説明

溝の掘削方法

【課題】 埋設管の設置が容易な溝の掘削方法を提供する。
【解決手段】 対象区画の全体に対して、掘削工程を行って対象区画の全体に亘る掘削溝5を形成し、この掘削溝5に対して、ガイド部材設置工程を行った後に、土留パネル設置工程、及びガイド部材スライド工程を繰り返し行うことにより、又は、対象区画を複数の区画に分けて、最初の区画に対して、掘削工程を行って掘削溝5を形成し、この掘削溝5に対して、ガイド部材設置工程を行った後に、土留パネル設置工程を行うとともに、それ以降の各区画に対して、掘削工程を行って掘削溝5を形成し、この掘削溝5に対して、ガイド部材スライド工程及び土留パネル設置工程を繰り返し行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溝の掘削方法に関し、特に、ガス管、水道管等の埋設管を地中に埋設する際に形成する溝の掘削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス管、水道管等の埋設管を地中に埋設する技術の一例が特許文献1に記載されている。この技術は、バックホウ等の建設機械を用いて地盤を掘削することにより溝を形成し、この溝内に支保工としての簡易建込み土留(例えば、切梁と土留め壁とが一体になっているもの)を設置して肌落ちを防止し、その上で、溝内に埋設管を吊り下ろして溝の底部に敷設し、掘削により生じた土砂を溝内に埋め戻して転圧するように構成したものである。
【0003】
そして、このような作業を、先に埋設した埋設管に次の埋設管を溶接によって接合しながら繰り返し行うことにより、数キロ〜数十キロに亘るガス管、水道管等の埋設管を地中に埋設することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−112941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなガス管、水道管等の埋設管の埋設作業においては、溝の底部に埋設管を敷設する際に、溝の内壁面間に複数段に架け渡されている切梁等を上段に位置するものから順次盛り替えて、埋設管を溝の底部まで吊り下ろさなければならず、その作業に非常に手間がかかり、全体としての工期が長くなり、工事費が高くなる。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、例えば、ガス管、水道管等の埋設管を埋設するために地盤に形成した溝内に、埋設管を容易に、短時間で敷設することができ、これにより、全体としての工期を短縮できるとともに、工事費を安く抑えることができる、溝の掘削方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、地盤の対象区画に溝を形成する溝の掘削方法であって、前記地盤を掘削して掘削溝を形成する掘削工程と、前記掘削溝の内壁面に沿うようにガイド部材を設置するガイド部材設置工程と、土留パネルを前記ガイド部材の表面上をスライドさせて前記掘削溝内に挿入するとともに、該土留パネルの下端を前記掘削溝の底部に押し込んで根入れさせる土留パネル設置工程と、前記ガイド部材を前記内壁面に沿ってスライドさせて、次の土留パネルの設置位置に移動させるガイド部材スライド工程とを備え、前記対象区画の全体に対して、前記掘削工程を行って前記対象区画の全体に亘る前記掘削溝を形成し、該掘削溝に対して、前記ガイド部材設置工程を行った後に、前記土留パネル設置工程、及び前記ガイド部材スライド工程を繰り返し行うことにより、又は、前記対象区画を複数の区画に分けて、最初の区画に対して、前記掘削工程を行って前記掘削溝を形成し、該掘削溝に対して、前記ガイド部材設置工程を行った後に、前記土留パネル設置工程を行うとともに、それ以降の各区画に対して、前記掘削工程を行って前記掘削溝を形成し、該掘削溝に対して、前記ガイド部材スライド工程及び前記土留パネル設置工程を繰り返し行うことを特徴とする。
【0008】
本発明の溝の掘削方法によれば、地盤の対象区画に溝を形成する場合に、対象区画の全体に対して、掘削工程を行って対象区画の全体に亘る掘削溝を形成し、この掘削溝に対して、ガイド部材設置工程を行った後に、土留パネル設置工程、及びガイド部材スライド工程を繰り返し行うことにより、又は、対象区画を複数の区画に分けて、最初の区画に対して、掘削工程を行って掘削溝を形成し、この掘削溝に対して、ガイド部材設置工程を行った後に、土留パネル設置工程を行うとともに、それ以降の各区画に対して、掘削工程を行って掘削溝を形成し、この掘削溝に対して、ガイド部材スライド工程及び土留パネル設置工程を繰り返し行うことにより、対象区画の全体に亘る掘削溝の内壁面を覆うように、複数の土留パネルを掘削溝内に設置することができる。
また、各土留パネルは、先端を掘削溝の底部に押し込んで根入れさせて自立させているので、簡易建込み土留のように、両内壁面の土留パネル間に切梁等を架設して、両土留パネル間を支持する必要はない。
従って、掘削溝の底部や掘削溝の底部を更に深く掘り下げて形成した本溝の底部にガス管や水道管等の埋設管を敷設する場合に、切梁等を盛り替えながら埋設管を底部に吊り下ろす必要はなく、埋設管を直接に底部に吊り下ろすことができるので、埋設管の敷設作業を容易に、短時間で行うことができる。
【0009】
また、本発明において、前記ガイド部材には、前記土留パネルを前記ガイド部材の表面上をスライド可能に案内するガイド部が設けられていることとしてもよい。
【0010】
本発明の溝の掘削方法によれば、土留パネルを掘削溝内に挿入する際に、土留パネルは、ガイド部によって案内された状態でガイド部材の表面上をスライドすることになるので、土留パネルをガイド部材の角度に合致した角度で掘削溝内に挿入し、その角度を維持した状態で、土留パネルの下端を掘削溝の底部に押し込んで根入れさせることができる。
【0011】
さらに、本発明において、前記土留パネルには、先行して前記掘削溝内に設置された土留パネルの表面に当接して、先行の土留パネルの表面と次の土留パネルの表面とを面一にするガイド部が設けられていることとしてもよい。
【0012】
本発明の溝の掘削方法によれば、土留パネルのガイド部を、先行して掘削溝内に設置された土留パネルの表面に当接させることにより、先行の土留パネルの表面と次の土留パネルの表面とを面一にすることができるので、掘削溝の両内壁面の全体に設置される複数の土留パネルの表面を全体に亘って面一にすることができる。
【0013】
さらに、本発明において、前記土留パネル設置工程の後に、前記掘削溝の底部を更に深く掘り下げて本溝を形成する掘削工程を更に備えていることとしてもよい。
【0014】
本発明の溝の掘削方法によれば、各土留パネルは、下端が掘削溝の底部に押し込まれて根入れされて自立しているので、簡易建込み土留のように、掘削溝の両内壁面に設置されている土留パネル間を切梁等によって支持する必要はなく、掘削溝の底部を直接に更に深く掘り下げて本溝を形成することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上、説明したように、本発明の溝の掘削方法によれば、掘削溝の底部や掘削溝の底部を更に深く掘り下げて形成した本溝の底部にガス管や水道管等の埋設管を敷設する場合に、切梁等を盛り替えながら埋設管を底部に吊り下ろす必要はなく、埋設管を直接に底部に吊り下ろすことができるので、埋設管の敷設作業を容易に、短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による溝の掘削方法の一実施の形態を示した概略図であって、一次掘削工程、ガイド部材設置工程、土留パネル設置工程、ガイド部材スライド工程、二次掘削工程、埋設管敷設工程、及び埋設管溶接工程を示した概略図である。
【図2】土留パネル撤去・埋め戻し工程を示した概略図である。
【図3】一次掘削工程を示した断面図である。
【図4】ガイド部材設置工程、及び土留パネル設置工程を示した断面図である。
【図5】ガイド部材設置工程、土留パネル設置工程、及びガイド部材スライド工程、を示した斜視図である。
【図6】ガイド部材と土留パネルとの関係を示した説明図であって、第1の土留パネルに続いて第2の土留パネルを設置している状態を示した説明図である。
【図7】土留パネル設置工程及び二次掘削工程を示した断面図である。
【図8】埋設管敷設工程を示した断面図である。
【図9】埋設管敷設工程の変形例を示した斜視図である。
【図10】埋設管敷設工程の変形例を示した斜視図である。
【図11】溶接用溝部の断面図である。
【図12】土留パネル撤去・埋め戻し工程の断面図である。
【図13】曲がり部の内壁面に設けられたラス金網の断面図である。
【図14】覆工板設置工程の平面図である。
【図15】図14の側面図である。
【図16】覆工板設置工程の断面図であって、覆工板を覆工受桁上部に設置した状態を示した断面図である。
【図17】覆工板設置工程の断面図であって、覆工板を覆工受桁上部に設置する直前の状態を示した断面図である。
【図18】覆工板設置工程の断面図であって、覆工板を覆工受桁上部から撤去する状態を示した断面図である。
【図19】キャスターの変形例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図11には、本発明による溝の掘削方法の一実施の形態が示されている。本実施の形態の溝の掘削方法は、例えば、道路等(本実施の形態では道路1とする。)の直下にガス管や水道管等の埋設管(以下、埋設管35という。)を埋設する際に、地盤3に形成する埋設管35を敷設するための溝5、25の掘削に有効なものである。
【0018】
すなわち、本実施の形態の溝の掘削方法は、図1に示すように、道路1の埋設管35の埋設箇所を掘削して、所定の深さ、幅、長さの一次掘削溝5を形成する一次掘削工程と、一次掘削工程で形成した一次掘削溝5内にガイド部材6を設置するガイド部材設置工程と、ガイド部材6を利用して一次掘削溝5内に土留パネル15を設置する土留パネル設置工程と、ガイド部材6を次の土留パネル15の設置位置にスライドさせて移動させるガイド部材スライド工程と、一次掘削溝5を更に深く掘り下げて埋設管35を敷設する本溝25を形成する二次掘削工程とを備えており、これらの工程を順次行った後に、埋設管35を敷設する埋設管敷設工程、埋設管35の端部間を溶接により一体に接合する埋設管溶接工程、本溝25内に土留パネル15を撤去しながら、埋め戻し材14を埋め戻す土留パネル撤去・埋め戻し工程、次の日の工事に備えるとともに、車両等の通行を許容するために本溝25の開口部27に覆工板40を設置する覆工板設置工程を行う。
以下、各工程について詳しく説明する。
【0019】
(1)一次掘削工程
一次掘削工程では、図1及び図3に示すように、建設機械(例えば、バックホウ60)を用いて、道路1の埋設管35の埋設箇所を掘削し、埋設箇所に断面台形状の一次掘削溝5を形成する。本実施の形態では、台形バケット61を備えたバックホウ60を用い、このバックホウ60の台形バケット61により地盤3を掘削することにより、内壁面5bが所定の傾斜角度の断面台形状の一次掘削溝5を形成している。傾斜角度は、5〜15°とする。
【0020】
一次掘削溝5は、埋設管35の長さよりも長くなるように全長が設定され、この一次掘削溝5の内壁面5bの全体を覆うように、一次掘削溝5内に後述する土留パネル15が複数設置される(図4〜図6参照)。
【0021】
一次掘削工程及び後述する二次掘削工程で地盤3を掘削することによって生じた土砂は、埋め戻し材14として埋設管35を後述する本溝25の底部26に敷設した後に、本溝25内へ埋め戻される(図2、図12参照)。
【0022】
(2)ガイド部材設置工程
ガイド部材設置工程では、図1、図4〜図6に示すように、建設機械(例えば、バックホウ60)を用いて、一次掘削工程で形成した一次掘削溝5の開口縁部の地表面3aから内壁面5bに沿うように、ガイド部材6を設置する。本実施の形態では、一次掘削工程で用いたバックホウ60を用いて、バックホウ60のアーム62にワイヤー等を介してガイド部材6を吊り下げることにより、地表面3aから内壁面5bに沿うように、ガイド部材6を設置している。
なお、ガイド部材6は、最初の土留パネル15を一次掘削溝5内に設置した後に、一次掘削溝5の長さ方向にスライドさせて、次の土留パネル15の設置位置まで移動させる。
【0023】
ガイド部材6は、図4〜図6に示すように、断面が略L形状の板材であって、一次掘削溝5の開口縁部の地表面3a上に設置される長方形板状の支持板7と、一次掘削溝5の内壁面5bに沿うように設置される長方形板状のガイド板8とから構成されている。ガイド部材6により、一次掘削溝5の内壁面5bの肌落ちが防止されるとともに、ガイド部材6のガイド板8により、後述する土留パネル15がスライド可能に案内される。
【0024】
ガイド板8の幅方向の一端部には、図5及び図6に示すように、所定の間隔で複数のガイド部9が一体に設けられ、このガイド部9によって土留パネル15がガイド板8の表面8aに沿ってスライド可能に案内される。
【0025】
ガイド部材6は、例えば、2枚の長方形板状の鋼板の長さ方向の一端間を溶接等によって一体に接合することにより、又は1枚の長方形板状の鋼板を長さ方向の所定の位置から所定の角度で折り曲げることにより、断面略L形板状に形成したものであって、支持板7とガイド板8とのなす角度が、一次掘削溝5の内壁面5bと開口縁部の地表面3aとのなす角度に合致するように、調整されている。
【0026】
ガイド部9は、例えば、1枚のフラットバーを屈曲させることにより、2枚のフラットバーを溶接によって一体に接合することにより、又は、角棒又は丸棒を屈曲させることにより、断面略L形状に形成したものであって、ガイド板8の表面8a側の幅方向の一端部に、ガイド板8の表面8aとの間に所定の間隙が形成されるように、所定の間隔をおいて複数箇所に溶接等により設けられている。
【0027】
(3)土留パネル設置工程
土留パネル設置工程では、図1、図4〜図7に示すように、建設機械(例えば、バックホウ60)を用いて、ガイド部材設置工程において一次掘削溝5内に設置したガイド部材6を利用し、ガイド部材6のガイド板8の表面8aに沿って土留めパネル15を斜め下方にスライドさせて一次掘削溝5内に挿入し、土留パネル15の下端を一次掘削溝5の底部5aに所定の深さまで押し込んで根入れさせる。
【0028】
本実施の形態では、ガイド部材設置工程において用いたバックホウ60を用い、バックホウ60のアーム62にワイヤー等を介して土留パネル15を吊り下げて一次掘削溝5内に挿入し、土留パネル15の上端を台形バケット61で下方に押圧することにより、土留パネル15の下端を一次掘削溝5の底部5aに押し込み、後述する本溝25の底部26よりも深い位置まで根入れさせている。
【0029】
土留パネル15は、図6に示すように、例えば、長方形板状の鋼板から形成されるものであって、幅方向の他端部には、土留パネル15の長さ方向に所定の間隔ごとに複数箇所にガイド部19が一体に設けられている。
【0030】
ガイド部19は、フラットバー等から形成される帯板状をなすものであって、土留パネル15の幅方向の他端部の表面16に、先端が土留パネル15の幅方向の他端面18から外方に所定の長さ突出するように、土留パネル15の長さ方向に所定の間隔ごとに溶接等によって一体に設けられている。
【0031】
土留パネル15は、幅方向の一端部をガイド部材6のガイド板8の表面8aとガイド部9との間に挿入することにより、ガイド部材6のガイド板8の表面8aに沿ってスライド可能に案内され、ガイド板8の表面8aに沿ってスライドして一次掘削溝5内に挿入される。
【0032】
一次掘削溝5内には、内壁面5bの全体を覆うように、複数の土留パネル15が設置される。この場合、図5及び図6に示すように、最初に一次掘削溝5内に設置した土留パネル(第1の土留パネル15a)の表面16に、次に一次掘削溝5内に設置する土留パネル(第2の土留パネル15b)のガイド部19を当接させることにより、第1の土留パネル15aの表面16と第2の土留パネル15bの表面16とを面一にした状態で、第2の土留パネル15bを一次掘削溝5内に設置することができ、両土留パネル15a、15bの表面16間に段差が形成されるのを防止できる。
【0033】
また、第1の土留パネル15aの幅方向の一端面17に第2の土留パネル15bの幅方向の他端面18を接触させながら、第2の土留パネル15bをガイド部材6のガイド板8の表面8aに沿ってスライドさせることにより、両土留パネル15a、15bの幅方向の端面17、18間に隙間が形成されるのを防止できる。
なお、土留パネル15は、鋼板に限らず、鋳鋼板、各種の金属板、樹脂板等で形成してもよい。
【0034】
土留パネル15の上端には、図5及び図7に示すように、土留パネル15の下端を一次掘削溝5の底部5aに押し込むための押込治具10が着脱可能に装着され、この押込治具10をバックホウ60の台形バケット61で下方に押圧することにより、土留パネル15の下端を一次掘削溝5の底部5aに押込む。
【0035】
押込治具10は、例えば、土留パネル15の上端に着脱可能に装着される略コ形状のフック部11と、フック部11の先端に一体に設けられるとともに、上面が土留パネル15の表面16から水平方向に張り出る押圧部12とを備え、押圧部12の上面をバックホウ60の台形バケット61の先端で下方に押圧することにより、土留パネル15の下端を一次掘削溝5の底部5aに押し込むことができる。
【0036】
(4)ガイド部材スライド工程
ガイド部材スライド工程では、一次掘削溝5内に最初の土留パネル(第1の土留パネル15a)を設置した後に、図5に示すように、バックホウ60のアーム62にワイヤー等を介してガイド部材6を連結し、ガイド部材6を図中矢印方向に引っ張り、地表面3a及び内壁面5b上をスライドさせることにより、ガイド部材6を次の土留パネル(第2の土留パネル15b)の設置位置まで移動させ、その位置にガイド部材6を設置する。
【0037】
そして、ガイド部材6を第2の土留パネル15bの設置位置に移動させた後に、上述した土留パネル設置工程を行い、図5に示すように、第2の土留パネル15bをバックホウ60のアーム62にワイヤー等を介して吊り下げ、第2の土留パネル15bをガイド部材6のガイド板8の表面8a上をスライドさせて一次掘削溝5内に挿入する。
【0038】
そして、第2の土留パネル15bの上端に押込治具10を取り付け、押込治具10の押圧部12を台形バケット61で下方に押圧することにより、第2の土留パネル15bの下端を一次掘削溝5の底部5aに所定の深さまで押し込み、後述する本溝25の底部26よりも深い位置まで根入れさせる。
【0039】
そして、第2の土留パネル15bを一次掘削溝5内に設置した後に、上述したガイド部材スライド工程、土留パネル設置工程を繰り返し行い、一次掘削溝5の内壁面5bの全体を覆うように、一次掘削溝5内に複数の土留パネル15を設置し、この後に、次の二次掘削工程を行う。
【0040】
(4)二次掘削工程
二次掘削工程では、図1及び図7に示すように、上記の各工程で使用したバックホウ60を用い、バックホウ60の台形バケット61で一次掘削溝5の底部5aを更に掘り下げることにより、所定の深さ、幅、長さの本溝25を形成する。
【0041】
この場合、一次掘削溝5内には、両内壁面5bを覆うように複数の斜めの土留パネル15が設置されている。しかも、土留パネル15を斜めに設置することで、従来の鉛直の土留と比較して主働土圧が低減できるとともに、各土留パネル15の下端が本溝25の底部26よりも深い位置まで根入れされているので、一次掘削溝5の底部5aを更に深く掘り下げても、切梁が必要なく、両内壁面5bが肌落ちするようなことはない。
【0042】
そして、図1に示すように、埋設管35の埋設箇所に当る道路1に、内壁面5bが複数の土留パネル15で覆われた第1の本溝25aを形成した後に、同様の手順により、第1の本溝25aに連続して第2の本溝25bを形成し、第2の本溝25bに連続して第3の本溝25cを形成し、第3の本溝25cに連続して第4の本溝25dを約半分の長さまで形成し、この後に、次の埋設管敷設工程、埋設管溶接工程、土留パネル撤去・埋戻し工程、覆工板設置工程を行う。
【0043】
なお、第1の本溝25aと第2の本溝25bとの間、第2の本溝25bと第3の本溝25cとの間、及び第3の本溝25cと第4の本溝25dとの間は、後述する埋設管溶接工程による埋設管35の溶接作業を容易にするために、図1及び図11に示すように、第1の本溝25a〜第4の本溝25dの他の部分よりも容積の大きい断面四角形状の溶接用溝部(第1の溶接用溝部28a〜第3の溶接用溝部28c)に形成し、これらの溶接用溝部(第1の溶接用溝部28a〜第3の溶接用溝部28c)内に簡易建込み土留32(土留パネル33、切梁34等からなる土留)を設置して、内壁面31の肌落ちを防止する。
【0044】
また、第1の本溝25aと第2の本溝25bとの間、第2の本溝25bと第3の本溝25cとの間、又は第3の本溝25cと第4の本溝25dとの間が所定の曲率の曲がり部に形成される場合や、既設の埋設管の上部を横断するような場合には、上述したガイド部材6を利用して土留パネル15を設置することができないので、図13に示すように、例えば、法面保護用のラス金網20を用い、このラス金網20をアンカーボルト21等によって内壁面5bに固定することにより、内壁面5bの肌落ちを防止する。
【0045】
なお、本実施の形態においては、図1に示すように、3.5本の本溝(第1の本溝25a、第2の本溝25b、第3の本溝25c、及び第4の本溝25dの半分)を形成した後に、次の埋設管敷設工程、埋設管溶接工程、土留パネル撤去・埋設工程、及び覆工板設置工程を行っているが、地盤3の状態や工事の進行状況等によっては、1本の本溝25、2本の本溝25、又は4本以上の本溝25を形成した後に、次の埋設管敷設工程、埋設管溶接工程、土留パネル撤去・埋設工程、覆工板設置工程を行うようにしてもよい。
【0046】
また、本実施の形態においては、各本溝25a〜25dを形成する地盤3の部分に、各本溝25a〜25dの全体に対して、一次掘削工程を行って各本溝25a〜25dの全体に亘る一次掘削溝を形成し、この一次掘削溝に対して、ガイド部材設置工程を行った後に、土留パネル設置工程、ガイド部材スライド工程を繰り返し行うように構成したが、各本溝25a〜25dの全体を複数の区画に分けて、最初の区画に対して、一次掘削工程を行って一次掘削溝を形成し、この一次掘削溝に対して、ガイド部材設置工程を行った後に、土留パネル設置工程を行うとともに、それ以降の各区画に対して、一次掘削工程を行って一次掘削溝を形成し、その一次掘削溝に対して、ガイド部材スライド工程及び土留パネル設置工程を繰り返し行うように構成してもよい。
【0047】
(5)埋設管敷設工程
埋設敷設工程では、図1及び図8に示すように、上記の各工程で使用したバックホウ60を用い、バックホウ60のアーム62にワイヤー等を介して埋設管35を吊り下げ、第1の本溝25a、第2の本溝25b、及び第3の本溝25c内にそれぞれ埋設管(第1の埋設管35a、第2の埋設管25b、及び第3の埋設管25c)を吊り下し、第1の本溝25a、第2の本溝25b、及び第3の本溝25cの底部26にそれぞれ埋設管(第1の埋設管35a、第2の埋設管35b、及び第3の埋設管35c)を敷設する。
【0048】
この場合、図9及び図10に示すように、エアージャッキ36を用いて、埋設管35を本溝25内に敷設してもよい。エアージャッキ36を用いる場合には、図9に示すように、本溝25内の複数箇所(本実施の形態では3箇所)に、上下方向に伸縮可能にエアージャッキ36を設置し、本溝25の開口縁部の地表面3a間のエアージャッキ36を避けた位置に複数の桁材37を架け渡し、本溝25の開口縁部の地表面3a上で桁材37の上部に埋設管35をバックホウ60等の建設機械を用いて載置し、埋設管35を桁材37の上部を転がして本溝25の開口部に移動させる。
【0049】
そして、各エアージャッキ36を作動させて、各エアージャッキ36を上方に伸長させることにより、埋設管35を桁材37よりも上方の所定の位置まで押し上げ、この状態で桁材37を撤去する。
【0050】
そして、図10に示すように、各エアージャッキ36を作動させて、各エアージャッキ36を下方に収縮させることにより埋設管35を本溝25内に下ろし、本溝25の底部26に敷設する。
【0051】
この場合、本溝25の底部26の複数箇所のエアージャッキ36を避けた位置に、エアージャキ36が収縮したときの高さよりも厚い端太材38を予め設置しておき、この端太材38の上部に埋設管35を下ろすことにより、埋設管35を動かすことなく、エアージャッキ36を本溝25の底部から撤去することができる。
【0052】
(6)埋設管溶接工程
埋設管溶接工程では、図1に示すように、第1の本溝25a内に敷設した第1の埋設管
35aの端部に、第2の本溝25b内に敷設した第2の埋設管35bの端部を溶接により一体に接合し、第2の埋設管35bの端部に第3の本溝25c内に敷設した第3の埋設管35cの端部を溶接により一体に接合する。
【0053】
各溶接作業は、図1及び図11に示すように、第1の本溝25a、第2の本溝25b、第3の本溝25c、及び第4の本溝25dの他の部分よりも容積の大きい断面四角形状の溶接用溝部28(第1の溶接用溝部28a〜第3の溶接用溝部28c)で行う。
【0054】
(7)土留パネル撤去・埋戻し工程
土留パネル撤去・埋戻し工程では、図2及び図12に示すように、一次掘削工程及び二次掘削工程で地盤3を掘削することによって生じた土砂を埋戻し材14として用い、埋設管(第1の埋設管35a、第2の埋設管35b、第3の埋設管35c)の敷設の完了した本溝(第1の本溝25a、第2の本溝25b、第3の本溝25c)及び溶接用溝部(第1の溶接用溝部28a及び第2の溶接用溝部28b)内に埋め戻し材14を埋め戻し、コンバインドローラ65等により転圧する。
【0055】
この場合、第1の本溝25a、第2の本溝25b、及び第3の本溝25c内には、土留パネル15を撤去しながら埋め戻し材14を埋め戻し、第1の溶接用溝部28a及び第2の溶接用溝部28b内には、簡易建込み土留32の切梁34及び土留パネル33を下段に位置するものから撤去しながら、埋め戻し材14を埋め戻す。なお、第3の本溝25cと第4の本溝25dとの間の第3の溶接用溝部28cは、次の日の工事に備えるために、埋め戻し材14を埋め戻さずに、開口させておく。
【0056】
このようにして、1日分の工事が終了した後に、次の日の工事に備えるとともに、車両等の通行を許容させるために、後述する覆工板設置工程により、第3の本溝25cと第4の本溝25dとの間の第3溶接用溝部28cの開口部29、及び第4の本溝25dの半分の開口部27に覆工板40を設置し、それらの開口部29、27を閉塞する。
【0057】
(8)覆工板設置工程
覆工板設置工程では、図14〜図18に示すように、例えば、第3の本溝25cと第4の本溝25dとの間の第3の溶接用溝部28cの開口部29、及び第4の本溝25d(半分)の開口部27の周囲を囲むように路面2を矩形状に切断し、この路面2の開口4の内側に覆工装置39を設置することにより路面2の開口4を閉塞し、溶接用溝部28cの開口部29、及び第4の本溝25d(半分)の開口部27を閉塞して、次の日の工事に備えるとともに、車両等の通行を許容する。
【0058】
覆工装置39は、覆工受桁50と、覆工受桁50に設けられるジャッキ55と、覆工受板50の上部に設置される覆工板40とから構成されている。
本実施の形態においては、第3の溶接用溝部28cの開口部29、及び第4の本溝25d(半分)の開口部27の幅方向の両縁部に、両溝28c、25dの長さ方向に沿うように所定の深さの段部30をそれぞれ設け、これらの段部30内にH型鋼からなる覆工受桁50をそれぞれ設置し、これらの覆工受桁50の上部に覆工板40を設置している。
【0059】
各段部30は、図16〜図18に示すように、覆工受桁50の上部に覆工板40を設置し、第3の溶接用溝部28c及び第4の本溝25d(半分)の開口部29、27を閉塞した際に、覆工板40の上面と路面2とが面一となるように、深さが設定される。
【0060】
覆工受桁50の長さ方向の両端部には、図16〜図18に示すように、上部が開口する凹部51がそれぞれ設けられ、各凹部51内に油圧ジャッキ等のジャッキ55がそれぞれ設けられる。
【0061】
各ジャッキ55は、ロッド56が覆工受桁50の上面から上方に出没可能に各凹部51内に設けられ、各ジャッキ55を作動させて、各ジャッキ55のロッド56を覆工受桁50の上面から上方に突出させることにより、覆工受桁50の上部に設置した覆工板40を上方に押し上げることができる。また、各ジャッキ55をさせて、各ジャッキ55のロッド56を覆工受桁50内に没入させることにより、覆工受桁50の上部に覆工板40を設置することができる。
【0062】
覆工板40は、例えば、複数のH型鋼等を組み合わせて、長方形板状に形成したものであって、図14〜図16に示すように、覆工受桁50の上部に設置したときに、覆工板40の周面41と路面2の開口4の内周面との間に隙間が形成されないように構成している。
【0063】
本実施の形態においては、図14〜図18に示すように、路面2の開口4の内周面のうち、長さ方向の両端面4a、4bを外側に傾斜する傾斜面に形成し、幅方向の両端面4c、4dを鉛直方向を向く垂直面に形成し、この路面2の開口4の各端面4a〜4dに合致するように、覆工板40の周面41のうち、長さ方向の両端面41a、41bを傾斜面に形成し、幅方向の両端面41c、41dを垂直面に形成することにより、覆工板40の周面41と路面2の開口4の内周面との間に隙間が形成されないように構成している。
【0064】
これにより、覆工板40を覆工受桁50の上部から撤去する際、及び覆工板40を覆工桁50の上部に設置する際に、図14に矢印で示す方向(本溝25の掘進方向)に覆工板40を移動させることにより、覆工板40の長さ方向の両端面41a、41bが路面2の開口の長さ方向の両端面4a,4bと干渉するのを避けることができる。
【0065】
覆工板40の下面側の四隅には、図16〜図18に示すように、下部が開口する凹部42がそれぞれ設けられ、各凹部42内にそれぞれキャスター45が設けられている。各キャスター45は、覆工板40の下面から下方に出没可能に設けられ、各キャスター45を覆工板40の下面から下方に突出させることにより、覆工板40が路面2上を走行可能な状態となり、各キャスター45を覆工板40内に没入させることにより、覆工板40を覆工受桁50の上部に設置可能な状態となる。
【0066】
各キャスター45は、各凹部42内に支持ピン48を介して回動可能に設けられる脚部46と、脚部46の先端に回転自在に設けられる車輪47と、脚部46を下方に付勢して、脚部46を凹部42から突出させるばね等からなる突出手段(図示せず)と、脚部46を凹部42から突出した状態にロックするロックピン等からなるロック手段(図示せず)とから構成されている。
【0067】
図18に示すように、各ジャッキ55を作動させて、ロッド56を突出させて覆工板40を上方に押し上げることにより、各キャスター45の脚部46が突出手段によって付勢され、支持ピン48を中心として下方に回動して覆工板40の下面から突出する。そして、この状態で、覆工板40と路面2との間の隙間を利用して、作業者がロック手段により脚部46を覆工板40に固定することにより、覆工板40を路面2上を走行可能な状態とすることができる。なお、図中49は、脚部46を回動方向の所定の位置に位置決めするためのストッパー部である。
なお、図19に示すように、各キャスター45の脚部46を上下方向に直線移動可能に構成し、脚部46をばね等の突出手段の付勢力により下方に直線移動させることにより、各キャスター45を覆工板40の下面から自動的に突出させてもよい。
【0068】
また、図18の状態で、覆工板40と路面2との間の隙間を利用して、作業者がロック手段による脚部46の覆工板40への固定状態を解除し、図17に示すように、各ジャッキ55を作動させて、ロッド56を没入させることにより、覆工板40の自重により、各キャスター45の脚部46が突出手段の付勢力に抗して支持ピン48を中心として上方に回動し、図16に示すように、覆工板40内に没入することで、覆工板40を覆工受桁50の上部に設置することができる。
【0069】
1日の工事が終了して、路面2の開口4を上記の覆工板40で閉塞する場合には、バックホウ60を用いて引っ張ることにより、覆工板40を撤去した位置から路面2上を走行させて路面2の開口4の位置まで移動させ、両溝28c、25dの開口部29、27の両縁部の両覆工受桁50の上部に各キャスター45を載せ、覆工板40の周面41の各端面41a〜41dが路面2の開口4の内周面の各端面4a〜4dの鉛直方向上方に位置するように覆工板40の位置を微調整する。
【0070】
そして、この状態で、図18に示すように、各ジャッキ55を作動させて、ロッド56を突出させることにより、覆工板40を上方に押し上げ、覆工板40の周面41と路面2の開口4の内周面との間に隙間を形成させる。この隙間を利用して、作業者がロック手段による脚部46の覆工板40への固定状態を解除する。
【0071】
そして、図17に示すように、各ジャッキ55を作動させて、ロッド56を没入させることにより、各キャスター45の車輪47に覆工受桁50の上面に当接させると、覆工受桁50の重量によって各キャスター45の脚部46が上方に回動し、図16に示すように、凹部42内に没入した状態となり、覆工受桁50の上部に覆工板40を設置し、路面2の開口4を閉塞できるとともに、両溝28c、25dの開口部29、27を閉塞することができる。これにより、次の日の作業に備えることができるとともに、車両等の通行を許容することができる。
【0072】
次の日の工事を開始する場合には、図14、図15、及び図18に示すように、各ジャッキ55を作動させて、各ジャッキ55のロッド56を突出させることにより覆工板40を上方に押し上げ、覆工板40の周面41と路面2の開口4の内周面との間の隙間を利用して、各キャスター45を突出させ、その脚部46を覆工板40にロック手段により固定する。
【0073】
そして、図17に示すように、各ジャッキ55のロッド56を没入させて、覆工板40の各キャスター45の車輪47を覆工受桁50の上面に接触させる。この状態で、覆工板40をワイヤー等を介してバックホウ60のアーム62に連結し、バックホウ60にて、覆工板40を図14、図15、図17の矢印方向に引っ張ることにより、覆工板40を覆工受桁50の上部から撤去し、路面2上を走行させて工事及び車両等の通行の支障のない位置まで移動させる。
【0074】
そして、上記の一次掘削工程、ガイド部材設置工程、土留パネル設置工程、ガイド部材スライド工程、二次掘削工程を行うことにより、第4の本溝25dの残りの半分、第5の本溝、第6の本溝、第7の本溝を順次形成し、その後に、第4の本溝25d、第5の本溝、第6の本溝、第7の本溝に対して、埋設管敷設工程、埋設管溶接工程、土留パネル撤去・埋戻し工程、覆工板設置工程を順次行うことにより、第2日目の作業を終了する。そして、このような作業を複数日に亘って繰り返し行うことにより、全長が数キロ〜数十キロに及ぶ埋設管35を道路1の直下に埋設することができる。
【0075】
上記のように構成した本実施の形態の溝の掘削方法にあっては、埋設管35の埋設箇所の地盤3を掘削することにより、内壁面5bが所定の傾斜面の断面台形状の一次掘削溝5を形成し、この一次掘削溝5に対して、ガイド部材設置工程、土留パネル設置工程、ガイド部材スライド工程を繰り返し行うことにより、一次掘削溝5の内壁面5bの全体を複数の斜めの土留パネル15で覆うとともに、各土留パネル15の下端を一次掘削溝5の底部5aよりも深い位置まで押し込んで根入れさせ、この状態で、一次掘削溝5に対して二次掘削工程を行って、一次掘削溝5の底部5aを更に深く掘り下げて本溝25を形成し、この本溝25の底部26に埋設管35を敷設するように構成したので、簡易建込み土留により溝の内壁面の肌落ちを防止する技術のように、切梁を上段に位置するものから順次盛り替えて、埋設管を本溝の底部に敷設するような煩雑な作業が不要となる。
【0076】
従って、埋設管35の本溝25内へ敷設する作業を容易に行うことができるので、全体としての工期を短縮することができるとともに、工事費を大幅に削減することができる。
【0077】
また、本溝25と本溝25との間が所定の曲率の曲がり部に形成される場合や、既設の埋設管35の上部を横断するような場合には、その部分の内壁面にラス金網20を設置することにより、内壁面5bの肌落ちを防止することができるので、このような箇所においても、従来の簡易建込み土留のように、切梁を上段に位置するものから順次盛り替えて、埋設管を本溝内に敷設する作業が不要となるので、これによっても、全体の工期を短縮できるとともに、工事費を大幅に削減することができる。
【0078】
なお、上記の説明においては、本発明による溝の掘削方法を道路1の直下に埋設管35を埋設する場合に適用したが、道路1に限らず、その他の各種の地中に埋設管35を埋設する場合に本発明を適用してもよい。また、埋設管35を埋設する場合に限らず、地盤に溝のみを掘削する場合に本発明を適用してもよい。
【0079】
さらに、前記の発明においては、本溝25の底部26に埋設管35を敷設したが、施工条件によっては、一次掘削溝5の底部5aに埋設管35を敷設してもよい。この場合、二次掘削は省略できる。
【符号の説明】
【0080】
1 道路
2 路面
3 地盤
3a 地表面
4 開口
4a、4b 長さ方向の端面
4c、4d 幅方向の端面
5 一次掘削溝
5a 底部
5b 内壁面
6 ガイド部材
7 支持板
8 ガイド板
8a 表面
9 ガイド部
10 押込み治具
11 フック部
12 押圧部
14 埋め戻し材
15 土留パネル
15a 第1の土留パネル
15b 第2の土留パネル
15c 第3の土留パネル
15d 第4の土留パネル
16 表面
17 幅方向の一端面
18 幅方向の他端面
19 ガイド部
20 ラス金網
21 アンカーボルト
25 本溝
25a 第1の本溝
25b 第2の本溝
25c 第3の本溝
25d 第4の本溝
26 底部
27 開口部
28 溶接用溝部
28a 第1の溶接用溝部
28b 第2の溶接用溝部
28c 第3の溶接用溝部
29 開口部
30 段部
31 内壁面
32 簡易建込み土留
33 土留パネル
34 切梁
35 埋設管
35a 第1の埋設管
35b 第2の埋設管
35c 第3の埋設管
36 エアージャッキ
37 桁材
38 端太材
39 覆工装置
40 覆工板
41 周面
41a、41b 長さ方向の端面
41c、41d 幅方向の端面
42 凹部
45 キャスター
46 脚部
47 車輪
48 支持ピン
49 ストッパー部
50 覆工受桁
51 凹部
55 ジャッキ
56 ロッド
60 バックホウ
61 台形バケット
62 アーム
65 コンバインドローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤の対象区画に溝を形成する溝の掘削方法であって、
前記地盤を掘削して掘削溝を形成する掘削工程と、
前記掘削溝の内壁面に沿うようにガイド部材を設置するガイド部材設置工程と、
土留パネルを前記ガイド部材の表面上をスライドさせて前記掘削溝内に挿入するとともに、該土留パネルの下端を前記掘削溝の底部に押し込んで根入れさせる土留パネル設置工程と、
前記ガイド部材を前記内壁面に沿ってスライドさせて、次の土留パネルの設置位置に移動させるガイド部材スライド工程とを備え、
前記対象区画の全体に対して、前記掘削工程を行って前記対象区画の全体に亘る前記掘削溝を形成し、該掘削溝に対して、前記ガイド部材設置工程を行った後に、前記土留パネル設置工程、及び前記ガイド部材スライド工程を繰り返し行うことにより、
又は、前記対象区画を複数の区画に分けて、最初の区画に対して、前記掘削工程を行って前記掘削溝を形成し、該掘削溝に対して、前記ガイド部材設置工程を行った後に、前記土留パネル設置工程を行うとともに、それ以降の各区画に対して、前記掘削工程を行って前記掘削溝を形成し、該掘削溝に対して、前記ガイド部材スライド工程及び前記土留パネル設置工程を繰り返し行うことを特徴とする溝の掘削方法。
【請求項2】
前記ガイド部材には、前記土留パネルを前記ガイド部材の表面上をスライド可能に案内するガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の溝の掘削方法。
【請求項3】
前記土留パネルには、先行して前記掘削溝内に設置された土留パネルの表面に当接して、先行の土留パネルの表面と次の土留パネルの表面とを面一にするガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の溝の掘削方法。
【請求項4】
前記土留パネル設置工程の後に、前記掘削溝の底部を更に深く掘り下げて本溝を形成する掘削工程を更に備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の溝の掘削方法。

【図6】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−91918(P2013−91918A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232980(P2011−232980)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】