説明

溶接ワイヤ送給装置

【課題】ワイヤリール23の溶接ワイヤ11の残量に応じてワイヤ矯正部32の溶接ワイヤ11の加圧力を調整する必要のない溶接ワイヤ送給装置31を提供する。
【解決手段】本発明の溶接ワイヤ送給装置31は、ワイヤ矯正部32に挿入された溶接ワイヤ11が第1及び第2の固定ロール37、38の下方部に当接する。Uの字状に形成されたアーム33がワイヤ矯正部本体34に回転可能に支持されて、一端部にワイヤ挿入ロール35が支持され、他端部に可動ロール36が支持される。ワイヤ挿入ロール35が溶接ワイヤ11によって押し上げられたときに、アーム33が回転することによって、可動ロール36が押し上げられて第1及び第2の固定ロール37、38の間の溶接ワイヤ11を押し上げる。この結果、ワイヤリール23の溶接ワイヤ11が消耗して可動ロール36の加圧力が不足することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
消耗電極ガスシールドアーク溶接に使用され、溶接ワイヤを矯正するワイヤ矯正部が改善された溶接ワイヤ送給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
消耗電極ガスシールドアーク溶接において、安定して溶接ワイヤを送給するために溶接ワイヤ送給装置が使用されている。従来この溶接ワイヤ送給装置として、図4及び図5に示す装置が提案されていた。図4は、従来技術の溶接ワイヤ送給装置21を示す図であり、図5は、溶接ワイヤ送給装置21のワイヤ送給部28を示す図である。
【0003】
図4において、ワイヤ送給装置本体22に取り付けられたワイヤリール23から溶接ワイヤ11が送り出される。ワイヤ送給装置本体22に取り付けられたワイヤ矯正部24は、第1の固定ロール25と第2の固定ロール26と、溶接ワイヤ11を加圧する加圧力を調整することができる可動ロール27とから成る。溶接ワイヤ11の種類、直径や曲率に対応して可動ロール27を上下させて溶接ワイヤ11を加圧する加圧力を調整している。第1の固定ロール25、第2の固定ロール26及び可動ロール27によってワイヤリール23に巻かれた溶接ワイヤ11の曲り癖が矯正される。
【0004】
ワイヤ矯正部24で矯正された溶接ワイヤ11はワイヤ送給装置本体22に取り付けられたワイヤ送給部28に送り出される。図5に示すワイヤ送給部28は、モータ7に駆動ギヤー2が連結されていて、第1の送給ロール3a及び第2の送給ロール3bがワイヤ送給部本体8に回転可能に支持されている。第1の送給ロール3a及び第2の送給ロール3bには、第1のギヤー4a及び第2のギヤー4bがそれぞれ同軸に取り付けられていて、第1のギヤー4a及び第2のギヤー4bが駆動ギヤー2とそれぞれ歯合されている。
【0005】
第1の加圧ロール5a及び第2の加圧ロール5bは、第1の加圧ホルダ6a及び第2の加圧ホルダ6bにそれぞれ回転可能に支持されている。第1の送給ロール3a及び第2の送給ロール3bには、溶接ワイヤ11が挟まれて加圧されて送給されるための溝が、それぞれ形成されている。センターガイド10は、第1の送給ロール3a及び第2の送給ロール3bの間に設けられて、ワイヤ挿入口9から挿入された溶接ワイヤ11をガイドする。アウトレットガイド12は、ワイヤ送給部28の溶接ワイヤ11の送出部に取り付けられていて、溶接ワイヤ11をガイドする。コンジットケーブル29がアウトレットガイド12の先端部と接続されて、アウトレットガイド12から送り出された溶接ワイヤ11が溶接トーチ30までガイドされる。(例えば、特許文献1参照。)
【0006】
以下、動作を説明する。図4及び図5において、ワイヤリール23から送り出された溶接ワイヤ11が、ワイヤ矯正部24で矯正され、ワイヤ送給部28に送給される。ワイヤ送給部28に取り付けられたモータ7によって、第1の送給ロール3a及び第2の送給ロール3bが回転して、これらの第1の送給ロール3a及び第2の送給ロール3bと第1の加圧ロール5a及び第2の加圧ロール5bとによって、溶接ワイヤ11がそれぞれ挟まれて送り出される。この送り出された溶接ワイヤ11はアウトレットガイド12によってガイドされ、コンジットケーブル29によって溶接トーチ30までガイドされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭61−202778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した溶接ワイヤ送給装置21のワイヤ矯正部24は、可動ロール27を上下させて溶接ワイヤ11を加圧する加圧力を調整することは可能であるが、一度、加圧力を設定すると常に一定の加圧力になる。一方ワイヤリール23に巻かれた溶接ワイヤ11の曲率は、巻き始めと巻き終わりで異なっている。そのためにワイヤリール23の溶接ワイヤ11が使い始めの状態では曲率が小さいので、この曲率に対応させた加圧力で可動ロール27の位置を設定すると、溶接ワイヤ11を使い終わる直前では、曲率が大きいので、加圧力が不足して、溶接ワイヤ11の矯正が不十分になる。
【0009】
この場合、溶接ワイヤ11の曲がり癖が十分に矯正されずに、溶接ワイヤ11がコンジットケーブル29によってガイドされて溶接トーチ30まで送給されるときに、送給抵抗が大きくなって良好な溶接を行うことができないときがある。そのためにワイヤリール23の溶接ワイヤ11の残量に応じて作業者が可動ロール27の位置を調整して溶接ワイヤ11を加圧する加圧力を調整しなければならない。
【0010】
本発明は、ワイヤリールの溶接ワイヤの残量に応じて作業者がワイヤ矯正部の可動ロールの位置を調整して溶接ワイヤを加圧する加圧力を調整する必要のない溶接ワイヤ送給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
ワイヤ送給装置本体と、
前記ワイヤ送給装置本体に取り付けられて、溶接ワイヤが送り出されるワイヤリールと、
前記ワイヤ送給装置本体に取り付けられて、前記ワイヤリールから送り出された溶接ワイヤを矯正するワイヤ矯正部と、
前記ワイヤ送給装置本体に取り付けられて、前記ワイヤ矯正部で矯正された溶接ワイヤを送給するワイヤ送給部とを備えた溶接ワイヤ送給装置において、
前記ワイヤ矯正部が、ワイヤ矯正部本体と、
前記ワイヤ矯正部本体に設けられて、溶接ワイヤが挿入されるワイヤ挿入口と、
前記ワイヤ矯正部本体に回転可能に支持されて、前記ワイヤ挿入口から挿入された溶接ワイヤに下方部が当接する第1の固定ロール及び第2の固定ロールと、
中央部が前記ワイヤ矯正部本体に回転可能に支持されてUの字状に形成されて、一端部が前記ワイヤ挿入口よりも前記ワイヤリール側に延びて、他端部が前記第1の固定ロール及び前記第2の固定ロールとの間の下方に位置したアームと、
前記アームの一端部に回転可能に支持されて、前記ワイヤ挿入口よりも前記ワイヤリール側の溶接ワイヤに下方部が当接するワイヤ挿入ロールと、
前記アームの他端部に回転可能に支持されて、前記第1の固定ロール及び前記第2の固定ロールの間の溶接ワイヤを押し上げる可動ロールと、
前記ワイヤ矯正部本体に設けられて、前記第2の固定ロールを通過した溶接ワイヤが送出されるワイヤ送出口とを備え、
前記ワイヤ挿入ロールが溶接ワイヤによって押し上げられたときに、前記アームが前記中央部を支点として回転することによって前記可動ロールが押し上げられて前記第1の固定ロール及び前記第2の固定ロールの間の溶接ワイヤを押し上げるように前記アームが形成されたことを特徴とする溶接ワイヤ送給装置である。
【0012】
請求項2の発明は、
請求項1記載のアームは、前記ワイヤ矯正部本体に回転可能に支持されたアーム本体とアーム可動部とから成り、
前記アーム可動部の一端部に前記ワイヤ挿入ロールが回転可能に支持され、
前記アーム可動部の他端部が前記アーム本体の一端部に取り付け角度を調整することができるように取り付けられ、
前記アーム本体の他端部に前記可動ロールが回転可能に支持されていることを特徴とする溶接ワイヤ送給装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の溶接ワイヤ送給装置は、ワイヤリールの溶接ワイヤが使い始めのときのワイヤ矯正部の可動ロールの溶接ワイヤに対する加圧力を、溶接ワイヤが消耗して溶接ワイヤを使い終わる直前でも維持することができる。従って、ワイヤリールの溶接ワイヤが消耗してワイヤ矯正部の可動ロールの加圧力が不足して、溶接ワイヤの矯正が不十分になることがない。またワイヤリールの溶接ワイヤの残量に応じて作業者がワイヤ矯正部の可動ロールの位置を調整する必要がないので、作業性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1の溶接ワイヤ送給装置31のワイヤ矯正部32を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1の溶接ワイヤ送給装置31のワイヤ矯正部32の動作を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態2の溶接ワイヤ送給装置51のワイヤ矯正部52を示す図である。
【図4】従来技術の溶接ワイヤ送給装置21を示す図である。
【図5】溶接ワイヤ送給装置21のワイヤ送給部28を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施の形態1]
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。本発明の実施の形態1の溶接ワイヤ送給装置31のワイヤリール及びワイヤ送給部は図4及び図5に示した従来技術のワイヤリール23及びワイヤ送給部28と同じであるので、説明を省略する。図1は、本発明の実施の形態1の溶接ワイヤ送給装置31のワイヤ矯正部32を示す図であり、同図(A)は平面図であり、同図(B)は正面図である。図1において、ワイヤ矯正部32が図示を省略したワイヤ送給装置本体に取り付けられている。アーム33はUの字状又はコの字状に形成されて、中央部33cがワイヤ矯正部本体34に回転可能に支持されている。アームの一端部33aにワイヤ挿入ロール35が回転可能に支持され、アームの他端部33bに可動ロール36が回転可能に支持されている。
【0016】
ワイヤリール23から送り出された溶接ワイヤ11がワイヤ挿入ロール35の下方部に当接する。第1の固定ロール37及び第2の固定ロール38がワイヤ矯正部本体34にそれぞれ回転可能に支持されている。ワイヤ挿入口39がワイヤ矯正部本体34に設けられて、ワイヤ挿入ロール35を通過した溶接ワイヤ11が挿入される。ワイヤ挿入口39から挿入された溶接ワイヤ11は第1の固定ロール37及び第2の固定ロール38の下方部に当接する。アームの一端部33aがワイヤ挿入口39よりもワイヤリール23側に延びている。またアームの他端部33bが第1の固定ロール37及び第2の固定ロール38との間の下方に位置して、第1の固定ロール及び第2の固定ロールの間の溶接ワイヤ11が、可動ロール36の上方部に当接する。
【0017】
ワイヤリール23の溶接ワイヤ11が消耗して、ワイヤリール23からのワイヤ挿入口39への溶接ワイヤ11の挿入角度θが小さくなると、ワイヤ挿入ロール35が溶接ワイヤ11によって押し上げられて、アーム33がアームの中央部33cを支点として回転して可動ロール36が押し上げられる。
アーム33の形状は、ワイヤ挿入ロール35が溶接ワイヤ11によって押し上げられたとき、可動ロール36が押し上げられて第1の固定ロール37及び第2の固定ロール38の間の溶接ワイヤ11を適切な加圧力で押し上げて溶接ワイヤ11の巻き癖を矯正することができるように、溶接ワイヤ11の種類、直径や曲率に対応して設定されている。ワイヤ送出口40がワイヤ矯正部本体34に設けられて、第2の固定ロール38を通過した溶接ワイヤ11が送出される。
【0018】
以下、図2を参照して動作を説明する。図2は、本発明の実施の形態1の溶接ワイヤ送給装置31のワイヤ矯正部32の動作を説明する図である。溶接が開始されると、図5に示したワイヤ送給部28の第1の送給ロール3a及び第2の送給ロール3bによってワイヤリール23から溶接ワイヤ11が送り出される。ワイヤリール23から送り出された溶接ワイヤ11は、図2(A)に示すように、ワイヤ矯正部32のアームの一端部33aに回転可能に支持されたワイヤ挿入ロール35の下方部に当接する。ワイヤ挿入ロール35を通過した溶接ワイヤ11は、ワイヤ挿入口39から挿入されて、第1の固定ロール37及び第2の固定ロール38の下方部が溶接ワイヤ11に当接して溶接ワイヤ11を押し下げる。
【0019】
このときワイヤ挿入ロール35が溶接ワイヤ11によって押し上げられることによって、アーム33がアームの中央部33cを支点として回転して可動ロール36が押し上げられて、第1の固定ロール37及び第2の固定ロール38の間の溶接ワイヤ11を押し上げる。一方溶接ワイヤ11は、ワイヤ挿入口39とワイヤ送出口40とに接しているので、第1の固定ロール37及び第2の固定ロール38が溶接ワイヤ11を押し下げて、可動ロール36が溶接ワイヤ11を押し上げることによって、溶接ワイヤ11の巻き癖が矯正される。ワイヤ矯正部32で矯正された溶接ワイヤ11がワイヤ送給部28に挿入され、ワイヤ送給部28から送り出された溶接ワイヤ11は、コンジットケーブル29によって溶接トーチ30までガイドされる。
【0020】
溶接を行ってワイヤリール23の溶接ワイヤ11が消耗していくと、ワイヤリール23の溶接ワイヤ11の巻き径が小さくなって、図2(B)に示すように、ワイヤリール23からの溶接ワイヤ11のワイヤ挿入ロール35への挿入方向が下側から上へ変化して、ワイヤリール23からのワイヤ挿入口39への溶接ワイヤ11の挿入角度θが小さくなっていく。このときワイヤ挿入ロール35が溶接ワイヤ11によって押し上げられて、アーム33がアームの中央部33cを支点として回転して可動ロール36が押し上げられる。これによって可動ロール36が第1の固定ロール37及び第2の固定ロール38の間の溶接ワイヤ11をさらに押し上げて、可動ロール36が溶接ワイヤ11を加圧する加圧力が増加される。
【0021】
このときアーム33の形状は、ワイヤ挿入ロール35が溶接ワイヤ11によって押し上げられたとき、可動ロール36が押し上げられて第1の固定ロール37及び第2の固定ロール38の間の溶接ワイヤ11を適切な加圧力で押し上げて溶接ワイヤ11の巻き癖を矯正することができるように、溶接ワイヤ11の種類、直径や曲率に対応して設定されているので、溶接ワイヤ11の巻き癖を適切に矯正することができる。
【0022】
この結果、ワイヤリール23の溶接ワイヤ11が使い始めのときのワイヤ矯正部32の可動ロール36の溶接ワイヤ11に対する加圧力を、溶接ワイヤ11が消耗して溶接ワイヤ11を使い終わる直前でも維持することができる。従って、ワイヤリール23の溶接ワイヤ11が消耗してワイヤ矯正部32の可動ロール36の加圧力が不足して、溶接ワイヤ11の矯正が不十分になることがない。またワイヤリール23の溶接ワイヤ11の残量に応じて作業者がワイヤ矯正部32の可動ロール36の位置を調整する必要がないので、作業性を大幅に向上させることができる。
【0023】
[実施の形態2]
図3は、本発明の実施の形態2の溶接ワイヤ送給装置51のワイヤ矯正部52を示す図である。図3(A)において、アーム53はアーム本体55とアーム可動部54とから成り、アーム本体55は支点55cでワイヤ矯正部本体34に回転可能に支持されている。アーム可動部の一端部54aには、ワイヤ挿入ロール35が回転可能に支持され、アーム可動部の他端部54bは、アーム本体の一端部55aに対して取り付け角度を調整することができるように、ネジ止めされている。アーム本体の他端部55bには可動ロール36が回転可能に支持されている。その他の機能は、図1に示した本発明の実施の形態1の溶接ワイヤ送給装置31の同機能に同符号を付して説明を省略する。
【0024】
以下、動作を説明する。溶接ワイヤ11の種類、直径や曲率が異なる場合や、ワイヤリールの直径や取り付け位置が異なったりする場合において、図3(B)に示すように、ワイヤリール23の溶接ワイヤ11がワイヤ矯正部52のワイヤ挿入口39へ挿入される挿入角度θを調整することができる。この結果、溶接ワイヤ11の種類、直径や曲率が異なる場合や、ワイヤリールの直径や取り付け位置が異なったりする場合においても、ワイヤリール23の溶接ワイヤ11が使い始めのときのワイヤ矯正部52の可動ロール36の溶接ワイヤ11に対する加圧力を適正な加圧力に調整することができる。そして、溶接ワイヤ11が消耗して溶接ワイヤ11を使い終わる直前でも、上述した本発明の実施の形態1の溶接ワイヤ送給装置31と同様に、ワイヤ矯正部52の可動ロール36の溶接ワイヤ11に対する加圧力を適正に維持することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 溶接ワイヤ送給装置
2 駆動ギヤー
3a 第1の送給ロール
3b 第2の送給ロール
4a 第1のギヤー
4b 第2のギヤー
5a 第1の加圧ロール
5b 第2の加圧ロール
6a 第1の加圧ホルダ
6b 第2の加圧ホルダ
7 モータ
8 ワイヤ送給部本体
9 ワイヤ挿入口
10 センターガイド
11 溶接ワイヤ
12 アウトレットガイド
21 溶接ワイヤ送給装置
22 ワイヤ送給装置本体
23 ワイヤリール
24 ワイヤ矯正部
25 第1の固定ロール
26 第2の固定ロール
27 可動ロール
28 ワイヤ送給部
29 コンジットケーブル
30 溶接トーチ
31 溶接ワイヤ送給装置
32 ワイヤ矯正部
33 アーム
33a アームの一端部
33b アームの他端部
33c アームの中央部
34 ワイヤ矯正部本体
35 ワイヤ挿入ロール
36 可動ロール
37 第1の固定ロール
38 第2の固定ロール
39 ワイヤ挿入口
40 ワイヤ送出口
51 溶接ワイヤ送給装置
52 ワイヤ矯正部
53 アーム
54 アーム可動部
54a アーム可動部の一端部
54b アーム可動部の他端部
55 アーム本体
55a アーム本体の一端部
55b アーム本体の他端部
55c 支点
θ ワイヤリール23からのワイヤ挿入口39への溶接ワイヤ11の挿入角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ送給装置本体と、
前記ワイヤ送給装置本体に取り付けられて、溶接ワイヤが送り出されるワイヤリールと、
前記ワイヤ送給装置本体に取り付けられて、前記ワイヤリールから送り出された溶接ワイヤを矯正するワイヤ矯正部と、
前記ワイヤ送給装置本体に取り付けられて、前記ワイヤ矯正部で矯正された溶接ワイヤを送給するワイヤ送給部とを備えた溶接ワイヤ送給装置において、
前記ワイヤ矯正部が、ワイヤ矯正部本体と、
前記ワイヤ矯正部本体に設けられて、溶接ワイヤが挿入されるワイヤ挿入口と、
前記ワイヤ矯正部本体に回転可能に支持されて、前記ワイヤ挿入口から挿入された溶接ワイヤに下方部が当接する第1の固定ロール及び第2の固定ロールと、
中央部が前記ワイヤ矯正部本体に回転可能に支持されてUの字状に形成されて、一端部が前記ワイヤ挿入口よりも前記ワイヤリール側に延びて、他端部が前記第1の固定ロール及び前記第2の固定ロールとの間の下方に位置したアームと、
前記アームの一端部に回転可能に支持されて、前記ワイヤ挿入口よりも前記ワイヤリール側の溶接ワイヤに下方部が当接するワイヤ挿入ロールと、
前記アームの他端部に回転可能に支持されて、前記第1の固定ロール及び前記第2の固定ロールの間の溶接ワイヤを押し上げる可動ロールと、
前記ワイヤ矯正部本体に設けられて、前記第2の固定ロールを通過した溶接ワイヤが送出されるワイヤ送出口とを備え、
前記ワイヤ挿入ロールが溶接ワイヤによって押し上げられたときに、前記アームが前記中央部を支点として回転することによって前記可動ロールが押し上げられて前記第1の固定ロール及び前記第2の固定ロールの間の溶接ワイヤを押し上げるように前記アームが形成されたことを特徴とする溶接ワイヤ送給装置。
【請求項2】
請求項1記載のアームは、前記ワイヤ矯正部本体に回転可能に支持されたアーム本体とアーム可動部とから成り、
前記アーム可動部の一端部に前記ワイヤ挿入ロールが回転可能に支持され、
前記アーム可動部の他端部が前記アーム本体の一端部に取り付け角度を調整することができるように取り付けられ、
前記アーム本体の他端部に前記可動ロールが回転可能に支持されていることを特徴とする溶接ワイヤ送給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−103272(P2013−103272A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251172(P2011−251172)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)