説明

炎症性腸疾患治療剤としての併用医薬

本発明の目的は、潰瘍性大腸炎またはクローン病などの炎症性腸疾患により効果のある医薬を提供することを目的とする。詳しくは、(a)活性成分としてアミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物、抗TNFα抗体、脳下垂体ホルモンおよび抗感染作用を有する化合物からなる群から選ばれる1または2以上の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分として1または2以上のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、炎症性腸疾患の治療に有用な、PPARγアゴニスト作用を有する化合物と他の炎症抑制作用を有する化合物(アミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物、抗TNFα抗体、脳下垂体ホルモン、抗感染作用を有する化合物など)からなる炎症性腸疾患治療剤に関する。
【背景技術】
PPARγアゴニストは、潰瘍性大腸炎またはクローン病などの炎症性腸疾患に有用であることに関して以下の報告がある。
▲1▼PPARγアゴニストであるチアゾリジン誘導体が単核球の炎症性サイトカインの産生を抑制することが開示されている(米国特許第5925657号公報)。
▲2▼マウスTNBS誘発大腸炎、マウスDSS誘発大腸炎等の実験的大腸炎において、PPARγアゴニストであるロジグリタゾン等の単独投与により実験的大腸炎が部分的に抑制されることが報告されている(J Exp Med 2001;193:p827−38、J Clin Invest 1999;104:p383−9)。
▲3▼その他PPARγアゴニストが潰瘍性大腸炎またはクローン病などの炎症性腸疾患に有用であること、もしくはその可能性に関して報告されている
(WO02/100812、WO02/080899号)。
潰瘍性大腸炎またはクローン病などの炎症性腸疾患の治療法として、アミノサリチル酸誘導体や抗炎症糖質コルチコイドを用いた対症療法が基本に行われている。近年は免疫抑制剤や抗TNFα抗体製剤などを用いた新たな治療も注目を集めている(日本臨床、第60巻3号、p.480−486、2002年)。
しかしながら、治療効果、副作用などの点から炎症性腸疾患の治療のための満足する医薬は見出されていない(日本臨床、第60巻3号、p.531−538、2002年)。
PPARγアゴニストであるロジグリタゾンをアミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイドかつ/または免疫抑制剤と併用について報告がある。しかしながら、この報告においてPPARγアゴニスト単独投与との比較が開示されておらず、併用することによる効果については記載がない(Am J Gastroenterol 2001;96:3323−8)。
本発明の目的は、潰瘍性大腸炎またはクローン病などの炎症性腸疾患に、より効果のある医薬を提供することにある。
【発明の開示】
本発明者らは、上記した状況に鑑み、PPARγアゴニスト作用を有する化合物と他の炎症抑制作用を有する化合物(アミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物、抗TNFα抗体、脳下垂体ホルモン剤、抗感染作用を有する化合物など)を併用することにより、潰瘍性大腸炎またはクローン病などの炎症性腸疾患に優れた効果のある医薬を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は
1 (a)活性成分としてアミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物、抗TNFα抗体、脳下垂体ホルモンおよび抗感染作用を有する化合物からなる群から選ばれる1または2以上の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分として1または2以上のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤;
〔2〕 (a)活性成分としてのアミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物および抗TNFα抗体からなる群から選ばれる1または2以上の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分としての1または2以上のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤;
〔3〕 (a)活性成分としてのアミノサリチル酸誘導体および免疫抑制作用を有する化合物からなる群から選ばれる1または2以上の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分としての1または2以上のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤;
〔4〕 PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、白血球除去療法または顆粒球除去療法において用いるPPARγアゴニスト作用を有する化合物である、前記〔1〕記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔4−2〕 白血球除去療法または顆粒球除去療法において用いるPPARγアゴニスト作用を有する化合物を含有してなる炎症性腸疾患治療剤;
〔5〕 PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、
(1)2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸、
(2)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−ヒドロキシ−プロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(3)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[4−クロロフェノキシ]プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(4)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(5)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(6)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(7)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(8)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(9)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(10)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(11)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(12)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(3−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(13)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(14)3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(15)3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸、
(16)3−({4−[5−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル)]カルバモイルオキシメチル}フェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(17)3−{3−[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニルオキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(18)3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(19)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[2−ブロモ−4−メチルフェノキシ]プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(20)3−{[4−(4−エトキシフェニル)カルバモイルオキシメチル]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸、
(21)2−イソプロポキシ−3−[4−(2−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイルオキシ}エチル)フェニル]プロパン酸、
(22)3−[3−([2,4−ジクロロベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(23)3−[3−([2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(24)2−エトキシ−3−(2−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)プロパン酸、
(25)3−(2−{2−[4−(第三ブチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)−2−エトキシプロパン酸、
(26)3−(3−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,4−ジメトキシフェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(27)3−(7−[(2,4−ジクロロベンゾイル)アミノ]メチルベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(28)3−(7−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(29)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸、
(30)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸、
(31)ピオグリタゾン、
(32)ネトグリタゾン(Netoglitazone)、
(33)テサグリタザール(Tesaglitazar)、
(34)5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)ベンズアミド、
(35)5−[4−(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
(36)4−[4−(5−メチル−2−フェニルオキサゾール−4−イルメトキシ)ベンジルオキシイミノ]−4−フェニル酪酸および
(37)(4−メトキシフェノキシカルボニル−[4−[2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾ−4−イル)エトキシ]ベンジル]アミノ)酢酸
からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、前記〔1〕〜〔4〕いずれか1記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔6〕 PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、
(1)2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸、
(2)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(3)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(4)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(5)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(6)3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(7)ピオグリタゾン、
(8)ネトグリタゾン(Netoglitazone)、
(9)テサグリタザール(Tesaglitazar)、
(10)5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)ベンズアミド、
(11)5−[4−(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
(12)4−[4−(5−メチル−2−フェニルオキサゾール−4−イルメトキシ)ベンジルオキシイミノ]−4−フェニル酪酸および
(13)(4−メトキシフェノキシカルボニル−[4−[2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾ−4−イル)エトキシ]ベンジル]アミノ)酢酸
からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、前記〔1〕〜〔4〕いずれか1記載の炎症性腸疾患治療剤。
〔7〕 PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、
(1)2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸、
(2)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(3)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[4−クロロフェノキシ]プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(4)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(5)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(6)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(7)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(8)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(9)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(10)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(11)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(12)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(3−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(13)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(14)3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(15)3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸、
(16)3−({4−[5−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル)]カルバモイルオキシメチル}フェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(17)3−{3−[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニルオキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(18)3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(19)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[2−ブロモ−4−メチルフェノキシ]プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(20)3−{[4−(4−エトキシフェニル)カルバモイルオキシメチル]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸、
(21)2−イソプロポキシ−3−[4−(2−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイルオキシ}エチル)フェニル]プロパン酸、
(22)3−[3−([2,4−ジクロロベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(23)3−[3−([2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(24)2−エトキシ−3−(2−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)プロパン酸、
(25)3−(2−{2−[4−(第三ブチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)−2−エトキシプロパン酸、
(26)3−(3−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,4−ジメトキシフェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(27)3−(7−[(2,4−ジクロロベンゾイル)アミノ]メチルベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(28)3−(7−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(29)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸および
(30)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸
からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、前記〔1〕〜〔4〕いずれか1記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔8〕 PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、
(1)2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸、
(2)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(3)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(4)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(5)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸および
(6)3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、前記〔1〕〜〔4〕いずれか1記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔8−2〕 PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、
3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸および
3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、前記〔1〕〜〔4〕いずれか1記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔9〕 PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸もしくはその塩またはそれらの水和物である、前記〔1〕〜〔4〕いずれか1記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔10〕 アミノサリチル酸誘導体が
▲1▼スルファサラジン、
▲2▼メサラジン(Mesalazine)、
▲3▼オルサラジン(Olsalazine)または
▲4▼バルサラジド(Balsalazide)
である、前記〔1〕〜〔3〕いずれか1記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔11〕 抗炎症糖質コルチコイドが
▲1▼プレドニゾロン、
▲2▼ベタメサゾン、
▲3▼ヒドロコルチゾン、
▲4▼酢酸コルチゾン、
▲5▼メチルプレドニゾロン、
▲6▼プレドニゾンまたは
▲7▼ブデソニド(Budesonide)
である、前記〔1〕または〔2〕項記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔12〕 免疫抑制作用を有する化合物が
▲1▼シクロスポリン、
▲2▼アザチオプリン、
▲3▼6−メルカプトプリン、
▲4▼タクロリムスまたは
▲5▼メトトレキセート
である前記〔1〕〜〔3〕いずれか1記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔13〕 抗TNFα抗体が
▲1▼インフリキシマブ(Infliximab)、
▲2▼エタネルセプト(Etanercept)、
▲3▼CDP−571、
▲4▼アダリムマブ(Adalimumab)または
▲5▼CDP−870
に含まれる抗体である、前記〔1〕または〔2〕記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔14〕 抗感染作用を有する化合物が
▲1▼メトロニダゾール、
▲2▼クラリスロマイシン、
▲3▼トブラマイシン、
▲4▼塩酸シプロフロキサシン、
▲5▼アンピシリン
▲6▼セファゾリン
▲7▼オフロキサシンまたは
▲8▼レボフロキサシン
である、前記〔1〕記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔15〕 脳下垂体ホルモンが、酢酸テトラコサクチドである前記〔1〕記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔16〕 アミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物および抗TNFα抗体からなる群が、スルファサラジン、メサラジン(Mesalazine)、プレドニゾロン、ベタメサゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、シクロスポリンおよびタクロリムスからなる群である前記〔2〕記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔17〕 アミノサリチル酸誘導体および免疫抑制作用を有する化合物からなる群から選ばれる1の炎症抑制作用を有する化合物が、スルファサラジンまたはシクロスポリンである前記〔3〕記載の炎症性腸疾患治療剤;
〔18〕 (a)活性成分としてスルファサラジンおよびシクロスポリンからなる群から選ばれる1の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分として3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸もしくはその塩またはそれらの水和物であるPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤;
〔19〕 炎症性腸疾患が、潰瘍性大腸炎である前記〔1〕〜〔17〕いずれか1記載の治療剤;
〔20〕 炎症性腸疾患が、クローン病である前記〔1〕〜〔17〕いずれか1記載の治療剤;
〔21〕 (a)活性成分としてのアミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物、抗TNFα抗体、脳下垂体ホルモンおよび抗感染作用を有する化合物からなる群から選ばれる1または2以上の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分としての1または2以上のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療用キット;
〔22〕 有効量の前記〔1〕〜〔18〕いずれか1記載の治療剤を投与することを含む、炎症性腸疾患の治療方法;または
〔23〕 炎症性腸疾患の治療剤の製造における前記〔1〕〜〔18〕いずれか1記載の治療剤の使用
に関する。
本発明は、前記〔1〕に記載した化合物(a)および化合物(b)との組合わせよりなる炎症性腸疾患治療剤を提供する。
本発明はまた、前記〔1〕に記載した化合物(a)および化合物(b)との組合わせの、炎症性腸疾患治療剤製造の為の用途を提供する。
本発明は更にまた、前記〔1〕に記載した化合物(a)および化合物(b)との組合わせの薬理学上有効量を患者に投与して、炎症性腸疾患を治療する方法を提供する。
前記「化合物(a)および化合物(b)との組合わせ」として好ましくは、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に投与することである。
本明細書において、「(a)活性成分としてアミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物、抗TNFα抗体、脳下垂体ホルモンおよび抗感染作用を有する化合物からなる群から選ばれる1または2以上の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分として1または2以上のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤。」とは、1または2以上の上記化合物(a)と1または2以上の上記化合物(b)を組み合わせた炎症性腸疾患治療剤を意味し、当該炎症性腸疾患治療剤に含まれる各化合物の投与量、投与回数、投与形態、製剤の形態および投与タイミング等は、患者の年齢、体重、性別、症状の程度、用いる他の治療剤の種類、投与量等に応じて、各化合物でそれぞれ独立して適宜選択し、用いることができる治療剤を意味する。
本明細書において、「(a)活性成分としてアミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物、抗TNFα抗体、脳下垂体ホルモンおよび抗感染作用を有する化合物からなる群から選ばれる1または2以上の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分として1または2以上のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤」として好ましくは、「(a)活性成分としてアミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物、抗TNFα抗体、脳下垂体ホルモンおよび抗感染作用を有する化合物からなる群から選ばれる1の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分として1のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤」である。
本明細書において、「(a)活性成分としてのアミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物および抗TNFα抗体からなる群から選ばれる1または2以上の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分としての1または2以上のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤」として好ましくは、「(a)活性成分としてのアミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物および抗TNFα抗体からなる群から選ばれる1の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分としての1のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤」である。
本明細書において、「(a)活性成分としてのアミノサリチル酸誘導体および免疫抑制作用を有する化合物からなる群から選ばれる1または2以上の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分としての1または2以上のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤」として好ましくは、「(a)活性成分としてのアミノサリチル酸誘導体および免疫抑制作用を有する化合物からなる群から選ばれる1の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分としての1のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤」である。
上記化合物(a)および上記化合物(b)において、各化合物の投与剤型には、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、浣腸剤、注射剤(静脈内注射剤、皮下注射剤、筋肉内注射剤、点滴注射剤等)、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤およびローション剤などから、各化合物で最適な剤型をそれぞれ独立して適宜選択することができる。
上記化合物(a)および上記化合物(b)において、各化合物の投与形態は、経口、注射(静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射、点滴注射等)、外皮投与、局所(坐剤、浣腸剤、注腸剤等)投与、吸入投与などから各化合物で最適な剤型をそれぞれ独立して適宜選択することができる。
上記化合物(a)および上記化合物(b)において、各化合物の投与(使用)のタイミングは、同時でも別々(時間差をおいて)でも良く、各医薬の投与を経時的に行ってもよく、また各化合物で最適な投与タイミング(1日の投与回数、投与量など)をそれぞれ独立して適宜選択することができる。
上記化合物(a)および上記化合物(b)において、各化合物の投与量は、患者の疾患の種類、症状の程度、患者の年齢、性差、薬剤に対する感受性差などにより著しく異なるが、通常成人として1日あたり、約0.03−6000mg、好ましくは0.1−500mg、さらに好ましくは0.1−100mgを1日1−数回に分けて投与する。注射剤の場合は、通常約1μg/kg−3000μg/kgが好ましく、より好ましくは約3μg/kg−1000μg/kgである。
本発明の炎症性腸疾患治療剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に上記化合物(a)および上記化合物(b)が組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、
▲1▼ 各化合物を組み合わせて単剤として製剤化して得られる炎症性腸疾患治療剤または
▲2▼ 各化合物を別々に製剤化して得られる医薬の組合せ、などをあげることができる。
製剤化には、通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤や、および必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤などを使用することができ、一般に医薬品製剤の原料として用いられる成分を配合して常法により製剤化可能である。これらの成分としては例えば(1)大豆油、牛脂、合成グリセライド等の動植物油;(2)流動パラフィン、スクワラン、固形パラフィン等の炭化水素;(3)ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;(4)セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;(5)シリコン樹脂;(6)シリコン油;(7)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等の界面活性剤;(8)ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどの水溶性高分子;(9)エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール;(10)グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトールなどの多価アルコール;(11)グルコース、ショ糖などの糖;(12)無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウムなどの無機粉体;(13)精製水などがあげられる。
賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケイ素等;結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール・ポリオキシエチレン・ブロックポリマー、メグルミン、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン等;崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース・カルシウム等;滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等;着色剤としては医薬品に添加することが許可されているものであれば、いかなるものでもよく;矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香散、ハッカ油、竜脳、桂皮末等;抗酸化剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール等、医薬品に添加することが許可されているものがそれぞれ用いられる。
経口剤は、有効成分に賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤等とする。錠剤・顆粒剤の場合には、糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングすることはもちろん差支えない。シロップ剤、注射剤等の液剤の場合は、pH調整剤、溶解剤、等張化剤等と、必要に応じて溶解補助剤、安定化剤、緩衝剤、懸濁化剤、抗酸化剤等を加えて、常法により製剤化する。該液剤の場合、凍結乾燥物とすることも可能である。懸濁化剤における好適な例としては、メチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、トラガント末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等;溶解補助剤における好適な例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等;安定化剤における好適な例としては、亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、エーテル等;保存剤における好適な例としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾール等があげられる。外用剤の場合は、特に製法が限定されず、常法により製造することができる。使用する基剤原料としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等に通常使用される各種原料を用いることが可能で、例えば動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、高級アルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分子類、粘土鉱物類、精製水などの原料が挙げられ、必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐防黴剤、着色料、香料などを添加することができる。さらに、必要に応じて分化誘導作用を有する成分、血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、ビタミン類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤等の成分を配合することもできる。
本明細書において、炎症性腸疾患とは、潰瘍性大腸炎、クローン病、感染性大腸炎、薬剤起因性大腸炎、虚血性大腸炎、放射線性大腸炎、腸結核、腸梅毒などの炎症性の腸疾患を意味する。
本明細書において、アミノサリチル酸誘導体とは、
▲1▼スルファサラジン(第14改正日本薬局方解説書、C−1374)(The Merck Index、13th Edition、No.9028)、
▲2▼メサラジン(Mesalazine)(The Merck Index、13th Edition、No.5931)、
▲3▼オルサラジン(Olsalazine)(The Merck Index、13th Edition、No.6911)
▲4▼バルサラジド(Balsalazide)(The Merck Index、13th Edition、No.947)
などを意味する。
本明細書において、抗炎症糖質コルチコイドとは、副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの中で糖質代謝に関係するホルモンおよび同様の作用を持つ合成物質を意味する(副腎皮質ホルモン剤または合成副腎皮質ホルモン剤)。
例えば具体的には、
▲1▼プレドニゾロン(第14改正日本薬局方解説書、C−2537)
▲2▼ベタメサゾン(第14改正日本薬局方解説書、C−2620、C−1143またはC−1527)
▲3▼ヒドロコルチゾン(第14改正日本薬局方解説書、C−2319、C−1301、C−1354またはC−2988)
▲4▼酢酸コルチゾン(第14改正日本薬局方解説書、C−1339)
▲5▼メチルプレドニゾロン(第14改正日本薬局方解説書、C−2871)
▲6▼プレドニゾン(第14改正日本薬局方解説書、B−905)
▲7▼ブデソニド(Budesonide)(The Merck Index、13th Edition、No.1454)
などを意味する。
本明細書において、免疫抑制作用を有する化合物とは、
▲1▼シクロスポリン(第14改正日本薬局方解説書、C−1445)
▲2▼アザチオプリン(第14改正日本薬局方解説書、C−23または28)
▲3▼6−メルカプトプリン(第14改正日本薬局方解説書、C−2920)
▲4▼タクロリムス(The Merck Index、13th Edition、No.9117)
▲5▼メトトレキセート(第14改正日本薬局方解説書、C−2890)
などを意味する。
本明細書において、抗TNFα抗体とは、
▲1▼インフレキシマブ(Infliximab)(The Merck Index、13th Edition、No.4995)(CAS No.170277−31−3)
▲2▼エタネルセプト(Etanercept)(The Merek Index、13th Edition、No.3747)
▲3▼CDP−571(Gastroenterology、vol.120、p.1330−1338、2001年)
▲4▼アダリムマブ(Adalimumab)(CAS No.331731−18−1)
▲5▼CDP−870(Rheumatology、vol.41、p.1133−1137、2002年)
などに含まれるの抗体を意味する。(日本臨床、第60巻3号、p.480−486、2002年)
本明細書において、脳下垂体ホルモン剤とは、酢酸テトラコサクチドなどの脳下垂体ホルモンを含有する治療剤を意味する。
本明細書において、抗感染作用を有する化合物とは、
▲1▼メトロニダゾール(第14改正日本薬局方解説書、C−2896)、
▲2▼クラリスロマイシン(第14改正日本薬局方解説書、C−1195)、
▲3▼トブラマイシン(第14改正日本薬局方解説書、C−2033)、
▲4▼塩酸シプロフロキサシン(The Merck Index、13th Edition、No.2337)、
▲5▼アンピシリン(第14改正日本薬局方解説書、C−190、C−192または193)、
▲6▼セファゾリン(第14改正日本薬局方解説書、C−1756または1762)、
▲7▼オフロキサシン(CAS.No.82419−36−1)、
▲8▼レボフロキサシン(CAS.No.100986−85−4)などを意味する。
本明細書において、白血球除去療法とは、体外に取り出した患者血液中の白血球を極細ポリエステル繊維を充填した白血球除去器(セルソーバー、旭メディカル製)に接触させ、分画非特異的に白血球を除去する膜式白血球系細胞除去療法を意味する(日本臨床、第57巻11号、p.2496−2502、1999年)。
本明細書において、顆粒球除去療法とは、体外に取り出した患者血液中の白血球を酢酸セルロースビーズを充填したカラム(G−1カラム)に患者血を通過させることによって顆粒球を選択的に吸着・除去する方法を意味する(日本臨床、第57巻11号、p.2496−2502、1999年)。
本明細書において、スルファサラジンとは、

で表わされる化合物である
2−Hydroxy−5−[[4−[(2−pyridinylamino)sulfonyl]phenyl]azo]benzoic acid(第14改正日本薬局方解説書、C−1374)(The Merck Index、13th Edition、No.9028)もしくはその塩またはそれらの水和物を意味する。
本明細書における「組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤」においてスルファサラジンを用いる場合、スルファサラジンの投与量、投与回数、投与形態、製剤の形態および投与タイミング等は、患者の年齢、体重、性別、症状の程度、用いる他の治療剤の種類、投与量等に応じて適宜選択することができるが、具体的には例えば、以下のように投与することができる。
▲1▼経口投与;1000〜6000(mg/day)
▲2▼局所投与(坐剤);1000〜2000(mg/day)
本明細書において、シクロスポリンとは、第14改正日本薬局方解説書、C−1445記載のサイクロスポリンAもしくはその塩またはそれらの水和物(The Merck Index 13th Edition、No2781)を意味する。
本明細書における「組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤」においてシクロスポリンを用いる場合、シクロスポリンの投与量、投与回数、投与形態、製剤の形態および投与タイミング等は、患者の年齢、体重、性別、症状の程度、用いる他の治療剤の種類、投与量等に応じて適宜選択することができるが、具体的には例えば、以下のように投与することができる。
▲1▼静脈注射投与;1〜5mg/kg
▲2▼経口投与;4〜8mg/kg
本明細書において、PPARγアゴニスト作用を有する化合物とは、WO02/100812記載の一般式(I)で表わされる化合物など、PPARγアゴニスト作用を有する化合物であれば特に限定されない。
PPARγアゴニスト作用を有する化合物の好適例としては、
(1)2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸、
(2)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(3)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[4−クロロフェノキシ]プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(4)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(5)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(6)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(7)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(8)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(9)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(10)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(11)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(12)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(3−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(13)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(14)3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(15)3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸、
(16)3−({4−[5−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル)]カルバモイルオキシメチル}フェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(17)3−{3−[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニルオキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(18)3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(19)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[2−ブロモ−4−メチルフェノキシ]プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(20)3−{[4−(4−エトキシフェニル)カルバモイルオキシメチル]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸、
(21)2−イソプロポキシ−3−[4−(2−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイルオキシ}エチル)フェニル]プロパン酸、
(22)3−[3−([2,4−ジクロロベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(23)3−[3−([2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(24)2−エトキシ−3−(2−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)プロパン酸、
(25)3−(2−{2−[4−(第三ブチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)−2−エトキシプロパン酸、
(26)3−(3−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,4−ジメトキシフェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(27)3−(7−[(2,4−ジクロロベンゾイル)アミノ]メチルベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(28)3−(7−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(29)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸、
(30)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸、
(31)ピオグリタゾン、
(32)ネトグリタゾン(Netoglitazone)、
(33)テサグリタザール(Tesaglitazar)、
(34)5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)ベンズアミド、
(35)5−[4−(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
(36)4−[4−(5−メチル−2−フェニルオキサゾール−4−イルメトキシ)ベンジルオキシイミノ]−4−フェニル酪酸および
(37)(4−メトキシフェノキシカルボニル−[4−[2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾ−4−イル)エトキシ]ベンジル]アミノ)酪酸からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物を意味する。
「PPARγアゴニスト作用を有する化合物」の好適例としては
(1)2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸、
(2)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(3)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(4)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(5)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(6)3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(7)ピオグリタゾン、
(8)ネトグリタゾン(Netoglitazone)、
(9)テサグリタザール(Tesaglitazar)、
(10)5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)ベンズアミド、
(11)5−[4−(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
(12)4−[4−(5−メチル−2−フェニルオキサゾール−4−イルメトキシ)ベンジルオキシイミノ]−4−フェニル酪酸および
(13)(4−メトキシフェノキシカルボニル−[4−[2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾ−4−イル)エトキシ]ベンジル)アミノ)酢酸
からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物があげられ、
また好適な例として、
(1)2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸、
(2)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(3)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[4−クロロフェノキシ]プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(4)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(5)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(6)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(7)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(8)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(9)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(10)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(11)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(12)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(3−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(13)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(14)3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(15)3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸、
(16)3−({4−[5−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル)]カルバモイルオキシメチル}フェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(17)3−{3−[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニルオキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(18)3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(19)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[2−ブロモ−4−メチルフェノキシ]−プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(20)3−{[4−(4−エトキシフェニル)カルバモイルオキシメチル]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸、
(21)2−イソプロポキシ−3−[4−(2−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイルオキシ}エチル)フェニル]プロパン酸、
(22)3−[3−([2,4−ジクロロベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(23)3−[3−([2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(24)2−エトキシ−3−(2−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)プロパン酸、
(25)3−(2−{2−[4−(第三ブチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)−2−エトキシプロパン酸、
(26)3−(3−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,4−ジメトキシフェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(27)3−(7−[(2,4−ジクロロベンゾイル)アミノ]メチルベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(28)3−(7−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(29)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸および
(30)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸
からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物があげられ、
より好適例としては、
(1)2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸、
(2)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(3)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(4)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(5)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸および
(6)3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物があげられ、
さらに好適な例としては、
3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸および
3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物があげられ、
最も好適な例としては、3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸もしくはその塩またはそれらの水和物があげられる。
ピオグリタゾンとは、式

で表わされる化合物を意味する(Artneim.Forsch/Drug Res.40(I)p37(1990))。
ネトグリタゾン(Netoglitazone)とは、式

で表わされる化合物を意味する(EP604983号公開公報,JP−A 6−247945(1994)号公開公報)。
テサグリタザール(Tesaglitazar)とは、式

で表わされる化合物を意味する(WO9962871号公報)。
5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)ベンズアミドとは、式

で表わされる化合物を意味する(J.Med.Chem.(37)3977−3985(1994))。
5−[4−(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンとは、式

で表わされる化合物を意味する(EP0745600号公開公報,JP2000−001487号公開公報)。
(1) 2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸
(2) 3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(3) 3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[4−クロロフェノキシ]プロポキシ}フェニル)}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(4) 3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(5) 3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(6) 3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(7) 3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(8) 3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(9) 3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(10) 3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(11) 2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸
(12) 2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(3−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸
(13) 2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸
(14) 3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(15) 3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸
(16) 3−({4−[5−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル)]カルバモイルオキシメチル}フェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸
(17) 3−{3−[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニルオキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(18) 3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(19)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[2−ブロモ−4−メチルフェノキシ]プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
(20)3−{[4−(4−エトキシフェニル)カルバモイルオキシメチル]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸および
(21)2−イソプロポキシ−3−[4−(2−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイルオキシ}エチル)フェニル]プロパン酸
の合成法に関してはWO02/100812号公報に記載がある。
(22)3−[3−([2,4−ジクロロベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸および
(23)3−[3−([2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸
の合成法に関してはWO01/25181号公報に記載がある。
(24)2−エトキシ−3−(2−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)プロパン酸および
(25)3−(2−{2−[4−(第三ブチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)−2−エトキシプロパン酸
の合成法に関してはWO02/79162号公報に記載がある。
(26)3−(3−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,4−ジメトキシフェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸
(27)3−(7−[(2,4−ジクロロベンゾイル)アミノ]メチルベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸および
(28)3−(7−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸
の合成法に関してはWO02/81428号公報に記載がある。
(29)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸および
(30)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸
の合成法に関してはWO03/16265号公報に記載がある。
本明細書において表される「塩」としては、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩、無機塩基との塩、有機塩基との塩、酸性または塩基性アミノ酸との塩などが挙げられ、中でも薬理学的に許容される塩が好ましい。酸、塩基は、当該化合物1分子に対し0.1〜5分子の適宜な比で塩を形成する。
無機酸との塩の好ましい例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などとの塩が挙げられ、有機酸との塩の好ましい例としては、例えば酢酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ステアリン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
無機塩基との塩の好ましい例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好ましい例としては、例えばジエチルアミン、ジエタノールアミン、メグルミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好ましい例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられ、塩基性アミノ酸との塩の好ましい例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
本発明の、PPARγアゴニスト作用を有する化合物と他の炎症抑制作用を有する化合物(アミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物、抗TNFα抗体、脳下垂体ホルモン、抗感染作用を有する化合物など)からなる炎症性腸疾患治療剤は、▲1▼PPARγアゴニスト作用を有する化合物の単独投与による治療または他の炎症性腸疾患治療剤の単独投与による治療を上回る優れた治療効果を示す、▲2▼PPARγアゴニストまたは他の炎症性腸疾患治療剤に由来する副作用を軽減できる可能性がある、などの特徴を有する、潰瘍性大腸炎またはクローン病などの炎症性腸疾患に優れた効果のある医薬を見出すことができた。
【実施例】
実験方法
既報(J Exp Med 2001;193:p827−38、J Exp Med 2001;193:p25−34)に従って麻酔下の雄性Balb/cマウス(日本チャールズリバー、横浜)に10%ピクリルスルホン酸(TNBS)溶液:エタノール=1:1(v/v)を0.08ml投与し、実験的大腸炎を誘発した。2日後に大腸を採取し、管腔側に認められる潰瘍又は肥厚を伴った発赤部位の長さを測定し病変長とした。結果は対照群の平均病変長を100%とし、被験化合物投与群の平均病変長を阻害率(%)として表した。被験化合物は0.5%メチルセルロース溶液に懸濁し、ゾンデを用いて大腸炎誘発開始2日前より1日1回経口投与した。
化合物1とは、3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸を意味する。
結果
表1は、ロジグリタゾンを単独投与した場合の結果を示す。
表2は、化合物1を投与した場合の結果を示す。
表3は、スルファサラジンを単独投与した場合の結果を示す。
表4は、シクロスポリンを単独投与した場合の結果を示す。
表5は、化合物1、スルファサラジン、シクロスポリンを併用した場合の結果を示す。






以上の結果より、次の点を見出すことができた。
▲1▼PPARγアゴニストであるロジグリタゾン或いは化合物1、スルファサラジンまたはシクロスポリンを単独投与すると大腸炎は部分的に改善された。
▲2▼化合物1とスルファサラジンを併用して投与した場合または化合物1とシクロスポリンを併用して投与した場合は、これら3種の被験化合物それぞれの単独投与を上回る大腸炎の改善を示した。
▲3▼化合物1、スルファサラジンまたはシクロスポリンについて、併用投与において検討した用量よりさらに高用量の改善作用を単独投与で検討したが、化合物1とスルファサラジンまたは化合物1とシクロスポリンを併用投与した際の改善作用と比較し劣っていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)活性成分としてアミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物、抗TNFα抗体、脳下垂体ホルモンおよび抗感染作用を有する化合物からなる群から選ばれる1または2以上の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分として1または2以上のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤。
【請求項2】
(a)活性成分としてのアミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物および抗TNFα抗体からなる群から選ばれる1または2以上の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分としての1または2以上のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤。
【請求項3】
(a)活性成分としてのアミノサリチル酸誘導体および免疫抑制作用を有する化合物からなる群から選ばれる1または2以上の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分としての1または2以上のPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤。
【請求項4】
PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、白血球除去療法または顆粒球除去療法において用いるPPARγアゴニスト作用を有する化合物である、請求項1記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項5】
PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、
(1)2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸、
(2)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(3)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[4−クロロフェノキシ]プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(4)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(5)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(6)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(7)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(8)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(9)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(10)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(11)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(12)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(3−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(13)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(14)3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(15)3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸、
(16)3−({4−[5−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル)]カルバモイルオキシメチル}フェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(17)3−{3−[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニルオキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(18)3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(19)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[2−ブロモ−4−メチルフェノキシ]プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(20)3−{[4−(4−エトキシフェニル)カルバモイルオキシメチル]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸、
(21)2−イソプロポキシ−3−[4−(2−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイルオキシ}エチル)フェニル]プロパン酸、
(22)3−[3−([2,4−ジクロロベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(23)3−[3−([2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(24)2−エトキシ−3−(2−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)プロパン酸、
(25)3−(2−{2−[4−(第三ブチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)−2−エトキシプロパン酸、
(26)3−(3−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,4−ジメトキシフェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(27)3−(7−[(2,4−ジクロロベンゾイル)アミノ]メチルベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(28)3−(7−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(29)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸、
(30)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸、
(31)ピオグリタゾン、
(32)ネトグリタゾン(Netoglitazone)、
(33)テサグリタザール(Tesaglitazar)、
(34)5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)ベンズアミド、
(35)5−[4−(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
(36)4−[4−(5−メチル−2−フェニルオキサゾール−4−イルメトキシ)ベンジルオキシイミノ]−4−フェニル酪酸および
(37)(4−メトキシフェノキシカルボニル−[4−[2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾ−4−イル)エトキシ]ベンジル]アミノ)酢酸
からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、請求項1〜4いずれか1項記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項6】
PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、
(1)2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸、
(2)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロ−プロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(3)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(4)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(5)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(6)3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(7)ピオグリタゾン、
(8)ネトグリタゾン(Netoglitazone)、
(9)テサグリタザール(Tesaglitazar)、
(10)5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)ベンズアミド、
(11)5−[4−(6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
(12)4−[4−(5−メチル−2−フェニルオキサゾール−4−イルメトキシ)ベンジルオキシイミノ]−4−フェニル酪酸および
(13)(4−メトキシフェノキシカルボニル−[4−[2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾ−4−イル)エトキシ]ベンジル]アミノ)酢酸
からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、請求項1〜4いずれか1項記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項7】
PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、
(1)2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸、
(2)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(3)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[4−クロロフェノキシ]プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(4)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−ヒドロキシプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(5)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(6)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(7)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(8)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(9)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(10)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(11)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(12)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(3−トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(13)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸、
(14)3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(15)3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸、
(16)3−({4−[5−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル)]カルバモイルオキシメチル}フェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(17)3−{3−[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニルオキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(18)3−{[3−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイルオキシメチル−4−エトキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(19)3−(3−{2(R)−ヒドロキシ−3−[2−ブロモ−4−メチルフェノキシ]プロポキシ}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(20)3−{[4−(4−エトキシフェニル)カルバモイルオキシメチル]フェニル}−2−イソプロポキシプロパン酸、
(21)2−イソプロポキシ−3−[4−(2−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイルオキシ}エチル)フェニル]プロパン酸、
(22)3−[3−([2,4−ジクロロベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(23)3−[3−([2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノメチル)−4−メトキシフェニル]−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(24)2−エトキシ−3−(2−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)プロパン酸、
(25)3−(2−{2−[4−(第三ブチル)フェノキシ]エトキシ}−4−ピリジル)−2−エトキシプロパン酸、
(26)3−(3−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,4−ジメトキシフェニル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(27)3−(7−[(2,4−ジクロロベンゾイル)アミノ]メチルベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(28)3−(7−[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル−2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−5−イル)−2−イソプロポキシプロパン酸、
(29)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸および
(30)2−(3−{[(2−クロロ−4−プロポキシベンゾイル)アミノ]メチル}−4−エトキシベンジル)テトラヒドロ−2−フランカルボン酸
からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、請求項1〜4いずれか1項記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項8】
PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、
(1)2−イソプロポキシ−3−[3−([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシエタンイミドイル)フェニル]プロパン酸、
(2)3−{3−[3−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(3)3−{3−[3−(4−クロロフェノキシ)−2(R)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(4)3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸、
(5)2(S)−イソプロポキシ−3−{3−[(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸および
(6)3−(3−{[3−トリフルオロメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ]メチル}フェニル)−2(S)−イソプロポキシプロパン酸からなる群から選ばれる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、請求項1〜4いずれか1項記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項9】
PPARγアゴニスト作用を有する化合物が、3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸もしくはその塩またはそれらの水和物である、請求項1〜4いずれか1項記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項10】
アミノサリチル酸誘導体が
▲1▼スルファサラジン、
▲2▼メサラジン(Mesalazine)、
▲3▼オルサラジン(Olsalazine)または
▲4▼バルサラジド(Balsalazide)
である、請求項1〜3いずれか1項記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項11】
抗炎症糖質コルチコイドが
▲1▼プレドニゾロン、
▲2▼ベタメサゾン、
▲3▼ヒドロコルチゾン、
▲4▼酢酸コルチゾン、
▲5▼メチルプレドニゾロン、
▲6▼プレドニゾンまたは
▲7▼ブデソニド(Budesonide)
である、請求項1または2項記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項12】
免疫抑制作用を有する化合物が
▲1▼シクロスポリン、
▲2▼アザチオプリン、
▲3▼6−メルカプトプリン、
▲4▼タクロリムスまたは
▲5▼メトトレキセート
である請求項1〜3いずれか1項記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項13】
抗TNFα抗体が
▲1▼インフリキシマブ(Infliximab)、
▲2▼エタネルセプト(Etanercept)、
▲3▼CDP−571、
▲4▼アダリムマブ(Adalimumab)または
▲5▼CDP−870
に含まれる抗体である、請求項1または2記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項14】
抗感染作用を有する化合物が
▲1▼メトロニダゾール、
▲2▼クラリスロマイシン、
▲3▼トブラマイシン、
▲4▼塩酸シプロフロキサシン、
▲5▼アンピシリン
▲6▼セファゾリン
▲7▼オフロキサシンまたは
▲8▼レボフロキサシン
である、請求項1記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項15】
脳下垂体ホルモンが、酢酸テトラコサクチドである請求項1記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項16】
アミノサリチル酸誘導体、抗炎症糖質コルチコイド、免疫抑制作用を有する化合物および抗TNFα抗体からなる群が、スルファサラジン、メサラジン(Mesalazine)、プレドニゾロン、ベタメサゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、シクロスポリンおよびタクロリムスからなる群である請求項2記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項17】
アミノサリチル酸誘導体および免疫抑制作用を有する化合物からなる群から選ばれる1の炎症抑制作用を有する化合物が、スルファサラジンまたはシクロスポリンである請求項3記載の炎症性腸疾患治療剤。
【請求項18】
(a)活性成分としてスルファサラジンおよびシクロスポリンからなる群から選ばれる1の炎症抑制作用を有する化合物と(b)活性成分として3−{3−[3−(4−クロロ−2−シアノフェノキシ)−2(S)−フルオロプロポキシ]フェニル}−2(S)−イソプロポキシプロパン酸もしくはその塩またはそれらの水和物であるPPARγアゴニスト作用を有する化合物を組み合わせてなる炎症性腸疾患治療剤であって、化合物(a)および化合物(b)を同時に、別々にまたは経時的に使用する、炎症性腸疾患治療剤。
【請求項19】
炎症性腸疾患が、潰瘍性大腸炎である請求項1〜17いずれか1項記載の治療剤。
【請求項20】
炎症性腸疾患が、クローン病である請求項1〜17いずれか1項記載の治療剤。
【請求項21】
請求項1に記載した化合物(a)および化合物(b)との組合わせよりなる炎症性腸疾患治療剤。
【請求項22】
化合物(a)および化合物(b)との組合わせが、同時または別々に投与することである、請求項21に記載した治療剤。
【請求項23】
化合物(a)および化合物(b)との組合わせが、経時的に投与することである、請求項21に記載した治療剤。
【請求項24】
請求項1に記載した化合物(a)および化合物(b)との組合わせの、炎症性腸疾患治療剤製造の為の用途。
【請求項25】
化合物(a)および化合物(b)との組合わせが、同時または別々に投与することである、請求項24に記載した用途。
【請求項26】
化合物(a)および化合物(b)との組合わせが、経時的に投与することである、請求項24に記載した用途。
【請求項27】
請求項1に記載した化合物(a)および化合物(b)との組合わせの薬理学上有効量を患者に投与して、炎症性腸疾患を治療する方法。
【請求項28】
化合物(a)および化合物(b)を同時または別々に投与する、請求項27に記載した方法。
【請求項29】
化合物(a)および化合物(b)を経時的に投与する、請求項27に記載した方法。

【国際公開番号】WO2004/082715
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【発行日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503744(P2005−503744)
【国際出願番号】PCT/JP2004/003662
【国際出願日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(000000217)エーザイ株式会社 (102)
【Fターム(参考)】