説明

混練機

【目的】 混練機のパドルはセルフクリーニング効果を求めるために、木の葉の形状となっている。これを回転軸に嵌入している。そのため、パドルに穴をあけて内径加工が必要となる。また、パドルが磨耗して交換時に、回転軸ごと混練機より取り外さなければならない。
【構成】 混練部材6,7は回転軸4,5の半周以内で回転軸4,5に沿って回転軸4,5に接触している取付フランジ15と、取付フランジ15から半径方向に突出している突出部16と、突出部16の先端に超硬合金製の先端部材17と、端板24とを一体に有する。ねじ部材18で混練部材6,7は回転軸4,5に取り外し可能に固定される。混練部材の構成部材は木の葉の曲線vに沿って凹凸である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EP灰、飛灰等を混練・加湿する混練機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飛灰等の固化処理としては、飛灰に固化剤を混合し加水して混練後水和反応により固化することが行われている。飛灰等の固化処理には、飛灰と固化剤例えばセメントとを混合した原料を加水して混練する混練機が用いられる。この混練機としては一方に原料の飛灰等とセメントの混合物を投入する入口、他方に混練された原料、すなわち混練物の取り出し用の出口を設けたトラフ中に横軸の平行な回転軸(第1の回転軸及び第2の回転軸)に夫々混練部材を設けたものが知られている。
【0003】
上述の混練部材としては、軸方向同一位置において2本の回転軸に夫々に板状の木の葉パドルを軸方向に密接配列して固定したものと、木の葉パドルに加えて軸方向に隣接して回転軸の外周にねじ羽根を設けたものと、回転軸の半径方向にロッドパドルを設け、第1の回転軸に設けたロッドパネルと第2の回転軸に設けたロットパドルは軸方向において重ならないが密接するように配列したものとがある。
【0004】
上記木の葉パドル、ロッドパドルは何れも軸方向に回転軸を中心としてスパイラル状に配列されている。
【0005】
第1の回転軸に固定した木の葉パドルと第2の回転軸に固定した軸方向で同一位置にある木の葉パドルとはそれらの外周が常に接触又は接近しており、且つ軸方向において隣接する木の葉パドルは重ねられているから、混練する作用が強く、相手パドルの各面を互にクリーニングする(セルフクリーニングという)という点ですぐれた混練部材である。
【0006】
しかし乍、製作費用が高価である。そして、混練抵抗が大きく、負荷対策、磨耗対策を必要としている。木の葉パドルが磨耗して取り替える場合に混練機の上下2つ割のトラフの上側のトラフを外した後に、根本的には下側のトラフから木の葉パドル付の回転軸を取り出し、その後、回転軸から木の葉パドルを軸方向に抜き、補修した木の葉パドルまたは新品の木の葉パドルを再び取り付けるという作業が必要であり、保守に時間がかかると共に費用の問題がある。
【0007】
ただし、軽微な木の葉パドルの損傷は上側のトラフを外した後は、トラフから木の葉パドル付の回転軸を取り外すことなく、盛金、研削等による修復も可能である。
【特許文献1】実公昭61―7037号公報
【特許文献2】特開平9−10570号公報
【特許文献3】実用新案登録第1653199号
【特許文献4】実用新案登録第1653200号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は次の如くである。
【0009】
本発明は木の葉パドルに相当する機能を有すると共に製作費がより安価で保守が容易な混練部材を着脱可能に備えた混練機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本出願に係る第1の発明は一方の端部に原料の入口を有し、他方の端部に原料を混練した混練物の出口を有するトラフ中に電動機で同方向に同回転速度で駆動される平行する2本の横軸の回転軸に回転軸の中心線を中心として同じねじれ方向にねじれたスパイラル面上で軸方向において多数の混練部材を備えた混練機において、
該混練部材は第1の回転軸と第2の回転軸に軸方向において夫々重ねて設けられ、各々の混練部材は第1の回転軸と第2の回転軸の軸方向において第1の回転軸と第2の回転軸に各々同一の位置に設けられて各回転軸の半径方向の片側又は直径をわたる両側に突出し、軸方向において同一位置にある第1の回転軸に設けられた第1の混練部材と第2の回転軸に設けられた第2の混練部材は回転軸の回転方向において90度位相を異にしており、第1の混練部材の第1の回転軸を中心とする半径方向の長さと第2の混練部材の第2の回転軸を中心とする半径方向の長さはその長さの和が第1、第2の回転軸の軸間距離よりも大で、回転中第1、第2の混練部材が互に干渉しない長さで且つ第1の混練部材が第2の回転軸と干渉しない長さ、又は第2の混練部材が第1の回転軸と干渉しない長さを有し、混練部材は根本側が回転軸の半周以内で回転軸に沿って接し、取付穴を有する取付フランジと、取付フランジと一体に形成され回転軸の半径方向に突出端を有する突出部と、突出部の先端に一体に設けた耐摩耗性合金との先端部材と、を有し、混練部材と共に混練物が回転移動するとした場合にこの混練部材の相手混練部材の先端がこの混練物上に画く軌跡内でこの軌跡に沿って混練部材の構成部材の輪郭が形成されており、回転軸の軸方向における混練部材の端面が平面であって隣接する混練部材と接触又は近接し取付フランジの取付穴を挿通して回転軸にねじ込まれるねじ部材によって回転軸に固定されることを特徴とする混練機である。
【0011】
本出願に係る第2の発明は各回転軸の軸方向で同一位置にある第1の混練部材と第2の混練部材は半径方向の長さが等しいことを特徴とする第1の発明に記載の混練機である。
【0012】
本出願に係る第3の発明は軸方向で同一位置にある第1、第2の混練部材が第1、第2の回転軸の中心を結ぶ線に対して夫々45度の角度をなした際に接近して互に干渉しない長さを有することを特徴とする第2の発明に記載の混練機である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、混練部材は請求項1に記載の構成としたことにより、軸方向の一個所における混練部材の先端が画く円は互いに相手の円を切って混練物に二度作用するので、混練部材回りの混練物が仮に混練部材と共に回転移動をするとすれば、この移動に伴なって画かれる混練物上に画かれる混練部材の先端の軌跡は木の葉車形となる。そして、隣接する混練部材は接触又は近接しているので、木の葉車形の内側にその構成部材が沿って設けられた混練部材の凹部の混練物は混練されないで固化状態となる。そこで、混練部材と固化状態の混練物を併せるとあたかも木の葉車のようになる。そこで、混練効果の大きい木の葉車とほぼ同等の混練効果がある。その上、ねじ部材の着脱という簡単な作業で混練部材を回転軸に着脱できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図5から図7に示すように一方の端部に原料の入口2aを有し、他方の端部に原料を混練した混練物の出口2bを有するトラフ2中に図示されない電動機から軸継手4k,5kを介して同方向に同回転速度で駆動される平行する2本の横軸の回転軸4,5に回転軸の中心線を中心として同じねじれ方向にねじれたスパイラル面上で軸方向において多数の混練部材6,7を備えた混練機において、
図1に示すように、該混練部材6,7は第1の回転軸4と第2の回転軸5の軸方向において同一の位置に設けられて各回転軸の直径をわたる両側に突出し(図1、図2では片側のみを図示した)軸方向において同一位置にある第1の回転軸4に設けられた第1の混練部材6と第2の回転軸5に設けられた第2の混練部材7は回転軸4,5の回転方向において90度位相を異にしており、第1の混練部材6の第1の回転軸4を中心とする半径方向の長さと第2の混練部材7の第2の回転軸5を中心とする半径方向の長さはその長さ(図1,図3の符号R)の和が第1、第2の回転軸4,5の軸間距離Lよりも大で、回転中第1、第2の混練部材6,7が互に干渉しない長さで且つ第1の混練部材6が第2の回転軸5と干渉しない長さ、又は第2の混練部材7が第1の回転軸4と干渉しない長さを有する。
【0015】
図1又は図2に示すように混練部材6,7は根本側が回転軸4,5の半周以内で回転軸4,5の外周に沿って接し、取付穴15aを有する取付フランジ15と、取付フランジ15と一体に形成され回転軸4,5の放射方向に突出端16aを有する突出部16と、突出部16の突出端16aに一体に設けた耐摩耗性合金の先端部材17と、を有し、回転軸4,5の軸方向における混練部材6,7の端面6f,7fが回転軸4,5の中心線に対して直角な平面であって隣接する混練部材6,7の端面6f,7fと接触又は近接し取付フランジ15の取付穴15aを挿通して回転軸4,5にねじ込まれるねじ部材18によって回転軸4,5に固定されている。
【0016】
ここで、混練部材6又は7と共に混練物が仮に混練部材6又は7と共に回転移動するとした場合にこの混練部材6又は7の相手混練部材7又は6の先端がこの混練物上に画く軌跡(図1,図3における曲線v)内でこの軌跡に沿って混練部材6又は7の構成部材の輪郭が形成されている。
【実施例】
【0017】
(全体構成)
図6は混練機の縦断面図、図7は図6のA−A断面図である。図5は一部断面で示す平面図である。
【0018】
混練機1は図5、図6、図7に示すように一方の端部に原料の入口2aを有し、他方の端部に原料を混練した混練物の出口2bを有するトラフ2中に図示されない電動機で同方向に同回転速度で駆動される平行する2本の横軸の回転軸4,5の周囲に夫々同様に回転軸4,5に軸方向において多数の混練部材6,7を備えている。また、入口2aの下方から出口側に向って回転軸4,5にスクリュー6A,7A(7Aは回転軸5に備える)が備えてある。スクリュー6A,7Aは送り力が大きいが混合、混練も行う混練部材である。これらの混練部材6,7,6A,7Aを備えた回転軸4,5をロータ19,21と称する。
【0019】
原料の入口2aはトラフ2の上面に開口している。混練物の出口2bはトラフ2の底部に開口している。
【0020】
トラフ2は上下二つ割りであって下部は一体のトラフ2Aで、上部が下部のトラフ2Aに水平部2e(図7参照)で接して結合されている。上部のトラフ2Bは一体ではなく、図5に示すように継目2fで軸方向の入口部のトラフ2B1、出口部のトラフ2B2に長手方向を分割して結合されている。回転軸4,5は、トラフ2中を挿通してトラフ2の一部としてトラフ2の前後に固定されたブラケット10a,10bに装架した軸受9,14により夫々支持されている。トラフ2を回転軸4,5が貫通する部分はグランドパッキンのような軸封部材8,12で軸封されている。
【0021】
入口部のトラフ2B1上面には原料の入口2aが設けてある。この入口2aから混合機で例えば飛灰とセメントを攪拌し混合された原料が投入される。入口2a側には、回転軸4,5に一対のスクリュー6A,7Aが固定されている。このスクリューは回転軸4,5に嵌入固定された筒とこの筒の外周に同ピッチの一体にねじ羽根を設けたものであり、両スクリュー6A,7Aのねじ羽根は対向する位置で山と谷が係合している。
【0022】
トラフ2の出口側の下面には混練物の出口2bが設けてある。この出口側にはスクリュー6A,7Aに続いて、回転軸4,5に夫々混練部材6,7群が固定されている。混練部材6,7は軸方向同位置のものは互いに接するか、接近している。混練部材6,7の先端とトラフ2の内壁面はすきま少く接近している。混練部材6,7は軸方向で隣る混練部材6,7とは夫々について同一方向にリード角を附して捩って回転軸4,5に固定されており、混練部材6,7群は全体としてリードを附されており、混練作用と共に送り機能を持っている。
【0023】
出口2bはトラフ2の下面に設けた開口2b1と開口2b1の面積よりも断面積の大きい出口シユート2b2を備えている。
【0024】
上部のトラフ2Bには添加水ノズル11が複数長手方向に配してある。このノズル11は図示されない水源に配管されており、トラフ2内へ水を圧送するようになっている。
【0025】
以上の混練機は前工程の混合機中に於いて飛灰等と固化剤のセメントが混合加水されて、その入口2aに結合された混合機より原料として投入される。図示されない電動機から、動力伝達装置、軸継手4k,5kを介して駆動されている回転軸4,5上のスクリュー6A,7A及び混練部材6,7は夫々は回転しており、スクリュー6A,7Aは互いにトラフ2の内壁と隙間少なく配されており、該内壁と外周を接してもしくは接近して回動して原料は混練される。又、スクリュー6A,7Aはリードがあるから原料は軸方向に送られる。スクリュー6A,7Aにより図5、図6において右方に送られた原料は混練される。即ち、混練部材6,7で夫々原料が練り合わされ、順次図5、図6において右方に送られて出口2bに到達する。上記入口側から出口側への原料の進行の過程で添加水ノズル11により加水される。
【0026】
かくして出口2bの出口開口2b1上に到達した混練物は出口開口2b1を通り落下する。この際、混練物は出口開口2b1の内周に接するのみで出口シユート2b2には付着しない。この出口開口2b1の内周は混練物の移動方向には極めて短く、仮にこの部分に混練物が付着してもスクリュー6A,7A、混練部材6,7の推力による内部の混練物の圧力で剥離する。出口開口2b1から出た混練物は図示されない成形機又は搬送コンベアへ供給される。
【0027】
(混練部材の実施例1)
図1、図2に示すように混練物の移動方向において、スクリュー6A,7Aの下流側に配設される混練部材6,7は回転軸4,5の半周以内で回転軸4,5に沿って接し、取付穴15aを有する取付フランジ15、取付フランジ15と一体に形成され回転軸4,5の半径方向に突出端16aを有する突出部16と、突出部16の突出端16aに一体に設けた耐摩耗性合金の先端部材17とを有する。
【0028】
フランジ15は回転軸4,5の外周に軸方向に沿うと共に周方向に沿っている。フランジ15の軸方向の長さは短いので軸方向には全面で回転軸4,5の外周に接する。フランジ15の形状は回転軸4,5の周方向に関しては、くら形となっている。即ち、回転軸4,5との接触部15bに接触する平板状の交叉する回転軸4,5に面する部分を回転軸4,5の半径よりも小さい半径rで丸めてある。このフランジ15と回転軸4,5との接触部15bは図1に示すように六角ボルトのようなねじ部材18の中心線18a上にて接触する。この中心線18aは回転軸4,5の中心C41,C51から半径方向にのびる直線である。取付フランジ15に設ける取付穴15aの中心は中心線18aと一致するようになっている。上記のように、フランジ15をくら形としたことにより製作が容易で安定した形で回転軸4,5に着座できる。
【0029】
フランジ15の回転軸4,5の軸方向から見て中央には突出部16が回転軸4,5の半径方向に突出している。突出部16の半径方向の中心線16cは、中心C41,C51(中心C41は回転軸4の中心、中心C51は回転軸5の中心)に張る中心線18a,18a間の角を2等分する線である。フランジ15と突出部16の根本は両者が一体となるように溶接してある。w1は溶接部である。
【0030】
上記フランジ15と突出部16との軸方向の夫々の端面15c,16bは共通の一平面上にある。この端面15c,16bには端板24,24が当接して固定されている。端板24,24の形状は図1に示すように縁24aがフランジ15の端面15cに沿っている。そして、突出部16の突出方向へ台形にのびた形状である。詳しくは、中心線18aに平行する縁24b、突出部16の突出方向へ両側からせばまる斜設した縁24c、突出部16の突出方向先端に近い縁24dを有する形状である。端板24、24とフランジ15、突出部16の当接部分の隅は溶接されている。w2がその溶接部である。回転軸4,5の軸方向で隣接する混練部材6,7が当接又は近接するのは端板24の端面24gである。この端面24gは混練部材6,7の端面6f,7fでもある。
【0031】
先端部材17は耐摩耗性合金、例えば、焼結合金、チタン被覆金属等であり、突出部16と一体に焼結、又は溶着等により固着されている。先端部材17の回転軸4,5の軸方向における幅は突出部16の幅と同じである。
【0032】
混練部材6,7の半径方向の突出長さRは曲線vで形成される木の葉パドルの長径aの半分以内の長さである。ただし回転軸4,5の中心C41,C51と点x1間の長さにまで突出長さRを大きくできる。曲線v内で点x1まで先端部材17を設けても相手混練部材と干渉することがないように軸間距離を選択すればよいが、先端部が尖鋭であると急速に磨耗する。そこで先端部材17の先端面17dは予め図示のように点x1より退けて丸めてある。そして、先端面17dと舌部17a,17bとの角17cは丸めた状態で曲線vと接している。角17cによって木の葉パドルとなる曲線vが形成される。曲線vについて後述する作用の説明において説明する。
【0033】
上述のように構成された混練部材6,7は回転軸4,5に取付フランジ15を当接して、取付穴15aを挿通してねじ部材18例えば六角ボルトを回転軸4,5に設けた半径方向のめねじにねじ込む。
【0034】
上述より明らかなように、この混練部材6,7はトラフ2Bを取り外して開放すると、外部に露出する。そこで、ボックススパナを用いてねじ部材18を弛めることも締めることもできるので、トラフ2からロータ19,21を取り外すことなく、回転軸4,5に混練部材6,7の取付け、取外しができる。
【0035】
混練部材6,7は夫々回転軸4,5の軸方向において同一位置において90度位相を異にして設けられる。また、混練部材6,7は回転軸4,5の直径をわたる両側へ突出して設けられる。また、混練部材6,7は多数を有し、夫々の混練部材6,7は回転軸4,5の軸方向で接触して隣接又は隣り合って接近している。また、各回転軸4,5上において、この回転軸4,5を中心としてスパイラル状に混練部材6,7は配設されている。混練部材6,7は回転軸の直径をわたる両側へ突出しているので、上記スパイラルは2重のスパイラルである。
【0036】
図25は2重のスパイラルの場合の回転軸4上の混練部材6を回転軸4の軸方向から見る正面図である。図において、混練部材6は図25では手前側より奥側へ右回りに、図26では左側から右側へ符号6a−1から6a−4へ、6b−1から6b−4右方向へねじれ乍ら軸方向に位置を変えている。ここで6a−iと6b−i(i:1…4)とは回転軸4の軸方向の同一位置において直径をわたる両側へ突出している。回転軸5上の混練部材7についても同様に表現される。
【0037】
図26はロータを平面に展開して見る展開図である。図26は回転軸を基準に展開してある。
【0038】
次に混練部材6,7の輪郭には範囲があることを説明する。図1に示すように混練部材6,7は曲線v,vで囲まれた範囲内に設ける必要がある。その理由を以下にのべる。
【0039】
今、混練部材6a,6bが回転するときの混練部材6a,6bの先端が画く円内の混練部材6の軌跡内では混練物は混練部材6a,6bと共に回転するものとする。同様に混練部材7a,7bが回転するときの混練部材7a,7bの先端が画く円内の混練部材7の軌跡内では混練物は混練部材7a,7bと共に回転するものとする。
【0040】
そして、混練部材6a,6bの先端が画く円内の混練物を混練部材7a,7bが攪拌して移動する際に混練部材6a,6bの回転と共に回転する混練物に混練部材7a,7bの先端が画く軌跡を考える。同様に混練部材7a,7bの先端が画く円内の混練物を混練部材6a,6bが攪拌して移動する際に混練部材7a,7bの回転と共に回転する混練部材6a,6bの先端が画く軌跡を考える。
【0041】
図8から図24を用いて上記構成の作用をのべる。図8から図24では混練部材6,7は模式的に画かれている。図示されない電動機が付勢されると軸継手4k,5kが回転する。そこで回転軸4,5は同方向に等速で回転する。即ち、ロータ19,21は図示矢印イ、ロの方向に等速回転する。
【0042】
混練部材6,7の軸方向の1個所における作用についてのべる。この混練部材6,7の前後の位置においてはトラフ2中に混練中の原料が充満しているとする。
【0043】
図8から図24までは混練部材6,7が1回転する際の作用が示されている。ここで、混練部材6の回転軸4の直径をわたる両側に夫々反対方向に突出する部分を混練部材6a,6b、混練部材7の回転軸5の直径をわたる両側に夫々反対方向に突出する部分を混練部材7a,7bとする。
【0044】
図8に示すように、混練部材6a,6bが回転軸4,5を結ぶ線CL及びその延長線上に有って、混練部材6bが回転軸5の方を向いている位置及び混練部材7a,7bが回転軸5,4を結ぶ線CLに直角方向の線上にあって、混練部材7bが上方を向いている位置を0(ゼロ)回転の位置(以下、単に0(ゼロ)位置という)とする。
【0045】
図8から図24までロータ19,21は連続して1回転する。図8から図24の各図は夫々1回転中の回転角22.5度毎の混練部材6a,6b,7a,7bの位置を示してある。
【0046】
図8から図9に示すようにロータ19,21が0(ゼロ)位置から矢印イ、ロの方向に夫々22.5度回転すると、各混練部材6a,6b,7a,7bの回転方向の前面の混練物を押す。各混練部材6a,6b,7a,7bの回転方向の後方には各混練部材6a,6b,7a,7bの移動の軌跡として空間ができることになるがこの空間には混練物が送り込まれる。この移動の軌跡としての空間への送り込みは各混練部材6a,6b,7a,7bの移動方向の前面からの一部回り込みと、次に述べる軸方向からの移動による送り込みである。
【0047】
混練物はロータ19では各混練部材6aが回転軸4を中心とする右ねじれの2重のスパイラル面上にある。及びロータ21では各混練部材が回転軸5を中心とする右ねじれの2重のスパイラル面上にある。そこで、混練部材6a,7a群は図5,図6において混練物を左方から右方へ送る作用を有する。従って、混練部材6a,6bの夫々の位置において混練物は軸方向の送り力を受けている。
【0048】
図9に示すようにロータ19,21が0位置から22.5度回転すると、0位置よりも以前から回転した混練部材7bの先端が画いた円弧c内の混練部材7bの軌跡中の混練物の一部は重ねて混練部材6bによって混練されている。そして、混練部材6b先端が円弧cの外側へ出るまでに曲線dが混練部材7bにより混練物が一度だけ混練される領域eと一度混練された混練物の一部が二度混練される領域fの境となる。ここで曲線dは、混練部材7a,7bと共に円弧c内の混練物が回転移動するとしたら(以下、同様に考える)混練部材6bの先端が該混練物中に画く軌跡である。詳しくは、領域fでは混練部材7bの移動により、混練部材7bの移動方向の前方から後方に回り込んだ混練物が2回目の混練を受け軸方向に送られてくる混練物が初めての混練を受ける。
【0049】
図10を参照して、混練部材6bは混練部材7bの軌跡である円弧c内から円弧c外へ出る。そして、混練部材7aはその先端が混練部材6bの先端が画いた円弧gに接近する。
【0050】
図10に示すようにロータ19,21が0位置から45度回転すると混練部材6bと7aは長さが等しく、先端が接近する。このとき、回転軸4,5の中心を結ぶ線CLに対して混練部材6b,7aは共に45度をなしている。混練部材6bと7aの先端が互いに干渉しないように混練部材6bと7aの先端間に回転軸4,5の中心を結ぶ線CL方向で隙間tを設けてある。続くロータ19,21の回転により、混練部材6bの移動の軌跡i上には混練部材7aが混練部材7aの前進側の混練物を押し出すと共に入口2a側から出口2b側方向の軸方向から送られる混練物が進入する。
【0051】
図11を参照して、図10の位置から、ロータ19,21がわずかに回転すると、混練部材6bの先端の移動の軌跡の回転軸4の中心を中心とする円弧g上の点hに混練部材7aの先端がくる。
【0052】
図11に示すようにロータ19,21が0位置から67.5度回転すると、混練部材6bの移動した軌跡i内に混練部材7aが入り込んで来るので、混練部材6bの移動方向の前面から後方に回り込んだ混練物の一部及び混練部材6bの移動した軌跡i内へ入口2a側から出口2b側方向の軸方向から送られて来る混練物の一部は混練部材6bに混練された後に混練部材7aにより混練される。混練部材6aと7aは離れているので互いに作用し合うことなく夫々混練を行う。
【0053】
図11において混練部材6bの先端の軌跡である回転軸4を中心とする円弧gよりも該円弧g内へ、混練部材7aは進入を深くして行く。図11に点hから始まる混練部材7aの先端が混練物に画く軌跡である曲線jよりも混練部材6bに近い側は混練部材7aの移動により混練部材7aが混練物に画く軌跡外となる。単純にいえば曲線jと混練部材6bとの間は混練部材6bのみが作用し混練部材7aは進入せず混練の作用もしない。
【0054】
図12に示すようにロータ19,21が0位置から90度回転すると、混練部材6bも90度回転し、その移動の軌跡iの限界である円弧g内の面へ混練部材7aの90度回転の移動の軌跡の一部l(エル)が入り込む。そこで図10から図12までに混練部材7aが混練部材6bの移動の軌跡iの限界の円弧g内へ入り込んだときの混練部材7aが作用した範囲と作用しない範囲は図12に画く曲線jが境となる。
【0055】
図8から図12の説明で分かるように図12に示す混練部材6a,6bの右側に示す曲線jの回転軸4側の領域は1つの混練部材6bによって混練物が1回混練される領域であり、曲線jと円弧gの間の領域が2つの混練部材6b,7aによって混練物が重ねて混練される領域である。
【0056】
図13に示すようにロータ19,21が図8の状態から112.5度、図12の状態から22.5度回転する際、混練部材7aは回転軸4,5の中心を結ぶ線CLからは混練部材6bの移動の軌跡iへの入り込み長さを減少させて行く。
【0057】
図14に示すようにロータ19,21が図8に示す0位置から135度回転すると、混練部材6aと7aは長さが等しく、先端が接近する。このとき、回転軸4,5の中心を結ぶ線CLに対して混練部材6a,7aは共に45度の角度をなしている。混練部材6aと7aの先端が互に干渉しないように混練部材6aと7aの先端間に回転軸4,5の中心を結ぶ線CLの方向で隙間tを設けてある。この関係は図10と同様である。混練部材6bと7a(図10参照)、6aと7a(図14参照)、6aと7b(図18参照)、6bと7b(図22参照)の接近時は同様に先端間に隙間tがある。続くロータ19,21の回転により、混練部材7aの移動の軌跡m上には混練部材6aが混練部材6aの前進側の混練物を押し出すと共に入口2a側から出口2b方向の軸方向から送られる混練物が進入する。
【0058】
図15を参照して、図14の位置からロータ19,21がわずかに回転すると、混練部材7aの先端の移動の軌跡の回転軸5の中心を中心とする円弧n上の点o(オー)に混練部材6aの先端が来る。
【0059】
図15に示すようにロータ19,21が0位置から157.5度回転すると、混練部材7aの移動した軌跡m内に混練部材6aが入り込んでくるので混練部材7aの移動した軌跡m内へ混練部材7aの移動方向の前面から後方へ回り込んだ混練物の一部及び入口2a側から出口2b側方向の軸方向から来る混練物の一部は混練部材6aにより混練される。
【0060】
図15において混練部材7aの先端の軌跡である回転軸5を中心とする円弧nよりも該円弧内へ、混練部材6aは進入を深くして行くので図15にpで示す曲線よりも混練部材7aに近い側は混練部材6aの移動の軌跡外となる。単純にいえば曲線pと混練部材7aとの間は混練部材7aのみが作用し混練部材6aは進入せず混練の作用もしない。
【0061】
図16に示すようにロータ19,21が0位置から180度回転すると、混練部材7aも180度回転し、その移動の軌跡mへ混練部材6aの180度回転の移動の軌跡qの一部が入り込む。そこで図14から図16までに混練部材6aが混練部材7aの移動の軌跡mへ入り込むときの混練部材6aが作用した範囲と作用しない範囲は図16に画く曲線pが境となる。
【0062】
図8、図16を見れば分かるように、図8において、混練部材6aは回転軸4から回転軸5とは反対方向を向いて回転軸4,5の中心を結ぶ線CLの延長線上にある。図16において混練部材6aは線CL上にあって回転軸4から回転軸5の方を向いている。即ち、混練部材6aと6bは軸4を中心にして線CL及びその延長線上で図8と図16では左右に入替っている。同様に混練部材7a,7bは図8と図16では上下に入替っている。
【0063】
図16から図24への混練部材6a,6bと7a,7bの関係は図8から図16までの混練部材6a,6bと7a,7bの関係において混練部材6aと6bを入替えると共に混練部材7aと7bを入替えて考えると分かるように同様である。
【0064】
かくして図24に示すように混練部材6a,6b,7a,7bが図8から図24まで360度回転すると、混練部材6a,6bの移動の軌跡は夫々が回転軸4を除いた円s内となる。同様に混練部材7a,7bの移動の軌跡は夫々が回転軸5を除いた円u内となる。
【0065】
そして、ロータ19,21が一回転する間に円s内の軌跡に対して円u内の軌跡が重なる部分においては、混練部材6aと7a,6aと7b,6bと7a,6bと7bの何れかの組合せが混練を行うので、この範囲の混練物は回転軸4,5の軸方向において同一位置にある異なる2本の混練部材によって混練される。混練部材6a,6b,7a,7bが1回転する間の混練物が異なる2本の混練部材により混練する範囲は図24に示すように90度位相を異にするこばん形の同一の曲線v,wの外側の範囲の如くになる。この曲線v,w内の夫々の長径aは混練部材6aの半径と6bの半径又は7aの半径と7bの半径を加えた値である。また短径bは回転軸4,5の軸間距離CDから混練部材6a,6b,7a,7bの半径を減じた値の2倍である。
【0066】
上述のように曲線v外の領域A1には混練部材7a,7bが入り込んでくる。曲線w外の領域A2には混練部材6a,6bが入り込んでくる。これらの曲線v,wは回転軸4,5の中心C41,C51について点対称である。曲線vとwは形状寸法が合一であるのでこの個所以外における説明では符号はvを用いている。
【0067】
上記作用を説明する過程で混練部材6,7の夫々の移動の軌跡(先端部材7が画く円内)内の混練物は混練部材6,7と共に回転するとした。そこで曲線v内の混練物は相手混練部材7によって攪拌されないし、曲線w内の混練物は相手混練部材6によって攪拌されない。それ故、曲線v,w内の混練物は固化し易い。一旦固化すると、あたかも木の葉パドルの如く挙動することになる。故に、この実施例のように軸方向の同じ位置において木の葉パドルの長径部の先端に相当する先端部材17を設けることにより、そして回転軸軸方向に、重ねて混練部材6,7を設けることは、簡単な構成で木の葉パドルと相当のものを提供できるものである。更に、混練部材6,7は図1に示すようにその構成部材であるフランジ15、端板24、先端部材17が曲線v内で曲線vに沿って配備されている故木の葉パドルとほぼ同様の作用を呈する。
【0068】
ここで、木の葉パドルはここでは機構学上でいう木の葉車と形状は同様のものを採用し得る。例えば対数うず巻線を輪郭とする摩擦車と同形状の木の葉パドルを採用し得る。しかし、混練機の木の葉パドルは形状が摩擦車と同一のものを採用し得るとしても、第1の回転軸に取り付けた混練部材と第2の回転軸に取り付けた混練部材は両軸を結ぶ線上おける対向部において互に反対方向に移動し、摩擦車たり得ない。即ち、機構学でいう木の葉パドルとこの実施例でいう木の葉パドルとは作用が相違するものである。
【0069】
機構学上の木の葉車では平行する2軸は互に反対方向に回転し、対向する摩擦車は接触部で転動する。木の葉パドルは対向部では仮に接触するようにしたとしても必ずすべり接触である。それ故、本例の混練部材6,7は、混練という目的に照して木の葉パドルをなす曲線v内あり、且つ曲線vに沿って設けられておれば、曲線vに対して凹凸をなしていても差支えないものである。
【0070】
次に混練部材6,7の具体的な形状についてのべる。
【0071】
図1に示すように、先端部材17は舌部17a,17b側の角17cが曲線vに接している。この角17cは丸面取り形状である。端板24の縁24cと24dが交叉する角24eは曲線vとわずかに離れているが曲線vと角24eを一致させてもよい。縁24bと24cの角24fは曲線vと接近しているが角24fと曲線vは一致させてもよい。
【0072】
フランジ15の端部15fは曲線vと離れているが曲線vまでのばすことができる。回転軸4,5の直径は曲線v,vで囲まれた図形の短径v1−v1(=b)が選択できる最大径である。
【0073】
上述のように、混練部材6,7は曲線v,vで囲まれた範囲内で、且つ、曲線v,vに近づけて配設してある。そして、取付フランジ15、ねじ部材18、突出部16、先端部材17を通じて曲線v,vと対向する曲線v,v内の混練部材部分の形状は凹凸が繁しい複雑な形状であるため、混練部材6,7の構成部材、回転軸4,5と曲線v間の空間Sでは混練物は滞留し易く、固化し易い。それ故、回転軸4,5、混練部材6,7回りの空間Sは固化した混練物で充たされ、あたかも木の葉パドルのようになる。ここで空間Sとは曲線v,vで囲まれた内部空間であって、回転軸4,5、混練部材6,7を除く空間のことである。
【0074】
そして、図25、図26に示すように、このような混練部材6,7は回転軸4,5の軸方向において、隣接する混練部材6,7は端面24gで一定方向にスパイラル面上において互にくい違い接触しているので、端面24g同士の接触の範囲で回転軸4,5回りを周方向に混練物の移動は制約されている。そして、回転軸4,5の軸方向において、各混練部材6,7はスパイラル状に配設されているのでロータ19,21の回転によって回転軸4,5の軸方向に混練物を送る。
混練物が軸方向に送られる際は軸方向に隣接する混練部材間に段状の差が周方向にあるため、混練部材外周の凹凸部と併せて混練が行われる。この実施例1の混練部材は回転軸の軸方向の同一個所で、直径の両側にわたって半径方向の片側に設けてもよい。この場合、混練部材は回転軸回りに一重のスパイラル状に配設される。
【0075】
(混練部材の実施例2)
混練部材の実施例2について説明する。
【0076】
図3は回転軸の軸方向から見る混練部材を示している。図4は図3の平面図である。
【0077】
回転軸4,5は本例では面取りされた角軸である。取付フランジ15は一つの隅15hを間にして角軸の一面4j,5jに接する面15jと、角軸4,5の面4j,5jに直角な面4i,5iに接する面15iを有する。したがって、取付フランジ15は回転軸4,5の角4m,5mにまたがっている。ただし、フランジ15の主要部は回転軸4,5の面4j,5jに接し、位置決めをするための端部15mが回転軸4,5の面4i,5iに接する。面15iは面4i,5iの辺幅に比して小さい。フランジ15の表面には突出部16を有する。この突出部16はフランジ15の一方の端部15mのある側に寄せて設けてある。突出部16の突出端16aには焼結合金等の先端部材17が設けてある。前実施例では先端部材17は突出端16aの両側へ舌部17a,17bを設けた(図1参照)がこの実施例2では舌部17bはロータ19,21の回転方向イ、ロで見て突出部16の前進側の面16bに回り込んでいるだけである。角17cは曲線v,vに接している。
【0078】
実施例1に示す舌部16aは実施例2では有しない。混練部材6,7としての半径方向の突出長さRは回転軸4,5の中心C41,C51から曲線v,vで示される木の葉車の長径上の線xと先端部材17の交差する点a1までの長さである。舌部のない角17c側は木の葉車の短径上の線yからの距離が長さRを越えているがこの角17cは曲線vと接している。
【0079】
フランジ15と突出部16は溶接部w1,w1でもって結合して一体化されている。この実施例2の混練部材6,7の回転軸4,5の軸方向と同方向の両端面6f,7fはフランジ15、突出部16、先端部材17を通じて回転軸4,5の中心線に対して直角な共通の一平面である。既に図8から図24においてのべた先端部材17が混練物に画く軌跡である曲線vで囲まれた内部に回転軸4,5、混練部材6,7が納まる。そこで、曲線vでなる図形の長径をとおる線xは回転軸4,5の対向する辺の中心をとおる線zとは回転軸4,5の中心C41,C51(C41は回転軸4の中心、C51は回転軸5の中心)において角θをなして交叉している。
【0080】
回転軸4,5への混練部材6,7の取り付けはフランジ15の取付穴15aを挿通して六角ボルトのようなねじ部材18を回転軸4,5に設けてあるめねじにねじ込むことによる。このねじ部材18の位置は曲線vを越えない範囲において突出部16からの距離が可能な限り大きくなるようにしてある。
【0081】
実施例2においても、実施例1と同様に曲線vと回転軸4,5及び混練部材6,7間の空間Sは混練物が固着し易い。混練作用により生ずる混練部材の挙動は実施例1と同様である。
【0082】
空間Sの範囲についてみると、ロータ19,21の外方に対する境界を曲線vとして回転軸4,5、混練部材6,7をこの境界内に納めると共にこの曲線vに近づける。先端部材17は角17cで曲線vに接している。角17cは先端部材17の角面取り状部分の一点であり、軸方向には直線となる。ねじ部材18の六角ボルトはその頭18bが曲線vに近い位置にある。頭18bは曲線vを越えない。フランジ15は角15eが曲線vに接近している。回転軸4,5の角4a,5aは曲線vと一致している。
【0083】
この実施例2は空間Sが凹凸が多く凸部が曲線vに近づく、又は、一致する角部が多いので空間Sには混練物が滞留し易く、滞留固化により木の葉パドルが形成される。
【0084】
実施の形態では混練部材6,7の回転軸の直径をわたる両側への半径方向突出長さを等しくしたが半径方向突出長さが相違していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
上述したように、この発明の実施例はトラフを開放するだけで混練部材を取り外せるようにしただけでなく、混練を行うだけでほぼ木の葉パドルを備えたロータと同様の混練効果を奏することができる。混練部材及びロータの製作に困難性がない。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施例1の混練部材を軸方向から見る正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】実施例2の混練部材を軸方向から見る正面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】混練機の一部断面で示す平面図である。
【図6】混練機の側断面図である。
【図7】図6のA−A断面図である。
【図8】0位置のロータの軸直角断面図である。
【図9】22.5度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図10】45度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図11】67.5度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図12】90度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図13】112.5度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図14】135度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図15】157.5度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図16】180度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図17】202.5度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図18】225度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図19】247.5度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図20】270度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図21】292.5度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図22】315度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図23】337.5度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図24】360度回転位置のロータの軸直角断面図である。
【図25】ロータを軸方向から見る正面図である。
【図26】ロータの展開平面図である。
【符号の説明】
【0087】
a…長径 a1…点
b…短径
c…円弧
d…曲線
e…領域
f…領域
g…円弧
i…軌跡
j…曲線
m…軌跡
n…円弧
o…点
p…曲線
q…軌跡
s…円
t…隙間
u…円
v,w…曲線
v1,w2…溶接部
x,y,z…線 x1…点
A1,A2…領域
C41,C51…中心
CL…回転軸の中心を結ぶ線
CD…回転軸の軸間距離
R…混練部材の半径方向の突出長さ
S…空間
1…混練機
2…トラフ 2A…トラフ 2a…入口 2B…上部トラフ 2B1,2B2…トラフ 2b…出口 2b1…出口開口 2b2…出口シュート 2e…水平部 2f…継目
4…第1の回転軸 4a…角 4i…直角な面 4j…角軸の一面 4k…軸継手 4m…角
5…第2の回転軸 5a…角 5i…直角な面 5j…角軸の一面 5k…軸継手 5m…角
6…第1の混練部材 6A…スクリュー 6a,6b…混練部材 6f…端面
7…第2の混練部材 7A…スクリュー 7a,7b…混練部材 7f…端面
8…軸封部材
9…軸受
10a,10b…ブラケット
11…添加水ノズル
12…軸封部材
14…軸受
15…取付フランジ 15a…取付穴 15b…接触部 15c…端面 15d…面 15e…角 15f…端部 15h…隅 15i…面 15j…面 15m…端部
16…突出部 16a…突出端 16b…面 16c…中心線
17…先端部材 17a,17b…舌部 17c…角 17d…先端面
18…ねじ部材 18a…中心線 18b…頭
19…ロータ
21…ロータ
24…端板 24a,24b,24c,24d…縁 24e,24f…角 24g…端面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端部に原料の入口を有し、他方の端部に原料を混練した混練物の出口を有するトラフ中に電動機で同方向に同回転速度で駆動される平行する2本の横軸の回転軸に回転軸の中心線を中心として同じねじれ方向にねじれたスパイラル面上で軸方向において多数の混練部材を備えた混練機において、
該混練部材は第1の回転軸と第2の回転軸に軸方向において夫々重ねて設けられ、各々の混練部材は第1の回転軸と第2の回転軸の軸方向において第1の回転軸と第2の回転軸に各々同一の位置に設けられて各回転軸の半径方向の片側又は直径をわたる両側に突出し、軸方向において同一位置にある第1の回転軸に設けられた第1の混練部材と第2の回転軸に設けられた第2の混練部材は回転軸の回転方向において90度位相を異にしており、第1の混練部材の第1の回転軸を中心とする半径方向の長さと第2の混練部材の第2の回転軸を中心とする半径方向の長さはその長さの和が第1、第2の回転軸の軸間距離よりも大で、回転中第1、第2の混練部材が互に干渉しない長さで且つ第1の混練部材が第2の回転軸と干渉しない長さ、又は第2の混練部材が第1の回転軸と干渉しない長さを有し、
混練部材は根本側が回転軸の半周以内で回転軸に沿って接し、取付穴を有する取付フランジと、取付フランジと一体に形成され回転軸の半径方向に突出端を有する突出部と、突出部の先端に一体に設けた耐摩耗性合金との先端部材と、を有し、
混練部材と共に混練物が回転移動するとした場合にこの混練部材の相手混練部材の先端がこの混練物上に画く軌跡内でこの軌跡に沿って混練部材の構成部材の輪郭が形成されており、回転軸の軸方向における混練部材の端面が平面であって隣接する混練部材と接触又は近接し取付フランジの取付穴を挿通して回転軸にねじ込まれるねじ部材によって回転軸に固定されることを特徴とする混練機。
【請求項2】
各回転軸の軸方向で同一位置にある第1の混練部材と第2の混練部材は半径方向の長さが等しいことを特徴とする請求項1に記載の混練機。
【請求項3】
軸方向で同一位置にある第1、第2の混練部材が第1、第2の回転軸の中心を結ぶ線に対して夫々45度の角度をなした際に接近して互に干渉しない長さを有することを特徴とする請求項2に記載の混練機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−116410(P2006−116410A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−306303(P2004−306303)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)
【Fターム(参考)】