説明

測定装置の電源制御方法および測定装置

【課題】非測定状態のときには自動的な装置電源の遮断動作を可能としつつ、測定状態のときには自動的な装置電源の遮断動作を無効とする。
【解決手段】選択スイッチ11,12,13を有する操作部5と、測定レンジを自動的に切り換えつつ測定対象体の物理量を測定する測定部3と、選択スイッチ11,12,13に対する未操作状態が連続する未操作時間Tを計測する時間計測処理、測定レンジの切換回数Nを計測する回数計測処理、および計測された未操作時間Tが予め決められた基準時間T1以上となり、かつ基準時間T1内に計測された切換回数Nが予め決められた下限回数N1以下のときに装置電源を遮断する電源制御処理を実行する処理部6とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作キーを備えると共に測定レンジを自動的に切り換え可能に構成された測定装置の電源制御方法、およびこの電源制御方法を実行する測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の電源制御方法を実行する電子機器として、下記特許文献1に開示された電子機器が知られている。この電子機器では、操作キー(下記特許文献1では「キー」)の操作ごとに電源電圧の値とオートパワーオフ設定値とが比較され、電池の電圧が下がると、必ずオートパワーオフ時間が短縮される。したがって、この電子機器によれば、ユーザは電源電圧を意識することなく、最適なオートパワーオフ時間が設定されるため、オートパワーオフ時間をユーザが自ら設定し直すという煩わしさの回避と電池の容量低下による機器の誤動作の防止とを実現しつつ、オートパワーオフ時間内にいずれの操作キーも操作されない場合には、電源からの電力供給を遮断するという効率的な電力供給を可能として、電池寿命を延ばすことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−80896号公報(第2−4頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の電子機器の構成を測定装置に適用した場合には、以下の解決すべき課題が発生する。すなわち、この電子機器では、オートパワーオフ時間内に操作キーが操作されない場合に、電源からの電力供給を遮断する電源制御方法を採用している。このため、この電源制御方法をそのまま測定装置に適用した場合には、操作キーが操作されない状態でオートパワーオフ時間に達したときには、たとえ測定動作中であったとしても、電源からの電力供給が遮断されるため、オートパワーオフ時間を超える測定が行えないという課題が生じる。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、非測定状態のときには自動的な装置電源の遮断動作(オートパワーオフ)を可能としつつ、測定状態のときには自動的な装置電源の遮断動作を無効とし得る測定装置の電源制御方法および測定装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定装置の電源制御方法は、操作キーを備えると共に測定レンジを自動的に切り換え可能に構成された測定装置の電源制御方法であって、前記操作キーに対する未操作状態が連続する未操作時間が予め決められた基準時間以上となり、かつ当該基準時間内での前記測定レンジの切り換え回数が予め決められた下限回数以下のときに装置電源を遮断する。
【0007】
また、請求項2記載の測定装置の電源制御方法は、請求項1記載の測定装置の電源制御方法において、前記未操作時間が前記基準時間以上となり、かつ当該基準時間内での前記切り換え回数が予め決められた上限回数以上のときに装置電源を遮断する。
【0008】
また、請求項3記載の測定装置は、操作キーを有する操作部と、測定レンジを自動的に切り換えつつ測定対象体の物理量を測定する測定部と、前記操作キーに対する未操作状態が連続する未操作時間を計測する時間計測処理、前記測定レンジの切り換え回数を計測する回数計測処理、および計測された前記未操作時間が予め決められた基準時間以上となり、かつ当該基準時間内に計測された前記切り換え回数が予め決められた下限回数以下のときに装置電源を遮断する電源制御処理を実行する処理部とを備えている。
【0009】
また、請求項4記載の測定装置は、請求項3記載の測定装置において、前記処理部は、前記電源制御処理において、前記未操作時間が前記基準時間以上となり、かつ当該基準時間内に計測された前記切り換え回数が予め決められた上限回数以上のときに装置電源を遮断する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の測定装置の電源制御方法および請求項3記載の測定装置では、未操作時間が基準時間以上となり、かつ基準時間内での測定レンジの切り換え回数が下限回数以下のときには、処理部は装置電源を遮断する。
【0011】
したがって、この測定装置の電源制御方法および測定装置によれば、未操作時間が基準時間以上となり、かつ切り換え回数が下限回数以下のとき、つまり、ノイズの小さな環境下において、測定部が正常に測定対象体に接続されておらず(非測定状態であって)、かつキー操作が無い状態で基準時間を経過したときには、装置電源を自動的に遮断(オートパワーオフ)することができる。したがって、未操作時間が基準時間以上となったときであっても、基準時間内での切り換え回数が下限回数を超えているとき、つまり、ノイズの小さな環境下において、測定部が正常に測定対象体に接続されているとき(測定状態のとき)には、装置電源のオン状態を維持できる結果、処理部は、測定対象体の物理量の測定を継続することができる。
【0012】
また、請求項2記載の測定装置の電源制御方法および請求項4記載の測定装置では、未操作時間が基準時間以上となり、かつ基準時間内での切り換え回数が上限回数以上のときにも、処理部が装置電源を遮断する。
【0013】
したがって、この測定装置の電源制御方法および測定装置によれば、未操作時間が基準時間以上となり、かつ切り換え回数が予め決められた上限回数以上のとき、つまり、ノイズの大きな環境下において、測定部が正常に測定対象体に接続されておらず(非測定状態であって)、かつキー操作が無い状態で基準時間を経過したときには、装置電源を自動的に遮断(オートパワーオフ)することができる。したがって、未操作時間が基準時間以上となったときであっても、基準時間内での切り換え回数が下限回数を超え、かつ上限回数未満のとき、つまり、ノイズの小さな環境下だけでなく、ノイズの大きな環境下においても、測定部が正常に測定対象体に接続されているとき(測定状態のとき)には、装置電源のオン状態を維持できる結果、処理部は、測定対象体の物理量の測定を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】測定装置1の構成を示す構成図である。
【図2】測定装置1での電源制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0016】
最初に、測定装置1の構成について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1に示す測定装置1は、一例として、電源部2、測定部3、一対のプローブ4,4、操作部5、処理部6および記憶部7を備え、測定対象体の物理量を測定可能に構成されている。電源部2は、一例として、バッテリ、電源スイッチ、およびバッテリから出力される直流電圧Vccをオン・オフ(供給・遮断)する出力制御回路(いずれも図示せず)を備え、測定装置1に対する作動用電圧の出力、具体的には測定装置1内の各構成要素(測定部3、操作部5、処理部6および記憶部7)に対する作動用電圧としての直流電圧Vccの出力をオン・オフ可能に構成されている。より具体的には、電源部2では、出力制御回路が、電源スイッチがオフ状態からオン状態に操作されたときに、バッテリから供給される直流電圧Vccの上記各構成要素への供給を開始し(直流電圧Vccの出力をオンにし)、電源スイッチがオン状態からオフ状態に操作されるか、または処理部6からオフ信号S1を入力したときに、直流電圧Vccの上記各構成要素への供給を停止(遮断)する(直流電圧Vccの出力をオフする)。
【0018】
測定部3は、一例として、測定する物理量の種類と同じ数の測定回路を備えて構成されている。この場合、各測定回路では、異なる種類の物理量(本例では一例として、電流値、電圧値および抵抗値)を測定する。また、測定部3は、処理部6から出力される選択信号S2に基づいて、各測定回路の中から所望の物理量を測定する測定回路を選択すると共に、この選択した測定回路に一対のプローブ4,4を接続する。この場合、一対のプローブ4,4が接続された測定回路は、一対のプローブ4,4を介して測定している物理量の大きさに適合した測定レンジを複数の測定レンジの中から自動的に選択してこの測定レンジに切り換えると共に、この選択された測定レンジで物理量を測定して、測定された物理量を示す測定データD1を処理部6に出力する。また、測定部3は、選択した測定回路が測定レンジを切り換えたときには、その都度、測定レンジの切り換えが生じたことを示すレンジ切換信号S3を処理部6に出力する。
【0019】
操作部5は、一例として、測定する物理量(本例では、上記したように電流値、電圧値および抵抗値)を選択するための操作キーとしての選択スイッチ(いわゆるファンクションスイッチ)11,12,13を備えている。また、操作部5は、いずれかの選択スイッチ11,12,13が操作されたときには、操作された選択スイッチ11,12,13を示す識別データD2を処理部6に出力する。
【0020】
処理部6は、CPUを含んで構成されて、操作部5に対する操作が成されない状態(未操作状態。本例では、各選択スイッチ11,12,13に対する操作が成されない状態)が連続して生じている時間(未操作時間)Tを計測する時間計測処理、測定部3での測定レンジの切り換え回数(以下、「切換回数」ともいう)Nを計測する回数計測処理、および計測された未操作時間Tが予め決められた基準時間(以下、「オートパワーオフ時間」ともいう。例えば、5分〜10分程度)T1以上となったときに、このオートパワーオフ時間T1内に計測された切換回数(測定レンジの切り換え回数)Nが予め決められた下限回数N1(例えば、5回〜10回の範囲内で予め規定した回数)以下のときに、オフ信号S1を電源部2に出力して、装置電源(測定装置1の電源)をオフ(遮断)する電源制御処理50(図2参照)を実行する。また、処理部6は、この電源制御処理において、未操作時間Tがオートパワーオフ時間T1以上となったときに、オートパワーオフ時間T1内に計測された切換回数Nが予め決められた上限回数N2(例えば、50回〜100回の範囲内で予め規定した回数)以上のときにも、オフ信号S1を電源部2に出力して、装置の電源をオフ(遮断)する。また、処理部6は、測定部3から出力された測定データD1に基づいて、所望の物理量D3を算出して、記憶部7に記憶させる測定処理を実行する。記憶部7は、ROMやRAMなどの半導体メモリで構成されて、記憶部7には、オートパワーオフ時間T1、下限回数N1および上限回数N2が予め記憶されている。また、記憶部7には、処理部6によって、測定された物理量D3が記憶される。
【0021】
次に、測定装置1の電源制御方法について、測定装置1の動作と併せて説明する。
【0022】
測定装置1では、電源部2の電源スイッチがオフ状態からオン状態に操作されたとき(電源投入時)に、電源部2の出力制御回路が、バッテリから供給される直流電圧Vccの他の各構成要素(測定部3、操作部5、処理部6および記憶部7)への供給を開始する。これにより、測定装置1が、停止状態から動作状態に移行する。この動作状態において、測定部3は、プローブ4,4を介して入力した物理量を、電源投入時において選択されている測定回路で繰り返し測定して、測定の都度、その測定データD1を処理部6に出力する。処理部6は、この測定データD1を入力する都度、測定処理を実行する。この測定処理では、処理部6は、入力した測定データD1に基づいて、測定部3において現時点でプローブ4,4に接続されている(選択されている)測定回路によって測定されている物理量(所望の物理量D3)を算出すると共に、算出したこの物理量D3を記憶部7に記憶させる。また、処理部6は、電源投入時から、上記した測定処理と共に、未操作時間Tを計測する時間計測処理、切換回数Nを計測する回数計測処理および図2に示す電源制御処理50を並列的に実行する。この場合、回数計測処理では、処理部6は、測定部3からレンジ切換信号S3を入力する都度、切換回数Nをインクリメントすることにより、未操作時間Tの開始からの測定レンジの切換回数Nを計測する。
【0023】
この電源制御処理50では、図2に示すように、処理部6は、まず、時間計測処理で計測する未操作時間Tをリセットする(ゼロにする)と共に、回数計測処理で計測する切換回数Nをリセットする(ステップ51)。次いで、処理部6は、操作部5の選択スイッチ11,12,13に対する操作(キー操作)が有ったか否か(具体的には、操作部5から識別データD2が出力されたか否か)の判別(ステップ52)と、時間計測処理で計測している未操作時間Tが記憶部7に記憶されているオートパワーオフ時間T1以上になっているか否か(未操作時間Tがオートパワーオフ時間T1に達しているか否か)の判別(ステップ53)とを繰り返し実行する。この場合において、ステップ52でキー操作が有ったと判別したときには、処理部6は、ステップ51に移行して、未操作時間Tおよび切換回数Nをリセットした後、再度、ステップ52,53の処理を繰り返す。また、処理部6は、キー操作が有ったと判別したときには、この電源制御処理50と並行して、入力した識別データD2に基づいて測定すべき物理量を特定すると共に、選択信号S2を測定部3に出力する。この場合、測定部3では、入力した選択信号S2で新たに選択されている測定回路が、選択信号S2の入力時点でプローブ4,4に接続されている測定回路でないときには、新たに選択された測定回路にプローブ4,4を接続し直す。これにより、選択スイッチ11,12,13のうちの操作された選択スイッチに対応する物理量の測定が測定部3で開始される。
【0024】
一方、ステップ53において、未操作時間Tがオートパワーオフ時間T1以上になった(オートパワーオフ時間T1に達した)と判別したときには、処理部6は、回数計測処理において計測している切換回数Nが記憶部7に記憶されている下限回数N1以下か否かの判別(ステップ54)と、この切換回数Nが記憶部7に記憶されている上限回数N2以上であるか否かの判別(ステップ55)とを実行する。
【0025】
この場合、処理部6は、ステップ54において、切換回数Nが下限回数N1以下であると判別したときには、電源部2に対してオフ信号S1を出力して、直流電圧Vccの測定装置1の各構成要素への供給を停止させる、つまり測定装置1の電源をオフする(ステップ56)。これにより、電源制御処理50が完了する。また、処理部6は、ステップ55において、切換回数Nが上限回数N2以上であると判別したときにも、電源部2に対してオフ信号S1を出力して、直流電圧Vccの供給を停止させる、つまり測定装置1の電源をオフする(ステップ56)。
【0026】
プローブ4,4が測定対象体に接続されていない状態(オープン状態)においては、測定部3は、測定対象体の物理量ではなく、プローブ4,4を介してノイズ(例えば誘導ノイズ)を検出することになるため、ノイズの小さな環境下では、ノイズの影響による測定レンジの切り換えが発生せず、かつ測定対象体の物理量の変動による測定レンジの切り換えも発生しないため、プローブ4,4が正常に測定対象体に接続されて正常にその物理量を測定しているときよりも、測定レンジの切り換え頻度が極めて低くなる(つまり、オートパワーオフ時間T1内に計測される切換回数Nが下限回数N1以下となる)。他方、ノイズの大きな環境下では、このノイズの影響を受けて、プローブ4,4が正常に測定対象体に接続されて正常にその物理量を測定しているときよりも、測定レンジの切り換え頻度が極めて高くなる(つまり、オートパワーオフ時間T1内に計測される切換回数Nが上限回数N2以上となる)。
【0027】
この測定装置1では、処理部6が、上記のように、ステップ53の後に、各ステップ54,55を実行することにより、未操作時間Tがオートパワーオフ時間T1以上となったときに、オートパワーオフ時間T1内に計測された切換回数Nが下限回数N1以下となっているとき、または切換回数Nが上限回数N2以上となっているときには、測定装置1の電源をオフするため、ノイズの多少の如何に関わらず、プローブ4,4が測定対象体に未接続の状態(つまり非測定状態)で、測定装置1がオートパワーオフ時間T1を超えて作動し続けるという事態が回避されている。すなわち、測定装置1では、ノイズの多少の如何に関わらず、非測定状態のときには、オートパワーオフ機能が正常に作動して、装置電源がオフされる。
【0028】
また、処理部6は、ステップ54において、切換回数Nが下限回数N1を超えていると判別し、かつステップ55において、切換回数Nが上限回数N2未満である(上限回数N2に達していない)と判別したときには、ステップ51に移行して、電源制御処理50を再実行する。オートパワーオフ時間T1内に計測された切換回数Nが下限回数N1を超え、かつ上限回数N2未満のときには、測定装置1は、プローブ4,4が正常に測定対象体に接続されて正常にその物理量を測定している状態にある。したがって、この状態のときに、処理部6が電源制御処理50を再実行することで、操作部5に対するキー操作のない状態がオートパワーオフ時間T1を超えている場合であっても、現在実行している測定対象体の物理量についての測定処理が継続される。
【0029】
このように、この測定装置の電源制御方法および測定装置1では、未操作時間Tがオートパワーオフ時間T1以上となり、かつオートパワーオフ時間T1内での測定レンジの切換回数Nが下限回数N1以下のときには、処理部6が、電源部2に対して装置電源をオフさせる。したがって、この測定装置の電源制御方法および測定装置1によれば、未操作時間Tがオートパワーオフ時間T1以上となり、かつ切換回数Nが下限回数N1以下のとき、つまり、ノイズの小さな環境下において、プローブ4,4が正常に測定対象体に接続されておらず(非測定状態であって)、かつキー操作が無い状態でオートパワーオフ時間T1を経過したときには、装置電源を自動的にオフ(オートパワーオフ)することができる。したがって、未操作時間Tがオートパワーオフ時間T1以上となったときであっても、オートパワーオフ時間T1内での切換回数Nが下限回数N1を超えているとき、つまり、ノイズの小さな環境下において、プローブ4,4が正常に測定対象体に接続されているとき(測定状態のとき)には、装置電源のオン状態を維持できる結果、処理部6は、測定対象体の物理量D3の測定を継続することができる。
【0030】
また、この測定装置の電源制御方法および測定装置1では、未操作時間Tがオートパワーオフ時間T1以上となり、かつオートパワーオフ時間T1内での切換回数Nが上限回数N2以上のときにも、処理部6が、電源部2に対して装置電源をオフさせる。したがって、この測定装置の電源制御方法および測定装置1によれば、未操作時間Tがオートパワーオフ時間T1以上となり、かつ切換回数Nが予め決められた上限回数N2以上のとき、つまり、ノイズの大きな環境下において、プローブ4,4が正常に測定対象体に接続されておらず(非測定状態であって)、かつキー操作が無い状態でオートパワーオフ時間T1を経過したときには、装置電源を自動的にオフ(オートパワーオフ)することができる。したがって、未操作時間Tがオートパワーオフ時間T1以上となったときであっても、オートパワーオフ時間T1内での切換回数Nが下限回数N1を超え、かつ上限回数N2未満のとき、つまり、ノイズの小さな環境下だけでなく、ノイズの大きな環境下においても、プローブ4,4が正常に測定対象体に接続されているとき(測定状態のとき)には、装置電源のオン状態を維持できる結果、処理部6は、測定対象体の物理量D3の測定を継続することができる。
【0031】
なお、測定装置の電源制御方法および測定装置1は、上記の構成に限定されない。例えば、図2におけるステップ54において、切換回数Nと上限回数N2との比較を実行し、ステップ55において、切換回数Nと下限回数N1との比較を実行する構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0032】
1 測定装置
3 測定部
5 操作部
6 処理部
11,12,13 選択スイッチ
D3 物理量
N 切換回数
N1 下限回数
N2 上限回数
T 未操作時間
T1 基準時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作キーを備えると共に測定レンジを自動的に切り換え可能に構成された測定装置の電源制御方法であって、
前記操作キーに対する未操作状態が連続する未操作時間が予め決められた基準時間以上となり、かつ当該基準時間内での前記測定レンジの切り換え回数が予め決められた下限回数以下のときに装置電源を遮断する測定装置の電源制御方法。
【請求項2】
前記未操作時間が前記基準時間以上となり、かつ当該基準時間内での前記切り換え回数が予め決められた上限回数以上のときに装置電源を遮断する請求項1記載の測定装置の電源制御方法。
【請求項3】
操作キーを有する操作部と、
測定レンジを自動的に切り換えつつ測定対象体の物理量を測定する測定部と、
前記操作キーに対する未操作状態が連続する未操作時間を計測する時間計測処理、前記測定レンジの切り換え回数を計測する回数計測処理、および計測された前記未操作時間が予め決められた基準時間以上となり、かつ当該基準時間内に計測された前記切り換え回数が予め決められた下限回数以下のときに装置電源を遮断する電源制御処理を実行する処理部とを備えている測定装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記電源制御処理において、前記未操作時間が前記基準時間以上となり、かつ当該基準時間内に計測された前記切り換え回数が予め決められた上限回数以上のときに装置電源を遮断する請求項3記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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