説明

液体分配器具

本発明は可撓性バッグから液体を分配するための液体分配器具に関する。この器具は、使用時に可撓性バッグを支持するための支持体と、可撓性バッグの基部部分を受けるように、および、可撓性バッグの末端部分のところに位置された出口に向かうように支持体に対して徐々に移動するように構成された取付器具とを有する。可撓性バッグが徐々に巻き上げられるときに液体が基部部分から末端部分まで押しつぶされ、液体が使用時に制御される形で出口から分配される。これにより、複数の利点の中でも特に、バッグから所望される正確な量の割り当て分だけの液体が押しつぶされ可撓性バッグから直接に配分され得るようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性バッグから液体を分配するための液体分配器具に関する。
【0002】
本発明は、これ以降、食物製品または食品成分の分配におけるその使用法を参照することによって説明されるが、本発明がこの特定の分野に使用されることに必ずしも限定されず、医療ケア、薬学的ケアおよびパーソナルケアで使用するための飲み物、工業化学物質、および液体製剤を所望される投与量だけ配分するといったような別の分野においても用途があることに留意されたい。
【背景技術】
【0003】
以下の従来技術の考察は、考察される内容がこの分野においてよく見られる一般的な知識であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
【0004】
プラスチックフィルムバッグは、液体食物製品を含めた食物製品および他の製品によく使用されるパッケージング手法となっている。これらのバッグは、ボトル、缶、円筒型容器(pail)、ドラム缶およびタンクなどの従来の剛体容器と比較して大きな利点を有している。これらのバッグには、通常、注ぎ口およびキャップが付けられている。製品をバッグ内に充填するために、または、製品をバッグから外へ押し出すために、あるいはその両方のために、付属品が使用され得る。
【0005】
このようなバッグを用いた分配システムには一般に2つのタイプがある。第1のタイプは弁構成を使用しており、重力により作動されるものであり(例えば、ワイン樽)、一方、第2のタイプは、弁構成を備えているまたは備えていないポンプシステム(例えば、蠕動ポンプ)を使用する。従来技術の分配システムには多くの欠点がある。これらには以下のことが含まれる:
1.比較的高い流量で正確な量の液体を分配することが困難である。このことは、液体が粘性を有しており流れにくい(not runny)場合に特に当てはまる。可撓性チューブがポンプの作動の合間に元の形状に戻る必要があることから(すなわち、これを可能にするためにポンプの作動には時間差が必要となる)、蠕動ポンプの速度は制限されてしまう。蠕動ポンプは電力効率が比較的悪いことから、作動には比較的コストがかかってしまう可能性がある。また、蠕動ポンプのチューブは通常は磨耗するため、取替えが必要となる。さらに、容量スループットの割合が液圧(これは、様々な要因に応じて変化する)に比例することから、蠕動ポンプの正確性が制限されてしまう。正確性を高めるために液体を分配する速度を下げることが可能であるが、これは、このシステムが商業的に実行可能であるかどうかに大きく影響する場合がある。代わりに、高粘度の液体を高流量で分配することができる機械は複雑で高価になる傾向がある。
2.ポンプを組み込んだシステムの場合、液体がポンプ内に残る可能性があり、および/または、ポンプが、液体の最後の部分をバッグから吸い出すくらいに十分に強力ではない可能性がある。バッグを実質的に完全に空にするのに失敗すると液体が無駄になり、また、バッグが再利用される場合は、以下で考察する衛生上の問題が発生する。
3.従来技術の分配システムでは、分配システムの構成要素の中またはその上に液体の一部が残る可能性がある。このため、清潔さを維持するためおよび分配システムによって分配される液体が汚染される危険性を低下させるためには、分配システムは定期的に洗浄される必要がある。たとえ液体の容器が通常通りに閉じられたまたは密閉された状態であっても、容器が再充填されるときに可能性のある汚染要因物が入るのを回避するのは困難である。一般に洗浄が困難であるこのようなタイプのポンプのよい例としては容積式ピストンタイプのポンプがある。
4.従来技術の分配システムは構造が比較的複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の欠陥の少なくとも1つを克服するまたは大幅に改善する液体分配器具を提供することあるいは少なくとも代替案を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によると、可撓性バッグから液体を分配するための液体分配器具が提供され、この液体分配器具は、
使用時に可撓性バッグを支持するための支持体と、
可撓性バッグの末端部分に位置された可撓性バッグの出口に向かうように支持体に対して徐々に移動する、可撓性バッグの基部部分を受けるためように構成された取付器具と、を有しており、
それにより、使用時に制御される形で、可撓性バッグが徐々に巻き上げられて液体が基部部分から末端部分へと押し込まれ、液体が出口から分配される。
【0008】
複数の実施形態におけるこの液体分配器具の1つの利点は、この液体分配器具が、制御する形で液体が徐々に押し出されることにより、所望される正確な量の割り当て分だけの液体を分配することができるということである。これは、体積流量が液圧に依存してしまうような重力下またはポンプ作用下での流体の分配とは対照的である。
【0009】
バッグの末端部分から基部部分への制御される押し出しは必要に応じて異なる速度で実施され得て、配分の正確性を維持することができる。したがって、本発明の実施形態により、液体の粘性に実質的に関係なく(一定範囲内の粘性)、正確な量の液体を比較的高い流量で分配することが可能となる。結果、本発明の実施形態は生産ラインおよび生産工程にうまく適合する。このような生産工程の一例には、食料品(例えば、ホットケーキ)を作る工程がある。工程を迅速にすることにより食料品の生産速度が上がり、より高い顧客満足度が得られる。
【0010】
複数の実施形態におけるこの液体分配器具の別の利点は、可撓性バッグがバッグの尾部からノズルまで巻き上げられるときに可撓性バッグが張力を受ける状態に維持されることから、可撓性バッグを実質的に完全に空にすることができることである。これにより液体の無駄が減り、したがって液体供給に関連するコストが下がる。
【0011】
複数の実施形態におけるこの液体分配器具の別の利点は、この液体分配器具により可撓性バッグから直接に配分することが可能になることである。すなわち、通常の処理において、液体が分配器具の表面に不必要に接触することは一切ない。例えば、分配器具が調理される食材の一部だけを分配するように構成されている場合では、この食材は1つまたは複数の調理器具上に直接に分配される。その結果、バッグが空になって廃棄されるとき、液体が器具の他の構成要素には一切接触していなことから器具を毎回洗浄する必要がなくなり、非常に衛生的でもある。この器具が可撓性バッグから直接に配分できるように構成されているということは、可撓性チューブ(蠕動ポンプの場合)または他の同様の装着部品が必要なく、したがって取替えの必要もないことを意味している。
【0012】
また、バッグの中身がバッグから分配されるまでバッグ内で密閉された状態のままであるような実施形態では、この器具は非常に高衛生でいられる。したがって、食物製品を用意する状況において、この器具は、健康面、安全面および汚染問題に関して一部の従来技術の器具より優れている。バッグの中身(固体状態または液体状態のどちらでもよい)を空気漏れがないように密閉することを含む実施形態では、生成物はより有利に保存され、保存期間が延びる。これは、この器具が保存期間が比較的短い食物製品を分配するのに使用される場合に特に有利である。
【0013】
複数の実施形態におけるこの液体分配器具の別の利点は、この器具の構造が機械的に単純であることである。これは、分配用の容器およびそれに付随する構成要素(例えば、付属器具、カバーおよび/または攪拌装置)がこの器具に組み込まれる必要がないためである。これによりコストが削減される。また、このことは、この液体分配器具がより小型に製造され得ることを意味しており、それにより、関連するパッケージング、充填時間および配送に関する要求基準が軽減される。構造が機械的に単純であるというのは、このシステムが機械的に効率がよいということを意味している。それにより所要電力が減少し、結果としてコストが削減される。また、構造が機械的に単純であるというのは、関連する部品が少ないために信頼性を上げることにもなる。
【0014】
複数の実施形態におけるこの液体分配器具の別の利点は、所要電力が比較的低いことである。というのは、半径が比較的小さい取付器具(および、それに巻き付けられたバッグ)のみが巻かれる必要があることから、電気モータにとって機械的利点(すなわち、てこの作用)が大きいためである。所要電力が低いということは、この器具がユーザに危害を与える可能性が低いことおよびより小型で安価なモータを使用できるということを意味する。また、この器具はそれほど多くの電力を使用しないことから、電力コストも削減される。
【0015】
複数の実施形態における、一度空になったバッグを使用するこの液体分配器具の別の利点は、再充填ステップおよび洗浄ステップが含まれないことによりその使用法が簡略化されることである。これにより非常に使い易くなる。また、液体または粉体(例えば、液体を作るために水と混合される粉体)のバッグをすぐに使用できるまたはそれに近い状態で機械の所有者に送ることができることから、所有者にとってさらに便利となる。例えば、バッグは1つまたは2つのステップで分配器具に接続され得、また、必要な場合には事前に水をバッグの中身に加えることができる。
【0016】
また、バッグに水が加えられている状態で、ノズルの上に蓋を付けることによりバッグを振ることができ、中身が適度に混合されたらバッグを器具に接続することができることから、この構成により水を用いた簡単な混合も可能となる。さらに、可撓性バッグが透明の材料から作られている場合、ユーザは中身が適度に混合されているかどうかを見ることができ、また、バッグが可撓性であることから、ユーザはその中身が適度に混合されているかどうかを触って調べることができる。中身が適度に混合されていない場合、ユーザは、バッグの中身を混合させるためにさらに振ることができる。
【0017】
好適には、出口はノズルを有し、支持体は、使用時にノズルを受けるための開口を有する。有利には、ノズルは、使用時に液体の流れを制御して可撓性バッグの外へ誘導するのを助ける。種々の実施形態において、ノズルはバッグ上の様々な位置に設けられてよいが、好適には、最初に巻き上げられる端部の反対側の端部のところまたはその端部に隣接するように配置される。貯蔵、輸送および配送のために、保護キャップがノズルに取り付けられていてよい。
【0018】
好適には、ノズルは開口を通過して延在する。この形態では、ノズルは、可撓性バッグの本体部分から外側に延在する突起の形態をとる。有利には、ノズルは、ノズルが支持体の開口内に取り付けられた後に、可撓性バッグが、取付器具に接続される準備ができた状態で支持体上において正確に位置決めされるようにするための、フィッティングインジケータを備える。一実施形態では、ノズルは、使用の合間に空気または他の汚染要因物が可撓性バッグに入らないようにして衛生状態を向上させる一方向弁の形態をとっている。
【0019】
好適には、開口は、開口内でノズルを着脱自在に保持する保持具を有する。有利には、この実施形態では、ノズルは、可撓性バッグが徐々に巻き上げられるときに可撓性バッグの引っ張りに対抗する反力をより有利に発生させることができるように、開口内で保持される。結果、可撓性バッグがぴんと張ることでバッグの巻き上げを補助し、可撓性バッグから液体をより有利に引き出すことができるようになる。
【0020】
好適には、液体分配器具は、取付器具を可撓性バッグの末端部分に向かって移動させて可撓性バッグを基部部分から末端部分まで徐々に巻き上げるための駆動システムをさらに有する。一部の実施形態では、この駆動システムは、ユーザの選択に応じて全体を通してまたは複数のステップにおいてのいずれかで可撓性バッグを自動的に押しつぶすことを可能にする。(可撓性バッグを手動で巻き上げる場合とは異なり)駆動システムにより可撓性バッグを押しつぶすことには、量が正確であり、液体分配器具の使用が概して容易であるという明確な利点がある。
【0021】
好適には、支持体は、可撓性バッグを下方から支持するための下側部分と、使用時にバッグの伸張を制限するための少なくとも1つの伸張制限部分とを有する。
【0022】
下側部分は、バッグの重量を支持するという点で有利である。バッグの重量がこのように支持されない場合、バッグはその基部部分において取付器具によって支持されなければならず、その出口は「出口支持体」によって支持されなければならない。ぴんと張っており弛みがない状態でバッグを保持するためには(これにより配分が正確になる)、取付器具および出口支持体は反対方向の強い力を発生させる必要があり、それにより器具に過度の応力がかかる。
【0023】
下側部分およびバッグの伸張を制限するための少なくとも1つの伸張制限部分の両方を設けることは、バッグの伸張が縮小されることにより配分をより正確に制御することができるという点で有益である。使用時にバッグの伸張を制限することは、取付器具の回転速度が一定である場合の流れ速度の変動を小さくする。
【0024】
好適には、下側部分は下表面であり、少なくとも1つの伸張制限部分は、下側表面の上方に離隔配置され、使用時に可撓性バッグの伸張に抵抗するように構成された上表面である。この実施形態により、使用時にバッグの最も大きな平面を挟み込むことによりバッグの伸張を制限するという好都合な手法が実現される。
【0025】
好適には、上側表面は、支持体の一方の端部のところに取り付けられるヒンジである。これにより、使用時に取付器具および下側部分に容易に手が届くようになり、容易にバッグを器具に取り付けるまたは器具から取り外すことができるようになる。
【0026】
好適には、上側表面は、下方に延在しておりノズルを開口内に保持する突起を有する。これは、特に、取付器具が可撓性バッグを徐々に巻き上げるときに可撓性バッグが引っ張られるような場合に、ノズルを開口内に維持するのを助ける。
【0027】
好適には、取付器具は、末端部分に向かって徐々に移動しながら可撓性バッグを巻き上げるように構成される。
【0028】
好適には、支持体は少なくとも1つのレールを有し、取付器具は、少なくとも1つのレールに沿って転動するように構成された少なくとも1つのローラおよび有効直径が変化するリールを有する。有利には、有効直径が変化するリールは、バッグ内の張力が強まるとその直径を小さくすることができる。これは、張力がリールの前方への(すなわち、バグの出口に向かう)移動を過度に妨害するような水準にまで増大されないことを意味する。
【0029】
好適には、リールは、少なくとも2つの離隔配置された細長取付部材を有し、これらは、使用時に可撓性バッグの基部部分を受けるためのスロットをその間に画定している。有利には、可撓性バッグの基部部分が少なくとも2つの離間配置された取付部材の間に組み入れられると、取付部材により可撓性バッグを回転させることができるようになり、摩擦により、バッグの基部部分がスロットから外れて摺動するのが阻止される。
【0030】
好適には、少なくとも一方の取付部材の少なくとも一部分は弾性材料から作られており、それにより、取付部材の周りで可撓性バッグが徐々に巻かれるときに、少なくとも一方の取付部材が曲がって取付部材間の距離が縮まり、リールの有効直径が縮小される。有利には、これは、使用時にリールの直径を変化させるのを可能にする単純で費用効果の高い手法である。
【0031】
好適には、取付器具は2つのローラを有しリールは2つの取付部材を有し、各ローラは、取付部材の隣接する端部に直接にまたは間接的に接続される。
【0032】
好適には、取付部材の中間領域が付勢装置によって接続される。
【0033】
好適には、付勢装置は少なくとも1つの圧縮ばねである。
【0034】
好適には、付勢装置は少なくとも1つの引張ばねである。
【0035】
好適には、リールは、少なくとも1つの軸、ならびに、少なくとも1つの軸と可撓性バッグの基部部分とを相互接続させる少なくとも1つのばねを有し、それにより、可撓性バッグが徐々に巻き上げられるときに、少なくとも1つのばねが圧縮されてリールの有効直径が縮小される。
【0036】
好適には、このばねは軸の少なくとも一部分を囲む渦巻きばねであり、軸に取り付けられる内側縁部と可撓性バッグの基部部分に装着されるように構成された外側縁部とを有しており、それにより、可撓性バッグがこの渦巻きばねの周りで徐々に巻かれるときに、渦巻きばねが圧縮されてその有効直径が縮小され、その結果リールの有効直径が縮小される。好適には、駆動システムは、上記または各それぞれのレールに沿って、上記または各ローラを回転させるように構成される。
【0037】
好適には、駆動システムは電気ステップモータおよび制御ユニットを有する。
【0038】
好適には、支持体は2つのレールを有し取付器具は2つのローラを有し、リールがそれらの間に取り付けられて、端部がそれぞれのローラに接続される。
【0039】
好適には、ローラおよびレールは、互いに嵌合されるように構成された歯を有しており、それにより、取付器具が回転することにより取付器具が確実に前方に移動するようになる。すなわち、ローラおよびレールの上に歯が存在することにより、ローラがレールに沿って移動するときに滑らなくなる。
【0040】
好適には、バッグは、食品用のプラスチック、エラストマ材料、シールドペーパー、シールドファブリック、またはテフロン(登録商標)から作られる。
【0041】
好適には、可撓性バッグは断面積が変化し、それにより、出口からの液体の分配が、使用時に可撓性バッグを漸進的に巻くことに実質的に比例するようになる。
【0042】
好適には、液体分配器具は、取付器具の移動を制御する制御ユニットと、分配された液体を受けるための受け面と、制御ユニットに動作可能に接続される1つまたは複数のセンサとをさらに有し、この1つまたは複数のセンサは、液体が分配される箇所と実質的に一直線上に並ぶように配置され、また、液体が分配された箇所の大きさを測定して、取付器具の漸進的な移動を停止、中断または逆行させることにより液体の分配を停止または中断させるために関連データを制御ユニットへ送るように構成される。
【0043】
取付器具の漸進的な移動を逆行させることは、有利には、バッグ内の圧力を減少させ、それにより、ノズルからの液体の流れが確実に停止されるようになる。好適には、1つまたは複数のセンサは、液体が分配された箇所の断面測定値を記録するように構成され、この場合、制御ユニットは、断面測定値から液体が分配された箇所の容量を導出するように構成される。
【0044】
好適には、1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つは、分配された液体の高さおよび半径を測定するように構成される。
【0045】
好適には、1つまたは複数のセンサは近接センサまたは位置センサを含む。
【0046】
好適には、近接センサまたは位置センサは光学センサである。
【0047】
好適には、1つまたは複数のセンサは重量センサを含む。
【0048】
本発明の別の態様によると、液体分配システムは、プラスチックフィルムバッグの分配用端部のところに取り付けられたノズルを介して液体をプラスチックフィルムバッグから押し出すことにより所望される正確な投与量分の液体が得られるように、形成される。具体的には、この押し出しは、尾部、すなわち、ノズルの反対側のバッグの端部をノズルの方向に転動させるすなわち巻くことによって達成される。バッグを巻くことすなわちバッグを回転させることを可能にするため、および、正確な配分のために必要なことであるが、ノズルを静止位置に留めておくために、バッグの尾部に巻き上げ機構である可動リールが取り付けられ、このリールが回転しながら前方に移動することによりバッグが尾部からノズルまで徐々に押しつぶされ、それにより、バッグの中身を所望される量だけ取り出すことができるようになる。
【0049】
本発明の別の態様によると、絞り袋から液体を分配するためのシステムが提供され、このシステムは、バッグを押しつぶしてバッグのノズルから液体を分配するために、絞り袋の尾部に取り付けられる回転リールと、リールを回転させながら前方向に移動させる手段とを有し、これらにより、バッグの押しつぶしは、バッグから正確な投与量分の液体が分配されるように制御される。
【0050】
他の任意の形態も本発明の範囲内に含まれるが、ここでは、単に例として本発明の好適な実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態による液体分配器具で使用される好適なバッグの斜視図である。
【図2】押しつぶす前の第1の位置に図1のバッグを保持してことを示している、本発明の一実施形態の液体分配器具の概略側面図である。
【図3】押しつぶされる前の第2の位置に保持されているバッグを示している、図2の液体分配器具の概略側面図である。
【図4】バッグの尾部が液体分配器具の可動芯に取り付けられておりバッグのノズルの方向へと巻かれているのを示している、図2の液体分配器具の概略側面図である。
【図5】図4の液体分配器具の領域Aの拡大図である。
【図6】バッグが図5と比較してより後の段階の(バッグのノズルの方向へ)巻かれている状態にある、図4の液体分配器具の中央領域Bの拡大図である。
【図7】本発明の一実施形態による別の好適な液体分配器具の斜視図である。
【図8】図7の液体分配器具の一部分の左側面図である。
【図9】一部破断した、図7の液体分配器具の右側端面図である。
【図10】押しつぶす前の状態で図1のバッグを保持した、図7から図9の液体分配器具の一部分の斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態による液体分配器具の一部分の概略断面図である。
【図12】本発明の一実施形態による液体分配器具の芯の移動に関する物理原理を示した概略図である。
【図13】本発明の一実施形態による液体分配器具の芯の移動に関する物理原理を示した概略図である。
【図14】本発明の一実施形態による液体分配器具の芯の移動に関する物理原理を示した2つの概略断面図である。
【図15】本発明の一実施形態による液体分配器具の芯の移動に関する物理原理を示した概略図である。
【図16】通常の形態の、本発明の一実施形態による液体分配器具の芯の断面図である。
【図17】直径が縮小された形態の、図16の芯の断面図である。
【図18】通常の形態の、本発明の一実施形態による液体分配器具のばね加圧式芯の断面図である。
【図19】本発明の一実施形態による、渦巻きばね加圧式芯を有する液体分配器具の断面図である。
【図20】本発明の一実施形態による液体分配器具と共に使用される好適な近接センサ装置の概略上面図である。
【図21】図20に示した装置の概略側面図である。
【図22】本発明の一実施形態による液体分配器具と共に使用される好適なカメラセンサ装置の概略上面図である。
【図23】図22に示した装置の概略側面図である。
【図24】図22および図23に示したカメラセンサから見た、図1のバッグから分配された製品の図である。
【図25】図24に示した製品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本説明を通して、共通、同様または類似の部分または特徴を有する異なる実施形態が説明される場合、これらの部分または特徴は同様の参照符号を用いて示される(例えば、10,10A,10Bなど)。
【0053】
図を参照すると、液体分配器具が、支持構造体によって支持されている絞り袋10を押しつぶすための可動の回転取付器具または芯18を有するものとして示されている。
【0054】
図1に示した絞り袋10(または、プラスチックフィルムバッグ)は、圧搾可能なバッグ部分12と、一方の端部にあるノズル14(注ぎ口)とを有しており、ノズル14はキャップ16によって保護されている。ノズル14は、例えばダックビル弁といったような、逆止弁または一方向弁(図示せず)を有する。ノズル14を有する端部の反対側のバッグ10の端部または尾部17は、液体分配器具の可動の回転芯18に取り付けられるように構成された領域を有する。
【0055】
ノズル14は、使用時に液体の流れを制御して可撓性バッグ10の外へ誘導するのを助ける。異なる実施形態において、ノズル14はバッグ10上の様々な場所に設けられてよい。バッグ10を貯蔵、輸送および配送する間、保護キャップ16がノズル14に取り付けられていてよい。
【0056】
図2に示した液体分配器具の可動の回転芯18は、バッグ10の尾部17を挟み込む2つのフィンガ20,22を有する。
【0057】
バッグ10のノズル14は、支持構造体内の開口23を通って突出しており、この場合、支持構造体は使用時にバッグ10が載せられる平坦なプラテン24である。ノズル14はまた、ノズル14が平坦なプラテン24内の開口23内に取り付けられた後に、可撓性バッグ10が、芯18に接続される準備ができた状態で平坦なプラテン24上において正確に位置決めされるようにするための、フィッティングインジゲータを備える。平坦なプラテン24は、バッグ10の重量を支持するという点で有利である。バッグ10の重量がこのように支持されない場合は、バッグ10はその尾部17において芯18によりおよびノズル14において開口23によって支持されなければならない。そのような構成では、びんと張っており弛みがない状態でバッグ10を保持するためには(これにより配分が正確になる)、芯18およびノズル14は反対方向の強い力を発生させる必要があり、それにより器具に過度の応力がかかる。
【0058】
特に芯18が可撓性バッグ10を徐々に巻き上げるときに可撓性バッグ10が引っ張られる場合に開口23を通してノズル14を維持するためのノズル保持箇所28を有するヒンジ式蓋26が存在する。すなわち、ノズル保持箇所28は、可撓性バッグ10が徐々に巻き上げられるときにノズル14が可撓性バッグ10の引っ張りに対抗するより強い反力を支持するのを助ける。可撓性バッグ10内のより強い張力により、可撓性バッグ10から液体をより有利に引き出すことができるようになる。しかし、張力が強すぎると、駆動機構(以下で説明する)、モータ(以下で説明する)、可撓性バッグ10、またはノズル14を停止させる場合があり、可能性としてこれらを損傷させる場合もある。
【0059】
別の実施形態では、ノズル14は開口23全体を通って突出しているわけではなく、この実施形態では、開口23はノズル14の拡張部分として機能してよい。
【0060】
使用時に、バッグ10はプラテン24の表面上に配置され、また、ノズル14は、ノズル14が分配用出口として機能することができるように、プラテン24内の開口23を通るように位置される。バッグ10の尾部17は、2つのフィンガ20,22の間を通されることにより芯18に取り付けられる。その後、ヒンジ式蓋26が、蓋26の上側剛体面とプラテン24の下側剛体面との間でバッグ10を拘束するために、バッグ10の上に水平になるように置かれる(図3を参照)。これにより、使用時にバッグ10の最も大きな平面を挟み込むことによりバッグ10の伸張を制限するという好都合な手法が実現される。
【0061】
このようにして、可動の回転芯18により押しつぶされることにより圧力を受けてバッグ10が過度に伸張されることが回避されるまたは少なくとも軽減される。これにより、配分をより正確に制御することができるようになる。
【0062】
ヒンジ式蓋26により、使用時(または、使用の合間)に芯18および平坦なプラテン24に容易に手が届くようになり、容易にバッグ10を器具に取り付けるまたは器具から取り外すことができる。
【0063】
芯18は、図4および図5に示すように、回転しながらノズル14に向かうように前方へと移動させられ、それにより、バッグ10の尾部17が芯18の両方のフィンガ20,22の周りで巻かれるすなわちそれらの周りに巻き付けられるようになる。芯18が回転するにつれてバッグ内部の圧力が増大されることにより、より多くの液体がノズル14を通してバッグ10から押し出されるようになる(図6を参照)。
【0064】
図7から図9を参照すると、芯18が回転方向可逆式電気ステッパモータ(reversible direction electric stepper motor)30により電力供給されている。一部の実施形態では、ノズル14の一方向弁構成を適切に閉じるために、電気モータ30は短時間だけ逆転されなければならない。電気モータ30を逆転させることにより、可撓性バッグ10内から圧力が開放され、液体が可撓性バッグ10から外へ押されなくなる。
【0065】
可動の回転芯18は2つのフィンガ20,22を有する。フィンガ20,22は、個別のばねピン44により、一方の端部がクレードル軸40に接続されており、他方の端部が端部軸42に接続されている。
【0066】
端部軸42は、ラック38に沿って移動するように構成された第1のラック移動歯車34に接続される。ラック38はバッグ摺動チャネル46の内側で支持される。クレードル軸40は、ラック52に沿って移動するように構成された第2のラック移動歯車50に接続される。結果、芯18の両端部上に歯車34,50が存在することになる。
【0067】
クレードル軸40に対して回転可能に固定された歯車32は、ステッパモータ30の出力軸と共に回転する第2の小径歯車に係合される。歯車32は、ステッパモータ30の速度をギアダウンすることによりクレードル軸40の回転速度を低下させるのに使用される。必要とされる歯数比に応じて、ステッパモータ30とクレードル軸40との間で異なる歯車装置構成が使用されてよいことを認識されたい。
【0068】
第1のラック移動歯車34および第2のラック移動歯車50は、歯車ラック38,52に永久的に接触しながらそれらの上を移動することから、上述した巻き上げ機構の作動により押しつぶされているバッグ10のノズル14に向かうように前方へ、回転しながら確実に移動するようになる。第1のラック移動歯車34および第2のラック移動歯車50ならびに歯車ラック38,52が存在することにより、確実にずれが発生しなくなる。
【0069】
ラック52は、モータ30の下方に位置されたクレードル56内に収容されているプラスチック摺動体54上で支持される。
【0070】
また、第1のラック移動歯車34が歯車ラック38との係合から外れるのを阻止するために軸受面57が設けられる。第2のラック移動歯車50は、クレードル56によりラック52に接触するように保持される。
【0071】
モータ30を作動させることにより小径歯車48が回転させられ、それにより大径歯車32が回転させられる。大径歯車32が回転され、同様に芯18が回転されると、歯車34,50が間接的に回転されることにより、芯18がラック38、52に沿って前方に移動する。一実施形態では、この駆動システムは、ユーザの選択に応じて全体を通してまたは複数のステップにおいてのいずれかで可撓性バッグ10を自動的に押しつぶすことを可能にする。(可撓性バッグを手動で巻き上げる場合とは異なり)駆動システムにより可撓性バッグ10を押しつぶすことには、量が正確であり、液体分配器具の使用が概して容易であるという明確な利点がある。
【0072】
バッグ10の尾部17が芯18のフィンガ20,22の間に取り付けられている場合(図に示すように)、芯18が回転して前方へ移動することにより、尾部17が芯18の周りに巻き付くようになり、その後もバッグ10はさらに巻かれてその中身がノズル14を介して押し出される。
【0073】
図示した実施形態では、芯18が、ノズル14に向かって移動するときに、バッグ10の端部から弛みを集めてバッグ10をわずかに張力を受ける状態に維持する。この工程の簡略化した図を図11に示す。
【0074】
この工程を実証する物理原理を図12に示した。芯18は、定点"B"に向かって、表面"S"に沿って回転速度"ω"で転動する。芯18はバッグ10の弛みを集める。理論的には、芯18の直径"D"が一定である場合(すなわち、バッグ10Aの厚さ=0)、中心"A"を有する芯18は一回転でπDだけ移動する。
【0075】
実際には、芯18の周りに巻き付くバッグ10の材料により芯18の直径Dは図13に示すように継続的に増加していき、一方で、芯18Aの直線的な前進は、ラックに対する歯車の比により、回転ごとに一定となるように調整される。
【0076】
その結果、芯18が一回転するとき、芯18は前の回転より大きく前進するようになる。芯の回転速度(ω)が一定である場合、芯の中心Aの線速度(V)が増加していく。
【0077】
芯の中心Aの一回転における移動距離はπDとして定義される。
【0078】
図14を参照すると、変位のずれの値"x"は、巻き上げられたバッグ10の厚さにより(すなわち、全体の直径が増加していくことにより)生じる。
【0079】
実際には、芯18が一回転するとき、器具は、中心Aの速度V1を増大させながら、芯をπD+Xだけ移動させる必要がある。しかし、芯18は、ラックに対する歯車の比によって許容される距離(=πD)だけしか移動することができない(すなわち、歯車のピッチ円径(pitch circle diameter(PCD))=Dの場合)。ここで図15を参照すると、このずれにより、ラックに作用する、歯車の力(FG)に対抗するバッグの引っ張り力(FB)が発生し、それによりバッグ10が引っ張られる。芯18が継続して回転してノズル14に向かって移動し続けると、このずれが増大されてそれにより負荷が増す。負荷が大きくなると、このことにより芯18の前進が妨害される場合がある。
【0080】
このずれに対する1つの解決策は、直径が増加することを見越して、Dより小さい初期直径を有する芯18Aを用意することである。この解決策の1つの欠点は、初期段階においてバッグ10Aにあまりに多くの弛みが存在することで、バッグ10Aを効果的に空にすることができなくなるか、または、少なくともそれを制御することが困難となる。
【0081】
図16から図19を参照すると、この機構またはバッグ10Aを損傷させるような反対方向の力を防止するための複数の有効な解決策が提示されている。
【0082】
本発明によって提示される第1の解決策は、負荷に応じて芯18の直径を変化させる手段である。芯18の直径は、初期段階においてはバッグ10から弛みを取り除くために十分に大きいが、張力/負荷に応じて縮んで、巻き上げられたバッグ10の厚さが増加するのを相殺するためにその直径が縮小される。これは、直径が変化する芯、圧縮可能な芯、または収縮可能な芯18を採用することによって達成される。有利には、有効直径が変化する芯18は、バッグ10内の張力が増すにつれて直径を縮小させることができる。これは、張力が芯18の前方への(すなわち、バッグ10の出口へ向かう)移動を過度に妨害するような水準にまで増大されないことを意味する。
【0083】
次に、直径が変化する芯18の別の実施形態を説明する。
【0084】
図16および図17を参照すると、芯18Bが示されており、この芯18Bは、使用時に可撓性バッグ10Bの尾部17Bを受けるためのスロットをその間に画定する2つの可撓性ロッドまたはフィンガ20B,22Bを有する。有利には、可撓性バッグ10Bの尾部17Bがフィンガ20B,22Bの間に組み入れられると、フィンガ20B,22Bにより可撓性バッグ10Bを回転させることができるようになり、摩擦により、尾部17Bがスロットから外れて摺動するのが阻止される。
【0085】
ロッド20B,22Bは弾性材料から作られており、それにより、ロット間のギャップ(すなわち、スロットの幅)が、負荷を受けることにより、この場合はバッグ10Bの引っ張り力で、縮小される。バッグ10Bの張力が十分である場合、ロッド20B,22Bの中心部分が互いに隣接して位置されるように、ロッド20B,22Bを縮めることができる。この実施形態では、ロッド20B,22Bはアルミニウムから作られているが、別の実施形態では、これらは他の適当な工学材料(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、銅、木材)から作られていてよい。
【0086】
結果、半径は、荷重に比例して相当する分だけ縮小される。この変形は、力が取り除かれた後にロッド20B,22Bが当初の直線形状に戻れるくらい十分に小さい。
【0087】
有利には、これは、使用時に芯18Bの直径を変化させるのを可能にする単純で費用効果の高い手法である。
【0088】
有効直径の縮小が図16および図17に示されており、これらは、有効直径の縮小の結果としての相当する円周の縮小で表されている。図16では、相当する円周はπD+2lであり、一方図17では、相当する円周はπD+2l1である。
【0089】
[実施例]
歯車モジュール=1の場合、歯車の歯数は12、歯車のPCDは12mmであり、相当する円周はπDとなる。結果、π×12mm=37.68mmとなる。
【0090】
アルミニウムロッドの直径が6mmで、相当する円周の式がC=πD+2lである場合、l=(C-πD)/2となり、ロッドの中心の間の距離は9.4mmとなる。
【0091】
結果、ロッド間の理論上のギャップは、9.4mm−6mm=3.4mmとなる。
【0092】
この特定の構成/幾何形状は、限定された範囲のバッグ長さのみに適用可能である。ロッド20B,22Bの間のギャップおよびロッドの直径は所与のバッグ長さに対して固定される。一般に、バッグ10Bが長くなると、ギャップはより大きく、および/または、ロッドの直径はより小さくなる必要がある(どららも、ロッドが互いに向かってより大きく変位するのを可能にするためのものである)。
【0093】
図18を参照すると、一実施形態が示されているが、これは、少なくとも1つの付勢手段(この場合は、単一のばね61)がロッド20C,22Cの間に設けられているという点を除いて実施形態Aに類似する。したがって、有効直径の縮小(すなわち、縮み)は、ばね61によって調整された張力を用いたロッド20C,22Cの移動によって達成される。ばね61は、個別の構成に応じて圧縮ばねまたは引張ばねのいずれかであってよいことに留意されたい。別の実施形態では、ばね61は、弾性かつ圧縮性のバルク特性を有する材料(例えば、粘弾性発砲体)に置き換えられてよい。この実施形態は多様なバッグ長さと共に使用され得る。
【0094】
別の実施形態が図19に示されており、これは、単一のロッド80またはフィンガを有する芯18Dを備えている。芯18Dの有効直径の縮小(すなわち、縮み)は、ロッド80に沿って延びている渦巻きばね82を圧縮することによって達成される。バッグの尾部17Dは、渦巻きばね82の縁部84に固定/係止されている。バッグ10D内の張力は渦巻きばね82によって調整される。この実施形態は多様なバッグ長さと共に使用され得る。
【0095】
上述した反対方向の力により機構またはバッグが損傷されるのを防止するための第2の考えられる手法は、負荷を相殺するためにラックが移動するのを可能にする手段を設けることである。例えば、個別のラック38E,52Eがレール上に摺動可能に取り付けられてよく、また、付勢手段が、ラック38E,52Eとそれらの個別のレールまたはこの器具の他の任意適当な静止構造体とを接続させるために設けられてよく、その結果、ラック38E,52Eが、付勢手段の付勢を受けてレールに対してのみ移動することができるようになる。一実施形態では、付勢手段は引張ばねである。したがって、この実施形態では、芯の移動のずれにより生じる張力が、ラック38E,52Eの移動によって相殺される。
【0096】
上述した反対方向の力により機構またはバッグが損傷されるのを防止するための第3の手法は、ノズル14Fおよび/または開口23がわずかな量だけ移動するのを可能にする手段を設けることである。例えば、開口23Fは長円形(obround)断面を有していてよく、また、移動する芯18Fから離れるようにノズル14を付勢するための付勢手段(例えば、ばね)を含んでいてよい。付勢手段が圧縮ばねを有する場合、このばねは、バッグ10F内の張力が増大したときに圧縮され、それによりバッグ10F内の張力が制限される。引張ばねが、同様の趣旨の働きをするために、ノズル14Fの他方側に取り付けられていてよい。
【0097】
次に図20から図25を参照すると、液体分配器具が、芯18の移動を制御するための制御ユニットと、分配された液体を受けるための受け面59と、制御ユニットに動作可能に接続される1つまたは複数のセンサとをさらに有している。受け面59は、示すように、コンベアによって形成されてよい。
【0098】
液体分配器具の一態様は、以下の実施形態のうちの1つで説明される、バッグ10から液体を正確に配分するためのセンサシステムに関する。
【0099】
バッグ10からの液体の押し出しは、一般に、芯18の前進に比例しない。これは、バッグ10が伸張すること、および、芯18を逆行させた後にバッグ10内に残留圧力があることが原因である。
【0100】
これらの問題の解決策は、配分の大きさを制御するために1つまたは複数のセンサを配置することである。この1つまたは複数のセンサは、位置センサ、重量センサ、容量センサ、超音波センサ、赤外線センサまたは温度センサ、あるいは、他の任意適当なタイプのセンサであってよい。一実施形態では、1つまたは複数のセンサは液体が分配される箇所と実質的に一直線上に並んでおり、液体が分配された箇所の大きさを測定し、芯18の漸進的な移動を停止、中断または逆行させることにより液体のさらなる分配を停止または中断させるために関連データを制御ユニットへ送るように構成されている。1つまたは複数のセンサは、分配された液体の高さおよび半径を測定するように配置および/または構成されてよい。
【0101】
一実施形態では、1つまたは複数のセンサは、近接センサ、カメラセンサおよび/または光学センサである。カメラセンサは、粘性が比較的高い液体(例えば、ホットケーキの素)が分配される場合に特に適している。一実施形態では、1つまたは複数のセンサは、変調された赤外線光を使用する光学センサである。一実施形態では、1つまたは複数のセンサは、赤外線光および受信器を含む単一のセンサである。
【0102】
近接センサに関連する図20および図21に示すように、バッグ10から押し出された液体は受け面59上に落ちる。
【0103】
中心から外れて位置された(反射式の、または、ビームを用いた)近接センサ58が、押し出された液体60の縁部(すなわち、直径)を検知する。この検知を受けてセンサを作動させることにより、バッグ10内の圧力を開放してノズル14を通る流れを止めるために芯18が即座に後退/逆行させられる。
【0104】
配分の正確性は、流れの速度を下げることにより向上させることができる。速度の低い流れを実現するために、芯18の速度が下げられてよい。バッグ10から押し出される液体の流れを制御するために追加のセンサ(複数可)が使用されてよい。流れの有無は近接センサ(複数可)によって検知され得て、それにより(電子制御を介して)芯18の速度が下げられる。すなわち、少なくとも一実施形態では、流量を変化させながら液体を分配することができる。このことは、より正確な配分を実現するのを助ける。というのは、1つの食料品を作るための液体のうちの大部分がノズルを介して堆積されたときに、停止されるところまで流量を下げるあるいは停止されるところまで流量を徐々に漸減させることができるからである。
【0105】
液体が高密度であり、特に(1回の使用ごとに)密度が変化する場合、堆積した液体の直径を測定するだけでは、正確な量の分配を達成するためには不十分である場合がある。
【0106】
図13から図16を参照すると、カメラセンサ62が設けられており、これは、堆積した液体の容量を計算するのに使用され得る。カメラ62は(図示したように)堆積物に近接するように位置され、押し出された液体のシルエット/外形を(実時間で)走査する。実際の容量の導出するために大まかな断面の画像が使用されてよい。高速プロセッサがカメラからの画像を実時間で読み取って容量(回転体の容量)を計算する。予め設定された容量に達すると、プロセッサは芯18を逆行させる信号を発信して押し出し工程を停止させる。カメラセンサ62は近接センサ58と共にまたはそれとは別個に使用されてよい。
【0107】
この実施形態では、可撓性バッグ10は複層フィルムから作られる。フィルムの外層はナイロンラミネートから作られ、一方、製品に接触する層(product contact layer)はLLDポリエチレンから作れる。別の実施形態では、バッグは他の食品用のプラスチック、エラストマ材料、シールドペーパー、シールドファブリック、またはテフロン(登録商標)から作られる。
【0108】
この実施形態では、可撓性バッグは長さが325mmであり、幅が220mmである。別の実施形態では、可撓性バッグは長さが150mmから650mmの間でよく、幅が100mmから450mmの間でよい。可撓性バッグのサイズはこの範囲に限定されず、使用状況に合わせて任意適当なサイズであってよい。
【0109】
この実施形態では、ノズル14はバッグ10の前側から50mmのところに配置され、幅方向において中央に位置される。別の実施形態では、ノズルはバッグの前側から10mmから100mmの間のところに配置され、かつ/または、中心から外れて位置される。
【0110】
一実施形態では、可撓性バッグは断面積が変化し、それにより、使用時の出口からの液体の分配が可撓性バッグを漸進的に巻くことに実質的に比例するようになる。有利には、この実施形態はセンサを一切必要とせず、制御ユニットは、単に、取付器具がどのくらいの位置まで進んだかに関する情報を保持することができればよい。この実施形態では、バッグは、伸張するのを制限するためにひだ付けされていてよく、それにより液体を分配するときの正確性が増す。また、可撓性バッグは、上から見て、台形の短い平行部分の端部がノズルに隣接するような台形状であってよい。別の実施形態では、可撓性バッグは概略的な長方形以外の形状であってよい。
【0111】
別の実施形態では、ノズルまたは開口は、バッグの壁に所定の面積の穴をあけることによってバッグ内に形成される。使用前に剥離され得る接着カバーが、ノズルまたは開口を覆うように設けられてもよい。
【0112】
別の実施形態では、回転芯の直径は変化してもしなくてもよく、ノズルは、自由端部が開口23内で固定されている可撓性の出口チューブを用いて取り付けられる。この場合、バッグが回転芯の周りで巻かれるときの回転芯の有効直径の増加は、可撓性の出口チューブを延伸させることによって相殺される。
【0113】
別の実施形態では、ノズルは一方向弁を用いて取り付けられず、上向きに延在しているが、逆さのU曲がり部分を介して下向きに延在するようになる可撓性チューブに装着される。これにより、バッグを押しつぶすことが停止された後に液体がバッグの外へ流れることが阻止される。一変形形態では、逆さのU曲がり部分は可撓性チューブに沿った任意の箇所に設けられるが、同様の働きをするように位置決めおよび構成される。
【0114】
本発明の一変形形態では、ロッド20、22は、可撓性バッグの両側を挟掴する、留める、あるいはくぎで固定する個別の対の付属器具に置き換えられる。
【0115】
別の実施形態では、取付器具は、可撓性バッグ上で回転されるときに液体が可撓性バッグの外へ押し出されるように構成されるローリングピンの形態をとる。
【0116】
別の実施形態では、この器具は水平ではなく垂直に配置される。この実施形態では、回転芯は構造体によって静止位置に保持され、可撓性バッグは芯が回転するときに上向きに引かれる。可撓性バッグは一方の側に下向きの出口を有しており、調理器具がこの出口の真下に配置される。この構成は、分配されている液体がノズルの高さに関係なく常に調理器具上の実質的に同じ位置に落ちるようにする構成である。可撓性バッグの位置決めを確実なものとするため、および、バッグを押しつぶすのを補助するため、バッグの底部は、重量、ばねの力、または他の適当な手段によって下方向に引っ張られる。
【0117】
直径が変化する芯はノズルが実質的に静止位置に保持される場合のみ必要となることに留意されたい。器具が垂直以外の角度で配置されており、分配された液体の容量を効果的に測定するためにセンサが使用される場合は、ノズルを静止位置に保持することが重要となる。
【0118】
複数の実施形態におけるこの液体分配器具の1つの利点は、この液体分配システムが、制御する形で液体が徐々に押し出されることにより、所望される正確な量の割り当て分だけの液体を分配することができるということである。これは、体積流量が液圧に依存してしまうような重力下またはポンプ作用下での流体の分配とは対照的である。
【0119】
バッグの末端部分から基部部分への制御される押し出しは必要に応じて異なる速度で実施され得て、配分の正確性を維持することができる。したがって、本発明の実施形態により、液体の粘性に実質的に関係なく(一定範囲内の粘性)、正確な量の液体を比較的高い流量で分配することが可能となる。結果、本発明の実施形態は生産ラインおよび生産工程にうまく適合する。このような生産工程の一例には、食料品(例えば、ホットケーキ)を作る工程がある。工程を迅速にすることにより食料品の生産速度が上がり、より高い顧客満足度が得られる。
【0120】
複数の実施形態におけるこの液体分配器具の別の利点は、可撓性バッグがバッグの尾部からノズルまで巻き上げられるときに可撓性バッグが張力を受ける状態に維持されることから、可撓性バッグを実質的に完全に空にすることができることである。これにより液体の無駄が減り、したがって液体供給に関連するコストが下がる。
【0121】
複数の実施形態におけるこの液体分配器具の別の利点は、この液体分配器具により可撓性バッグから直接に配分することが可能になることである。すなわち、通常の処理において、液体が分配器具の表面に不必要に接触することは一切ない。例えば、分配器具が調理される食材の一部だけを分配するように構成されている場合では、この食材は1つまたは複数の調理器具上に直接に分配される。その結果、バッグが空になって廃棄されるとき、液体が器具の他の構成要素には一切接触していないことから器具を毎回洗浄する必要がなくなり、非常に衛生的でもある。この器具が可撓性バッグから直接に配分できるように構成されているということは、可撓性チューブ(蠕動ポンプの場合)または他の同様の装着部品が必要なくしたがって取替えの必要もないことを意味している。
【0122】
また、バッグの中身がバッグから分配されるまでバッグ内で密閉された状態のままであるような実施形態では、この器具は非常に高衛生でいられる。したがって、食物製品を用意する状況において、この器具は、健康面、安全面および汚染問題に関して一部の従来技術の器具より優れている。バッグの中身(固体状態または液体状態のどちらでもよい)を空気漏れがないように密閉することを含む実施形態では、製品はより有利に保存され、保存期間が延びる。これは、この器具が保存期間が比較的短い食物製品を分配するのに使用される場合に特に有利である。
【0123】
複数の実施形態におけるこの液体分配器具の別の利点は、この器具の構造が機械的に単純であることである。これは、分配用の容器およびそれに付随する構成要素(例えば、付属器具、カバーおよび/または攪拌装置)がこの器具に組み込まれる必要がないためである。これによりコストが削減される。また、このことは、この液体分配器具がより小型に製造され得ることを意味しており、それにより、関連するパッケージング、充填時間および配送に関する要求基準が軽減される。構造が機械的に単純であるというのは、このシステムが機械的に効率がよいということを意味している。それにより所要電力が減少し、結果としてコストが削減される。また、構造が機械的に単純であるというのは、関連する部品が少ないために信頼性を上げることにもなる。
【0124】
複数の実施形態におけるこの液体分配器具の別の利点は、所要電力が比較的低いことである。というのは、半径が比較的小さい取付器具(および、それに巻き付けられたバッグ)のみが巻かれる必要があることから、電気モータにとって機械的利点が大きい、すなわちてこの作用があるためである。所要電力が低いということは、この器具がユーザに危害を与える可能性が低いことおよびより小型で安価なモータを使用できるということを意味する。また、この器具はそれほど多くの電力を使用しないことから、電力コストも削減される。
【0125】
複数の実施形態における、一度空になったバッグを使用するこの液体分配器具の別の利点は、再充填ステップおよび洗浄ステップが含まれないことによりその使用法が簡略化されることである。これにより非常に使い易くなる。また、液体または粉体(例えば、液体を作るために水と混合される粉体)のバッグをすぐに使用できるまたはそれに近い状態で機械の所有者に送ることができることから、所有者にとってさらに便利となる。例えば、バッグは1つまたは2つのステップで分配器具に接続され得、また、必要な場合には事前に水をバッグの中身に加えることができる。
【0126】
また、バッグに水が加えられている状態で、ノズルの上に蓋を付けることによりバッグを振ることができ、中身が適度に混合されたらバッグを器具に接続することができることから、この構成により水を用いた簡単な混合も可能となる。さらに、可撓性バッグが透明の材料から作られている場合、ユーザは中身が適度に混合されているかどうかを見ることができ、また、バッグが可撓性であることから、ユーザはその中身が適度に混合されているかどうかを触って調べることができる。中身が適度に混合されていない場合、ユーザは、バッグの中身を混合させるためにさらに振ることができる。
【0127】
本発明の範囲から逸脱することなく、上述した液体分配器具のデザインおよび構造の細部において様々な修正が行われ得ることを当業者は容易に理解するであろう。例えば、図示した実施形態では、分配される液体は可撓性バッグ内に貯蔵されるが、これらは別の可撓性容器内に貯蔵されてもよい。
【0128】
一実施形態では、電気モータ30は様々な速度で駆動されるように構成される。
【0129】
本明細書で使用される「液体」という単語は任意の流動性物質を意味しており、ホットケーキを作るのに使用されるバターなどの、粘度が変化することがある流動特性を有する食材を含むことを理解されたい。
【0130】
図面に示した本発明の好適な実施形態の説明において、理解しやすいように特定の用語が使用される。しかし、本発明はそのように選択された特定の用語に限定されることを意図しておらず、個々の特定の用語が、同様の技術的効果を得るために同様の形で作用するすべての技術的な同等物を含むことを理解されたい。「前方に」、「後方に」、「径方向に」、「周方向に」、「上方向に」、「下方向に」などの用語は、基準点を提示するのに都合のよい単語として使用されており、条件を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0131】
添付の特許請求の範囲およびこれまでの本発明の説明では、文脈において専門用語または必須となる意味を表現するために特に説明が必要となる場合を除いて、「有する」、「有している」、「含む」、または「含んでいる」などの表現は、包括的な意味で使用される(すなわち、述べた特徴が存在することを示しており、本発明の種々の実施形態において別の特徴が存在するまたは追加されることを排除しない)。
【符号の説明】
【0132】
10,10B,10D,10F 可撓性バッグ(絞り袋)
14,14F ノズル
16 保護キャップ
17,17B,17D 尾部
18,18B,18D 芯
20,20B,20C,22,22B,22C フィンガ(ロッド)
23 開口
24 平坦なプラテン
26 ヒンジ式蓋
28 ノズル保持箇所
30 回転方向可逆式電気ステッパモータ
32 大径歯車
34 第1のラック移動歯車
38,38E,52,52E 歯車ラック(ラック)
40 クレードル軸
42 端部軸
44 ばねピン
46 摺動チャネル
48 小径歯車
50 第2のラック移動歯車
56 クレードル
57 軸受面
58 近接センサ
59 受け面
60 押し出された液体
62 カメラセンサ
80 単一のロッド
82 渦巻きばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性バッグから液体を分配するための液体分配器具であって、
使用時に前記可撓性バッグを支持するための支持体と、
前記可撓性バッグの基部部分を受けるように、および、前記可撓性バッグの末端部分のところに位置された出口に向かうように前記支持体に対して徐々に移動しながら前記可撓性バッグを巻き上げるように構成された取付器具と、を有し、
前記支持体が少なくとも1つのレールを有し、前記取付器具が、前記少なくとも1つのレールに沿って転動するように構成された少なくとも1つのローラと有効直径が変化するリールと有し、
それにより、使用時に制御される形で、前記可撓性バッグが徐々に巻き上げられて液体が前記基部部分から前記末端部分へと押し込まれて出口から分配され得るようになることを特徴とする液体分配器具。
【請求項2】
前記出口がノズルを有し、前記支持体が、使用時に前記ノズルを受けるための開口を有することを特徴とする請求項1に記載の液体分配器具。
【請求項3】
前記ノズルが開口を通って延在していることを特徴とする請求項2に記載の液体分配器具。
【請求項4】
前記開口が、前記開口内の前記ノズルを着脱自在に保持する保持具を有することを特徴とする請求項2または3に記載の液体分配器具。
【請求項5】
前記取付器具を前記可撓性バッグの前記末端部分に向かって移動させて前記可撓性バッグを前記基部部分から前記末端部分まで徐々に巻き上げるための駆動システムをさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の液体分配器具。
【請求項6】
前記支持体が、前記可撓性バッグを下方から支持するための下側部分と、使用時に前記バッグの伸張を制限するための少なくとも1つの伸張制限部分とを有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の液体分配器具。
【請求項7】
前記下側部分が下表面であり、前記少なくとも1つの伸張制限部分が、前記下側表面の上方に離隔配置され、使用時に前記可撓性バッグの伸張に抵抗するように構成された上表面であることを特徴とする請求項6に記載の液体分配器具。
【請求項8】
前記上側表面が、前記支持体の一方の端部のところに取り付けられるヒンジであることを特徴とする請求項7に記載の液体分配器具。
【請求項9】
前記上側表面が、下方向に延在しており前記ノズルを開口内に保持する突起を有することを特徴とする請求項2に従属する請求項8に記載の液体分配器具。
【請求項10】
前記リールが、少なくとも2つの離隔配置された細長取付部材を有し、これらが、使用時に前記可撓性バッグの前記基部部分を受けるためのスロットをその間に画定していることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の液体分配器具。
【請求項11】
少なくとも1つの前記取付部材の少なくとも一部分が弾性材料から作られており、それにより、前記取付部材の周りで前記可撓性バッグが徐々に巻かれるときに、前記少なくとも1つの取付部材が曲がって前記取付部材間の距離が縮まり、前記リールの有効直径が縮小されることを特徴とする請求項10に記載の液体分配器具。
【請求項12】
前記取付器具が2つのローラを有し、前記リールが2つの取付部材を有し、各ローラが、前記取付部材の隣接する端部に直接にまたは間接的に接続されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の液体分配器具。
【請求項13】
前記取付部材の中間領域が付勢装置によって接続されることを特徴とする請求項12に記載の液体分配器具。
【請求項14】
前記付勢装置が少なくとも1つの圧縮ばねであることを特徴とする請求項13に記載の液体分配器具。
【請求項15】
前記付勢装置が少なくとも1つの引張ばねであることを特徴とする請求項13に記載の液体分配器具。
【請求項16】
前記リールが、少なくとも1つの軸、および、前記少なくとも1つの軸と前記可撓性バッグの前記基部部分とを相互接続させる少なくとも1つのばねを有し、それにより、前記可撓性バッグが徐々に巻き上げれるときに、前記少なくとも1つのばねが圧縮されて前記リールの有効直径が縮小されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の液体分配器具。
【請求項17】
前記ばねが前記軸の少なくとも一部分を囲む渦巻きばねであり、前記軸に取り付けられる内側縁部と前記可撓性バッグの前記基部部分に装着されるように構成された外側縁部とを有しており、それにより、前記可撓性バッグが前記渦巻きばねの周りで徐々に巻かれるときに、前記渦巻きばねが圧縮されてその有効直径が縮小され、その結果前記リールの有効直径が縮小されることを特徴とする請求項16に記載の液体分配器具。
【請求項18】
前記駆動システムが、前記または各それぞれのレールに沿って前記または各ローラを回転させるように構成されることを特徴とする請求項5から17のいずれか一項に記載の液体分配器具。
【請求項19】
前記駆動システムが電気ステップモータおよび制御ユニットを有することを特徴とする請求項18に記載の液体分配器具。
【請求項20】
前記支持体が2つのレールを有し、前記取付器具が2つのローラを有し、前記リールがそれらの間に取り付けられ、端部がそれぞれのローラに接続されることを特徴とする請求項18または19に記載の液体分配器具。
【請求項21】
前記ローラおよびレールが、互いに嵌合されるように構成された歯を有しており、それにより、前記取付器具が回転することにより前記取付器具が確実に前方に移動するようになることを特徴とする請求項20に記載の液体分配器具。
【請求項22】
前記バッグが、食品用のプラスチック、エラストマ材料、シールドペーパー、シールドファブリック、ゴム、またはテフロン(登録商標)から作られていることを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の液体分配器具。
【請求項23】
前記可撓性バッグの断面積が変化し、それにより、使用時の前記出口からの液体の分配が、前記可撓性バッグを漸進的に巻くことと実質的に比例するようになることを特徴とする請求項22に記載の液体分配器具。
【請求項24】
前記取付器具の移動を制御する制御ユニットと、分配される液体を受けるための受け面と、前記制御ユニットに動作可能に接続される1つまたは複数のセンサとをさらに有し、前記1つまたは複数のセンサが、液体が分配される箇所と実質的に一直線上に並ぶように配置され、また、液体が分配された箇所の大きさを測定して、前記取付器具の漸進的な移動を停止、中断または逆行させることにより液体のさらなる分配を停止または中断させるために関連データを前記制御ユニットへ送るように構成されたことを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の液体分配器具。
【請求項25】
前記1つまたは複数のセンサが、液体が分配された箇所の断面測定値を記録するように構成され、この場合、前記制御ユニットが、前記断面測定値から液体が分配された箇所の容量を導出するように構成されたことを特徴とする請求項24に記載の液体分配器具。
【請求項26】
前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つが、分配された液体の高さおよび半径を測定するように構成されたことを特徴とする請求項24または25に記載の液体分配器具。
【請求項27】
前記1つまたは複数のセンサが近接センサまたは位置センサを含むことを特徴とする請求項24から26のいずれか一項に記載の液体分配器具。
【請求項28】
前記近接センサまたは位置センサが光学センサであることを特徴とする請求項27に記載の液体分配器具。
【請求項29】
前記1つまたは複数のセンサが重量センサを含むことを特徴とする請求項24に記載の液体分配器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2010−525997(P2010−525997A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506772(P2010−506772)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【国際出願番号】PCT/AU2008/000554
【国際公開番号】WO2008/134793
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509308126)
【Fターム(参考)】