説明

点呼管理システム、ドライバー装置、運送事業者装置、及びプログラム

【課題】ドライバーに対する点呼を管理すること。
【解決手段】ドライバー装置110と、運送事業者によって管理される運送事業者装置150とを備え、ドライバー装置110は、ドライバーを識別するためのIDと、当該ドライバーの呼気中アルコールの検査結果を示すアルコール検査データとを含む点呼データを、インターフェースに接続されているデータ通信専用装置195によって、通信回線170を介して外部のコンピュータへ送信する点呼データ送信部を有し、運送事業者装置150は、ドライバー装置110から送信された点呼データを受信する点呼データ受信部と、点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれているIDによって識別されるドライバーに関する情報と、アルコール検査データによって示される、当該ドライバーの呼気中アルコールの検査結果の情報とを含む点呼情報を、出力装置へ出力する点呼情報出力部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点呼管理システム、ドライバー装置、運送事業者装置、及びプログラムに関する。特に本発明は、ドライバーに対する点呼を管理する点呼管理システム、各種周辺機器を接続するための複数のインターフェースを具備し、ドライバーによって携帯されるドライバー装置、ドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置、並びに当該運送事業者装置用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
安全道路運送法は、管理者とドライバーが対面して乗務前の点呼を実施することを、運送事業者に義務付けている。実施内容は、ドライバーの健康状態、検知器を活用した飲酒の有無の確認の他、点呼記録の保管等、多岐にわたる。運行前に管理者がドライバーと対面し、健康状態や飲酒状況を確認する対面点呼においては、体内に残るアルコールを数値で知らせる呼気中アルコール検査装置等が導入されている。運送事業者は、これまでも飲酒運転の一掃による安全確保を徹底してきている。しかしながら、旧式の共用測定器によっては、数値が記録されない等、その精度と信頼性に不安があった。同時に、対面点呼は、24時間体制の車両運行に対応して昼夜問わず行われ、管理側の負担も大きかった。
【0003】
点呼を管理するための技術としては、呼気中アルコール検査装置を接続した携帯電話を各ドライバーに携帯させておいて、営業所のパソコンへテレビ電話を行いながら呼気中アルコールの検査させるシステムが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。非特許文献1に記載のシステムにおいては、管理者は、運行前のドライバーの表情や顔色を対面のように確認しながら、表示される検査結果をチェックする。そして、管理者は、呼気中アルコールが検出された場合、乗務停止等の判断を素早く下すことができる。
【0004】
より具体的に説明すると、非特許文献1に記載のシステムにおいては、呼気中アルコールが検出された場合、乗務停止等の判定文字がパソコン上に表示される。また、ドライバーから送信されるデータは、営業所のパソコンを経由して本社で一括管理される。このようにして、非特許文献1に記載のシステムによっては、法令が定める運行管理記録の保管義務への対応も容易となる。
【0005】
ところで、公共の道路を利用する貨物自動車運送業は、車両の事故やたった一つの法令違反が即営業停止へと結び付く。非特許文献1に記載のシステムを導入している運送事業者は、飲酒検査を更に高精度化することができている。また、非特許文献1に記載のシステムを導入している運送業者においては、前日の飲酒を自主的に控える等、ドライバーの健康管理に関する意識が非常に高まっている。このように、非特許文献1に記載のシステムは、安全運転の推進に大きく貢献している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“FOMAテレビ電話アルコールチェックシステム”、[online]、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ、[平成22年12月16日検索]、インターネット<URL:http://www.docomo.biz/html/solution/msc/alcohol/?service=rnavi>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1に記載のシステムは、テレビ電話を利用しなければならない。したがって、非特許文献1に記載のシステムによっては、テレビ電話を利用するための高額の通信料が、運送事業者へのランニングコストの負担が大きくなってしまう。
【0008】
また、非特許文献1に記載のシステムは、ドライバーと管理者とのテレビ電話が繋がっている状態において呼気中アルコールの検査をさせなければならない。したがって、非特許文献1に記載のシステムによっては、管理者が応答しなければ、点呼を実施することができない。即ち、非特許文献1に記載のシステムによっては、管理者がドライバーと通話中の場合、他のドライバーからテレビ電話を受信することができず、通話中のドライバーの点呼が終わるまで、他のドライバーを待たせてしまうことになる。
【0009】
また、非特許文献1に記載のシステムは、システムの機能を実現するための専用のアプリケーションソフトを携帯電話にインストールしなければならない。したがって、非特許文献1に記載のシステムによっては、システムに対応し得る携帯電話の機種が限られてしまう。特に、近年の携帯電話は、新機種が発売されるまでの期間が短く、携帯電話内のOS(Operating System)も多岐にわたる。そのため、非特許文献1に記載のシステムによっては、新機種の仕様やOSに対応するように、アプリケーションソフトをアップデートしなければならず、アプリケーションソフトを開発するソフトハウスへの負担が大きくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、ドライバーに対する点呼を管理する点呼管理システムであって、各種周辺機器を接続するための複数のインターフェースを具備し、ドライバーによって携帯されるドライバー装置と、ドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置とを備え、ドライバー装置は、ドライバーを識別するためのIDと、当該ドライバーの呼気中アルコールの検査結果を示すアルコール検査データとを含む点呼データを、インターフェースに接続されているデータ通信専用装置によって、通信回線を介して外部のコンピュータへ送信する点呼データ送信部を有し、運送事業者装置は、ドライバー装置から送信された点呼データを受信する点呼データ受信部と、点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれているIDによって識別されるドライバーに関する情報と、アルコール検査データによって示される、当該ドライバーの呼気中アルコールの検査結果の情報とを含む点呼情報を、出力装置へ出力する点呼情報出力部とを有する。
【0011】
ドライバー装置は、インターフェースに接続されている呼気中アルコール検査装置から出力された、ドライバーの呼気中アルコールの検査結果を示すアルコール検査データの入力を受け付けるアルコール検査データ入力受付部を更に有し、点呼データ送信部は、アルコール検査データ入力受付部が入力を受け付けたアルコール検査データを含む点呼データを送信してよい。
【0012】
ドライバー装置は、インターフェースに接続されている外部記憶装置に記憶されている、ドライバーを識別するためのIDを読み出すID読出部を更に有し、点呼データ送信部は、ID読出部が読み出したIDを含む点呼データを送信してよい。
【0013】
運送事業者装置は、ドライバーを識別するためのIDと、当該IDによって識別されるドライバーに関する情報とを対応付けて格納するドライバー情報格納部を更に有し、点呼情報出力部は、ドライバー情報格納部に格納されているドライバーに関する情報のうち、点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれているIDと対応付けて格納されているドライバーに関する情報を含む点呼情報を出力してよい。
【0014】
ドライバー装置は、インターフェースに接続されている認証用装置から出力された、ドライバーを認証するために用いられる認証用データの入力を受け付ける認証用データ入力受付部を更に有し、ドライバー装置の点呼データ送信部は、認証用データ入力受付部が入力を受け付けた認証用データを更に含む点呼データを送信し、運送事業者装置の点呼情報出力部は、点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれている認証用データに基づく、ドライバーを認証するための情報を更に含む点呼情報を出力してよい。
【0015】
ドライバー装置は、インターフェースに接続されている医療用装置から出力された、ドライバーの健康状態を示す健康状態データの入力を受け付ける健康状態データ入力受付部を更に有し、ドライバー装置の点呼データ送信部は、健康状態データ入力受付部が入力を受け付けた健康状態データを更に含む点呼データを送信し、運送事業者装置の点呼情報出力部は、点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれている健康状態データによって示される、ドライバーの健康状態の情報を更に含む点呼情報を出力してよい。
【0016】
ドライバー装置は、ドライバーが呼気中アルコール検査装置を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングを取得するタイミング取得部を更に有し、点呼データ送信部は、タイミング取得部が取得したタイミングを示すタイミングデータを更に含む点呼データを送信し、運送事業者装置の点呼情報出力部は、点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれるタイミングデータによって示される、ドライバーが呼気中アルコール検査装置を用いて呼気中アルコールの検査を行ったタイミングの情報を更に含む点呼情報を出力してよい。
【0017】
ドライバー装置は、ドライバーが呼気中アルコール検査装置を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングを指定して入力するためのスイッチを更に具備し、タイミング取得部は、ドライバーが呼気中アルコール検査装置を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングとして、スイッチの入力によって指定されたタイミングを取得してよい。
【0018】
ドライバー装置は、点呼データを格納する点呼データ格納部を更に有し、点呼データ送信部は、外部のコンピュータへ点呼データを送信すると共に、当該点呼データを点呼データ格納部へ格納してよい。
【0019】
点呼データ送信部は、外部のコンピュータへ点呼データを送信することができなかった場合、点呼データ格納部に格納されている点呼データを読み出して送信してよい。
【0020】
複数の運送事業者に対して当該点呼管理システムのサービスを提供するサービス事業者によって管理されるサービス事業者装置を更に備え、ドライバー装置の点呼データ送信部は、点呼データを送信する送信先の外部のコンピュータとして、サービス事業者装置へ点呼データを送信し、サービス事業者装置は、ドライバー装置から送信された点呼データを受信する点呼データ受信部と、当該サービス事業者装置の点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれているIDによって識別されるドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置へ、当該サービス事業者装置の点呼データ受信部が受信した点呼データを転送する点呼データ転送部とを有し、運送事業者装置の点呼データ受信部は、ドライバー装置から送信されて、サービス事業者装置によって転送された点呼データを受信してよい。
【0021】
本発明の第2の形態によると、各種周辺機器を接続するための複数のインターフェースを具備し、ドライバーによって携帯されるドライバー装置であって、ドライバーを識別するためのIDと、当該ドライバーの呼気中アルコールの検査結果を示すアルコール検査データとを含む点呼データを、インターフェースに接続されているデータ通信専用装置によって、通信回線を介して外部のコンピュータへ送信する点呼データ送信部を備える。
【0022】
本発明の第3の形態によると、ドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置であって、各種周辺機器を接続するための複数のインターフェースを具備し、ドライバーによって携帯されるドライバー装置から送信された点呼データを受信する点呼データ受信部と、点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれているIDによって識別されるドライバーに関する情報と、アルコール検査データによって示される、当該ドライバーの呼気中アルコールの検査結果の情報とを含む点呼情報を、出力装置へ出力する点呼情報出力部とを備える。
【0023】
本発明の第4の形態によると、ドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置用のプログラムであって、運送事業者装置を、各種周辺機器を接続するための複数のインターフェースを具備し、ドライバーによって携帯されるドライバー装置から送信された点呼データを受信する点呼データ受信部、点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれているIDによって識別されるドライバーに関する情報と、アルコール検査データによって示される、当該ドライバーの呼気中アルコールの検査結果の情報とを含む点呼情報を、出力装置へ出力する点呼情報出力部として機能させる。
【0024】
なおまた、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0025】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、携帯電話を用いることなく、点呼を実施するために必要なデータのみを、データ通信専用装置を利用して送信するようにしたので、既知のシステムと比較して、運送事業者へのランニングコストの負担を小さくすることができる。
【0026】
また、この発明によれば、携帯電話を用いることなく、点呼を実施するために必要なデータを一方的に送信するようにしたので、管理者が応答することができなくても、ドライバーを待たせることなく点呼を実施することができる。
【0027】
また、この発明によれば、携帯電話よりも新機種が発売されるまでの期間が長いデータ通信専用装置を利用するため、ドライバー装置内のファームウェアをアップデートしなければならない頻度が低く、ドライバー装置内のファームウェアを開発するソフトハウスへの負担を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】一実施形態に係る点呼管理システム100の利用環境の一例を示す図である。
【図2】ドライバー装置110aのブロック構成の一例を示す図である。
【図3】サービス事業者装置130のブロック構成の一例を示す図である。
【図4】運送事業者装置150aのブロック構成の一例を示す図である。
【図5】ドライバー装置110の点呼データ格納部117に格納されるデータの一例をテーブル形式で示す図である。
【図6】サービス事業者装置130のアドレス格納部133に格納されているデータの一例をテーブル形式で示す図である。
【図7】運送事業者装置150のドライバー情報格納部153に格納されているデータの一例をテーブル形式で示す図である。
【図8】運送事業者装置150の点呼情報出力部152がディスプレイに出力する点呼情報180の一例を示す図である。
【図9】ドライバー装置110の動作フローの一例を示す図である。
【図10】サービス事業者装置130の動作フローの一例を示す図である。
【図11】運送事業者装置150の動作フローの一例を示す図である。
【図12】ドライバー装置110を組み込みシステムで構成した場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図13】サービス事業者装置130、及び運送事業者装置150をコンピュータ等の電子情報処理装置でそれぞれ構成した場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0030】
図1は、一実施形態に係る点呼管理システム100の利用環境の一例を示す。点呼管理システム100は、ドライバーに対する点呼を管理するシステムである。
【0031】
点呼管理システム100は、複数のドライバー装置110a、b、c、・・・(以下、ドライバー装置110と総称する。)、サービス事業者装置130、複数の運送事業者装置150a、b、c、・・・(以下、運送事業者装置150と総称する。)、及び通信回線170を備える。なおまた、通信回線170は、インターネット等のコンピュータネットワーク、通信事業者のコアネットワーク、及び種々のローカルネットワークを含む。
【0032】
ドライバー装置110は、ドライバーによって携帯される装置である。ドライバー装置110は、各種周辺機器を接続するための複数のUSB(Universal Serial Bus)ポートを具備している。USBポートは、USBケーブルを差し込む接続口である。なおまた、USBポートは、この発明における「インターフェース」の一例であってよい。
【0033】
ドライバー装置110aの各USBポートには、呼気中アルコール検査装置191a、USBメモリ192a、デジタルカメラ193a、血圧計194a、及びデータ通信専用装置195aがUSBケーブルによって電気的に接続されている。なおまた、USBメモリ192aは、この発明における「外部記憶装置」の一例であってよい。また、デジタルカメラ193aは、この発明における「認証用装置」の一例であってよい。また、血圧計194aは、この発明における「医療用装置」の一例であってよい。
【0034】
なおまた、ドライバー装置110a以外のドライバー装置110b、c、・・・も、ドライバー装置110aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明においては、ドライバー装置110が有する構成要素がいずれのドライバー装置110の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有するドライバー装置110と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、呼気中アルコール検査装置191a、呼気中アルコール検査装置191b、及び呼気中アルコール検査装置191cは、それぞれドライバー装置110a、ドライバー装置110b、及びドライバー装置110cの構成要素であることを示す。
【0035】
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、呼気中アルコール検査装置191で説明された機能及び動作は、呼気中アルコール検査装置191a、呼気中アルコール検査装置191b、呼気中アルコール検査装置191c、・・・の機能及び動作を示す。
【0036】
呼気中アルコール検査装置191は、ドライバーの呼気中アルコールを検査する装置である。呼気中アルコール検査装置191のセンシング方式は、化学反応方式、燃料電池方式、半導体方式、及び非拡散赤外線吸収方式に分類される。化学反応方式は、重クロム塩酸の還元反応を利用した色によるセンシング方式である。燃料電池方式は、呼気中のエタノールを燃料にして、エタノール中の水素イオンと電子に分離して電気を発生させることを利用した方式である。半導体方式は、高温に熱した酸化スズ上の空気中の酸素を還元性ガスによって取り去ることによって酸素が持っていた電子が自由電子になり、電気抵抗が変化することを利用した方式である。非拡散赤外線吸収方式は、全ての気体分子が固有に持っている赤外線吸収帯域の性質を利用した方式である。
【0037】
USBメモリ192は、フラッシュメモリを内蔵した持ち運び可能な記憶装置である。USBメモリ192には、ドライバーを識別するためのドライバーID(identifier)を格納しておく。そして、各ドライバーには、そのドライバーを識別するためのドライバーIDが格納されたUSBメモリ192を配布しておく。なおまた、ドライバーIDは、この発明における「ID」の一例であってよい。
【0038】
デジタルカメラ193は、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の光に反応する半導体素子を使って映像を電気信号に変換し、デジタルデータとして出力する装置である。
【0039】
血圧計194は、血圧を測ることを目的とした装置である。データ通信専用装置195は、ドライバー装置110から出力されたデータを、サービス事業者装置130へ送信するための装置である。
【0040】
ドライバー装置110は、データ通信専用装置195によって、通信回線170に対して無線通信接続されている。
【0041】
また、ドライバー装置110は、2つのLED(Light Emitting Diode)、及びスイッチを具備している。LEDは、電流を流すと発光する半導体素子の一種である。各LEDは、それぞれ赤色、緑色に発光する。スイッチは、ドライバーが呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングを指定するための操作手段である。具体的に説明すると、各LEDは、スイッチが切り替えられることによって、そのいずれかが点灯する。例えば、ドライバーは、運転の開始前の点呼時のタイミングに呼気中アルコールの検査を行う場合、スイッチを一方に切り替えて、赤色のLEDを点灯させてから検査を開始する。また、ドライバーは、運転の終了後の点呼時のタイミングに呼気中アルコールの検査を行う場合、スイッチを他方に切り替えて、緑色のLEDを点灯させてから検査を開始する。
【0042】
サービス事業者装置130は、複数の運送事業者に対して点呼管理システム100のサービスを提供するサービス事業者によって管理される装置である。サービス事業者装置130は、通信回線170に対して通信接続されている。
【0043】
運送事業者装置150は、ドライバーが所属している運送事業者によって管理される装置である。運送事業者装置150は、ディスプレイを具備している。ディスプレイは、文字や図形を表示する装置である。また、運送事業者装置150は、通信回線170に対して通信接続されている。なおまた、ディスプレイは、この発明における「出力装置」の一例であってよい。
【0044】
なおまた、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、点呼管理システム100が一のサービス事業者装置130を備える構成について説明する。しかしながら、点呼管理システム100は、複数のサービス事業者装置130を備えてよい。
【0045】
図2は、ドライバー装置110aのブロック構成の一例を示す。ドライバー装置110aは、アルコール検査データ入力受付部111a、ID読出部112a、認証用データ入力受付部113a、健康状態データ入力受付部114a、タイミング取得部115a、点呼データ送信部116a、及び点呼データ格納部117aを有する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0046】
アルコール検査データ入力受付部111は、USBポートに接続されている呼気中アルコール検査装置191から出力された、ドライバーの呼気中アルコールの検査結果を示すアルコール検査データの入力を受け付けると、そのアルコール検査データを、点呼データ送信部116へ送る。
【0047】
ID読出部112は、USBポートに接続されているUSBメモリ192に記憶されている、ドライバーを識別するためのドライバーIDを読み出すと、そのドライバーIDを、点呼データ送信部116へ送る。
【0048】
認証用データ入力受付部113は、USBポートに接続されているデジタルカメラ193から出力された、ドライバーを撮像した静止画を示す撮像データの入力を受け付けると、その撮像データを、点呼データ送信部116へ送る。なおまた、ドライバーを撮像した静止画を示す撮像データは、この発明における「ドライバーを認証するために用いられる認証データ」の一例であってよい。
【0049】
健康状態データ入力受付部114は、USBポートに接続されている血圧計194から出力された、ドライバーの血圧を示す血圧データの入力を受け付けると、その血圧データを、点呼データ送信部116へ送る。なおまた、ドライバーの血圧を示す血圧データは、この発明における「ドライバーの健康状態を示す健康状態データ」の一例であってよい。
【0050】
タイミング取得部115は、ドライバーが呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングを取得すると、そのタイミングを示すタイミングデータを、点呼データ送信部116へ送る。本実施形態においては、タイミング取得部115は、ドライバーが呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングとして、スイッチの入力によって指定されたタイミングを取得する。
【0051】
点呼データ送信部116は、ドライバーを識別するためのドライバーIDと、そのドライバーの呼気中アルコールの検査結果を示すアルコール検査データとを含む点呼データを、USBポートに接続されているデータ通信専用装置195によって、通信回線170を介してサービス事業者装置130へ送信する。より具体的に説明すると、点呼データ送信部116は、アルコール検査データ入力受付部111からアルコール検査データを受け取ると、そのアルコール検査データを含む点呼データを送信する。また、点呼データ送信部116は、ID読出部112からドライバーIDを受け取ると、そのドライバーIDを含む点呼データを送信する。また、点呼データ送信部116は、認証用データ入力受付部113から撮像データを受け取ると、その撮像データを更に含む点呼データを送信する。また、点呼データ送信部116は、健康状態データ入力受付部114から血圧データを受け取ると、その血圧データを更に含む点呼データを送信する。また、点呼データ送信部116は、タイミング取得部115からタイミングデータを受け取ると、そのタイミングデータを更に含む点呼データを送信する。また、点呼データ送信部116は、サービス事業者装置130へ点呼データを送信すると共に、その点呼データを点呼データ格納部117へ格納する。また、点呼データ送信部116は、サービス事業者装置130へ点呼データを送信することができなかった場合、所定時間が経過した後に、点呼データ格納部117に格納されている点呼データを読み出して送信する。
【0052】
図3は、サービス事業者装置130のブロック構成の一例を示す。サービス事業者装置130は、点呼データ受信部131、点呼データ転送部132、及びアドレス格納部133を有する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0053】
点呼データ受信部131は、ドライバー装置110から送信された点呼データを受信すると、その点呼データを、点呼データ転送部132へ送る。
【0054】
点呼データ転送部132は、点呼データ受信部131から点呼データを受け取ると、その点呼データに含まれているドライバーIDによって識別されるドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置150へ、点呼データを転送する。より具体的に説明すると、点呼データ転送部132は、点呼データ受信部131から点呼データを受け取ると、アドレス格納部133に格納されている運送事業者装置150のIP(Internet Protocol)アドレスのうち、点呼データに含まれているドライバーIDと対応付けて格納されている運送事業者装置150のIPアドレスを読み出す。そして、点呼データ転送部132は、その読み出したIPアドレスの運送事業者装置150へ点呼データを転送する。なおまた、IPアドレスは、この発明における「アドレス」の一例であってよい。
【0055】
図4は、運送事業者装置150aのブロック構成の一例を示す。運送事業者装置150aは、点呼データ受信部151a、点呼情報出力部152a、及びドライバー情報格納部153aを有する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0056】
なおまた、運送事業者装置150a以外の運送事業者装置150b、c、・・・も、運送事業者装置150aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明においては、運送事業者装置150が有する構成要素がいずれの運送事業者装置150の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する運送事業者装置150と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、点呼データ受信部151a、点呼データ受信部151b、及び点呼データ受信部151cは、それぞれ運送事業者装置150a、運送事業者装置150b、及び運送事業者装置150cの構成要素であることを示す。
【0057】
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、点呼データ受信部151で説明された機能及び動作は、点呼データ受信部151a、b、c、・・・の機能及び動作を示す。
【0058】
点呼データ受信部151は、ドライバー装置110から送信された点呼データを受信すると、その点呼データを、点呼情報出力部152へ送る。より具体的に説明すると、点呼データ受信部151は、ドライバー装置110から送信されて、サービス事業者装置130によって転送された点呼データを受信する。
【0059】
点呼情報出力部152は、点呼データ受信部151から点呼データを受け取ると、その点呼データに含まれているドライバーIDによって識別されるドライバーの氏名と、アルコール検査データによって示される、ドライバーの呼気中アルコールの検査結果の情報とを含む点呼情報を、ディスプレイへ出力する。より具体的に説明すると、点呼情報出力部152は、点呼データ受信部151から点呼データを受け取ると、ドライバー情報格納部153に格納されているドライバーの氏名のうち、点呼データに含まれているドライバーIDと対応付けて格納されているドライバーの氏名を読み出す。そして、点呼情報出力部152は、その読み出したドライバーの氏名を含む点呼情報を出力する。また、点呼情報出力部152は、点呼データ受信部151から受け取った点呼データに撮像データが含まれている場合、その撮像データによって示される、ドライバーを撮像した静止画を更に含む点呼情報を出力する。また、点呼情報出力部152は、点呼データ受信部151から受け取った点呼データに血圧データが含まれている場合、その血圧データによって示される、ドライバーの血圧の情報を更に含む点呼情報を出力する。また、点呼情報出力部152は、点呼データ受信部151から受け取った点呼データにタイミングデータが含まれている場合、そのタイミングデータによって示される、ドライバーが呼気中アルコール検査装置を用いて呼気中アルコールの検査を行ったタイミングの情報を更に含む点呼情報を出力する。なおまた、ドライバーの氏名は、この発明における「ドライバーに関する情報」の一例であってよい。
【0060】
図5は、ドライバー装置110の点呼データ格納部117に格納されるデータの一例をテーブル形式で示す。点呼データ格納部117には、ドライバーID、アルコール濃度(mg/l)、撮像データ、最高血圧(mmHg)、最低血圧(mmHg)、及びタイミングが対応付けて格納される。
【0061】
ドライバーIDは、各ドライバーを一意に識別するための識別符号である。アルコール濃度(mg/l)は、ドライバーIDによって識別されるドライバーの呼気中アルコール濃度を示す数値である。撮像データは、ドライバーIDによって識別されるドライバーを撮像した静止画を示す撮像データである。最高血圧(mmHg)は、ドライバーIDによって識別されるドライバーの収縮期血圧を示す数値である。最低血圧(mmHg)は、ドライバーIDによって識別されるドライバーの拡張期血圧を示す数値である。タイミングは、ドライバーIDによって識別されるドライバーが呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行ったタイミングを示す情報である。
【0062】
図6は、サービス事業者装置130のアドレス格納部133に格納されているデータの一例をテーブル形式で示す。アドレス格納部133には、ドライバーID、及びIPアドレスが対応付けて格納されている。
【0063】
ドライバーIDは、各ドライバーを一意に識別するための識別符号である。IPアドレスは、ドライバーIDによって識別されるドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置150に割り振られた識別番号である。
【0064】
図7は、運送事業者装置150のドライバー情報格納部153に格納されているデータの一例をテーブル形式で示す。ドライバー情報格納部153には、ドライバーID、及び氏名が対応付けて格納されている。
【0065】
ドライバーIDは、各ドライバーを一意に識別するための識別符号である。氏名は、ドライバーIDによって識別されるドライバーの姓名である。
【0066】
図8は、運送事業者装置150の点呼情報出力部152がディスプレイに出力する点呼情報180の一例を示す。点呼情報180には、受信日時181、社員番号182、氏名183、点呼タイミング184、呼気中アルコール濃度185、最高血圧186、最低血圧187、及び静止画188が含まれている。
【0067】
受信日時181は、運送事業者装置150が点呼データを受信した日時を示す情報である。社員番号182は、ドライバー情報格納部153に格納されているドライバーの社員番号のうち、点呼データに含まれているドライバーIDと対応付けて格納されているドライバーの社員番号である。氏名183は、ドライバー情報格納部153に格納されているドライバーの氏名のうち、点呼データに含まれているドライバーIDと対応付けて格納されているドライバーの姓名である。点呼タイミング184は、点呼データに含まれているタイミングデータによって示される、ドライバーが呼気中アルコール検査装置を用いて呼気中アルコールの検査を行ったタイミングの情報である。呼気中アルコール濃度185は、点呼データに含まれているアルコール検査データによって示される、ドライバーの呼気中アルコールの検査結果の情報である。最高血圧186及び最低血圧187は、点呼データに含まれている血圧データによって示される、ドライバーの血圧の情報である。静止画188は、点呼データに含まれている撮像データによって示される、ドライバーを撮像した静止画である。
【0068】
図9は、ドライバー装置110の動作フローの一例を示す。この動作フローの説明においては、図1から図8を共に参照する。
【0069】
ドライバーは、点呼を実施するにあたり、呼気中アルコール検査装置191、USBメモリ192、デジタルカメラ193、血圧計194、及びデータ通信専用装置195を、ドライバー装置110の各USBポートにそれぞれ接続する。
【0070】
そして、ドライバー装置110の電源が投入されると、ドライバー装置110のID読出部112は、USBポートに接続されているUSBメモリ192に記憶されている、ドライバーを識別するためのドライバーID(identifier)を読み出す(S101)。そして、ID読出部112は、読み出したドライバーIDを、点呼データ送信部116へ送る。
【0071】
そして、ドライバーは、ドライバー装置110の2つのLEDの点灯又は消灯を確認しながら、ドライバー装置110のスイッチを切り替える。例えば、ドライバーは、運転の開始前の点呼時のタイミングに呼気中アルコールの検査を行う場合、スイッチを一方に切り替えて、赤色のLEDを点灯させる。また、ドライバーは、運転の終了後の点呼時のタイミングに呼気中アルコールの検査を行う場合、スイッチを他方に切り替えて、緑色のLEDを点灯させる。このようにして、スイッチが切り替えられると、ドライバー装置110のタイミング取得部115は、ドライバーが呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングとして、スイッチの入力によって指定されたタイミングを取得する(S102)。そして、タイミング取得部115は、取得したタイミングを示すタイミングデータを、点呼データ送信部116へ送る。
【0072】
そして、ドライバーは、呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を開始する。その際、ドライバーは、呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行っている自分の姿がデジタルカメラ193によって撮像されるように、デジタルカメラ193をセッティングする。このようにして、呼気中アルコールの検査が行われると、ドライバー装置110のアルコール検査データ入力受付部111は、USBポートに接続されている呼気中アルコール検査装置191から出力された、ドライバーの呼気中アルコールの検査結果を示すアルコール検査データの入力を受け付ける(S103)。そして、アルコール検査データ入力受付部111は、入力を受け付けたアルコール検査データを、点呼データ送信部116へ送る。
【0073】
そして、ドライバーは、血圧計194を用いて血圧の測定を開始する。その際、ドライバーは、血圧計194を用いて血圧を測定している自分の姿がデジタルカメラ193によって撮像されるように、デジタルカメラ193をセッティングする。このようにして、血圧の測定が行われると、ドライバー装置110の健康状態データ入力受付部114は、USBポートに接続されている血圧計194から出力された、ドライバーの血圧を示す血圧データの入力を受け付ける(S104)。そして、健康状態データ入力受付部114は、入力を受け付けた血圧データを、点呼データ送信部116へ送る。
【0074】
このようにして、呼気中アルコールや血圧を測定しているドライバーの姿は、デジタルカメラ193によって撮像される。そして、ドライバー装置110の認証用データ入力受付部113は、USBポートに接続されているデジタルカメラ193から出力された、ドライバーを撮像した静止画を示す撮像データの入力を受け付ける(S105)。そして、認証用データ入力受付部113は、入力を受け付けた撮像データを、点呼データ送信部116へ送る。
【0075】
そして、ドライバー装置110の点呼データ送信部116は、ID読出部112から受け取ったドライバーID、タイミング取得部115から受け取ったタイミングデータ、アルコール検査データ入力受付部111から受け取ったアルコール検査データ、健康状態データ入力受付部114から受け取った血圧データ、及び認証用データ入力受付部113から受け取った撮像データを含む点呼データを、点呼データ格納部117へ格納する(S107)。このようにして、点呼データ格納部117には、図5に示すようなデータが格納される。
【0076】
そして、点呼データ送信部は、点呼データをサービス事業者装置130へ送信する(S108)。点呼データ送信部116は、サービス事業者装置130へ点呼データを送信することができなかった場合(S109:No)、所定時間が経過した後に(S110:Yes)、点呼データ格納部117に格納されている点呼データを読み出して送信する(S111→S108)。このようにして、ドライバー装置110は、サービス事業者装置130へ点呼データを送信する。
【0077】
図10は、サービス事業者装置130の動作フローの一例を示す。この動作フローの説明においては、図1から図9を共に参照する。
【0078】
サービス事業者装置130の点呼データ受信部131は、ドライバー装置110から送信された点呼データを受信すると(S201)、その点呼データを、点呼データ転送部132へ送る。
【0079】
そして、サービス事業者装置130の点呼データ転送部132は、点呼データ受信部131から点呼データを受け取ると、図6に示すようなアドレス格納部133に格納されている運送事業者装置150のIP(Internet Protocol)アドレスのうち、点呼データに含まれているドライバーIDと対応付けて格納されている運送事業者装置150のIPアドレスを読み出す。そして、点呼データ転送部132は、その読み出したIPアドレスの運送事業者装置150へ点呼データを転送する(S202)。
【0080】
このようにして、サービス事業者装置130は、ドライバー装置110から受信した点呼データを運送事業者装置150へ転送する。
【0081】
図11は、運送事業者装置150の動作フローの一例を示す。この動作フローの説明においては、図1から図10を共に参照する。
【0082】
運送事業者装置150の点呼データ受信部151は、ドライバー装置110から送信されて、サービス事業者装置130によって転送された点呼データを受信すると(S301)、その点呼データを、点呼情報出力部152へ送る。
【0083】
そして、運送事業者装置150の点呼情報出力部152は、点呼データ受信部151から点呼データを受け取ると、図7に示すようなドライバー情報格納部153に格納されているドライバーの社員番号と氏名のうち、点呼データに含まれているドライバーIDと対応付けて格納されているドライバーの社員番号と氏名を読み出す。そして、点呼情報出力部152は、その読み出したドライバーの社員番号182と氏名183を含む、図8に示すような点呼情報180を、ディスプレイに出力する(S302)。その際、点呼情報出力部152は、点呼データに含まれているタイミングデータによって示される、ドライバーが呼気中アルコール検査装置を用いて呼気中アルコールの検査を行ったタイミングの情報184を更に含む点呼情報180を出力する。また、点呼情報出力部152は、その点呼データに含まれているアルコール検査データによって示される、ドライバーの呼気中アルコールの検査結果の情報185を更に含む点呼情報180を出力する。また、点呼情報出力部152は、点呼データに含まれている血圧データによって示される、ドライバーの血圧の情報186、187を更に含む点呼情報180を出力する。また、点呼情報出力部152は、点呼データに含まれている撮像データによって示される、ドライバーを撮像した静止画188を更に含む点呼情報180を出力する。
【0084】
このようにして、運送事業者装置150は、図8に示すような点呼情報をディスプレイに出力する。
【0085】
以上説明したように、ドライバー装置110は、ドライバーを識別するためのドライバーIDと、そのドライバーの呼気中アルコールの検査結果を示すアルコール検査データとを含む点呼データを、USBポートに接続されているデータ通信専用装置195によって、通信回線170を介して外部のコンピュータへ送信するようにした。そして、運送事業者装置150は、ドライバー装置110から送信された点呼データを受信して、その点呼データに含まれているドライバーIDによって識別されるドライバーに関する情報と、アルコール検査データによって示される、ドライバーの呼気中アルコールの検査結果の情報とを含む点呼情報を、ディスプレイへ出力するようにした。
【0086】
このように、点呼管理システム100においては、携帯電話を用いることなく、点呼を実施するために必要なデータのみを、データ通信専用装置195を利用して送信するようにしたので、既知のシステムと比較して、運送事業者へのランニングコストの負担を小さくすることができる。
【0087】
また、点呼管理システム100においては、携帯電話を用いることなく、点呼を実施するために必要なデータを一方的に送信するようにしたので、管理者が応答することができなくても、ドライバーを待たせることなく点呼を実施することができる。
【0088】
また、点呼管理システム100においては、携帯電話よりも新機種が発売されるまでの期間が長いデータ通信専用装置195を利用するため、ドライバー装置110内のファームウェアをアップデートしなければならない頻度が低く、ドライバー装置110内のファームウェアを開発するソフトハウスへの負担を小さくすることができる。
【0089】
また、上述したように、ドライバー装置110は、USBポートに接続されている呼気中アルコール検査装置191から出力された、ドライバーの呼気中アルコールの検査結果を示すアルコール検査データの入力を受け付けて、そのアルコール検査データを含む点呼データを送信するようにした。
【0090】
このように、点呼管理システム100においては、呼気中アルコール検査装置191をドライバー装置110に接続して、その呼気中アルコール検査装置191によって検査されたアルコール検査データの入力を受け付けるようにしたので、運送事業者が既に利用している呼気中アルコール検査装置191を流用することができる。
【0091】
また、上述したように、ドライバー装置110は、USBポートに接続されているUSBメモリ192に記憶されている、ドライバーを識別するためのドライバーIDを読み出して、そのドライバーIDを含む点呼データを送信するようにした。
【0092】
このように、点呼管理システム100においては、ドライバーIDをUSBメモリ192に格納しておいて、そのドライバーIDを読み出すようにして、ドライバー装置110自体にはドライバーを識別するためのIDを記憶させないようにしたので、ドライバー装置110を複数のドライバーによって使い回すことができる。
【0093】
また、上述したように、運送事業者装置150は、ドライバーを識別するためのドライバーIDと、そのドライバーIDによって識別されるドライバーに関する情報とを対応付けて格納しておき、その格納しているドライバーに関する情報のうち、受信した点呼データに含まれているドライバーIDと対応付けて格納されているドライバーに関する情報を含む点呼情報を出力するようにした。
【0094】
このように、点呼管理システム100においては、ドライバーに関する個人情報を運送事業者装置150だけで管理するようにしたので、セキュリティの高いシステムを実現することができる。
【0095】
また、上述したように、ドライバー装置110は、USBポートに接続されているデジタルカメラ193から出力された、ドライバーを撮像した静止画を示す撮像データの入力を受け付けて、その撮像データを更に含む点呼データを送信するようにした。そして、運送事業者装置150は、受信した点呼データに含まれている撮像データによって示される、ドライバーを撮像した静止画を更に含む点呼情報を出力するようにした。
【0096】
このように、点呼管理システム100においては、ドライバーを撮像した静止画を示す撮像データを点呼データに含めるようにしたので、ドライバーが呼気中アルコールの検査を行っている様子を撮像するようにすれば、検査のなりすまし等を防止するができる。
【0097】
また、上述したように、ドライバー装置110は、USBポートに接続されている血圧計194から出力された、ドライバーの血圧を示す血圧データの入力を受け付けて、その血圧データを更に含む点呼データを送信するようにした。そして、運送事業者装置150は、受信した点呼データに含まれている血圧データによって示される、ドライバーの血圧の情報を更に含む点呼情報を出力するようにした。
【0098】
このように、点呼管理システム100においては、ドライバーの血圧を示す血圧データを点呼データに含めるようにしたので、ドライバーの健康状態をも管理することができる。
【0099】
また、上述したように、ドライバー装置110は、ドライバーが呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行ったタイミングを取得して、そのタイミングを示すタイミングデータを更に含む点呼データを送信するようにした。そして、運送事業者装置150は、受信した点呼データに含まれるタイミングデータによって示される、ドライバーが呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行ったタイミングの情報を更に含む点呼情報を出力するようにした。
【0100】
このように、点呼管理システム100においては、ドライバーが呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行ったタイミングを示すタイミングデータを点呼データに含めるようにしたので、点呼データの受信時に管理者が不在であっても、ドライバーが呼気中アルコールの検査を行ったタイミングを正確に管理することができる。
【0101】
また、上述したように、ドライバー装置110は、ドライバーが呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングとして、スイッチの入力によって指定されたタイミングを取得するようにした。
【0102】
このように、点呼管理システム100においては、スイッチを切り替えるだけの簡単な操作によって、呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングを指定して入力することができる。
【0103】
また、上述したように、ドライバー装置110は、外部のコンピュータへ点呼データを送信すると共に、点呼データを格納するようにした。
【0104】
このように、点呼管理システム100においては、点呼データをバックアップするようにしたので、ドライバーが点呼時に検査したデータ等を喪失しないようにすることができる。
【0105】
また、上述したように、ドライバー装置110は、外部のコンピュータへ点呼データを送信することができなかった場合、所定時間が経過した後に、格納した点呼データを読み出して送信するようにした。
【0106】
このように、点呼管理システム100においては、外部のコンピュータへ点呼データを送信することができなかった場合、点呼データをバックアップしておいて、時間が経過してから送信するようにしたので、ドライバーの手を煩わせることなく、点呼データを確実に外部のコンピュータへ送信することができる。
【0107】
また、上述したように、ドライバー装置110は、点呼データを送信する送信先の外部のコンピュータとして、サービス事業者装置130へ点呼データを送信するようにした。そして、サービス事業者装置130は、ドライバー装置110から送信された点呼データを受信して、その点呼データに含まれているドライバーIDによって識別されるドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置150へ、点呼データを転送するようにした。そして、運送事業者装置150は、ドライバー装置110から送信されて、サービス事業者装置130によって転送された点呼データを受信するようにした。
【0108】
このように、点呼管理システム100においては、ドライバー装置110から送信されたデータを、サービス事業者装置130を介して、各ドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置150へ転送するようにしたので、運送事業者に代わってサービス事業者がシステムを管理することになり、運送事業者に対してシステムの導入の敷居を低くすることができる。
【0109】
なおまた、本実施形態においては、タイミング取得部115は、ドライバーが呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングとして、スイッチの入力によって指定されたタイミングを取得するようにしたが、ドライバー装置110にリアルタイムクロックを具備し、タイミング取得部115は、ドライバーが呼気中アルコール検査装置191を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングとして、リアルタイムクロックから日時を取得するようにしてもよい。このような構成の点呼管理システムによっては、ドライバーが意識させることなく、呼気中アルコールの検査を行うタイミングを取得することができる。
【0110】
また、本実施形態においては、サービス事業者装置130を備えるシステムとして、ドライバー装置110は、サービス事業者装置130を介して運送事業者装置150へ点呼データを送信するようにしたが、サービス事業者130を備えないシステムとして、ドライバー装置110は、運送事業者装置150へ点呼データを直接送信するようにしてもよい。このような構成の点呼管理システムによっては、運送事業者独自にカスタマイズしたシステムを容易に提供することができる。
【0111】
また、本実施形態においては、デジタルカメラ193によって撮像された静止画によってドライバーを認証するようにしたが、IC(Integrated Circuit)カード免許証のICに記録されている情報を、認証用データとして読み出すようにしてもよい。その場合、ドライバー装置110のUSBポートには、ICカード免許証のICからデータを読み出すための非接触式のカードリーダーが認証用装置として接続されることになる。このような構成の点呼管理システムによっては、将来的に標準化されるであろうICカード免許証からデータを読み出すことによって、より信頼性の高いシステムとなり得る。
【0112】
同様に、本実施形態においては、デジタルカメラ193によって撮像された静止画によってドライバーを認証するようにしたが、ドライバーの指紋や眼球の虹彩、声紋等の身体的特徴を示す生体認証データを、認証用データとしてもよい。その場合、ドライバー装置110のUSBポートには、目的とする身体的特徴を得るための身体認証用装置が接続されることになる。生体認証は、暗証番号やパスワード等に比べ、原理的に極めてなりすまし難い認証方式である。生体認証としては、対象者の顔を認識する技術や、ペンでサインする際の筆圧や速度等の運動力学的特徴を利用する技術等も考えられる。このような構成の点呼管理システムによっては、ドライバーの本人確認を高いレベルで実施することができる。
【0113】
また、本実施形態においては、ドライバーの血圧によって健康状態を確認するようにしたが、ドライバーの体温を、健康状態データとしてもよい。その場合、ドライバー装置110のUSBポートには、ドライバーの体温を計測するための体温計が接続されることになる。このような構成の点呼管理システムによっては、血圧測定と併用することによって、ドライバーの健康状態を、より正確に管理することができる。
【0114】
また、本実施形態においては、各種周辺機器を接続するためのインターフェースとしてUSBポートを設けるようにしたが、Bluetoothインターフェースを設けて、Bluetooth対応の周辺機器をBluetoothによって接続するようにしてもよい。このような構成の点呼管理システムによっては、ケーブルを使わずに各種周辺機器を接続してデータをやり取りすることができる。
【0115】
図12は、ドライバー装置110を組み込みシステムで構成した場合のハードウェア構成の一例を示す。ドライバー装置110は、CPUCentral Processing Unit)701、メインメモリ702、不揮発メモリ703、I/O(Input/Output)ポート704、及び電源回路705を備える。
【0116】
CPU701は、ドライバー装置110を構成する部品の一つで、各装置の制御やデータの計算、加工を行う装置である。具体的に説明すると、CPU701は、不揮発メモリ703に記憶されたプログラムを実行する装置で、呼気中アルコール検査装置191、USBメモリ192、デジタルカメラ193、血圧計194、データ通信専用装置195、スイッチからデータを受け取り、演算、加工した上で、データ通信専用装置195や不揮発メモリ703に出力する。CPU701には、1回の命令で同時に処理できるデータの量によって8ビット、16ビット、32ビット等の種類があり、値が大きいものほど性能が高い。また、CPU701には、同じビット数でも、1秒間に実行できる命令の回数やバスト呼ばれる周辺装置とのデータ伝送路が一度に運べるデータの量等に違いがあり、これらの値が大きいものほど性能が高い。厳密には、1命令を行うのにかかるクロック数や同時に実行できる命令数等の違いにも影響される。
【0117】
メインメモリ702は、ドライバー装置110内においてデータやプログラムを記憶する装置である。メインメモリ702は、半導体素子を利用して電気的に記録を行うため、動作が高速で、CPUから直接読み書きすることができる。
【0118】
不揮発メモリ703は、電源を切っても記憶内容を保存することができるメモリである。不揮発メモリ703としては、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ、強誘電体メモリ、磁気抵抗メモリ等がこれにあたる。
【0119】
I/Oポート704は、ドライバー装置110内部において、CPU701が周辺機器にデータを送受信するために使う窓口である。それぞれのI/Oポートは、固有のI/Oポートアドレスを持ち、識別されている。
【0120】
電源回路705は、電源からの電力を供給するための回路である。
【0121】
CPU701が実行するプログラムは、不揮発メモリ703にインストールされ、メインメモリ702に読み出されてCPU701により実行される。CPU701により実行されるプログラムは、ドライバー装置110を、図1から図11に関連して説明したアルコール検査データ入力受付部111、ID読出部112、認証用データ入力受付部113、健康状態データ入力受付部114、タイミング取得部115、点呼データ送信部116、及び点呼データ格納部117として機能させる。
【0122】
図13は、サービス事業者装置130、及び運送事業者装置150をコンピュータ等の電子情報処理装置でそれぞれ構成した場合のハードウェア構成の一例を示す。サービス事業者装置130、及び運送事業者装置150は、CPU(Central Processing Unit)周辺部と、入出力部と、レガシー入出力部とを備える。CPU周辺部は、ホスト・コントローラ801により相互に接続されるCPU802、RAM(Random Access Memory)803、グラフィック・コントローラ804、及び表示装置805を有する。入出力部は、入出力コントローラ806によりホスト・コントローラ801に接続される通信インターフェース807、ハードディスクドライブ808、及びCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ809を有する。レガシー入出力部は、入出力コントローラ806に接続されるROM(Read Only Memory)810、フレキシブルディスク・ドライブ811、及び入出力チップ812を有する。
【0123】
ホスト・コントローラ801は、RAM803と、高い転送レートでRAM803をアクセスするCPU802、及びグラフィック・コントローラ804とを接続する。CPU802は、ROM810、及びRAM803に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部の制御をする。グラフィック・コントローラ804は、CPU802等がRAM803内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示装置805上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ804は、CPU802等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0124】
入出力コントローラ806は、ホスト・コントローラ801と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ808、通信インターフェース807、CD−ROMドライブ809を接続する。ハードディスクドライブ808は、CPU802が使用するプログラム、及びデータを格納する。通信インターフェース807は、ネットワーク通信装置891に接続してプログラム又はデータを送受信する。CD−ROMドライブ809は、CD−ROM892からプログラム又はデータを読み取り、RAM803を介してハードディスクドライブ808、及び通信インターフェース807に提供する。

入出力コントローラ806には、ROM810と、フレキシブルディスク・ドライブ811、及び入出力チップ812の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM810は、サービス事業者装置130、及び運送事業者装置150が起動時に実行するブート・プログラム、あるいはサービス事業者装置130、及び運送事業者装置150のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ811は、フレキシブルディスク893からプログラム又はデータを読み取り、RAM803を介してハードディスクドライブ808、及び通信インターフェース807に提供する。入出力チップ812は、フレキシブルディスク・ドライブ811、あるいはパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0125】
CPU802が実行するプログラムは、フレキシブルディスク893、CD−ROM892、又はIC(Integrated Circuit)カード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ808にインストールされ、RAM803に読み出されてCPU802により実行される。CPU802により実行されるプログラムは、サービス事業者装置130を、図1から図12に関連して説明した点呼データ受信部131、点呼データ転送部132、及びアドレス格納部133として機能させ、運送事業者装置150を、図1から図12に関連して説明した点呼データ受信部151、点呼情報出力部152、及びドライバー情報格納部153として機能させる。
【0126】
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク893、CD−ROM892の他に、DVD(Digital Versatile Disk)又はPD(Phase Disk)等の光学記録媒体、MD(MiniDisk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークあるいはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶媒体を記録媒体として使用して、ネットワークを介したプログラムとして提供してもよい。
【0127】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0128】
100 点呼管理システム
110 ドライバー装置
111 アルコール検査データ入力受付部
112 ID読出部
113 認証用データ入力受付部
114 健康状態データ入力受付部
115 タイミング取得部
116 点呼データ送信部
117 点呼データ格納部
130 サービス事業者装置
131 点呼データ受信部
132 点呼データ転送部
133 アドレス格納部
150 運送事業者装置
151 点呼データ受信部
152 点呼情報出力部
153 ドライバー情報格納部
170 通信回線
180 点呼情報
181 受信日時
182 社員番号
183 氏名
184 点呼タイミング
185 呼気中アルコール濃度
186 最高血圧
187 最低血圧
188 静止画
191 呼気中アルコール検査装置
192 USBメモリ
193 デジタルカメラ
194 血圧計
195 データ通信専用装置
801 ホスト・コントローラ
802 CPU
803 RAM
804 グラフィック・コントローラ
805 表示装置
806 入出力コントローラ
807 通信インターフェース
808 ハードディスクドライブ
809 CD−ROMドライブ
810 ROM
811 フレキシブルディスク・ドライブ
812 入出力チップ
891 ネットワーク通信装置
892 CD−ROM
893 フレキシブルディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバーに対する点呼を管理する点呼管理システムであって、
各種周辺機器を接続するための複数のインターフェースを具備し、ドライバーによって携帯されるドライバー装置と、
ドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置と
を備え、
前記ドライバー装置は、
ドライバーを識別するためのIDと、当該ドライバーの呼気中アルコールの検査結果を示すアルコール検査データとを含む点呼データを、前記インターフェースに接続されているデータ通信専用装置によって、通信回線を介して外部のコンピュータへ送信する点呼データ送信部
を有し、
前記運送事業者装置は、
前記ドライバー装置から送信された点呼データを受信する点呼データ受信部と、
前記点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれているIDによって識別されるドライバーに関する情報と、アルコール検査データによって示される、当該ドライバーの呼気中アルコールの検査結果の情報とを含む点呼情報を、出力装置へ出力する点呼情報出力部と
を有する点呼管理システム。
【請求項2】
前記ドライバー装置は、
前記インターフェースに接続されている呼気中アルコール検査装置から出力された、ドライバーの呼気中アルコールの検査結果を示すアルコール検査データの入力を受け付けるアルコール検査データ入力受付部
を更に有し、
前記点呼データ送信部は、前記アルコール検査データ入力受付部が入力を受け付けたアルコール検査データを含む点呼データを送信する
請求項1に記載の点呼管理システム。
【請求項3】
前記ドライバー装置は、
前記インターフェースに接続されている外部記憶装置に記憶されている、ドライバーを識別するためのIDを読み出すID読出部
を更に有し、
前記点呼データ送信部は、前記ID読出部が読み出したIDを含む点呼データを送信する
請求項1又は2に記載の点呼管理システム。
【請求項4】
前記運送事業者装置は、
ドライバーを識別するためのIDと、当該IDによって識別されるドライバーに関する情報とを対応付けて格納するドライバー情報格納部
を更に有し、
前記点呼情報出力部は、前記ドライバー情報格納部に格納されているドライバーに関する情報のうち、前記点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれているIDと対応付けて格納されているドライバーに関する情報を含む点呼情報を出力する
請求項1から3のいずれか一項に記載の点呼管理システム。
【請求項5】
前記ドライバー装置は、
前記インターフェースに接続されている認証用装置から出力された、ドライバーを認証するために用いられる認証用データの入力を受け付ける認証用データ入力受付部
を更に有し、
前記ドライバー装置の点呼データ送信部は、前記認証用データ入力受付部が入力を受け付けた認証用データを更に含む点呼データを送信し、
前記運送事業者装置の点呼情報出力部は、前記点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれている認証用データに基づく、ドライバーを認証するための情報を更に含む点呼情報を出力する
請求項1から4のいずれか一項に記載の点呼管理システム。
【請求項6】
前記ドライバー装置は、
前記インターフェースに接続されている医療用装置から出力された、ドライバーの健康状態を示す健康状態データの入力を受け付ける健康状態データ入力受付部
を更に有し、
前記ドライバー装置の点呼データ送信部は、前記健康状態データ入力受付部が入力を受け付けた健康状態データを更に含む点呼データを送信し、
前記運送事業者装置の点呼情報出力部は、前記点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれている健康状態データによって示される、ドライバーの健康状態の情報を更に含む点呼情報を出力する
請求項1から5のいずれか一項に記載の点呼管理システム。
【請求項7】
前記ドライバー装置は、
ドライバーが前記呼気中アルコール検査装置を用いて呼気中アルコールの検査を行ったタイミングを取得するタイミング取得部
を更に有し、
前記点呼データ送信部は、前記タイミング取得部が取得したタイミングを示すタイミングデータを更に含む点呼データを送信し、
前記運送事業者装置の点呼情報出力部は、前記点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれるタイミングデータによって示される、ドライバーが前記呼気中アルコール検査装置を用いて呼気中アルコールの検査を行ったタイミングの情報を更に含む点呼情報を出力する
請求項1から6のいずれか一項に記載の点呼管理システム。
【請求項8】
前記ドライバー装置は、ドライバーが前記呼気中アルコール検査装置を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングを指定して入力するためのスイッチを更に具備し、
前記タイミング取得部は、ドライバーが前記呼気中アルコール検査装置を用いて呼気中アルコールの検査を行うタイミングとして、前記スイッチの入力によって指定されたタイミングを取得する
請求項7に記載の点呼管理システム。
【請求項9】
前記ドライバー装置は、
点呼データを格納する点呼データ格納部
を更に有し、
前記点呼データ送信部は、前記外部のコンピュータへ点呼データを送信すると共に、当該点呼データを前記点呼データ格納部へ格納する
請求項1から8のいずれか一項に記載の点呼管理システム。
【請求項10】
前記点呼データ送信部は、前記外部のコンピュータへ点呼データを送信することができなかった場合、所定時間が経過した後に、前記点呼データ格納部に格納されている点呼データを読み出して送信する
請求項9に記載の点呼管理システム。
【請求項11】
複数の運送事業者に対して当該点呼管理システムのサービスを提供するサービス事業者によって管理されるサービス事業者装置
を更に備え、
前記ドライバー装置の点呼データ送信部は、点呼データを送信する送信先の外部のコンピュータとして、前記サービス事業者装置へ点呼データを送信し、
前記サービス事業者装置は、
前記ドライバー装置から送信された点呼データを受信する点呼データ受信部と、
当該サービス事業者装置の点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれているIDによって識別されるドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置へ、当該サービス事業者装置の点呼データ受信部が受信した点呼データを転送する点呼データ転送部と
を有し、
前記運送事業者装置の点呼データ受信部は、前記ドライバー装置から送信されて、前記サービス事業者装置によって転送された点呼データを受信する
請求項1から10のいずれか一項に記載の点呼管理システム。
【請求項12】
各種周辺機器を接続するための複数のインターフェースを具備し、ドライバーによって携帯されるドライバー装置であって、
ドライバーを識別するためのIDと、当該ドライバーの呼気中アルコールの検査結果を示すアルコール検査データとを含む点呼データを、前記インターフェースに接続されているデータ通信専用装置によって、通信回線を介して外部のコンピュータへ送信する点呼データ送信部
を備えるドライバー装置。
【請求項13】
ドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置であって、
各種周辺機器を接続するための複数のインターフェースを具備し、ドライバーによって携帯されるドライバー装置から送信された点呼データを受信する点呼データ受信部と、
前記点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれているIDによって識別されるドライバーに関する情報と、アルコール検査データによって示される、当該ドライバーの呼気中アルコールの検査結果の情報とを含む点呼情報を、出力装置へ出力する点呼情報出力部と
を備える運送事業者装置。
【請求項14】
ドライバーが所属している運送事業者によって管理される運送事業者装置用のプログラムであって、前記運送事業者装置を、
各種周辺機器を接続するための複数のインターフェースを具備し、ドライバーによって携帯されるドライバー装置から送信された点呼データを受信する点呼データ受信部、
前記点呼データ受信部が受信した点呼データに含まれているIDによって識別されるドライバーに関する情報と、アルコール検査データによって示される、当該ドライバーの呼気中アルコールの検査結果の情報とを含む点呼情報を、出力装置へ出力する点呼情報出力部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−159959(P2012−159959A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18267(P2011−18267)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390022389)サンコーテクノ株式会社 (52)