説明

無効電力補償装置

【課題】有効電力及び無効電力の更なる変動に対応可能な無効電力補償装置を提供する。
【解決手段】無効電力補償装置は、電力系統の系統電圧を安定させるために力率一定制御方式によって電力系統に無効電力を出力する。無効電力補償装置は、出力無効電力Qの上下に無効電力上限値Qと無効電力下限値Qとを設定するとともに、無効電力上限値Qを上限、無効電力下限値Qを下限とする無効電力設定域QH−Lを設定し、出力無効電力Qが無効電力設定域QH−L内となるように段階的に変更する。よって、無効電力の定常的な出力を抑制して、有効電力及び無効電力の更なる変動に対応することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力系統に無効電力を出力して系統電圧を調整する無効電力補償装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電力が大きく変動する負荷が接続されている電力系統においては、その電力系統の電圧が負荷に流れる電流に応じて変動する。このような電圧電動を抑制するために設置される装置の一つに無効電力補償装置がある。この無効電力補償装置は、系統電圧が低下しているときには進み無効電力を電力系統に出力し、一方、系統電圧が上昇しているときには遅れ無効電力を電力系統に出力することで、電圧変動を調整する(例えば、特許文献1参照)。無効電力補償装置は、系統電圧と設定電圧との差に応じて常に動作しながら定常的な電圧変動を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−268805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、無効電力補償装置が、負荷による定常的な無効電力を補償するために運転している状況下において他の負荷による有効電力及び無効電力が更に生じると、無効電力補償装置の出力に余裕がなくなり、更なる有効電力及び無効電力を補償できないおそれがあった。そこで、有効電力及び無効電力の更なる変動に対応可能な無効電力補償装置が求められていた。
【0005】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、有効電力及び無効電力の更なる変動に対応可能な無効電力補償装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、電力系統の系統電圧を安定させるために電力系統に無効電力を出力する力率一定制御方式の無効電力補償装置において、出力無効電力の上下に無効電力上限値と無効電力下限値とを設定するとともに、当該無効電力上限値を上限、当該無効電力下限値を下限とする無効電力設定域を設定し、前記出力無効電力が前記無効電力設定域内となるように段階的に変更することをその要旨としている。
【0007】
同構成によれば、出力無効電力の上下に無効電力上限値と無効電力下限値とを設定するとともに、無効電力上限値を上限、無効電力下限値を下限とする無効電力設定域を設定して、出力無効電力が無効電力設定域内となるように出力無効電力を段階的に変更する。このため、無効電力設定域内となるように出力無効電力を設定するので、設定無効電力の1点に合わせるのではなく余裕のある幅で無効電力を出力可能である。よって、無効電力の定常的な出力を抑制して、有効電力及び無効電力の更なる変動に対応することが可能である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無効電力補償装置において、前記出力無効電力の一定時間における平均値が前記無効電力設定域内に近づくように変更することをその要旨としている。
【0009】
同構成によれば、一定時間の出力無効電力の平均値が無効電力設定域内に近づくように変更する。このため、出力無効電力を抑制でき、有効電力及び無効電力の更なる変動に対応することが可能である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の無効電力補償装置において、前記出力無効電力に裕度を持たせる出力裕度量を設定し、前記出力無効電力が前記無効電力設定域内であるときには前記出力裕度量を変更せず、前記出力無効電力が前記無効電力設定域外であるときには前記出力裕度量を段階的に変更することで前記出力無効電力を変更することをその要旨としている。
【0011】
同構成によれば、出力無効電力が無効電力設定域内では出力裕度量を変更せず、出力無効電力が無効電力設定域外であるときに出力裕度量を段階的に変更することで出力無効電力を変更する。このため、無効電力の出力を抑制することが可能である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の無効電力補償装置において、前記出力無効電力に裕度を持たせる出力裕度量を設定し、前記出力裕度量の上限値としての出力裕度量上限値と、前記出力裕度量の下限値としての出力裕度量下限値とを設定するとともに、前記出力裕度量上限値を上限と、前記出力裕度量下限値を下限とする出力裕度量設定域を設定し、前記出力無効電力の変更によって、前記出力裕度量が前記出力裕度量上限値以上となる場合には前記出力裕度量を前記出力裕度量上限値に設定し、前記出力裕度量が前記出力裕度量下限値以下となる場合には前記出力裕度量を前記出力裕度量下限値に設定することをその要旨としている。
【0013】
同構成によれば、出力裕度量が出力裕度量上限値以上となる場合には出力裕度量を出力裕度量上限値に設定し、出力裕度量が出力裕度量下限値以下となる場合には出力裕度量を出力裕度量下限値に設定する。このため、出力無効電力の変動による出力裕度量の過剰な上昇、下降を抑制することが可能である。よって、負荷変動に応じて、無効電力補償装置が出力できる領域を有効に使うことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の無効電力補償装置において、電圧上限値と電圧下限値とを設定するとともに、当該電圧上限値を上限、当該電圧下限値を下限とする電圧設定域を設定し、前記系統電圧が前記電圧設定域内から逸脱した場合に、前記電圧設定域内となるように電圧一定制御を行うことをその要旨としている。
【0015】
同構成によれば、電圧上限値と電圧下限値とを設定するとともに、電圧上限値を上限、電圧下限値を下限とする電圧設定域を設定して、系統電圧が電圧設定域内となるように電圧一定制御を行う。このため、系統電圧が大きく変動することを防ぐことが可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、無効電力補償装置において、有効電力及び無効電力の更なる変動に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】無効電力補償装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】無効電力補償装置の制御を示すフローチャート。
【図3】無効電力補償装置の動作を示す図。
【図4】無効電力補償装置の動作を示す図。
【図5】無効電力補償装置の制御を示すフローチャート。
【図6】無効電力補償装置の動作を示す図。
【図7】無効電力補償装置の制御を示すフローチャート。
【図8】無効電力補償装置の動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
図1に示されるように、無効電力補償装置10は、電力系統1に対して開閉器2及び変圧器3を介して並列接続されている。無効電力補償装置10は、電力系統1に接続された負荷4等によって電圧変動が発生する際に、無効電力を供給することにより電力系統1の系統電圧、例えば6600Vを調整する装置である。本実施例の無効電力補償装置10は、主回路にインバータ11を備え、同インバータ11には連系リアクトル12が接続されている。連系リアクトル12は、変圧器3に接続され、開閉器2を介して電力系統1に接続されている。インバータ11には、電位確立用のコンデンサ13が接続されている。開閉器2には、電力系統1の電流を検出する2つの電流センサCTと、電力系統1の電圧(以下、系統電圧という)を検出する電圧センサPTが設けられている。また、無効電力補償装置10には、制御装置14が設けられている。同制御装置14には、2つの電流センサCT及び電圧センサPTが接続されている。無効電力補償装置10は、系統電圧とインバータ出力電圧との電圧差で連系リアクトル12に流れる無効電力を調整しながら、連続的に出力を可変することで電力系統1の電圧を調整する。なお、本実施例の無効電力補償装置10は、SVG(Static Var Generator)方式の装置である。
【0019】
無効電力補償装置10は、インバータ11の出力電圧を系統電圧の位相と同期させ、大きさを変化させることにより、系統電圧から90度遅れ、進みの電流が連系リアクトル12に流れる。すなわち、無効電力補償装置10は電力系統1から見ると、可変の進相コンデンサや分路リアクトルが接続されているように動作する。例えば、負荷4の変動により電力系統1の電圧が低下した場合には、電力系統1から見て進相コンデンサと同様な動作をして電圧を持ち上げる。また、電力系統1の電圧が上昇した場合には、電力系統1から見て分路リアクトルと同様な動作をして電圧を下げる。
【0020】
無効電力補償装置10は、連系点の力率を一定に管理する「力率一定制御」を行う。力率一定制御は、連系点の負荷側の無効電力を検出し、電源側の力率が一定になるように無効電力を連続的に発生する。そして、無効電力補償装置10は、力率一定制御によって電圧変動を抑制する。
【0021】
図2及び図3に示されるように、無効電力補償装置10は、電力系統1の力率が一定となるように制御を行う。ここで、無効電力補償装置10は、出力無効電力Qが無効電力設定域QH‐L内に安定するように出力無効電力Qの制御を行う。すなわち、無効電力補償装置10は、出力無効電力Qに裕度を持たせるべく、仮想負荷又は仮想電源が存在するかの如く振舞う出力裕度量Qを設定する。
【0022】
図2に示されるように、まず、無効電力補償装置10の制御装置14は、出力無効電力Qが出力指令値Aとなるように力率一定制御を行う(ステップS10)。ここで、出力指令値A=−(負荷無効電力Q)+(負荷有効電力P)×tanθ−(出力裕度量Q)である。出力裕度量Qを変更することによって、出力指令値Aを変更する。
【0023】
続いて、制御装置14は、一定時間の出力無効電力Qを測定するため、サンプリング時間Tが経過したか否かを判定する(ステップS11)。制御装置14は、サンプリング時間Tが経過していない場合(ステップS11:NO)には、経過するまで待機する。一方、制御装置14は、サンプリング時間Tが経過した場合(ステップS11:YES)には、出力無効電力Qの平均値Σに基づいて出力指令値Aを変更する。すなわち、制御装置14は、出力無効電力Qの平均値Σを判別する(ステップS12)。なお、出力無効電力Qの平均値Σは、サンプリング時間Tにおける出力無効電力Qの積分値QΣをサンプリング時間Tで除した値である。また、サンプリング時間Tが一定時間に相当する。
【0024】
続いて、制御装置14は、出力無効電力Qの平均値Σが無効電力設定域QH‐Lの無効電力上限値Qよりも大きい(Σ>Q)場合には、出力裕度量Qを現在の出力裕度量Qに変更幅ΔQを加えた値(Q=Q+ΔQ)に変更する(ステップS13)。すなわち、制御装置14は、出力裕度量Qが無効電力設定域QH‐Lの無効電力上限値Qよりも上側で推移していると判断して、現在の出力裕度量Qを変更幅ΔQだけ増加させることで、出力無効電力Qが変更幅ΔQだけ少なくなり、無効電力の出力に余裕を持たせる。
【0025】
また、制御装置14は、出力無効電力Qの平均値Σが無効電力設定域QH‐Lの無効電力下限値Qよりも小さい(Σ<Q)場合には、出力裕度量Qを現在の出力裕度量Qから変更幅ΔQを引いた値(Q=Q−ΔQ)に変更する(ステップS14)。すなわち、制御装置14は、出力裕度量Qが無効電力設定域QH‐Lの無効電力下限値Qよりも下側で推移していると判断して、現在の出力裕度量Qを変更幅ΔQだけ減少させることで、出力無効電力Qが変更幅ΔQだけ多くなり、無効電力の出力に余裕を持たせる。
【0026】
また、制御装置14は、出力無効電力Qの平均値Σが無効電力設定域QH‐L内である(Q≦Σ≦Q)場合には、出力無効電力Qを現在の出力裕度量Qのまま(Q=Q)とする(ステップS15)。
【0027】
次に、前述のように構成された無効電力補償装置10を電力系統1に設置した際における無効電力補償装置10の動作態様について説明する。図3に示されるように、電力系統1に無効電力が継続的に発生した場合について説明する。
【0028】
まず、無効電力補償装置10の出力裕度量Qは、零に設定されている。また、電力系統1の負荷無効電力Qは零である。そして、第11サンプリング時間T11において電力系統1に遅れ(+)の急峻な無効電力Qが発生する。この時、無効電力補償装置10は、電力系統1に進み(−)の無効電力を出力する。すなわち、無効電力補償装置10は、電力系統1の負荷無効電力Qと同等の大きさで逆の出力無効電力Qを出力する。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐L内(Q<Σ<Q)となる。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qを第12サンプリング時間T12において設定する。
【0029】
続いて、無効電力補償装置10は、第12サンプリング時間T12において出力無効電力Qを第11サンプリング時間T11と同じ値に維持する。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力下限値Qよりも下方となる(Σ<Q)ので、無効電力補償装置10は出力無効電力Qよりも大きい値とする。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力裕度量Qから変更幅ΔQの無効電力を引いたQ−ΔQを新たな出力裕度量Qとする。すなわち、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qに変更幅ΔQを加えたQ+ΔQを第13サンプリング時間T13において新たな出力無効電力Qとする。
【0030】
続いて、無効電力補償装置10は、第13サンプリング時間T13において出力無効電力Qを第12サンプリング時間T12よりも変更幅ΔQだけ増加した値とする。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力下限値Qよりも下方となる(Σ<Q)ので、無効電力補償装置10は出力無効電力Qよりも大きい値とする。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力裕度量Qから変更幅ΔQの無効電力を引いたQ−ΔQを新たな出力裕度量Qとする。すなわち、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qに変更幅ΔQを加えたQ+ΔQを第14サンプリング時間T14において新たな出力無効電力Qとする。
【0031】
更に、無効電力補償装置10は、第14サンプリング時間T14において出力無効電力Qを第13サンプリング時間T13よりも変更幅ΔQだけ増加した値とする。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐L内(Q<Σ<Q)となるので、無効電力補償装置10は現在の出力裕度量Qを変更しない。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qを第15サンプリング時間T15においても設定する。以後、無効電力補償装置10は、出力無効電力Qの平均値Σが無効電力設定域QH‐L内(Q<Σ<Q)となれば、現在の出力無効電力Qを設定する。
【0032】
ここで、需要家においては、急峻な電圧変動が発生するとフリッカ等が起きて問題である。このため、急峻な電圧変動に対応して急峻な電圧変動を抑制することが重要である。無効電力補償装置10が電力系統1に無効電力を出力範囲の最大で出力していると、急峻な電圧変動に対応することができなくなる。そこで、本実施例の無効電力補償装置10は、上記のように出力無効電力Qを無効電力設定域QH‐Lに近づけることで、系統電圧が現在の値から大きく変動した際に即座に対応して無効電力を出力範囲の最大で出力することが可能となり、急峻な電圧変動を抑制することを可能とする。
【0033】
次に、図4に示されるように、電力系統1に無効電力Qが発生している場合について説明する。なお、無効電力補償装置10は無効電力Qのときに出力無効電力Qが零に設定されている。
【0034】
まず、無効電力補償装置10の出力裕度量Qは、−Qに設定されている。また、電力系統1に遅れ(+)の無効電力Qが発生している。このとき、無効電力補償装置10の出力無効電力Qは零である。そして、第22サンプリング時間T22において電力系統1の負荷無効電力Qが無効電力Qから低下して零に近い値となる。よって、無効電力補償装置10は、出力無効電力Qを増加する。ここで、出力無効電力Qは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力上限値Qよりも大きくなる。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐L内(Q<Σ<Q)となるので、無効電力補償装置10は現在の出力裕度量Qを変更しない。無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qを第23サンプリング時間T23において設定する。
【0035】
続いて、無効電力補償装置10は、第23サンプリング時間T23において出力無効電力Qを第22サンプリング時間T22と同じ値に維持する。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力上限値Qよりも上方となる(Σ>Q)ので、無効電力補償装置10は出力無効電力Qよりも小さい値とする。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力裕度量Qに変更幅ΔQの無効電力を加えたQ+ΔQを新たな出力裕度量Qとする。すなわち、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qから変更幅ΔQを引いたQ−ΔQを第24サンプリング時間T24において新たな出力無効電力Qとする。
【0036】
続いて、無効電力補償装置10は、第24サンプリング時間T24において出力無効電力Qを第23サンプリング時間T23よりも変更幅ΔQだけ減少した値とする。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力上限値Qよりも上方となる(Σ>Q)ので、無効電力補償装置10は出力無効電力Qよりも小さい値とする。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力裕度量Qに変更幅ΔQの無効電力を加えたQ+ΔQを新たな出力裕度量Qとする。すなわち、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qから変更幅ΔQを引いたQ−ΔQを第25サンプリング時間T25において新たな出力無効電力Qとする。
【0037】
更に、無効電力補償装置10は、第25サンプリング時間T25において出力無効電力Qを第24サンプリング時間T24よりも変更幅ΔQだけ減少した値とする。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐L内(Q<Σ<Q)となるので、無効電力補償装置10は現在の出力裕度量Qを変更しない。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qを第26サンプリング時間T26においても設定する。以後、無効電力補償装置10は、出力無効電力Qの平均値Σが無効電力設定域QH‐L内(Q<Σ<Q)となれば、現在の出力無効電力Qを設定する。
【0038】
上記のように、無効電力補償装置10の出力無効電力に出力裕度量Qを設定して、出力無効電力Qを無効電力設定域QH‐Lに近づけることで、無効電力の出力を抑制できる。そして、急峻な電圧変動に対して増加及び減少のどちらでも即座に無効電力を出力範囲の最大で出力することができるので、急峻な電圧変動を抑制することができる。
【0039】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)出力無効電力Qの上下に無効電力上限値Qと無効電力下限値Qとを設定するとともに、無効電力上限値Qを上限、無効電力下限値Qを下限とする無効電力設定域QH−Lを設定して、出力無効電力Qが無効電力設定域QH−L内となるように出力無効電力Qを段階的に変更する。このため、無効電力設定域QH−L内となるように出力無効電力Qを設定するので、設定無効電力の1点に合わせるのではなく余裕のある幅で無効電力を出力可能である。よって、無効電力の定常的な出力を抑制して、有効電力及び無効電力の更なる変動に対応することができる。
【0040】
(2)サンプリング時間Tの出力無効電力Qの平均値Σが無効電力設定域QH−L内に近づくように変更する。このため、出力無効電力Qを抑制でき、有効電力及び無効電力の更なる変動に対応することができる。
【0041】
(3)出力無効電力Qが無効電力設定域QH−L内では出力裕度量Qを変更せず、出力無効電力Qが無効電力設定域QH−L外であるときに出力裕度量Qを段階的に変更することで出力無効電力Qを変更する。このため、無効電力の出力を抑制することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。この実施形態の無効電力補償装置は、出力裕度量Qに上限と下限とを設け、これら上限と下限とに出力裕度量Qが達した際にはその値に設定する点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、この実施形態の無効電力補償装置は、図1に示す第1の実施形態の無効電力補償装置と同様の構成を備えている。
【0043】
図5に示されるように、まず、無効電力補償装置10の制御装置14は、サンプリング時間Tが経過する毎に、ステップS15まで第1の実施形態と同様の処理を行う。
次に、無効電力補償装置10の制御装置14は、変更した出力裕度量Qが出力裕度量上限値QMAXと出力裕度量下限値QMINとで設定された出力裕度量設定域QMAX−MIN内にあるか否かを判定する。すなわち、制御装置14は、出力裕度量Qが出力裕度量設定域QMAX−MINの出力裕度量下限値QMINよりも小さいか否かを判定する(ステップS16)。そして、制御装置14は、出力裕度量Qが出力裕度量下限値QMINよりも小さい場合(ステップS16:YES)には、出力裕度量Qを出力裕度量下限値QMINに設定する(ステップS18)。
【0044】
一方、制御装置14は、出力裕度量Qが出力裕度量下限値QMINよりも大きい場合(ステップS16:NO)には、出力裕度量Qが出力裕度量設定域QMAX−MINの出力裕度量上限値QMAXよりも大きいか否かを判定する(ステップS17)。そして、制御装置14は、出力裕度量Qが出力裕度量上限値QMAXよりも大きい場合(ステップS17:YES)には、出力裕度量Qを出力裕度量上限値QMAXに設定する(ステップS19)。一方、制御装置14は、出力裕度量Qが出力裕度量上限値QMAXよりも小さい場合(ステップS17:NO)には、出力裕度量Qが出力裕度量設定域QMAX−MIN内であると判定して、出力無効電力Qを現在の出力裕度量Qのまま(Q=Q)とする。
【0045】
次に、前述のように構成された無効電力補償装置10を電力系統1に設置した際における無効電力補償装置10の動作態様について説明する。図6に示されるように、電力系統1に無効電力が発生した場合について説明する。
【0046】
まず、無効電力補償装置10の出力裕度量Qは、進み(−)側に変位して設定されている。また、電力系統1には、遅れ(+)の無効電力が少し発生している。そして、第31サンプリング時間T31において電力系統1に遅れ(+)の急峻な無効電力Qが発生する。この時、無効電力補償装置10は、電力系統1に進み(−)の無効電力を出力する。すなわち、無効電力補償装置10は、電力系統1の負荷無効電力Qと同等の大きさで逆の出力無効電力Qを出力する。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力下限値Qよりも下方となるので、無効電力補償装置10は出力無効電力Qよりも大きい値とする。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力裕度量Qから変更幅ΔQの無効電力を引いたQ−ΔQを新たな出力裕度量Qとする。この設定された出力裕度量Qは、出力裕度量下限値QMINと一致する。すなわち、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qに変更幅ΔQを加えたQ+ΔQを第32サンプリング時間T32において新たな出力無効電力Qとする。
【0047】
続いて、無効電力補償装置10は、第32サンプリング時間T32において出力無効電力Qを第31サンプリング時間T31よりも変更幅ΔQだけ増加した値とする。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力下限値Qよりも下方となる(Σ<Q)ので、無効電力補償装置10は出力無効電力Qよりも大きい値とする。しかしながら、無効電力補償装置10は、現在の出力裕度量Qから変更幅ΔQの無効電力を引くと、出力裕度量下限値QMINよりも小さくなるので、無効電力補償装置10は現在の出力裕度量QをQMINとする。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qを第33サンプリング時間T33においても設定する。
【0048】
続いて、無効電力補償装置10は、第33サンプリング時間T33において出力無効電力Qを第32サンプリング時間T32と同じ値に維持する。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力下限値Qよりも下方となる(Σ<Q)ので、無効電力補償装置10は出力無効電力Qよりも大きい値とする。しかしながら、無効電力補償装置10は、現在の出力裕度量Qから変更幅ΔQの無効電力を引くと、出力裕度量下限値QMINよりも小さくなるので、無効電力補償装置10は現在の出力裕度量QをQMINとする。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qを第34サンプリング時間T34においても設定する。
【0049】
更に、無効電力補償装置10は、第34サンプリング時間T34において出力無効電力Qを第33サンプリング時間T33と同じ値に維持する。そして、第34サンプリング時間T34において電力系統1の負荷無効電力Qが無効電力Qから低下した。よって、無効電力補償装置10は、出力無効電力Qを増加する。ここで、出力無効電力Qは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力上限値Qよりも大きくなる。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力上限値Qよりも上方となる(Σ>Q)ので、無効電力補償装置10は出力無効電力Qよりも小さい値とする。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力裕度量Qに変更幅ΔQの無効電力を加えたQ+ΔQを新たな出力裕度量Qとする。すなわち、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qから変更幅ΔQを引いたQ−ΔQを第35サンプリング時間T35において新たな出力無効電力Qとする。
【0050】
続いて、無効電力補償装置10は、第35サンプリング時間T35において出力無効電力Qを第34サンプリング時間T34よりも変更幅ΔQだけ減少した値とする。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐L内(Q<Σ<Q)となる。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qを第36サンプリング時間T36において設定する。
【0051】
上記のように、出力裕度量Qに無効電力設定域QMAX‐MINを設定することで、電力系統の電圧変動によって限りなく出力裕度量Qが減少又は増加を続けることを抑制できる。
【0052】
以上、説明した実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(3)の作用効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。
(4)出力裕度量Qが出力裕度量上限値QMAX以上となる場合には出力裕度量Qを出力裕度量上限値QMAXに設定し、出力裕度量Qが出力裕度量下限値QMIN以下となる場合には出力裕度量Qを出力裕度量下限値QMINに設定する。このため、出力無効電力Qの変動による出力裕度量Qの過剰な上昇、下降を抑制することができる。よって、負荷変動に応じて、無効電力補償装置10が出力できる領域を有効に使うことができる。すなわち、電力系統の無効電力の更なる変動に対して裕度を持たせて確実に対応することができる。
【0053】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図7及び図8を参照して説明する。この実施形態の無効電力補償装置は、系統電圧Vに上限と下限とを設け、これら上限と下限とに系統電圧Vが達した際にはその値に設定する点が上記第2の実施形態と異なっている。以下、第2の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、この実施形態の無効電力補償装置は、図1に示す第1の実施形態の無効電力補償装置と同様の構成を備えている。
【0054】
図7に示されるように、まず、無効電力補償装置10の制御装置14は、サンプリング時間Tが経過する毎に、ステップS19まで第2の実施形態と同様の処理を行う。
次に、無効電力補償装置10の制御装置14は、系統電圧Vが電圧上限値VMAXと電圧下限値VMINとで設定された電圧設定域VMAX−MIN内にあるか否かを判定する。すなわち、制御装置14は、系統電圧Vが電圧設定域VMAX−MINの電圧下限値VMINよりも小さいか否かを判定する(ステップS20)。そして、制御装置14は、系統電圧Vが電圧下限値VMINよりも小さい場合(ステップS20:YES)には、電圧下限値VMINに電圧一定制御を行う。(ステップS22)。
【0055】
一方、制御装置14は、系統電圧Vが電圧下限値VMINよりも大きい場合(ステップS20:NO)には、系統電圧Vが電圧設定域VMAX−MINの電圧上限値VMAXよりも大きいか否かを判定する(ステップS21)。そして、制御装置14は、系統電圧Vが電圧上限値VMAXよりも大きい場合(ステップS21:YES)には、電圧上限値VMAXに電圧一定制御を行う(ステップS23)。一方、制御装置14は、系統電圧Vが電圧上限値VMAXよりも小さい場合(ステップS21:NO)には、系統電圧Vが電圧設定域VMAX−MIN内であると判定して、力率一定制御を行う。
【0056】
次に、前述のように構成された無効電力補償装置10を電力系統1に設置した際における無効電力補償装置10の動作態様について説明する。図8に示されるように、系統電圧Vが電圧上限値VMAX以上である場合について説明する。
【0057】
まず、無効電力補償装置10の出力裕度量Qは、進み(−)側に変位して設定されている。そして、第41サンプリング時間T41において電力系統1の系統電圧Vが電圧上限値VMAX以上となる。この時、無効電力補償装置10は、電力系統1に遅れ(+)の無効電力を出力する。なお、破線で示した系統電圧Vは、本例の無効電力補償装置10による無効電力補償が行われなかった場合の状態を示している。
【0058】
そして、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力上限値Qよりも上方となるので、無効電力補償装置10は出力無効電力Qよりも小さい値とする。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力裕度量Qから変更幅ΔQの無効電力を加えたQ+ΔQを新たな出力裕度量Qとする。しかしながら、無効電力補償装置10は、系統電圧Vが電圧上限値VMAXより大きい(V>VMAX)ので、電圧上限値VMAXに電圧一定制御を行う。なお、現在の出力無効電力Qを第42サンプリング時間T42において設定する。
【0059】
続いて、無効電力補償装置10は、第42サンプリング時間T42において出力無効電力Qを第41サンプリング時間T41と同じ値に維持する。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力上限値Qよりも上方となるので、無効電力補償装置10は出力無効電力Qよりも小さい値とする。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力裕度量Qから変更幅ΔQの無効電力を加えたQ+ΔQを新たな出力裕度量Qとする。しかしながら、無効電力補償装置10は、系統電圧Vが電圧上限値VMAXより大きい(V>VMAX)ので、電圧上限値VMAXに電圧一定制御を行う。なお、現在の出力無効電力Qを第43サンプリング時間T43において設定する。
【0060】
続いて、無効電力補償装置10は、第43サンプリング時間T43において出力無効電力Qを第42サンプリング時間T42と同じ値に維持する。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力上限値Qよりも上方となるので、無効電力補償装置10は出力無効電力Qよりも小さい値とする。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力裕度量Qから変更幅ΔQの無効電力を加えたQ+ΔQを新たな出力裕度量Qとする。しかしながら、無効電力補償装置10は、系統電圧Vが電圧上限値VMAXより大きい(V>VMAX)ので、電圧上限値VMAXに電圧一定制御を行う。なお、現在の出力無効電力Qを第44サンプリング時間T44において設定する。
【0061】
更に、無効電力補償装置10は、第44サンプリング時間T44において出力無効電力Qを第43サンプリング時間T43と同じ値に維持する。ここで、第44サンプリング時間T44において電力系統1の系統電圧Vが電圧上限値VMAXよりも下方に減少する。よって、無効電力補償装置10は、力率一定制御を行い、遅れ(+)の出力無効電力Qを減少する。
【0062】
また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐Lの無効電力上限値Qよりも上方となる(Σ>Q)ので、無効電力補償装置10は出力無効電力Qよりも小さい値とする。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力裕度量Qに変更幅ΔQの無効電力を加えたQ+ΔQを新たな出力裕度量Qとする。すなわち、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qから変更幅ΔQを引いたQ−ΔQを第45サンプリング時間T45において新たな出力無効電力Qとする。
【0063】
続いて、無効電力補償装置10は、第45サンプリング時間T45において出力無効電力Qを第44サンプリング時間T44よりも変更幅ΔQだけ減少した値とする。また、出力無効電力Qの平均値Σは、無効電力設定域QH‐L内(Q<Σ<Q)となる。よって、無効電力補償装置10は、現在の出力無効電力Qを第46サンプリング時間T46において設定する。以後、無効電力補償装置10は、出力無効電力Qの平均値Σが無効電力設定域QH‐L内(Q<Σ<Q)となれば、現在の出力無効電力Qを設定する。
【0064】
上記のように、系統電圧Vに電圧設定域VMAX‐MINを設定することで、系統電圧Vが通常の電圧を逸脱することを抑制できる。
以上、説明した実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(3)、及び第2の実施形態の(4)の作用効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。
【0065】
(5)電圧上限値VMAXと電圧下限値VMINとを設定するとともに、電圧上限値VMAXを上限、電圧下限値VMINを下限とする電圧設定域VMAX−MINを設定して、系統電圧Vが電圧設定域VMAX−MIN内となるように電圧一定制御を行う。このため、系統電圧Vが大きく変動することを防ぐことができる。
【0066】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態において、サンプリング時間T、出力裕度量Qの変更幅ΔQ、無効電力下限値Q、無効電力上限値Q、出力裕度量下限値QMIN、出力裕度量上限値QMAX、電圧下限値VMIN、電圧上限値VMAX等の値は設置場所に応じて任意に設定可能である。
【0067】
・上記実施形態において、無効電力下限値Qと無効電力上限値Qとは零との絶対値の差を個々に任意の値に設定してもよい。
・上記第2の実施形態において、出力裕度量下限値QMINと出力裕度量上限値QMAXとは零との絶対値の差を個々に任意の値に設定してもよい。
【0068】
・上記実施形態では、出力裕度量Qを設定したが、出力裕度量Qを用いず、出力無効電力Qを変更してもよい。
・上記実施形態では、サンプリング時間Tにおける出力無効電力Qの平均値Σが無効電力設定域QH−L内であるか否かを判定して、出力無効電力Qを段階的に変更した。しかしながら、サンプリング時間Tにおける出力無効電力Qの平均値Σに限らず、サンプリング時間Tの特定時における出力無効電力Qが無効電力設定域QH−L内であるか否かを判定してもよい。
【0069】
・上記実施形態では、出力無効電力Qが無効電力設定域QH−L内にあるか否かをサンプリング時間Tにおいて行ったが、出力無効電力Qが無効電力設定域QH−L内にあるか否かを随時判定してもよい。
【0070】
・上記実施形態では、1つの電力系統1に1台の無効電力補償装置10を設置したが、複数台設置しても同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0071】
1…電力系統、2…開閉器、3…変圧器、4…負荷、10…無効電力補償装置(SVG)、11…インバータ、12…連系リアクトル、13…コンデンサ、14…制御装置、CT…電流センサ、PT…電圧センサ、A…出力指令値、Q…出力裕度量、ΔQ…出力裕度量の変更幅、Q…無効電力上限値、Q…無効電力下限値、QH−L…無効電力設定域、QMAX…出力裕度量上限値、QMIN…出力裕度量下限値、QMAX−MIN…出力裕度量設定域、V…系統電圧、VMAX…電圧上限値、VMIN…電圧下限値、VMAX−MIN…電圧設定域、T…一定時間としてのサンプリング時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統の系統電圧を安定させるために電力系統に無効電力を出力する力率一定制御方式の無効電力補償装置において、
出力無効電力の上下に無効電力上限値と無効電力下限値とを設定するとともに、当該無効電力上限値を上限、当該無効電力下限値を下限とする無効電力設定域を設定し、
前記出力無効電力が前記無効電力設定域内となるように段階的に変更する
ことを特徴とする無効電力補償装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無効電力補償装置において、
前記出力無効電力の一定時間における平均値が前記無効電力設定域内に近づくように変更する
ことを特徴とする無効電力補償装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の無効電力補償装置において、
前記出力無効電力に裕度を持たせる出力裕度量を設定し、
前記出力無効電力が前記無効電力設定域内であるときには前記出力裕度量を変更せず、前記出力無効電力が前記無効電力設定域外であるときには前記出力裕度量を段階的に変更することで前記出力無効電力を変更する
ことを特徴とする無効電力補償装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の無効電力補償装置において、
前記出力無効電力に裕度を持たせる出力裕度量を設定し、
前記出力裕度量の上限値としての出力裕度量上限値と、前記出力裕度量の下限値としての出力裕度量下限値とを設定するとともに、
前記出力裕度量上限値を上限と、前記出力裕度量下限値を下限とする出力裕度量設定域を設定し、
前記出力無効電力の変更によって、前記出力裕度量が前記出力裕度量上限値以上となる場合には前記出力裕度量を前記出力裕度量上限値に設定し、前記出力裕度量が前記出力裕度量下限値以下となる場合には前記出力裕度量を前記出力裕度量下限値に設定する
ことを特徴とする無効電力補償装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の無効電力補償装置において、
電圧上限値と電圧下限値とを設定するとともに、当該電圧上限値を上限、当該電圧下限値を下限とする電圧設定域を設定し、
前記系統電圧が前記電圧設定域内から逸脱した場合に、前記電圧設定域内となるように電圧一定制御を行う
ことを特徴とする無効電力補償装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−175753(P2012−175753A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33231(P2011−33231)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000102636)エナジーサポート株式会社 (51)
【Fターム(参考)】