説明

火災報知設備

【課題】避難者がそのときいる場所で最適な避難方向を知って迅速且つ安全に避難することを可能とする。
【解決手段】アナログ火災感知器16に、受信機10からの感知器アドレスを指定した閃光制御信号を受信して閃光駆動するフラッシュランプ15を設け、受信機10に設けた避難誘導制御部により、火災感知器16からの信号に基づいて火災発報を断定した場合、火災発生場所に対する安全な避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路に沿って配置した複数のアナログ火災感知器16に設けたフラッシュランプ15を順次閃光駆動する制御を行い避難誘導経路とその方向を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災時に避難者を安全な非常口等に避難誘導する火災報知設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災報知設備と共に設置される一般的な避難誘導装置としては、常時点灯して避難を誘導する表示装置の他に、非常時に点滅して表示により避難を誘導したり、スピーカからの音響により避難を誘導するものが知られている。
【0003】
また警戒区域への入場者に情報管理端末を携帯させることで、受信機側で情報管理端末の所在位置を検出して管理し、火災感知器や発信機の作動時には、所在位置を避難誘導支援情報として表示することで、警戒区域のどの場所にどのくらい人がいるかがすぐにわかり、火災発生場所に近い所在位置の人に対し優先的に避難経路を非常放送などにより適切に指示することができるようにした防災監視システムも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−234534号公報
【特許文献2】特開平5−242376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の表示による避難誘導は、表示装置を非常口の近くに設置して誘導する方法であり、煙が濃くなると避難者にとって見えにくく、また、音響による避難誘導は、近くの非常口からの避難を促すといった所定の内容のアナウンスしかできないので、避難者が実際にいる場所に合わせた適切な内容のアナウンスとすることが困難であり、複数の避難者に対して最適な避難誘導をすることができないという問題がある。
【0006】
また避難者は火災発生場所を知ることが困難なため、非常口への避難方向が複数ある場合、最も近い非常口を知っていればそこに向かい、非常口の場所がよくわからないような場合には、先に向かった人について非常口に向かうことになるが、その非常口が火災発生現場に近い場合には必ずしも適切な避難行動とはならず、途中から引き返して安全な非常口を捜すといった混乱した事態を招き、安全な非常口を見つけて避難するまでに時間がかかる問題がある。
【0007】
さらに、入場者の情報管理端末を利用して火災発生場所に近い所在位置の人に対し優先的に避難経路を非常放送などにより適切に指示する方法にあっては、火災報知設備に入場者の情報管理端末から情報を送受信する通信機能を例えば火災感知器に設ける必要があり、設備機器の追加や回収が大掛かりとなり、その実用化にはある程度の時間が必要となり、簡単に対応できないという問題がある。
【0008】
本発明は、避難者がそのときいる場所で最適な避難方向を知って迅速且つ安全に避難することを可能とする火災報知設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(第1発明)
本発明は、監視区域に設置され固有のアドレスが設定された火災感知器と受信機又は中継器との信号伝送により前記監視区域における火災発生の警報を行う火災報知設備に於いて、
火災感知器に設けられ、受信機又は中継器からの火災感知器のアドレスを指定した閃光制御信号を受信して閃光駆動する閃光装置と、
受信機又は中継器に設けられ、火災感知器からの火災検出した信号に基づいて火災発生場所に対する安全な避難誘導経路とその方向を決定し、決定した避難誘導経路に沿って配置された複数の火災感知器に設けた閃光装置を順次閃光駆動する制御を繰り返して避難誘導経路とその方向を表示させる避難誘導制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0010】
ここで、避難誘導制御部は、火災感知器の信号から1回目の火災発報を検知した場合、当該火災感知器に隣接配置した火災感知器の信号を集中的に収集して2回目の火災発報の有無を監視し、2回目の火災発報を検知した場合に火災断定して前記閃光装置を閃光駆動する制御を行う。
【0011】
避難誘導制御部は、複数の火災感知器のアドレスを指定した閃光駆動信号を順番に送信して、複数の火災感知器に設けた閃光装置を順番に閃光駆動する制御を行い前記避難誘導経路とその方向を表示させる。
【0012】
また、避難誘導制御部は、複数の火災感知器へ異なる閃光開始タイミングを含む閃光制御信号を送信して、複数の火災感知器への閃光開始同期信号の送信により複数の火災感知器に設けた閃光装置を順番に閃光駆動する制御を行い避難誘導経路とその方向を表示させる。
【0013】
また避難誘導制御部は、火災発生階の直上階について所定の避難誘導経路とその方向を予め決定し、火災感知器からの信号に基づいて火災発報を断定した場合、決定した避難誘導経路に沿って配置された複数の火災感知器に設けた閃光装置を順次閃光駆動する制御を繰り返して避難誘導経路とその方向を表示させる。
【0014】
避難誘導制御部は、複数の火災感知器からの信号による火災発報の検知に基づき火災の拡大を判別し、当該火災の拡大に対応して安全な避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路に沿って配置した複数の火災感知器に設けた閃光装置を避難誘導方向に向けて順番に閃光駆動する制御を行い避難誘導経路とその方向を表示させる。
【0015】
火災感知器は、
受信機または中継器との間で信号を送受信する伝送部と、
火災に伴う所定の物理量を検知して検知データを出力する検知部と、
伝送部を介して受信機または中継器から自己アドレスを指定した検知データ要求信号の受信を判別した場合に、検知部で検知した検知データを受信機または中継器に応答送信する感知器制御部と、
を備え、
閃光装置は、
閃光灯と、
閃光灯を駆動する閃光駆動部と、
伝送部を介して受信機または中継器から自己アドレスを指定した閃光制御信号の受信を判別した場合に、閃光駆動部に閃光駆動信号を出力して前記閃光灯を閃光駆動する閃光制御部と、
を備える。
【0016】
閃光装置は、閃光灯を監視区域に設置するための感知器ベースに設ける。
【0017】
(第2発明)
本発明は、監視区域に設置され固有のアドレスが設定された火災感知器と受信機又は中継器との信号伝送により前記監視区域における火災発生の警報を行う火災報知設備に於いて、
火災感知器を監視区域に設置する感知器ベースに設けられ、受信機又は中継器からの固有のアドレスを指定した閃光制御信号を受信して閃光駆動する閃光装置と、
受信機又は中継器に設けられ、火災感知器からの信号に基づいて火災発報を断定した場合、火災発生場所に対する避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路に沿って配置した複数の感知器ベースに設けた閃光装置を順次閃光駆動する制御により避難誘導経路とその方向を表示させる避難誘導制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0018】
ここで、避難誘導制御部は、火災感知器の信号から1回目の火災発報を検知した場合、当該火災感知器の両側に隣接配置した火災感知器の信号を集中的に収集して2回目の火災発報の有無を監視し、2回目の火災発報を検知した場合に火災断定する。
【0019】
避難誘導制御部は、複数の感知器ベースのアドレスを指定した閃光駆動信号を順番に送信して、複数の感知器ベースに設けた閃光装置を順番に閃光駆動する制御を行う避難誘導方向を表示させる。
【0020】
避難誘導制御部は、複数の火災感知器へ異なる閃光開始タイミングを含む閃光制御信号を送信し、複数の感知器ベースへの閃光開始同期信号の送信により閃光装置を順番に閃光駆動する制御を行い避難誘導経路とその方向を表示させる。
【0021】
避難誘導制御部は、火災発生階の直上階について所定の避難誘導経路とその方向を予め決定し、火災感知器からの信号に基づいて火災発報を断定した場合、決定した避難誘導経路に沿って配置された複数の火災感知器に設けた閃光装置を順次閃光駆動する制御を行い避難誘導経路とその方向を表示させる。
【0022】
避難誘導制御部は、複数の火災感知器からの信号による火災発報の検知に基づき火災の拡大を判別し、当該火災の拡大に対応して安全な避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路に沿って配置した複数の感知器ベースに設けた閃光装置を避難誘導方向に向けて順番に閃光駆動する制御を行い避難誘導経路とその方向を表示させる。
【0023】
感知器ベースに設けた閃光装置は、
閃光灯と、
閃光灯を駆動する閃光駆動部と、
受信機または中継器との間で信号を送受信する伝送部と、
伝送部を介して受信機または中継器から自己アドレスを指定した閃光制御信号の受信を判別した場合に、閃光駆動部に閃光駆動信号を出力して閃光灯を閃光駆動する閃光制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、受信機又は中継器が火災感知器からの信号に基づいて火災発生を受信した場合、火災発生場所に対する避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路に沿って配置した複数の火災感知器または感知器ベースに設けた閃光装置により閃光灯(フラッシュランプ)を順次閃光駆動する制御を行い避難誘導経路とその方向を表示させるようにしたため、避難者はフラッシュランプの順次閃光で示す方向に向かって避難することで、非常口や避難経路が分からなくとも、そのときいる場所から安全且つ迅速に避難することができる。
【0025】
また火災による煙や停電などにより暗闇となっても、フラッシュランプによる誘導方向の表示であることから、避難方向を見失うことなく、迅速に避難することができる。
【0026】
また火災発生階にあっては、火災発生場所から離れる方向を避難誘導経路とその方向に決定してフラッシュランプにより誘導表示することから、避難により火災現場に近づくようなことは無く、安全に避難することができる。
【0027】
また直上階については、火災の延焼がないことから、予め定めた避難誘導経路とその方向を示すようフラッシュランプを閃光駆動することで、迅速且つ安全に避難することができる。
【0028】
また火災検出後も火災の拡大を監視しており、火災の拡大を認識した場合には、その都度、安全な避難誘導経路とその方向の決定を行ってフラッシュランプにより火災拡大に対応した適切な避難誘導経路とその方向を表示し、火災の状況に併せて最適な避難誘導を行うことができる。
【0029】
また感知器ベースに閃光装置を設けた場合には、感知器ベースの交換によって既設の火災報知設備であってもフラッシュランプを使用した避難誘導機能を簡単に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のフラッシュランプによる避難誘導機能を備えた火災報知設備の概略構成を示した説明図
【図2】図1の受信機の概略構成をフラッシュランプ付きのアナログ火災感知器と共に示したブロック図
【図3】図2の閃光装置を備えたアナログ火災感知器の実施形態を示した回路ブロック図
【図4】本発明の受信機における制御処理を示したフローチャート
【図5】感知器ベースにフラッシュランプとその駆動部を設けた本発明におけるアナログ火災感知器の他の実施形態を示した回路ブロック図
【図6】閃光装置を設けた本発明による感知器ベースの実施形態を示した回路ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は本発明のフラッシュランプ(閃光灯)による避難誘導機能を備えた火災報知設備の概略構成を示した説明図である。
【0032】
図1において、本発明による火災報知設備が設置された建物の一階の管理人室などには例えばR型の受信機10が設置され、受信機10から各階の系統毎に伝送回線(信号線)12−1〜12−nが引き出され、伝送回線12−1〜12−nの各々に、感知器ベース14を介してアナログ火災感知器16が接続されており、本実施形態にあっては、アナログ火災感知器16に閃光灯として機能するフラッシュランプ15を設けている。
【0033】
伝送回線12−1〜12−nで決まる系統毎に設けたm台のアナログ火災感知器16には固有のアドレスA1〜Amが予め割当てられており、一系統当りの最大アドレス数は例えば127としている。
【0034】
図2は、図1の受信機の概略構成をフラッシュランプ付きのアナログ火災感知器と共に示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0035】
図2において、受信機10にはプロセッサ18、伝送部20−1〜20−n、操作部22、表示部24、音響警報部25、警報地区表示部26、移報出力部28及びメモリ30が設けられている。
【0036】
伝送部20−1〜20−nから引き出された伝送回線12−1〜12−nには感知器ベース14を介してアナログ火災感知器16が接続され、所定の通信プロトコルに従って信号を送受信している。感知器ベース14は監視区域の天井等に設置されて、アナログ火災感知器16を嵌合させることで、アナログ火災感知器を監視区域に設置する装置である。
【0037】
プロセッサ18にはプログラムの実行により実現される機能として、受信制御部32と避難誘導制御部34の機能を設けている。
【0038】
受信制御部32は、伝送回線12−1〜12−nで決まる系統毎に、所定の周期のデータ検知タイミングで一括AD変換コマンド信号を送信してアナログ火災感知器16が検知対象として煙や熱のアナログ検知信号をAD変換して煙または温度の検知データとして保持し、続いてアドレスA1〜Amを順次指定したポーリングコマンド信号により、アナログ火災感知器16に保持している検知データを収集し、収集した検知データを予め設定した火災閾値と比較し、火災閾値を超えた場合に火災発報と判断し、警報表示部24に火災警報表示を行うと共に、音響警報部25から音響火災警報を出力させ、更に地区表示部26に火災発生地区を表示させる。
【0039】
避難誘導制御部34は、アナログ火災感知器14から収集した検知データに基づいて火災発報を断定した場合、メモリ30に予め記憶された建物の避難誘導経路情報に基づき火災発生場所に対する安全な避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路に沿って配置した複数のアナログ火災感知器16に設けたフラッシュランプ15を順次閃光駆動する制御を繰り返して避難誘導経路とその方向を表示させる。
【0040】
ここで、避難誘導制御部34による火災断定は、アナログ火災感知器16の検知データから1回目の火災発報を検知した場合(第1報目の検知)、例えば図1の一階で火災Fが発生し、アドレスA4を設定したアナログ火災感知器16の検知データから1回目の火災発報を検知した場合、その両側に隣接配置したアドレスA3及びA5を設定した2台のアナログ火災感知器16の検知データを集中的に収集して2回目の火災発報の有無を監視し、例えばアドレスA5のアナログ火災感知器16の検知データから2回目の火災発報を検知した場合(第2報目の検知)に火災を断定する。
【0041】
なお、避難誘導部34による火災断定に対応し、受信制御部32は火災発報の第2報目の報知を行う。
【0042】
避難誘導制御部34で火災を断定した場合の避難誘導経路とその方向の決定は、アドレスA4及びA5のアナログ火災感知器16により火災が検知されていることから、アドレスA4及びA5のアナログ火災感知器16の設置場所を火災発生場所に特定し、火災が発生している一階の避難誘導経路情報をメモリ30から取得し、火災発生場所を起点に設定し、起点から非常口へ向う方向の避難誘導経路を決定し、決定した避難誘導経路に沿って配置しているアナログ火災感知器16のアドレスを取得して避難誘導方向の基点から非常口に向けてアドレスを順番に並べた感知器アドレスリストを生成し、この感知器アドレスリストから順次読出して設定したアドレスをもつ閃光制御信号をアナログ火災感知器16に送信する制御を繰り返し、アナログ火災感知器16に設けたフラッシュランプ15が避難誘導方向に向って順番に閃光することで、避難誘導経路とその方向を分かり易く表示する。
【0043】
例えば図1のアドレスA4及びA5のアナログ火災感知器16で火災Fを検知していた場合、ここを避難誘導経路の基点として、非常口がアドレスA1とAmの感知器付近にあって、その避難誘導経路に沿ってアドレス順に並べられている場合には、1つはアドレスA3〜A1の順番にフラッシュランプ15を閃光駆動して避難誘導経路とその方向D1を認識できるように表示し、もう1つはアドレスA6〜Amの順番にフラッシュランプ15を閃光駆動して別の避難誘導経路とその方向D2を認識できるように表示する。勿論、避難誘導経路に並べたアドレス番号が、必ずしも感知器のアドレス番号の昇順や降順にならないことがあるので、火災を判断した感知器毎に避難誘導経路に相当するアドレス番号の順番を予め受信機10に記憶しておく。
【0044】
また避難誘導制御部34は、火災発生階となる一階の直上階となる二階について、二階に設置した複数のアナログ火災感知器16に設けたフラッシュランプ15を、メモリ30に予め記憶した所定の避難誘導方向に向けて順番に閃光駆動する制御を繰り返して避難誘導方向を表示させる。直上階の避難誘導については、火災発生場所を回避する必要がないことから、最適な避難誘導方向を予め定め、これに従ってフラッシュランプ15の閃光制御を行う。
【0045】
また避難誘導制御部34は、火災を断定してフラッシュランプ15の閃光制御による避難誘導経路とその方向の表示を行っている状態で、アナログ火災感知器15からの検知データを収集して火災の拡大を監視しており、別のアナログ火災感知器16の検知データから火災発報を検知した場合に火災の拡大を判別し、火災の拡大に対応して改めて安全な避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路に沿って配置した複数のアナログ火災感知器16に設けたフラッシュランプ15を新たに決定した避難誘導方向に向けて順番に閃光駆動する制御を繰り返して避難誘導経路とその方向を表示させる。
【0046】
図3は図2の閃光装置を備えたアナログ火災感知器の実施形態を示した回路ブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0047】
図3において、アナログ火災感知器16は、天井面に設置した感知器ベース14に対し嵌合端子35a,35bにより着脱自在に装着され、感知器ベース14の端子45a,45bに接続した受信機からの伝送回線12に接続している。
【0048】
アナログ火災感知器16には、プロセッサ36、検知部38、伝送部40、整流・ノイズ吸収部42、定電圧回路部44、閃光駆動部46及び閃光灯となるフラッシュランプ15が設けられている。
【0049】
プロセッサ36にはプログラムの実行により実現される機能として、感知器制御部50と閃光制御部52の機能が設けられている。
【0050】
ここで、プロセッサ36の感知器制御部50、検知部38、伝送部40、整流・ノイズ吸収部42及び定電圧回路部44によって感知器を構成し、一方、プロセッサ36の先行制御部52、伝送部40、閃光駆動部46及びフラッシュランプ15によって閃光装置を構成している。
【0051】
検知部38は火災による煙または温度を検出してアナログ検出信号を出力する。煙検出の場合には散乱光式検煙機構が設けられ、温度検知の場合はサーミスタなどの温度検知素子が設けられる。
【0052】
伝送部40は図2に示した受信機10との間で所定の通信プロトコルに従って信号を送受信する。整流・ノイズ吸収部42は、例えばダイオードブリッジ、ツェナーダイオード、コンデンサなどにより伝送回線12との接続を無極性化し、さらにノイズを抑える。
【0053】
感知器制御部50は、伝送部40を介して受信機10から自己アドレスを指定した一括AD変換コマンド信号の受信を判別した場合に、検知部38からの検知アナログ信号をAD変換により読み込んで検知データとして内部のメモリに保持し、続いて受信機から自己アドレスを指定した火災データ要求信号であるポーリングコマンド信号の受信を判別した場合に、内部のメモリに保持している検知データを伝送部40から受信機へ応答送信する。
【0054】
フラッシュランプ15としては例えば白色LEDが使用され、感知器カバーのトップなどの外部から見え易い位置に露出配置している。閃光駆動部46は、プロセッサ36から閃光駆動信号を受けた場合に、予め定めた短い所定時間、フラッシュランプ15を概ね最大発光量となるようにパルス駆動する。
【0055】
閃光制御部52は、伝送部40を介して受信機10からの自己の感知器アドレスを指定した閃光制御信号の受信を判別した場合に、閃光駆動部46に閃光駆動信号を出力してフラッシュランプ15をパルス駆動して閃光を出力させる。
【0056】
図4は本発明の受信機における制御処理を示したフローチャートである。図4において、受信機10の電源を投入して監視が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断、各種設定情報の読み込み等を実行する。ステップS1で初期化異状があった場合には表示部24でその旨を報知して、動作を途中停止するか或いは再度ステップS1の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0057】
続いてステップS2に進み、所定周期で繰り返すデータ検知タイミングに到達したか否か判別し、データ検知タイミングへの到達を判別するとステップS3に進み、アナログ火災感知器16に対し一括AD変換コマンド信号を送信し、煙や温度などのアナログ信号をAD変換により読み込んで検知データを保持させる。
【0058】
続いて感知器アドレスA1〜Amを順次指定したポーリングコマンド信号を送信し、指定アドレスに対応したアナログ火災感知器16からの応答で検知データを収集する。続いて収集した検知データにつき予め設定した火災閾値と比較して火災発報の有無を判断する。
【0059】
火災でない場合はステップS6に進み、最終アドレスAmの指定によるポーリング終了の有無を判別し、ポーリング終了でない場合はステップS4で次の感知器アドレスを指定したポーリングによる検知データの収集を繰り返す。ステップS6でポーリング終了が判別された場合はステップS2に戻り、次のデータ検知タイミングの到達を待つ。
【0060】
ステップS5で第1報目の火災発報が判別された場合はステップS7に進んで火災警報を出力する。火災警報は、表示部24の火災代表灯を点灯すると共に、音響警報部25により火災警報音を出力し、更に地区表示部26に火災発生地区を表示する。
【0061】
続いてステップS8で隣接するアナログ火災感知器16の検知データを収集する。ここで隣接するアナログ火災感知器とは、ステップS5で第1報目の火災発報が判別されたアナログ火災感知器のアドレスAiに対し、一つ前のアドレスAi−1と1つ後のアドレスAi+1を設定したアナログ火災感知器を意味する。
【0062】
勿論、火災感知器の配置順にアドレスを設定していることが前提となる。そうでない場合は、メモリなどに配置順となる感知器アドレスを格納した感知器アドレスリストを記憶し、このリストを参照して隣接する両側の感知器アドレスを取得すれば良い。
【0063】
また隣接するアナログ感知器の検知データの収集は、ステップS2〜S4と同様に、一括AD変換コマンド信号を送信した後に隣接する感知器アドレスを指定したポーリングコマンド信号を送信して行うが、一括AD変換コマンド信号の送信周期は、ステップS2〜S3の場合よりも短くすることが、火災の状況を適確に把握するために望ましい。
【0064】
続いてステップS9で隣接するアナログ火災感知器16の検知データと火災閾値との比較により第2報目の火災発報となったか否か判別しており、第2報目の火災発報を判別するとステップS10で火災を断定する。この火災断定に伴い表示部24に第2報目の火災発報を表示する。
【0065】
続いて火災断定に基づきステップS11でメモリ30に記憶している避難誘導経路情報から火災発生場所を起点とした非常口などに向う避難誘導経路とその方向を決定し、ステップS12で決定した避難誘導経路に沿って配置した複数のアナログ火災感知器の感知器アドレスリストに基づき、感知器アドレスリストの順番に感知器アドレスを指定した閃光制御信号を火災発生階のアナログ火災感知器16へ繰り返し送信し、これにより避難誘導経路に沿って配置した複数のアナログ火災感知器16に設けたフラッシュランプ15が避難誘導方向に向って順番に閃光駆動され、閃光が避難誘導方向へ向けて繰り返し移動することで、避難誘導経路とその方向が表示される。
【0066】
続いてステップS13に進み、メモリ30に記憶している直上階につき定めた所定の避難誘導経路とその方向に対応した感知器アドレスリストを読出し、この感知器アドレスリストに従った順番に感知器アドレスを指定した閃光制御信号を火災発生階のアナログ火災感知器16へ繰り返し送信し、これにより直上階の避難誘導経路に沿って配置した複数のアナログ火災感知器16に設けたフラッシュランプ15が避難誘導方向に向って順番に閃光駆動され、避難誘導経路とその方向が表示される。
【0067】
続いてステップS14で火災の拡大の有無を判別している。この火災拡大の判別も、ステップS2〜S4と同様に、一括AD変換コマンド信号を送信した後に感知器アドレスを順次指定したポーリング信号を送信して検知データを収集し、検知データを火災レベルの閾値と比較して新たな火災発報を判別した場合に火災拡大を判別する。
【0068】
ステップS14で火災拡大を判別した場合には、ステップS10に戻り、拡大した火災発報の判別結果に基づき改めて安全な避難誘導経路とその方向を決定し、ステップS12で新たに決定した避難誘導経路に対応した感知器アドレスリストに基づいて感知器アドレスを指定した閃光制御信号を火災発生階のアナログ火災感知器16へ繰り返し送信し、避難誘導経路とその方向が表示される。
【0069】
ステップS15で火災復旧を判別した場合はステップS16で火災警報解除、フラッシュランプ15による避難誘導解除などの復旧処理を行い、再びステップS2に戻る。
【0070】
図5は、感知器ベースにフラッシュランプとその駆動部を設けた本発明におけるアナログ火災感知器の他の実施形態を示した回路ブロック図である。
【0071】
図5において、アナログ火災感知器16には、図3の実施形態と同様に、プロセッサ36の感知器制御部50、検知部38、伝送部40、ノイズ吸収・整流部42、定電圧回路部44が設けられており、一方、図3の実施形態と異なる点は、感知器ベース14に、フラッシュ駆動部48とフラッシュランプ15を設け、プロセッサ36の閃光制御部52による閃光駆動信号を嵌合端子35cを介して閃光駆動部46に送るように信号線接続している点にある。
【0072】
このように閃光装置の閃光駆動部46とフラッシュランプ15を感知器ベース14に分離して設けることで、アナログ火災感知器15に閃光装置の全ての構成を設ける場合に比べ、感知器側の変更を必要最小限とすることができる。なお、閃光駆動部46はアナログ火災感知器16側に設け、感知器ベース14にはフラッシュランプ15のみを設けるようにしても良い。フラッシュランプ15は、感知器ベース14の側面周囲に1又は複数設けて各方向から確認できる様にしてもよいし、感知器ベースから外部に伸びる指示部材の先端に取り付けられる構成としても良い。
【0073】
図6は閃光装置を感知器ベースに設けた本願第2発明に対応した実施形態を示した回路ブロック図である。
【0074】
図6において、受信機からの伝送回線12にアナログ火災感知器16を接続する感知器ベース14には、閃光装置として、プロセッサなどによる閃光制御部60、伝送部62、整流・ノイズ吸収部64、定電圧回路部66、閃光駆動部46及び閃光灯となるフラッシュランプ15が設けられている。
【0075】
閃光駆動部68及びフラッシュランプ15は、端子45a,45bからの信号ライン間に接続されており、この信号ラインは嵌合端子35a,35bにより着脱自在に装着したアナログ火災感知器16を接続している。
【0076】
感知器ベース14に設けた閃光装置の機能は、図3のアナログ火災感知器16に閃光装置を設けた場合と同様になる。また閃光装置に対しては固有のアドレスが割当てられるが、アナログ火災感知器16と同じアドレスを割当てても良い。
【0077】
このように感知器ベース14に閃光装置を設けることで、アナログ火災感知器60は閃光装置の無い検知機能のみの従来品が使用できて変更が不要となり、既設の火災報知設備であっても、既設の感知器ベースを図6の感知器ベース14に交換することで、感知器ベース14に設けたフラッシュランプ15による避難誘導方向の表示を簡単に行うことができる。アナログ火災感知器を感知器ベースに接続しなくても、火災時のフラッシュランプの駆動による避難誘導を行うことができる。
【0078】
なお、上記の実施形態にあっては、火災感知器または感知器ベースにフラッシュランプを1つ設けているが、フラッシュランプを複数設けて視認性を高めるようにしても良い。
【0079】
また、複数の火災感知器または感知器ベースに設けたフラッシュランプを順番に閃光駆動して避難誘導経路とその方向を表示する場合、伝送回線に対する受信機の電源容量を、フラッシュランプの閃光駆動に対応した容量とする必要があるが、閃光駆動回路に容量の大きなコンデンサや二次電池などを設けて定常状態で充電しておき、閃光駆動による電源供給の一部をコンデンサまたは二次電池から行うことで、受信機の電源容量の大幅な変更を伴うことなく、フラッシュランプの閃光駆動による避難誘導ができる。フラッシュランプの閃光駆動のための電源は、フラッシュランプ毎に別途外部電源を供給することにより駆動するようにしてもよい。
【0080】
また、上記の実施形態にあっては、受信機からの一括AD変換コマンド信号とポーリングコマンド信号によりアナログ火災感知器の検知データを受信機で収集して火災発報を判断しているが、アナログ火災感知器に火災発報を判別する機能を設け、アナログ火災感知器で火災発報を検知した場合は、火災割込み信号を受信機に送信し、受信機は火災割込み信号の受信に基づき、検索コマンド信号を送信して火災発報を判別したアナログ火災感知器16を検索するようにしても良く、受信機から火災感知器または感知器ベースをアドレス指定する機能をもつ各種の火災報知設備を含む。
【0081】
また上記の実施形態は、受信機からの伝送回線にアナログ火災感知器を接続した場合を例にとっているが、監視エリアが広い場合やアナログ火災感知器の数が多い場合には、受信機に対し伝送回線を介して1または複数の中継器を設置し、中継器から引き出された1又は複数の伝送回線に、例えばフラッシュランプを設けたアナログ火災感知器を感知器ベースを介して接続するようにしても良い。
【0082】
この場合、中継器には受信機との間で信号を送受信するインタフェース回路部と、図2の受信機10に示した受信制御部32と避難誘導制御部34の機能を備えたプロセッサ18及び伝送回線12−1〜12−nを引き出した伝送部20−1〜20−nと同様な構成を設ければ良い。この場合、受信制御部32は中継制御部として機能し、火災発報を判別した場合は、受信機側に火災発報信号を送って火災警報を行わせることなり、このため受信機は信号送受信機能をもつR型であっても良いし、回線発報機能を持つP型であっても良い。
【0083】
また、上記の実施形態は受信機からのアドレス指定なアナログ火災感知器を備えた火災報知設備を例にとっているが、受信機からのアドレス指定により火災発報を検知可能なオン、オフ火災感知器を設けた火災報知設備についても同様に適用することができる。
【0084】
また、フラッシュランプの駆動は、火災受信機からの閃光制御信号の反復送信による駆動制御に限らず、火災受信機が各火災感知器に時間の異なる閃光開始タイミング(時間)を送信して記憶させ、感知器は受信機側からの閃光開始同期コマンドを受信したときに、先に記憶した閃光開始時間をカウントした後に閃光駆動することで、フラッシュランプが非常口方向に順次点灯するようにすることもできる。これにより、受信機から各火災感知器への送信する信号の回数を低減することができる。
【0085】
また、上記の実施形態においては、二報目の火災感知器の火災判定で火災と断定して閃光装置による避難誘導制御を行うようにしているが、これに限らず、一報目の火災感知器の火災判定時から避難誘導を行うようにしても良いし、同一の火災感知器から火災判定する閾値よりもさらに高い状態(例えば煙濃度が火災判定閾値よりもさらに濃い状態)の閾値を超えた場合に避難誘導をおこなうようにしてもよい。
【0086】
また、上記の実施形態においては受信機と火災感知器が信号線により接続されているが、これに限らず、無線により信号伝送する形態であっても本発明を適用できる。
【0087】
閃光駆動のタイミングは一つの火災感知器単位に順番に閃光制御するだけでなく、複数個の火災感知器を1グループとしてグループ単位に順次に閃光制御するようにしてもよい。
【0088】
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0089】
10:受信機
12,12−1〜12−n:伝送線
14:感知器ベース
15,70:フラッシュランプ
16:アナログ火災感知器
18:プロセッサ
20−1〜20−n:伝送部
22:操作部
24:警報表示部
26:地区表示部
28:移報出力部
30:メモリ
32:受信制御部
34:避難誘導制御部
35a,35b:嵌合端子
36:処理部
38:検知部
40,62:伝送部
42,64:ノイズ吸収部
44,66:定電圧回路部
46,68:閃光駆動部
50:感知器制御部
52,60:閃光制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視区域に設置され固有のアドレスが設定された火災感知器と受信機又は中継器との信号伝送により前記監視区域における火災発生の警報を行う火災報知設備に於いて、
前記火災感知器に設けられ、前記受信機又は中継器からの前記火災感知器のアドレスを指定した閃光制御信号を受信して閃光駆動する閃光装置と、
前記受信機又は中継器に設けられ、前記火災感知器からの火災検出した信号に基づいて火災発生場所に対する安全な避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路に沿って配置された複数の火災感知器に設けた前記閃光装置を順次閃光駆動する制御により前記避難誘導経路とその方向を表示させる避難誘導制御部と、
を設けたことを特徴とする火災報知設備。
【請求項2】
請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記避難誘導制御部は、前記火災感知器の信号から1回目の火災発報を検知した場合、当該火災感知器に隣接配置した火災感知器の信号を集中的に収集して2回目の火災発報の有無を監視し、2回目の火災発報を検知した場合に火災断定して前記閃光装置を閃光駆動する制御を行うことを特徴とする火災報知設備。
【請求項3】
請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記避難誘導制御部は、複数の火災感知器のアドレスを指定した閃光制御信号を順番に送信して、前記複数の火災感知器に設けた閃光装置を順番に閃光駆動する制御を行い前記避難誘導経路とその方向を表示させることを特徴とする火災報知設備。
【請求項4】
請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記避難誘導制御部は、複数の火災感知器へ異なる閃光開始タイミングを含む閃光制御信号を送信して、複数の火災感知器への閃光開始同期信号の送信により前記複数の火災感知器に設けた閃光装置を先に受信した閃光開始タイミングに基づき順番に閃光駆動する制御を行い前記避難誘導経路とその方向を表示させることを特徴とする火災報知設備。
【請求項5】
請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記避難誘導制御部は、火災発生階の直上階について所定の避難誘導経路とその方向を予め決定し、前記火災感知器からの信号に基づいて火災発報を断定した場合、前記決定した避難誘導経路に沿って配置された複数の火災感知器に設けた前記閃光装置を順次閃光駆動する制御を繰り返して前記避難誘導経路とその方向を表示させることを特徴とする火災報知設備。
【請求項6】
請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記避難誘導制御部は、前記複数の火災感知器からの信号による火災発報の検知に基づき火災の拡大を判別し、当該火災の拡大に対応して安全な避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路に沿って配置した複数の火災感知器に設けた閃光装置を前記避難誘導方向に向けて順番に閃光駆動する制御を行い前記避難誘導経路とその方向を表示させることを特徴とする火災報知設備。
【請求項7】
請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記火災感知器は、
前記受信機または中継器との間で信号を送受信する伝送部と、
火災に伴う所定の物理量を検知して検知データを出力する検知部と、
前記伝送部を介して前記受信機または中継器から自己アドレスを指定した検知データ要求信号の受信を判別した場合に、前記検知部で検知した前記検知データを前記受信機または中継器へ応答送信する感知器制御部と、
を備え、
前記閃光装置は、
閃光灯と、
前記閃光灯を駆動する閃光駆動部と、
前記伝送部を介して前記受信機または中継器からの自己アドレスを指定した閃光制御信号の受信を判別した場合に、前記閃光駆動部に閃光駆動信号を出力して前記閃光灯を閃光駆動する閃光制御部と、
を備えたことを特徴とする火災報知設備。
【請求項8】
請求項7記載の火災報知設備に於いて、前記閃光装置は、前記火災感知器を監視区域に設置するための感知器ベースに前記閃光灯を設けたことを特徴とする火災報知設備。
【請求項9】
監視区域に設置され固有のアドレスが設定された火災感知器と受信機又は中継器との信号伝送により前記監視区域における火災発生の警報を行う火災報知設備に於いて、
前記火災感知器を監視区域に設置する感知器ベースに設けられ、前記受信機又は中継器からの前記感知器ベースの固有のアドレスを指定した閃光制御信号を受信して閃光駆動する閃光装置と、
前記受信機又は中継器に設けられ、前記火災感知器からの信号に基づいて火災発生場所に対する避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路に沿って配置した複数の感知器ベースに設けた前記閃光装置を順次閃光駆動する制御により前記避難誘導経路とその方向を表示させる避難誘導制御部と、
を設けたことを特徴とする火災報知設備。
【請求項10】
請求項9記載の火災報知設備に於いて、
前記避難誘導制御部は、前記火災感知器の信号から1回目の火災発報を検知した場合、当該火災感知器に隣接配置した火災感知器の信号を集中的に収集して2回目の火災発報の有無を監視し、2回目の火災発報を検知した場合に火災と断定して前記閃光装置を閃光駆動する制御を行うことを特徴とする火災報知設備。
【請求項11】
請求項9記載の火災報知設備に於いて、
前記避難誘導制御部は、複数の感知器ベースのアドレスを指定した閃光駆動信号を順番に送信して、前記複数の感知器ベースに設けた閃光装置を順番に閃光駆動する制御により前記避難誘導方向を表示させることを特徴とする火災報知設備。
【請求項12】
請求項9記載の火災報知設備に於いて、
前記避難誘導制御部は、複数の火災感知器へ異なる閃光開始タイミングを含む閃光制御信号を送信し、前記複数の感知器ベースへの閃光開始同期信号の送信により前記閃光装置を順番に閃光駆動する制御を行い前記避難誘導経路とその方向を表示させることを特徴とする火災報知設備。
【請求項13】
請求項9記載の火災報知設備に於いて、
前記避難誘導制御部は、火災発生階の直上階について所定の避難誘導経路とその方向を予め決定し、前記火災感知器からの信号に基づいて火災発報を断定した場合、前記決定した避難誘導経路に沿って配置された複数の火災感知器に設けた前記閃光装置を順次閃光駆動する制御を繰り返して前記避難誘導経路とその方向を表示させることを特徴とする火災報知設備。
【請求項14】
請求項9記載の火災報知設備に於いて、
前記避難誘導制御部は、前記複数の火災感知器からの信号による火災発報の検知に基づき火災の拡大を判別し、当該火災の拡大に対応して安全な避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路に沿って配置した複数の感知器ベースに設けた閃光装置を前記避難誘導方向に向けて順番に閃光駆動する制御を行い前記避難誘導経路とその方向を表示させることを特徴とする火災報知設備。
【請求項15】
請求項9記載の火災報知設備に於いて、
前記感知器ベースに設けた閃光装置は、
閃光灯と、
前記閃光灯を駆動する閃光駆動部と、
前記受信機または中継器との間で信号を送受信する伝送部と、
前記伝送部を介して前記受信機または中継器から自己アドレスを指定した閃光制御信号の受信を判別した場合に、前記閃光駆動部に閃光駆動信号を出力して前記閃光灯を閃光駆動する閃光制御部と、
を備えたことを特徴とする火災報知設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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