説明

無効電力補償装置及び信号ケーブル

【課題】単独運転と親子運転とを容易、且つ確実に切り替えることができる無効電力補償装置及び信号ケーブルを提供する。
【解決手段】無効電力補償装置10は、電力系統1に無効電力を供給して電圧調整を行うとともに、単独で動く単独運転と、複数台が親機と子機となって並列で動く親子運転とが可能である。無効電力補償装置10は、単独運転時及び親子運転時に親機側無効電力補償装置10a及び親機側開閉器2aを繋ぐ親機側信号ケーブル21と、単独運転時に子機側無効電力補償装置10b及び子機側開閉器2bを繋ぎ、また親子運転時に子機側開閉器2b及び親機側無効電力補償装置10aを繋ぐ子機側信号ケーブル22とを備える。このため、無効電力補償装置10は、信号ケーブル21,22の接続先の変更によって単独運転と親子運転とを容易、且つ確実に切り替えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力系統に無効電力を供給して系統電圧を調整するとともに、単独で動く単独運転と、複数台が親機と子機となって並列で動く親子運転とが可能な無効電力補償装置及び、この無効電力補償装置に用いる信号ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電力が大きく変動する負荷が接続されている電力系統においては、その電力系統の電圧が負荷に流れる電流に応じて変動する。このような電圧電動を抑制するために設置される装置の一つに無効電力補償装置がある。この無効電力補償装置は、系統電圧が低下しているときには進み無効電力を電力系統に供給し、一方、系統電圧が上昇しているときには遅れ無効電力を電力系統に供給することで、電圧変動を調整する。電力系統の電圧変動が大きく無効電力補償装置1台では容量不足となる場合には、無効電力補償装置を複数台設置して並列運転を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
無効電力補償装置を複数台並列運転する際には、1台が親機となり、その他は親機からの指令によって動作する子機となる親子運転が行われる。また、点検時や故障時には、親子運転に代えて、複数台のうち1台のみが動作する単独運転が行われる。なお、無効電力補償装置を単独運転していた電力系統において電圧変動の大きい負荷が設置された際には、無効電力補償装置を増設して親子運転を行うことも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−45667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献の親子運転を行う無効電力補償装置には、通信手段としての送信手段及び受信手段が設けられている。これら送信手段と受信手段との間は、有線又は無線でデジタル信号を送受信している。したがって、これら通信手段を設けるので、制御が複雑となるとともに高価となってしまう。
【0006】
また、親子運転時の親機と子機とのいずれかに切り替える切替手段が各無効電力補償装置に設けられている。しかしながら、スイッチ操作やキー操作等によって切り替えられるので、切り替えを間違えると誤動作するおそれがあった。
【0007】
したがって、これらの問題に対応するために、単独運転と親子運転とを容易、且つ確実に切り替えられる無効電力補償装置が求められていた。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、単独運転と親子運転とを容易、且つ確実に切り替えることができる無効電力補償装置及び信号ケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、電力系統に無効電力を供給して電圧調整を行うとともに、単独で動く単独運転と、複数台が親機と子機となって並列で動く親子運転とが可能な無効電力補償装置において、前記単独運転時及び前記親子運転時に親機側無効電力補償装置及び親機側開閉器を繋ぐ親機側信号ケーブルと、前記単独運転時に子機側無効電力補償装置及び子機側開閉器を繋ぎ、また前記親子運転時に前記子機側開閉器及び前記親機側無効電力補償装置を繋ぐ子機側信号ケーブルとを備えることをその要旨としている。
【0009】
同構成によれば、単独運転時及び親子運転時に親機側無効電力補償装置及び親機側開閉器を繋ぐ親機側信号ケーブルと、単独運転時に子機側無効電力補償装置及び子機側開閉器を繋ぎ、親子運転時に子機側開閉器及び親機側無効電力補償装置を繋ぐ子機側信号ケーブルとを備えた。このため、従来のようにスイッチ操作やキー操作等のみで切り替えることなく、子機側信号ケーブルの接続先を単独運転と親子運転との切り替えに伴って変更することで、単独運転と親子運転とを容易、且つ確実に切り替えることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無効電力補償装置において、前記単独運転時に前記親機側信号ケーブルが接続される単独運転用挿込口と、前記親子運転時に前記親機側信号ケーブルが接続される親子運転用挿込口とを備えることをその要旨としている。
【0011】
同構成によれば、単独運転時に親機側信号ケーブルが接続される単独運転用挿込口と、親子運転時に親機側信号ケーブルが接続される親子運転用挿込口とを備えた。このため、親機側信号ケーブルの挿入先を替えることで単独運転と親子運転とを切り替えることができ、単独運転と親子運転とを容易、且つ確実に切り替えることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の無効電力補償装置において、前記親機側信号ケーブルと前記子機側信号ケーブルとの各無効電力補償装置側プラグ内のピンの短絡位置を各々異ならせて形成し、前記信号ケーブルが前記無効電力補償装置の挿込口に接続された際に前記信号ケーブルの前記短絡位置が前記挿込口と一致すること、又は前記親機側無効電力補償装置の前記信号ケーブルが挿込口に接続された際に前記信号ケーブルの前記短絡位置が前記挿込口と一致することを条件に制御動作を許可することをその要旨としている。
【0013】
ここで、単独運転から親子運転への切り替えや親子運転から単独運転への切り替え時に、信号ケーブルを異なる接続先に接続する誤接続をすると、動作しないおそれがあり、接続確認を十分にする必要がある。そこで、信号ケーブルのプラグ形状を親機側と子機側とでそれぞれ異ならせることも考えられるが、いずれの無効電力補償装置にも接続させる必要があるため、信号ケーブルのプラグ形状を異ならせることはできず、誤接続を防止する対策が求められていた。そこで、上記構成によれば、親機側信号ケーブルと子機側信号ケーブルとの各無効電力補償装置側プラグ内のピンの短絡位置を各々異なる位置に形成することで、各信号ケーブルが各無効電力補償装置に接続された際に、無効電力補償装置が両信号ケーブルの短絡位置から正しい接続状態であるか否かを判断することが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の無効電力補償装置において、前記親機側無効電力補償装置と前記子機側無効電力補償装置とには、各信号ケーブルが正しく接続された際に、前記ピンの短絡によって通電される中継器が設けられ、通電した前記中継器の組み合わせによって前記短絡位置が一致したか否かを判定することをその要旨としている。
【0015】
同構成によれば、各信号ケーブルのピンの短絡が接続される中継器が各無効電力補償装置に設けられ、各信号ケーブルが各無効電力補償装置に接続されたことによって通電された中継器の組み合わせから信号ケーブルが正しい接続先に接続されているか否かが電気的に容易に判定することが可能である。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の無効電力補償装置において、前記親機側無効電力補償装置と前記子機側無効電力補償装置とには、各信号ケーブルが誤接続された際に、前記ピンの短絡によって通電される中継器が設けられ、通電した前記中継器の組み合わせによって前記短絡位置が一致したか否かを判定することをその要旨としている。
【0017】
同構成によれば、各信号ケーブルのピンの短絡が接続される中継器が無効電力補償装置に設けられ、信号ケーブルが無効電力補償装置に誤接続されたことによって通電された中継器から信号ケーブルが誤った接続先に接続されているか否かが電気的に容易に判定することが可能である。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の無効電力補償装置において、前記通電した中継器の組み合わせによって前記単独運転と前記親子運転とを切り換えることをその要旨としている。
【0019】
同構成によれば、通電した中継器の組み合わせによって運転が切り換えられるので、単独運転と親子運転とを切り換える切り換えスイッチを別途設けなくて済むので、構成を簡易にすることができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、電力系統に無効電力を供給して電圧調整を行うとともに、単独で動く単独運転と、複数台が親機と子機となって並列で動く親子運転とが可能な無効電力補償装置に用いられる信号ケーブルにおいて、前記単独運転時に親機側無効電力補償装置及び親機側開閉器を繋ぐ親機側信号ケーブルと、前記単独運転時に子機側無効電力補償装置及び子機側開閉器を繋ぎ、また前記親子運転時に前記子機側開閉器及び前記親機側無効電力補償装置を繋ぐ子機側信号ケーブルとの各無効電力補償装置側プラグ内のピンの短絡位置を各々異ならせて形成し、前記信号ケーブルが前記無効電力補償装置の挿込口に接続された際に前記信号ケーブルの前記短絡位置が前記挿込口と一致すること、又は前記親機側無効電力補償装置の挿込口に接続された際に前記短絡位置が前記挿込口と一致することを条件に前記無効電力補償装置が動作することをその要旨としている。
【0021】
同構成によれば、単独運転時及び親子運転時に親機側無効電力補償装置及び親機側開閉器を繋ぐ親機側信号ケーブルと、単独運転時に子機側無効電力補償装置及び子機側開閉器を繋ぎ、親子運転時に子機側開閉器及び親機側無効電力補償装置を繋ぐ子機側信号ケーブルとを備えた。このため、従来のようにスイッチ操作やキー操作等のみで切り替えることなく、子機側信号ケーブルの接続先を単独運転と親子運転との切り替えに伴って変更することで、単独運転と親子運転とを容易、且つ確実に切り替えることができる。ここで、単独運転から親子運転への切り替えや親子運転から単独運転への切り替え時に、信号ケーブルを異なる接続先に接続する誤接続をすると、動作しないおそれがあり、接続確認を十分にする必要がある。そこで、信号ケーブルのプラグ形状を親機側と子機側とでそれぞれ異ならせることも考えられるが、いずれの無効電力補償装置にも接続させる必要があるため、信号ケーブルのプラグ形状を異ならせることはできず、誤接続を防止する対策が求められていた。そこで、上記構成によれば、親機側信号ケーブルと子機側信号ケーブルとの各無効電力補償装置側プラグ内のピンの短絡位置を各々異なる位置に形成することで、各信号ケーブルが各無効電力補償装置に接続された際に、無効電力補償装置が両信号ケーブルの短絡位置から正しい接続状態であるか否かを判断して無効電力補償装置が動作することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、単独運転と親子運転とを容易、且つ確実に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】無効電力補償装置の概略構成図。
【図2】単独運転時の親機側無効電力補償装置の設置状態を示す構成図。
【図3】単独運転時の子機側無効電力補償装置の設置状態を示す構成図。
【図4】親子運転時の無効電力補償装置の設置状態を示す構成図。
【図5】(a)親機側信号ケーブルの外観を示す図、(b)親機側信号ケーブルのピンの短絡位置を示す模式図。
【図6】(a)親機側信号ケーブルの外観を示す図、(b)親機側信号ケーブルのピンの短絡位置を示す模式図。
【図7】(a)(b)親機側無効電力補償装置の判定回路を示す図。
【図8】(a)プラグの接続パターン、(b)中継器の通電パターンを示す図。
【図9】(a)(b)子機側無効電力補償装置の判定回路を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図9を参照して説明する。
図1に示されるように、無効電力補償装置10は、電力系統1に対して開閉器2及び変圧器3を介して並列接続されている。無効電力補償装置10は、電力系統1に接続された負荷4等によって電圧変動が発生する際に、無効電力を供給することにより電力系統1の系統電圧を調整する装置である。本実施例の無効電力補償装置10は、主回路にインバータ11を備え、同インバータ11が連系リアクトル12を介して電力系統1に並列接続されている。インバータ11には、電位確立用のコンデンサ13が接続されている。開閉器2には、電力系統1の電流を検出する二つの電流センサCTと、電力系統1の電圧を検出する電圧センサPTが設けられている。また、無効電力補償装置10には、制御装置14が設けられている。同制御装置14には、二つの電流センサCT及び電圧センサPTが接続されている。無効電力補償装置10は、系統電圧とインバータ出力電圧との電圧差で連系リアクトル12に流れる無効電力を調整しながら、連続的に出力を可変することで電力系統1の電圧を調整する。なお、本実施例の無効電力補償装置10は、SVG(Static Var Generator)方式の装置である。
【0025】
無効電力補償装置10は、インバータ11の出力電圧を系統電圧の位相と同期させ、大きさを変化させることにより、系統電圧から90度遅れ、進みの電流が連系リアクトル12に流れる。すなわち、無効電力補償装置10から電力系統1から見ると、可変の進相コンデンサや分路リアクトルが接続されているように動作する。例えば、負荷4の変動により電力系統1の電圧が低下した場合には、電力系統1から見て進相コンデンサと同様な動作をして電圧を持ち上げる。また、電力系統1の電圧が上昇した場合には、電力系統1から見て分路リアクトルと同様な動作をして電圧を下げる。
【0026】
無効電力補償装置10は、連系点の電圧を定電圧管理する「電圧一定制御」と、連系点より電源側の無効電力が零になるように管理する「力率1制御」との2つの制御方式がある。電圧一定制御は、連系点の電圧を設定値と一致するように無効電力を連続的に発生する。一方、力率1制御は、連系点の負荷側の無効電力を検出し、電源側の無効電力が零になるように無効電力を連続的に発生する。なお、制御方式は、用途に応じて選択可能である。
【0027】
そして、本実施例の無効電力補償装置10は、電力系統1に1台の無効電力補償装置10が接続されて単独運転の状態において、負荷4による電圧変動に対して動作容量が不足する際には増設することが可能である。すなわち、もう1台の無効電力補償装置10を増設して並列で親子運転することで、無効電力の発生容量を増加させる。
【0028】
図2〜図4に示されるように、無効電力補償装置10は、変圧器3を介して開閉器2に電気的に接続されている。また、無効電力補償装置10と制御対象としての開閉器2とには、信号ケーブル20,21,22が接続される。すなわち、無効電力補償装置10と開閉器2とには、開閉器2(2a,2b)の電流センサCT及び電圧センサPTからの検出データを取得する検出信号ケーブル20が接続されている。また、親子運転時には、親機側無効電力補償装置10aと子機側無効電力補償装置10bとは、親機と子機との間で制御情報を送る2本の親子運転用信号ケーブル23によって接続されている。
【0029】
図2に示されるように、親機側無効電力補償装置10aの単独運転時には、親機側無効電力補償装置10aと親機側開閉器2aとには、親機側開閉器2aの開閉の制御信号を送る親機側信号ケーブル21(図5(a)参照)が接続されている。この親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aは、単独運転時と親子運転時との運転状態によって親機側無効電力補償装置10aの挿込口25,27を替えられ、単独運転時には単機用挿込口25に接続されている。よって、親機側無効電力補償装置10aが親機側開閉器2aの開閉を制御する。なお、親機側プラグ21aが無効電力補償装置側プラグに相当する。
【0030】
一方、図3に示されるように、子機側無効電力補償装置10bの単独運転時には、子機側無効電力補償装置10bと子機側開閉器2bとには、子機側開閉器2bの開閉の制御信号を送る子機側信号ケーブル22(図6(a)参照)が接続されている。この子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aは、親機側信号ケーブル21と同様に、単独運転時と親子運転時との運転状態によって子機側無効電力補償装置10bの接続先としての挿込口を替えられ、単独運転時には単機用挿込口26に接続されている。よって、子機側無効電力補償装置10bが子機側開閉器2bの開閉を制御する。なお、子機側プラグ22aが無効電力補償装置プラグに相当する。
【0031】
そして、図4に示されるように、親機側無効電力補償装置10aと子機側無効電力補償装置10bとの親子運転時には、親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aを親機側無効電力補償装置10aの単機用挿込口25から親機側無効電力補償装置10aの親子運転(MS(Main−Sub)運転)の親機(M)側のMS−M挿込口27に接続される。また、子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aを子機側無効電力補償装置10bの単機用挿込口26から親機側無効電力補償装置10aの親子運転(MS運転)の子機(S)側のMS−S挿込口28に接続される。よって、親機側無効電力補償装置10aが親機側開閉器2a及び子機側開閉器2bの開閉を制御する。単機用挿込口25及び単機用挿込口26は、単独運転用挿込口に相当する。MS−M挿込口27及びMS−S挿込口28は、親子運転用挿込口に相当する。
【0032】
ここで、単独運転から親子運転に替えられたり、親子運転から単独運転に替えられたりする際には、親機側信号ケーブル21と子機側信号ケーブル22との接続先を替えることとなる。この際、親機側信号ケーブル21又は子機側信号ケーブル22を間違った接続先(挿込口)に接続する誤接続をすると、無効電力補償装置10が動作しないおそれがある。
【0033】
そこで、本実施例では、図5(a)に示されるように、親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aのケーブル近傍部分には、「SVG−M側」と印字されたシール21cが貼り付けられている。一方、親機側信号ケーブル21の開閉器側プラグ21bのケーブル近傍部分には、「開閉器−M側」と印字されたシール21dが貼り付けられている。図6(a)に示されるように、子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aのケーブル近傍部分には、「SVG−S側」と印字されたシール22cが貼り付けられている。一方、子機側信号ケーブル22の開閉器側プラグ22bのケーブル近傍部分には、「開閉器−S側」と印字されたシール22dが貼り付けられている。よって、これらシールを確認すれば、親機側信号ケーブル21及び子機側信号ケーブル22のプラグ21a,21b,22a,22bのうち、無効電力補償装置側と開閉器側とを間違えることはほぼない。このため、親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aと子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aとを正しい挿込口25,27,28に接続することが重要である。
【0034】
そして、親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aと子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aとのそれぞれに設けられる複数個(本実施例では8個)のピンのうち2つのピンを選択して短絡を形成するとともに、その短絡位置を異ならせている。図5(b)に示されるように、親機側信号ケーブル21は、親機側プラグ21aに設けられる複数個のピンのうち6番目と7番目とのピンがプラグ内部で短絡されている。図5(b)は、模式的に図示している。図6(b)に示されるように、子機側信号ケーブル22は、子機側プラグ22aに設けられる複数個のピンのうち7番目と8番目とのピンがプラグ内部で短絡されている。図6(b)は、模式的に図示している。
【0035】
また、図7(a)に示されるように、親機側信号ケーブル21の接続先としての親機側無効電力補償装置10aの挿込口25,27,28には、短絡位置が一致したか否かを判定する中継器R1,R2,R3がそれぞれ接続されている。親機側無効電力補償装置10aが単独運転する際に、単機用挿込口25に親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aを接続すると、親機側プラグ21aの6番目と7番目とのピンの短絡によって中継器R1が通電される。一方、親子運転する際に、MS−M挿込口27に親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aを接続すると、親機側プラグ21aの6番目と7番目とのピンの短絡によって中継器R2が通電される。また、MS−S挿込口28に子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aを接続すると、子機側プラグ22aの7番目と8番目とのピンの短絡によって中継器R3が通電される。
【0036】
さらに、親機側無効電力補償装置10aの挿込口27には、誤接続によって短絡位置が一致したか否かを判定する中継器R7が接続されている。親子運転する際に、MS−M挿込口27に子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aを誤接続すると、子機側プラグ22aの7番目と8番目とのピンの短絡によって中継器R7が通電される。例えば、親機側の単独運転をする予定でありながら、親機側プラグ21aを単機用挿込口25に接続した上で、子機側プラグ22aをMS−M挿込口27に接続した場合に、誤接続を検知することができる。
【0037】
また、これら中継器R1,R2,R3,R7には、これら中継器R1,R2,R3,R7の通電状態又は非通電状態の組み合わせによって通電される中継器R4,R5,R6が接続されている。中継器R1が非通電状態、且つ中継器R2が通電状態となると、中継器R4が通電される。また、中継器R1が非通電状態、且つ中継器R3が通電状態となると、中継器R5が通電される。また、中継器R1が通電状態、且つ中継器R2,R3,R7が非通電状態となると、中継器R6が通電される。
【0038】
ここで、図8(a)には、挿込口に対するプラグの接続パターンを示す。なお、図中の数字は、挿込口又はプラグを示す符号である。また、図8(b)には、挿込口に対するプラグの接続による中継器の通電パターンを示す。なお、図中の「○」は通電を示すとともに、「×」は非通電を示す。ここで、正しい接続(正接続)時には、中継器の通電パターンとプラグの接続パターンとは一対一対応となる。一方で、誤接続時においては、中継器の通電パターンが同一であっても、プラグの接続パターンが同一であるとは限らない。
【0039】
そして、図7(b)に示されるように、親機側無効電力補償装置10aの親機側制御装置14aは、中継器R4,R5のみが通電されると、親子運転であると判定し、親子運転に切り替えて親子運転での動作を許可する。一方、親機側制御装置14aは、中継器R6が通電されると、親機側無効電力補償装置10aの単独運転であると判定し、単独運転に切り替えて単独運転での動作を許可する。また、親機側プラグ21aと子機側プラグ22aとが間違った挿込口25,27,28に接続された誤接続の場合には、中継器R4,R5,R6の組み合わせが上記のいずれにも一致しない。このため、親機側制御装置14aは、単独運転及び親子運転のいずれにも判定せず、動作を許可しない。
【0040】
また、図9(a)に示されるように、子機側信号ケーブル22の接続先としての子機側無効電力補償装置10bの挿込口26には、短絡位置が一致したか否かを判定する中継器R8が接続されている。子機側無効電力補償装置10bが単独運転する際に、単機用挿込口26に子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aを接続すると、子機側プラグ22aの7番目と8番目とのピンの短絡によって中継器R8が通電される。一方、親子運転する際には、単機用挿込口26に子機側プラグ22aは接続されない。
【0041】
そして、図9(b)に示されるように、子機側無効電力補償装置10bの子機側制御装置14bは、中継器R8が通電されると、子機側無効電力補償装置10bの単独運転であると判定し、単独運転に切り替えて単独運転での動作を許可する。また、子機側制御装置14bは、中継器R8が非通電状態において、親子運転用信号ケーブル23が接続されて信号が入力される際には、親子運転として親機側無効電力補償装置10aの指令に従って動作する。
【0042】
次に、親機側無効電力補償装置10aの単独運転から親機側無効電力補償装置10aと子機側無効電力補償装置10bとの親子運転に切り替える際について説明する。
図2に示されるように、電力系統1に親機側無効電力補償装置10aが1台設置された単独運転時には、親機側信号ケーブル21の開閉器側プラグ21bが親機側開閉器2aに接続されるとともに、親機側プラグ21aが親機側無効電力補償装置10aの単機用挿込口25に接続される。また、親機側検出信号ケーブル20aは、親機側開閉器2aと親機側無効電力補償装置10aとに接続されている。なお、親子運転時に使用するMS−M挿込口27及びMS−S挿込口28には何も接続されていない。
【0043】
ここで、図7に示されるように、親機側プラグ21aが単機用挿込口25に接続されたことによって中継器R1が通電されるとともに、中継器R2,R3,R7が通電されない。詳しくは、親機側プラグ21aの6番目と7番目とのピンが短絡しているので、単機用挿込口25の6番目と7番目とのピンが通電されることで、中継器R1が通電される。また、MS−M挿込口27及びMS−S挿込口28にプラグが接続されないので、中継器R2,R3,R7は非通電である。よって、中継器R6のみ通電されるので、親機側無効電力補償装置10aの親機側制御装置14aは、単独運転であると判定し、単独運転として動作する。
【0044】
一方で、例えば、親機側プラグ21aをMS−M挿込口27に間違って接続した際には、中継器R2が通電されるとともに、中継器R1,R3,R7が通電されない。詳しくは、親機側プラグ21aの6番目と7番目とのピンが短絡しているので、MS−M挿込口27の6番目と7番目とのピンが通電されることで、中継器R2が通電される。また、親機側プラグ21aの6番目と7番目とのピンが短絡しているので、MS−M挿込口27の7番目と8番目とのピンが通電されないことで、中継器R7が通電されない。また、単機用挿込口25及びMS−S挿込口28にはプラグが接続されないので、中継器R1,R3は非通電状態である。よって、中継器R4にのみ通電されるので、親機側無効電力補償装置10aの親機側制御装置14aは、誤接続であると判定して動作を許可しない。同様に、親機側プラグ21aをMS−S挿込口28に間違って接続した際には、中継器R1,R2,R3,R7が通電されない。よって、中継器R4,R5,R6のいずれも通電されないので、親機側無効電力補償装置10aの親機側制御装置14aは、誤接続であると判定して動作を許可しない。
【0045】
続いて、図4に示されるように、親機側無効電力補償装置10aが設置された電力系統1に子機側無効電力補償装置10bを増設することによって親子運転に切り替える。詳しくは、まず、親機側無効電力補償装置10aと子機側無効電力補償装置10bとを並設する。そして、親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aが親機側無効電力補償装置10aの単機用挿込口25から外されて、MS−M挿込口27に接続される。また、子機側信号ケーブル22の開閉器側プラグ22bが子機側開閉器2bに接続されるとともに、子機側プラグ22aが親機側無効電力補償装置10aのMS−S挿込口28に接続される。また、子機側検出信号ケーブル20bは、子機側開閉器2bと子機側無効電力補償装置10bとに接続されている。なお、親子運転用信号ケーブル23は、親機側無効電力補償装置10aと子機側無効電力補償装置10bとに接続されている。
【0046】
ここで、図7に示されるように、親機側プラグ21aがMS−M挿込口27に接続されたことによって中継器R2が通電されるとともに、中継器R1,R7は通電されない。詳しくは、親機側プラグ21aの6番目と7番目とのピンが短絡しているので、MS−M挿込口27の6番目と7番目とのピンが通電されることで、中継器R2が通電される。また、親機側プラグ21aの6番目と7番目とのピンが短絡しているので、MS−M挿込口27の7番目と8番目とのピンが通電されないことで、中継器R7が通電されない。また、単機用挿込口25にプラグが接続されないので、中継器R1は通電されない。一方、子機側プラグ22aがMS−S挿込口28に接続されたことによって中継器R3が通電される。詳しくは、子機側プラグ22aの7番目と8番目とのピンが短絡しているので、MS−S挿込口28の7番目と8番目とのピンが通電されることで、中継器R3が通電される。よって、中継器R4,R5のみ通電されるので、親機側無効電力補償装置10aの親機側制御装置14aは、親子運転であると判定し、親子運転として動作する。
【0047】
一方で、例えば、親機側プラグ21aをMS−S挿込口28に間違って接続した際には、中継器R3が通電されない。詳しくは、親機側プラグ21aの6番目と7番目とのピンが短絡しているので、MS−S挿込口28の7番目と8番目とのピンが通電されないことで、中継器R3が通電されない。また、子機側プラグ22aをMS−M挿込口27に接続した際には、中継器R7が通電されるとともに、中継器R2が通電されない。詳しくは、子機側プラグ22aの7番目と8番目とのピンが短絡しているので、MS−M挿込口27の7番目と8番目とのピンが通電されることで、中継機R7が通電される。また、子機側プラグ22aの7番目と8番目とのピンが短絡しているので、MS−M挿込口27の6番目と7番目とのピンが通電されないことで、中継器R2が通電されない。
【0048】
このとき、単機用挿込口25にはプラグが接続されないので、中継器R1は非通電状態である。よって、中継器R4,R5,R6のいずれも通電しないので、親機側無効電力補償装置10aの親機側制御装置14aは、誤接続であると判定して動作を許可しない。同様に、親機側プラグ21a及び子機側プラグ22aの少なくとも一方を間違って接続した際にも、親機側無効電力補償装置10aの親機側制御装置14aは、誤接続であると判定して動作を許可しない。
【0049】
また、親子運転から親機側無効電力補償装置10aや子機側無効電力補償装置10bの単独運転に切り替える際においても、親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aと子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aとがそれぞれ正しい挿込口に接続されなければ、親機側無効電力補償装置10aの親機側制御装置14a及び子機側無効電力補償装置10bの子機側制御装置14bは誤接続と判定して動作を許可しない。
【0050】
さて、本実施形態では、親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aと子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aとに設けられるピンのうち2つのピンをそれぞれ選択して短絡させ、この短絡位置を異ならせて設定した。そして、親機側無効電力補償装置10aの挿込口25,27,28に親機側プラグ21aと子機側プラグ22aとの短絡位置が正しいか否かを判定する中継器R1,R2,R3,R7を設けた。このため、単独運転及び親子運転に対応した挿込口25,27,28に親機側プラグ21aと子機側プラグ22aとが正しく接続されたときのみ、中継器R1,R2,R3が通電されるので、正しい接続である否かを判定することができる。また、中継器R1,R2,R3,R7の通電・非通電状態に応じて通電する中継器R4,R5,R6が設けられるので、これら中継器R4,R5,R6の通電状態の組み合わせによって、単独運転又は親子運転のいずれであるかを判定することができる。そして、運転状態を単独運転又は親子運転に切り替えることができる。
【0051】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)単独運転時及び親子運転時に親機側無効電力補償装置10a及び親機側開閉器2aを繋ぐ親機側信号ケーブル21と、単独運転時に子機側無効電力補償装置10b及び子機側開閉器2bを繋ぎ、親子運転時に子機側開閉器2b及び親機側無効電力補償装置10aを繋ぐ子機側信号ケーブル22とを備えた。このため、従来のようにスイッチ操作やキー操作等のみで切り替えることなく、子機側信号ケーブル22の接続先を単独運転と親子運転との切り替えに伴って変更することで、単独運転と親子運転とを容易、且つ確実に切り替えることができる。
【0052】
(2)単独運転時に親機側信号ケーブル21が接続される単独運転用の単機用挿込口25と、親子運転時に親機側信号ケーブル21が接続される親子運転用親機側のMS−M挿込口27とを備えた。このため、親機側信号ケーブル21の挿入先を替えることで、単独運転と親子運転とを容易、且つ確実に切り替えることができる。
【0053】
(3)親子運転時に子機側信号ケーブル22が接続される親子運転用子機側のMS−S挿込口28を備えた。このため、子機側信号ケーブル22の挿入先を子機側無効電力補償装置10bの単機用挿込口26から親機側無効電力補償装置10aの親子運転用子機側のMS−S挿込口28に替えることで、単独運転と親子運転とを更に容易、且つ確実に切り替えることができる。
【0054】
(4)親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aと子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aとのピンの短絡位置を各々異なる位置に形成した。このため、親機側信号ケーブル21及び子機側信号ケーブル22が各無効電力補償装置10a,10bの各挿込口25,26,27,28に接続された際に、無効電力補償装置10a,10bが親機側信号ケーブル21と子機側信号ケーブル22との短絡位置から正しい接続状態であるか否かを判断することができる。よって、万が一、信号ケーブル21,22を間違った挿込口25,26,27,28に接続すると、信号ケーブル21,22の短絡位置が一致せず、単独運転又は親子運転の制御動作を許可しないことで誤動作を防止することができる。
【0055】
(5)親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21a及び子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aのピンの短絡が接続される中継器R1,R2,R3,R7が親機側無効電力補償装置10aに設けられる。このため、親機側信号ケーブル21と子機側信号ケーブル22とが親機側無効電力補償装置10aに接続されたことによって通電された中継器R1,R2,R3,R7の組み合わせから親機側信号ケーブル21と子機側信号ケーブル22とが正しい接続先に接続されているか否かを電気的に容易に判定することができる。
【0056】
(6)子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aのピンの短絡が接続される中継器R7が親機側無効電力補償装置10aに設けられる。このため、子機側信号ケーブル22が親機側無効電力補償装置10aに誤接続されたことによって通電された中継器R7から子機側信号ケーブル22が誤った接続先に接続されているか否かが電気的に容易に判定することができる。
【0057】
(7)親機側無効電力補償装置10aは、通電した中継器R1,R2,R3,R7に応じて通電する中継器R4,R5,R6の組み合わせによって運転を切り換えられる。このため、単独運転と親子運転とを切り換える切り換えスイッチを別途設けなくて済むので、構成を簡易にすることができる。
【0058】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、中継器R1,R2,R3,R7の通電状態に応じて通電する中継器R4,R5,R6の通電状態の組み合わせによって、単独運転又は親子運転のいずれであるかを判定した。しかしながら、中継器R1,R2,R3,R7の通電状態から中継器R1のみ通電状態のときは単独運転、中継器R2,R3が通電状態のときは親子運転と判定してもよい。
【0059】
・上記実施形態では、親機側プラグ21aと子機側プラグ22aとが正しい挿込口に接続されていることを判定するとともに、単独運転と親子運転とを切り替えるようにした。しかしながら、単独運転と親子運転との切り替えは、手動操作等で別途行うようにしてもよい。
【0060】
・上記実施形態では、親機と子機を予め決定した無効電力補償装置10としたが、親機と子機との区別のない無効電力補償装置10としてもよい。そして、信号ケーブルが接続された無効電力補償装置10が親機となるようにしてもよい。例えば、図3及び図4に示されるように、親子運転時に子機となる無効電力補償装置10にもMS−M挿込口37及びMS−S挿込口38を設ける。そして、親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aと子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aとが接続された無効電力補償装置10が親機となる。MS−M挿込口37及びMS−S挿込口38は、親子運転用挿込口に相当する。
【0061】
・上記実施形態では、親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21a及び子機側信号ケーブル22の子機側プラグ22aのピンを8個としたが、無効電力補償装置10に合わせてピンの数量は変更してもよい。
【0062】
・上記実施形態では、親機側プラグ21aのピンの短絡位置の組み合わせを6番目と7番目とするとともに、子機側プラグ22aのピンの短絡位置の組み合わせを7番目と8番目としたが、親機側プラグ21aと子機側プラグ22aとのピンの短絡位置の組み合わせが異なればいずれの組み合わせでもよい。
【0063】
・上記実施形態では、MS−M挿込口27にプラグの誤接続時に通電する中継器R7を接続したが、単機運転であることを接続状態以外で検知することができるならば、中継器R7を省略した構成を採用してもよい。
【0064】
・上記実施形態では、親機側プラグ21aと子機側プラグ22aとのピンのうち1組を短絡させたが、複数組短絡させてもよい。
・上記実施形態では、単独運転時と親子運転時において親機側信号ケーブル21の親機側プラグ21aの接続先を単機用挿込口25とMS−M挿込口27とに切り替えたが、1つの挿込口のみとしてもよい。この場合、親機側プラグ21aの挿込口とMS−S挿込口28とに親機側プラグ21a及び子機側プラグ22aとが正しく接続されているか否かを中継器の通電状態によって判定する。
【0065】
・上記実施形態では、信号ケーブル21,22のプラグ21a,22aのピンを短絡させたが、専用の信号ケーブル21,22を設けるのみで、プラグ21a,22aのピンを短絡させなくともよい。
【0066】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)電力系統に無効電力を供給して電圧調整を行うとともに、単独で動く単独運転と、複数台が親機と子機となって並列で動く親子運転とが可能な無効電力補償装置において、前記単独運転時に親機側無効電力補償装置及び親機側開閉器を繋ぐ親機側信号ケーブルと、前記単独運転時に子機側無効電力補償装置及び子機側開閉器を繋ぎ、また前記親子運転時に前記子機側開閉器及び前記親機側無効電力補償装置を繋ぐ子機側信号ケーブルとの各無効電力補償装置側プラグ内のピンの短絡位置を各々異ならせて形成し、前記信号ケーブルが前記無効電力補償装置の挿込口に接続された際に前記信号ケーブルの前記短絡位置が前記挿込口と一致すること、又は前記親機側無効電力補償装置の前記信号ケーブルが挿込口に接続された際に前記信号ケーブルの前記短絡位置が前記挿込口と一致することを条件に制御動作を許可することを特徴とする無効電力補償装置。
【0067】
同構成によれば、親機側信号ケーブルと子機側信号ケーブルとの各無効電力補償装置側プラグ内のピンの短絡位置を各々異なる位置に形成することで、各信号ケーブルが各無効電力補償装置に接続された際に、無効電力補償装置が両信号ケーブルの短絡位置から正しい接続状態であるか否かを判断することが可能となる。
【符号の説明】
【0068】
1…電力系統、2a(2)…親機側開閉器、2b(2)…子機側開閉器、3…変圧器、4…負荷、10a(10)…親機側無効電力補償装置、10b(10)…子機側無効電力補償装置、11…インバータ、12…連系リアクトル、13…コンデンサ、14a(14)…親機側制御装置、14b(14)…子機側制御装置、20…検出信号ケーブル、21…親機側信号ケーブル、21a…親機側プラグ、21b…開閉器側プラグ、22…子機側信号ケーブル、22a…子機側プラグ、22b…開閉器側プラグ、23…親子運転用信号ケーブル、25…単機用挿込口、26…単機用挿込口、27…MS−M挿込口、28…MS−S挿込口、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8…中継器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統に無効電力を供給して電圧調整を行うとともに、単独で動く単独運転と、複数台が親機と子機となって並列で動く親子運転とが可能な無効電力補償装置において、
前記単独運転時及び前記親子運転時に親機側無効電力補償装置及び親機側開閉器を繋ぐ親機側信号ケーブルと、
前記単独運転時に子機側無効電力補償装置及び子機側開閉器を繋ぎ、また前記親子運転時に前記子機側開閉器及び前記親機側無効電力補償装置を繋ぐ子機側信号ケーブルとを備える
ことを特徴とする無効電力補償装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無効電力補償装置において、
前記単独運転時に前記親機側信号ケーブルが接続される単独運転用挿込口と、前記親子運転時に前記親機側信号ケーブルが接続される親子運転用挿込口とを備える
ことを特徴とする無効電力補償装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の無効電力補償装置において、
前記親機側信号ケーブルと前記子機側信号ケーブルとの各無効電力補償装置側プラグ内のピンの短絡位置を各々異ならせて形成し、
前記信号ケーブルが前記無効電力補償装置の挿込口に接続された際に前記信号ケーブルの前記短絡位置が前記挿込口と一致すること、又は前記親機側無効電力補償装置の前記信号ケーブルが挿込口に接続された際に前記信号ケーブルの前記短絡位置が前記挿込口と一致することを条件に制御動作を許可する
ことを特徴とする無効電力補償装置。
【請求項4】
請求項3に記載の無効電力補償装置において、
前記親機側無効電力補償装置と前記子機側無効電力補償装置とには、各信号ケーブルが正しく接続された際に、前記ピンの短絡によって通電される中継器が設けられ、
通電した前記中継器の組み合わせによって前記短絡位置が一致したか否かを判定する
ことを特徴とする無効電力補償装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の無効電力補償装置において、
前記親機側無効電力補償装置と前記子機側無効電力補償装置とには、各信号ケーブルが誤接続された際に、前記ピンの短絡によって通電される中継器が設けられ、
通電した前記中継器の組み合わせによって前記短絡位置が一致したか否かを判定する
ことを特徴とする無効電力補償装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の無効電力補償装置において、
前記通電した中継器の組み合わせによって前記単独運転と前記親子運転とを切り換える
ことを特徴とする無効電力補償装置。
【請求項7】
電力系統に無効電力を供給して電圧調整を行うとともに、単独で動く単独運転と、複数台が親機と子機となって並列で動く親子運転とが可能な無効電力補償装置に用いられる信号ケーブルにおいて、
前記単独運転時に親機側無効電力補償装置及び親機側開閉器を繋ぐ親機側信号ケーブルと、前記単独運転時に子機側無効電力補償装置及び子機側開閉器を繋ぎ、また前記親子運転時に前記子機側開閉器及び前記親機側無効電力補償装置を繋ぐ子機側信号ケーブルとの各無効電力補償装置側プラグ内のピンの短絡位置を各々異ならせて形成し、
前記信号ケーブルが前記無効電力補償装置の挿込口に接続された際に前記信号ケーブルの前記短絡位置が前記挿込口と一致すること、又は前記親機側無効電力補償装置の挿込口に接続された際に前記短絡位置が前記挿込口と一致することを条件に前記無効電力補償装置が動作する
ことを特徴とする信号ケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−100463(P2012−100463A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247208(P2010−247208)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000102636)エナジーサポート株式会社 (51)
【Fターム(参考)】