説明

液状物詰め替え用ディスペンサ及びディスペンサユニット

【課題】 液状物の詰め替えを容易に行うことができる液状物詰め替え用ディスペンサを提供することである。
【解決手段】 液状物を収容するための液状物収容部(12)と、液状物収容部の底部に配置され、液状物収容部内の液状物を外部に流出させるための流出管(14)と、液状物収容部の上端から所定高さのところに位置する頂板(16)と、液状物収容部と頂板との間の空間に配置され、詰め替え用パウチを収容するためのパウチ収容部(20)と、パウチ収容部内に配置され、液状物の詰め替え時に前記パウチ収容部内に詰め替え用パウチを置いた際に詰め替え用パウチから液状物が液状物収容部に流下するのを許容し、かつ、詰め替え用パウチが液状物収容部内に落下するのを防止するためのパウチ受けプレート(22)とを備えているディスペンサ(10)が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、液状物詰め替え用ディスペンサ及びディスペンサユニットに関する。より詳細には、本発明は、液状物の詰め替えを容易に行うことができる液状物詰め替え用ディスペンサ及びディスペンサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプー、リンス等の液状物では、詰め替え用の液状物を収容したパウチが市販されており、容器入りの液状物を使い切った後でも、詰め替え用のパウチを購入して液状物を補充すれば、液状物を使い切った容器を使用することができるので、経済的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、詰め替え用のパウチから液状物を使い切った容器に液状物を詰め替える際、液状物を容器の外にこぼしてしまうことがある。また、特にシャンプー、リンス等の粘性のある液状物では、詰め替えにある程度の時間と手間がかかり、困難を極めるという課題もある。
【0004】
本発明は、このような状況に鑑みて開発されたものであって、液状物の詰め替えを容易に行うことができる液状物詰め替え用ディスペンサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願請求項1に記載の液状物詰め替え用ディスペンサは、液状物を収容するための液状物収容部と、前記液状物収容部の底部に配置され、液状物収容部内の液状物を外部に流出させるための流出管と、前記液状物収容部の上端から所定高さのところに位置する頂板と、前記液状物収容部と前記頂板との間の空間に配置され、詰め替え用パウチを収容するためのパウチ収容部と、前記パウチ収容部内に配置され、液状物の詰め替え時に前記パウチ収容部内に詰め替え用パウチを置いた際に詰め替え用パウチから液状物が前記液状物収容部に流下するのを許容し、かつ、詰め替え用パウチが前記液状物収容部内に落下するのを防止するためのパウチ受けプレートとを備えていることを特徴とするものである。
【0006】
本願請求項2に記載の液状物詰め替え用ディスペンサは、前記請求項1のディスペンサにおいて、前記パウチ収容部が、前記液状物収容部と前記頂板との間の空間に着脱自在に嵌め込まれるように構成されており、或いは、下部を支点として回動させることにより上部が開放状態になるように構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
本願請求項3に記載の液状物詰め替え用ディスペンサは、前記請求項1又は2のディスペンサにおいて、前記パウチ受けプレートが、側面視でほぼ漏斗状となるように形作られた複数のプレートによって形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
本願請求項4に記載の液状物詰め替え用ディスペンサユニットは、前記請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の複数の液状物詰め替え用ディスペンサを並列状態に連結することによって形成されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のディスペンサによれば、液状物の詰め替えを容易に行うことができる。また、本発明のディスペンサを吸盤やジョイント等を用いて壁面に取り付けることにより、省スペース化を図ることができる。また、本発明のディスペンサを透明又は半透明材料で形成することにより、液状物の残量の確認を容易に行うことができる。また、残量表示具を備えることにより、視力に障害のある人でも、液状物の残量の確認が可能になる。さらに、本発明のディスペンサが普及して液状物の詰め替えが一般的な使用法になれば、物品の流通の省資源化を達成することも可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係る液状物詰め替え用ディスペンサについて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る液状物詰め替え用ディスペンサを示した分解斜視図である。図1において全体として参照符号10で示される本発明の第1の実施の形態に係る液状物詰め替え用ディスペンサは、液状物を収容するための液状物収容部12を備えている。
【0011】
液状物収容部12は、対向する前壁12aおよび後壁12bと、前壁12aと後壁12bの端部同士を連結する一対の側壁12cおよび12dと、底壁12eとを有しており、上部が開放している。液状物収容部12の底壁12eには、液状物をディスペンサ10の外部に流出させるための流出管14が配置されており、流出管14には、開閉用のバルブ又はポンプ14aが取り付けられている。
【0012】
液状物詰め替え用ディスペンサ10は又、液状物収容部12の上方に位置する頂板16を備えている。頂板16は、支持部材18によって液状物収容部12の上端から所定高さHのところに支持されている。
【0013】
液状物詰め替え用ディスペンサ10は更に、液状物収容部12と頂板16との間の空間に配置されるパウチ収容部20を備えている。パウチ収容部20は、対向する前壁20aおよび後壁20bと、前壁20aおよび後壁20bの端部同士を連結する一対の側壁20cおよび20dとを有しており、上部および下部が開放している。パウチ収容部20は、平面視で液状物収容部12と実質的に同じ大きさを有し、かつ、液状物収容部12の上端と頂板16との間の高さHと実質的に同じ高さを有するように形成されている。
【0014】
パウチ収容部20の内側の下部には、前壁20aと後壁20bとの間に、パウチ受けプレート22が配置されている。パウチ受けプレート22は、詰め替え時にパウチ収容部20内にパウチを置いた際にパウチから液状物が液状物収容部20に流下するのを許容し、かつ、パウチが液状物収容部12に落下するのを防止する。パウチ受けプレート22は、所定間隔隔てて対向するように前壁20a及び後壁20bにそれぞれ取り付けられた複数対(図1では4対)のプレートによって形成されており、各プレートは、パウチを収容し易いように、側面視でほぼ漏斗状となるように形作られている(図3(b)参照)。
【0015】
パウチ収容部20には、パウチ収容部20を液状物収容部12と頂板16との間の空間に嵌め込む際にパウチ収容部20を固定するための固定具21が設けられている。固定具21は、液状物収容部12の前壁12a(又は、後壁12b)の幅とほぼ同じ幅を有する板によって形成されている。そして、固定具21を液状物収容部12内に挿入することによって、パウチ収容部20が固定される。なお、固定具21を他の形態(例えば、液状物収容部12の前壁12aの上端に溝又は突起を設け、これに合致する突起又は溝をパウチ収容部20の前壁20aの下端に設ける)にしてもよい。
【0016】
以上のように構成された液状物詰め替え用ディスペンサ10の使用について説明する。液状物を詰め替えようとする場合には、パウチ収容部20を液状物収容部12から取り外し、詰め替え用パウチの注ぎ口(図示せず)を切断等して開放した後、詰め替え用パウチを逆さまにしてパウチ収容部20に収容する。次いで、パウチ収容部20を液状物収容部12に嵌め込む。すると、詰め替え用パウチから液状物が液状物収容部12に流下する(図4参照)。所定時間が経過すると、詰め替え用パウチ内の液状物が全て、液状物収容部12に流下する。その段階において、詰め替え用パウチをパウチ収容部20から取り出してもよいし、パウチ収容部20内に収容したままにしておいてもよい。液状物の使用時には、流出管14のバルブ又はポンプ14aを開放して、液状物を流出させる。
【0017】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る液状物詰め替え用ディスペンサについて説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態に係る液状物詰め替え用ディスペンサを示した斜視図である。図5において全体として参照符号30で示される本発明の第2の実施の形態に係る液状物詰め替え用ディスペンサは、パウチ収容部40をその下部を支点として回動させることにより上部が開放状態になるように構成されている点を除いて、液状物詰め替え用ディスペンサ10と実質的に同一の構成を有している。
【0018】
すなわち、液状物詰め替え用ディスペンサ30は、液状物を収容するための液状物収容部32と、液状物収容部32の底部に配置され、液状物収容部32内の液状物を外部に流出させるための流出管34と、液状物収容部32の上端から所定高さのところに位置する頂板36と、液状物収容部32と頂板36との間の空間に配置され、詰め替え用パウチを収容するためのパウチ収容部40と、パウチ収容部40内に配置され、液状物の詰め替え時にパウチ収容部40内に詰め替え用パウチを置いた際に詰め替え用パウチから液状物が液状物収容部32に流下するのを許容し、かつ、詰め替え用パウチが液状物収容部32内に落下するのを防止するためのパウチ受けプレート42とを備えている。頂板36は、支持板38によって液状物収容部32の上端から所定高さのところに支持されている。
【0019】
液状物収容部32は、対向する前壁32aおよび後壁32bと、前壁32aと後壁32bの端部同士を連結する一対の側壁32cおよび32dと、底壁32eとを有しており、上部が開放している。また、流出管34には、開閉用のバルブ又はポンプ34aが取り付けられている。さらに、パウチ収容部40は、前壁40aと、後壁40b(図示されている例では、後壁40bは、専らパウチ受けプレート42を支持するためのものであるため、高さが低いが、このような形態に限定されるものではない)と、一対の側壁40cおよび40dとを有しており、上部および下部が開放している。パウチ収容部40は、下部に設けられた支点41を中心として回動するようになっており、パウチ収容部40を回動させることにより上部を開放状態にすることができる(図5参照)。
【0020】
液状物詰め替え用ディスペンサ30の使用についても、詰め替え用パウチをパウチ収容部40に収容する際にパウチ収容部40を回動させて開放状態にする点を除いて、液状物詰め替え用ディスペンサ10の使用と実質的に同一である。
【0021】
なお、液状物がシャンプーやリンスである場合には、液状物詰め替え用ディスペンサ10、30を浴室の壁に固定する等して使用するのがよい。また、液状物詰め替え用ディスペンサ10、30をスタンド(図示せず)に載せて床に置いてもよい。さらに、液状物の残量を目視することができるように、液状物収容部12、32及び/又はパウチ収容部20、40を透明又は半透明材料で形成してもよい。
【0022】
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0023】
例えば、前記実施の形態では、ディスペンサ10、30が全体として直方体の形状であるように示されているが、他の任意の形状(例えば、平面形状が楕円形)に形成してもよい。また、液状物の流下を許容し、かつ、パウチの落下を防止するというパウチ受けプレート22の本来の機能を達成することができる限りにおいて、パウチ受けプレート22を、図7(a)〜(d)に示されるような種々の任意の形状に形成してもよい。
【0024】
また、図8に示されるように、複数のディスペンサ10、30を並列状態に連結してディスペンサユニットとして使用してもよい。その際、ディスペンサユニットの各ディスペンサに設けられている開閉用のバルブ又はポンプの操作部(例えば、押しボタン)を各ディスペンサ毎に異なる形状(例えば、円形、矩形、三角形など)にし、操作部の形状によって液状物の種類(例えば、シャンプー、リンスなど)を把握できるようにすると、装飾的に好ましいのみならず、使い勝手も良好となる。
【0025】
さらに、ディスペンサ10、30に、液状物の残量を表示するための残量表示具24を配置してもよい(図9参照)。図9(a)および(b)に示される残量表示具24は、液状物収容部12の内部に位置するフロート24aと、液状物収容部24の外部に位置する指標部24bと、フロート24aと指標部24bとを連結する逆U形の連結部材24cと、液状物収容部24の外部に配置され、連結部材24cがほぼ垂直方向に昇降するように案内するためのガイド部24dと、液状物収容部24の外壁に設けられた目盛24eとを有している。残量表示具24を配置することにより、フロート24aが液位に応じて昇降し、指標部24bがフロート24aの昇降に連動して昇降するため、液状物の残量を容易に把握することができる。また、目盛24eを突起で表示することにより、視覚に障害のある人でも、液状物の残量を確認することができる。なお、図9(a)および(b)における参照符号18aは、連結部材24cが昇降することができるようにパウチ収容部20に設けられた開口部を示している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液状物詰め替え用ディスペンサの分解斜視図である。
【図2】図1のディスペンサの斜視図である。
【図3】図3(a)は図1のディスペンサにおいてパウチ収容部が嵌め込まれていない状態の断面図、図3(b)はパウチ収容部の断面図、図3(c)は図3(a)の部分3cの拡大断面図である。
【図4】図1のディスペンサに詰め替え用パウチが収容されている状態を示した断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る液状物詰め替え用ディスペンサの斜視図である。
【図6】図6(a)は図5のディスペンサのパウチ収容部が閉鎖されている状態を示した断面図、図6(b)は図5のディスペンサのパウチ収容部が開放されている状態を示した断面図である。
【図7】パウチ受けプレートの変形形態を示した断面図である。
【図8】図1のディスペンサを並列状態に連結したディスペンサユニットを示した斜視図である。
【図9】図9(a)は残量表示具を示した図、図9(b)は図9(a)の部分9bの拡大図である。
【符号の説明】
【0027】
10、30 液状物詰め替え用ディスペンサ
12、32 液状物収容部
14、34 流出管
16、36 頂板
18、38 支持部材
20、40 パウチ収容部
22、42 パウチ受けプレート
24 残量表示具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状物詰め替え用ディスペンサであって、
液状物を収容するための液状物収容部と、
前記液状物収容部の底部に配置され、液状物収容部内の液状物を外部に流出させるための流出管と、
前記液状物収容部の上端から所定高さのところに位置する頂板と、
前記液状物収容部と前記頂板との間の空間に配置され、詰め替え用パウチを収容するためのパウチ収容部と、
前記パウチ収容部内に配置され、液状物の詰め替え時に前記パウチ収容部内に詰め替え用パウチを置いた際に詰め替え用パウチから液状物が前記液状物収容部に流下するのを許容し、かつ、詰め替え用パウチが前記液状物収容部内に落下するのを防止するためのパウチ受けプレートとを備えていることを特徴とするディスペンサ。
【請求項2】
前記パウチ収容部が、前記液状物収容部と前記頂板との間の空間に着脱自在に嵌め込まれるように構成されており、或いは、下部を支点として回動させることにより上部が開放状態になるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記パウチ受けプレートが、側面視でほぼ漏斗状となるように形作られた複数のプレートによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の複数の液状物詰め替え用ディスペンサを並列状態に連結することによって形成されるディスペンサユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−1582(P2007−1582A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−180038(P2005−180038)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(301051426)有限会社恵信 (1)
【Fターム(参考)】