで、分析装置の使用条件や検体の状態により、子検容器に検体を吐出するときに子検体容器の中に気泡が出来る可能性がある。
【0014】
そこで、特許文献2に記載された技術のように、分注ノズル内の圧力信号を処理して液ダレを防止するように構成すれば、分注ノズル先端部に空気層を形成することなく、液ダレを防止することが考えられる。
【0015】
しかし、分注ノズルは、例えば、親検体から検体を吸引後、子検体容器の設置位置まで移動する必要があり、移動による振動が生じ、この振動により、分注ノズル内に圧力変化が生じる。このため、分注ノズル内の液体の液ダレ防止を行う必要があるか否かの正確な判断が困難である。
【0016】
よって、特許文献2に記載の技術では、分注ノズルの停止中のみ液ダレ防止機能の正確な動作が可能であり、分注ノズルの移動中には、液ダレ防止機能の正確な動作は困難である。
【0017】
本発明の目的は、分注ノズルの先端部に液ダレ防止用の空気層を生成することなく液ダレを抑制して、容器中の気泡の発生を抑制でき、かつ、分注ノズルの移動中においても、分注ノズルからの液ダレを抑制可能な液体分注装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
【0019】
液体分注装置において、液体を吸引及び吐出するための分注ノズルと、上記分注ノズル内の圧力を変化させ、液体を上記分注ノズル内に吸引させ、吸引した液体を上記分注ノズルから吐出させる液体吸引吐出機構と、上記分注ノズルを、液体吸引位置から液体吐出位置まで移動させる分注ノズル移動機構と、上記液体吸引吐出機構の動作を制御し、上記分注ノズル内に液体を吸引させた後、一定時間間隔で上記分注ノズル内に負圧を発生させるコントローラとを備える。
【発明の効果】
【0020】
分注ノズルの先端部に液ダレ防止用の空気層を生成することなく液ダレを抑制して、容器中の気泡の発生を抑制でき、かつ、分注ノズルの移動中においても、分注ノズルからの液ダレを抑制可能な液体分注装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明が適用される自動分析装置の概略構成図である。
【図2】図1に示した自動分析装置の検体分注機構についての説明図である。
【図3】分注ノズルを移動させるための例を示す図である。
【図4】分注ノズルから液ダレが発生するまでの期間についての説明図である。
【図5】気泡発生のメカニズムの説明図である。
【図6】自動分析装置における検体分注装置の動作についての説明図である。
【図7】検体分注装置における分注ヘッドの例を示す図である。
【図8】初期設定値及び液ダレ計測時間を入力し、初期負圧量及びパルス動作間隔を表示する表示画面例を示す図である。
【図9】コントローラの内部機能ブロック図である。
【図10】検体の分注を行うための分注制御シーケンスの動作フローチャートを示す図である。
【図11】液ダレを防止するための液ダレ防止シーケンスの動作フローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明が適用される自動分析装置の概略構成図である。
【0024】
図1において、自動分析装置800は、複数の検体容器(親検体容器)115が配置された検体ラック104を搬送する検体ラック搬送機構110と、複数の子検体容器又は反応容器122が配置される子検体ディスク又は反応ディスク102と、反応容器122に収容された検体を分析するための分光検出器140と、試薬容器112が配置された試薬容器ラック111を有する試薬ディスク101とを備える。
【0025】
検体ラック104に配置された検体容器115のうち、分注位置120に位置する検体容器115は、検体分注機構(ノズル移動機構)108の検知分注ノズルにより吸引され、子検体容器122に吐出される。
【0026】
試薬ディスク101の試薬容器ラック111内に配置された試薬容器112に収容された試薬は、試薬分注機構105により吸引され、反応ディスク102に配置された反応容器122内に吐出される。分注機構109は、必要に応じて試薬を反応容器122内に吐出するための機構である。
【0027】
図2は、図1に示した自動分析装置800の検体分注機構101についての説明図である。ただし、図1においては、図示を省略している構成要素も図2においては、示している。
【0028】
図2において、検体分注機構101の分注ノズル100は、吸引吐出ポンプ300に接続されており、この吸引吐出ポンプ300により、分注ノズル100の検体吸引吐出動作が行われる。
【0029】
分注ノズル100内の圧力は、圧力センサ200により検出され、検出された圧力値がコントローラ400に供給される。コントローラ400は、圧力センサ200から供給された圧力値に基づいて、吸引吐出ポンプ300の動作を制御する。
【0030】
コントローラ400は、検体分注機構(ノズル移動機構)108の動作及びディスプレイ600の動作を制御する。また、コントローラ400は、ディスプレイ600に入力され表示された指令値に従って、吸引吐出ポンプ300の動作を制御する。
【0031】
図3は、分注ノズル100を移動させるための例を示す図であり、図1に示した例とは異なる例を示す図である。この図3に示した例でも本発明は適用可能である。なお、ホストCPU1、搬送制御CPU2、分注制御CPU3は、図2に示したコントローラ400内に備えられるように構成できる。
【0032】
図3において、ホストCPU1は、自動分析装置800の全体動作を制御するCPUである。このホストCPU1は、搬送路制御CPU2の指令を送る。そして、搬送路制御CPU2により、搬送路である検体ラック搬送機構110の動作が制御される。
【0033】
また、分注制御CPU3は、分注機構ドライバ4に指令信号を供給する。分注機構ドライバ4は、ノズル100を有する分注ヘッド201をXYZの3軸方向に移動させるXYZ移動機構700の動作を制御し、検体容器203に収容された検体204をノズル100内に吸引させる。
【0034】
また、分注機構ドライバ4は、ノズル100内に収容した検体を子検体容器等の吐出させる。分注ヘッド201とXYZ移動機構700とにより、分注機構部5が構成される。
【0035】
次に、図6を参照して、自動分析装置800における検体分注装置の動作について説明する。
【0036】
図6において、検体分注装置は、患者から採取した血液や尿などを入れた親試験管(親検体容器115)から分注ノズル100への検体の吸引動作期間270に検体の吸引(負圧251が大となり、正圧252がほぼ0)を行う。分注ノズル100への検体吸引動作完了後に、液ダレを防ぐために分注ノズル100に対して負圧追加期間271に負圧追加を実施する。その後、検体を分析するための子検体容器122への検体吐出位置まで分注ノズル100を移動期間272に移動する。
【0037】
このとき、子検体容器122が準備できるまで時間を要する場合もある。次に、子検体容器122に親検体から吸引した検体を分注ノズル100から吐出動作期間273に、吐出動作(正圧252が大となり、負圧251がほぼ0)を実施する。
【0038】
次に、分注ノズル100に検体吸引後、この分注ノズル100から液ダレが発生するまでの期間について図4を用いて説明する。
【0039】
図4において、通常、分注ノズル100が検体を吸引した状態は、110で示すように、負圧が十分にあり、分注ノズル100の先端部に空気層がある。
【0040】
次に、時間の経過とともに、負圧250が徐々に下がり120で示すように分注ノズル100内の検体が先端部に落ちて空気層が無くなる。さらに、時間が経過すると、130で示すように、分注ノズル100の先端部から検体が飛び出して液球状態になり液ダレする。
【0041】
次に、気泡発生のメカニズムの一例を、図5を用いて説明する。
【0042】
図5において、はじめに、分注ノズル100に検体を吸引し、1010の状態となる。次に、分注ノズル100内を負圧にすることで、チップ先端部に空気層が生成され、1020の状態となる。
【0043】
ここで、装置の使用条件や検体の状態により空気層が存在する分注ノズル100の内壁に検体が付着する場合がある。この状態で時間が経過したとき、分注ノズル100の内壁に付着した検体が、分注ノズル100の先端部に移動し、この先端部を検体で塞いだ状態1030になる。
【0044】
次に、分注ノズル100から子検体容器に検体を吐出開始すると、シャボン玉のように気泡が発生し、1040の状態となる。そして、子検体容器に吐出完了後には、その気泡が割れずに、子検体容器の液体内に残った状態1050になる場合がある。
【0045】
次に、本発明の実施例の動作について説明する。まず、初めに、負圧量を自動的に求めるために、コントローラ400は、吸引吐出ポンプ300を制御して、分注ノズル100に検体を吸引させる。その後、コントローラ400は、図4に示すように、初期設定値の負圧圧力を分注ノズル100にかけてから圧力センサ200により分注ノズル100内の圧力センサ値250を逐次監視し、圧力センサ値が大きく変化する変化領域260をまでの時間170を計測する。
【0046】
この計測された時間170を検体保持可能時間とし、この検体保持可能時間170を、検体分注装置に必要な液ダレ防止時間175と比較する。そして、必要な負圧量を求める。
【0047】
例えば、図7に示すような、分注ヘッドを使用している場合、パルスモータ154を動作させることで、ベローズ155が伸縮してポンプの役割をする。ベローズ155の内部は空気通路161を介して分注チップ(分注ノズル)151と連通している。
【0048】
この場合、分注チップ(分注ノズル)151内の負圧量の単位は、パルスモータ154を動作させるための最小制御単位のパルスに置き換えることができる。なお、符号156は圧力センサであり、符号158は制御部を示す。
【0049】
仮に、初期設定値の負圧量はパルスモータ154への制御パルスが16パルスとし、また、分注装置に必要な液ダレ防止時間が70秒であった場合で、計測した実際の液ダレまでの時間が280秒であったとき、自動で求められる負圧量は、初期設定負圧量/(計測した時間/分注装置に必要な液ダレ防止時)、つまり、16/(280/70)となり、4パルスと求められる。
【0050】
次に、本発明の実施例において、分注ノズルからの液ダレを防止するための負圧を発生させるために、断続的にパルスモータ154を動作させる時間間隔は、液ダレ防止時間/自動で求められた負圧量に対応するパルス数、すなわち、70秒/4パルスとなり、ここでは、17.5秒間隔となる。この時間間隔で、パルスモータ154を1パルス駆動して負圧をかけることとすれば、分注チップ(分注ノズル)154の先端からの液ダレを防止することが可能となる。
【0051】
図8は、上述した初期設定値及び液ダレ計測時間を入力し、初期負圧量及びパルス動作間隔を表示する表示画面(ディスプイレイ)600の一例を示す図面である。この表示画面600の入力は、キーボードやマウスを使用してもよいし、表示画面600をタッチパネルとし、情報を入力可能と構成することもできる。
【0052】
図9は、コントローラ400の内部機能ブロック図である。
【0053】
図9において、コントローラ400は、分割時間経過判断部401と、タイマ404と、分割時間メモリ405と、液ダレ防止動作制御部402と、ノズル移動制御部403とを備えている。
【0054】
次に、コントローラ400が実行する制御シーケンスの例を説明する。
【0055】
図10は、検体の分注を行うための分注制御シーケンスの動作フローチャートを示す図であり、図11は、液ダレを防止するための液ダレ防止シーケンスの動作フローチャートを示す図である。
【0056】
図10において、分注制御シーケンスは、親検体が装置に到着した場合に動作を始め(ステップ500)、最初に分注チップの取得を行う(ステップ501)。次に、親検体から吸引するために、ノズル移動制御部403がノズル移動機構108に指令信号を送り、親検体容器115の吸引位置120まで分注ノズル100を移動する(ステップ502)。
【0057】
そして、液ダレ防止制御部402からポンプモータ154への指令信号に従って、親検体から分注ノズル100への吸引動作を実施する(ステップ503)。その後、設定部600により液ダレ防止の実行が指定されていれば、液ダレ防止動作制御部402は液ダレ防止処理の実行フラグをオンとし(ステップ504)し、ノズル移動制御部403の指令によりノズル移動機構108が子検体容器122への吐出位置までの移動を実施する(ステップ505)。
【0058】
その後、子検体容器122への吐出準備が整えば、液ダレ防止動作制御部402は液ダレ防止処理の実行フラグをオフとし(ステップ506)、ポンプモータ154を動作させて、子検体容器122への吐出処理を実施する(ステップ507)。そして、最後に使用済みの分注チップを廃棄する(ステップ508)。
【0059】
一方、図11において、液ダレ防止シーケンスは、常時動作しており、液ダレ防止動作制御部402は、設定部600からの指令に従って、液ダレ防止処理の実行フラグをオンとするのを待つ(ステップ551)。設定部600からの指令に従って、液ダレ防止処理の実行フラグをオンとした場合、分割時間経過判断部401は、タイマ404を起動し、分割時間メモリ405に記憶された分割時間(断続的に動作させる時間間隔(17.5秒))が経過するのを待つ(ステップ553)。
【0060】
分割時間の経過を待っている間に、設定600からの指令により、液ダレ防止処理の実行フラグをオフとすることもあるので、液ダレ防止シーケンスを中断するか否かの判断を実施する(ステップ556)。
【0061】
液ダレ防止処理の実行フラグをオフとする場合は、ステップ556からステップ555に進み、タイマ404の動作をストップし、ステップ551に戻る。
【0062】
ステップ553において、分割時間が経過したことを分割時間経過判断部401が判断した場合、つまり、タイマ404の値が断続的に動作させる時間間隔を経過した場合、分注ノズル100に負圧を与えるために、液ダレ防止動作制御部402はポンプモータ154を1パルスだけ駆動する(ステップ554)。そして、ステップ555において、タイマ404をリセットして最初の処理であるステップ551に戻る。
【0063】
以上の動作を実施することで、分注ノズル先端部に空気層を生成することなく、かつ、分注ノズル100の移動動作中に内部圧力の検知をする必要なく、分注ノズル100からの液ダレを防止しながら、子検体容器内の気泡発生を抑制することができる。
【0064】
なお、上述した例は、本発明を検体の分注を行う自動分析装置に適用した場合の例であるが、試薬の分注にも適用可能である。試薬の分注に適用する場合は、試薬分注ノズルにより試薬容器から、反応容器への分注において、本発明が適用される。試薬分注ノズルは図7に示した構成と同様なものを使用可能である。
【0065】
また、本発明は、検体の前処理装置にも適用可能である。この前処理装置の構成は、図1に示した構成と同様となる、ただし、前処理装置の場合は、分光検出器140は省略される。
【0066】
また、初期設定値(液ダレ防止時間、初期設定負圧量)、液ダレ計測時間等の設定は、自動分析装置の製造後、使用箇所への設置後に行うが、設置環境の変化時にも、再設定してもよい。
【0067】
また、上記実施例においては、液ダレ防止期間より短い17.5秒間隔で、1パルスだけ、パルスモータ154を駆動して負圧を発生するように構成したが、例えば、液ダレ防止期間の半分の期間である35秒間隔で、2パルス分だけパルスモータ154を駆動して負圧を発生するように構成することもできる。また、液ダレ防止期間の3分の2の期間である52.5秒間隔で、3パルス分だけパルスモータ154を駆動して負圧を発生するように構成することもできる。
【符号の説明】
【0068】
1・・・ホストCPU、 2・・・搬送経路制御CPU、 3・・・分注制御CPU、 4・・・機構ドライバ、 5・・・XYZ移動機構、 100・・・分注ノズル、 101・・・試薬ディスク、 102・・・反応ディスク、104・・・検体ラック、 105・・・試薬分注機構、 108・・・検体分注機構(ノズル移動機構)、 109・・・分注機構、 110・・・検体ラック搬送機構、 111・・・試薬容器ラック、 112・・・試薬容器、 115・・・検体容器、 122・・・反応容器、 140・・・分光検出器、 151・・・分注チップ、 154・・・パルスモータ(ポンプモータ)、 155・・・ベローズ、 156・・・圧力センサ、 158・・・制御部、 161・・・空気通路、 200・・・圧力センサ、 300・・・吸引吐出ポンプ、 400・・・コントローラ、 401・・・分割時間経過判断部、 402・・・液ダレ防止動作制御部、 403・・・ノズル移動制御部、 404・・・タイマ、 405・・・分割時間メモリ、 600・・・ディスプレイ、 700・・・XYZ移動機構、 800・・・自動分析装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査のために採取した血液や尿などの検体や試薬を分注する液体分注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体分注装置の一例として、自動分液装置等により分析して検査するために、被検体から採取した血液や尿を、別の容器に分注する検体分注装置が知られている。
【0003】
この検体分注装置は、病院や検査機関の検査室内に設置され、様々な分析装置で分析するために親検体容器から子検体容器に分注する装置である。親検体容器には、検査のために被検体から採取した血液や尿が収容される。
【0004】
現在の検体分注装置では、検体吸引完了から検体吐出開始までの分注機構が動作している間に液ダレを防止している。つまり、親検体容器から検体吸引完了後に分注ノズル内に予め設定された負圧をかけることにより、液ダレを防止している。
【0005】
特許文献1に記載されているように、上記負圧をかけることで、分注ノズルの先端部に空気層が生成されることがある。この空気層があることで、装置の使用条件や検体の状態により、まれに子検容器に検体を吐出するときに子検体容器の中に気泡が出来ることがある。この気泡は、子検体容器の搬送中に消滅あるいは、表面張力により、子検体容器の側面に付着する。
【0006】
一方、分析装置では、分析時に子検体容器から分注する場合は、子検体容器の中央部から吸引するため、容器の側面に付着している気泡は問題にならない。
【0007】
また、気泡対策として、特許文献2に記載されているのような対策がある。これは、リアルタイムに圧力信号を検出し、液ダレ防止吸引処理を行うか否かを判断して、液ダレ防止を行う必要があると判断した場合には、吸引処理を行う方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−273218号公報
【特許文献2】特開2005−300236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、今般、自動分析装置では、患者の負担を軽減するために、分析に必要な検体量の少量化を図っている。子検体の検体量が少量となることにより、分析を実施するまでの子検体容器中の検体の蒸発の問題となる。このため、検体と空気との接触面を小さくするために、子検体容器の小型化が進むことが考えられる。
【0010】
子検体容器が小型化された場合、子検体容器の壁面に付着した気泡と子検体容器の中央部との距離が小さくなり、分析装置において、分注ノズルによる子検体容器からの検体吸引時には、その分注ノズルが気泡に接触する可能性が大きくなる。
【0011】
もし、分析装置の検体吸引時に分注ノズルが気泡に接触した場合、目標の検体量を吸引することが出来ず、分析結果に異常をきたす恐れがある。
【0012】
このため、検体分注装置では、気泡対策が今後必須となる。
【0013】
上記従来の技術のように、液ダレ防止のために、分注ノズルの先端部に空気層を生成する場合、この空気層があることで、分析装置の使用条件や検体の状態により、子検容器に検体を吐出するときに子検体容器の中に気泡が出来る可能性がある。
【0014】
そこで、特許文献2に記載された技術のように、分注ノズル内の圧力信号を処理して液ダレを防止するように構成すれば、分注ノズル先端部に空気層を形成することなく、液ダレを防止することが考えられる。
【0015】
しかし、分注ノズルは、例えば、親検体から検体を吸引後、子検体容器の設置位置まで移動する必要があり、移動による振動が生じ、この振動により、分注ノズル内に圧力変化が生じる。このため、分注ノズル内の液体の液ダレ防止を行う必要があるか否かの正確な判断が困難である。
【0016】
よって、特許文献2に記載の技術では、分注ノズルの停止中のみ液ダレ防止機能の正確な動作が可能であり、分注ノズルの移動中には、液ダレ防止機能の正確な動作は困難である。
【0017】
本発明の目的は、分注ノズルの先端部に液ダレ防止用の空気層を生成することなく液ダレを抑制して、容器中の気泡の発生を抑制でき、かつ、分注ノズルの移動中においても、分注ノズルからの液ダレを抑制可能な液体分注装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
【0019】
液体分注装置において、液体を吸引及び吐出するための分注ノズルと、上記分注ノズル内の圧力を変化させ、液体を上記分注ノズル内に吸引させ、吸引した液体を上記分注ノズルから吐出させる液体吸引吐出機構と、上記分注ノズルを、液体吸引位置から液体吐出位置まで移動させる分注ノズル移動機構と、上記液体吸引吐出機構の動作を制御し、上記分注ノズル内に液体を吸引させた後、一定時間間隔で上記分注ノズル内に負圧を発生させるコントローラとを備える。
【発明の効果】
【0020】
分注ノズルの先端部に液ダレ防止用の空気層を生成することなく液ダレを抑制して、容器中の気泡の発生を抑制でき、かつ、分注ノズルの移動中においても、分注ノズルからの液ダレを抑制可能な液体分注装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明が適用される自動分析装置の概略構成図である。
【図2】図1に示した自動分析装置の検体分注機構についての説明図である。
【図3】分注ノズルを移動させるための例を示す図である。
【図4】分注ノズルから液ダレが発生するまでの期間についての説明図である。
【図5】気泡発生のメカニズムの説明図である。
【図6】自動分析装置における検体分注装置の動作についての説明図である。
【図7】検体分注装置における分注ヘッドの例を示す図である。
【図8】初期設定値及び液ダレ計測時間を入力し、初期負圧量及びパルス動作間隔を表示する表示画面例を示す図である。
【図9】コントローラの内部機能ブロック図である。
【図10】検体の分注を行うための分注制御シーケンスの動作フローチャートを示す図である。
【図11】液ダレを防止するための液ダレ防止シーケンスの動作フローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明が適用される自動分析装置の概略構成図である。
【0024】
図1において、自動分析装置800は、複数の検体容器(親検体容器)115が配置された検体ラック104を搬送する検体ラック搬送機構110と、複数の子検体容器又は反応容器122が配置される子検体ディスク又は反応ディスク102と、反応容器122に収容された検体を分析するための分光検出器140と、試薬容器112が配置された試薬容器ラック111を有する試薬ディスク101とを備える。
【0025】
検体ラック104に配置された検体容器115のうち、分注位置120に位置する検体容器115は、検体分注機構(ノズル移動機構)108の検知分注ノズルにより吸引され、子検体容器122に吐出される。
【0026】
試薬ディスク101の試薬容器ラック111内に配置された試薬容器112に収容された試薬は、試薬分注機構105により吸引され、反応ディスク102に配置された反応容器122内に吐出される。分注機構109は、必要に応じて試薬を反応容器122内に吐出するための機構である。
【0027】
図2は、図1に示した自動分析装置800の検体分注機構101についての説明図である。ただし、図1においては、図示を省略している構成要素も図2においては、示している。
【0028】
図2において、検体分注機構101の分注ノズル100は、吸引吐出ポンプ300に接続されており、この吸引吐出ポンプ300により、分注ノズル100の検体吸引吐出動作が行われる。
【0029】
分注ノズル100内の圧力は、圧力センサ200により検出され、検出された圧力値がコントローラ400に供給される。コントローラ400は、圧力センサ200から供給された圧力値に基づいて、吸引吐出ポンプ300の動作を制御する。
【0030】
コントローラ400は、検体分注機構(ノズル移動機構)108の動作及びディスプレイ600の動作を制御する。また、コントローラ400は、ディスプレイ600に入力され表示された指令値に従って、吸引吐出ポンプ300の動作を制御する。
【0031】
図3は、分注ノズル100を移動させるための例を示す図であり、図1に示した例とは異なる例を示す図である。この図3に示した例でも本発明は適用可能である。なお、ホストCPU1、搬送制御CPU2、分注制御CPU3は、図2に示したコントローラ400内に備えられるように構成できる。
【0032】
図3において、ホストCPU1は、自動分析装置800の全体動作を制御するCPUである。このホストCPU1は、搬送路制御CPU2の指令を送る。そして、搬送路制御CPU2により、搬送路である検体ラック搬送機構110の動作が制御される。
【0033】
また、分注制御CPU3は、分注機構ドライバ4に指令信号を供給する。分注機構ドライバ4は、ノズル100を有する分注ヘッド201をXYZの3軸方向に移動させるXYZ移動機構700の動作を制御し、検体容器203に収容された検体204をノズル100内に吸引させる。
【0034】
また、分注機構ドライバ4は、ノズル100内に収容した検体を子検体容器等の吐出させる。分注ヘッド201とXYZ移動機構700とにより、分注機構部5が構成される。
【0035】
次に、図6を参照して、自動分析装置800における検体分注装置の動作について説明する。
【0036】
図6において、検体分注装置は、患者から採取した血液や尿などを入れた親試験管(親検体容器115)から分注ノズル100への検体の吸引動作期間270に検体の吸引(負圧251が大となり、正圧252がほぼ0)を行う。分注ノズル100への検体吸引動作完了後に、液ダレを防ぐために分注ノズル100に対して負圧追加期間271に負圧追加を実施する。その後、検体を分析するための子検体容器122への検体吐出位置まで分注ノズル100を移動期間272に移動する。
【0037】
このとき、子検体容器122が準備できるまで時間を要する場合もある。次に、子検体容器122に親検体から吸引した検体を分注ノズル100から吐出動作期間273に、吐出動作(正圧252が大となり、負圧251がほぼ0)を実施する。
【0038】
次に、分注ノズル100に検体吸引後、この分注ノズル100から液ダレが発生するまでの期間について図4を用いて説明する。
【0039】
図4において、通常、分注ノズル100が検体を吸引した状態は、110で示すように、負圧が十分にあり、分注ノズル100の先端部に空気層がある。
【0040】
次に、時間の経過とともに、負圧250が徐々に下がり120で示すように分注ノズル100内の検体が先端部に落ちて空気層が無くなる。さらに、時間が経過すると、130で示すように、分注ノズル100の先端部から検体が飛び出して液球状態になり液ダレする。
【0041】
次に、気泡発生のメカニズムの一例を、図5を用いて説明する。
【0042】
図5において、はじめに、分注ノズル100に検体を吸引し、1010の状態となる。次に、分注ノズル100内を負圧にすることで、チップ先端部に空気層が生成され、1020の状態となる。
【0043】
ここで、装置の使用条件や検体の状態により空気層が存在する分注ノズル100の内壁に検体が付着する場合がある。この状態で時間が経過したとき、分注ノズル100の内壁に付着した検体が、分注ノズル100の先端部に移動し、この先端部を検体で塞いだ状態1030になる。
【0044】
次に、分注ノズル100から子検体容器に検体を吐出開始すると、シャボン玉のように気泡が発生し、1040の状態となる。そして、子検体容器に吐出完了後には、その気泡が割れずに、子検体容器の液体内に残った状態1050になる場合がある。
【0045】
次に、本発明の実施例の動作について説明する。まず、初めに、負圧量を自動的に求めるために、コントローラ400は、吸引吐出ポンプ300を制御して、分注ノズル100に検体を吸引させる。その後、コントローラ400は、図4に示すように、初期設定値の負圧圧力を分注ノズル100にかけてから圧力センサ200により分注ノズル100内の圧力センサ値250を逐次監視し、圧力センサ値が大きく変化する変化領域260をまでの時間170を計測する。
【0046】
この計測された時間170を検体保持可能時間とし、この検体保持可能時間170を、検体分注装置に必要な液ダレ防止時間175と比較する。そして、必要な負圧量を求める。
【0047】
例えば、図7に示すような、分注ヘッドを使用している場合、パルスモータ154を動作させることで、ベローズ155が伸縮してポンプの役割をする。ベローズ155の内部は空気通路161を介して分注チップ(分注ノズル)151と連通している。
【0048】
この場合、分注チップ(分注ノズル)151内の負圧量の単位は、パルスモータ154を動作させるための最小制御単位のパルスに置き換えることができる。なお、符号156は圧力センサであり、符号158は制御部を示す。
【0049】
仮に、初期設定値の負圧量はパルスモータ154への制御パルスが16パルスとし、また、分注装置に必要な液ダレ防止時間が70秒であった場合で、計測した実際の液ダレまでの時間が280秒であったとき、自動で求められる負圧量は、初期設定負圧量/(計測した時間/分注装置に必要な液ダレ防止時)、つまり、16/(280/70)となり、4パルスと求められる。
【0050】
次に、本発明の実施例において、分注ノズルからの液ダレを防止するための負圧を発生させるために、断続的にパルスモータ154を動作させる時間間隔は、液ダレ防止時間/自動で求められた負圧量に対応するパルス数、すなわち、70秒/4パルスとなり、ここでは、17.5秒間隔となる。この時間間隔で、パルスモータ154を1パルス駆動して負圧をかけることとすれば、分注チップ(分注ノズル)154の先端からの液ダレを防止することが可能となる。
【0051】
図8は、上述した初期設定値及び液ダレ計測時間を入力し、初期負圧量及びパルス動作間隔を表示する表示画面(ディスプイレイ)600の一例を示す図面である。この表示画面600の入力は、キーボードやマウスを使用してもよいし、表示画面600をタッチパネルとし、情報を入力可能と構成することもできる。
【0052】
図9は、コントローラ400の内部機能ブロック図である。
【0053】
図9において、コントローラ400は、分割時間経過判断部401と、タイマ404と、分割時間メモリ405と、液ダレ防止動作制御部402と、ノズル移動制御部403とを備えている。
【0054】
次に、コントローラ400が実行する制御シーケンスの例を説明する。
【0055】
図10は、検体の分注を行うための分注制御シーケンスの動作フローチャートを示す図であり、図11は、液ダレを防止するための液ダレ防止シーケンスの動作フローチャートを示す図である。
【0056】
図10において、分注制御シーケンスは、親検体が装置に到着した場合に動作を始め(ステップ500)、最初に分注チップの取得を行う(ステップ501)。次に、親検体から吸引するために、ノズル移動制御部403がノズル移動機構108に指令信号を送り、親検体容器115の吸引位置120まで分注ノズル100を移動する(ステップ502)。
【0057】
そして、液ダレ防止制御部402からポンプモータ154への指令信号に従って、親検体から分注ノズル100への吸引動作を実施する(ステップ503)。その後、設定部600により液ダレ防止の実行が指定されていれば、液ダレ防止動作制御部402は液ダレ防止処理の実行フラグをオンとし(ステップ504)し、ノズル移動制御部403の指令によりノズル移動機構108が子検体容器122への吐出位置までの移動を実施する(ステップ505)。
【0058】
その後、子検体容器122への吐出準備が整えば、液ダレ防止動作制御部402は液ダレ防止処理の実行フラグをオフとし(ステップ506)、ポンプモータ154を動作させて、子検体容器122への吐出処理を実施する(ステップ507)。そして、最後に使用済みの分注チップを廃棄する(ステップ508)。
【0059】
一方、図11において、液ダレ防止シーケンスは、常時動作しており、液ダレ防止動作制御部402は、設定部600からの指令に従って、液ダレ防止処理の実行フラグをオンとするのを待つ(ステップ551)。設定部600からの指令に従って、液ダレ防止処理の実行フラグをオンとした場合、分割時間経過判断部401は、タイマ404を起動し、分割時間メモリ405に記憶された分割時間(断続的に動作させる時間間隔(17.5秒))が経過するのを待つ(ステップ553)。
【0060】
分割時間の経過を待っている間に、設定600からの指令により、液ダレ防止処理の実行フラグをオフとすることもあるので、液ダレ防止シーケンスを中断するか否かの判断を実施する(ステップ556)。
【0061】
液ダレ防止処理の実行フラグをオフとする場合は、ステップ556からステップ555に進み、タイマ404の動作をストップし、ステップ551に戻る。
【0062】
ステップ553において、分割時間が経過したことを分割時間経過判断部401が判断した場合、つまり、タイマ404の値が断続的に動作させる時間間隔を経過した場合、分注ノズル100に負圧を与えるために、液ダレ防止動作制御部402はポンプモータ154を1パルスだけ駆動する(ステップ554)。そして、ステップ555において、タイマ404をリセットして最初の処理であるステップ551に戻る。
【0063】
以上の動作を実施することで、分注ノズル先端部に空気層を生成することなく、かつ、分注ノズル100の移動動作中に内部圧力の検知をする必要なく、分注ノズル100からの液ダレを防止しながら、子検体容器内の気泡発生を抑制することができる。
【0064】
なお、上述した例は、本発明を検体の分注を行う自動分析装置に適用した場合の例であるが、試薬の分注にも適用可能である。試薬の分注に適用する場合は、試薬分注ノズルにより試薬容器から、反応容器への分注において、本発明が適用される。試薬分注ノズルは図7に示した構成と同様なものを使用可能である。
【0065】
また、本発明は、検体の前処理装置にも適用可能である。この前処理装置の構成は、図1に示した構成と同様となる、ただし、前処理装置の場合は、分光検出器140は省略される。
【0066】
また、初期設定値(液ダレ防止時間、初期設定負圧量)、液ダレ計測時間等の設定は、自動分析装置の製造後、使用箇所への設置後に行うが、設置環境の変化時にも、再設定してもよい。
【0067】
また、上記実施例においては、液ダレ防止期間より短い17.5秒間隔で、1パルスだけ、パルスモータ154を駆動して負圧を発生するように構成したが、例えば、液ダレ防止期間の半分の期間である35秒間隔で、2パルス分だけパルスモータ154を駆動して負圧を発生するように構成することもできる。また、液ダレ防止期間の3分の2の期間である52.5秒間隔で、3パルス分だけパルスモータ154を駆動して負圧を発生するように構成することもできる。
【符号の説明】
【0068】
1・・・ホストCPU、 2・・・搬送経路制御CPU、 3・・・分注制御CPU、 4・・・機構ドライバ、 5・・・XYZ移動機構、 100・・・分注ノズル、 101・・・試薬ディスク、 102・・・反応ディスク、104・・・検体ラック、 105・・・試薬分注機構、 108・・・検体分注機構(ノズル移動機構)、 109・・・分注機構、 110・・・検体ラック搬送機構、 111・・・試薬容器ラック、 112・・・試薬容器、 115・・・検体容器、 122・・・反応容器、 140・・・分光検出器、 151・・・分注チップ、 154・・・パルスモータ(ポンプモータ)、 155・・・ベローズ、 156・・・圧力センサ、 158・・・制御部、 161・・・空気通路、 200・・・圧力センサ、 300・・・吸引吐出ポンプ、 400・・・コントローラ、 401・・・分割時間経過判断部、 402・・・液ダレ防止動作制御部、 403・・・ノズル移動制御部、 404・・・タイマ、 405・・・分割時間メモリ、 600・・・ディスプレイ、 700・・・XYZ移動機構、 800・・・自動分析装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吸引及び吐出するための分注ノズルと、
上記分注ノズル内の圧力を変化させ、液体を上記分注ノズル内に吸引させ、吸引した液体を上記分注ノズルから吐出させる液体吸引吐出機構と、
上記分注ノズルを、液体吸引位置から液体吐出位置まで移動させる分注ノズル移動機構と、
上記液体吸引吐出機構の動作を制御し、上記分注ノズル内に液体を吸引させた後、一定時間間隔で上記分注ノズル内に負圧を発生させるコントローラと、
を備えることを特徴とする液体分注装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体分注装置において、
上記一定時間間隔は、上記分注ノズル内に液体を吸引後、この分注ノズルの先端から液ダレが発生する時間より短い時間であることを特徴とする液体分注装置。
【請求項3】
請求項1に記載の液体分注装置において、
上記液体吸引吐出機構は、上記分注ノズル内の圧力変化させるパルスモータを有し、上記コントローラは、上記一定間隔で上記パルスモータにパルス信号を供給して、上記分注ノズル内に負圧を発生させることを特徴とする液体分注装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液体分注装置において、
上記コントローラは、上記分注ノズルの先端から液ダレを発生させない液ダレ防止期間が設定され、上記分注ノズルの液体吸引時に上記コントローラから上記パルスモータに供給する初期パルス数は、上記液ダレ防止期間内に上記分注ノズルの先端から液ダレが発生しない負圧を発生させるためのパルス数であり、上記一定時間間隔で上記パルスモータに供給されるパルス数は、上記初期パルス数より少なく、かつ、上記一定時間間隔は、上記液ダレ防止期間より短い時間であることを特徴とする液体分注装置。
【請求項5】
親検体容器に収容された親検体を、子検体容器に分注する検体分注機構を有し、子検体容器に収容された検体を分析装置に供給する検体前処理装置において、
上記検体分注機構は、
液体である検体を吸引及び吐出するための検体分注ノズルと、
上記検体分注ノズル内の圧力を変化させ、検体を上記検体分注ノズル内に吸引させ、吸引した検体を上記分注ノズルから吐出させる検体吸引吐出機構と、
上記検体分注ノズルを、検体吸引位置から検体吐出位置まで移動させる検体分注ノズル移動機構と、
上記検体吸引吐出機構の動作を制御し、上記検体分注ノズル内に検体を吸引させた後、一定時間間隔で上記検体分注ノズル内に負圧を発生させるコントローラと、
を備えることを特徴とする検体前処理装置。
【請求項6】
試薬を収容する試薬容器が配置された試薬ディスクと、反応容器が配置された反応ディスクと、検体を収容する検体容器から検体を吸引し、上記反応ディスクに配置された反応容器内に上記検体を吐出する検体分注機構と、上記試薬を収容する試薬容器から試薬を吸引し、上記反応ディスクに配置された反応容器内に上記試薬を吐出する試薬分注機構と、上記反応ディスクに配置された反応容器内の検体を検出する分光検出器とを有する自動分析装置において、
上記検体分注機構は、
液体である検体を吸引及び吐出するための検体分注ノズルと、
上記検体分注ノズル内の圧力を変化させ、検体を上記検体分注ノズル内に吸引させ、吸引した検体を上記分注ノズルから吐出させる検体吸引吐出機構と、
上記検体分注ノズルを、検体吸引位置から検体吐出位置まで移動させる検体分注ノズル移動機構と、
上記検体吸引吐出機構の動作を制御し、上記検体分注ノズル内に検体を吸引させた後、一定時間間隔で上記検体分注ノズル内に負圧を発生させるコントローラと、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項1】
液体を吸引及び吐出するための分注ノズルと、
上記分注ノズル内の圧力を変化させ、液体を上記分注ノズル内に吸引させ、吸引した液体を上記分注ノズルから吐出させる液体吸引吐出機構と、
上記分注ノズルを、液体吸引位置から液体吐出位置まで移動させる分注ノズル移動機構と、
上記液体吸引吐出機構の動作を制御し、上記分注ノズル内に液体を吸引させた後、一定時間間隔で上記分注ノズル内に負圧を発生させるコントローラと、
を備えることを特徴とする液体分注装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体分注装置において、
上記一定時間間隔は、上記分注ノズル内に液体を吸引後、この分注ノズルの先端から液ダレが発生する時間より短い時間であることを特徴とする液体分注装置。
【請求項3】
請求項1に記載の液体分注装置において、
上記液体吸引吐出機構は、上記分注ノズル内の圧力変化させるパルスモータを有し、上記コントローラは、上記一定間隔で上記パルスモータにパルス信号を供給して、上記分注ノズル内に負圧を発生させることを特徴とする液体分注装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液体分注装置において、
上記コントローラは、上記分注ノズルの先端から液ダレを発生させない液ダレ防止期間が設定され、上記分注ノズルの液体吸引時に上記コントローラから上記パルスモータに供給する初期パルス数は、上記液ダレ防止期間内に上記分注ノズルの先端から液ダレが発生しない負圧を発生させるためのパルス数であり、上記一定時間間隔で上記パルスモータに供給されるパルス数は、上記初期パルス数より少なく、かつ、上記一定時間間隔は、上記液ダレ防止期間より短い時間であることを特徴とする液体分注装置。
【請求項5】
親検体容器に収容された親検体を、子検体容器に分注する検体分注機構を有し、子検体容器に収容された検体を分析装置に供給する検体前処理装置において、
上記検体分注機構は、
液体である検体を吸引及び吐出するための検体分注ノズルと、
上記検体分注ノズル内の圧力を変化させ、検体を上記検体分注ノズル内に吸引させ、吸引した検体を上記分注ノズルから吐出させる検体吸引吐出機構と、
上記検体分注ノズルを、検体吸引位置から検体吐出位置まで移動させる検体分注ノズル移動機構と、
上記検体吸引吐出機構の動作を制御し、上記検体分注ノズル内に検体を吸引させた後、一定時間間隔で上記検体分注ノズル内に負圧を発生させるコントローラと、
を備えることを特徴とする検体前処理装置。
【請求項6】
試薬を収容する試薬容器が配置された試薬ディスクと、反応容器が配置された反応ディスクと、検体を収容する検体容器から検体を吸引し、上記反応ディスクに配置された反応容器内に上記検体を吐出する検体分注機構と、上記試薬を収容する試薬容器から試薬を吸引し、上記反応ディスクに配置された反応容器内に上記試薬を吐出する試薬分注機構と、上記反応ディスクに配置された反応容器内の検体を検出する分光検出器とを有する自動分析装置において、
上記検体分注機構は、
液体である検体を吸引及び吐出するための検体分注ノズルと、
上記検体分注ノズル内の圧力を変化させ、検体を上記検体分注ノズル内に吸引させ、吸引した検体を上記分注ノズルから吐出させる検体吸引吐出機構と、
上記検体分注ノズルを、検体吸引位置から検体吐出位置まで移動させる検体分注ノズル移動機構と、
上記検体吸引吐出機構の動作を制御し、上記検体分注ノズル内に検体を吸引させた後、一定時間間隔で上記検体分注ノズル内に負圧を発生させるコントローラと、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−108906(P2013−108906A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255433(P2011−255433)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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